JP6716039B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、四象限動作が可能な電力変換装置に関し、より特定的には、電流不連続モードにおける電力変換装置の制御に関する。
四象限動作が可能な電力変換装置として、たとえばインバータが知られている。四象限動作が可能なインバータは、負荷に連続的に電流が流れる電流連続モードで動作するのが一般的である。電流連続モードにおいては、負荷に流れる電流の向き(極性)が反転するタイミング(電流ゼロクロス)において電流リプルが発生することが知られている。
たとえば特開昭60−156280号公報(特許文献1)に開示されているインバータのように、負荷に電流がほとんど流れない時間帯が存在する電流不連続モードでインバータを動作させることにより、電流リプルによる損失を低減することができる。
特開昭60−156280号公報
特開昭60−156280号公報(特許文献1)においては、電流不連続モードと電流連続モードとにおける制御モデルの違いについて考慮されていない。電流連続モードの電流制御をそのまま電流不連続モードに適用すると、電流制御が不安定になり得る。その結果、電力変換装置による安定的な電力の供給が困難になり得る。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電流不連続モードにおける電力変換装置の電力供給を安定化することである。
本発明に係る電力変換装置は、電流不連続モードにおいて、直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換する。電力変換装置は、第1〜第4端子と、フルブリッジ回路と、リアクトルと、電流制御器と、非線形補償器と、PWM制御器とを備える。第1および第2端子は、直流電源の正極および負極にそれぞれ接続されている。第3および第4端子は、交流電圧を出力する。フルブリッジ回路は、第1端子と第2端子との間に並列に接続された第1および第2レグを含む。リアクトルは、第1レグの上アームと下アームとの第1接続点と、第3端子との間に接続されている。電流制御器は、リアクトルを流れる電流値が目標電流値となるようにリアクトルの両端間の目標電圧値を算出する。非線形補償器は、目標電圧値、および第3端子と第4端子との間に出力された出力電圧値を受けて、目標通流率を算出する。PWM制御器は、非線形補償器から目標通流率を受けてフルブリッジ回路にPWM信号を出力して、フルブリッジ回路を第1または第2スイッチングモードで動作させる。第4端子は、第2レグの上アームと下アームとの第2接続点に接続されている。電流不連続モードにおいては、リアクトルに電流が流れない時間帯が存在する。第1スイッチングモードにおいては、第1レグの上アームと第2レグの下アームとが同期してスイッチングされるとともに、第1レグの下アームと第2レグの上アームとが非導通とされる。第2スイッチングモードにおいては、第1レグの下アームと第2レグの上アームとが同期してスイッチングされるとともに、第1レグの上アームと第2レグの下アームとが非導通とされる。非線形補償器は、電流不連続モードにおいて、目標電圧値、1サンプリング時間前の目標通流率、1サンプリング時間前の出力電圧値を用いて、今回のサンプリング時間の目標通流率を算出する。
本発明に係る電力変換装置によれば、非線形補償器が目標電圧値、1サンプリング時間前の目標通流率、1サンプリング時間前の出力電圧値を用いて、今回のサンプリング時間の目標通流率を算出することにより、電流不連続モードにおいて電流制御を安定させることができる。その結果、電流不連続モードにおいて安定的に電力を供給することができる。
実施の形態1に係る電力変換装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 第1スイッチングモードにおいてリアクトル電流のタイムチャートである。 リアクトル電流が増加する時間帯におけるフルブリッジ回路の導通状態を示す図である。 リアクトル電流が減少する時間帯におけるフルブリッジ回路の導通状態を示す図である。 リアクトルLに電流が流れていない時間帯におけるフルブリッジ回路の導通状態を示す図である。 第1スイッチングモードで動作する場合の電力変換装置の回路モデルに対応するブロック線図である。 第1スイッチングモードで動作する場合の電力変換装置の微小変化モデルに対応するブロック線図である。 図7に示される微小変化モデルに対応した制御ブロック図である。 第2スイッチングモードにおいてリアクトル電流のタイムチャートである。 リアクトル電流が減少する時間帯におけるフルブリッジ回路の導通状態を示す図である。 リアクトル電流が増加する時間帯におけるフルブリッジ回路の導通状態を示す図である。 リアクトルLに電流が流れていない時間帯におけるフルブリッジ回路の導通状態を示す図である。 第2スイッチングモードで動作する場合の電力変換装置の回路モデルに対応するブロック線図である。 第2スイッチングモードで動作する場合の電力変換装置の微小変化モデルに対応するブロック線図である。 図14に示される微小変化モデルに対応した制御ブロック図である。 非線形補償器の機能構成を示す機能ブロック図である。 通流率指令、基準三角波、極性判定信号、PWM信号それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。 通流率指令、リアクトル電流、ローパスフィルタを通過したリアクトル電流の電流値、電流指令、インバータの出力電圧、および系統電流それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。 実施の形態2に係る電力変換装置の非線形補償器の機能ブロック図である。 通流率選択器の機能構成を示す機能ブロック図である。 通流率指令、および極性判定信号それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。 通流率指令、基準三角波、極性判定信号、PWM信号それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。 通流率指令、リアクトル電流、ローパスフィルタを通過したリアクトル電流の電流値、電流指令、インバータの出力電圧、および系統電流それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。 実施の形態3に係る電力変換装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 非線形補償器の機能構成を示す機能ブロック図である。 通流率選択器の機能構成を示す機能ブロック図である。 電流不連続モードにおける通流率指令のタイムチャートである。 通流率指令、基準三角波、自動切換え信号、およびPWM信号それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。 通流率指令、リアクトル電流、ローパスフィルタを通過したリアクトル電流の電流値、電流指令、インバータの出力電圧、および系統電流それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。 電流不連続モードと電流連続モードとが選択的に切換えられる場合の通流率指令のタイムチャートである。 通流率指令、基準三角波、自動切換え信号、およびPWM信号それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。 通流率指令、リアクトル電流、ローパスフィルタを通過したリアクトル電流の電流値、電流指令、インバータの出力電圧、および系統電流それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰り返さない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電力変換装置100の機能構成を示す機能ブロック図である。図1に示されるように、電力変換装置100は、第1端子P1と、第2端子P2と、第3端子P3と、第4端子P4と、インバータ1と、LCフィルタ2と、ローパスフィルタLPF1,LPF2と、スイッチングモード切替器5と、電流制御器6と、非線形補償器701と、PWM(Pulse Width Modulation)制御器801とを備える。
