JP6745625B2 - 異方性光学フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、異方性光学フィルムに関する。
光拡散性を有する部材(光拡散性部材)は、照明器具や建材の他、表示装置においても使用されている。この表示装置としては、例えば、液晶表示装置(LCD)等がある。光拡散性部材の光拡散発現機構としては、表面に形成された凹凸による光拡散(表面光拡散)、マトリックス樹脂とその中に分散された微粒子間の屈折率差による光拡散(内部光拡散)、および表面光拡散と内部光拡散の両方によるものが挙げられる。但し、これら光拡散性部材は、一般にその光拡散性は等方的であり、入射光角度を少々変化させても、その透過光の光拡散性が大きく異なることはなかった。
一方、一定の角度領域の入射光は強く拡散し、それ以外の角度の入射光は透過する、すなわち、入射光角度に応じて透過光量を変化させることが可能な、異方性光学フィルムが知られている。このような異方性光学フィルムとしては、光硬化性化合物を含む組成物の硬化物からなる樹脂層の内部に、全て所定の方向Pに対して平行に延在する複数の棒状硬化領域の集合体を形成した異方性拡散媒体が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。なお、以後、本明細書において、特許文献1に記載されたような、所定の方向に対して平行に延在する複数の棒状硬化領域の集合体を「ピラー構造領域」と称し、ピラー構造領域の中の1つの構造体を「ピラー構造体」と称し、そしてピラー構造領域を形成した異方性光拡散層、もしくは異方性光学フィルムの構造を「ピラー構造」と称することとする。
かかるピラー構造の異方性光学フィルムにおいては、該フィルムに対し、その上方から下方に向けて光が入射された場合、フィルム製造工程での流れ方向(以下、「MD方向」と称する)と、MD方向に垂直なフィルムの幅方向(以下、「TD方向」と称する)とで、同一の光拡散性を示す。すなわち、ピラー構造の異方性光学フィルムでの光拡散性は、等方性を示す。したがって、ピラー構造の異方性光学フィルムでは、輝度の急激な変化やギラツキが生じにくい。
しかし、ピラー構造の異方性光学フィルムは、全方位にほぼ等しく視野角が広がるものの、ある一部の方向(例えば水平方向)にもっと視野角を広げたい、という要求には応えられないし、光拡散角度を広げようとすると、光の拡散により正面輝度が低下してしまう、という問題がある。
一方、異方性光学フィルムとして、上記ピラー構造ではなく、屈折率の異なる領域が、例えば構造形成に使用される棒状光源や点光源を多数個連続して線状に並べたもの(以下、これら光源を線状光源と称する)等の長軸方向と、平行に配向した状態で周期的な微小構造による層を形成した膜状組成物が開示されている(例えば特許文献2を参照)。なお、以後、本明細書において、特許文献2に記載されたような、線状光源の長軸方向に平行に配向した状態で周期的に存在する複数の微小構造の集合体を「ルーバー構造領域」と称し、さらにルーバー構造領域の中の1つの構造体を「ルーバー構造体」と称し、そしてルーバー構造領域を形成した異方性光拡散層、もしくは異方性光学フィルムの構造を「ルーバー構造」と称することとする。
かかるルーバー構造の異方性光学フィルムにおいては、該フィルムに対し、その上方から下方に向けて光が入射された場合、MD方向とTD方向とで異なる光拡散性を示す。すなわち、ルーバー構造の異方性光学フィルムでの光拡散性は、異方性を示す。具体的には、例えば、MD方向で光拡散領域の幅(拡散幅)がピラー構造よりも広がれば、TD方向では拡散幅がピラー構造よりも狭まる。したがって、ルーバー構造の異方性光学フィルムでは、例えば、TD方向で拡散幅が狭まった場合、TD方向で輝度の急激な変化が生じる結果、光の干渉が起きやすくギラツキが生じやすい、という問題がある。
さらにピラー構造は、ピラー構造体を有しているため、直線透過率(異方性光学フィルムに対して、ある入射光角度から入射した際の、直線方向の透過光量(以下「直線透過光量」と称する)と、入射した光の光量(以下、「入射光量」と称する)との比率)が、ルーバー構造よりも低くなる傾向にあり、またルーバー構造は、ルーバー構造体を有しているため、直線透過率がピラー構造体よりも高くなる傾向にある。
これらの問題点を課題として、特許文献3には、これらのピラー構造とルーバー構造の中間的な構造を有する異方性光学フィルムが開示されている。以下この異方性光学フィルムの構造を「ルーバーロッド構造」と称することとする。該特許文献は、ルーバーロッド構造を得る手法として、複数の柱状構造体を備えた薄板状の光重合硬化物を薄板の表面に沿って一軸方向に延伸して、柱状構造体の横断面形状を一軸方向に伸長させる方法を採用している。
特開2005−265915号公報 特許第4802707号公報 特開2012−11709号公報
しかしながら、従来のルーバーロッド構造の製法においては、所望の光学特性を奏するためのルーバーロッド構造の形状について細かな調整することが困難であった。そこで、本発明は、ギラツキや輝度の急激な変化を抑え、光拡散性を含む光学特性のバランスが最適化された異方性光学フィルムを提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、異方性光学フィルムの異方性光拡散層において、複数のルーバーロッド構造体の柱軸方向(異方性光拡散層の厚さ方向)に直交する断面の形状を、最適化された略角丸長方形とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、
本発明(1)は、光の入射光角度により透過光量が変化する異方性光学フィルムであって、該異方性光学フィルムは、少なくとも1層の異方性光拡散層を有し、該異方性光拡散層は、複数のルーバーロッド構造体と、マトリックス領域と、を有し、該ルーバーロッド構造体の柱軸方向に直交する断面形状が、二本の略平行線の各両端を、略円弧にて結んだ略角丸長方形であることを特徴とする異方性光学フィルムである。
本発明(2)は、前記二本の略平行線の平行線幅をL、前記略角丸長方形の最大幅である略長径線の長径線幅をYとし、(Y−L)/2をrとした場合、数式2r<L<10rを満たすことを特徴とする(1)に記載の異方性光学フィルムである。
本発明(3)は、前記異方性光拡散層の厚さが、10μm〜100μmの範囲内にあることを特徴とする(1)または(2)に記載の異方性光学フィルムである。
本発明(4)は、前記rの長さが、0.01μm以上0.4μm未満の範囲内にあることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の異方性光学フィルムである。
本発明によれば、ギラツキや輝度の急激な変化を抑え、光拡散性を含む光学特性のバランスが最適化された異方性光学フィルムを提供することが可能となる。
本発明に係る異方性光拡散層の構成の一例を示す模式図であり、(a)が異方性光拡散層平面形状模式図、(b)が(a)のA−A線で切断した異方性光拡散層の厚さ方向断面形状模式図である。 本発明の異方性光学フィルムにおける異方性拡散層の構成の一例を示す模式図であり、略角丸長方形形状を表す模式図である。 異方性光学フィルムの直線透過光量および直線透過率の評価方法を示す説明図である。 異方性光学フィルムの直線透過光量の評価を説明するためのグラフである。 本発明使用フォトマスクパターンの一例を示す模式図である。 本発明使用フォトマスク全体の一例を示す模式図である。 本発明使用フォトマスクの外観写真である。 本発明使用フォトマスクパターンの部分的表面写真である。 異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の輝度の急激な変化、の評価方法を示す説明図である。
ここで、本特許請求の範囲および本明細書における各用語の定義を説明する。
「低屈折率領域」と「高屈折率領域」は、異方性光学フィルムを構成する材料の局所的な屈折率の高低差により形成される領域であって、他方に比べて屈折率が低いか高いかを示した相対的なものである。これらの領域は、異方性光学フィルムの異方性光拡散層を形成する材料が硬化する際に形成される。
