JP6822430B2 - 極数切替電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、極数切替電動機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、特許文献1に見られるように、極数切替時における電動機のトルクショックの抑制を図るものが知られている。詳しくは、この制御装置は、例えば8極から4極への切替時において、8極に対応するトルクと4極に対応するトルクとの合計トルクを一定にしたまま、8極に対応するトルクを徐々に減少させるとともに4極に対応するトルクを徐々に増加させる。
特開平8−223999号公報
特許文献1に記載された制御方法を用いたとしても、極数切替時において電動機で発生する電圧のピーク値が大きくなり、電動機のステータ巻線に流れる電流のピーク値が大きくなってしまうといった問題が生じ得る。
本発明は、ステータ巻線に流れる電流のピーク値の増大を抑制できる極数切替電動機の制御装置を提供することを主たる目的とする。
第1の発明は、極数を切替可能な電動機と、前記電動機のステータ巻線に電気的に接続されたインバータと、を備えるシステムに適用される極数切替電動機の制御装置において、前記ステータ巻線に流れる電流ベクトルの大きさを電流振幅とする場合、切替前極数での駆動指示があるとき、前記切替前極数に対応する前記電流振幅である切替前電流振幅を制御すべく前記インバータを操作し、切替後極数での駆動指示があるとき、前記切替後極数に対応する前記電流振幅である切替後電流振幅を制御すべく前記インバータを操作する基本操作部と、前記切替前極数から前記切替後極数への切り替えが指示される場合、極数切替期間において、前記切替前電流振幅を減少させてかつ前記切替後電流振幅を増加させるべく前記インバータを操作する切替操作部と、を備え、前記切替操作部は、前記極数切替期間において、前記切替前電流振幅及び前記切替後電流振幅の合計値が制限電流値を超えないように前記インバータを操作する。
第1の発明の基本操作部は、切替前極数での駆動指示がある場合、切替前電流振幅を制御すべくインバータを操作し、切替後極数での駆動指示がある場合、切替後電流振幅を制御すべくインバータを操作する。また、第1の発明の切替操作部は、切替前極数から切替後極数への切り替えが指示される場合、極数切替期間において、切替前電流振幅を減少させてかつ切替後電流振幅を増加させるべくインバータを操作する。これにより、電動機の極数が切替前極数から切替後極数に切り替えられる。
ここで、切替操作部は、極数切替期間において、切替前電流振幅及び切替後電流振幅の合計値が制限電流値を超えないようにインバータを操作する。このため、極数切替期間においてステータ巻線に流れる電流のピーク値が増大することを抑制できる。
第2の発明では、前記切替前電流振幅の指令値を切替前指令振幅とし、前記切替後電流振幅の指令値を切替後指令振幅とする場合、前記基本操作部は、前記切替前極数での駆動指示があるとき、前記切替前電流振幅を前記切替前指令振幅に制御すべく前記インバータを操作し、前記切替後極数での駆動指示があるとき、前記切替後電流振幅を前記切替後指令振幅に制御すべく前記インバータを操作し、前記極数切替期間の終了タイミングにおける前記切替後指令振幅を切替後初期値とする場合、前記切替操作部は、前記切替後指令振幅を前記切替後初期値に向かって増加させ、かつ、前記切替前指令振幅を0に向かって減少させ、前記極数切替期間のうち、その期間の開始タイミングから始まる最初の期間を第1期間とし、前記第1期間に続く残りの期間であってかつ前記第1期間よりも長い期間を第2期間とする場合、前記切替操作部は、前記第1期間における前記切替後指令振幅の増加速度の最大値を、前記第2期間のうち前記極数切替期間の終了タイミングを含まない期間における前記切替後指令振幅の増加速度の最大値よりも高くする。
第2の発明の切替操作部は、切替後指令振幅を切替後初期値に向かって増加させ、かつ、切替前指令振幅を0に向かって減少させる。この際、第2期間よりも短い第1期間における切替後指令振幅の増加速度の最大値が、第2期間における切替後指令振幅の増加速度の最大値よりも高くされる。このため、極数切替期間の開始タイミングから迅速に切替後電流振幅を増加させることができ、切替後極数に対応する2次磁束を迅速に増加させることができる。これにより、極数切替期間における電動機のトルク低下の抑制効果を高めることができる。
第3の発明では、前記切替操作部は、前記極数切替期間の開始タイミングにおいて前記切替後指令振幅をステップ状に増加させた後、前記極数切替期間の終了タイミングにおいて前記切替後指令振幅が前記切替後初期値となるように前記切替後指令振幅を漸増させる。
第3の発明では、極数切替期間の開始タイミングにおいて切替後指令振幅をステップ状に増加させる。このため、極数切替期間の開始タイミングからより迅速に切替後電流振幅を増加させることができ、切替後極数に対応する2次磁束をより迅速に増加させることができる。これにより、極数切替期間における電動機のトルク低下の抑制効果をより高めることができる。
第1実施形態に係る車載モータ制御システムの全体構成図。 ステータ巻線を示す図。 制御装置が行うベクトル制御を示すブロック図。 極数の切替点を示す図。 極数切替態様を示すタイムチャート。 極数切替時の電流振幅等の推移を示すタイムチャート。 極数切替後に収束する動作点を示す図。 極数切替処理の手順を示すフローチャート。 極数切替態様を示すタイムチャート。 比較例1に係る極数切替態様を示すタイムチャート。 比較例2に係る極数切替態様を示すタイムチャート。 第2実施形態に係る極数切替態様を示すタイムチャート。 最小トルクを説明するための図。 極数切替処理の手順を示すフローチャート。 極数切替態様を示すタイムチャート。 第2実施形態の変形例に係る極数切替態様を示すタイムチャート。 極数切替処理の手順を示すフローチャート。 第3実施形態に係る極数の切替点A1〜A4を示す図。 A2における極数切替態様を示すタイムチャート。 A3における極数切替態様を示すタイムチャート。 A4における極数切替態様を示すタイムチャート。 極数切替処理の手順を示すフローチャート。 その他の実施形態に係る極数切替態様を示すタイムチャート。 その他の実施形態に係る極数切替態様を示すタイムチャート。 その他の実施形態に係る極数切替態様を示すタイムチャート。 その他の実施形態に係る極数切替態様を示すタイムチャート。 その他の実施形態に係る極数切替態様を示すタイムチャート。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る制御装置を、車載主機として電動機を備える電気自動車又はハイブリッド車等の車両に適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、車載制御システムは、モータ10、インバータ20及び制御装置30を備えている。
モータ10は、車載主機であり、駆動輪40と動力伝達可能とされている。本実施形態において、モータ10は、極数が切り替え可能なかご型誘導電動機であり、具体的には極数を4極及び8極のいずれかに切り替え可能に構成されている。なお、極数が切り替え可能な誘導電動機は、ポールチェンジモータとも呼ばれる。
Aを2以上の偶数とし、nを2以上の整数とする場合において、A極とn×A極とのうち、一方が切替前極数として定義され、他方が切替後極数として定義されている。3以上の整数をmとする場合、モータ10は、m相のステータ巻線12A〜12Fをn組有している。この場合、インバータ20は、n×m相のものである。本実施形態では、A=2、m=3、n=2である。
モータ10のステータは、図2に示すように、6相のステータ巻線12A〜12Fを備えている。これらステータ巻線12A〜12Fは、電気角で60度ずつずれるようにしてステータに設けられている。
