JP6718358B2 - 希土類磁石およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、磁気特性と形状付与性を高次元で両立し得る希土類磁石と、その製造方法に関する。
希土類磁石は非常に高い磁気特性を発揮するため、家電分野や自動車分野など幅広い分野で利用されている。希土類磁石は、磁性面(結晶粒の配向状態)から等方性磁石と異方性磁石に大別される。異方性磁石は、結晶方位(磁化容易軸方向)が特定方向に揃っており、結晶方位がランダムな等方性磁石よりも高い磁気特性を発揮し得る。このため、高出力化や小型化等が強く要求されるモータ等には、異方性磁石が多用されている。
また希土類磁石(特に異方性磁石)は、製法面からボンド磁石、焼結磁石または熱間加工磁石に大別される。ボンド磁石は、磁石粒子の保持に必要なバインダー樹脂の分、単位体積あたりの磁気特性が低くなる。焼結磁石は、その製造過程に起因して、結晶粒径が少なくとも数μm以上となり、その保磁力の向上には、異方性磁界の大きい重希土類元素(Dy、Tb等)が必要となる。このような重希土類元素は、資源リスクが大きいと共に、磁気モーメントが主成分であるFe等と反平行であるため、その分、焼結磁石の磁気特性(特に残留磁束密度)を低下させ得る。
熱間加工磁石は、単磁区サイズの微細な結晶粒(主相粒子)からなる(超)急冷薄帯の粉砕粉を、(ホット)プレスした圧粉体をさらに熱間(塑性)加工して得られる。この熱間加工時の塑性流動により、原料中の微細な結晶粒は、c軸(磁化容易軸)に垂直な方向(a軸方向またはb軸方向)へ異方成長した略円盤状となる。熱間加工磁石は、加圧方向にc軸が高度に配向した異方性磁石であり、高い残留磁束密度のみならず、Dy等を用いるまでもなく、結晶組織微細化による高い保磁力も発現し得る。
ところで、熱間加工磁石は、通常、熱間加工により、配向と形状付与が同時になされる。高い配向度を得るためには高い加工率が必要となる。しかし、希土類磁石合金は、非常に硬質な難加工材であるため、加工率を高めると、外周側部等に割れが発生し易くなる。割れが発生すると、歩留まりが低下するのみならず、歪みの解放により配向度も低下し得る。このような割れを抑制しつつ、高配向な熱間加工磁石を得るための製造方法が、例えば、下記の特許文献で提案されている。
特開2014−82422号公報 特開2014−203842号公報
特許文献1、2は、加圧方向に平行な側面が拘束状態な対向面と非拘束状態な対向面とからなるダイスを用いて、熱間加工を2ステップに分けて行うことを提案している。しかし、このような製造方法でも、熱間加工により配向と形状付与を同時に行っていることに変わりなく、高配向度の熱間加工磁石に付与し得る形状は限定的であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、配向度と形状自由度を高次元で両立させ得ることができる希土類磁石と、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、高配向度な磁石素材を予め製造しておき、その磁石素材を組合わせることにより、所望形状の希土類磁石とすることを着想した。この着想を具体化して発展させることにより、以降に述べるような本発明を完成するに至った。
《希土類磁石の製造方法》
(1)本発明の希土類磁石の製造方法は、磁化容易軸が特定方向に配向した希土類磁石合金の結晶粒からなる磁石素材を積み重ねた積層体を得る積層工程と、該積層体中の隣接する該磁石素材同士を接合した希土類磁石を得る接合工程と、を備える。
本発明の製造方法によれば、従来のように高配向度を確保するために付与できる形状が制限されるということがなく、配向度と形状自由度を高次元で両立した希土類磁石が得られる。この結果、高磁気特性な異方性希土類磁石の用途を大幅に拡張し得る。