「拡散中心軸」とは、光の入射光角度を変化させた際に光拡散性がその入射光角度を境に略対称性を有する光の入射光角度と一致する方向を意味する。ここで「略対称性を有する」としたのは、本発明の異方性光拡散層が、厳密に光拡散性の対称性を有しないためである。拡散中心軸は、フィルム断面の傾きを光学顕微鏡によって観察することや、異方性光学フィルムを介した光の投影形状を、入射光角度を変化させて観察することにより見出せる。
直線透過率は、下記式で表される。
直線透過率(%)=(直線透過光量/入射光量)×100
本発明における「光」とは、波長380nm〜780nmまでの可視光と、波長100nm〜400nmまでの紫外線と、を含む電磁波である。
以下、本発明の内容について図を参照しながら説明する。
≪異方性光学フィルムの構造≫
<全体構造>
本発明に係る異方性光学フィルムは、少なくとも異方性光拡散層を含む。したがって、異方性光拡散層を含む複数の層を積層した光学積層体であってもよい。
また、用途に応じ、異方性光拡散層単層のみの場合であって、他の層を含まなければ、この場合、異方性光拡散層が異方性光学フィルムとなる。
<異方性光拡散層>
図1〜2は本発明の異方性光学フィルムにおける異方性光拡散層1の構成の一例を示す模式図である。図1(a)は、異方性光拡散層1の平面形状模式図、図1(b)は、図1(a)のA−A線で切断した異方性光拡散層1の厚さ方向断面形状模式図、図2は、略角丸長方形形状を表す模式図である。
図1に示すように、異方性光拡散層1は、複数のルーバーロッド構造体2と、マトリックス領域3と、を有する。複数のルーバーロッド構造体2は、異方性光拡散層1内で図1(a)においては規則的な分布を有しているが、不規則な分布を有していてもよい。規則的であるかどうかは、後述するフォトマスクのパターンによって決まる。
また、図1(b)に示すように、異方性光拡散層1の構造は、複数のルーバーロッド構造体2と、マトリックス領域3とが、異方性光拡散層1の平面方向で、交互となるように形成されている。
さらに図1(b)においては、複数のルーバーロッド構造体2が、異方性光拡散層1の厚さ方向に対して平行に延存している形態を示しているが、ルーバーロッド構造体2の該厚さ方向に対する断面形状は、後述する光学特性を満足するものであればよく、ルーバーロッド構造体2柱軸方向外周部の直線形状が、別形状、例えば波打ち形や、傾斜形、または屈曲形であったり、各形状が混在しているものであってもよい。
また、複数のルーバーロッド構造体2が、異方性光拡散層1内の全領域にわたって不規則、または規則的に分布していることにより、得られる光学特性は、異方性光拡散層1のどの箇所で測定しても略同じとなる。
ここでマトリックス領域3の屈折率は、複数のルーバーロッド構造体2の屈折率と異なっていればよく、屈折率がどの程度異なるかは特に限定されず、また、どちらが高屈折領域となるかは、相対的なものである。
つまり、マトリックス領域3の屈折率が複数のルーバーロッド構造体2の屈折率よりも低い場合、マトリックス領域3は低屈折率領域、複数のルーバーロッド構造体2の集合体(以後「ルーバーロッド構造領域」と称す)は高屈折率領域となる。
逆に、マトリックス領域3の屈折率が複数のルーバーロッド構造体2の屈折率よりも高い場合、マトリックス領域3は高屈折率領域、ルーバーロッド構造領域は低屈折率領域となる。
〔ルーバーロッド構造体〕
図1に示す本発明の異方性光拡散層1内の複数のルーバーロッド構造体2は、その柱軸方向に直交する断面形状が、略角丸長方形を有していることを特徴とする。
略角丸長方形は、具体的には図2に示すように、平行線幅がLである二本の略平行線の各両端を、略円弧にて結んだ形状である。略角丸長方形の最大幅である略長径線の長径線幅Yと、平行線幅Lは、異方性光拡散層(異方性光学フィルム)を光学顕微鏡で観察することによって確認することができる。
また、図2に示すように、略角丸長方形の長径線幅Yに対して、垂直な方向の略角丸長方形幅であるSのことを、以下、短径線幅と称すこととする。
略角丸長方形の形状は、後述する規定、および数式を満足するものであればよく、略角丸長方形外周部の直線形状や曲線形状が、別形状、例えば波打ち形状や傾斜形であったり、各形状が混在しているものであってもよい。
上記形状を有することにより、異方性光学フィルムの透過光が適度に拡散するレンズ効果を発現し、光の干渉によるギラツキや輝度の急激な変化を抑え、光拡散性を含む光学特性のバランスを最適化することができる。
(YとSとの関係)
本発明においては、複数のルーバーロッド構造体の柱軸方向に直交する断面形状が、略角丸長方形であるために、長径線幅Yと、短径線幅Sとの関係は、S<Yである必要がある。加えて、長径線幅Yは、0.5μm〜50.0μmであることが好適であり、より好適には、1.0μm〜10.0μmであり、さらに好適には、1.0μm〜5.0μmである。0.5μm未満の場合、フォトマスクのパターンを、異方性光拡散層の未硬化樹脂組成物層上に忠実に照射できなくなる、光学近接効果の影響を受けやすくなるおそれがあり、50.0μm超の場合、光の干渉によるギラツキが生じやすくなるおそれがある。
(rの長さ)
本発明において、上記略角丸長方形におけるrの長さとは、上記長径線幅Yと、上記平行線幅Lとの関係において、r=(Y−L)/2での関係が成り立つ値とする。このrの長さは、0.01以上0.4μm未満であることが好適であり、より好適には、0.05μm〜0.3μmである。0.01μm未満の場合、光拡散性が低下し、0.4μm以上の場合、透過光量が低下してしまうおそれがある。以後、このrを角丸半径幅と称する。
(L/rの値)
上記平行線幅Lを上記角丸半径幅rで除した値が、2超10未満の範囲であることが好適である。より好適には、2〜8の範囲である。2以下の場合、透過光量が低下し、10以上の場合、光拡散性が低下してしまうおそれがある。
(S/rの値)
上記短径線幅Sを上記角丸半径幅rで除した値が、0.4〜10.0の範囲であることが好適である。より好適には、0.8〜5.0の範囲であり、さらに好適には、1.3超2.5以下の範囲である。10.0超の場合、光拡散性が低下し、0.4未満の場合、透過光量が低下してしまう。
(異方性光拡散層の厚さT)
異方性光拡散層1の厚さであるT(図1(b)参照)は、10μm〜100μmであることが好適である。異方性光拡散層厚さTを上記範囲とすることで、コストの問題が少なくなるとともに、画像のコントラストが十分なものとなる。さらに、異方性光拡散層1の厚さTの下限値は、15μm以上であることがより好適である。厚さTが小さくなるにつれ、光の拡散および集光性のバランスが不十分になるおそれがある。一方、異方性拡散層1の厚さTの上限値は、70μm以下であることがより好適である。厚さTが大きくなるにつれ、材料費が多くかかることや製造に時間を要すること等のコストが高くなる問題と、厚さT方向での光の反射、および屈折により画像にボケが発生しやすくなり、コントラストが低下しやすくなるおそれがある。
本発明においては、1層の異方性光拡散層の厚さ方向に渡って、複数のルーバーロッド構造体とマトリックス領域の界面が途切れることなく連続して存在する構成を有することが好ましい。複数のルーバーロッド構造体と、マトリックス領域の界面とが、つながった構成を有することで、光の透過、反射、および屈折による光の拡散並びに集光が、異方性光拡散層を通過する間、連続して生じやすくなり、光の拡散および集光の効率が上がる。一方、異方性光拡散層の厚さ方向断面において、複数のルーバーロッド構造体およびマトリックス領域が、斑のようにまだらに存在するものが主になると、光の集光が得にくくなるため好適ではない。
異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の直線透過率が最大となる入射光角度で異方性光拡散層に入射させた光の直線透過率を「最大直線透過率」と定義すると、異方性光拡散層は、最大直線透過率が35%〜95%であることが好適である。異方性光拡散層の最大直線透過率の上限値は80%以下であることがより好適であり、70%以下であることがさらに好適である。
一方、最大直線透過率の下限値は40%以上であることがより好適であり、50%以上であることがさらに好適である。
