JP6713501B2 - 変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シフトドラムの回動により変速操作が行われる車両用エンジンの変速装置に関する。
従来技術として、シフトドラムの一端部が、変速装置を収納するケース体との間で軸受部材によって、回転自在に支持され、シフトドラムとドラムセンタを固定するボルトの頭部から延出した軸部がシフタ本体に嵌合している構造がある(特許文献1参照)。
このような構造では、シフトドラムの回動の際、シフタ本体の回動により軸部も応力を受け、シフトドラムの回動時の摩擦が増加し、シフトチェンジ時の抵抗が増加してしまうことが考えられる。
特開2008−82520号公報
本発明は、シフトドラムの一端部が、変速装置を収納するケース体との間で軸受部材によって回転自在に支持され、シフトドラムとドラムセンタを固定するボルトの頭部から延出した軸部がシフタ本体に嵌合している変速装置において、シフトチェンジ時の抵抗を減少させ、スムーズなシフトチェンジを行うことを図るとともに、軸部を細くし小型化に寄与することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、 ケース体に支持されるシフトドラムを有した変速装置において、前記シフトドラムの一側の端部は、該端部と前記ケース体との間に配置された第1軸受部材により回転自在に支持され、前記シフトドラムの前記端部に、前記シフトドラムと同軸上に前記シフトドラムより縮径した軸部が設けられ、前記軸部の端部は、前記ケース体とは別体の支持部材よって回動自在に保持されるこことを特徴とする変速装置である。
前記構成によれば、シフトドラムを軸受部材で保持するとともに軸部の端部も支持部材により支持することで、シフトドラム回転時の軸部のたわみ量が減り、シフトドラムの回転がスムーズになり、シフトチェンジをスムーズに行うことができる。さらにシフトドラムの軸部を細くし小型化に寄与することができる。
前記構成において、前記支持部材を、前記第1軸受部材が設けられている前記ケース体に固定し、前記軸部の前記端部と前記支持部材の間には、第2軸受部材を設け、前記端部は、前記第2軸受部材を介して前記支持部材に回動自在に支持するようにしてもよい。
前記構成によれば、回転体であるシフトドラムの軸部を、支持部材を介してケース体側で容易に保持することができる。
前記構成において、前記シフトドラムを間欠的に送るポールラチェット機構を備え、 前記支持部材は、前記ポールラチェット機構におけるガイドプレートと、前記ガイドプレートに取り付けられる保持部とを有し、前記ガイドプレートは、前記ケース体に取り付けてもよい。
前記構成によれば、既存の部品であるガイドプレートに保持部を設けることで容易に保持部を固定ができる。
前記構成において、前記ポールラチェット機構が、前記シフトドラムの前記軸部に回動可能に支持されたシフタ本体を備え、前記シフタ本体に設けられマスターアームと係合する突起を、前記軸部対してシフトスピンドル側に設け、前記軸部がシフタ本体を貫通して軸方向外側で前記保持部によって保持されるようにしてもよい。
前記構成によれば、マスターアームを短くすることができ、また軸部との干渉を防ぐことができる。
前記構成において、前記シフタ本体の軸方向外側への移動の規制を、前記第2軸受部材と前記シフタ本体の間に設けたカラー部材で行うようにしてもよい。
前記構成によれば、シフタ本体が軸方向に動くことによるガイドプレートとの間のフリクションを低減できる。
前記構成において、前記軸部の軸方向外側に位置して、前記ケース体にケースカバー部材を取り付け、前記軸部と前記ケースカバー部材の間に機能部品を配置してもよい。
前記構成によれば、ガイドプレートに保持部を固定したことで軸部の端部より軸方向外側には空間が確保できるため機能部品を配置することができる。