先の図1の説明に戻り、モータ10は、6相のインバータ20を介して直流電源としてのバッテリ21に接続されている。インバータ20は、上,下アームスイッチの直列接続体を備えている。インバータ20の各スイッチは、例えば、IGBT又はNチャネルMOSFET等の電圧制御形の半導体スイッチング素子である。
制御システムは、電流センサ22及び速度センサ23を備えている。電流センサ22は、モータ10に流れる各相電流を検出する。図1には、A,B,C,D,E,F相のステータ巻線12A,12B,12C,12D,12E,12Fに流れる電流の検出値をIar,Ibr,Icr,Idr,Ier,Ifrにて示す。速度センサ23は、モータ10を構成するロータの機械角周波数ωrを検出する。電流センサ22及び速度センサ23の検出値は、制御装置30に入力される。
制御装置30は、マイコンを主体として構成され、モータ10のトルクを合計指令トルクTr*にフィードバック制御すべく、インバータ20を操作する。合計指令トルクTr*は、例えば、車両の走行制御を統括する制御装置等、制御装置30よりも上位の制御装置から制御装置30に対して出力される。
図3を用いて、制御装置30が行うモータ10のトルク制御について説明する。
制御装置30は、指令値算出部31と、4極制御部32と、8極制御部33と、座標変換部34とを備えている。
指令値算出部31は、取得した合計指令トルクTr*と、機械角周波数ωrとに基づいて、第1d軸指令電流Id4*、第1q軸指令電流Iq4*、第2d軸指令電流Id8*、第2q軸指令電流Iq8*、4極に対応したすべり角周波数である第1のすべり角周波数ωs4、及び8極に対応したすべり角周波数である第2のすべり角周波数ωs8を算出する。指令値算出部31は、第1d軸指令電流Id4*及び第1q軸指令電流Iq4*から定まる4極に対応するモータ10のトルクと、第2d軸指令電流Id8*及び第2q軸指令電流Iq8*から定まる8極に対応するモータ10のトルクとの加算値が合計指令トルクTr*となるように、第1d軸指令電流Id4*、第1q軸指令電流Iq4*、第2d軸指令電流Id8*及び第2q軸指令電流Iq8*を算出する。
4極制御部32は、モータ10の極数として4極が選択された場合のモータ10の電流制御系である。8極制御部33は、モータ10の極数として8極が選択された場合のモータ10の電流制御系である。
まず、4極制御部32について説明する。第1周波数算出部32aは、機械角周波数ωrと、4極の場合の極数P4とに基づいて、4極に対応するモータ10の電気角周波数である第1の電気角周波数ω4rを算出する。
第1加算部32bは、第1周波数算出部32aにより算出された第1の電気角周波数ω4rに、指令値算出部31により算出された第1のすべり角周波数ωs4を加算して出力する。
第1角度算出部32cは、第1加算部32bの出力値を積分することにより、第1の電気角θ4を算出する。
第1dq変換部32dは、第1角度算出部32cにより算出された第1の電気角θ4に基づいて、電流センサ22により検出された各相電流Iar〜Ifrを、4極に対応するdq軸上の第1d軸電流Id4r及び第1q軸電流Iq4rに変換する。ここで、d軸電流は2次磁束を生じさせるために励磁電流であり、q軸電流はトルク電流である。また、4極に対応するdq座標系は、インバータ20の出力電圧ベクトルの回転角周波数である1次角周波数で回転する直交2次元回転座標系である。
第1電流制御部32eは、第1dq変換部32dにより変換された第1d軸電流Id4rを、指令値算出部31により算出された第1d軸指令電流Id4*にフィードバック制御するための操作量として、d軸上の第1d軸指令電圧Vd4*を算出する。また、第1電流制御部32eは、第1dq変換部32dにより変換された第1q軸電流Iq4rを、指令値算出部31により算出された第1q軸指令電流Iq4*にフィードバック制御するための操作量として、q軸上の第1q軸指令電圧Vq4*を算出する。なお、第1電流制御部32eで用いられるフィードバック制御は、例えば、比例積分制御であればよい。
続いて、8極制御部33について説明する。第2周波数算出部33aは、機械角周波数ωrと、8極の場合の極数P8とに基づいて、8極に対応するモータ10の電気角周波数である第2の電気角周波数ω8rを算出する。
第2加算部33bは、第2周波数算出部33aにより算出された第2の電気角周波数ω8rに、指令値算出部31により算出された第2のすべり角周波数ωs8を加算して出力する。
第2角度算出部33cは、第2加算部33bの出力値を積分することにより、第2の電気角θ8を算出する。
第2dq変換部33dは、第2角度算出部33cにより算出された第2の電気角θ8に基づいて、電流センサ22により検出された各相電流Iar〜Ifrを、8極に対応するdq軸上の第2d軸電流Id8r及び第2q軸電流Iq8rに変換する。8極に対応するdq座標系は、8極に対応する1次角周波数で回転する直交2次元回転座標系である。
第2電流制御部33eは、第2dq変換部33dにより変換された第2d軸電流Id8rを、指令値算出部31により算出された第2d軸指令電流Id8*にフィードバック制御するための操作量として、d軸上の第2d軸指令電圧Vd8*を算出する。また、第2電流制御部33eは、第2dq変換部33dにより変換された第2q軸電流Iq8rを、指令値算出部31により算出された第2q軸指令電流Iq8*にフィードバック制御するための操作量として、q軸上の第2q軸指令電圧Vq8*を算出する。なお、第2電流制御部33eで用いられるフィードバック制御は、例えば、比例積分制御であればよい。
座標変換部34は、第1電流制御部32eにより算出された第1d,q指令電圧Vd4*,Vq4*、第1の電気角θ4、第2電流制御部33eにより算出された第2d,q指令電圧Vd8*,Vq8*、及び第2の電気角θ8に基づいて、6相の固定座標系におけるA,B,C,D,E,F相指令電圧Va*,Vb*,Vc*,Vd*,Ve*,Vf*を算出する。
ちなみに、モータ10の極数として4極が選択されている場合、座標変換部34により算出される各相指令電圧Va*〜Vf*は、下式(eq1)に示すように、A,B,C,D,E,F相の順で60度ずつずれた波形となる。下式(eq1)において、Vm4は指令電圧の振幅を示し、tは時間を示し、ω4cは1次角周波数を示し、σ4は指令電圧の位相を示す。
Figure 0006822430
一方、モータ10の極数として8極が選択されている場合、座標変換部34により算出される各相指令電圧Va*〜Vf*は、下式(eq2)に示すように、A,B,C,D,E,F相の順で120度ずつずれた波形となる。下式(eq2)において、Vm8は指令電圧の振幅を示し、ω8cは1次角周波数を示し、σ8は指令電圧の位相を示す。
Figure 0006822430
指令値算出部31は、モータ10の機械角周波数ωrが閾値速度ωth以下であると判定した場合にモータ10の極数として8極を選択し、機械角周波数ωrが閾値速度ωthを超えると判定した場合にモータ10の極数として4極を選択する。本実施形態において、閾値速度ωthは、図4に示すように、4極に対応するモータ10のトルクがその最大値とされる場合に取り得る機械角周波数ωrの範囲に設定されている。
操作信号生成部35は、インバータ20から各相のステータ巻線12A,12B,12C,12D,12E,12Fに印加する電圧を各相指令電圧Va*,Vb*,Vc*,Vd*,Ve*,Vf*とするための操作信号を生成し、生成した操作信号をインバータ20の各スイッチに出力する。操作信号生成部35は、例えば、各相指令電圧と三角波信号等のキャリア信号との大小比較に基づくPWM制御により操作信号を生成すればよい。本実施形態において、4極制御部32、8極制御部33、座標変換部34及び操作信号生成部35が基本操作部及び切替操作部に相当する。
