JP6786930B2 - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、機能性膜がコーティングされた凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に関する。本製造方法により得られた熱可塑性樹脂フィルムは、例えばDNA、タンパク質、細胞、免疫および血液等の生化学検査、化学合成ならびに、環境分析などに使用されるμ−TAS(Micro Total Analysis System)などに有用なマイクロチップなどに使用することができる。
射出成形や熱インプリントにより凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムを製造する技術が知られている。例えば、μ−TASに使用されるマイクロチップなどが挙げられる。マイクロチップは、バイオ・医療分野におけるDNA、タンパク質、細胞、免疫および血液等の生化学検査や化学合成や、環境分野における化学物質の検知、定量などに用いられるもので、内部に流体回路を有する。かかる流体回路においては、血液などの導入検体に対して検査、分析、合成等を行う各種の部位と、その部位間を接続する微細流路部位とを少なくとも有する。このようなマイクロチップは、少なくとも一方の部材に微細溝が施された部材を貼り合わせることにより製造される。従来はこの部材としてガラスが用いられ、エッチングによる溝加工が行われてきたが、非常に高コストで大量生産に向かないため、近年、樹脂製のマイクロチップが開発されている。
樹脂製のマイクロチップを形成するための、凹部を有する樹脂部材の製造方法としては、射出成形、UVインプリント、熱インプリントなどの樹脂成形による方法が挙げられる。ここで、熱インプリントによる成形は、使用可能材料がUV硬化性の材料に限られるUVインプリントと異なり、幅広い材料選択が可能で生体適合性の良い材料を使用することができるという利点を有する。また、射出成形に比べて薄いフィルムに対する変形追従性が良く、微細凹部を有するフィルムの製造に好ましく用いることができる。
こうして製造されたフィルムの微細凹部の内面に各種コーティングを施すことが求められている。例えば、マイクロチップにおいては、流路が液に対して十分濡れるための親水性コーティングや、逆に、検体の送液性を上げるための撥水性コーティング、検出対象物の検出感度を上げるための選択的吸着膜のコーティングなどである。
これらのコーティングは、微細凹部の内面全体に施すことが好ましいが、凹部以外の部分、例えば、熱可塑性樹脂フィルムの(微細凹部以外の)表面部分に施すと好ましくない場合がある。これは、例えば、この凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムを別の部材と貼り合わせてマイクロチップとして製造した場合に、コーティング層が貼り合わせを阻害し、貼り付けることができない、または、接着強度が低下するといった問題を生じさせることがあるためである。
このため、コーティングを微細凹部のみに選択的に行う方法として、樹脂部材の全面にコーティング膜を形成した後、凹部以外の部分に粘着部材を接着した後に剥離することで、凹部以外の部分のコーティング膜を剥ぎとる方法(特許文献1、参照。)や、樹脂部材の全面にコーティング膜を形成した後、乾燥した後に、凹部以外の部分のコーティング膜を溶剤により拭き取る方法(特許文献2、3、参照。)、および、樹脂部材の全面にコーティング膜を形成した後、凹部以外の部分のコーティング膜を削りとる方法(特許文献4、参照。)などが提案されている。
国際公開第2008/108178号パンフレット 特開2009−123841号公報 特開2009−123842号公報 特開2004−290879号公報
しかし、コーティング膜の一部を粘着部材により剥ぎ取る方法では、粘着部材の糊残りが生じ、流路部分が汚染されてしまうことがある。また、同様に、溶剤による拭き取りでは、溶剤による汚染が、削りとりの場合には削りとりにより発生した切り粉による汚染が発生しうるという問題があった。また他方、剥ぎ取りや拭き取り、削り取りが不十分な場合、除去すべきコーティング膜の一部が接合面に残り、他の樹脂部材の接合が困難となる、または、接合強度を弱めてしまうことがあるという問題があった。
上記課題を解決するために、本発明では以下の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法を提供する。
(1)融点Tm1を有する熱可塑性樹脂P1を含む第1の層、および、ガラス転移温度Tg2を有する熱可塑性樹脂P2を含む第2の層が少なくとも積層された積層構造体に対して、表面に突起構造を有する金型を、Tm1以上かつTg2以上の温度まで加熱し、該積層構造体の第1の層側に押し当てることにより、第1の層に貫通孔を形成し、第2の層に
前記貫通孔に連通する凹部を形成し、
続いて、積層構造体にコーティング処理Aを施し、