前記構成において、前記シフトドラムを、軸方向外側の少なくとも一方が開口された開口部を有する円筒形状の本体部と、前記開口部を塞ぐ蓋部によって構成し、前記軸部が、前記蓋部と一体に構成されるようにしてもよい。
前記構成によれば、シフトドラムの本体部の内側の加工が可能で、軽量化することができる。
本発明に係る変速装置によれば、シフトドラムを軸受部材で保持するとともに軸部の端部も支持部材により支持することで、シフトドラム回転時の軸部のたわみ量が減り、シフトドラムの回転がスムーズになり、シフトチェンジをスムーズに行うことができる。さらにシフトドラムの軸部を細くし小型化に寄与することができる。
本発明の一実施の形態のパワーユニットが搭載された自動二輪車の右側面図である。 パワーユニットの右側面図である。 パワーユニットのユニットケースカバーを外した左側面図である。 図2のIV-IV切断面図である。 図3のV-V切断面図である。 変速駆動装置周辺の断面図である。 変速切替機構周辺の断面図である。 変速切替機構周辺の断面図である。 シンクロ機構の同期を図る状態を時系列に示した概略図である。 変速装置の模式図である。 変速装置の変速段の切替とレシオの関係を示した図である。 パワーユニットのユニットケースカバーを外した右側面図である。 シフトドラムの軸部および変速操作機構周辺の要部拡大図である。 変速操作機構の要部拡大図である。 ディテント機構をシフタ本体のポール操作部において、軸部軸方向に垂直に切断し、右方から視た断面図である。 支持部材の斜視図である。 ガイドプレートの正面図である。 他の実施の形態を示したシフトドラムの軸部および変速操作機構周辺の要部拡大図である。
本発明の一実施の形態に係るパワーユニットPの変速装置Tについて、図を参照して説明する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、前後左右上下の向きは本発明に係るパワーユニットを、車両、特に自動二輪車に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。図中、矢印FRは前方、REは後方、RHは右方、LHは左方、UPは上方、DWは下方を、それぞれ示す。
図1に示されるように、自動二輪車1の車体フレーム2は、前部に配置されるヘッドパイプ3と、ヘッドパイプ3から後方斜め下方に向けて延出し、途中湾曲して後方へ向けて延びるメインフレーム部材4と、メインフレーム部材4の後端から下方へ向けて延出するセンターフレーム部材5と、センターフレーム部材5の上部から後方へむけて延出するシートステー6と、センターフレーム部材5の後部とシートステー6の後部とに架け渡されるミッドステー7と、ヘッドパイプ3から下方へ向けて延出するダウンフレーム8と、を備えている。
ヘッドパイプ3には、下端部で前輪10を回転自在に支持するフロントフォーク9が操向可能に支持されている。フロントフォーク9の上端部には、操向ハンドル11が連結されている。センターフレーム部材5には、ピボット軸12を介してスイングアーム13が搖動可能に支持されている。スイングアーム13の後端には、後輪軸14を介して後輪15が回転自在に支持されている。
シートステー6の上方には乗員用シート16が取付けられ、乗員用シート16の前方であってメインフレーム部材4の上方には燃料タンク17が搭載されている。
自動二輪車1には、後輪15を駆動させるパワーユニットPが、クランク軸23の回転軸線を左右方向に指向させて搭載されている。パワーユニットPの出力軸33に嵌着される駆動スプロケット33aと、後輪軸14に嵌着される従動スプロケット14aとの間には、無端状のチェーン18が架渡されている。
パワーユニットPは、車体フレーム2に設けられた複数のエンジンハンガー2aにより、パワーユニットPの前部、中央上部、後部上方、後部下方において支持されている。パワーユニットPの後部下部を支持するエンジンハンガー2aは、後述する偶数段軸32の下方に位置している。