最大直線透過率を上記規定範囲とすることによって、適度な光学異方性とすることが可能であるため、異方性光学フィルムの適用範囲を広げることができる。例えば表示装置に異方性光学フィルムを適用した場合、光学異方性が強すぎると、表示装置水平方向への光の拡散および集光性が優れるものの、垂直方向への光の拡散および集光性が不十分となりやすい問題があるが、本発明の異方性光学フィルムは、上記規定の最大直線透過率を有することにより、水平方向への優れた光の拡散および集光性を維持した上で、垂直方向への光の拡散および集光性も十分に備えることができる。
また、異方性光拡散層の直線透過率が最小となる入射光角度で異方性光拡散層に入射した光の直線透過率を「最小直線透過率」と定義すると、異方性光拡散層は、最小直線透過率が25%以下であることが好適である。異方性光拡散層の最小直線透過率の上限値は20%以下であることがより好適であり、15%以下であることがさらに好適である。下限値は限定されないが、例えば0%である。
ここで直線透過率は、図3に示す方法によって測定することができる。
まず、図3に示すように、異方性光拡散層10(サンプル)を、光源4と検出器5との間に配置する。本形態においては、光源4からの照射光Iが、異方性光拡散層10の平面法線方向から入射する場合の入射光角度を0°とした。また異方性光拡散層10は、図3に示す、異方性光拡散層10の回転軸Pの方向と、図1(a)に示す異方性光拡散層(異方性光学フィルム)のA−A線と方向が一致し、かつ、該回転軸Pを中心として任意に回転させることができるように配置され、光源4と検出器5は固定されている。
すなわち、この方法によれば、上記光源4と検出器5との間にサンプルを配置し、サンプルの回転軸Pを中心軸として、サンプルを回転させながら、光源4からのサンプルへの入射光角度毎に直線透過光量および直線透過率直線透過率=(サンプルが有る場合の検出器の直線透過光量/サンプルがない場合の検出器の直線透過光量)×100}を検出器5で測定する。得られたデータより光学プロファイルが得られ、この光学プロファイルから最大直線透過率および最小直線透過率を求める。なお、上記A−A線と直交する軸を図3に示す回転軸Pと一致させるようにして、入射光角度毎に直線透過光量および直線透過率を測定した場合、図4に示すように入射光角度によらず、ゼロ付近の直線透過光量を示す。
(拡散幅)
拡散幅は、光拡散性の指標となるものである。
上記により、光学プロファイルから異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の最大直線透過率と最小直線透過率を求め、最大直線透過率と最小直線透過率との中間値となる直線透過率に対する2つの入射光角度値の間である入射光角度範囲の幅(光学プロファイルにおける該2つの入射光角度の内側)を求める。この幅が光拡散領域である拡散幅となり、それを除く入射光角度範囲の幅(光学プロファイルにおける該2つの入射光角度の外側)が、非拡散領域となる。
ここで光学プロファイルにおいては、異方性光拡散層の平面法線方向から入射する場合である入射光角度0°を基準とし、入射光角度をマイナス値およびプラス値で示す。したがって、入射光角度はマイナス値となる場合がある。上記2つの入射光角度がプラス値と、マイナス値を有するものであれば、マイナス値の絶対値とプラス値の和が拡散幅となる。
上記2つの入射光角度が両方ともプラス値である場合、より大きいプラス値からより小さいプラス値を引いた差が拡散幅となる。2つの入射光角度が両方ともマイナス値である場合、それぞれの絶対値をとり、より大きい値からより小さい値を引いた差が拡散幅となる。
拡散幅は30°〜80°であることが好適である。拡散幅が30°未満であると、異方性光学フィルムの光拡散性が実用レベルでない。より好適な拡散幅は40°〜70°である。
異方性光拡散層を形成する材料にもよるが、複数のルーバーロッド構造体が光を強く拡散する角度は、ルーバーロッド構造体の柱軸方向、つまり拡散中心軸の傾きと、該ルーバーロッド構造体内入射光の進行方向の傾きと、の差が概ね±10°の範囲にあるときである。
また、該柱軸方向にルーバーロッド構造体を屈曲させて延存させた場合、光を強く拡散する領域をより広げることができる。これは屈曲させることにより、ルーバーロッド構造体において、光を強く拡散する角度範囲を該柱軸方向に複数有することとなるからである。
加えて上記屈曲を複数有する場合、光を強く拡散する領域を、上記柱軸方向に連続して形成することができるため、光の強さを略一定に保った状態でより光の拡散および集光性を高めることができる。
ルーバーロッド構造体の柱軸方向が屈曲する場合の角度(屈曲角)は、光を強く拡散する十分な領域を得るため、10°〜40°であることが好適である。
また屈曲角が15°〜25°である場合、光を強く拡散する領域をより広げることができるため、より好適である。
ルーバーロッド構造に傾斜を持たせてもよい。ルーバーロッド構造体の柱軸方向が1つの傾きを有する場合、その該傾きは、異方性光拡散層の平面に対する法線方向を0°としたとき、±70°の範囲にあることが好適であり、±35°の範囲にあることがより好適であり、±15°の範囲にあることがさらに好適である。異方性光拡散層を形成する材料にもよるが、−70°より小さいか、+70°より大きい入射光は、異方性光拡散層表面で反射されやすく、異方性光拡散層内には入射しにくいためである。これら範囲により、光を強く拡散する領域を広げることができる。
さらに、ルーバーロッド構造体の柱軸方向が複数の傾きを有する場合、それぞれの該傾きは、異方性光拡散層の平面に対する法線方向を0°としたとき、±70°の範囲にあることが好適である。該複数の傾きの数は制限されないが、2〜5の間にあることが好適である。傾きの数が多くなると、傾きを形成するために異方性光拡散層の厚さが増すこととなり、生産性が下がるためである。
ルーバーロッド構造体柱軸方向が有する複数の傾きのうち、少なくとも一つは、異方性光拡散層の平面に対する法線方向を0°としたとき、±5°の範囲にあることが好適であり、かつ、別の傾きは−15°〜−5°、または+5°〜+15°の範囲にあることが好適である。これによって光を強く拡散する領域をより広げることができる。さらに、光を強く拡散する領域を該柱軸方向に連続して形成することができるため、光の強さを略一定に保った状態でより光の拡散および集光性を高めることができる。
ルーバーロッド構造体の柱軸方向が屈曲する形状は、屈曲する部分が略直線状に曲がるものであってもよいし、徐々に変化するもの(例えば、曲線状)であってもよいし、急峻に変化するもの(例えば、直線状)であってもよい。これによって、本発明の効果が得やすくなる。さらに本発明においては、ルーバーロッド構造体の屈曲が柱軸方向に途切れることなく徐々に変化することが好ましい。途切れることなく徐々に変化することによって、光を効率的に拡散および集光させることができる。このような該柱軸方向傾きが屈曲する構造は、ルーバーロッド構造体の略角丸長方形の形状調整と組み合わせることにより、光学特性のバランスをより最適化させることが可能である。
〔その他の層〕
異方性光拡散層の一方の面に他の層を設けた異方性光学フィルムとしてもよい。他の層としては、例えば、粘着層、偏光層、光拡散層、低反射層、防汚層、帯電防止層、紫外線近赤外線(NIR)吸収層、ネオンカット層、電磁波シールド層等を挙げることができる。
また他の層を順次積層してもよい。さらに異方性光拡散層の両方の面に、他の層を積層してもよい。両方の面に積層される他の層は、同一の機能を有する層であってもよいし、別の機能を有する層であってもよい。
≪異方性光学フィルムの製造方法≫
本発明の異方性光学フィルムは、特定の光硬化性樹脂組成物の未硬化樹脂組成物層に特殊な条件で紫外線および/または可視光線照射を行うことで異方性光拡散層を形成することにより作製することができる。以下、まず異方性光拡散層の原料を説明し、次いで製造プロセスを説明する。
<異方性光拡散層の原料>
本発明の異方性光拡散層を形成する材料は、ラジカル重合性またはカチオン重合性の官能基を有するマクロモノマー、ポリマー、オリゴマーまたはモノマーから選択される光硬化性化合物と光開始剤とから構成される光硬化性樹脂組成物に、紫外線および/または可視光線を照射することにより重合・硬化する材料である。ここで、異方性光拡散層を形成する光硬化性化合物が1種類であっても、密度の高低差ができることによって屈折率差が生ずる。紫外線および/または可視光線の照射強度が強い部分は硬化速度が早くなるため、その硬化領域周囲に硬化材料が移動し、結果として屈折率が高くなる領域と屈折率が低くなる領域が形成されるからである。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタアクリレートのどちらであってもよいことを意味する。