ちなみに、以上説明した制御により、モータ10の極数として4極が選択された場合、各相のステータ巻線12A,12B,12C,12D,12E,12Fに下式(eq3)に示す各相電流Ia4,Ib4,Ic4,Id4,Ie4,If4が流れる。下式(eq3)において、Im4は相電流の振幅を示し、α4は相電流の位相を示す。
Figure 0006822430
一方、モータ10の極数として8極が選択された場合、各相のステータ巻線12A,12B,12C,12D,12E,12Fに下式(eq4)に示す各相電流Ia8,Ib8,Ic8,Id8,Ie8,If8が流れる。下式(eq4)において、Im8は相電流の振幅を示し、α8は相電流の位相を示す。
Figure 0006822430
指令値算出部31は、極数切替期間において、4極及び8極のうち一方から他方にモータ10の極数を切り替える極数切替処理を行う。以下、図5を用いて、8極から4極に切り替える場合の極数切替処理について説明する。図5に示す例では、8極が切替前極数に相当し、4極が切替後極数に相当する。
図5(a)は、4極指令振幅I8*及び4極指令振幅I4*の推移を示す。4極指令振幅I4*は、第1d軸指令電流Id4*の2乗値及び第1q軸指令電流Iq4*の2乗値を加算した値の平方根である。8極指令振幅I8*は、第2d軸指令電流Id8*の2乗値及び第2q軸指令電流Iq8*の2乗値を加算した値の平方根である。図5では、8極指令振幅I8*が切替前指令振幅に相当し、4極指令振幅I4*が切替後指令振幅に相当する。また、以降、第1d軸電流Id4rの2乗値及び第1q軸電流Iq4rの2乗値を加算した値の平方根を4極電流振幅と称し、第2d軸電流Id8rの2乗値及び第2q軸電流Iq8rの2乗値を加算した値の平方根を8極電流振幅と称す。
図5(b)は、各相のステータ巻線に流れる相電流のピーク値の推移を示し、図5(c)は、4極の2次磁束φ4r及び8極の2次磁束φ8rの推移を示す。4極の2次磁束φ4rは、4極に対応するモータ10の2次磁束ベクトルのd軸成分である。8極の2次磁束φ8rは、8極に対応するモータ10の2次磁束ベクトルのd軸成分である。
図5(d)は、4極トルクTr4、8極トルクTr8及び合計トルクTrtの推移を示す。4極トルクTr4は、4極に対応するモータ10のトルクであり、8極トルクTr8は、8極に対応するモータ10のトルクである。合計トルクTrtは、4極トルクTr4及び8極トルクTr8の合計値である。
図5(e)は、4極トルク変化率dT4及び8極トルク変化率dT8の推移を示す。4極トルク変化率dT4は、4極トルクTr4の時間微分値の絶対値であり、8極トルク変化率dT8は、8極トルクTr8の時間微分値の絶対値である。
図5の時刻t1〜t3は、極数切替期間TCを示す。極数切替期間TCの開始タイミングt1におけるd,q軸指令電流から定まる切替前指令振幅を切替前初期値と称し、極数切替期間TCの終了タイミングにおけるd,q軸指令電流から定まる切替後指令振幅を切替後初期値と称すこととする。8極から4極に切り替えられる場合、切替前初期値は8極の切替前初期値I8fとなり、切替後初期値は4極の切替後初期値I4fとなる。一方、4極から8極に切り替えられる場合、切替前初期値は4極の切替前初期値I4fとなり、切替後初期値は8極の切替後初期値I8fとなる。
図5に示す例において、指令値算出部31は、時刻t1よりも前において、8極指令振幅I8*をある値に維持し、4極指令振幅I4*を0としている。
指令値算出部31は、時刻t1〜t3の極数切替期間TCにおいて、8極指令振幅I8*及び4極指令振幅I4*の合計値である合計指令振幅が制限電流値Imax以下となるように8極指令振幅I8*及び4極指令振幅I4*を算出する。これにより、極数切替期間TCにおいて、各相のステータ巻線12A〜12Fに流れる相電流のピーク値が過度に大きくなることを回避できる。
制限電流値Imaxは、例えば、モータ10を過電流から保護するために設定される値である。制限電流値Imaxは、切替前極数に対応する制限電流値及び切替後極数に対応する制限電流値のうち、大きい方の値である。本実施形態では、切替前極数に対応する制限電流値及び切替後極数に対応する制限電流値が同じ値とされている。
指令値算出部31は、極数切替期間TCの開始タイミングt1において、8極指令振幅I8*を8極の切替前初期値I8fから減少させ始めるとともに、4極指令振幅I4*を0から立ち上げ電流値aに向かってステップ状に増加させる。本実施形態において、立ち上げ電流値aは、制限電流値Imaxから8極の切替前初期値I8fを差し引いた値である電流余裕値と同じ値である。指令値算出部31は、4極指令振幅I4*をステップ状に増加させた後、4極指令振幅I4*を4極の切替後初期値I4fに向かって直線状に増加させ、極数切替期間TCの終了タイミングt3において4極指令振幅I4*を4極の切替後初期値I4fにする。極数切替期間TCの開始タイミングにおいて立ち上げ電流値aだけステップ状に増加させることにより、合計指令振幅を制限電流値Imax以下としつつ、4極の2次磁束φ4rを迅速に増加させる。これにより、4極トルクTr4を迅速に増加させることができ、極数切替期間TCにおいて合計指令トルクTr*に対する合計トルクTrtの低下を抑制する。
また、指令値算出部31は、8極指令振幅I8*を0に向かって直線状に減少させ、極数切替期間TCの終了タイミングt3において8極指令振幅I8*を0にする。なお、時刻t4は、4極トルクTr4が4極の切替後初期値I4fに対応するトルクとなって、かつ、8極トルクTr8が0となるタイミングである。図5には、時刻t1〜t4をトルク変化期間Ttとして示した。
極数切替期間TCにおける各相指令電圧Va*〜Vf*は、上式(eq1),(eq2)で示した相電圧の加算値となる。また、極数切替期間TCにおける各相のステータ巻線12A,12B,12C,12D,12E,12Fに流れる相電流は、上式(eq3),(eq4)で示した相電流の加算値となる。
続いて、図6及び図7を用いて、極数切替後に収束する動作点について説明する。図6(a)は電流振幅の推移を示し、図6(b)はd軸電流Idの推移を示し、図6(c)は2次磁束φdの推移を示し、図6(d)はq軸電流Iqの推移を示し、図6(e)はモータ10のトルクの推移を示す。
モータ10のすべり周波数fsは、下式(eq5)で表される。下式(eq5)において、Mはロータの巻線及びステータ巻線の間の相互インダクタンスを示し、Rrはロータの巻線の抵抗である2次抵抗を示し、Lrはロータの巻線の自己インダクタンスである2次インダクタンスを示す。
Figure 0006822430
上式(eq5)を変形すると、下式(eq6)が導かれる。
Figure 0006822430
図6の時刻t1において、d軸の2次磁束φdは0である。すべり周波数fsを一定にしつつ、時刻t1において電流振幅を0からIaまでステップ状に変化させた場合、上式(eq6)に基づいて下式(eq7)に示す関係が導かれる。
Figure 0006822430
上式(eq7)によれば、電流振幅がステップ状に増加すると、d軸電流Idがステップ状に増加する。fs≠0の場合、d軸電流Idがステップ状に変化した後、上式(eq6)よりq軸電流Iqが増加する。q軸電流Iqが増加すると、Id=√(Ia^2−Id^2)の関係からd軸電流Idが減少する。このため、図6(b),(d)及び図7に示すように、d,q軸電流Id,Iqから定まる動作点は、すべり周波数fs及び電流振幅Iaで定まる動作点に収束する。電流振幅をステップ状に変化させることにより、2次磁束φdの増加速度を高めることができ、極数切り替え時におけるモータ10のトルク応答性を高めることができる。
図8に、本実施形態に係る極数切替処理の手順を示す。この処理は、指令値算出部31により、例えば所定の制御周期前に繰り返し実行される。