さらにその後、前記第1の層を前記第2の層から剥離することを特徴とする、コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(2)前記コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムにさらにコーティング処理Bを施すことを特徴とする(1)に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(3)前記融点Tm1と前記ガラス転移温度Tg2との差(Tm1−Tg2)が−30〜+60℃であることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(4)前記コーティング処理Aが親水処理、反射膜コーティング処理および撥水処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(5)前記コーティング処理Aが撥水処理であり、かつ前記コーティング処理Bが遮光性コーティング処理であることを特徴とする(2)に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
(6)前記第2の層が撥水性を有する樹脂を含み、前記コーティング処理Aが親水処理であることを特徴とする(1)に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
本発明によれば、融点Tm1を有する熱可塑性樹脂P1を含む第1の層、および、ガラス転移温度Tg2を有する熱可塑性樹脂P2を含む第2の層が少なくとも積層された積層構造体に対して、表面に突起構造を有する金型を、Tm1以上かつTg2以上の温度まで加熱し、該積層構造体の第1の層側に押し当てることにより、第1の層に貫通孔を形成し、第2の層に前記貫通孔に連通する凹部を形成し、
続いて、積層構造体にコーティング処理Aを施し、
さらにその後、前記第1の層を前記第2の層から剥離することにより、少なくとも第2の層からなる、コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性フィルムを簡便に製造することができる。
本発明の熱可塑性フィルムの製造方法にかかる実施態様の一例を示したフロー図である。 本発明の製造方法に適用する金型の一例を示す斜視図である。 本発明の製造方法に適用する金型の例を示す断面図である。 本発明の熱可塑性フィルムの製造方法を実現する装置の一例を示す断面概略図である。 本発明の熱可塑性フィルムの製造方法を実現する装置の一例を示す断面概略図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の熱可塑性フィルムの製造方法にかかる実施態様の一例を示したフロー図である。図2は本発明の製造方法に適用する金型の一例を示す斜視図である。
最初に、図1(a)に示すように第1の層11と第2の層12が積層された積層構造体10と、表面に突起構造21を有する金型20を準備する。第1の層11は融点Tm1の熱可塑性樹脂P1を含み、第2の層12はガラス転移温度Tg2の熱可塑性樹脂P2を含む。
ここで、各層に含まれる各熱可塑性樹脂の割合としては、各層全体をそれぞれ100質量%としたときに熱可塑性樹脂を60質量%以上含むことが好ましい。さらには、80質量%以上含むことがより好ましい。また各層には、熱可塑性樹脂P1または熱可塑性樹脂P2以外に、成形性や離型性を付与するための添加物やコーティング成分が含まれていてもよい。なお、上限値は特に限定されるものではないが、100質量%が実質的な上限となる。
また、第1の層と第2の層との界面は剥離が可能であることが好ましい。また、本実施態様では第1の層と第2の層の2層積層構成を説明しているが、第2の層を挟んで第1の層と反対側に別の層を設けてもよい。
積層構造体とは、異なる成分を含む層が2層以上積層された構造体をいう。なお、積層構造体はロールツーロールで搬送される連続体フィルムであってもよいし、枚葉体シートであってもよい。
ガラス転移温度とは、JIS K 7244(2007)に記載の方法に準じた方法により、試料動的振幅速さ(駆動周波数)は1Hz、引張りモード、チャック間距離5mm、昇温速度2℃/分での温度依存性(温度分散)を測定したときに、tanδが極大となる温度のことである。
また、本発明でいう融点とは示差走査熱量測定(Differential scanning calorimetry、以下、DSCと略す)により得られる、昇温過程(昇温速度:20℃/分)における融点Tmであり、JIS K 7121(1999)に基づいた方法により、25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って得られた2ndRunの結晶融解ピークにおけるピークトップの温度のことである。