電力変換装置100は、電流不連続モードにおいて、直流電源3からの直流電圧を交流電圧に変換して交流電源4に出力する。電流不連続モードとは、インバータ1からの電流出力が停止する時間帯が存在する動作モードである。
第1端子P1および第2端子P2は、直流電源3の正極および負極にそれぞれ接続されている。直流電源3の電圧は、電圧Vdcである。直流電源3は、たとえば電池などの定電圧源、あるいは直流出力可能な電力変換器の制御電圧源である。なお、電力変換装置100の構成は、インバータ1が制御電圧源として振舞い、直流電源が成立するような構成としてもよい。
インバータ1は、フルブリッジ回路FBと、電流センサ51とを含む。フルブリッジ回路FBは、第1端子P1と第2端子P2との間に並列に接続された第1レグLG1と第2レグLG2とを含む。
第1レグLG1は、上アームQ1と、下アームQ2と、フリーホイールダイオードD1,D2とを含む。上アームQ1と下アームQ2とは、第1端子P1と第2端子P2との間で直列に接続されている。フリーホイールダイオードD1は、上アームQ1と逆並列に接続されている。フリーホイールダイオードD2は、下アームQ2と逆並列に接続されている。
第2レグLG2は、上アームQ3と、下アームQ4と、フリーホイールダイオードD3,D4とを含む。上アームQ3と下アームQ4とは、第1端子P1と第2端子P2との間で直列に接続されている。フリーホイールダイオードD3は、上アームQ3と逆並列に接続されている。フリーホイールダイオードD4は、下アームQ4と逆並列に接続されている。
フルブリッジ回路FBは、第1スイッチングモードあるいは第2スイッチングモードで動作する。第1スイッチングモードにおいては、上アームQ1と下アームQ4とが同期してスイッチングするとともに、下アームQ2と上アームQ3とが非導通とされる。第2スイッチングモードにおいては、下アームQ2と上アームQ3とが同期してスイッチングするとともに、上アームQ1と下アームQ4とが非導通とされる。
上アームQ1,Q3および下アームQ2,Q4としては、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、あるいはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effective Transistor)などに代表される自己消弧形の半導体スイッチング素子を挙げることができる。上アームQ1,Q3および下アームQ2,Q4としてMOSFETが使用される場合は、フリーホイールダイオードD1〜D4に替えて、MOSFETの寄生ダイオードを利用してもよい。
電流センサ51は、上アームQ1と下アームQ2との第1接続点N1から、LCフィルタ2へ流れるリアクトル電流Iinvを計測してローパスフィルタLPF1に出力する。
ローパスフィルタLPF1は、リアクトル電流Iinvの値を受けて、電流値FIinvを電流制御器6へ出力する。電流値FIinvは、リアクトル電流Iinvの高周波成分が抑制された電流値である。なお、ローパスフィルタLPF1は、電流不連続モードにおいて、サンプリング値と電流の不連続性が含まれる平均電流との差分を補間することができる情報を取得することが可能な場合には、省略可能である。また、LCフィルタ2のコンデンサCの電流が十分小さく、かつ、リアクトル電流Iinvと交流電源4に流れる系統電流Igridとの基本波の位相差が小さい場合には、ローパスフィルタLPF1の受ける電流を、リアクトル電流Iinvから系統電流Igridに変更可能である。電流不連続モードにおいては、リアクトル電流Iinvが0となる時間帯が存在する。
LCフィルタ2は、リアクトルLと、コンデンサCと、電圧センサ52とを含む。リアクトルLは、第1接続点N1と第3端子P3との間に接続されている。コンデンサCは、第3端子P3と第4端子P4との間に接続されている。第4端子は、上アームQ3と下アームQ4との第2接続点N2に接続されている。LCフィルタ2は、インバータ1の出力電圧Vinvと電圧Vc(C電圧)との電位差によって発生するリアクトル電流Iinvを平滑化し、交流電源4に出力する。リアクトルLを流れるL電流であるリアクトル電流Iinvは、電流センサ51によって計測される。電圧センサ52は、コンデンサCの電圧Vcを計測してローパスフィルタLPF2に出力する。電圧Vinvは、インバータ1からLCフィルタ2に出力される電圧であり、第1接続点N1と第2接続点N2との間の電圧である。
ローパスフィルタLPF2は、電圧Vcの値を受けて、電圧値FVcを非線形補償器701に出力する。電圧値FVcは、ローパスフィルタLPF2によって、フルブリッジ回路FBのスイッチングノイズによる電圧Vcのサンプリング誤差が低減された電圧値である。フルブリッジ回路FBのスイッチングノイズの影響が小さい場合には、ローパスフィルタLPF2を省略してもよい。
第3端子P3と第4端子P4との間には、交流電源4が接続されている。交流電源4は、たとえば単相交流系統である。交流電源4は、系統インピーダンスLoを含む。交流電源4の代わりに、負荷が接続される自立運転中に、インバータ1がLCフィルタ2の電圧Vcをリアクトル電流Iinvの制御器を介して制御する構成を用いてもよい。当該負荷としては、たとえば抵抗負荷、誘導性負荷、整流器負荷、あるいは家電負荷を挙げることができる。
スイッチングモード切替器5は、電流指令Iinv*(目標電流値)を受けて、極性判定信号Ipole*を非線形補償器701およびPWM制御器801に出力する。電流指令Iinv*が正極性である場合、極性判定信号Ipole*は1となる。電流指令Iinv*が負極性である場合、極性判定信号Ipole*は0となる。フルブリッジ回路FBは、極性判定信号Ipole*が1である場合、第1スイッチングモードで動作し、極性判定信号Ipole*が0である場合、第2スイッチングモードで動作する。なお、電流指令Iinv*の極性変化が電流制御の処理を経てリアクトル電流Iinvの極性に反映されるまでには、ある程度の遅延が存在するのが通常である。このような遅延を解消し、極性判定信号Ipole*とリアクトル電流Iinvの極性変化のタイミングとを一致させるため、スイッチングモード切替器5が補正項を備えてもいてもよい。
電流制御器6は、ローパスフィルタLPF1からの電流値FIinvと、電流指令Iinv*との比較結果に基づいて、電流値FIinvが電流指令Iinv*となるように、リアクトルLの両端間の電圧指令(目標電圧値)VL*を算出し、リアクトル電圧指令VL*を非線形補償器701に出力する。電流制御器6は、PWM制御器801がPWM信号の生成に用いる基準三角波の周期Tswにおける、リアクトル電流Iinvの平均値と電流指令Iinv*との比較結果に基づいて、電圧指令VL*を算出してもよい。
