以下、図面を参照しつつ、本開示に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<実施の形態1>
[画像形成装置の内部構成]
図1を参照して、用紙端検出装置50を搭載する画像形成装置100について説明する。図1は、画像形成装置100の内部構造の一例を示す図である。
図1には、カラープリンターである画像形成装置100が示されている。以下では、カラープリンターである画像形成装置100について説明するが、画像形成装置100は、カラープリンターに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンターや複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)であってもよい。
画像形成装置100は、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、ピックアップローラー41と、搬送ローラー43と、定着装置44と、用紙端検出装置50とを備える。さらに、図1では示していないが、画像形成装置100は、画像形成装置100の動作を制御する制御装置(後述する)を備える。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、転写ベルト30に沿って順に並べられている。画像形成ユニット1Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナー像を形成する。画像形成ユニット1Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナー像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、転写ベルト30に沿って転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、感光体10と、帯電装置11と、露光装置12と、現像装置13と、クリーニング装置17とを備える。
帯電装置11は、感光体10の表面を一様に帯電する。露光装置12は、後述する制御装置からの制御信号に応じて感光体10にレーザー光を照射し、入力された画像パターンに従って感光体10の表面を露光する。これにより、入力画像に応じた静電潜像が感光体10上に形成される。
現像装置13は、現像ローラー14を回転させながら、現像ローラー14に現像バイアスを印加し、現像ローラー14の表面にトナーを付着させる。これにより、トナーが現像ローラー14から感光体10に転写され、静電潜像に応じたトナー像が感光体10の表面に現像される。
感光体10と転写ベルト30とは、一次転写ローラー31を設けている部分で互いに接触している。一次転写ローラー31は、回転可能に構成されている。トナー像と反対極性の転写電圧が一次転写ローラー31に印加されることによって、トナー像が感光体10から転写ベルト30に転写される。
イエロー(Y)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、シアン(C)のトナー像、およびブラック(BK)のトナー像が順に重ねられて感光体10から転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー像が転写ベルト30上に形成される。
転写ベルト30は、従動ローラー38および駆動ローラー39に張架されている。駆動ローラー39は、たとえばモーター(図示しない)によって回転駆動される。転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、転写ベルト30上のトナー像が二次転写ローラー33に搬送される。
カセット37には、記録媒体である用紙Sがセットされる。複数枚の用紙Sは、ピックアップローラー41にて1枚ずつさばかれる。
ピックアップローラー41によりさばかれた1枚の用紙Sは、搬送経路40へ送り出される。搬送ローラー43は、搬送経路40中の用紙Sを二次転写ローラー33に搬送する。
二次転写ローラー33にも一次転写ローラー31同様に転写電圧が印加されており、転写ベルト30によって搬送されたトナー像は二次転写ローラー33とのニップ部で用紙Sに転写され、定着装置44で加熱加圧下に用紙S上に定着される。画像が形成された用紙Sは、排紙トレイ48上に排出される。
用紙端検出装置50は、搬送経路40中の用紙Sの幅方向(主走査方向)の端(用紙端)の位置(用紙端位置)を検出する。用紙端検出装置50の詳細については後述する。
[画像形成装置のハードウェア構成]
図2を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成の一例について説明する。図2は、画像形成装置100の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、画像形成装置100は、用紙端検出装置50と、制御装置70と、画像形成部101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ネットワークインターフェイス104と、操作パネル107と、記憶装置120とを含む。
画像形成部101は、用紙Sに画像を形成する構成であり、図1に示す画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、二次転写ローラー33および定着装置44などを含む。
用紙端検出装置50は、用紙Sの用紙端位置を検出し、検出した用紙端位置を示す位置情報を制御装置70に出力する。
制御装置70は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのDSP、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
制御装置70は、制御プログラム122を実行することで画像形成装置100の動作を制御する。
制御装置70は、制御プログラム122の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置120からROM102に制御プログラム122を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム122の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
制御装置70は、用紙端検出装置50から受けた位置情報によって示される用紙端位置に基づいて、画像形成部101が用紙Sに形成する画像位置を調整する。
ネットワークインターフェイス104には、アンテナ(図示しない)などが接続される。画像形成装置100は、アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、スマートフォンなどの携帯通信端末、サーバーなどを含む。画像形成装置100は、アンテナを介して制御プログラム122をサーバーからダウンロードできるように構成されてもよい。
操作パネル107は、ディスプレイとタッチパネルとで構成されている。ディスプレイおよびタッチパネルは互いに重ねられており、操作パネル107は、たとえば、画像形成装置100に対する印刷操作やスキャン操作などを受け付ける。