本発明では、表面に突起構造21を有する金型20を加熱しておくことが好ましい。加熱は金型がTm1以上かつTg2以上の温度範囲となるように行うことが好ましい。加熱は金型と積層構造体が接触している状態で行ってもよい。接触させておくことにより、積層構造体の平面性を良好な状態で保持させておくことができる。
なお、金型の加熱温度の上限値は限定されるものではないが、熱可塑性樹脂P1の熱分解点以下であり、かつ、熱可塑性樹脂P2の熱分解点以下であることが好ましい。
次に、図1(b)に示すように、積層構造体10の第1の層11の表面に、加熱した状態の突起構造面21が接触するように金型20を加圧して押し当てることが好ましい。加圧されることにより、突起構造21が適性な高さを有すれば、突起構造21が第1の層11を突き抜けて、第2の層12まで突き刺さる。そして、図1(c)に示されるように、金型20と積層構造体10とが隙間なく当接した状態となる。
この時の必要な圧力と加圧時間はフィルムの材質、転写形状、特に凹凸のアスペクト比に依存するものであり、概ねプレス圧力の好ましい範囲は1〜100MPa、成形時間の好ましい範囲は0.01〜60秒である。
プレス圧力のより好ましい範囲は10〜80MPaであり、さらに好ましい範囲は30〜60MPaである。また、成形時間のより好ましい範囲は1〜50秒であり、さらに好ましい範囲は3〜30秒である。
また、位置制御によって金型20を積層構造体10に押し当ててもよい。すなわち、あらかじめ設定された位置に金型20を移動させて積層構造体10に押し当ててもよい。あらかじめ設定された位置とは、第1の層の表面に金型の突起構造21が隙間無く当接できる位置のことである。
なお、昇圧後に金型の位置を保持したまま除圧して金型20と積層構造体10の接触状態を保持してもよい。
次に、図1(c)に示すように、加圧した状態または接触した状態を保持したままで、金型を冷却することが好ましい。冷却は第2の層を構成する熱可塑性樹脂P2のガラス転移温度Tg2以下まで行うことが好ましい。Tg2以下まで冷却することにより、金型20を積層構造体10から剥離した後での樹脂変形を抑制することができ、精度の高い溝形状を形成できるため好ましい。
次に、図1(d)に示すように、積層構造体10を金型20から剥離する。剥離は、積層構造体の表面に対して垂直方向に金型や積層構造体を離間するように移動させることが好ましい。積層構造体が連続体のフィルムの場合には連続的に積層構造体の表面に対して垂直方向に張力を与えて、線状の剥離位置が連続的に移動するようにして剥離することが好ましい。これにより、第1の層11に貫通孔が形成され、第2の層に貫通孔に連通する凹部13が形成される。
次に、図1(e)に示すように、積層構造体10の第1の層11側からコーティング処理Aを行うことが好ましい。コーティング処理Aは少なくとも、積層構造体10の第2の層12に形成された凹部13を含む部分に対して行うことが好ましい。これにより、第1の層11上にコーティング膜14が形成されるとともに、第2の層12の凹部にコーティング膜15が形成される。
コーティング処理Aは真空蒸着、CVD、スパッタ等のドライコーティングでも、塗布、スプレーコーティング、ディップなどのウエットコーティングでもよい。
ディップなど、積層フィルム全体に液が接する方法でコーティングを行う場合、第2の層を挟んで第1の層と反対側の面については、所望の微細な凹部が形成されている面ではないため、保護フィルムを全体に貼ることで容易に保護を行うことが可能である。いずれのコーティング方法でコーティング処理Aを行う場合においても、貫通孔を有する第1の層11と凹部13が形成された第2の層12はバリ無く密着しているため、その界面はほとんどコーティングされることなく、第2の層12の凹部13および第1の層11の表面にコーティング処理Aによるコーティング膜が施された状態を得ることが可能である。
ここで、コーティング処理Aが親水処理、反射膜コーティング処理および撥水処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理であることが好ましい。すなわち、コーティング処理Aは親水処理、反射膜コーティング処理、撥水処理のいずれか1つの処理でもよいし、これらの処理を複数組み合わせてもよい。
本発明における、親水処理とは、JIS−R3257(1999年)における静滴法に準じた方法により、水平におかれた樹脂表面に水滴を静置した際の接触角θが処理の前に比べて減少し、処理後の接触角θが40°以下である処理をいう。また、撥水処理とは、JIS−R3257(1999年)における静滴法に準じた方法により、水平におかれた樹脂表面に水滴を静置した際の接触角θが処理の前に比べて増加し、処理後の接触角θが70°以上である処理をいう。
コーティング処理Aに使用するコーティング材料としてはフッ素系樹脂、撥水性のシロキサン材料等の撥水材料や、親水シロキサンコーティングなどの親水材料、金属や金属酸化物等の遮光材料等、用途に応じて種々のものを使用することができる。