非線形補償器701は、電流不連続モードにおいて、リアクトル電圧指令VL*、1サンプリング時間前の通流率指令D*、1サンプリング時間前の電圧値FVcを用いて、今回のサンプリング時間の通流率指令D*を算出し、PWM制御器801へ出力する。
PWM制御器801は、通流率指令D*と、基準三角波Carrierと、極性判定信号Ipole*とを用いて、PWM信号Sa,Sbを生成する。基準三角波Carrierの周期は、キャリア周期Tswである。PWM信号Saの通流率は、D*である。PWM信号Saは、上アームQ1および下アームQ4へ出力される。PWM信号Sbの通流率は(1−D*)である。PWM信号Sbは、下アームQ2および上アームQ3へ出力される。極性判定信号Ipole*が1(電流指令Iinv*が正極性)の場合、PWM信号Sbは0となり、フルブリッジ回路FBは、第1スイッチングモードで動作する。極性判定信号Ipole*が0(電流指令Iinv*が負極性)の場合、PWM信号Saは0となり、フルブリッジ回路FBは、第2スイッチングモードで動作する。
次に、電力変換装置100において行なわれる電流制御を、第1スイッチングモードと第2スイッチングモードとに分けてそれぞれ説明する。まず、第1スイッチングモードにおける電流制御を、図2〜図8を用いて説明する。第2スイッチングモードにおける電流制御を、図9〜図15を用いて説明する。
図2は、第1スイッチングモードにおいてリアクトル電流Iinvのタイムチャートである。図2には、キャリア周期Tswの範囲におけるリアクトル電流Iinvの変化が示されている。図2に示されている時間帯に対応する通流率指令をD*とするとともに、非通流率をDnとする。図2に示されるように、時刻tm1において0であるリアクトル電流Iinvは、時刻tm2まで増加し、時刻tm2において電流ipeak(>0)となる。その後、リアクトル電流Iinvは時刻tm3まで減少して、時刻tm3において0となる。その後、リアクトル電流Iinvは、時刻tm4まで0である。時間間隔tm1〜tm2は、D*・Tswと表される。時間間隔tm2〜tm3は、(1−D*−Dn)・Tswと表される。時間間隔tm3〜tm4は、Dn・Tswと表される。
図3は、リアクトル電流Iinvが増加する時間帯(図2の時間帯tm1〜tm2)におけるフルブリッジ回路FBの導通状態を示す図である。図3に示されるように、時間帯tm1〜tm2においては上アームQ1および下アームQ4が導通する。第1スイッチングモードにおいては、下アームQ2および上アームQ3は非導通である。インバータ1から出力される電圧Vinvは、直流電源3の電圧Vdcとなる。電流は、直流電源3の正極から上アームQ1およびリアクトルLを経由して第3端子P3へ流れるとともに、第4端子P4から下アームQ4を経由して直流電源3の負極へ流れる。その結果、リアクトル電流Iinvの値は、0からipeakまで増加する。
図4は、リアクトル電流Iinvが減少する時間帯(図2の時間帯tm2〜tm3)におけるフルブリッジ回路FBの導通状態を示す図である。図4に示されるように、時間帯tm3〜tm4においては上アームQ1、下アームQ2、上アームQ3、および下アームQ4は全て非導通となる。電圧Vinvは、直流電源3の逆電圧(−Vdc)となる。リアクトルLからの電流は、第3端子P3、第4端子P4、およびフリーホイールダイオードD3を経由して、直流電源3の正極に還流される。その結果、リアクトル電流Iinvの値は、ipeakから0まで減少する。
図5は、リアクトルLに電流が流れていない時間帯(図2の時間帯tm3〜tm4)におけるフルブリッジ回路FBの導通状態を示す図である。図5に示されるように、時間帯tm3〜tm4においては上アームQ1、下アームQ2、上アームQ3、および下アームQ4は全て非導通である。インバータ1から出力されるリアクトル電流Iinvは0であるから、電圧Vinvは電圧Vcとなる。
時間帯tm1〜tm2(D*・Tsw)における電圧Vinvは、Vdcである。時間帯tm2〜tm3((1−D*−Dn)・Tsw)における電圧Vinvは、−Vdcである。時間帯tm3〜tm4(Dn・Tsw)おける電圧Vinvは、Vcである。したがって、1キャリア周期Tswにおける電圧Vinvは、各時間帯の電圧値の平均値として以下の式(1)で表すことができる。
図6は、第1スイッチングモードで動作する場合の電力変換装置100の回路モデルにおいて、電圧Vinvから電圧Vcまでの伝達を表すブロック線図である。図6に示されるように、リアクトル電圧VLは、式(1)によって求められた電圧Vinvと電圧Vcとの差分から求められる。リアクトル電流Iinvは、リアクトル電圧VLと、リアクトルLのインピーダンスとから求められる。系統電流Igridは、電圧Vcと、交流電源4の電圧Vgridと、系統インピーダンスLoとから求められる。電圧Vcは、リアクトル電流Iinvと系統電流Igridとの差分値と、コンデンサCのインピーダンスより求められる。
式(2)は、図6に示された通流率指令D*と電圧Vcとから求められるリアクトル電圧VL(=Vinv−Vc)を表す。
非通流率Dnは、図2のキャリア周期Tswにおける電流平均値iave、および時刻tm1〜tm2における電流変化幅ipeakを用いて式(3)のように表すことができる。
電流変化幅ipeakは、式(4)のように表すことができる。
式(3)に式(4)を代入することにより、非通流率Dnは、式(5)のように表される。
式(2)に式(5)を代入することにより、リアクトル電圧VLは、式(6)のように表される。
電流不連続モードにおいて、リアクトル電圧VLの初期値は0である。式(6)のリアクトル電圧VLに0を代入することにより、電流平均値iaveの初期値は、式(7)のように表される。
リアクトル電圧VLのキャリア周期Tswにおける電圧変化幅sL・iaveは式(8)のように近似することができる。
式(6)に式(8)を代入することにより、式(9)が導出される。
通流率指令D*の初期値をD0、通流率指令D*の微小変化量をΔD、電圧Vcの初期値をVc0、電圧Vcの微小変化量をΔVc、電流平均値iaveの初期値をiave0、および電流平均値iaveの微小変化量をΔiaveとすると、式(9)は、式(10)のように表される。式(10)は、式(9)の通流率指令D*、電圧Vc、電流平均値iaveの微小特性を表す。
式(10)の定数(微小変化量ΔD、ΔVc、およびΔiaveを除く)に対する微分項と、微小変化量ΔD、ΔVc、およびΔiaveの二乗項を0に近似すると、式(10)は、式(11)のように表される。
式(11)式に電流平均値iaveの初期値を表す式(7)を代入すると、式(12)のように変形することができる。なお、式(12)においては、式(7)におけるD*、iave、およびVcを、初期値関数であるD0、iave0、およびVc0にそれぞれ入れ替えている。
電流平均値iaveを基準三角波Carrierの周波数以上で制御することは困難である。式(12)の分子および分母の時定数はキャリア周期Tsw以上であるため、式(12)におけるs関数の1次項は、電流平均値iaveの制御に関してほとんど無視することができる。そのため、電流平均値iaveは、式(12)におけるs関数のゼロ次項のみを残した式(13)に基づいて制御することができる。
ここで、式(8)に示したリアクトル電圧VLのキャリア周期Tswあたりの電圧変化幅sL・iaveは、式(14)に置き換えることができる。
式(13)に式(14)を代入すると、式(15)が導かれる。