ステップS10では、第1フラグF1が0であるか否かを判定する。第1フラグF1は、その値が1にされることにより、8極から4極への切り替えが指示されたことを示し、その値が0にされることにより、8極から4極への切り替えが指示されていないことを示す。本実施形態において、第1フラグF1の初期値は0とされている。
ステップS10において第1フラグF1が0であると判定した場合には、ステップS11に進み、第2フラグF2が0であるか否かを判定する。第2フラグF2は、その値が1にされることにより、4極から8極への切り替えが指示されたことを示し、その値が0にされることにより、4極から8極への切り替えが指示されていないことを示す。本実施形態において、第2フラグF2の初期値は0とされている。
ステップS11において第2フラグF2が0であると判定した場合には、ステップS12に進み、8極から4極への切り替えが指示されたか否かを判定する。ステップS12において肯定判定した場合には、ステップS13に進み、第1フラグF1を1にする。また、8極から4極への切り替えが指示されてからの経過時間のカウントを開始する。
ステップS14では、4極指令振幅I4*を0から立ち上げ電流値aまでステップ状に増加させる。この場合、立ち上げ電流値aは、制限電流値Imaxから8極の切替前初期値I8fを差し引いた値である電流余裕値と同じ値である。また、8極指令振幅I8*を8極の切替前初期値I8fから減少させ始める。
ステップS14の処理が完了した場合、又はステップS10において第1フラグF1が1であると判定した場合には、ステップS15に進む。ステップS15では、ステップS13でカウントが開始されてからの経過時間が極数切替期間TC経過したか否かを判定する。
ステップS15において経過していないと判定した場合には、ステップS16に進み、4極指令振幅I4*を4極の切替後初期値I4fに向かって徐々に増加させる。また、8極指令振幅I8*を0に向かって徐々に減少させる。本実施形態では、極数切替期間TCにおいて、4極に対応するモータ10の2次時定数τ4以下の時定数τaの応答性で4極指令振幅I4*を増加させる。2次時定数は、モータ10のロータ側の時定数であり、1次遅れ要素の時定数である。2次時定数は、ロータのインダクタンス及び抵抗に依存する。2次時定数τ4がロータの温度に依存するため、ロータの温度の検出値に基づいて、極数切替期間TCを可変設定してもよい。
一方、ステップS15において極数切替期間TC経過したと判定した場合には、ステップS17に進み、第1フラグF1を0にし、カウントした経過時間を0にリセットする。
ステップS12において否定判定した場合には、ステップS18に進み、4極から8極への切り替えが指示されたか否かを判定する。ステップS18において肯定判定した場合には、ステップS19に進み、第2フラグF2を1にする。また、4極から8極への切り替えが指示されてからの経過時間のカウントを開始する。
ステップS20では、8極指令振幅I8*を0から立ち上げ電流値aまでステップ状に増加させる。この場合、立ち上げ電流値aは、制限電流値Imaxから4極の切替前初期値I4fを差し引いた値である。また、4極指令振幅I4*を4極の切替前初期値I4fから減少させ始める。
ステップS20の処理が完了した場合、又はステップS11において第2フラグF2が1であると判定した場合には、ステップS21に進む。ステップS21では、ステップS19で経過時間のカウントが開始されてから極数切替期間TC経過したか否かを判定する。
ステップS21において経過していないと判定した場合には、ステップS22に進み、8極指令振幅I8*を8極の切替後初期値I8fに向かって徐々に増加させる。また、4極指令振幅I4*を0に向かって徐々に減少させる。本実施形態では、極数切替期間TCにおいて、8極に対応するモータ10の2次時定数τ8以下の時定数の応答性で8極指令振幅I8*を増加させる。
一方、ステップS21において極数切替期間TC経過したと判定した場合には、ステップS23に進み、第2フラグF2を0にし、カウントした経過時間を0にリセットする。
図9に、8極から4極に切り替えられる場合における各パラメータの推移を示す。図9(a)は、4極指令振幅I4*及び8極指令振幅I8*の合計値である合計指令振幅の推移を示し、図9(b)は、4極指令振幅I4*及び8極指令振幅I8*の推移を示す。図9(c)は、4極に対応する第1d軸電流Id4r及び第1q軸電流Iq4rの推移を示し、図9(d)は、8極に対応する第2d軸電流Id8r及び第2q軸電流Iq8rの推移を示す。図9(e)は、モータ10の4極トルクTr4、8極トルクTr8及び合計トルクTrtの推移を示し、図9(f)は、4極トルク変化率dT4及び8極トルク変化率dT8の推移を示す。
本実施形態によれば、極数切替期間TCにおいて、合計指令振幅を制限電流値Imax以下に抑制することができる。このため、極数切替期間TCにおいてステータ巻線に流れる相電流のピーク値が増大することを抑制できる。
また、例えば8極から4極に切り替えられる場合の極数切替期間TCにおいて、切替後極数に対応するモータ10の2次時定数以下の値の応答性で4極指令振幅I4*を増加させる。これにより、4極の2次磁束を迅速に増加させることができ、極数切替期間TCにおけるモータ10のトルク低下の抑制効果を高めることができる。
また、例えば8極から4極に切り替えられる場合の極数切替期間TCの開始タイミングにおいて、4極指令振幅I4*を0から立ち上げ電流値aだけステップ状に増加させる。これにより、4極の2次磁束をより迅速に増加させることができ、極数切替期間TCにおけるモータ10のトルク低下の抑制効果をより高めることができる。
これに対し、図10に示す比較例1及び図11に示す比較例2では、本実施形態の効果を奏することができない。比較例1は、例えば8極から4極に切り替えられる場合の極数切替期間TCの開始タイミングにおいて、4極指令振幅I4*を「Imax−I8f」を超えてステップ状に増加させる構成である。図10(a)〜図10(e)は、図9(a)〜図9(e)に対応している。比較例1では、極数切替期間TCにおいて、合計指令振幅が制限電流値Imaxを超えてしまう。
図11に示す比較例2は、例えば8極から4極に切り替えられる場合において、4極指令振幅I4*をステップ状に変化させるタイミングを本実施形態よりも遅らせる構成である。図11(a)〜図11(e)は、図9(a)〜図9(e)に対応している。比較例2では、極数切替期間TCにおいて、合計指令振幅を制限電流値Imax以下にできるものの、モータ10の合計トルクが合計指令トルクTr*に対して大きく低下してしまう。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、極数切替期間TCの開始タイミングに加え、極数切替期間TCの終了タイミングにおいて切替後指令振幅をステップ状に増加させる。以下、図12を用いて、8極から4極に切り替える場合の極数切替処理について説明する。図12(a)〜図12(e)は、先の図5(a)〜図5(e)に対応している。
指令値算出部31は、時刻t1〜t2の極数切替期間TCにおいて、8極指令振幅I8*及び4極指令振幅I4*の合計値である合計指令振幅が制限電流値Imax以下となるように8極指令振幅I8*及び4極指令振幅I4*を算出する。
指令値算出部31は、極数切替期間TCの開始タイミングt1において、8極指令振幅I8*を8極の切替前初期値I8fから減少させ始めるとともに、4極指令振幅I4*を0から立ち上げ電流値aに向かってステップ状に増加させる。立ち上げ電流値aは、制限電流値Imaxから8極の切替前初期値I8fを差し引いた値である。