(2)磁石素材は、焼結磁石でも良いが、一般的に配向度と形状自由度の両立が困難といわれている熱間加工磁石であると好ましい。つまり、磁石素材は、希土類磁石合金の原料粒子からなる圧粉体を、熱間で加圧して原料粒子を構成する結晶粒を磁化容易軸に略直交する方向へ異方成長させる熱間加工工程により得られる熱間加工磁石であると好ましい。
熱間加工磁石からなる磁石素材は、薄板状であり、その厚さが0.5〜2mmさらには0.9〜1.8mmであると好ましい。このような磁石素材を用いることにより、所望する形状またはサイズで、高い磁気特性の希土類磁石を得ることが容易となる。なお、磁石素材は、円板(盤)状または方形板状等でも良いし、最終製品または中間製品を加工(切断、粉砕)したような特定形状でもよい。また、積層される各磁石素材は、同形でも異形でも良い。各磁石素材が全て同形であると、磁石素材ひいては希土類磁石の製造コストを低減できる。異形状の磁石素材を組合わせることにより、希土類磁石のニアネットシェイプ化を図ったり、部位に依って磁気特性を変化させたりすることも可能となる。なお、磁石素材が積層されてなる本発明の希土類磁石は、そのまま最終製品とされるものでも良いし、さらに研削加工等に供される中間素材であってもよい。
《希土類磁石》
(1)本発明は、上述した製造方法のみならず、希土類磁石としても把握できる。例えば、本発明は、熱間加工磁石からなる磁石層が積層状になっている希土類磁石でもよい。この場合、その磁石層は厚さが2mm以下であると好ましい。また、磁石層間に接合層を有してもよい。
(2)本発明は、さらに、上述した希土類磁石の製造方法に用いられる磁石素材自体(便宜上、これも「希土類磁石」と呼ぶ。)としても把握できる。
《その他》
特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
バルク磁石(希土類磁石)の製造過程を模式的に示した説明図である。 形状係数の異なる各磁石素材の外観写真である。 熱間加工前の圧粉体と形状係数(L/D)が異なる磁石素材とに係る結晶組織を示すSEM像である。 各磁石素材の各位置における配向度を示すグラフである。 バルク磁石に係る形状係数と配向度の関係を示すグラフである。
上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、希土類磁石とその製造方法のいずれにも該当し得る。一定の場合、方法的な構成要素であっても物に関する構成要素ともなり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《希土類磁石合金》
(1)組成
本発明に係る希土類磁石合金(単に「磁石合金」という。)は、希土類元素を含む二元系合金または三元系以上合金であり、異方性磁石となり得るものである。このような磁石合金を構成する希土類元素や合金組成は種々ある。例えば、希土類元素(R)、遷移金属元素(T)、ホウ素(B)または窒素(N)からなり、R14B(Nd14FeB等)、R17(SmFe17等)、RT(SmCo等)などで表される金属間化合物からなる主相(本発明でいう「結晶粒」)を構成するものである。なお、代表的なRはNdやSm等であり、代表的なTはFeやCo等である。
高磁気特性(特に高保磁力)の希土類磁石を得るためには、微細な主相が非磁性な粒界相で囲まれている状態がよい。このような粒界相が形成されるように、磁石合金は、上述した主相の理論組成(ストイキ組成)よりも、少なくとも希土類磁石が僅かに多くなっていると好ましい。例えば、主相がR14Bの結晶粒からなる場合であれば、磁石合金は、全体を100原子%として、R:12〜15%、B:5〜8%、残部:T(Feの他、微量なGa、Nb等を含んでもよい。)であると好ましい。
(2)結晶粒