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記憶媒体である。記憶装置120は、画像形成装置100の制御プログラム122などを格納する。制御プログラム122の格納場所は記憶装置120に限定されず、制御プログラム122は、制御装置70の記憶領域(たとえば、キャッシュなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
制御プログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム122の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム122の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で画像形成装置100が構成されてもよい。
[用紙端検出装置の内部構成]
図3および図4を参照して、用紙端検出装置50の構成について説明する。図3は、用紙端検出装置50の概略構成を示すブロック図である。図4は、用紙端検出装置50の概略構成を示す平面図である。
図3および図4に示されるように、用紙端検出装置50は、CIS(Contact Image Sensor)51と、第2光源部54と、検出処理部55とを備えている。
CIS51は、一次元画像を読み取る画像センサーであり、用紙Sの搬送方向に垂直な方向に伸びた棒状である。CIS51は、棒状に伸びた撮像部53と、撮像部53と平行な線光源である第1光源部52とを備える。第1光源部52は、LED(Light Emitting Diode)52aと、LED52aからの光を線光源に変換する導光体52bとを含む。
撮像部53は、線状に配列された複数の受光素子からなる受光素子アレイを含み、一次元画像を撮像する。具体的には、撮像部53は、各受光素子における受光量に応じたアナログの電圧信号からなる一次元画像データをデジタル形式の一次元画像データに変換し、変換後の一次元画像データを出力する。一次元画像データにおける各画素の値は輝度を示している。
撮像部53は、用紙Sの搬送方向に垂直な方向(用紙の幅方向)に沿った一次元画像を撮像するとともに、用紙の端部を撮像できるように配置される。具体的には、図4に示されるように、用紙Sの法線方向から見た場合、撮像部53における長手方向の一方の端部が用紙Sの略中央付近と重なり、他方の端部が用紙Sと重ならないように配置される。これにより、撮像部53は、一方端が用紙S内に位置し、他方端が用紙Sの外部に位置する一次元画像を撮像することができる。以下、撮像部53によって得られた一次元画像における、用紙S内に位置する一方端を用紙側端といい、用紙Sの外部に位置する他方端を外部端という。
画像形成装置100において使用される用紙Sのサイズが複数種類存在する場合、撮像部53は、当該複数種類の用紙Sの全ての端部と重なるような長さを有する。
搬送経路40中に用紙Sが存在する場合、第1光源部52から照射された光が用紙Sによって反射され、撮像部53に入射する。
第2光源部54は、CIS51と平行な線光源であり、用紙Sを挟んでCIS51の撮像部53に対向する位置に配置される。すなわち、第2光源部54は、用紙Sを含む面に対して撮像部53と反対側に配置される。第2光源部54は、撮像部53に向けて光を照射する。
第2光源部54は、第1光源部52と同様に、発光素子としてのLEDと、LEDからの光を線光源に変換する導光体とを備えている。
検出処理部55は、撮像部53によって得られた一次元画像に基づいて、用紙Sの用紙端位置を検出処理を行なう。検出処理部55は、図4に示されるように、モード切替部61と、エッジ検出部62と、描画領域検出部63と、決定部64とを備える。
モード切替部61は、用紙端検出装置50に対向する位置に用紙Sが存在するときに、第1光源部52および第2光源部54の動作状態を、第1モードと第2モードとに順に切り替える。第1モードは、第1光源部52をオンとし、第2光源部54をオフとするモードである。第2モードは、第1光源部52をオフとし、第2光源部54をオンとするモードである。
モード切替部61は、第1モードにおいて撮像部53が撮像した一次元画像である反射画像を取得するとともに、第2モードにおいて撮像部53が撮像した一次元画像である透過画像を取得する。
エッジ検出部62は、反射画像および透過画像を二値化し、エッジ位置を特定する。具体的には、エッジ検出部62は、各画素について、輝度が所定の閾値以上の場合に当該画素の値をHレベルとし、輝度が当該閾値未満の場合に当該画素の値をLレベルとすることにより、画像を二値化する。
エッジ検出部62は、二値化された反射画像および透過画像の各々において、Hレベルの画素とLレベルの画素とが隣接するエッジ位置を検出する。具体的には、エッジ検出部62は、エッジ検出部62は、以下(1)〜(4)の4種類のエッジ位置を検出する。
(1)第1エッジ位置:反射画像において、用紙側端から見て(すなわち、用紙側端から外部端に向いた方向に沿って)HレベルからLレベルに変化するエッジ位置である。
(2)第2エッジ位置:透過画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化するエッジ位置である。
(3)第3エッジ位置:反射画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化するエッジ位置である。
(4)第4エッジ位置:透過画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化するエッジ位置である。
ここで、第1光源部52から光を照射させる第1モードでは、第1光源部52から照射された光が用紙Sの表面で反射し、用紙Sと対向している部分の撮像部53の受光素子に入射する。一方、用紙Sが存在しない領域では、第1光源部52から照射された光が直進するため、用紙Sと対向していない部分の撮像部53の受光素子には光が入射しない。そのため、反射画像では、理想的には、用紙Sに対向する受光素子に対応する画素の値がHレベルとなり、用紙Sに対向しない受光素子に対応する画素の値がLレベルとなる。
そのため、エッジ検出部62は、用紙端である可能性が高い位置として第1エッジ位置を検出し、用紙端である可能性が低い位置として第3エッジ位置を検出する。
第2光源部54から光を照射させる第2モードでは、用紙Sの光の透過率が低い場合、第2光源部54から照射された光の大部分が用紙Sを透過しないため、用紙Sと対向している部分の撮像部53の受光素子には光が入射しない。一方、用紙Sが存在しない領域では、第2光源部54から照射された光が撮像部53に入射する。そのため、用紙Sの光の透過率が低い場合、透過画像では、用紙Sに対向する受光素子に対応する画素の値がLレベルとなり、用紙Sに対向しない受光素子に対応する画素の値がHレベルとなる。
そのため、エッジ検出部62は、用紙端である可能性が高い位置として第2エッジ位置を検出し、用紙端である可能性が低い位置として第4エッジ位置を検出する。