指令値算出部31は、4極指令振幅I4*をステップ状に増加させた後、4極指令振幅I4*を直線状に増加させる。指令値算出部31は、極数切替期間TCの終了タイミングt2において、4極指令振幅I4*を4極の切替後初期値I4fに向かってステップ状に増加させる。また、指令値算出部31は、極数切替期間TCの終了タイミングt2において、8極指令振幅I8*を0に向かってステップ状に減少させる。4極指令振幅I4*のステップ状の増加により、4極トルクTr4を迅速に増加させることができ、8極指令振幅I8*のステップ状の減少により、8極トルクTr8を迅速に減少させることができる。その結果、極数切替期間TCにおける合計トルクTrtの低下を抑制しつつ、8極トルクTr8から4極トルクTr4に迅速に切り替えることができる。なお、時刻t1〜t3は、トルク変化期間Ttを示す。
ここで、極数切替期間TCの終了タイミングt2、すなわち4極指令振幅I4*をステップ状に増加させるタイミングは、モータ10のトルクが最小トルクTminとなるタイミングである。本実施形態において、最小トルクTminは、図13に示すように、8極指令振幅I8*及び4極指令振幅I4*の合計値である合計指令振幅を制限電流値Imaxにするとの条件を課して8極指令振幅I8*及び4極指令振幅I4*の取り得る組み合わせを変化させた場合において、合計トルクTrt(=Tr4+Tr8)が取り得る最小値のことである。モータ10のトルクが最小トルクTminとなるタイミングにおいては、図12(e)に示すように、4極トルク変化率dT4及び8極トルク変化率dT8が等しくなる。図13に示す電流振幅及びトルクの関係は、8極電流振幅が8極指令振幅I8*に収束してかつ4極電流振幅が4極指令振幅I4*に収束し、合計トルクTrtが合計指令トルクTr*に収束した状態における関係である。
図13を用いて、8極から4極に切り替えられる場合の4極指令振幅I4*の変化について説明する。8極指令振幅I8*が8極の切替前初期値I8fの場合、制限電流値Imaxから8極の切替前初期値I8fを差し引いた値が、極数切替期間TCの開始タイミングにおける立ち上げ電流値aとなる。図13では、合計トルクTrtが最小トルクTminとなる場合における4極指令振幅I4*をbで示し、合計トルクTrtが最小トルクTminとなる場合における8極指令振幅I8*をcで示す。
図13では、4極の切替後初期値I4fが制限電流値Imaxとなる場合について示している。この場合、4極指令振幅I4*が4極の切替後初期値I4fになるとき、8極指令振幅I8*が0となる。
図14に、本実施形態に係る極数切替処理の手順を示す。この処理は、指令値算出部31により、例えば所定の制御周期前に繰り返し実行される。なお、図14において、先の図8に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
ステップS14の処理が完了した場合、又はステップS10において第1フラグF1が1であると判定した場合には、ステップS30に進む。ステップS30では、極数切替期間TCの終了タイミングであるか否かを判定する。この終了タイミングは、上述したように、合計トルクTrtが最小トルクTminとなるタイミングである。本実施形態では、ステップS13でカウントが開始されてからの経過時間が判定時間経過していると判定した場合、極数切替期間TCの終了タイミングであると判定する。ここで、判定時間は、極数切替期間TCの開始タイミングから、合計トルクTrtが最小トルクTminになると想定されるタイミングまでの期間であり、この期間と、8極の切替前初期値I8f及び4極の切替後初期値I4fとが関係付けられたマップ情報に基づいて算出されればよい。
なお、ステップS30の処理を、4極指令振幅I4*が図13に示したbに到達したと判定した場合、極数切替期間TCの終了タイミングであると判定する処理に変更してもよい。
ステップS30において極数切替期間TCの終了タイミングでないと判定した場合には、ステップS16に進む。一方、ステップS30において極数切替期間TCの終了タイミングであると判定した場合には、ステップS31に進み、4極指令振幅I4*をbから4極の切替後初期値I4fに向かってステップ状に増加させ、8極指令振幅I8*を図13に示したcから0に向かってステップ状に減少させる。また、第1フラグF1を0にし、カウントした経過時間を0にリセットする。
ステップS20の処理が完了した場合、又はステップS11において第2フラグF2が1であると判定した場合には、ステップS32に進む。ステップS32では、極数切替期間TCの終了タイミングであるか否かを判定する。この終了タイミングは、上述したように、合計トルクTrtが最小トルクTminとなるタイミングである。本実施形態では、ステップS19でカウントが開始されてからの経過時間が判定時間経過していると判定した場合、極数切替期間TCの終了タイミングであると判定する。ここで、判定時間は、極数切替期間TCの開始タイミングから、合計トルクTrtが最小トルクTminになると想定されるタイミングまでの期間であり、この期間と、4極の切替前初期値I4f及び8極の切替後初期値I8fとが関係付けられたマップ情報に基づいて算出されればよい。
なお、ステップS32の処理を、8極指令振幅I8*が図13に示したcに到達したと判定した場合、極数切替期間TCの終了タイミングであると判定する処理に変更してもよい。
ステップS32において極数切替期間TCの終了タイミングでないと判定した場合には、ステップS22に進む。一方、ステップS32において極数切替期間TCの終了タイミングであると判定した場合には、ステップS33に進み、8極指令振幅I8*をcから8極の切替後初期値I8fに向かってステップ状に増加させ、4極指令振幅I4*をbから0に向かってステップ状に減少させる。また、第2フラグF2を0にし、カウントした経過時間を0にリセットする。
図15に、8極から4極に切り替えられる場合における各パラメータの推移を示す。図15(a)〜図15(f)は、先の図9(a)〜図9(f)に対応している。
本実施形態によれば、極数切替期間TCの終了タイミングにおいて切替後指令振幅をステップ状に増加させた。このため、極数切替期間TCにおけるモータ10のトルク低下の抑制効果をいっそう高めることができる。
また、モータ10の合計トルクTrtが最小トルクTminになると判定したタイミングで切替後指令振幅をステップ状に増加させるとともに切替前指令振幅をステップ状に減少させた。合計トルクTrtが最小トルクTminになる前は、切替後極数に対応する2次磁束が十分に増加しておらず、また、切替前極数に対応する2次磁束が十分に減少していない。このような状態で切替後指令振幅をステップ状に増加させるとともに切替前指令振幅をステップ状に減少させると、切替後極数に対応するトルクの増加分が小さく、また、切替前極数に対応するトルクの減少分が大きくなるため、トルク低下が大きくなってしまう。一方、合計トルクTrtが最小トルクTminになった後に切替後指令振幅をステップ状に増加させるとともに切替前指令振幅をステップ状に減少させると、切替後極数に対応するトルクの立ち上がりが遅れてしまう。これに対し、本実施形態では、合計トルクTrtが最小トルクTminになると判定したタイミングで切替後指令振幅をステップ状に増加させるとともに切替前指令振幅をステップ状に減少させた。これにより、極数切替期間TCにおけるトルク低下を抑制しつつ、極力早期に切替後指令振幅を切替後極数に対応する切替後初期値まで増加させることができる。
<第2実施形態の変形例>
図16には、8極から4極に切り替えられる場合を示す。図16に示すように、極数切替期間TCの開始タイミングt1から、モータ10のトルクが最小トルクTminになると判定されるタイミングt2までの期間を規定期間Tjとする。指令値算出部31は、規定期間Tjの終了タイミングt2から、極数切替期間TCの終了タイミングt3までの期間において、4極指令振幅I4*をステップ状に増加させることなく徐々に増加させてもよい。この場合、時刻t2〜t3までの期間THにおいて、4極に対応するモータ10の2次時定数τ4以下の時定数τaの応答性で4極指令振幅I4*を増加させる。