ここで低屈折率領域と高屈折率領域の屈折率差(絶対値)は、0.02以上であることが好適である。より好適には0.03以上であり、さらに好適には0.04以上である。屈折率差が大きくなるほど、異方性の程度が大きくなることに加え、光学顕微鏡等でルーバーロッド構造を形成しているか確認することが容易となる。
[光硬化性化合物]
ラジカル重合性化合物は、主に分子中に1個以上の不飽和二重結合を含有するもので、具体的にはエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート等の名称で呼ばれるアクリルオリゴマーと、2−エチルヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソノルボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシフタル酸、ジシクロペンテニルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変成トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のアクリレートモノマーが挙げられる。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。なお、同様にメタクリレートも使用可能であるが、一般にはメタクリレートよりもアクリレートの方が光重合速度が速いので好適である。
カチオン重合性化合物としては、分子中にエポキシ基やビニルエーテル基、オキセタン基を1個以上有する化合物が使用できる。エポキシ基を有する化合物としては、2−エチルヘキシルジグリコールグリシジルエーテル、ビフェニルのグリシジルエーテル、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類のジグリシジルエーテル類、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラック、オルトクレゾールノボラック等のノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル類、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのEO付加物、ビスフェノールAのPO付加物等のアルキレングリコール類のジグリシジルエーテル類、ヘキサヒドロフタル酸のグリシジルエステルやダイマー酸のジグリシジルエステル等のグリシジルエステル類が挙げられる。
さらにエポキシ基を有する化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、テトラ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ブタンテトラカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)−4,5−エポキシテトラヒドロフタレート等の脂環式エポキシ化合物も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビニルエーテル基を有する化合物としては、例えばジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、ビニルエーテル化合物は、一般にはカチオン重合性であるが、アクリレートと組み合わせることによりラジカル重合も可能である。
オキセタン基を有する化合物としては、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)−オキセタン等が使用できる。
なお、上記カチオン重合性化合物は、各単体で用いてもよく、また、複数混合して用いてもよい。
さらに光硬化性化合物は、上記に限定されるものではない。加えて十分な屈折率差を生じさせるべく、上記光硬化性化合物には、低屈折率化を図るため、フッ素原子(F)を導入しても良く、高屈折率化を図るため、硫黄原子(S)、臭素原子(Br)、各種金属原子を導入してもよい。また、特許第4423040号に開示されるように、酸化チタン(TiO )、酸化ジルコニウム(ZrO )、酸化錫(SnOx)等の高屈折率の金属酸化物からなる超微粒子の表面に、アクリル基やメタクリル基、エポキシ基等の光重合性官能基を導入した機能性超微粒子を上記光硬化性化合物に添加することも有効である。
(シリコーン骨格を有する光硬化性化合物)
本発明では光硬化性化合物として、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物を使用することが好適である。シリコーン骨格を有する光硬化性化合物は、その構造(主にエーテル結合)に伴い配向して重合・硬化し、低屈折率領域、高屈折率領域、または、低屈折率領域および高屈折率領域を形成する。シリコーン骨格を有する光硬化性化合物を使用することによって、ルーバーロッド構造体の柱軸方向を傾斜、または屈曲させやすくなり、光の拡散および集光性が向上する。低屈折率領域はルーバーロッド構造領域またはマトリックス領域のいずれかに相当するものであり、他方が高屈折率領域に相当する。
ここで低屈折率領域において、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の硬化物であるシリコーン樹脂が相対的に多くなることが好適である。これによって、ルーバーロッド構造体の柱軸方向をさらに傾斜、または屈曲させやすくすることができるため、光の拡散および集光性がさらに向上する。シリコーン樹脂はシリコーン骨格を有さない化合物に比べ、ケイ素(Si)を多く含有するため、このケイ素を指標として、EDS(エネルギー分散型X線分光器)を使用することによってシリコーン樹脂の相対的な量を確認することができる。
シリコーン骨格を有する光硬化性化合物は、ラジカル重合性またはカチオン重合性の官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはマクロモノマーである。ラジカル重合性の官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基等が挙げられ、カチオン重合性の官能基としては、エポキシ基、オキセタン基等が挙げられる。これらの官能基の種類と数に特に制限はないが、官能基が多いほど架橋密度が上がり、屈折率の差が生じやすくなるため好ましいことから、多官能のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有することが好適である。また、シリコーン骨格を有する化合物はその構造から他の化合物との相容性において不十分なことがあるが、そのような場合にはウレタン化して相容性を高めることができる。本発明では末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシリコーン・ウレタン・(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の重量平均分子量(Mw)は、500〜50,000の範囲にあることが好ましい。より好ましくは2,000〜20,000の範囲である。重量平均分子量が該範囲にあることにより、十分な光硬化反応が起こり、異方性光拡散層内でシリコーン樹脂が配向しやすくなる。さらにシリコーン樹脂の配向に伴い、ルーバーロッド構造体の柱軸方向を傾斜、または屈曲させやすくなる。
シリコーン骨格としては、例えば、下記の一般式(1)で示されるものが該当する。一般式(1)において、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、メチル基、アルキル基、フルオロアルキル基、フェニル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ポリエーテル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の官能基を有する。また、一般式(1)中、nは1〜500の整数であることが好ましい。