描画領域検出部63は、反射画像および透過画像の各々において、光の吸収率の高い色材(光の吸収率が所定値以上の色材)によって用紙S上に形成された描画部分に対応する描画領域を検出する。光の吸収率の高い色材としては、たとえばブラックトナーが挙げられる。その他、濃い色(たとえば、青や赤など)を示すために、複数のトナーの組み合わせも光の吸収率の高い色材に含まれる。また、トナーに限らず、光の吸収率の高い色のインクなども含まれる。以下では、光の吸収率の高い色材がブラックトナーであるとして説明するが、これに限定されるものではない。
ブラックトナーによって用紙S上に形成された描画部分は、第1光源部52から照射された光を吸収する。そのため、反射画像において、当該描画部分に対応する領域の画素はLレベルとなる。
また、描画部分は、仮に用紙Sの光の透過率が高くても、第2光源部54から照射された光も吸収する。そのため、透過画像においても、当該描画部分に対応する領域の画素はLレベルとなる。
よって、描画領域検出部63は、反射画像および透過画像の両方において、Lレベルの値を有する画素の領域を描画領域として検出する。
決定部64は、描画領域検出部63によって検出された描画領域およびエッジ検出部62によって検出されてエッジ位置に基づいて、用紙Sの端の位置(用紙端位置)を決定する。具体的には、決定部64は、描画領域検出部63によって描画領域が検出された場合には、描画領域よりも外部端側にあるエッジ位置に基づいて、用紙端位置を決定する。
決定部64は、決定した用紙端位置を示す位置情報を制御装置70に出力する。ただし、決定部64は、用紙端位置を決定できないときエラー通知を制御装置70に出力する。制御装置70は、エラー通知を受けると、操作パネル107(図2参照)に用紙Sの搬送エラーを表示する。
[用紙端位置の決定方法]
図5から図11を参酌して、決定部64における用紙端位置の具体的な決定方法について説明する。
(描画部分が形成されていない通常紙の場合)
図5は、描画部分が形成されていない通常紙Saが検出対象である場合の反射画像および透過画像を示す図である。ここで、通常紙Saとは、光の透過率が所定値よりも低く、第2光源部54からの光の大部分を透過させない白紙である。
図5に示す例では、エッジ検出部62は、位置P1をエッジ位置として検出する。位置P1は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。また、位置P1は、透過画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第2エッジ位置でもある。
上述したように、第1エッジ位置および第2エッジ位置は、いずれも用紙端である可能性が高い位置として検出される。そのため、決定部64は、第1エッジ位置であるとともに第2エッジ位置でもある位置P1を用紙端位置として決定すればよい。
(1つの描画部分(ブラックトナー)が形成された通常紙(追い刷り紙)の場合)
図6は、端部にブラックトナーによる描画部分D1を1つ有する通常紙Saが検出対象である場合の反射画像および透過画像を示す図である。
ブラックトナーは光の吸収率が高い。そのため、第1光源部52から描画部分D1に照射された光の大部分は、撮像部53の方向に反射されない。
図6に示す例では、エッジ検出部62は、位置P2,P3をエッジ位置として検出する。
位置P2は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。
位置P3は、透過画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第2エッジ位置である。
位置P2と位置P3との間の領域Rは、ブラックトナーによって用紙(図6では通常紙Sa)上に形成された描画部分D1に対応する描画領域である。そのため、決定部64は、領域Rよりも外部端側に存在するエッジ位置に基づいて、用紙端位置を決定すればよい。
なお、領域Rでは、反射画像および透過画像の両方においてLレベルとなる。そのため、描画領域検出部63は、反射画像および透過画像の両方においてLレベルである画素の領域を描画領域として検出することができる。
図6に示す例では、領域Rよりも外部端側に存在するエッジ位置として、位置P3が存在する。位置P3は、上述したように用紙端である可能性の高い位置として検出される第2エッジ位置である。そのため、決定部64は、位置P3を用紙端位置として決定すればよい。
(複数の描画部分(ブラックトナー)が形成された通常紙(追い刷り紙)の場合)
図7は、ブラックトナーによる描画部分D1が複数形成された通常紙Saが検出対象である場合の反射画像および透過画像を示す図である。
図7に示す例では、エッジ検出部62は、位置P4,P5,P6,P7,P8をエッジ位置として検出する。
位置P4は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。
位置P5は、反射画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第3エッジ位置である。
位置P6は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。
位置P7は、反射画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第3エッジ位置である。
位置P8は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。位置P8は、透過画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第2エッジ位置でもある。
位置P4と位置P5との間の領域R1と、位置P6と位置P7との間の領域R2とは、ブラックトナーによって用紙(図7では通常紙Sa)上に形成された描画部分D1に対応する描画領域である。そのため、決定部64は、最も外部端側に位置する描画領域(図7では領域R2)よりも外部端側に存在するエッジ位置に基づいて、用紙端位置を決定すればよい。
なお、領域R1および領域R2では、反射画像および透過画像の両方においてLレベルとなる。そのため、描画領域検出部63は、反射画像および透過画像の両方においてLレベルである領域を描画領域として検出することができる。
図7に示す例では、領域R2よりも外部端側に存在するエッジ位置として位置P7および位置P8がある。
最も用紙端側に近い位置P7は、用紙端である可能性の低い位置として検出される第3エッジ位置である。そのため、決定部64は、位置P7が用紙端位置ではないと判断する。
次に用紙端側に近い位置P8は、用紙端である可能性の高い位置として検出される第1エッジ位置であり、かつ、用紙端である可能性の高い位置として検出される第2エッジ位置でもある。そのため、決定部64は、位置P8を用紙端位置として決定すればよい。
(1つの描画部分(ブラックトナー)が形成された薄紙(追い刷り紙)の場合)
図8は、ブラックトナーによる描画部分D1を1つ有する薄紙Sbが検出対象である場合の反射画像および透過画像を示す図である。