次に、図1(f)に示すように、第1の層11を第2の層12から除去する。除去の方法として、剥離や溶解などの方法を採ることができる。例えば、剥離の場合には、第1の層11または第2の層12の表面に対して垂直方向に第1の層11または第2の層12に張力を与えて、線状の剥離位置が連続的に移動するようにして剥離することが、剥離跡を抑制する観点から好ましい。これにより、第1の層11上のコーティング膜14ごと第1の層11が除去される。すなわち、第1の層11をマスクとしてコーティング処理Aを施すことができ、第2の層12からなる熱可塑性フィルムにおいて、その溝部である凹部13に選択的にコーティング膜15を形成することができる。これによって、コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルム16を得ることができる。
また、この後、コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムにさらにコーティング処理Bを施してもよい。すなわち、第2の層12の表面に図示しない別のコーティング処理Bを施すことによって、第2の層の表面に、凹部13に施したものとは別の機能製膜を付与してもよい。例えば、第2の層12の凹部13にCVDにより撥水性コーティングを施した後に、ウエットコーティングにより遮光性コーティングを施すと、第2の層12の凹部13にコーティングされた膜15の撥水性により遮光性コーティングがはじかれ、凹部13に撥水性コーティング、表面に遮光性コーティングが施された熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。遮光性コーティング材料としては、カーボンブラック粒子を分散した塗液などがあげられる。
図1を用いて説明した上記の工程を実施することにより、第2の層12からなる熱可塑性樹脂フィルムであって、高精度に形状が制御された凹部13を有し、かつ、その凹部13にコーティング処理Aによるコーティング膜15を有するフィルムを得ることができる。
上記の製造方法において、第1の層11は成形時には溶融状態であるので、突起構造21を押し付けたときの第1の層は粘性材料に近い挙動で塑性変形を引き起こす。さらに、突起構造21が押し込まれた時に、第2の層12では粘弾性変形を引き起こし、第2の層12の内部に突起構造21がスムーズに進入できるので、第2の層12に金型の突起構造に対応する形状の凹部13が形成されるとともに、第1の層11と第2の層12との界面にはバリの少ない綺麗な端面が形成されるので、第1の層11をマスクとして使用するのに好適な成形がなされる。
このような第1の層11の塑性変形および第2の層12の粘弾性変形を引き起こすために、突起構造21を表面に有する金型20を加熱する温度Tは、Tm1以上、かつ、Tg2以上とすることが好ましい。また、金型20の加熱温度Tは、Tg2より5〜60℃高いことが好ましい。Tg2と金型20の加熱温度Tとの差が5℃より小さいと、第2の層12の変形に大きな力を必要とするため、第2の層12と金型20との間に第1の層11の残膜が残りやすく、分断が不十分となる場合がある。逆に、Tg2と金型20の加熱温度Tとの差が60℃より大きいと、金型20の表面が第2の層12に達するまでに第2の層12の変形が始まってしまい、第2の層12の変形部に第1の層11が食い込みやすくなるため、第2の層12の表面が平らになり難い場合がある。
第2の層12にこのような粘弾性変形を引き起こすために適性な温度Tにおいて、第1の層11の塑性変形を引き起こすために、第1の層11に含まれる熱可塑性樹脂P1の融点Tm1と第2の層12に含まれる熱可塑性樹脂P2のガラス転移温度Tg2との差である(Tm1−Tg2)が−30〜+60℃であることが好ましい。より好ましくは、−10〜0℃である。−30℃未満では開口の寸法精度が低下する場合がある。+60℃より高くなると第2の層12の凹部13の開口部が変形する場合がある。
すなわち、成形時において第2の層は一定の範囲の固さであることが、第1の層11と第2の層12の界面の良好な平面性と、高精度な溝形状形成を両立する上で好ましい。
また、成形時の金型20の温度Tにおける第2の層に含まれる樹脂の貯蔵弾性率が0.005〜0.5GPa、さらに好ましくは、0.01〜0.1GPaの範囲であることにより、第1の層11と第2の層12の界面の平面性と、第2の層12の凹部13の形状精度をより高めることができる。0.005GPa未満では、第1の層11と第2の層12の界面の平面性が低下し、第1の層11が貫通されなかったり、第2の層12凹部13の形状が変形しやすくなったりする場合がある。一方、0.5GPaより大きいと、第2の層12で変形しにくくなり、金型20の突起構造21が第2の層12の奥まで挿入されず、所定の形状精度の溝形状成形が難しくなる場合がある。
本発明においては、突起構造21を表面に有する金型をTm1以上、かつ、Tg2以上の温度に加熱するため、Tm1がTg2より低い場合には、金型加熱温度TとTm1との差を、金型加熱温度TとTg2との差より大きくできる。このようにすれば、第2の層12の変形を抑える目的で金型加熱温度TとTg2との差が小さい条件をとった場合であっても、金型加熱温度TとTm1との差を15〜80℃と大きくでき好ましい。これは、金型加熱温度TがTm1に比べて十分大きい方が、第1の層11の粘性がより低下して、スムーズな成形を行えるためである。