一方、指令値算出部31は、規定期間Tjの終了タイミングt2から、極数切替期間TCの終了タイミングt3までの期間において、8極指令振幅I8*をステップ状に減少させることなく徐々に減少させる。この場合、時刻t2〜t3までの期間THにおいて、8極に対応するモータ10の2次時定数τ8以下の時定数τbの応答性で8極指令振幅I8*を減少させる。
図17に、本実施形態に係る極数切替処理の手順を示す。この処理は、指令値算出部31により、例えば所定の制御周期前に繰り返し実行される。なお、図17において、先の図8に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
ステップS14の処理が完了した場合、又はステップS10において第1フラグF1が1であると判定した場合には、ステップS40に進む。ステップS40では、規定期間Tjの終了タイミングであるか否かを判定する。この終了タイミングは、図13に示したように、合計トルクTrtが最小トルクTminとなるタイミングである。本実施形態では、ステップS13でカウントが開始されてからの経過時間が規定期間Tj経過しているか否かで判定する。
ステップS40において規定期間Tjの終了タイミングでないと判定した場合には、ステップS16に進む。一方、ステップS30において規定期間Tjの終了タイミングであると判定した場合には、ステップS41に進み、4極指令振幅I4*の漸増速度を図16の時刻t2〜t3に示したように変更する。時刻t2直後の4極指令振幅I4*の漸増速度は、時刻t2直前の4極指令振幅I4*の漸増速度よりも増加する。また、8極指令振幅I8*の漸減速度を図16の時刻t2〜t3に示したように変更する。時刻t2直後の8極指令振幅I8*の漸減速度は、時刻t2直前の8極指令振幅I8*の漸減速度よりも増加する。
ステップS42では、極数切替期間TCの終了タイミングであるか否かを判定する。この処理は、図14のステップS30の処理と同様の処理である。ステップS42において肯定判定した場合には、ステップS17に進む。
ステップS20の処理が完了した場合、又はステップS11において第2フラグF2が1であると判定した場合には、ステップS43に進む。ステップS43では、規定期間Tjの終了タイミングであるか否かを判定する。この終了タイミングは、図13に示したように、合計トルクTrtが最小トルクTminとなるタイミングである。本実施形態では、ステップS19でカウントが開始されてからの経過時間が規定期間Tj経過しているか否かで判定する。
ステップS43において規定期間Tjの終了タイミングでないと判定した場合には、ステップS22に進む。一方、ステップS43において規定期間Tjの終了タイミングであると判定した場合には、ステップS44に進み、8極指令振幅I8*の漸増速度を変更する。また、4極指令振幅I4*の漸減速度を変更する。
ステップS45では、極数切替期間TCの終了タイミングであるか否かを判定する。この処理は、図14のステップS32の処理と同様の処理である。ステップS45において肯定判定した場合には、ステップS23に進む。
以上説明した本実施形態によれば、第2実施形態の効果に準じた効果を奏することができる。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。第1実施形態では、図18に第1切替点A1にて示すように、4極に対応するモータ10のトルクがその最大値とされる場合に取り得る機械角周波数ωrの範囲で極数を切り替えた。本実施形態では、第1切替点A1に加え、4極に対応するモータ10のトルクがその最大値未満とされる場合に取り得る機械角周波数ωrの範囲における第2〜第4切替点A2〜A4で極数が切替可能とされている。
図19〜図21を用いて、第2〜第4切替点A2〜A4で8極から4極に切り替える場合について説明する。
図19に、第2切替点A2で切り替える場合における電流振幅の推移を示す。
図19に示す例は、制限電流値Imaxから8極の切替前初期値I8fを差し引いた値である電流余裕値が4極の切替後初期値I4fよりも小さい場合である。指令値算出部31は、極数切替期間TCの開始タイミングt1において、4極指令振幅I4*を、電流余裕値と同じ値の立ち上げ電流値aだけステップ状に増加させ、その後極数切替期間TCの終了タイミングt2まで4極指令振幅I4*を徐々に増加させる。指令値算出部31は、この終了タイミングt2において、4極指令振幅I4*をbから4極の切替後初期値I4fまでステップ状に増加させる。bは、図13に示したように、合計トルクTrtが最小トルクTminとなる場合の4極指令振幅I4*であり、以降、4極の基準値boptと称すこととする。
一方、指令値算出部31は、極数切替期間TCにおいて8極指令振幅I8*を8極の切替前初期値I8fからcに向かって徐々に減少させ、時刻t2において8極指令振幅I8*を0に向かってステップ状に減少させる。cは、図13に示したように、合計トルクTrtが最小トルクTminとなる場合の8極指令振幅I8*であり、以降、8極の基準値coptと称すこととする。
図20に、第3切替点A3で切り替える場合における電流振幅の推移を示す。
図20に示す例は、制限電流値Imaxから8極の切替前初期値I8fを差し引いた値である電流余裕値が4極の切替後初期値I4fと同じ値の場合である。指令値算出部31は、極数切替期間TCの開始タイミングt1において、4極指令振幅I4*を、4極の切替後初期値I4fと同じ値である立ち上げ電流値aだけステップ状に増加させ、その後極数切替期間TCの終了タイミングt2まで4極指令振幅I4*を4極の切替後初期値I4fに維持する。一方、指令値算出部31は、極数切替期間TCにおいて8極指令振幅I8*を8極の切替前初期値I8fから0に向かって徐々に減少させる。図20に示す例では、b=I4f、c=0となる。極数切替期間TCにおいて4極指令振幅I4*が一定値に維持されることにより、極数切替期間TCにおけるモータ10のトルク変動を抑制できる。
図21に、第4切替点A4で切り替える場合における電流振幅の推移を示す。
図21に示す例は、制限電流値Imaxから8極の切替前初期値I8fを差し引いた値である電流余裕値が4極の切替後初期値I4fよりも大きい場合である。指令値算出部31は、極数切替期間TCの開始タイミングt1において、4極指令振幅I4*を、4極の切替後初期値I4fと同じ値である立ち上げ電流値aだけステップ状に増加させ、その後極数切替期間TCの終了タイミングt2まで4極指令振幅I4*を4極の切替後初期値I4fに維持する。一方、指令値算出部31は、極数切替期間TCにおいて8極指令振幅I8*を8極の切替前初期値I8fから0に向かって徐々に減少させる。図21に示す例では、b=I4f、c=0となる。
図22に、本実施形態に係る極数切替処理の手順を示す。この処理は、指令値算出部31により、例えば所定の制御周期前に繰り返し実行される。なお、図22において、先の図14に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
ステップS10において第1フラグF1が0であると判定した場合には、ステップS50に進み、第3フラグF3が0であるか否かを判定する。第3フラグF3は、その値が1にされることにより、8極から4極への切り替えが指示されて、かつ、後述するステップS52で否定判定されたことを示し、その値が0にされることにより、8極から4極への切り替えが指示されて、かつ、ステップS52で肯定判定されたことを示す。本実施形態において、第3フラグF3の初期値は0とされている。