ここで、薄紙Sbとは、光の透過率が所定値よりも高く、第2光源部54からの光の大部分を透過させる白紙である。そのため、第2光源部54から光を照射させる第2モードであっても、撮像部53は、薄紙Sbと対向する領域において受光する。ただし、ブラックトナーは光の吸収率が高い。そのため、第2光源部54から描画部分D1に照射された光の大部分は、描画部分D1によって遮断され、撮像部53の方向に透過しない。
図8に示す例では、エッジ検出部62は、位置P9,P10をエッジ位置として検出する。
位置P9は、反射画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第3エッジ位置である。位置P8は、透過画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第2エッジ位置でもある。
位置P10は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。
用紙側端と位置P9との間の領域Rは、ブラックトナーによって用紙(図8では薄紙Sb)上に形成された描画部分D1に対応する描画領域である。そのため、決定部64は、領域Rよりも外部端側に存在するエッジ位置に基づいて、用紙端位置を決定すればよい。
図8に示す例では、領域Rよりも外部端側に存在するエッジ位置として位置P9および位置P10がある。
最も用紙端側に近い位置P9は、透過画像において用紙端である可能性の高い位置として検出される第2エッジ位置であるものの、反射画像において用紙端である可能性の低い位置として検出される第3エッジ位置でもある。そのため、決定部64は、位置P9が用紙端位置ではないと判断する。
次に用紙端側に近い位置P10は、透過画像においてエッジ位置として検出されないが、反射画像において用紙端である可能性の高い位置として検出される第1エッジ位置である。そのため、決定部64は、位置P10を用紙端位置として決定すればよい。
(複数の描画部分(ブラックトナー)が形成された薄紙(追い刷り紙)の場合)
図9は、ブラックトナーによる描画部分D1が複数形成された薄紙Sbが検出対象である場合の反射画像および透過画像を示す図である。
図9に示す例では、エッジ検出部62は、位置P11,P12,P13,P14,P15をエッジ位置として検出する。
位置P11は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。また、位置P11は、透過画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第4エッジ位置でもある。
位置P12は、反射画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第3エッジ位置である。また、位置P12は、透過画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第2エッジ位置でもある。
位置P13は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。また、位置P13は、透過画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第4エッジ位置でもある。
位置P14は、反射画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第3エッジ位置である。また、位置P14は、透過画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第2エッジ位置である。
位置P15は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。
位置P11と位置P12との間の領域R1と、位置P13と位置P14との間の領域R2とは、ブラックトナーによって用紙(図9では薄紙Sb)上に形成された描画部分D1に対応する描画領域である。そのため、決定部64は、最も外部端側に位置する描画領域(図9では領域R2)よりも外部端側に存在するエッジ位置に基づいて、用紙端位置を決定すればよい。
なお、領域R1および領域R2では、反射画像および透過画像の両方においてLレベルとなる。そのため、描画領域検出部63は、反射画像および透過画像の両方においてLレベルである画素の領域を描画領域として検出することができる。
図9に示す例では、領域R2よりも外部端側に存在するエッジ位置として位置P14および位置P15がある。
最も用紙端側に近い位置P14は、透過画像において用紙端である可能性の高い位置として検出される第2エッジ位置であるものの、反射画像において用紙端である可能性の低い位置として検出される第3エッジ位置でもある。そのため、決定部64は、位置P14が用紙端ではないと判断する。
次に用紙端側に近い位置P15は、透過画像においてエッジ位置として検出されないが、反射画像において用紙端である可能性の高い位置として検出される第1エッジ位置である。そのため、決定部64は、位置P15を用紙端位置として決定すればよい。
(1つの描画部分(イエロートナー)が形成された薄紙(追い刷り紙)の場合)
図10は、イエロートナーによる描画部分D2を1つ有する薄紙Sbが検出対象である場合の反射画像および透過画像を示す図である。
イエロートナーは、光の吸収率が低く、照射された光の大部分を反射させる。そのため、第1モードにおいて、第1光源部52から描画部分D2に照射された光の大部分は、撮像部53の方向に反射される。一方、第2モードにおいて、第2光源部54から描画部分D2に照射された光の大部分は、薄紙Sbを透過したとしても、描画部分D2によって反射され、撮像部53の方向に透過しない。
図10に示す例では、エッジ検出部62は、位置P16,P17をエッジ位置として検出する。
位置P16は、透過画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第2エッジ位置である。
位置P17は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。
図10に示されるように、反射画像において、用紙(ここでは薄紙Sb)が存在する領域は、描画部分D2の有無にかかわらずHレベルとなる。
図10に示す例では、透過画像において用紙端である可能性の高い位置として検出される第2エッジ位置(位置P16)と、反射画像において用紙端である可能性の高い位置として検出される第1エッジ位置(位置P17)とが一致しない。
第2エッジ位置が用紙端位置と一致する場合は、用紙の透過率が所定値よりも低いときに限定される。そのため、薄紙Sbの場合には、透過画像において用紙端である可能性の高い位置として検出される第2エッジ位置は、用紙端位置からずれる。
そこで、決定部64は、透過画像において用紙端である可能性の高い位置として検出される第2エッジ位置(位置P16)と、反射画像において用紙端である可能性の高い位置として検出される第1エッジ位置(位置P17)とが一致しない場合、第1エッジ位置(位置P17)を用紙端位置として決定すればよい。
(描画部分が形成されない薄紙が検出対象であり、CISに紙粉が付着した場合)
図11は、描画部分が形成されない薄紙Sbが検出対象であり、CIS51に紙粉が付着した場合の反射画像および透過画像を示す図である。