図2に示されるように、パワーユニットPは、水冷式二気筒四ストロークサイクル内燃機関(以下、内燃機関という)Eと、内燃機関Eの後方に連結される変速装置Tとが一体とされたものである。変速装置Tは、自動二輪車1に搭載された変速制御装置100により変速動作が制御される。内燃機関Eには、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出部101が設けられており、検出されたエンジン回転数Neは、変速制御装置100に送られる。
パワーユニットPは、クランク軸23を回転自在に支持するクランクケース21と、変速装置Tの変速機構30を収容する変速機ケース22とが、クランクケース21を前半部、変速機ケース22を後半部として前後に一体的に形成されるユニットケース20を備えている。ユニットケース20は、上クランクケース半体部21Uと上変速機ケース半体部22Uとが一体に形成される上ユニットケース半体部20Uと、下クランクケース半体部21Dと下変速機ケース半体部22Dとが一体に形成される下ユニットケース半体部20Dとからなる上下割に構成されている。
上クランクケース半体部21Uの上部には、前方斜め上方に向けてシリンダブロック24、シリンダヘッド25、ヘッドカバー26が順次重ねられ、前傾して突設されている。
下ユニットケース半体部20Dの下側はオイルパン27で塞がれている。
ユニットケース20の右側は、右ユニットケースカバー28Rにより覆われ、ユニットケース20の左側は、左ユニットケースカバー28L(図3参照)により覆われている。
クランク軸23は、上クランクケース半体部21Uと下クランクケース半体部21Dとに、図示されない軸受を介して挟まれ、クランクケース21に回転自在に支持されている。
図4ないし図6に示されるように、内燃機関Eの駆動力を所定の変速段に変速する変速装置Tは、常時噛合い式の変速機構30と、変速機構30の変速段を操作する変速操作機構70と、第1クラッチ47Aと第2クラッチ47Bの2つのクラッチを備えたいわゆるツイン式のクラッチ装置47と、を備えている。変速装置Tは前進8段の変速段に構成されている。
図4および図5に示されるように、変速装置Tの変速機構30は、入力軸であって奇数段の駆動ギアm1,m3,m5,m7が配設された奇数段軸31と、奇数段軸31から回転駆動力が伝達され偶数段の駆動ギアm2,m4,m6,m8が配設された偶数段軸32と、奇数段および偶数段の駆動ギアm1〜m8が噛み合う被動ギアc1〜c4を備えた出力軸33と、偶数段と奇数段の駆動ギアと被動ギアからなる歯車群Gを備えている。奇数段軸31、偶数段軸32、出力軸33、後述するシフトドラム110およびシフトフォーク軸90は、クランク軸23と平行であって左右方向に指向して配設されている。
これらのクランク軸23、奇数段軸31、偶数段軸32、シフトドラム110は、図3に示されるように、車両側面視において、出力軸33はクランク軸23より後方に配置され、奇数段軸31および偶数段軸32は、クランク軸23より後方に配置されている。さらに、奇数段軸31は、クランク軸23と出力軸33を結んだ線L1に対して、偶数段軸32と反対側に設けられている。シフトドラム110は、奇数段軸31と偶数段軸32を結んだ線L2に対して、出力軸33と反対側に配置されている。また、奇数段軸31および偶数段軸32のうち少なくともどちらか一方は、車両前後方向において、クランク軸23と出力軸33の間に配置されるが、本実施の形態では、奇数段軸31がクランク軸23と出力軸33の間に配置されている。奇数段軸31、偶数段軸32、出力軸33の3軸は、奇数段軸31と出力軸33との軸間長D1は、偶数段軸32と出力軸33との軸間長D2より長くなるように配設されている。