第1の層11を構成する熱可塑性樹脂P1の主たる成分としては、具体的には、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂が金型の離型性が良いので好ましく用いられる。なお、主たる成分とは第1の層を構成する樹脂全体を100質量%としたときに50質量%以上を占める成分をいう。なお、主たる成分は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
第2の層12を構成する熱可塑性樹脂P2の主たる成分としては具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、またはポリ塩化ビニル系樹脂などが好ましく用いられる。
特に好ましくは、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネートである。これらは単体で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。なお、主たる成分とは第2の層を構成する樹脂全体を100質量%としたときに50質量%以上を占める成分をいう。なお、主たる成分は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
本発明において、熱可塑性樹脂P2はポリメタクリル酸メチルまたはポリカーボネートであることが好ましい。特に好ましくは、ポリメタクリル酸メチルである。ポリメタクリル酸メチルまたはポリカーボネートを用いることによって、溝形状を精度良く成形することが可能となるため好ましい。また、ポリメタクリル酸メチルまたはポリカーボネートは光学的透明度が高く、光学観察や分析用のチップとして使用するのに好ましい。
第1の層11や第2の層12は上述の樹脂の単体からなる層であっても構わないし、複数の樹脂層からなる積層体であってもよい。この場合、単体の層と比べて離型性や耐摩擦性などの表面特性等を付与することができる。このように複数の樹脂層からなる積層体とした場合でも、第1の層11および第2の層12の各層において、主たる熱可塑性樹脂成分が前述の要件を満たせばよい。
また、第1の層11および第2の層12の製造方法としては、熱可塑性樹脂を溶融押出により製膜するのがよく、共押し出ししてフィルム状に加工する方法や、第2の層12の製膜後に第1の層11をコーティングするなどの方法としてもよい。また、単膜で作製した第2の層12の原料からなるフィルムに第1の層11の原料を押出ラミネートする方法を用いてもよい。また、第1の層11と第2の層12との積層は、ロールで挟圧してラミネートする方法の他、加熱されたロールなどにより熱ラミネートする方法等も適用でき、このようにラミネートした場合には、後工程における剥離が容易となりやすく特に好適である。
さらに、本発明に適用するフィルムには、重合時または重合後に各種の添加剤を加えることができる。添加配合することができる添加剤の例としては、例えば、有機微粒子、無機微粒子、分散剤、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、離型剤、増粘剤、可塑剤、pH調整剤および塩などが挙げられる。特に、離型剤として、長鎖カルボン酸、もしくは長鎖カルボン酸塩、などの低表面張力のカルボン酸やその誘導体、および、長鎖アルコールやその誘導体、変性シリコーンオイルなどの低表面張力のアルコール化合物等を重合時に少量添加することが好ましく行われる。
また、本発明に適用される第1の層11の厚みとしては1〜50μmが好ましく、より好ましくは5〜20μmである。1μm未満ではハンドリングするのが困難となる場合がある。また、50μmより大きい場合、貫通孔形成時に金型の先端温度が変化しやすく、貫通時に第1の層11と第2の層12の境界面が乱れやすくなる場合がある。
第2の層12に形成される凹部13の深さおよび幅は、その用途に応じて任意に選ぶことができるが、好ましくは、幅、深さとも1〜100μmであり、より好ましくは10〜50μmである。溝幅および深さが1μm未満では精度上困難な場合があり、また、100μmより大きい場合では、溝形成に大きな加圧力を必要とし、装置が大型化する場合がある。なお、100μmより大きい場合は直接第2の層12を切削するような機械的な加工が適していることが多く、また、第2の層凹部13のみにコーティングを施す際のマスクについても、本手法によらず個別にマスクを貼り付ける方法や、インクジェット等により直接離散的にコーティングを行うなどの方法を取り得る。
次に、金型形状について図2、図3を用いて説明する。図2(a)(b)は本発明に適用する金型の一例を示す斜視図であり、図3(a)(b)は本発明に適用する金型の一例を示す断面図である。