CIS51に紙粉が付着した場合、紙粉が付着した部分における撮像部53の受光素子は、第1モードにおいて、紙粉からの反射光を受光する。一方、第2モードでは、紙粉によって第2光源部54からの光が遮断されるため、紙粉が付着した部分における撮像部53の受光素子は受光しない。
図11に示す例では、エッジ検出部62は、位置P18,P19,P20,P21,P22をエッジ位置として検出する。
位置P18は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。
位置P19は、反射画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第3エッジ位置である。また、位置P19は、透過画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第4エッジ位置でもある。
位置P20は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。また、位置P20は、透過画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第2エッジ位置でもある。
位置P21は、反射画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第3エッジ位置である。また、位置P21は、透過画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第4エッジ位置でもある。
位置P22は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置である。また、位置P22は、透過画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第2エッジ位置でもある。
このように、用紙端である可能性の高い位置として検出されるエッジ位置(第1エッジ位置または第2エッジ位置)として、位置P18,P20,P22の3つが検出される。位置P18は第1エッジ位置であり、位置P20、P22は、第1エッジ位置であり、かつ、第2エッジ位置である。
図11に示す例では、描画部分D1が薄紙Sbに形成されておらず、反射画像および透過画像の両方においてLレベルとなるような描画領域が存在しない。
描画領域が存在しない場合、決定部64は、用紙端である可能性の高い位置として検出されるエッジ位置のうち、最も用紙側端に近いエッジ位置を用紙端位置として決定すればよい。ただし、上述したように、透過画像において用紙端である可能性の高い位置として検出される第2エッジ位置は、用紙が薄紙Sbの場合では用紙端位置からずれる。
そこで、決定部64は、反射画像において用紙端である可能性の高き位置として検出される第1エッジ位置のうち、最も用紙側端に近い第1エッジ位置を用紙端位置として決定すればよい。図11に示す例では、決定部64は、位置P18を用紙端位置として決定する。
[用紙端位置の決定処理]
次に、図12および図13を参酌して、上記の具体的な用紙端位置の決定方法を実現するための、用紙端検出装置50における処理の流れについて説明する。図12は、用紙端検出装置50における処理の流れの一部を示すフローチャートである。図13は、用紙端検出装置50における決定処理の流れの残りの部分を示すフローチャートである。
まず、用紙Sが用紙端検出装置50の箇所まで搬送されると、モード切替部61は、第1光源部52および第2光源部54の動作状態を第1モードに切り替える。すなわち、モード切替部61は、第1光源部52をオンとし、第2光源部54をオフとする(ステップS1)。
モード切替部61は、第1モードにおいて撮像部53の撮像により得られた反射画像を取得する(ステップS2)。
次に、モード切替部61は、第1光源部52および第2光源部54の動作状態を第2モードに切り替える。すなわち、モード切替部61は、第1光源部52をオフとし、第2光源部54をオンとする(ステップS3)。
モード切替部61は、第2モードにおいて撮像部53の撮像により得られた透過画像を取得する(ステップS4)。
次に、エッジ検出部62は、反射画像および透過画像からエッジ位置を検出する(ステップS5)。ステップS5において検出され得るエッジ位置には、上記の第1〜第4エッジ位置が含まれる。
決定部64は、少なくとも1つの第1エッジ位置が検出されたか否か判断する(ステップS6)。
少なくとも1つの第1エッジ位置が検出されない場合(ステップS6でNO)、決定部64は、少なくとも1つの第2エッジ位置が検出されたか否か判断する(ステップS7)。
少なくとも1つの第2エッジ位置が検出されない場合(ステップS7でNO)、決定部64は、用紙端位置が決定できないと判断し、エラー通知を制御装置70に出力する(ステップS8)。ステップS8においてエラー通知される場合をケースAとする。
少なくとも1つの第2エッジ位置が検出された場合(ステップS7でYES)、決定部64は、最も用紙側端に近い第2エッジ位置を用紙端位置として決定する(ステップS9)。ステップS8において用紙端位置が決定される場合をケースBとする。なお、最も用紙端側に近いエッジ位置を、図中において「最も内側のエッジ位置」と記している。以降のステップにおいても同様である。
少なくとも1つの第1エッジ位置が検出された場合(ステップS6でYES)、決定部64は、少なくとも1つの第2エッジ位置が検出されたか否か判断する(ステップS10)。
少なくとも1つの第2エッジ位置が検出されない場合(ステップS10でNO)、決定部64は、最も用紙側端に近い第1エッジ位置を用紙端位置として決定する(ステップS11)。ステップS11において用紙端位置が決定される場合をケースCとする。
少なくとも1つの第2エッジ位置が検出された場合(ステップS10でYES)、決定部64は、最も用紙側端に近い第1エッジ位置を第1候補位置として特定する(ステップS12)。
次に、図13に示されるように、決定部64は、特定した第1候補位置がいずれかの第2エッジ位置と一致するか判断する(ステップS13)。
第1候補位置がいずれかの第2エッジ位置と一致する場合(ステップS13でYES)、決定部64は、第1候補位置を用紙端位置として決定する(ステップS14)。ステップS14において用紙端位置が決定される場合をケースDとする。
第1候補位置がいずれの第2エッジ位置とも一致しない場合(ステップS13でNO)、描画領域検出部63は、第1候補位置を起点とし、外部端側に向かって連続する、反射画像および透過画像の両方においてLレベルの値を有する画素(描画画素)が存在するか判断する(ステップS15)。
描画画素が存在しない場合(ステップS15でNO)、決定部64は、第1候補位置を用紙端位置として決定する(ステップS16)。ステップS16において用紙端位置が決定される場合をケースEとする。
描画画素が存在する場合(ステップS15でYES)、描画領域検出部63は、当該描画画素からなる領域を描画領域として検出する(ステップS17)。
次に、決定部64は、描画領域よりも外部端側に存在する第2エッジ位置の中から最も用紙端側に近い第2エッジ位置を第2候補位置として特定する(ステップS18)。決定部64は、特定した第2候補位置がいずれかの第3エッジ位置と一致するか判断する(ステップS19)。