ステップS50において第3フラグF3が0であると判定した場合には、ステップS11に進む。ステップS11において第2フラグF2が0であると判定した場合には、ステップS51に進み、第4フラグF4が0であるか否かを判定する。第4フラグF4は、その値が1にされることにより、4極から8極への切り替えが指示されて、かつ、後述するステップS59で否定判定されたことを示し、その値が0にされることにより、4極から8極への切り替えが指示されて、かつ、ステップS59で肯定判定されたことを示す。本実施形態において、第4フラグF4の初期値は0とされている。
ステップS51において第4フラグF4が0であると判定した場合には、ステップS12に進む。ステップS12において肯定判定した場合には、ステップS52に進む。ステップS52では、制限電流値Imaxから8極の切替前初期値I8fを差し引いた値である電流余裕値が、4極の切替後初期値I4f以上であるか否かを判定する。
ステップS52において否定判定した場合には、ステップS13を経由してステップS53に進む。ステップS53では、立ち上げ電流値aをステップS52で算出した電流余裕値とし、b=bopt、c=coptとする。
ステップS53の処理が完了した場合、又はステップS10において第1フラグF1が1であると判定した場合には、ステップS30に進む。
ステップS52において肯定判定した場合には、ステップS54に進み、第3フラグF3を1にする。また、8極から4極への切り替えが指示されてからの経過時間のカウントを開始する。
ステップS55では、立ち上げ電流値a及びbを4極の切替後初期値I4fとし、c=0とする。
ステップS55の処理が完了した場合、又はステップS50において第3フラグF3が1であると判定した場合には、ステップS56に進む。ステップS56では、極数切替期間TCの終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS56の処理は、ステップS30の処理と同様な手法により実施されればよい。
ステップS56において否定判定した場合には、ステップS57に進み、4極指令振幅I4*を4極の切替後初期値I4fに維持し、8極指令振幅I8*を漸減させる。一方、ステップS56において肯定判定した場合には、ステップS58に進み、第3フラグF3を0にし、カウントした経過時間を0にリセットする。
ステップS12において否定判定し、ステップS18において肯定判定した場合には、ステップS59に進み、制限電流値Imaxから4極の切替前初期値I4fを差し引いた値である電流余裕値が、8極の切替後初期値I8f以上であるか否かを判定する。
ステップS59において否定判定した場合には、ステップS19を経由してステップS60に進む。ステップS60では、立ち上げ電流値aをステップS59で算出した電流余裕値とし、b=bopt、c=coptとする。
ステップS60の処理が完了した場合、又はステップS11において第2フラグF2が1であると判定した場合には、ステップS32に進む。
ステップS59において肯定判定した場合には、ステップS61に進み、第4フラグF4を1にする。また、4極から8極への切り替えが指示されてからの経過時間のカウントを開始する。
ステップS62では、立ち上げ電流値a及びbを8極の切替後初期値I8fとし、c=0とする。
ステップS62の処理が完了した場合、又はステップS51において第4フラグF4が1であると判定した場合には、ステップS63に進む。ステップS63では、極数切替期間TCの終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS63の処理は、ステップS32の処理と同様な手法により実施されればよい。
ステップS63において否定判定した場合には、ステップS64に進み、8極指令振幅I8*を8極の切替後初期値I8fに維持し、4極指令振幅I4*を漸減させる。一方、ステップS63において肯定判定した場合には、ステップS65に進み、第4フラグF4を0にし、カウントした経過時間を0にリセットする。
以上説明した本実施形態によれば、極数を切り替える動作点に応じて、極数切替期間TCにおける切替前指令振幅及び切替後指令振幅を適正に算出できる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・切替後指令振幅の増加態様としては、極数切替期間TCの開始タイミングに切替後指令振幅をステップ状に増加させるものに限らない。以下、図23〜図25を用いて、8極から4極を切り替える場合を例にして説明する。図23〜図25に示す例では、極数切替期間TCにおいて、合計指令振幅が制限電流値Imax以下とされている。
図23に示すように、指令値算出部31は、極数切替期間TCの開始タイミングt1から時刻t2までの期間において4極指令振幅I4*を直線状に増加させる。時刻t2における4極指令振幅I4*は、制限電流値Imaxから8極の切替前初期値I8fを差し引いた値とされている。指令値算出部31は、時刻t2から極数切替期間TCの終了タイミングt3までの期間において、t1〜t2の期間における4極指令振幅I4*の増加速度よりも低い増加速度で4極指令振幅I4*を直線的に増加させる。ここで、第1期間に相当するt1〜t2の期間は、第2期間に相当するt2〜t3の期間よりも短くされている。t1〜t2の期間における4極指令振幅I4*の増加速度がt2〜t3の期間における4極指令振幅I4*の増加速度よりも高くされていることにより、4極指令振幅I4*を時刻t2において「Imax−I8f」まで適正に増加させることができる。また、t1〜t2の期間がt2〜t3の期間よりも短くされていることにより、4極の2次磁束φ4rを迅速に増加させることができる。その結果、図23に示す例によっても、極数切替期間TCにおけるモータ10のトルク低下を抑制することはできる。
図24に示す例は、図23に示した例のうち、t2〜t3の期間における4極指令振幅I4*の増加態様及び8極指令振幅I8*の減少態様が異なっている。詳しくは、t2〜t3の期間において、4極指令振幅I4*の増加速度を徐々に低下させ、8極指令振幅I8*の減少速度を徐々に低下させている。
図25に示す例は、図23に示した例のうち、t1〜t2の期間における4極指令振幅I4*の増加態様及び8極指令振幅I8*の減少態様が異なっている。詳しくは、t1〜t2の期間において、4極指令振幅I4*の増加速度を徐々に低下させ、8極指令振幅I8*の減少速度を徐々に低下させている。
・第2実施形態において、極数切替期間TCの開始タイミングで切替後指令振幅をステップ状に増加させることは必須ではない。以下、図26を用いて、8極から4極を切り替える場合を例にして説明する。
図26に示す例では、指令値算出部31は、極数切替期間TCの開始タイミングt1から時刻t2までの期間において4極指令振幅I4*を直線状に増加させる。時刻t2における4極指令振幅I4*は、第2実施形態で説明した立ち上げ電流値aである。指令値算出部31は、時刻t2から極数切替期間TCの終了タイミングt3までの期間において、t1〜t2の期間における4極指令振幅I4*の増加速度よりも低い増加速度で4極指令振幅I4*を直線状に増加させる。ここで、t1〜t2の期間は、t2〜t3の期間よりも短くされている。
・第2実施形態において、極数切替期間TCの終了タイミングで切替後指令振幅をステップ状に増加させることは必須ではない。以下、図27を用いて、8極から4極を切り替える場合を例にして説明する。
極数切替期間TCのうち、その期間の開始タイミングt1〜t2の期間を第1期間とし、t2〜t3の期間を第2期間とし、t3〜t4の期間を第3期間とする。第1,第2期間は、第2期間よりも短い。指令値算出部31は、第1期間及び第3期間それぞれにおける4極指令振幅I4*の増加速度の最小値を、第2期間における4極指令振幅I4*の増加速度の最大値よりも高くする。ここで、時刻t3は、合計トルクTrtが最小トルクTminになると判定されるタイミングとすればよい。
・第1実施形態の図5(a)において、時刻t1において4極指令振幅I4*をステップ状に増加させる量が、制限電流値Imaxから8極の切替前初期値I8fを差し引いた値未満とされていてもよい。