図2に示すとおり、金型20の外表面には、突起構造21が所定位置に配置されていることが好ましい。突起構造とは、金型上に設けられた凸部構造をいい、突起構造は同一の形状のみが金型上に設けられていてもよいし、複数の異なる形状が設けられていてもよい。凸部の幅および高さが途中で変化する形状であってもよい。
突起構造21の配置や密度は、製品仕様として求められる溝形状の配置や密度と同じとするのが好ましい。一般的には100nm〜1mmのピッチである。なお、ピッチとは突起構造21の繰り返し間隔のことをいう。
突起構造21は図2(a)に示す様に壁状の構造であってもよく、このとき構造が繰り返される場合は一方向に周期的に繰り返されることが好ましい。また、突起構造21は図2(b)に示す様に柱状の構造であってもよく、このとき構造が繰り返される場合は、平面的に繰り返すことができる。一方、周期性を有さず、ランダムに柱状の構造が配置されるものであってもよい。
突起構造21の高さや断面形状は、要求される溝形状やフィルムの厚みによって決定される。突起構造は、図3(a)に示すように、先端がフラットな矩形形状であってもよいし、図3(b)に示すように、先端が尖鋭な形状となっていてもよい。図3(a)のように先端フラットな形状であれば、分析および観察に用いられるμ−TASなどの製作に好ましく用いられ、図3(b)のように、先端が尖鋭な形状は、成形時に第1の層の貫通が容易であり、成形の点から好ましく、非観察部における送液回路など、矩形の溝形状が要求されない用途において好ましく用いることができる。突起構造21の高さについては、第1の層11の厚みを突き抜け、第2の層12に所望の深さの凹部13を形成できる高さとすることが好ましい。溝構造の所望深さに対し、第1の層11の厚みを加えたものであることが好ましい。
金型の材質は、強度と熱伝導率が高い金属が好ましく、例えばニッケルや鋼、ステンレス鋼、銅などが好ましい。また、外表面に加工性を向上させるために鍍金を施したものを使用してもよい。
表面に突起構造を有する各金型の作成方法は、金属表面に直接切削やレーザー加工や電子線加工を施工する方法、金属表面に形成した鍍金皮膜に直接切削やレーザー加工や電子線加工を施工する方法、これらに電気鋳造を施す方法などが挙げられる。また、レジストを基板の上に塗布した後、フォトリソグラフィー手法によって所定のパターンニングでレジストを形成した後、基板をエッチング処理して凹部を形成し、レジスト除去後に電気鋳造でその反転パターンを得る方法などが挙げられる。異方性エッチングを適用することにより凹み状のパターンを得ることができる。基板としては金属板の他にシリコン基板等も適用できる。
本発明の凹部を有するフィルムは、例えば図4および図5に示すような装置を介したプロセスによって製造することが可能である。図4、図5は、第1の層と第2の層の積層からなるフィルム状積層構造体に凹部を形成するための製造装置の断面概略図を示している。
図4に示す例では、あらかじめ第1の層からなるフィルムと第2の層からなるフィルムを積層した積層構造体50を巻出ロール51から引き出す巻出ユニット52と、積層構造体に凹部を形成する加圧転写工程用のプレスユニット54と、加圧転写工程で金型53に貼り付いた積層構造体50を金型53から剥離する剥離手段55と、積層構造体50を巻き取りロール56に巻き取る巻き取りユニット60とにより構成される。積層構造体に凹部を形成する加圧転写工程用のプレスユニット54において、表面に突起形状を有する加熱された金型53を、間欠的に送られてくる積層構造体50に押し付けて加圧し、その後、接触状態を保持したまま冷却することにより、積層構造体50の第1の層50aに貫通孔をあけ、同時に第2の層50bには貫通孔に連通する凹部が形成される。
剥離手段55は、積層構造体50をS字状に抱き付かせるように把持する一対の平行配置ロールからなる。間欠的に送られてきた積層構造体50の一面がプレスユニット54内で金型53によって熱成形され、熱成形後に、上記剥離手段55が上流側に向けて移動されることにより、金型53に貼り付いていた積層構造体50が金型53から順次剥離されるようになっている。
なお、図4において、57は加圧プレート、58、59は積層構造体50の金型53部分における間欠搬送を円滑に行わせるために設けられたバッファ手段を示している。このようなプロセスにより、第1の層への貫通孔形成と第2の層への凹部の形成とを間欠的に高い生産性をもって行うことが可能になる。
図5に示す例では、第1の層71と第2の層72を構成するフィルムが各巻出ロール73、74から引き出され、ラミネート装置75により積層構造体70が形成される。その後、積層構造体70は、加熱ロール76により、加熱された表面に突起構造を有するエンドレスベルト状の金型77上に供給される。
金型77の外表面には突起構造形状が形成されて、積層構造体70と接触する直前に加熱ロール76によって加熱される。連続的に供給される積層構造体70はニップロール78により金型77の突起構造を有する表面に押し付けられ、積層構造体の第1の層71に貫通孔が形成されるとともに、第2の層72に貫通孔に連通する凹部が形成される。