(シリコーン骨格を有さない化合物)
シリコーン骨格を有する光硬化性化合物にシリコーン骨格を有さない化合物を配合して、異方性光拡散層を形成すると、低屈折率領域と高屈折率領域が分離して形成されやすくなり、異方性の程度が強くなり好ましい。シリコーン骨格を有さない化合物は、光硬化性化合物のほかに熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができ、またはこれらを併用することもできる。
光硬化性化合物としては、ラジカル重合性またはカチオン重合性の官能基を有するポリマー、オリゴマー、モノマー等を使用することができる(ただし、シリコーン骨格を有していないものである)。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂とその共重合体や変性物等が挙げられる。熱可塑性樹脂を用いる場合においては熱可塑性樹脂が溶解する溶剤を使用して溶解し、塗布、乾燥後に紫外線および/または可視光線でシリコーン骨格を有する光硬化性化合物を硬化させて異方性光拡散層を成形する。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステルとその共重合体や変性物が挙げられる。熱硬化性樹脂を用いる場合においては、紫外線および/または可視光線の照射でシリコーン骨格を有する光硬化性化合物を硬化させた後に適宜加熱することで、熱硬化性樹脂を熱硬化させて異方性光拡散層を成形する。シリコーン骨格を有さない化合物として最も好適であるのは光硬化性化合物であり、これは、低屈折率領域と高屈折率領域が分離しやすいことと、熱可塑性樹脂を用いる場合のように溶剤が不要で乾燥過程が不要であること、熱硬化性樹脂のような熱硬化過程が不要であること等、生産性に優れているためである。
シリコーン骨格を有する光硬化性化合物と、シリコーン骨格を有さない化合物の比率は質量比で15:85〜85:15の範囲にあることが好適である。より好適には30:70〜70:30の範囲である。当該範囲にすることによって、低屈折率領域と高屈折率領域の相分離が進みやすくなるとともに、ルーバーロッド構造体の柱軸方向を傾斜、または屈曲しやすくする。シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の比率が下限値未満または上限値超であると、相分離が進みにくくなってしまい、ルーバーロッド構造体の柱軸方向の傾斜、または屈曲がしにくくなる。シリコーン骨格を有する光硬化性化合物としてシリコーン・ウレタン・(メタ)アクリレートを使用すると、シリコーン骨格を有さない化合物との相溶性が向上する。これによって、材料の混合比率を幅広くしてもルーバーロッド構造体の柱軸方向を傾斜、または屈曲させやすくすることができる。
[光開始剤]
ラジカル重合性化合物を重合させることのできる光開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル]チタニウム、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
カチオン重合性化合物を重合させることのできる光開始剤としては、紫外線および/または可視光線の照射によって酸を発生し、この発生した酸により上記カチオン重合性化合物を重合させることができる化合物であり、一般的には、オニウム塩、メタロセン錯体が好適に用いられる。オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等が使用され、これらの対イオンには、BF−、PF−、AsF−、SbF−等のアニオンが用いられる。具体例としては、4−クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェート、(η5−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
本発明において、上記光開始剤は、光硬化性化合物100重量部に対して、0.01重量部〜10重量部、より好適には0.1重量部〜7重量部、さらに好適には0.1重量部〜5重量部程度配合されることが好適である。これは、0.01重量部未満では光硬化性が低下し、10重量部を超えて配合した場合には、表面だけが硬化して内部の硬化性が低下してしまう弊害の他、着色、ルーバーロッド構造体形成の阻害を招くからである。これらの光開始剤は、通常粉体を光硬化性化合物中に直接溶解して使用されるが、溶解性が悪い場合は光開始剤を予め極少量の溶剤に高濃度に溶解させたものを使用することもできる。このような溶剤としては光硬化性であることがより好適であり、具体的には炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。また、光硬化性を向上させるために公知の各種染料や増感剤を添加することも可能である。さらに光硬化性化合物で、熱によっても硬化が可能な化合物の場合、光硬化性化合物を加熱により硬化させることのできる熱硬化開始剤を光開始剤と共に併用することもできる。この場合、光硬化の後に加熱することにより光硬化性化合物の重合・硬化をより促進させることができる。
[その他の原料]
(高分子樹脂)
本発明では、主に上記の光硬化性化合物を単独で、または複数を混合した光硬化性樹脂組成物を硬化させて、異方性光拡散層を形成することができるが、光硬化性化合物と光硬化性を有しない高分子樹脂の混合物を硬化させることによっても本発明の異方性光拡散層を形成することができる。ここで使用できる高分子樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。これらの高分子樹脂と光硬化性化合物は、光硬化前は十分な相溶性を有していることが必要であるが、この相溶性を確保するために各種有機溶剤や可塑剤等を使用することも可能である。なお、光硬化性化合物としてアクリレートを使用する場合は、高分子樹脂としてはアクリル樹脂から選択することが相溶性の点で好適である。
≪工程≫
次に本発明の異方性光学フィルムの製造方法(プロセス)について、図5〜6を用いて説明する。以下の工程を順次経ることで、複数のルーバーロッド構造体と、マトリックス領域とを有し、ルーバーロッド構造体の柱軸方向に直交する断面形状が、二本の略平行線の各両端を、略円弧にて結んだ略角丸長方形形状である異方性光学フィルムを得ることができる。
(1)光硬化性樹脂組成物を基材上に塗工して塗工膜(未硬化樹脂組成物層)を設ける、塗工工程
(2)未硬化樹脂組成物層にフォトマスクを積層させる、フォトマスク積層工程
(3)光源から平行光線を得る、平行光線取得工程
(4)平行光線を未硬化樹脂組成物層上のフォトマスク表面に照射させ、未硬化樹脂組成物層を重合・硬化させる、硬化工程
(5)異方性光拡散層に、その他の層を、用途に応じて積層させる、他の層積層工程(任意)
<塗工工程>
本発明に好適な塗工工程とは、光硬化性樹脂組成物を透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのような適当な基材上に、シート状に塗工して塗工膜(未硬化樹脂組成物層)を設ける工程である。
塗工としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。光硬化性樹脂組成物が低粘度の場合は、基材フィルムの周囲に一定の高さの堰を設けて、この堰で囲まれた中に光硬化性樹脂組成物をキャストすることもできる。なお、塗工膜は必要に応じて乾燥して溶剤を揮発させることが好適である。
<フォトマスク積層工程>
本発明の異方性光学フィルムにおける異方性光拡散層の複数のルーバーロッド構造体の柱軸方向に直交する断面形状を、希望する略角丸長方形として形成させるために、未硬化樹脂組成物層上にフォトマスクを積層させる工程を設けることができる
フォトマスクは、フォトマスク作製手順に従い、希望する略角丸長方形をパターニングした基板を使用することができる。
具体的なフォトマスク作製手順は、まず、フォトマスクとなるガラス基板全面に、紫外線を遮る遮光膜とするためのクロム膜を成膜する。その後電子線レジスト(感光性材料)を塗布・ベークしてから、電子線描画装置により露光・現像・リンスを行い、クロム膜上の電子線レジストにパターニングを行う。その後不要なクロム膜をエッチングで溶かし、紫外線の透過する穴をあけてから、薬液によりレジストを除去することにより、フォトマスクが完成する。