奇数段軸31は、図3に示されるように、上変速機ケース半体部22Uに、クランク軸23の後方斜め上方に配設されている。図4に示されるように、奇数段軸31は、第1クラッチ47Aを介してクランク軸23からの回転駆動力が伝達される奇数段主軸31aと、該奇数段主軸31aの略中央に相対回転可能に覆って配設され第2クラッチ47Bを介して偶数段へ回転駆動力が伝達される動力伝達外軸31bと、奇数段主軸31aの右端寄りに動力伝達外軸31bに隣接して相対回転可能に支持されたクラッチ外軸31cからなる。奇数段軸31には、奇数段軸31の回転数を検出する奇数段軸回転数センサ104が設けられている。
奇数段主軸31aは、左端がボールベアリング34を介して上変速機ケース半体部22Uに、右端がボールベアリング35を介して右ユニットケースカバー28Rに、それぞれ回転可能に支持されている。奇数段主軸31aには、左側から奇数段の駆動ギアm1,m3,m7,m5がそれぞれニードルベアリング56を介して相対回転可能に取り付けられている。
奇数段主軸31aの中央から右端寄りにかけて、動力伝達外軸31bが、ニードルベアリング41を介して相対回転可能に支持されている。動力伝達外軸31bの右端には、第2クラッチ47Bのインナクラッチ47B2が相対回転不能に取り付けらており、左端には偶数段軸32に動力を伝達するための伝達ギア51が一体に形成されている。
さらに奇数段主軸31aには、動力伝達外軸21bより右方向外側にかけて、ニードルベアリング42を介してクラッチ外軸31cが相対回転可能に支持されている。クラッチ外軸31cの中央には、クランク軸23に嵌着されるプライマリ駆動ギア45と噛合うプライマリ従動ギア46が相対回転不能に嵌合されている。該プライマリ従動ギア46を挟んで右側に第1クラッチ47Aが、左側に第2クラッチ47Bが配設されている。
第1クラッチ47Aのアウタクラッチ47Aおよび第2クラッチ47Bのアウタクラッチ47Bは、クラッチ外軸31cに一体に回転するように取り付けられている。第1クラッチ47Aのインナクラッチ47Aは奇数段主軸31aと、第2クラッチ47Bのインナクラッチ47Bは動力伝達外軸31bと、それぞれスプライン嵌合されている。
クランク軸23から供給される回転駆動力は、プライマリ駆動ギア45とプライマリ従動ギア46により所定の減速比で減速され、クラッチ外軸31cに伝達される。クラッチ外軸31cへ伝達された回転駆動力は、第1クラッチ47Aと第2クラッチ47Bが油圧回路(不図示)により選択的に接続されることにより、奇数段主軸31aまたは動力伝達外軸31bへと動力が伝達される。
変速装置Tから動力が出力される出力軸33は、クランク軸23の後方において、上下変速機ケース半体部22U,22Dに挟まれて配設されている。出力軸33は、左端がボールベアリング39を貫通して左端寄りがボールベアリング39を介して、右端がニードルベアリング40を介して、上下変速機ケース半体部22U,22Dに挟まれ、変速機ケース22に回転自在に支持されている。出力軸33の左端には、駆動スプロケット33aが嵌合されている。
奇数段軸31の動力伝達外軸31bは、ニードルベアリング41により奇数段主軸31aに相対回転自在に支持されている。動力伝達外軸31bには、ボールベアリング36の左側に隣接して、奇数段軸31から偶数段軸32に動力を伝達する伝達ギア51が一体に形成されている。動力伝達外軸31bの右端は、第2クラッチ47Bのインナクラッチ47Bにスプライン嵌合され、クランク軸23からの動力が第2クラッチ47Bにより断接される。
偶数段軸32の右端側には、偶数段軸32と一体に回転する被伝達ギア52が設けられている。出力軸33の右端には、伝達ギア51と被伝達ギア52のそれぞれと歯合するアイドルギア53が、ニードルベアリング58により相対回転可能に支持されている。