その後、積層構造体70は、金型77の表面と密着された状態で冷却ロール79の外表面位置まで搬送される。積層構造体70は、冷却ロール79によって金型77を介して熱伝導により冷却された後、剥離ロール80によって金型77から剥離され、巻取ロール81に巻き取られる。
このようなプロセスにより、貫通孔を有する第1の層を表面に有する、凹部が形成された第2の層からなるフィルムを高い生産性を持って熱成形していくことが可能になる。
[用途例]
以上の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法では、凹部に選択的にコーティング処理Aによる機能性膜をコーティングされた凹部を有する熱可塑性フィルムを安価に生産性よく製造することができる。このようにして製造された熱可塑性樹脂フィルムは、容易に熱接着等により他のフィルムと貼り合わせることができ、μ−TAS等のマイクロチップとして使用するのに有用である。特に、機能性膜を親水性とすることで流路が液に対して濡れやすく観察性、操作性の高いチップとすることが可能であり、逆に機能性膜を撥水性とすることで送液性の高いチップとすることが可能である。また、コーティング処理Aによる凹部の機能性コーティングとコーティング処理Bによる凹部以外の機能性コーティングの二種類のコーティングを施す事で、例えば、凹部に撥水性、表面に遮光性コーティングが施された熱可塑性フィルムを用いて、μ−TAS等のマイクロチップとすれば、外乱光の影響の小さい、光学感度の高い観察が可能となる。
また、熱可塑性樹脂フィルムの材料として、撥水性を有する樹脂を使用し、コーティング処理Aを親水処理とすると、水を付与した際に凹部で水滴を担持する撥水性フィルムを得ることができる。このように部分的に水滴を担持した撥水性フィルムは水と非相溶な液体をはじきやすく、種々の液体包装材料として好適に利用できる。このとき、凹部の形状を独立した穴形状とすることが好ましく、特に凹部の穴形状は直径5μm相当以下とすると、把持する水滴が微小なものとなり好ましい。より好ましくは水滴が微細となる直径2μm相当以下である。本発明における、撥水性を有する樹脂とは、JIS R−3257(1999年)における静滴法に準じた方法により、水平におかれた樹脂表面に水滴を静置した際の接触角θが70°以上である樹脂をいう。また、撥水性を有する樹脂の主たる成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマーなどオレフィン系樹脂が挙げられる。この他、μ−TAS等の用途以外においても、たとえば、導光板等の光学製品においても、凹部のみに反射膜コーティングを施すことにより光学特性を向上させるなどの用途で使用することが可能である。
(実施例1)
(1)積層構造体
第1の層にポリプロピレン(以下、PPと略す)を主体としたポリマー(融点Tm1が130℃)を含む厚み15μmのフィルムを、第2の層にポリカーボネート(以下、PCと略す)を主体としたポリマー(ガラス転移温度Tg2が145℃)を含む厚み380μmのフィルムを用いた。なお、第1の層の一方の表層には低密度ポリエチレンを主体とした厚さ3μmの粘着層を有する。第1の層の粘着層を第2の層の表面に貼り合わせるようにラミネートし、積層構造体を構成した。
(2)金型
幅100μm、高さ50μmの突起構造が200μmピッチで周期的に配置された金型を用いた。突起構造が加工されている領域は50mm×50mmの領域である。金型は厚さ10mmのスターバックス材に200μmのニッケルリンめっきを施したものを切削により形成した。
(3)成形装置および条件
装置は図4に示すような装置を適用した。プレスユニットは油圧ポンプで加圧される機構で、内部に加圧プレートが上下に2枚取り付けられ、それぞれ、加熱装置、冷却装置に連結されている。金型は下側の加圧プレートの上面に設置される。また、金型に貼りついたフィルムを剥離するための剥離手段がプレスユニット内に設置されている。
成形時の金型温度は150℃とし、加圧力としては全面で1MPaの圧力がかかるようにした。加圧時間としては180秒であった。また、剥離時の金型温度は60℃であった。剥離したフィルムを下流側の巻き取り装置側に送り出し、巻き取った。
(4)コーティング
成形したフィルムに対し、フロロサーブ((株)フロロテクノロジー社の商品名)FG−1090H−4.0H(固形分濃度4質量%)をバーコーターによりハンドコートし、80℃のホットプレートにて1時間の乾燥を行った。
(5)第1の層の剥離
乾燥したフィルムから第1の層を剥離除去した。
(6)評価
第1の層を剥離除去した後の第2の層からなる熱可塑性樹脂について、断面をロータリーミクロトームにて断面出ししたものを走査型電子顕微鏡((株)キーエンス VE−8800)により観察した。観察の結果、幅100μm、深さ20μmの溝が200μmピッチで形成されていること、溝底部および溝壁面に約1μmの塗布膜が形成されていることが確認できた。