式(15)より、図6に示されるブロック線図は、図7に示されるブロック線図に置き換えることができる。図7に示されるブロック線図には、微小変化モデルが反映されている。図7に示されるように、リアクトル電圧VLには、微小変化量ΔVcの非線形外乱変化811と、微小変化量ΔDの非線形ゲイン変化812とが含まれる。これらを考慮してない制御モデルにおいて算出された通流率指令D*によっては、所望のリアクトル電圧VLを実現することが困難である。所望のリアクトル電圧VLを実現するためには、以下の式(16)に従って、非線形外乱変化811と非線形ゲイン変化812とがキャンセルされるように微小変化量ΔDを算出して通流率指令D*を決定する必要がある。なお、式(16−1)は、第1補正値CV11を示し、式(16−2)は、第2補正値CV12を示す。
図8は、図7に示される微小変化モデルに対応した制御ブロック図である。式(16)は、図8の第1非線形補償モード71に示されている。第1非線形補償モード71は、第1補正項711と、第2補正項712を含む。第1補正項711は、微小変化量ΔVcの非線形外乱変化811をキャンセルするために、第1補正項711が1サンプリング時間前の微小変化量ΔVcに乗ぜられ、第1補正値CV11が算出される。第1補正値CV11がリアクトル電圧指令VL*に加算され、第2補正値CV12が算出される。微小変化量ΔDの非線形ゲイン変化812をキャンセルするため、第2補正項712が第2補正値CV12に乗ぜられ、微小変化量ΔDが算出される。なお、図8の第1非線形補償モード71においては、式(15)の初期値Vc0および微小変化量ΔVcを、電圧Vcの検出値の初期値FVc0および微小変化量ΔFVcにそれぞれ置き換えられている。電流制御器6から出力されるリアクトル電圧指令VL*は、第1非線形補償モード71によって、リアクトル電圧VLとほぼ一致するように制御される。
次に、第2スイッチングモードにおける電流制御を図9〜図15を用いて説明する。
図9は、第2スイッチングモードにおいてリアクトル電流Iinvのタイムチャートである。図9には、キャリア周期Tswの範囲におけるリアクトル電流Iinvの変化が示されている。図9に示されている時間帯に対応する通流率を通流率指令D*とするとともに、非通流率をDnとする。図9に示されるように、時刻tm5において0であるリアクトル電流Iinvは、時刻tm6まで減少し、時刻tm6においてipeak(<0)となる。リアクトル電流Iinvは時刻tm7まで増加して、時刻tm7において0となる。リアクトル電流Iinvは、時刻tm8まで0である。時間間隔tm5〜tm6は、(1−D*)・Tswと表される。時間間隔tm6〜tm7は、(D*−Dn)・Tswと表される。時間間隔tm7〜tm8は、Dn・Tswと表される。
図10は、リアクトル電流Iinvが減少する時間帯(図9の時間帯tm5〜tm6)におけるフルブリッジ回路FBの導通状態を示す図である。図10に示されるように、時間帯tm5〜tm6においては下アームQ2および上アームQ3が導通する。第2スイッチングモードにおいては、上アームQ1および下アームQ4は非導通である。インバータ1から出力される電圧Vinvは、直流電源3の逆電圧(−Vdc)となる。電流は、直流電源3の正極から上アームQ3を経由して第4端子P4へ流れるとともに、第3端子P3からリアクトルLおよび下アームQ2を経由して直流電源3の負極へ流れる。その結果、リアクトル電流Iinvの値は、0からipeakまで減少する。
図11は、リアクトル電流Iinvが増加する時間帯(図9の時間帯tm6〜tm7)におけるフルブリッジ回路FBの導通状態を示す図である。図11に示されるように、時間帯tm6〜tm7においては上アームQ1、下アームQ2、上アームQ3、および下アームQ4は全て非導通となる。電圧Vinvは、直流電源3の電圧Vdcとなる。リアクトルLからの電流は、フリーホイールダイオードD1を経由して、直流電源3の正極に還流される。その結果、リアクトル電流Iinvの値は、ipeakから0まで増加する。
図12は、リアクトルLに電流が流れていない時間帯(図9の時間帯tm7〜tm8)におけるフルブリッジ回路FBの導通状態を示す図である。図12に示されるように、時間帯tm7〜tm8においては上アームQ1、下アームQ2、上アームQ3、および下アームQ4は全て非導通である。インバータ1から出力されるリアクトル電流Iinvは0であるから、電圧Vinvは電圧Vcとなる。
時間帯tm5〜tm6((1−D*)・Tsw)における電圧Vinvは、−Vdcである。時間帯tm6〜tm7((D*−Dn)・Tsw)における電圧Vinvは、Vdcである。時間帯tm7〜tm8(Dn・Tsw)おける電圧Vinvは、Vcである。したがって、第2スイッチングモードにおいて、1キャリア周期Tswにおける電圧Vinvは、各時間帯の電圧値の平均値として以下の式(17)で表すことができる。
図13は、第2スイッチングモードで動作する場合の電力変換装置100の回路モデルにおいて、電圧Vinvから電圧Vcまでの伝達を表すブロック線図である。図13に示されるように、リアクトル電圧VLは、式(17)によって求められた電圧Vinvと電圧Vcとの差分から求められる。リアクトル電流Iinvは、リアクトル電圧VLと、リアクトルLのインピーダンスとから求められる。系統電流Igridは、電圧Vcと、交流電源4の電圧Vgridと、系統インピーダンスLoとから求められる。電圧Vcは、リアクトル電流Iinvと系統電流Igridとの差分値と、コンデンサCのインピーダンスより求められる。
式(18)は、図13に示された通流率指令D*と電圧Vcとから求められるリアクトル電圧VL(=Vinv−Vc)を表す。
非通流率Dnは、図9のキャリア周期Tswにおける電流平均値iave、および時刻tm5〜tm6における電流変化幅ipeakを用いると、第1スイッチングモードと同様に式(3)のように表すことができる。第2スイッチングモードにおける電流変化幅ipeakは式(19)のように表される。
式(3)に式(19)を代入すると、式(20)が導かれる。
式(18)に式(20)を代入すると、式(21)が導かれる。
電流不連続モードにおいて、リアクトル電圧VLの初期値は0である。式(21)のリアクトル電圧VLに0を代入することにより、電流平均値iaveの初期値は、式(22)のように表される。
式(22)にリアクトル電圧VLのキャリア周期Tswあたりの電圧変化幅を意味する式(8)を代入すると、式(23)が導かれる。
通流率指令D*の初期値をD0、通流率指令D*の微小変化量をΔD、電圧Vcの初期値をVc0、電圧Vcの微小変化量をΔVc、電流平均値iaveの初期値をiave0、および電流平均値iaveの微小変化量をΔiaveとすると、式(23)は、式(24)のように表される。式(24)は、式(23)の通流率指令D*、電圧Vc、電流平均値iaveの微小特性を表す。
式(24)の定数(微小変化量ΔD、ΔVc、およびΔiaveを除く)に対する微分項と、微小変化量ΔD、ΔVc、およびΔiaveの二乗項を0に近似すると、式(24)は、式(25)のように表される。
式(25)に電流平均値iaveの初期値を表す式(22)を代入すると、式(26)が導かれる。なお、式(26)においては、式(22)のD*、iave、およびVcを、初期値関数であるD0、iave0、およびVc0に入れ替えている。