結晶粒が微細であるほど、特に結晶粒が単磁区サイズ(単磁区となる臨界サイズ以下)であると、希土類磁石の高保磁力化を図れて好ましい。例えば、結晶粒がR14B型主相を構成する場合、その粒径は10〜700nmさらには50〜500nmであると好ましい。なお、本明細書でいう粒径は、画像処理等により、組織観察している視野内で、各結晶粒の最大長を相加平均したものとする。
熱間加工磁石の場合、原料粒子中の結晶粒と熱間加工後の結晶粒は、形状が異なる。加圧方向の直交面で観ると、後者の粒径は前者の粒径よりも大きくなる。但し、いずれの場合でも、その粒径は上述の範囲内にあると好ましい。敢えていうと、原料粒子中の結晶粒は10〜500nmさらには50〜300nmであると好ましい。また熱間加工後の結晶粒は100〜700nmさらには200〜500nmであると好ましい。過小な結晶粒の製造は容易ではない。結晶粒が過大であると、結晶粒微細化に依る高保磁力化が図れない。
(3)原料粒子
微細な結晶粒を有する原料は、例えば、所望の合金組成に調製された溶湯を、熱伝導性に優れた回転ロールへ噴射等して急冷凝固させる(超)急冷法により得られる。こうして得られる原料は、細い連続した薄帯状であるため、例えば、10〜500μm程度に粉砕して用いられる。このような希土類磁石合金からなる急冷薄帯の粉砕粉は、熱間加工磁石に用いられる原料粉末(原料粒子)として好適である。
《製造方法》
(1)熱間加工工程
磁石素材が熱間加工磁石である場合、既述したように、原料粒子の圧粉体を熱間加圧する熱間加工工程によって得られる。熱間加工工程により結晶粒の磁化容易軸が特定方向へ配向する理由は、結晶粒が磁化容易軸に略直交する方向へ板状に異方成長するためと、粒界すべりによる回転が生じるためと考えられている。このような現象を促進するために、熱間加工工程は、圧粉体を550〜750℃さらには600〜700℃にしてなされると好ましい。加熱温度が過小では、粒界すべり(または粒界液相化)が生じ難く、配向が促進されない。加熱温度が過大になると、結晶粒が粗大化して保磁力が低下し得る。
熱間加工工程は、歪み速度が10-4〜10-1/sさらには10-3〜10-2/sでなされると好ましい。歪み速度が過小では、結晶粒の粗大化や生産性の低下を招き得る。また歪み速度が過大では、配向度の低下や割れ等を招き得る。熱間加工工程は、一定の適切な歪み速度でなされるとより好ましい。
熱間加工工程は、圧下率(圧縮率、加工率)が40〜85%さらには60〜80%であると好ましい。圧下率が過小であると配向度が不十分となり、圧下率が過大であると割れ等が生じ易くなる。なお、圧下率は、加圧方向に関して、加工前の長さ(H)に対する加工前後の長さ(高さ)の変化量(ΔH=H−H)の割合(100×ΔH/H)により求まる。
熱間加工工程は、加圧方向に直交する加工面の面積相当径(D)に対する加圧方向の加工前の長さ(L)の割合である形状係数(L/D)が0.5以下、0.45以下さらには0.4以下であると好ましい。形状係数が過大になると、側面等に割れが発生し易くなる。形状係数の下限値は問わないが、配向度や希土類磁石の生産性を確保するため、敢えていうと、形状係数は0.1以上さらには0.2以上であると好ましい。
なお、面積相当径(D)は、熱間加工後の加工面の面積(S)を円面積に換算したときの直径(2(S/π)1/2)である。磁石素材が円柱状または円板状なら、その直径がそのまま面積相当径(D)となる。
(2)積層工程
積層工程は、複数の磁石素材のみを積み重ねる場合の他、各磁石素材の隣接間にそれらを接合する接合材を介在させる場合でもよい。接合材は、ろう材、接着剤等である。ろう材には、例えば、融点が300〜700℃の低融点ろう材を用いると、希土類磁石の耐熱性と生産性の両立を図れ得る。
このような接合材は種々考えられ、例えば、R−Cu系合金(特にNd−Cu合金)、R−Cu−Al系合金(特にNd−Cu−Al合金)などがある。このような合金は、粒界相に浸透または拡散して、非磁性な粒界相の形成に寄与し、磁石素材ひいては希土類磁石の保磁力も向上させ得る。なお、これに関連する記載が、例えば、特許第5739093号公報にある。