フォトマスクに使用する基板には、ガラスや合成石英上に、上記のようにクロムを遮光膜として描画図形が形成されるものが多いが、エマルジョンマスクと呼ばれる透明な高分子フィルム上に図形が描かれるものであってもよい。その際にはクロムの代わりに黒化金属銀で遮光膜を作製することが好適である。
フォトマスクのパターン大きさは、条件により異なるが、本発明では、3cm×3cmの大きさでパターンを作製した。図5は、本発明使用フォトマスクのパターンの一例を示す模式図であり、図6は、本発明使用フォトマスク全体の一例を示す模式図である。
図6では、フォトマスクのサイズが5インチ×5インチであり、パターンは9つのブロックに分かれており、各パターン間のピッチは0.85cm、フォトマスク外周と各パターン外周との間隔は1cmである。
本発明ではフォトマスクを使用することで、異方性光拡散層の複数のルーバーロッド構造体の柱軸方向に直交する断面形状を、希望する略角丸長方形形状に作製することができる。しかしながら、フォトマスクのパターン寸法が、未硬化樹脂組成物層に平行光線を照射する際の波長よりも小さくなると、フォトマスクのパターンを未硬化樹脂組成物層上に忠実に照射できなくなる、光学近接効果の影響を受けてしまう場合がある。この対策としてはフォトマスクのマスクパターンにあらかじめ光近接効果補正(OPC)を設ける手法が適用できる。
上記フォトマスクを使用することにより、異方性光拡散層の複数のルーバーロッド構造体の柱軸方向に直交する断面形状を、希望する略角丸長方形形状として形成させることができる。
さらにフォトマスクは、未硬化樹脂組成物層の硬化の際、酸素阻害を防ぐ役割も兼ねる。
<平行光線取得工程>
未硬化樹脂組成物層上のフォトマスク表面に紫外線および/または可視光線の平行光線照射を行うための光源としては、通常はショートアークの紫外線発生光源が使用され、具体的には高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタハライドランプ、キセノンランプ等が使用可能である。照射する光線は、光硬化性樹脂組成物を硬化可能な波長を含んでいることが必要であり、通常は水銀灯の365nmを中心とする波長の光が利用されるが、使用する光開始剤の吸収波長に近い波長を含む光源であればいずれのランプも使用できる。
上記ショートアークの紫外線発生光源からの光より平行光線を作るためには、例えば光源の背後に反射鏡を配置して、所定の方向に点光源として光が出射するようにし、さらにその光をフレネルレンズにより平行光線とすることができる。フレネルレンズとは、通常のレンズを同心円状の領域に分割し、厚さを減らしたレンズであり、のこぎり状の断面を持つものである。点光源として出射された光がフレネルレンズを通ると、方向がばらばらであった光の向きが一方向に統一され、平行光線となる。但し、本発明の異方性光学フィルムを作製する上で必要な平行光線を得るために、必ずしもフレネルレンズを必須とするものではなく、レーザーを含めて色々な方法を使用することができる。
<硬化工程>
平行光線を、未硬化樹脂組成物層上のフォトマスク表面に照射させ、未硬化樹脂組成物層を、重合・硬化させる工程である。
紫外線および/または可視光線による平行光線を、未硬化樹脂組成物層上に積層させたフォトマスク表面より入射させ、未硬化樹脂組成物層を重合・硬化させ、その後、基材を剥離することで異方性光学フィルム(異方性光拡散層)とするか、もしくは必要に応じて、該異方性光拡散層に、他の層を積層させる、他の層積層工程に、さらに工程を進めることとなる。なお、基材を剥離することなく、そのまま異方性光学フィルムとしてもよい。
未硬化樹脂組成物層に照射される紫外線および/または可視光線による平行光線の照度としては、0.01mW/cm〜100mW/cmの範囲であることが好適であり、より好適には0.1mW/cm〜20mW/cmの範囲である。照度が0.01mW/cm未満であると硬化に長時間を要するため、生産効率が悪くなり、100mW/cmを超えると光硬化性樹脂組成物の硬化が速すぎて構造形成を生じず、目的の光拡散性を含む光学特性を発現できなくなる場合があるからである。
紫外線および/または可視光線による平行光線の照射時間は特に限定されないが、10秒〜180秒間、より好適には30秒〜120秒間である。
本発明の異方性光拡散層は上記で述べたように、低照度の紫外線および/または可視光線による平行光線を比較的長時間照射することにより、未硬化樹脂組成物層中に特定の内部構造が形成されることで得られるものである。そのため、このような平行光線照射だけでは未反応のモノマー成分が残存して、べたつきを生じたりしてハンドリング性や耐久性に問題となる場合がある。そのような場合は、1000mW/cm以上の高照度の紫外線光等を追加照射して残存モノマーを重合・硬化させることができる。この時の照射はフォトマスク表面ではなく、基材表面側から照射を行うことが好適である。
本発明の異方性光拡散層の複数のルーバーロッド構造体の柱軸方向に、屈曲構造を得るための方法は特に限定されるものではないが、光硬化性樹脂組成物に、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物を使用する方法や、未硬化樹脂組成物層が硬化する際に未硬化樹脂組成物層の厚さ方向に温度分布を与えることで得る方法等が有効である。方法は適宜組み合わせることが可能である。
例えば上記温度分布を与えることで得る方法の場合、紫外線および/または可視光線による平行光線を入射するフォトマスク表面に冷風を与えて冷却させ、かつ、逆側の面である基材表面は、種々の温調プレート等によって加熱することで、未硬化樹脂組成物層の平面に垂直な厚さ方向に温度分布を生じさせることが可能となる。光硬化性樹脂組成物は、温度によって屈折率が変化するため、照射された紫外線および/または可視光線による平行光線が未硬化樹脂組成物層の内部を通過する際に屈曲する。この屈曲の屈曲角や位置、方向は、光硬化性樹脂組成物の屈折率や、反応速度、温度勾配、膜厚または平行光線の傾斜等によって調整することが可能である。
ここで光硬化性樹脂組成物の反応速度は、組成物自体の配合による反応性や、粘度、紫外線および/または可視光線による平行光線の照射強度、光開始剤の種類と量等により適宜調整される。
さらに、本発明の異方性光拡散層の複数のルーバーロッド構造体の柱軸方向に傾斜構造を得るための方法も特に限定されるものではなく、例えば、光硬化性樹脂組成物にシリコーン骨格を有する光硬化性化合物を使用する方法や、紫外線および/または可視光線による平行光線に傾斜をかけることで得る方法等が有効である。これらの方法は適宜組み合わせることが可能である。
<他の層積層工程>
硬化工程により得た異方性光拡散層に、その他の層を、用途に応じて積層させる任意の工程である。
用途に応じ、上記その他の層を、直接、または粘着層や接着層を介して異方性光拡散層に積層させることにより、本発明の異方性光学フィルムを得ることができる。
方法は限定されるものではないが、粘着層や接着層とするための、粘着剤や接着剤貼付方法としては、異方性光拡散層に直接塗布する場合、塗布手段は特に限定されず、ロールコーティング法、グラビアコーティング法等を含めた公知の技術が採用できる。
さらに別法として、その他の層に同様の方法により、直接塗布しておいても構わない。
加えて、あらかじめ粘着層や接着層を、互いに剥離力の異なるセパレーター同士で挟んだ枚葉状のノンキャリアタイプのフィルムを、ラミネーターにより、貼合させる方法も可能である。
≪用途≫
本発明の異方性光学フィルムは、接着層や粘着層を介し、所望の場所に貼り合わせて使用することができるが、例えば、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)、表面電界ディスプレイ(SED)、電子ペーパー等のような表示装置に適用することができ、特に好適には、透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置(LCD)に用いることができる。
以下の方法にしたがって、本発明の異方性光学フィルムおよび比較例の異方性光学フィルムを製造した。
[実施例1]