電流平均値iaveを基準三角波Carrierの周波数以上で制御することは困難である。式(26)の分子および分母の時定数はキャリア周期Tsw以上であるため、式(26)におけるs関数の1次項は、電流平均値iaveの制御に関してほとんど無視することができる。そのため、電流平均値iaveは、式(26)におけるs関数のゼロ次項のみを残した式(27)に基づいて制御することができる。
式(27)にリアクトル電圧VLのキャリア周期Tswあたりの電圧変化幅を意味する式(14)を代入すると、式(28)が導かれる。
式(28)より、図13に示されるブロック線図は、図14に示されるブロック線図に置き換えることができる。図14に示されるブロック線図は、微小変化モデルが反映されている。図14に示されるように、リアクトル電圧VLには、微小変化量(出力電圧変化量)ΔVcの非線形外乱変化821と、微小変化量(通流率変化量)ΔDの非線形ゲイン変化822とが含まれる。これらを考慮してない制御モデルにおいて算出された通流率指令D*によっては、所望のリアクトル電圧VLを実現することが困難である。所望のリアクトル電圧VLを実現するためには、以下の式(29)に従って、非線形外乱変化821と非線形ゲイン変化822とがキャンセルされるように微小変化量ΔDを算出して通流率指令D*を決定する必要がある。なお、式(29−1)は、第1補正値CV21を示し、式(29−2)は、第2補正値CV22を示す。
図15は、図14に示される微小変化モデルに対応した制御ブロック図である。式(29)は、図15の第2非線形補償モード72に示されている。第2非線形補償モード72は、第1補正項721と、第2補正項722とを含む。非線形外乱変化821をキャンセルするために、第1補正項721が1サンプリング時間前の微小変化量ΔVcに乗ぜられ、第1補正値CV21が算出される。第1補正値CV21がリアクトル電圧指令VL*に加算され、第2補正値CV22が算出される。微小変化量ΔDの非線形ゲイン変化822をキャンセルするため、第2補正項722が第2補正値CV22に乗ぜられ、微小変化量ΔDが算出される。なお、第2非線形補償モード72においては、式(29)の初期値Vc0、および微小変化量ΔVcが、電圧Vcの検出値の初期値FVc0、および微小変化量ΔFVcにそれぞれ置き換えられている。電流制御器6から出力されるリアクトル電圧指令VL*は、第2非線形補償モード72によって、リアクトル電圧VLとほぼ一致するように制御される。
図8に示される第1スイッチングモードの第1補正項711および第2補正項712と、図15に示される第2スイッチングモードの第1補正項721および第2補正項722とはそれぞれ異なる。そのため、第1スイッチングモードと第2スイッチングモードとで、非線形補償器701が行なう処理を切り替える必要がある。
図2に示されるように第1スイッチングモードにおいては、リアクトル電流Iinvは正極性である。一方、図9に示されるように、第2スイッチングモードにおいては、リアクトル電流Iinvは負極性である。そこで、電力変換装置100においては、極性判定信号Ipole*に基づいて第1スイッチングモードと第2スイッチングモードとを切り替える。なお、電流ゼロクロスにてスイッチングモードが第1スイッチングモードから第2スイッチングモードに切り替わる場合、通流率指令D*の基準(初期値)を0から1に切り替える必要がある。逆に電流ゼロクロスにて第2スイッチングモードから第1スイッチングモードに切り替わる場合、通流率指令D*の基準を1から0に切り替える必要がある。
図16は、非線形補償器701の機能構成を示す機能ブロック図である。図16に示されるように、非線形補償器701は、第1非線形補償モード71と,第2非線形補償モード72とを含む。極性判定信号Ipole*が1の場合、第1非線形補償モード71が選択され、通流率指令D*の初期値D0が0に設定される。また、極性判定信号Ipole*が0の場合、第2非線形補償モード72が選択され、初期値D0が1に設定される。
図17は、通流率指令D*、基準三角波Carrier、極性判定信号Ipole*、PWM信号Sa,Sbそれぞれのタイムチャートを併せて示す図である。図17においては、時刻tm9〜tm12におけるタイムチャートが示されている。図17において基準三角波Carrierは、図の見易さのため簡略的に描かれている。基準三角波Carrierは、0と1との間をキャリア周期Tswで変化している。
図17に示されるように、時刻tm9〜tm10および時刻tm11〜tm12においてPWM信号SaがOnとOffとの間を変化しているとともに、PWM信号SbがOffとなっている。時刻tm9〜tm10および時刻tm11〜tm12において、極性判定信号Ipole*は、1である。時刻tm9〜tm10および時刻tm11〜tm12において、フルブリッジ回路FBが第1スイッチングモードで動作している。
時刻tm10〜tm11においてPWM信号SbがOnとOffとの間を変化しているとともに、PWM信号SaがOffとなっている。時刻tm10〜tm11において、極性判定信号Ipole*は、0である。時刻tm10〜tm11において、フルブリッジ回路FBが第2スイッチングモードで動作している。
フルブリッジ回路FBのスイッチングモードは、時刻tm10において第1スイッチングモードから第2スイッチングモードに変化しており、時刻tm11において第2スイッチングモードから第1スイッチングモードに変化している。通流率指令D*は、時刻tm10において、第2スイッチングモードの初期値である1に設定される。通流率指令D*は、時刻tm11において第1スイッチングモードの初期値である0に設定される。
図18は、通流率指令D*、リアクトル電流Iinv、電流値FIinv、電流指令Iinv*、電圧Vc、および系統電流Igridそれぞれのタイムチャートを併せて示す図である。図18においても、図17と同様に時刻tm9〜tm12におけるタイムチャートが示されている。図18の通流率指令D*のタイムチャートは、図17の通流率指令D*のタイムチャートと同様である。図18において、リアクトル電流Iinvは、図の見易さのため包絡線のみを表示している。
図18に示されるように、電流指令Iinv*と電流値FIinvとはほぼ一致しているため、電流不連続モードにおいて、電流制御が安定的に行なわれている。なお、図18の系統電流Igridの波形が、時刻tm10および時刻tm11において歪んでいるのは、図17の極性判定信号Ipole*の値が切替わるタイミングとリアクトル電流Iinvのゼロクロスタイミングとのずれが原因である。リアクトル電流Iinvのゼロクロスタイミングを調整して系統電流Igridの波形歪みを改善するために、スイッチングモード切替器5の入力として、電流指令Iinv*に加えて、リアクトル電流Iinvの波形ひずみ、および交流波形一周期あたりの電力の少なくとも一方を追加して、極性判定信号Ipole*を調整してもよい。
以上、実施の形態1に係る電力変換装置によれば、電流不連続モードにおいて電流制御を安定させることができる。その結果、電流不連続モードにおいて安定的に電力を供給することができる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、電力変換装置が電流不連続モードで動作する場合について説明した。実施の形態2においては、電力変換装置が電流不連続モードおよび電流連続モードを選択的に切換えて動作可能である場合について説明する。実施の形態1と実施の形態2との違いは、非線形補償器である。非線形補償器以外の構成は同様であるため、説明を繰り返さない。
図19は、実施の形態2に係る電力変換装置の非線形補償器702の機能ブロック図である。非線形補償器702の構成は、図16の非線形補償器701の構成に、電流連続モードに対応する通常モード73、および通流率選択器74が加えられた構成である。これら以外は同様であるため、説明を繰り返さない。