(3)接合工程
接合工程は、例えば、複数の磁石素材からなる積層体を加熱圧縮することによりなされる。このときの加熱温度や加圧力は、接合材の有無や希土類磁石の要求強度等に応じて選択される。例えば、積層体が磁石素材のみからなる場合(接合材が介在しない場合)、500〜750℃さらには600〜700℃、30〜100MPaさらには40〜80MPaで熱間加圧するとよい。これにより磁石素材の接合界面同士は、塑性流動により機械的に強固に接合され得る。但し、長時間の加熱は、結晶粒の成長を招くため、接合工程は0.5〜5分間程度で完了させるとよい。
磁石素材間に接合材(R−Cu(−Al)系合金等)を介層させる場合、接合工程は、その接合材の融点以上で加圧してなされると好ましい。これにより、各磁石素材の接合と接合材の粒界相への拡散を同時に行える。
《用途》
本発明の希土類磁石は、配向度が高くて磁気特性や耐熱性等に優れると共に、形状自由度も高い。このため、従来は形状的に熱間加工磁石を利用できなかった部材にも、本発明の希土類磁石を用いることができる。例えば、本発明の希土類磁石は、部位により磁石の厚みを変化させてパーミアンス係数を調整した磁石等に利用されると好ましい。
《試料の製造》
図1に示すように、先ず、希土類磁石合金からなる原料粉末を加圧成形した圧粉体を、熱間加工して磁石素材を得た。次に、複数の磁石素材からなる積層体を熱間加圧(接合)してバルク磁石(希土類磁石)を製造した。こうして得られた各試料について観察、測定等を行った。このような具体例を挙げつつ、以下に本発明をさらに詳しく説明する。
(1)原料粉末(原料粒子)
原料粉末として、超急冷法により製造された磁石合金薄帯の粉砕粉(MQI社製 MQU−F)を用意した。磁石合金の成分組成は、質量%(at%)で、Nd:31%(14.3at%)、B:0.85%(5.2at%)、Co:4.35%(4.9at%)、Ga:0.6%(0.6at%)、Fe:残部であった。粉末粒子(原料粒子)の粒径(最大長)は50〜100μmであった。各粒子を構成する結晶粒(最大長)の粒径は2〜50nmであった。
(2)圧粉体(粉末成形工程)
原料粒子を金型のキャビティに充填して、冷間(室温)または熱間(650℃)で、それぞれ加圧成形した。冷間成形(コールドプレス)時の成形圧力:200MPa、熱間成形(ホットプレス)時の成形圧力:50MPaとした。こうしてφ12mmの円柱状の圧粉体を得た。
圧粉体の高さ(L)は、キャビティへ充填する原料粉末量を調整することにより、15mm、5mm、4mm、2.5mmとした。なお、室温で加圧成形した圧粉体をコールドプレス体、熱間で加圧成形した圧粉体をホットプレス体という。
(3)磁石素材(熱間加工工程)
各圧粉体を金型のキャビティ(D=φ12mm)へ充填して、650℃×歪み速度:10-2/sまたは10-3/sで熱間加工した。このとき、いずれの試料についても、圧下率は73%とした。こうして円板状の磁石素材(熱間加工磁石)を得た。
歪み速度:10-3/s(一定)、形状係数(L/D):0.33、0.4または1.25として熱間加工した磁石素材の外観を図2に示した。図2から明らかなように、形状係数を大きくすると、外周側に割れが生じることがわかった。
(4)バルク磁石(積層工程・接合工程)
各磁石素材を金型のキャビティ(7×7mm)へ5〜7枚づつ入れて(積層工程)、650℃×50MPa×1分間で加圧成形した(接合工程)。これにより角柱状のバルク磁石(希土類磁石)を得た。
また、各磁石素材の隣接間に、Nd−25質量%Cu合金(融点:520℃)からなる接合材を介在させた積層体を同様に加圧成形して、一体化したバルク磁石も製造した。
《観察/結晶組織》