この凹部を有する熱可塑性フィルムの表面および凹部に水滴を垂らした後、30°傾斜させて残留水滴を除去したところ、凹部から水滴が除去され、フィルム表面のみに水滴が点在することが確認された。
(実施例2)
(1)積層構造体
第1の層にポリエチレンを主体としたポリマー(融点Tm1が130℃)を含む厚み15μmのフィルムを、第2の層にシクロオレフィンを主体としたポリマー(ガラス転移温度Tg2が163℃、水接触角が92°)を含む厚み188μmのフィルムを用いた。なお、第1の層の一方の表面には低密度ポリエチレンを主体として厚み3μmの粘着層を有する。第1の層の粘着層を第2の層の表面に貼り合わせるようにラミネートし、積層構造体を構成した。
(2)金型
φ5μm、高さ20μmの突起構造が、15μmピッチで縦横に周期的に配列された金型を用いた。突起構造が加工されている領域は50mm×50mmの領域である。金型は突起構造を反転した形状をガラス上のレジスト膜にて形成したものをもとに、ニッケル電鋳をとることにより製作した。
(3)成形装置および条件
実施例1と同様の装置を用い、成形温度を180℃とした以外は実施例1と同じ条件にて成形を行った。
(4)コーティング
成形したフィルムに対し、プラスコートZ836(互応化学工業(株)の商品名)Z836をバーコーターによりハンドコートし、100℃のオーブンで10分間の乾燥を行った。
(5)第1の層の剥離
乾燥したフィルムから第1の層を剥離除去した。
(6)評価
第1の層を剥離除去した後、第2の層からなる熱可塑性樹脂について、断面をロータリーミクロトームにて断面出ししたものと、表面とを走査型電子顕微鏡((株)キーエンス VE−8800)により観察した。観察の結果、φ5μm、深さ5μmの穴が、縦横15μmピッチで形成されていること、およびこの穴を充填する形で塗布膜が形成されていることが確認できた。
この穴を有する熱可塑性樹脂フィルムの表面に水滴を垂らした後、30°傾斜させて残留水滴を除去したところ、フィルム表面から水滴が除去され、穴部に相当するピッチで水滴が残留することが確認された。
10:積層構造体
11:第1の層
12:第2の層
13:凹部
14:第1の層上のコーティング膜
15:第2の層の凹部のコーティング膜
16:コーティング処理を施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルム
20:金型
21:突起構造
50:積層構造体
50a:第1の層
50b:第2の層
51:巻出ロール
52:巻出ユニット
53:金型
54:プレスユニット
55:剥離手段
56:巻取ロール
57:加圧プレート
58、59:バッファ手段
60:巻取ユニット
70:積層構造体
71:第1の層
72:第2の層
73、74:巻出ロール
75:ラミネート装置
76:加熱ロール
77:金型
78:ニップロール
79:冷却ロール
80:剥離ロール
81:巻取ロール

Claims (6)

  1. 融点Tm1を有する熱可塑性樹脂P1を含む第1の層、および、ガラス転移温度Tg2を有する熱可塑性樹脂P2を含む第2の層が少なくとも積層された積層構造体に対して、表面に突起構造を有する金型を、Tm1以上かつTg2以上の温度まで加熱し、該積層構造体の第1の層側に押し当てることにより、第1の層に貫通孔を形成し、第2の層に前記貫通孔に連通する凹部を形成し、
    続いて、積層構造体にコーティング処理Aを施し、
    さらにその後、前記第1の層を前記第2の層から剥離することを特徴とする、コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  2. 前記コーティング処理Aを施された凹部を有する熱可塑性樹脂フィルムにさらにコーティング処理Bを施すことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  3. 前記融点Tm1と前記ガラス転移温度Tg2との差(Tm1−Tg2)が−30〜+60℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  4. 前記コーティング処理Aが親水処理、反射膜コーティング処理および撥水処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  5. 前記コーティング処理Aが撥水処理であり、かつ前記コーティング処理Bが遮光性コーティング処理であることを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  6. 前記第2の層が撥水性を有する樹脂を含み、前記コーティング処理Aが親水処理であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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