通常モード73は、リアクトル電圧指令VL*および電圧値FVcを受けて、通流率指令Dccm*を出力する。通流率選択器74は、通流率指令Dccm*と、第1非線形補償モード71または第2非線形補償モード72が出力する通流率指令Ddcm*と、極性判定信号Ipole*とを受けて、通流率指令D*を出力する。
図20は、通流率選択器74の機能構成を示す機能ブロック図である。通流率選択器74は、コンパレータ741と、排他的論理和(XOR)回路742とを含む。通流率指令Dccm*およびDdcm*は、コンパレータ741の非反転入力端子および反転入力端子に入力される。コンパレータ741から出力される信号CompDおよび極性判定信号Ipole*は、XOR回路742に入力される。信号SlctDが1である場合、通流率指令Dccm*が通流率指令D*として出力される。信号SlctDが0である場合、通流率指令Ddcm*が通流率指令D*として出力される。
図21は、通流率指令Dccm*、Ddcm*、D*、および極性判定信号Ipole*それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。図21においては、時刻tm20〜tm27のタイムチャートが示されている。
図21に示されるように、時刻tm20〜tm21、tm22〜tm23、tm24〜tm25、およびtm26〜tm27においては、通流率指令Dccm*がDdcm*よりも大きいため、信号CompDは1である。
時刻tm20〜tm21、tm22〜tm23、およびtm26〜tm27においては、極性判定信号Ipole*は1であるため、XOR回路742の入力は信号CompD=1および極性判定信号Ipole*=1となり、信号SlctDは0となる。時刻tm20〜tm21、tm22〜tm23、およびtm26〜tm27においては、通流率指令Ddcm*が、通流率指令D*として選択される。
時刻tm24〜tm25においては、極性判定信号Ipole*は0であるため、XOR回路742の入力は信号CompD=1および極性判定信号Ipole*=0となり、信号SlctDは1となる。時刻tm24〜tm25においては、通流率指令Dccm*が、通流率指令D*として選択される。
時刻tm21〜tm22、tm23〜tm24、およびtm25〜tm26においては、通流率指令Ddcm*がDccm*よりも大きいため、信号CompDは0である。
時刻tm21〜tm22においては、極性判定信号Ipole*は1であるため、XOR回路742の入力は信号CompD=0および極性判定信号Ipole*=1となり、信号SlctDは1となる。時刻tm21〜tm22においては、通流率指令Dccm*が、通流率指令D*として選択される。
時刻tm23〜tm24およびtm25〜tm26においては、極性判定信号Ipole*は0であるため、XOR回路742の入力は信号CompD=0および極性判定信号Ipole*=0となり、信号SlctDは0となる。時刻tm23〜tm24およびtm25〜tm26においては、通流率指令Ddcm*が通流率指令D*として選択される。
図22は、通流率指令D*、基準三角波Carrier、極性判定信号Ipole*、PWM信号Sa,Sbそれぞれのタイムチャートを併せて示す図である。図22においても、図21と同様に時刻tm20〜tm27におけるタイムチャートが示されている。図22においても基準三角波Carrierは、図の見易さのため簡略的に描かれている。基準三角波Carrierは、0と1との間をキャリア周期Tswで変化している。
図22に示されるように、時刻tm20〜tm23およびtm26〜tm27においてPWM信号SaがOnとOffとの間を変化しているとともに、PWM信号SbがOffとなっている。時刻tm20〜tm23およびtm26〜tm27において、極性判定信号Ipole*は、1である。時刻tm20〜tm23およびtm26〜tm27において、フルブリッジ回路FBが第1スイッチングモードで動作している。
時刻tm23〜tm26においてPWM信号SbがOnとOffとの間を変化しているとともに、PWM信号SaがOffとなっている。時刻tm23〜tm26において、極性判定信号Ipole*は、0である。時刻tm23〜tm26において、フルブリッジ回路FBが第2スイッチングモードで動作している。
フルブリッジ回路FBのスイッチングモードは、時刻tm23において第1スイッチングモードから第2スイッチングモードに変化しており、時刻tm26において第2スイッチングモードから第1スイッチングモードに変化している。通流率指令D*は、時刻tm23において、第2スイッチングモードの初期値である1に設定される。通流率指令D*は、時刻tm26において第1スイッチングモードの初期値である0に設定される。
図23は、通流率指令D*、リアクトル電流Iinv、電流値FIinv、電流指令Iinv*、電圧Vc、および系統電流Igridそれぞれのタイムチャートを併せて示す図である。図23においても、図22と同様に時刻tm20〜tm27におけるタイムチャートが示されている。図22においても図18と同様に、リアクトル電流Iinvは、図の見易さのため包絡線のみを表示している。
図23に示されるように、時刻tm20〜tm21、tm22〜tm24、およびtm25〜tm27においては、リアクトル電流Iinvが0となる時間帯が存在するため、電力変換装置は電流不連続モードで動作している。時刻tm21〜tm22およびtm24〜tm25においては、リアクトル電流Iinvが0となる時間帯がないため、電力変換装置は電流連続モードで動作している。時刻tm21およびtm24において、電力変換装置の動作モードが電流不連続モードから電流連続モードに切り替わる。時刻tm22およびtm25において、電力変換装置の動作モードが電流連続モードから電流不連続モードに切り替わる。
電流指令Iinv*と電流値FIinvとはほぼ一致しているため、動作モードが電流不連続モードと電流連続モードとの間で選択的に切換えられる状況においても、電流制御が安定的に行なわれている。電力変換装置の動作モードが電流不連続モードから電流連続モードに切り替わる時刻tm21およびtm24においては、系統電流Igridの波形にほとんど歪みが生じていない。電力変換装置の動作モードが電流連続モードから電流不連続モードに切り替わる時刻tm22およびtm25における系統電流Igridの波形の歪みは、スイッチングモードが切替わる時刻tm23およびtm26における系統電流Igridの波形の歪みよりも抑制されている。
なお、図23の系統電流Igridの波形が、時刻tm23および時刻tm26において歪んでいるのは、実施の形態1の図18において系統電流Igridの波形が歪んでいるのと同様の理由である。実施の形態1と同様に、リアクトル電流Iinvのゼロクロスタイミングを調整して系統電流Igridの波形歪みを改善するために、スイッチングモード切替器5の入力として、電流指令Iinv*に加えて、リアクトル電流Iinvの波形ひずみ、および交流波形一周期あたりの電力の少なくとも一方を追加して、極性判定信号Ipole*を調整してもよい。
以上、実施の形態2に係る電力変換装置によれば、動作モードが電流不連続モードと電流連続モードとの間で選択的に切り替えられる状況においても電流制御を安定させることができる。その結果、電力変換装置の動作モードによらず安定的に電力を供給することができる。
実施の形態3.