第2候補位置がいずれの第3エッジ位置とも一致しない場合(ステップS19でNO)、決定部64は、第2候補位置を用紙端位置として決定する(ステップS20)。ステップS20において用紙端位置が決定される場合をケースFとする。
第2候補位置がいずれかの第3エッジ位置と一致する場合(ステップS19でYES)、決定部64は、第2候補位置よりも外部端側の第1エッジ位置の中から最も用紙端側に近い第1エッジ位置を第3候補位置として特定する(ステップS21)。決定部64は、特定した第3候補位置がいずれかの第4エッジ位置と一致するか判断する(ステップS22)。
第3候補位置がいずれの第4エッジ位置とも一致しない場合(ステップS22でNO)、決定部64は、第3候補位置を用紙端位置として決定する(ステップS23)。ステップS23において用紙端位置が決定される場合をケースGとする。
第3候補位置がいずれかの第4エッジ位置と一致する場合(ステップS22でYES)、決定部64は、第3候補位置を起点とし、外部端側に向かって連続する、反射画像および透過画像の両方においてLレベルの値を有する画素の領域を新たな描画領域として特定する(ステップS24)。その後、用紙端位置の決定処理は、ステップS18の処理に戻される。すなわち、ステップS24において特定された新たな描画領域に基づいて、新たな第2候補位置が設定される。
上記の用紙端位置の決定方法によれば、図5に示される例は、ケースDに分類され、第1エッジ位置であり、かつ、第2エッジ位置である位置P1が用紙端位置として決定される。
図6に示される例は、ケースFに分類され、描画領域である領域Rより外部端側に存在し、かつ、最も用紙側端に近い第2エッジ位置であり、かつ、第3エッジ位置ではない位置P3が用紙端位置として決定される。
図7に示される例も、ケースFに分類され、描画領域である領域R1より外部端側に存在し、かつ、最も用紙側端に近い第2エッジ位置であり、かつ、第3エッジ位置ではない位置P8が用紙端位置として決定される。
なお、図7に示される例では、描画領域として領域R1および領域R2が存在する。ステップS17において領域R1が描画領域として検出され、ステップS18において、領域R1よりも外部端側にあり、かつ、最も用紙側端に近い第2エッジ位置である位置P8が第2候補位置として特定される。位置P8が第3エッジ位置と一致しないため、ステップS19においてNOとなり、ステップS20において位置P8が用紙端位置として決定される。そのため、描画領域検出部63は、領域R2を描画領域として検出しなくてもよい。
図8に示される例は、ケースEに分類され、最も用紙側端に近い第1エッジ位置であり、かつ、第2エッジ位置ではない位置P10が用紙端位置として決定される。
図9に示される例は、ケースGに分類され、描画領域である領域R2より外部端側に存在し、かつ、最も用紙側端に近い第1エッジ位置であり、かつ、第4エッジ位置ではない位置P15が用紙端位置として決定される。
具体的には、図9に示される例では、ステップS17において領域R1が描画領域として検出され、ステップS18において、領域R1よりも外部端側にあり、かつ、最も用紙側端に近い第2エッジ位置である位置P12が第2候補位置として特定される。位置P12が第3エッジ位置と一致するため、ステップS19においてYESとなる。さらに、ステップS21において位置P13が第3候補位置として特定され、位置P13が第4エッジ位置でもあるため、ステップS22においてYesとなる。そのため、ステップS24において、領域R2が新たな描画領域として検出される。
その後、ステップS18において、領域R2よりも外部端側にあり、かつ、最も用紙側端に近い第2エッジ位置である位置P14が第2候補位置として特定される。位置P14が第3エッジ位置と一致するため、ステップS19においてYESとなる。さらに、ステップS21において位置P15が第3候補位置として特定される。位置P15が第4エッジ位置ではないため、ステップS22においてNoとなり、ステップS23において位置P15が用紙端位置として決定される。
図10に示される例は、ケースEに分類され、最も用紙側端に近い第1エッジ位置であり、かつ、第2エッジ位置ではない位置P17が用紙端位置として決定される。
図11に示される例も、ケースEに分類され、最も用紙側端に近い第1エッジ位置であり、かつ、第2エッジ位置ではない位置P18が用紙端位置として決定される。
[利点]
以上のように、実施の形態1の用紙端検出装置50は、第1光源部52から光を照射させ、第2光源部54から光を照射させない第1モードと、第2光源部54から光を照射させ、第1光源部52から光を照射させない第2モードとを切り替えるためのモード切替部61を備える。
用紙端検出装置50は、第1モードにおいて撮像部53が撮像した一次元画像である反射画像(第1画像)と、第2モードにおいて撮像部53が撮像した一次元画像である透過画像(第2画像)とにおいて、輝度が閾値よりも大きい画素と、輝度が閾値よりも小さい画素とが隣接するエッジ位置を検出するためのエッジ検出部62を備える。
用紙端検出装置50は、反射画像および透過画像の中から、用紙上に形成された描画部分に対応する描画領域を検出するための描画領域検出部63を備える。
用紙端検出装置50は、反射画像および透過画像における、描画領域よりも外部端側にあるエッジ位置に基づいて、用紙Sの端の位置を決定するための決定部64を備える。
これにより、描画領域が形成された用紙S、つまり追い刷り紙において、描画領域を誤って用紙端として検出してしまうことを防止することができる。その結果、用紙端の位置を精度良く検出することができる。
具体的には、エッジ検出部62は、反射画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第1エッジ位置を検出する。また、エッジ検出部62は、透過画像において、用紙側端から見てHレベルからLレベルに変化する第2エッジ位置を検出する。用紙S上に描画領域が存在しない場合、通常、最も用紙側端に近い第1エッジ位置と第2エッジ位置とは一致する。しかしながら、用紙S上に描画領域が存在すると、最も用紙側端に近い第1エッジ位置と第2エッジ位置とは、異なる位置となる。また、光の吸収率の高い色の描画領域では光が吸収される。
そこで、描画領域検出部63は、最も用紙側端に近い第1エッジ位置と第2エッジ位置とが異なる場合に、反射画像および透過画像の両方においてLレベルの画素の領域を描画領域として検出する。これにより、容易に描画領域を検出することができる。
描画領域は用紙上に形成される描画部分に対応する。そのため、決定部64は、描画領域よりも外部端側に存在し、かつ、用紙側端に最も近い第2エッジ位置を第2候補位置とする。決定部64は、第2候補位置と、描画領域よりも外部端側に存在し、かつ、用紙側端に最も近い第3エッジ位置とが異なる場合に、第2候補位置を用紙端位置として決定する。また、決定部64は、第2候補位置がいずれかの第3エッジ位置と一致する場合に、第2候補位置よりも外部端側に存在し、かつ、用紙側端に最も近い第1エッジ位置を用紙端位置として決定する。