厚さ100μm、150mm×150mmサイズのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:A4100)を基材として、その縁部全周にディスペンサーを使い光硬化性樹脂組成物で高さ0.05mmの隔壁を形成した。この隔壁の高さは、おおむね得られる異方性光拡散層の厚さに相当することとなる。この隔壁の中に下記に示す組成の光硬化性樹脂組成物を充填し、未硬化樹脂組成物層を形成し、続いてその未硬化樹脂組成物層表面に、クロム膜によるガラス基板製フォトマスク(厚さ2mm)を積層した。
なお、フォトマスクは図6に示す規格のものを使用し、サイズが5インチ×5インチ、パターンは9つのブロックに分かれており、各パターン間のピッチは0.85cm、フォトマスク外周と各パターン外周との間隔は1cmであった。図7はその外観写真である。
また、パターンは図5に示す規格のものを使用し、サイズが3cm×3cm、略角丸長方形形状は、長径線幅Yが1.5μm、平行線幅Lが0.9μm、角丸半径幅rが0.3μmであり、短径線幅Sが0.5μm、長径線幅Y方向の各略角丸長方形間のピッチが1.1μm、短径線幅S方向の各略角丸長方形間のピッチが0.4μmであった。図8はその部分的表面写真である。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460、重量平均分子量:5,890) 20重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18)
・ネオペンチルグリコールジアクリレート(屈折率:1.450) 30重量部
(ダイセル・サイテック株式会社製、商品名:Ebecryl145)
・ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(屈折率:1.536) 15重量部
(ダイセル・サイテック株式会社製、商品名:Ebecyl150)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率:1.518) 40重量部
(共栄社化学株式会社製、商品名:ライトアクリレートPO−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
このフォトマスクを積層した未硬化樹脂組成物層上のフォトマスク表面からUVスポット光源(浜松ホトニクス株式会社社製、商品名:L2859−01)の落射用照射ユニットから出射される平行光線(波長:365nmの紫外線)を、照射強度5mW/cmとして1分間照射して、さらに、基材側から照射強度20mW/cmの紫外線を照射して、完全に硬化させた。そこから、基材とフォトマスクを剥がして、実施例1の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)を得た。
[実施例2]
未硬化樹脂組成物層表面に、クロム膜によるガラス基板製フォトマスク(厚さ2mm)を積層後、該未硬化樹脂組成物層の基材側を、80℃に加熱したホットプレートに載せ、フォトマスク表面からは送風機より風を送り冷やした状態にして、該未硬化樹脂組成物層のフォトマスク側から平行光線を照射する他は、実施例1と同様にして、実施例2の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)を得た。
また、異方性光拡散層の厚さ方向(異方性光拡散層平面に垂直な方向)を光学顕微鏡で確認したところ、2つの拡散中心軸を有し、異方性光拡散層の厚さ方向を0°とした場合に、それぞれの拡散中心軸の傾きが0°と15°であり、屈曲角が15°の屈曲構造を有していた。
[実施例3]
未硬化樹脂組成物層表面に、クロム膜によるガラス基板製フォトマスク(厚さ2mm)を積層後、該未硬化樹脂組成物層上のフォトマスク表面から平行光線を、該フォトマスク平面に対する法線方向より10°傾けて照射する他は、実施例1と同様にして、実施例3の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)を得た。
また、異方性光拡散層の厚さ方向(異方性光拡散層平面に垂直な方向)を光学顕微鏡で確認したところ、複数のルーバーロッド構造体が、厚さ方向に対し、約10°傾斜した傾斜構造を有していた。
[実施例4]
フォトマスクのパターンが、サイズ3cm×3cm、略角丸長方形形状は、長径線幅(Y)が1.5μm、平行線幅(L)が1.1μm、角丸半径幅(r)が0.2μmであり、短径線幅Sが0.5μm、長径線幅Y方向の各略角丸長方形間のピッチが1.3μm、短径線幅S方向の各略角丸長方形間のピッチが0.4μmである他は、実施例1と同様にして、実施例4の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)を得た。
[比較例1]
未硬化樹脂組成物層表面に、クロム膜によるガラス基板製フォトマスクの代わりに、厚さ50μm、150mm×150mmサイズのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:A4100)を積層した他は、実施例1と同様にして、比較例1の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)を得た。
比較例1の異方性光拡散層では、異方性光拡散層内において、複数のルーバーロッド構造体ではなく、複数のピラー構造体が形成され、複数のピラー構造体の柱軸方向に直交する断面形状は、光学顕微鏡で確認したところ、略円形であった。
[比較例2]
フォトマスクのパターンが、サイズ3cm×3cm、略角丸長方形形状は、長径線幅(Y)が1.5μm、平行線幅(L)が1.3μm、角丸半径幅(r)が0.1μmであり、短径線幅Sが0.5μm、長径線幅Y方向の各略角丸長方形間のピッチが1.5μm、短径線幅S方向の各略角丸長方形間のピッチが0.4μmである他は、実施例1と同様にして、比較例2の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)を得た。
[比較例3]
フォトマスクのパターンが、サイズ3cm×3cm、略角丸長方形形状は、長径線幅(Y)が1.5μm、平行線幅(L)が0.5μm、角丸半径幅(r)が0.5μmであり、短径線幅Sが0.5μm、長径線幅Y方向の各略角丸長方形間のピッチが0.8μm、短径線幅S方向の各略角丸長方形間のピッチが0.4μmである他は、実施例1と同様にして、比較例3の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)を得た。
《評価方法》
上記のようにして製造した実施例および比較例の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)に対し、以下のようにして評価を行った。
〈異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の表面観察〉
実施例および比較例の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の表面(平行光線照射時の照射側)を、光学顕微鏡で観察し、略角丸長方形の長径線幅(Y)、平行線幅(L)、角丸半径幅(r)を測定した。また、該幅は、任意の略角丸長方形100個を測定した平均値とした。
〈異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の厚さ〉
実施例および比較例の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の厚さはマイクロメーターによって評価を行った。測定時には、表面形状がつぶれないようにして測定を行った。測定値は、異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の平面の4つの角付近と、平面中央付近の1箇所を含む、計5箇所の測定した値の平均値を、異方性光拡散層の厚さとした。
〈異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の直線透過率、拡散幅〉