実施の形態1および2においては、通流率指令D*が0〜1の範囲で変化する場合について説明した。実施の形態3では、通流率指令D*が−1〜1の範囲で変化する場合について説明する。
図24は、実施の形態3に係る電力変換装置300の機能構成を示す機能ブロック図である。電力変換装置300の構成は、図1の非線形補償器701およびPWM制御器801が非線形補償器703およびPWM制御器801に置き換えられているとともに、スイッチングモード切替器5が除かれた構成である。それ以外の構成は同様であるため、説明を繰り返さない。
図24に示されるように、非線形補償器703は、電圧値FVcと、リアクトル電圧指令VL*とを受けて、通流率指令D*を算出し、通流率指令D*をPWM制御器803へ出力する。通流率指令D*は、第1スイッチングモードにおいて0〜1であり、第2スイッチングモードにおいて−1〜0である。電力変換装置300においてはスイッチングモードの違いが通流率指令D*の極性として現われるため、実施の形態1において用いられたスイッチングモード切替器5および極性判定信号Ipole*は不要である。
PWM制御器803は、コンパレータ831,832を含む。コンパレータ831の非反転入力端子には、通流率指令D*が入力される。コンパレータ831の反転入力端子には、基準三角波Carrier1(0〜1)が入力される。コンパレータ831は、PWM信号Saを上アームQ1および下アームQ4に出力する。第2スイッチングモードにおいては、通流率指令D*が0より小さいため、通流率指令D*は基準三角波Carrier1より小さくなる。その結果、コンパレータ831の出力であるPWM信号Saは、第2スイッチングモードにおいて0となる。
コンパレータ832の非反転入力端子には、通流率指令D*の極性を反転させた値が入力される。コンパレータ832の反転入力端子には、基準三角波Carrier2(0〜1)が入力される。コンパレータ832は、PWM信号Sbを下アームQ2および上アームQ3に出力する。第1スイッチングモードにおいては、通流率指令D*は0より大きいため、通流率指令D*の極性を反転させた値は、0より小さい。第1スイッチングモードにおいては、通流率指令D*の極性を反転させた値は、基準三角波Carrier2より小さくなる。その結果、コンパレータ832の出力であるPWM信号Sbは、第1スイッチングモードにおいて0となる。
なお、通流率指令D*の極性を反転させた値を用いる代わりにPWM信号Sbの生成に用いる基準三角波Carrier2を−1〜0の範囲で変化させてもよい。また、基準三角波Carrier1,Carrier2の位相が互いに共通である必要はない。
図25は、非線形補償器703の機能構成を示す機能ブロック図である。図25に示されるように、非線形補償器703は、第1非線形補償モード710と,第2非線形補償モード720と、通常モード730と、通流率選択器740とを含む。
図25に示されるように、自動切換え信号Dpole*が1の場合、第1非線形補償モード710が選択され、第1非線形補償モード710よって算出された通流率指令Ddcm*が通流率選択器740に出力される。自動切換え信号Dpole*が0の場合、第2非線形補償モード720が選択され、第2非線形補償モード720よって算出された通流率指令Ddcm*が通流率選択器740に出力される。
第1非線形補償モード710および第2非線形補償モード720においては、図16に示される第1非線形補償モード71および第2非線形補償モード72と異なり、スイッチングモードが切替わっても、通流率指令D*の基準を変更する必要がない。第1非線形補償モード710と第1非線形補償モード71との違いは、通流率指令D*の基準を変更しないという点である。第2非線形補償モード720と第2非線形補償モード72と違いは、通流率指令D*の基準を変更しないという点に加えて、式(17)〜(29)における「1−D*」が「−D*」に置き換えられるとともに、図14および図15に示されたブロック線図の「1−D0」が「−D0」に置き換えられる。
自動切換え信号Dpole*は、通流率指令Ddcm*が0より大きい(正極性)場合は1であり、通流率指令Ddcm*が0より小さい(負極性)場合は0である。
通常モード730は、リアクトル電圧指令VL*、電圧値FVc、および自動切換え信号Dpole*を受けて、通流率指令Dccm*を出力する。自動切換え信号Dpole*が1(通流率指令Ddcm*が正極性)の場合、通常モード730は、図19の通常モード73と同様の通流率指令Ddcm*を出力する。自動切換え信号Dpole*が0(通流率指令Ddcm*が負極性)の場合、通常モード730は、通流率指令Dccm*から1を引いてから通流率指令Dccm*を出力する。
通流率選択器740は、通流率指令Dccm*と、第1非線形補償モード710または第2非線形補償モード720が出力する通流率指令Ddcm*と、自動切換え信号Dpole*とを受けて、通流率指令D*を出力する。
図26は、通流率選択器740の機能構成を示す機能ブロック図である。通流率選択器740は、コンパレータ751を含む。通流率指令Ddcm*の絶対値ABS1およびDccm*の絶対値ABS2は、コンパレータ751の非反転入力端子および反転入力端子に入力される。絶対値ABS1がABS2より大きい場合、コンパレータ751から1が出力され、通流率指令Dccm*が通流率指令D*として出力される。絶対値ABS2がABS1より大きい場合、通流率指令Ddcm*が通流率指令D*として出力される。すなわち、通流率選択器740は、通流率指令Dccm*およびDdcm*のうち、絶対値が小さい方を通流率指令D*として選択する。
図27は、電流不連続モードにおける通流率指令Dccm*、Ddcm*、およびD*それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。図27においては、時刻tm30〜tm33のタイムチャートが示されている。
図27に示されるように、時刻tm30〜tm33において、通流率指令Ddcm*の絶対値が通流率指令Dccm*の絶対値よりも小さいため、通流率指令Ddcm*が通流率指令D*として選択される。通流率指令D*は、時刻tm30〜tm31およびtm32〜tm33においては0〜1の範囲で変化し、正極性である。通流率指令D*は、時刻tm31〜tm32においては−1〜0の範囲で変化し、負極性である。
図28は、通流率指令D*、基準三角波Carrier1,Carrier2、自動切換え信号Dpole*、およびPWM信号Sa,Sbそれぞれのタイムチャートを併せて示す図である。図28においても図27と同様に、時刻tm30〜tm33におけるタイムチャートが示されている。図28においても基準三角波Carrier1,Carrier2は、図の見易さのため簡略的に描かれている。基準三角波Carrier1,Carrier2の各々は、0と1との間をキャリア周期Tswで変化している。
図28に示されるように、時刻tm30〜tm31およびtm32〜tm33においてPWM信号SaがOnとOffとの間を変化しているとともに、PWM信号SbがOffとなっている。時刻tm30〜tm31およびtm32〜tm33において、自動切換え信号Dpole*は、1である。時刻tm30〜tm31およびtm32〜tm33において、通流率指令D*は正極性であり、フルブリッジ回路FBが第1スイッチングモードで動作している。
時刻tm31〜tm32においてPWM信号SbがOnとOffとの間を変化しているとともに、PWM信号SaがOffとなっている。時刻tm31〜tm32において、自動切換え信号Dpole*は、0である。時刻tm31〜tm32において、通流率指令D*は負極性であり、フルブリッジ回路FBが第2スイッチングモードで動作している。
図29は、通流率指令D*、リアクトル電流Iinv、電流値FIinv、電流指令Iinv*、電圧Vc、および系統電流Igridそれぞれのタイムチャートを併せて示す図である。図29においても、図28と同様に時刻tm30〜tm33におけるタイムチャートが示されている。図29においても図18と同様に、リアクトル電流Iinvは、図の見易さのため包絡線のみを表示している。
図29に示されるように、電流指令Iinv*と電流値FIinvとはほぼ一致しているため、電流不連続モードにおいて、電流制御が安定的に行なわれている。スイッチングモードが切替わる時刻tm31およびtm32における系統電流Igridの波形の歪みは、図18の時刻tm10およびtm11における系統電流Igridの波形の歪みよりも抑制されている。
図30は、電流不連続モードと電流連続モードとが選択的に切換えられる場合の通流率指令Dccm*、Ddcm*、およびD*それぞれのタイムチャートを併せて示す図である。図30においては、時刻tm40〜tm47のタイムチャートが示されている。
図30に示されるように、時刻tm40〜tm41、tm42〜tm44、tm45〜tm47においては、通流率指令Ddcm*の絶対値の方が、通流率指令Dccm*の絶対値よりも小さいため、通流率指令Ddcm*が通流率指令D*として選択される。時刻tm41〜tm42およびtm44〜tm45においては、通流率指令Dccm*の絶対値の方が、通流率指令Ddcm*の絶対値よりも小さいため、通流率指令Dccm*が通流率指令D*として選択される。