なお、描画領域が複数検出される場合には、決定部64は、最も外部端側の描画領域よりも外部端側に存在し、かつ、用紙側端に最も近い第2エッジ位置を第2候補位置とすればよい。
第2候補位置は、用紙端位置であるか、用紙の透過率が高い場合において、描画領域と用紙の余白部分との境界であるか、のどちらかが考えられる。第2候補位置が描画領域と用紙の余白部分との境界である場合、撮像部53は用紙Sの余白部分からの反射光を受けるため、第2候補位置は第3エッジ位置と一致する。
そのため、決定部64は、第2候補位置といずれの第3エッジ位置とも一致しない場合に、第2候補位置を用紙端位置として決定する。また、決定部64は、第2候補位置がいずれかの第3エッジ位置と一致する場合に、第2候補位置よりも外部端側に存在し、かつ、用紙側端に最も近い第1エッジ位置を用紙端位置として決定する。これにより、用紙端を精度良く検出できる。
なお、描画領域が検出されない場合には、決定部64は、用紙側端に最も近い第1エッジ位置を用紙端位置として決定する。用紙Sに描画部分が存在しない場合、第1光源部52から照射される光は、用紙Sが存在する領域において反射される。そのため、用紙側端に最も近い第1エッジ領域を用紙端位置として決定することにより、精度良く用紙端を検出することができる。
<実施の形態2>
本開示の実施の形態2に係る用紙端検出装置は、実施の形態1に係る用紙端検出装置50の変形例である。
図14および図15を参照して、実施の形態2に係る用紙端検出装置50Aの構成について説明する。図14は、実施の形態2に係る用紙端検出装置50Aの構成を示すブロック図である。
図14に示されるように、用紙端検出装置50Aは、第2光源部54の代わりに反射切替部56を備え、検出処理部55の代わりに検出処理部55aを備える点で実施の形態1に係る用紙端検出装置50と相違する。検出処理部55aは、モード切替部61の代わりにモード切替部61aを備える点で実施の形態1に係る検出処理部55と相違する。その他の点は実施の形態1に係る用紙端検出装置50の構成と同じであるので、以下ではそれらの説明については繰り返さない。
反射切替部56は、用紙Sを挟んでCIS51に対向する位置に配置され、CIS51に含まれる第1光源部52から照射された光をCIS51の方向に反射させる反射モードと、第1光源部52から照射された光をCIS51の方向に反射させない非反射モードとを切り替え可能な光学部品である。
反射切替部56は、たとえば、入射された光の大部分を反射する反射面と、入射された光の大部分を吸収する非反射面とを備え、CIS51に対向する面を反射面および非反射面のいずれかに切り替えることにより、反射モードと非反射モードとを切り替える。
もしくは、反射切替部56は、印加する電圧によって、鏡状態と透明状態とを切り替えられる光学部品であってもよい。これにより、反射切替部56は、鏡状態となることで反射モードとなり、透明状態となることで非反射モードとなる。
モード切替部61aは、用紙端検出装置50Aに対向する位置に用紙Sが存在する場合に、反射切替部56の状態を反射モードと非反射モードとに順に切り替える。モード切替部61aは、第1光源部52を常にオンとする。
図15は、反射切替部56の状態による光路の変化を説明する図である。図15(a)では、反射切替部56が反射モードであるときの光路が示され、図15(b)では、反射切替部56が非反射モードであるときの光路が示される。
図15(a)に示されるように、反射切替部56が反射モードである場合、第1光源部52から照射された光は、用紙Sが存在しない領域において、反射切替部56で反射し、撮像部53に入射する。
図15(b)に示されるように、反射切替部56が非反射モードである場合、第1光源部52から照射された光は、用紙Sが存在しない領域において反射切替部56で吸収され、撮像部53には入射しない。
用紙Sが存在する領域では、反射切替部56の状態にかかわらず、第1光源部52から照射された光は、用紙S(ブラックトナーによる描画部分を除く)で反射し、撮像部53に入射する。
反射切替部56が非反射モードである場合は、第1光源部52から照射された光の光路は、実施の形態1における、第1光源部52をオンとし、第2光源部54をオフとする第1モードと実質的に同じ状態となる。
反射切替部56が反射モードである場合は、用紙Sが存在しない領域において、用紙Sを含む面に対して撮像部53と反対側から撮像部53に向かって光が進む点で、実施の形態1における、第1光源部52をオフとし、第2光源部54をオンとする第2モードと共通する。
そこで、モード切替部61aは、反射切替部56が非反射モードであるときに撮像部53によって撮像された一次元画像を反射画像として取得し、反射切替部56が反射モードであるときに撮像部53によって撮像された一次元画像を透過画像として取得する。
実施の形態2においても、反射画像および透過画像の両方においてLレベルとなる画素の領域は、用紙Sに形成されたブラックトナーによる描画部分に対応する。そのため、描画領域検出部63は、実施の形態1と同様に、描画領域を検出することができる。その他、エッジ検出部62および決定部64は、実施の形態1と同様の処理を行なえばよい。これにより、実施の形態2によっても、実施の形態1と同様に、用紙Sの端の位置を精度良く検出することができる。
<実施の形態3>
本開示の実施の形態3に係る用紙端検出装置は、実施の形態2に係る用紙端検出装置50Aの変形例である。
図16および図17を参照して、実施の形態3に係る用紙端検出装置50Bの構成について説明する。図16は、実施の形態3に係る用紙端検出装置50Bの構成を示すブロック図である。
図16に示されるように、用紙端検出装置50Bは、検出処理部55aの代わりに検出処理部55bを備える点で実施の形態2に係る用紙端検出装置50Aと相違する。検出処理部55bは、差分画像生成部65を備えるとともに、エッジ検出部62の代わりにエッジ検出部62bを備え、描画領域検出部63および決定部64の代わりに決定部64bを備える点で実施の形態2に係る検出処理部55aと相違する。その他の点は実施の形態2に係る用紙端検出装置50Aの構成と同じであるので、以下ではそれらの説明については繰り返さない。
上述したように、用紙Sが存在する領域では、反射切替部56の状態にかかわらず、第1光源部52から照射された光は、用紙S(ブラックトナーによる描画部分を除く)で反射し、撮像部53に入射する。そのため、反射切替部56が非反射モードであるときに撮像された一次元画像と、反射切替部56が反射モードであるときに撮像された一次元画像とは、用紙Sに対応する領域の画像が一致する。
差分画像生成部65は、反射切替部56が反射モードであるときに撮像された一次元画像から、反射切替部56が非反射モードであるときに撮像された一次元画像を差し引いた差分画像を生成する。
エッジ検出部62bは、差分画像を二値化し、エッジ位置を特定する。具体的には、エッジ検出部62bは、差分画像の各画素について、輝度が所定の閾値以上の場合に当該画素の値をHレベルとし、輝度が当該閾値未満の場合に当該画素の値をLレベルとする。
エッジ検出部62bは、差分画像において、用紙側端から見てLレベルからHレベルに変化する第5エッジ位置を検出する。