図3に示すような、光源の投光角、検出器の受光角を任意に可変できる変角光度計ゴニオフォトメータ(株式会社ジェネシア製)を用いて、実施例および比較例の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の光学特性評価を行った。光源4からの直進光を受ける位置に検出器5を固定し、その間のサンプルホルダーに実施例および比較例で得られた異方性光拡散層(異方性光学フィルム)10をセットした。図3に示すように異方性光拡散層10の回転軸P(図1(a)に示す異方性光拡散層のA−A線と方向が一致する)を中心として異方性光拡散層10を回転させて、それぞれの異方性光拡散層10の回転位置での入射光角度毎に対応する直線透過光量および直線透過率を、検出器5で測定した。この評価方法によって、どの入射光角度で入射される光が拡散するのかを評価することができる。なお、直線透過光量の測定は、視感度フィルターを用いて可視光領域の波長に対して測定した。
得られたデータより光学プロファイルが得られ、この光学プロファイルから最大直線透過率および最小直線透過率を求めた。
さらに上記光学プロファイルで求めた該最大直線透過率および最小直線透過率との中間値となる直線透過率に対する2つの入射光角度値の間である入射光角度範囲の幅(光学プロファイルにおける当該2つの入射光角度の内側)を求め、拡散幅とした。
〈異方性光拡散層(異方性光学フィルム)のギラツキ〉
実施例および比較例の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の下層に光反射層を設け、異方性光拡散層の上から光を入射させて、その反射光のギラツキを目視で確認し、ギラツキが確認されなければ○、ギラツキが確認されれば×と評価した。
〈異方性光拡散層(異方性光学フィルム)の輝度の急激な変化〉
輝度の急激な変化の評価として、上記直線透過光量および直線透過率の測定に関連し、一例である図9に示すグラフ(光学プロファイル)において、最大直線透過率F(%)をとる入射光角度A(゜)と、最小直線透過率F(%)をとる入射光角度B(゜)との間で、直線透過率が急激に変化した場合、輝度も急激に変化したこととなるため、入射光角度の変化に対する直線透過率の変化、つまり傾きを該FとA、および該FとBに対して求めて、該傾きが急であれば輝度の急激な変化があり、該傾きが緩やかであれば輝度の急激な変化がないものと判断した。
具体的には、上記傾きをαとした場合、αは(F−F)/|A−B|であり、このαがα≧1.5であれば輝度の急激な変化があるので、×と評価し、α<1.5であれば、輝度の変化が緩やかで違和感なしなので、○と評価した。
なお、図9に示すように、それぞれ2種類存在する最大直線透過率(FA1およびFA2)および最小直線透過率(FB1およびFB2)において、下記式である傾きαおよびαのうち、傾きが大きい方の数値に対して、上記判定を行った。
α:(FA1−FB1)/|A−B
α:(FA2−FB2)/|A−B
上記評価を行い、表1に評価結果をまとめた。
上記結果に示すとおり、実施例1〜4の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)は、最大直線透過率、最小直線透過率、拡散幅、ギラツキ、および輝度の急激な変化が良好であり、特に実施例2および3は、より良好な結果となった。これは、異方性光学フィルムの異方性光拡散層において、複数のルーバーロッド構造体の柱軸方向(異方性光拡散層の厚さ方向)に直交する断面の形状を、最適化された略角丸長方形とすることにより、異方性光拡散層の出射光が適度に拡散するレンズ効果を発現し、光の干渉によるギラツキや輝度の急激な変化を抑え、光拡散性を含む光学特性のバランスを最適化することができたためと考えられる。
さらに、実施例1〜4の本発明の異方性光拡散層は、上記で規定された角丸半径幅の範囲内であるので、拡散幅を広くすることができた。
また、実施例3の拡散幅が大きい理由は、上記ルーバーロッド構造体が適度に傾斜していたためであると考えられ、さらに、実施例2の拡散幅が最も大きい理由は、該ルーバーロッド構造体の軸方向に屈曲を有しているため、光を強く拡散する領域をより広げ、拡散幅をより大きくすることができるためと考えられる。
これに対し、比較例1の異方性光拡散層(異方性光学フィルム)は、フォトマスクの代わりに、PETフィルムを使用したため、複数のピラー構造体が形成され、複数のピラー構造体の柱軸方向に直交する断面の形状が、略角丸長方形ではなく、略円形となってしまい、最大直線透過率および拡散幅が、本発明よりも劣る結果となった。
また比較例2は、最適化された略角丸長方形ではないため、最小直線透過率、拡散幅、ギラツキおよび輝度の急激な変化が、本発明よりも劣る結果となった。
そして比較例3も、最適化された略角丸長方形ではないため、最大直線透過率が、本発明よりも劣る結果となった。
以上本発明の異方性光学フィルムは、ギラツキや輝度の急激な変化を抑え、光拡散性を含む光学特性のバランスが最適化されているため、かかる異方性光学フィルムを、各種表示装置に用いることができるものである。
1 異方性光拡散層(異方性光学フィルム)
2 ルーバーロッド構造体
3 マトリックス領域
4 光源
5 検出器
10 異方性光拡散層(異方性光学フィルム、またはサンプル)
Y 長径線幅
L 平行線幅
r 角丸半径幅
S 短径線幅
T 異方性光拡散層厚さ

Claims (8)

  1. 光の入射光角度により透過光量が変化する異方性光学フィルムであって、
    該異方性光学フィルムは、少なくとも1層の異方性光拡散層を有し、
    該異方性光拡散層は、
    複数のルーバーロッド構造体と、マトリックス領域と、を有し、
    前記ルーバーロッド構造体は、前記異方性光拡散層の厚み方向に対して延存する柱状の構造体であり、
    該ルーバーロッド構造体の柱軸方向に直交する異方性光拡散層断面における該ルーバーロッド構造体の断面形状が、二本の平行線の各両端を、円弧にて結んだ角丸長方形であり、
    前記二本の平行線の平行線幅をL、前記角丸長方形の最大幅である長径線の長径線幅をYとし、(Y−L)/2を角丸半径幅であるrとした場合、数式2r<L<10rを満たし、
    前記Yは、1.0μm〜10.0μmの範囲であり、
    前記異方性光拡散層断面における複数のルーバーロッド構造体が、互いに同一である複数の長径線幅方向に沿って並んでいることを特徴とする異方性光学フィルム。
  2. 前記ルーバーロッド構造体が、前記柱軸方向で1つの傾きを有しており、該傾きが、前記異方性光拡散層の平面に対する法線方向を0°としたとき、±70°の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の異方性光学フィルム。
  3. 前記ルーバーロッド構造体が、前記柱軸方向で屈曲して延存しており、その屈曲角が、10°〜40°の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の異方性光学フィルム。
  4. 前記異方性光拡散層の厚さが、10μm〜100μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性光学フィルム。
  5. 前記異方性光拡散層の直線透過率が最大となる入射光角度で異方性光拡散層に入射させた光の直線透過率である最大直線透過率が、40%〜95%の範囲にあり、前記異方性光拡散層の直線透過率が最小となる入射光角度で異方性光拡散層に入射させた光の直線透過率である最小直線透過率が、25%以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の異方性光学フィルム。
  6. 前記最大直線透過率と、前記最小直線透過率との中間値となる直線透過率に対する2つの入射光角度値の入射光角度範囲の幅である拡散幅が、30°〜80°の範囲内にあることを特徴とする請求項に記載の異方性光学フィルム。
  7. 前記複数のルーバーロッド構造体の屈折率と、前記マトリックス領域との屈折率が異なっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方性光学フィルム。
  8. 前記複数のルーバーロッド構造体と、前記マトリックス領域とが樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の異方性光学フィルム。
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