図31は、通流率指令D*、基準三角波Carrier1,Carrier2、自動切換え信号Dpole*、およびPWM信号Sa,Sbそれぞれのタイムチャートを併せて示す図である。図31においても図30と同様に、時刻tm40〜tm47におけるタイムチャートが示されている。図31においても基準三角波Carrier1,Carrier2は、図の見易さのため簡略的に描かれている。基準三角波Carrier1,Carrier2の各々は、0と1との間をキャリア周期Tswで変化している。
図31に示されるように、時刻tm40〜tm43およびtm46〜tm47においてPWM信号SaがOnとOffとの間を変化しているとともに、PWM信号SbがOffとなっている。時刻tm40〜tm43およびtm46〜tm47において、自動切換え信号Dpole*は、1である。時刻tm40〜tm43およびtm46〜tm47において、通流率指令D*は正極性であり、フルブリッジ回路FBが第1スイッチングモードで動作している。
時刻tm43〜tm46においてPWM信号SbがOnとOffとの間を変化しているとともに、PWM信号SaがOffとなっている。時刻tm43〜tm46において、自動切換え信号Dpole*は、0である。時刻tm43〜tm46において、通流率指令D*は負極性であり、フルブリッジ回路FBが第2スイッチングモードで動作している。
図32は、通流率指令D*、リアクトル電流Iinv、電流値FIinv、電流指令Iinv*、電圧Vc、および系統電流Igridそれぞれのタイムチャートを併せて示す図である。図32においても、図31と同様に時刻tm40〜tm47におけるタイムチャートが示されている。図32においても、リアクトル電流Iinvは、図の見易さのため包絡線のみを表示している。
図32に示されるように、時刻tm40〜tm41、tm42〜tm44、およびtm45〜tm47においては、リアクトル電流Iinvが0となる時間帯が存在するため、電力変換装置300は電流不連続モードで動作している。時刻tm41〜tm42およびtm44〜tm45においては、リアクトル電流Iinvが0となる時間帯がないため、電力変換装置300は電流連続モードで動作している。時刻tm41およびtm44において、電力変換装置300の動作モードが電流不連続モードから電流連続モードに切り替わる。時刻tm42およびtm45において、電力変換装置300の動作モードが電流連続モードから電流不連続モードに切り替わる。
電流指令Iinv*と電流値FIinvとはほぼ一致しているため、動作モードが電流不連続モードと電流連続モードとの間で選択的に切換えられる状況においても、電流制御が安定的に行なわれている。スイッチングモードが切替わる時刻tm43およびtm46における系統電流Igridの波形の歪みは、図23の時刻tm23よびtm26における系統電流Igridの波形の歪みよりも抑制されている。
以上、実施の形態3に係る電力変換装置によれば、動作モードが電流不連続モードと電流連続モードとの間で選択的に切り替えられる状況においても電流制御を安定させることができる。その結果、電力変換装置の動作モードによらず安定的に電力を供給することができる。また、実施の形態3に係る電力変換装置によれば、電流ゼロクロス(スイッチングモードが切替わる時刻)における系統電流の歪みを実施の形態1および2よりも抑制することができる。
今回開示された各実施の形態は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実施することも予定されている。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 インバータ、2 フィルタ、3 直流電源、4 交流電源、5 スイッチングモード切替器、6 電流制御器、7 非線形補償器、701,702,703 非線形補償器、51 電流センサ、52 電圧センサ、71,710 第1非線形補償モード、72,720 第2非線形補償モード、73,730 通常モード、74,740 通流率選択器、100,300 電力変換装置、741,751,831,832 コンパレータ、742 XOR回路、800,801,803 PWM制御器、C コンデンサ、D1〜D4 フリーホイールダイオード、FB フルブリッジ回路、L リアクトル、LG1 第1レグ、LG2 第2レグ、LPF1,LPF2 ローパスフィルタ、Lo 系統インピーダンス、P1 第1端子、P2 第2端子、P3 第3端子、P4 第4端子、Q1,Q3 上アーム、Q2,Q4 アーム。

Claims (8)

  1. 電流不連続モードにおいて、直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換する電力変換装置であって、
    前記直流電源の正極および負極にそれぞれ接続される第1および第2端子と、
    前記交流電圧を出力する第3および第4端子と、
    前記第1端子と前記第2端子との間に並列に接続された第1および第2レグを含むフルブリッジ回路と、
    前記第1レグの上アームと下アームとの第1接続点と、前記第3端子との間に接続されたリアクトルと、
    前記リアクトルを流れる電流値が目標電流値となるように前記リアクトルの両端間の目標電圧値を算出するように構成された電流制御器と、
    前記目標電圧値、および前記第3端子と前記第4端子との間に出力された出力電圧値を受けて、目標通流率を算出するように構成された非線形補償器と、
    前記非線形補償器から目標通流率を受けて前記フルブリッジ回路にPWM信号を出力して、前記フルブリッジ回路を第1または第2スイッチングモードで動作させるように構成されたPWM制御器とを備え、
    前記第4端子は、前記第2レグの上アームと下アームとの第2接続点に接続され、
    前記電流不連続モードにおいては、前記リアクトルに電流が流れない時間帯が存在し、
    前記第1スイッチングモードにおいては、前記第1レグの上アームと前記第2レグの下アームとが同期してスイッチングされるとともに、前記第1レグの下アームと前記第2レグの上アームとが非導通とされ、
    前記第2スイッチングモードにおいては、前記第1レグの下アームと前記第2レグの上アームとが同期してスイッチングされるとともに、前記第1レグの上アームと前記第2レグの下アームとが非導通とされ、
    前記非線形補償器は、前記電流不連続モードにおいて、前記目標電圧値、1サンプリング時間前の目標通流率、1サンプリング時間前の出力電圧値を用いて、今回のサンプリング時間の目標通流率を算出するように構成されている、電力変換装置。
  2. 前記非線形補償器は、前記電流不連続モードにおいて、1サンプリング時間前の出力電圧変化量を算出し、前記出力電圧変化量に第1補正項を乗じて第1補正値を算出し、前記第1補正値を前記目標電圧値に加算して第2補正値を算出し、前記第2補正値に第2補正項を乗じて通流率変化量を算出し、前回のサンプリング時間の目標通流率に前記通流率変化量を加算して今回のサンプリング時間の目標通流率を算出するように構成されている、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記第1補正項は、前記第1スイッチングモードと前記第2スイッチングモードとで異なり、
    前記第2補正項は、前記第1スイッチングモードと前記第2スイッチングモードとで異なる、請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記電力変換装置は、前記電流不連続モードおよび前記リアクトルに連続的に電流が流れる電流連続モードを選択的に切換えて動作可能であり、
    前記非線形補償器は、前記電流連続モードにおいて、前記目標電圧値、および1サンプリング時間前の出力電圧値を用いて、今回のサンプリング時間の目標通流率を算出するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記PWM制御器は、
    前記目標電流値の極性が正極性である場合、前記フルブリッジ回路を前記第1スイッチングモードで動作させ、
    前記目標電流値の極性が負極性である場合、前記フルブリッジ回路を前記第2スイッチングモードで動作させるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記PWM制御器は、
    前記目標通流率の極性が正極性である場合、前記フルブリッジ回路を前記第1スイッチングモードで動作させ、
    前記目標通流率の極性が負極性である場合、前記フルブリッジ回路を前記第2スイッチングモードで動作させるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記リアクトルを流れる電流値を受けるローパスフィルタをさらに備え、
    前記電流制御器は、前記ローパスフィルタを通過した前記電流値と前記目標電流値との比較結果に基づいて、前記目標電圧値を算出するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記電流制御器は、前記PWM制御器が前記PWM信号の生成に用いる基準三角波の周期における、前記リアクトルを流れる電流値の平均値と前記目標電流値との比較結果に基づいて、前記目標電圧値を算出するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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