・切替後指令振幅の増加開始タイミングと切替前指令振幅の減少開始タイミングとが異なっていてもよい。例えば、切替前指令振幅の減少開始タイミングが、切替後指令振幅の増加開始タイミングよりも後のタイミングであってもよい。
・極数切替期間TCにおいて、切替前電流振幅及び切替後電流振幅の合計値が制限電流値Imaxを超えないように制御する制御量は、電流に限らず、例えば、ステータ巻線の印加電圧又はモータのトルクであってもよい。
・モータとしては、4相以上のものが用いられてもよい。また、ステータ巻線は、3組以上ステータに設けられていてもよい。
・Aを2以上の偶数とする場合、モータの切り替え可能は極数の組は、A極及び「n×A」極の組であればよい。このため、極数の組としては、4極及び8極の組に限らず、例えばn=2の場合において、2極及び4極の組、又は8極及び16極の組であってもよい。
・モータの切り替え可能な極数としては、2つに限らず、3つ以上であってもよい。例えば、4極、8極及び16極のいずれかに切り替え可能なモータの場合、4極及び8極のうち一方から他方への切替時と、8極及び16極のうち一方から他方への切替時とにおいて、上述した極数切替処理を適用できる。
・モータとしては、車載主機として用いられるものに限らず、例えば車載補機として用いられるものであってもよい。また、モータ及びインバータが備えられるシステムとしては、車両に搭載されるものに限らない。
10…モータ、20…インバータ、30…制御装置。

Claims (10)

  1. 極数を切替可能な電動機(10)と、前記電動機のステータ巻線(12A〜12F)に電気的に接続されたインバータ(20)と、を備えるシステムに適用される極数切替電動機の制御装置(30)において、
    前記ステータ巻線に流れる電流ベクトルの大きさを電流振幅とする場合、切替前極数での駆動指示があるとき、前記切替前極数に対応する前記電流振幅である切替前電流振幅を制御すべく前記インバータを操作し、切替後極数での駆動指示があるとき、前記切替後極数に対応する前記電流振幅である切替後電流振幅を制御すべく前記インバータを操作する基本操作部と、
    前記切替前極数から前記切替後極数への切り替えが指示される場合、極数切替期間(TC)において、前記切替前電流振幅を減少させてかつ前記切替後電流振幅を増加させるべく前記インバータを操作する切替操作部と、を備え、
    前記切替操作部は、前記極数切替期間において、前記切替前電流振幅及び前記切替後電流振幅の合計値が制限電流値(Imax)を超えないように前記インバータを操作する極数切替電動機の制御装置。
  2. 前記切替前電流振幅の指令値を切替前指令振幅とし、前記切替後電流振幅の指令値を切替後指令振幅とする場合、前記基本操作部は、前記切替前極数での駆動指示があるとき、前記切替前電流振幅を前記切替前指令振幅に制御すべく前記インバータを操作し、前記切替後極数での駆動指示があるとき、前記切替後電流振幅を前記切替後指令振幅に制御すべく前記インバータを操作し、
    前記極数切替期間の終了タイミングにおける前記切替後指令振幅を切替後初期値とする場合、前記切替操作部は、前記切替後指令振幅を前記切替後初期値に向かって増加させ、かつ、前記切替前指令振幅を0に向かって減少させ、
    前記極数切替期間のうち、その期間の開始タイミングから始まる最初の期間を第1期間とし、前記第1期間に続く残りの期間であってかつ前記第1期間よりも長い期間を第2期間とする場合、前記切替操作部は、前記第1期間における前記切替後指令振幅の増加速度の最大値を、前記第2期間のうち前記極数切替期間の終了タイミングを含まない期間における前記切替後指令振幅の増加速度の最大値よりも高くする請求項1に記載の極数切替電動機の制御装置。
  3. 前記切替操作部は、前記極数切替期間の開始タイミングにおいて前記切替後指令振幅をステップ状に増加させた後、前記極数切替期間の終了タイミングにおいて前記切替後指令振幅が前記切替後初期値となるように前記切替後指令振幅を漸増させる請求項2に記載の極数切替電動機の制御装置。
  4. 前記切替操作部は、前記極数切替期間において、前記切替後極数に対応する前記電動機の2次時定数の応答性以上の応答性で前記切替後指令振幅を増加させる請求項2又は3に記載の極数切替電動機の制御装置。
  5. 前記極数切替期間の開始タイミングにおける前記切替前指令振幅を切替前初期値とする場合、前記切替操作部は、前記極数切替期間の開始タイミングにおける前記切替前指令振幅である切替前初期値を前記制限電流値から差し引いた値である電流余裕値が前記切替後初期値よりも小さい場合、前記極数切替期間の開始タイミングにおいて前記切替後指令振幅をステップ状に増加させた後に前記切替後指令振幅を漸増させ、前記極数切替期間の終了タイミングにおいて前記切替後指令振幅を前記切替後初期値に向かってステップ状に増加させる請求項2に記載の極数切替電動機の制御装置。
  6. 前記切替前初期値及び前記切替後初期値の加算値を一定にするとの条件を課して前記切替前指令振幅及び前記切替後指令振幅の取り得る組み合わせを変化させた場合において、前記切替前極数に対応する前記電動機のトルク及び前記切替後極数に対応する前記電動機のトルクの合計値(Trt)が取り得る最小値を最小トルク(Tmin)とするとき、前記切替操作部は、前記電動機のトルクが前記最小トルクになるタイミングを前記極数切替期間の終了タイミングとして判定し、判定したタイミングにおいて前記切替後指令振幅を前記切替後初期値に向かってステップ状に増加させる請求項5に記載の極数切替電動機の制御装置。
  7. 前記切替操作部は、前記電流余裕値が前記切替後初期値よりも小さい場合、前記極数切替期間の終了タイミングにおいて前記切替前指令振幅を0に向かってステップ状に減少させる請求項5又は6に記載の極数切替電動機の制御装置。
  8. 前記切替操作部は、前記電流余裕値が前記切替後初期値以上である場合、前記極数切替期間の開始タイミングにおいて前記切替後指令振幅を前記切替後初期値に向かってステップ状態に増加させ、その後前記極数切替期間の終了タイミングまで前記切替後指令振幅を前記切替後初期値に維持する請求項5〜7のいずれか1項に記載の極数切替電動機の制御装置。
  9. 前記切替操作部は、前記極数切替期間の開始タイミングにおける前記切替後指令振幅の増加量を、前記極数切替期間の開始タイミングにおける前記切替前指令振幅である切替前初期値を前記制限電流値から差し引いた値にする請求項3〜7のいずれか1項に記載の極数切替電動機の制御装置。
  10. 前記切替前電流振幅の指令値を切替前指令振幅とし、前記切替後電流振幅の指令値を切替後指令振幅とする場合、前記基本操作部は、前記切替前極数での駆動指示があるとき、前記切替前電流振幅を前記切替前指令振幅に制御すべく前記インバータを操作し、前記切替後極数での駆動指示があるとき、前記切替後電流振幅を前記切替後指令振幅に制御すべく前記インバータを操作し、
    前記極数切替期間の終了タイミングにおける前記切替後指令振幅を切替後初期値とする場合、前記切替操作部は、前記切替後指令振幅を前記切替後初期値に向かって増加させ、かつ、前記切替前指令振幅を0に向かって減少させ、
    前記極数切替期間のうち、その期間の開始タイミングから始まる最初の期間を第1期間とし、前記第1期間に続く期間であってかつ前記第1期間よりも長い期間を第2期間とし、前記第2期間に続く残りの期間であってかつ前記第2期間よりも短い期間を第3期間とする場合、前記切替操作部は、前記第1期間及び前記第3期間それぞれにおける前記切替後指令振幅の増加速度の最小値を、前記第2期間における前記切替後指令振幅の増加速度の最大値よりも高くする請求項1に記載の極数切替電動機の制御装置。
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