熱間加工前の圧粉体(ホットプレス体)と、それを各形状係数で熱間加工した磁石素材とを、走査型電子顕微鏡(SEM)により組織観察した。各SEM像を図3に示した。
《測定/配向度》
(1)磁石素材
各磁石素材の残留磁束密度(Br)を振動試料型磁力計(VSM)により測定した。また各磁石素材の飽和磁化(Bs)は、事前に10Tで着磁してから、室温におけるVSMによる測定結果と試験片の密度から換算して求めた。これらから配向度(Br/Bs)を算出した。磁石素材の測定位置と配向度の関係を図4に示した。
(2)バルク磁石
各バルク磁石から切り出した試験片(7×7×7mm)を用いて、同様にパルス励磁型磁気特性測定装置(TPM)により各磁気特性(Br、Hcj、Bs)を測定した。こうして得られた結果の一部を表1に示した。
また、各バルク磁石について、形状係数と配向度の関係を図5に示した。
《評価》
(1)図2と図3から、圧下率が大きくても、形状係数(L/D)が小さいと、磁石素材に割れが発生し難く、結晶粒も加圧方向に対して垂直な方向へ、より異方成長した偏平な円盤状となり、高配向度となることがわかった。
(2)図4から、形状係数が0.5以下さらには0.45以下であれば、位置(部位)に拘わらず配向度が均一的に高い磁石素材が得られることがわかった。また、コールドプレス体(圧粉体)を熱間加工した磁石素材も同様の効果が認められるが、ホットプレス体を熱間加工した磁石素材の方が、より高い配向度が得られることもわかった。
(3)図5から、バルク磁石は形状係数が0.2〜0.6さらには0.3〜0.4のときに、より高い配向度を示すことがわかった。ここで示したバルク磁石は、磁石素材の中心部(形状係数:0.2〜1.25)を測定したものである。形状係数が過小になると、表面の摩擦損失等により表面の配向度が低下することもわかった。
以上から、本発明のように、予め十分な磁気特性(特に配向度)が確保された磁石素材を組合わせて接合することにより、様々な形状をした高性能な希土類磁石が得られることが明らかとなった。

Claims (7)

  1. 磁化容易軸が特定方向に配向した希土類磁石合金の結晶粒からなる磁石素材を接合材を介在させて積み重ねた積層体を得る積層工程と、
    該積層体中の隣接する該磁石素材同士を接合した希土類磁石を得る接合工程と備え
    該磁石素材は、該希土類磁石合金の原料粒子からなる圧粉体を、熱間で加圧して該原料粒子を構成する結晶粒を該磁化容易軸に略直交する方向へ異方成長させる熱間加工工程により得られる熱間加工磁石であり、
    該接合材は、希土類元素(R)とCuを含むR−Cu系合金またはRとCuとAlを含むR−Cu−Al系合金であり、
    該接合工程は、該接合材の融点以上で加圧してなされる希土類磁石の製造方法。
  2. 前記Rは、Ndである請求項1に記載の希土類磁石の製造方法。
  3. 前記熱間加工工程は、加圧方向に直交する加工面の面積相当径(D)に対する該加圧方向の加工前の長さ(L)の割合である形状係数(L/D)が0.5以下である請求項1または2に記載の希土類磁石の製造方法。
  4. 前記磁石素材は、厚さが0.5〜2mmの薄板状である請求項1〜のいずれかに記載の希土類磁石の製造方法。
  5. 前記原料粒子は、前記希土類磁石合金からなる急冷薄帯の粉砕粉からなる請求項〜4のいずれかに記載の希土類磁石の製造方法。
  6. 前記結晶粒は、希土類元、遷移金属元およびホウからなり、粒径が10〜700nmである請求項1〜5のいずれかに記載の希土類磁石の製造方法。
  7. 熱間加工磁石からなる磁石層が積層状になっていると共に該磁石層間に接合層を有する希土類磁石であって、
    該接合層は、希土類元素(R)とCuを含むR−Cu系合金またはRとCuとAlを含むR−Cu−Al系合金からなる希土類磁石。
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