決定部64bは、エッジ検出部62bによって検出された第5エッジ位置のうち、最も用紙側端に近い第5エッジ位置を特定し、特定した第5エッジ位置を用紙端位置として決定する。
図17は、端部にブラックトナーによる描画部分D1を有する通常紙Saが検出対象であり、CIS51に紙粉が付着した場合の画像を示す図である。図17において、反射切替部56が反射モードであるときに撮像された一次元画像を上段に示し、反射切替部56が非反射モードであるときに撮像された一次元画像を中段に示し、差分画像を下段に示す。
図17に示す例では、エッジ検出部62bは、位置P23,P24,P25を第5エッジ位置として検出する。
図17に示されるように、第5エッジ位置は、用紙(図17では通常紙Sa)が存在する領域と存在しない領域との境界、および、用紙が存在しない領域からのみ検出され、用紙が存在する領域からは検出されない。
そのため、決定部64bは、最も用紙側端に近い第5エッジ位置である位置P23を用紙端位置として決定すればよい。
本実施の形態3によれば、差分画像を用いることで、複雑なアルゴリズムを用いることなく、用紙端位置を容易に検出することができる。
<変形例>
[変形例1]
上記の各実施の形態において、撮像部53によって生成される一次元画像の長さは、用紙Sの幅方向の位置ずれ量に応じて予め設定されていてもよい。
一般に、搬送経路中において発生する用紙Sの幅方向の位置ずれ量の最大値は、画像形成装置100の仕様によって規定される。そのため、撮像部53は、搬送経路中において理想的な用紙Sの端の位置を中心とし、位置ずれ量の最大値の2倍の長さを有する一次元画像を撮像すればよい。これにより、検出処理部55,55a,55bの処理を高速化することができるとともに、リソースの最適化を行なうことができる。
たとえば、位置ずれ量の最大値が1mmであり、撮像部53の撮像により得られる一次元画像の解像度が600dpiである場合、位置ずれ量の最大値を画素単位で表すと、1/(25.4/600)≒24画素となる。そのため、撮像部53は、理想的な用紙Sの端の位置を中心として±24画素の長さを有する一次元画像を撮像すればよい。
また、搬送経路中に異なるサイズの用紙Sが搬送される場合、撮像部53は、制御装置70から搬送中の用紙Sのサイズを示すサイズ情報を取得し、取得したサイズ情報に応じて、撮像範囲を切り替える。
具体的には、撮像部53は、サイズ情報と、用紙Sの端部の基準位置と、一次元画像の長さとを対応付けたテーブルを予め記憶しておき、当該テーブルに従って撮像範囲を設定する。
これにより、用紙Sのサイズが変更されたとしても、検出処理部55,55a,55bの処理を高速化することができるとともに、リソースの最適化を行なうことができる。
[変形例2]
上述したように、撮像部53に含まれる第1光源部52は、発光素子としてLED52aを備えている。第2光源部54も同様にLEDを備えている。LEDが経年劣化した場合、発光量が徐々に低下することが考えられる。第1光源部52および第2光源部54から照射される光量が低下した場合、エッジ検出部62,62bは、本来HレベルとすべきところをLレベルの画素とみなしてしまう可能性がある。その結果、エッジ位置の検出精度が低下する。
そこで、エッジ検出部62,62bは、一次元画像を二値化する際に用いる閾値を、一次元画像における各画素の輝度の分布に応じて設定してもよい。
エッジ検出部62,62bは、画像形成装置100が所定枚数(たとえば1000枚)の用紙を印刷するたびに閾値を設定する。もしくは、エッジ検出部62,62bは、所定期間(たとえば1ケ月)ごとに閾値を設定してもよい。
エッジ検出部62,62bは、撮像部53から取得した直近の所定回数分の一次元画像を蓄積しておき、蓄積した一次元画像における輝度の分布に基づいて閾値を決定すればよい。
一次元画像における輝度の分布に基づいて閾値を決定する方法は特に限定されない。たとえば、エッジ検出部62,62bは、蓄積した一次元画像における輝度の最大値と最小値との中央値を閾値に設定してもよい。もしくは、エッジ検出部62,62bは、蓄積した一次元画像における輝度の最大値の1/2の値を閾値に設定してもよい。もしくは、エッジ検出部62,62bは、蓄積した一次元画像における輝度の平均値を閾値に設定してもよい。
これにより、LEDが劣化したとしても、エッジ検出部62,62bは、精度良くエッジ位置を検出することができる。
[変形例3]
変形例3に係る用紙端検出装置は、上記の実施の形態1の用紙端検出装置50の変形例である。なお、変形例3は、上記の実施の形態2の用紙端検出装置50Aにも適用することができる。
図18は、変形例3に係る用紙端検出装置が備える検出処理部55cの構成を示すブロック図である。変形例3に係る用紙端検出装置は、検出処理部55の代わりに検出処理部55cを備える点でのみ用紙端検出装置50と相違する。
図18に示されるように、検出処理部55cは、情報取得部66を備えるとともに、決定部64の代わりに決定部64cを備える点でのみ検出処理部55と相違する。
情報取得部66は、搬送経路40中に搬送される用紙Sの種別を示す種別情報を制御装置70(図2参照)から取得する。制御装置70は、操作パネル107(図2参照)に、印刷対象となる用紙Sの種別の入力を促す画面を表示し、ユーザから種別情報を受け付ける。情報取得部66は、制御装置70が受け付けた種別情報を取得する。
種別情報としては、用紙Sの色が白か否かを示す情報、用紙Sに画像が形成されているか否かを示す情報、および用紙Sの厚みが所定値より大きいか否かを示す情報が含まれる。
決定部64cは、実施の形態1の決定部64と同様の機能を有する。ただし、用紙Sの色が白であり、かつ、用紙Sに画像が形成されていないことを示す情報を情報取得部66が取得した場合と、用紙Sの厚みが所定値よりも大きいことを示す情報を情報取得部66が取得した場合とにおいて、以下の処理を行なう。
用紙Sの色が白であり、かつ、用紙Sに画像が形成されていないことを示す情報を情報取得部66が取得した場合には、決定部64cは、最も用紙側端に近い第1エッジ位置を用紙端位置として決定する。
用紙Sの色が白であり、かつ、用紙Sに画像が形成されていない場合には、反射画像において、用紙Sが存在する領域がHレベルとなる。用紙Sが存在しない領域では、基本的にはLレベルとなるが、紙粉が付着している場合にHレベルになり得る。そこで、この場合には、決定部64cは、図12に示すS6でYESの場合、最も用紙側端に近い第1エッジ位置を用紙端位置として決定する。これにより、容易に用紙端を検出することができる。
また、用紙Sの厚みが所定値よりも大きいことを示す情報を情報取得部66が取得した場合には、決定部64cは、最も用紙側端に近い第2エッジ位置を用紙端位置として決定する。
用紙Sの厚みが所定値よりも大きい場合には、透過画像において、用紙Sが存在する領域がLレベルとなる。用紙Sが存在しない領域では、基本的にはHレベルとなるが、紙粉が付着している場合にLレベルになり得る。そこで、この場合には、決定部64cは、図12に示すS7またはS10でYESの場合、最も用紙側端に近い第2エッジ位置を用紙端位置として決定する。これにより、容易に用紙端を検出することができる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。