図4に示されるように、アイドルギア53の左側には、アイドルギア53の外径と略同径の第1セラシギア54が相対回転自在に嵌合されている。第1セラシギア54は、伝達ギア51と噛み合って、バネ54aにより伝達ギア51の回転方向と反対に向けて付勢されている。
さらにアイドルギアの右側には、アイドルギア53の外径と略同径の第2セラシギア55が相対回転自在に嵌合されている。第2セラシギア55は、被伝達ギア52と噛み合って、バネ55aによりアイドルギア53の回転方向に向けて付勢されている。
出力軸33のアイドルギア53は、奇数段軸31の動力伝達外軸31bの伝達ギア51、および偶数段軸32の被伝達ギア52と常時噛み合っている。第2クラッチ47Bが接続されると、クランク軸23の回転駆動力が、第2クラッチ47B、動力伝達外軸31bの伝達ギア51、アイドルギア53、被伝達ギア52を介して、偶数段軸32に伝達される。この際、アイドルギア53の左右両側に、第1セラシギア54および第2セラシギア55が設けられているので、伝達ギア51とアイドルギア53、アイドルギア53と被伝達ギア52の間のバックラッシュを防ぐことができるので、偶数段に変速する際のギアどうしの歯打ち音を低減することができる。
変速装置Tに設けられた歯車群Gは、以下のように構成されている。
奇数段軸31の奇数段主軸31aには、左側から順に1速、3速、7速、5速の変速比の4個の奇数段の駆動ギアm1,m3,m7,m5が、それぞれニードルベアリング56を介して相対回転可能に支持されている。
偶数段軸32には、左側から順に2速、4速、8速、6速の変速比の4個の偶数段の駆動ギアm2,m4,m8,m6が、それぞれニードルベアリング57を介して相対回転可能に支持されている。
出力軸33には、左側から被動ギアc1,c2,c3,c4の4個の被動ギアが設けられている。これらの被動ギアc1〜c4は、それぞれ出力軸33とスプライン嵌合され出力軸33と一体に回転する。
奇数段軸31の駆動ギアm1と偶数段軸32の駆動ギアm2は対になっており、共に出力軸33の被動ギアc1と常時噛み合うようになっている。同様に、奇数段軸31の駆動ギアm3と偶数段軸32の駆動ギアm4、奇数段軸31の駆動ギアm7と偶数段軸32の駆動ギアm8、奇数段軸31の駆動ギアm5と偶数段軸32の駆動ギアm6はそれぞれ対になっており、対になった一組の駆動ギアのそれぞれは被動ギアc2、c3、c4に常時噛み合っている。
図4に示されるように、奇数段軸31の奇数段主軸31aには、1速駆動ギアm1と3速駆動ギアm3との間と、7速駆動ギアm7と5速駆動ギアm5との間に位置して、変速切替機構60としてのスリーブ61が設けられている。スリーブ61は奇数段軸31上を軸方向に摺動可能であり、隣接する駆動ギアm1,m3,m5,m7にシンクロ機構Sを介して選択的に連結される。
偶数段軸32には、2速駆動ギアm2と4速駆動ギアm4との間と、8速駆動ギアm8と6速駆動ギアm6との間に位置して、変速切替機構60としてのスリーブ61が設けられている。スリーブ61は偶数段軸32上を軸方向に摺動可能であり、隣接する駆動ギアm2,m3,m6,m8にシンクロ機構Sを介して選択的に連結される。
図7および図8に示されるように、上記スリーブ61のそれぞれには、フォーク係合溝61aが設けられており、このフォーク係合溝61aに係合するシフトフォーク91によって、スリーブ61の軸方向への移動が可能となる。
本変速切替機構60には、各スリーブ61と互いに連結する駆動ギアと間に、それぞれ各変速段を同期させながら確立するシンクロ機構Sが設けられている。
各変速段のうち1速段を確立する1速駆動ギアm1と3速段を確立する3速駆動ギアm3の間に設けられた変速切替機構60およびシンクロ機構Sについて、図7および図8に基づいて説明する。
他の変速切替機構60およびシンクロ機構Sも同様の機構である。
図4に示されるように、1速駆動ギアm1に代表される変速ギア65と、3速駆動ギアm3に代表される変速ギア66は、回転軸(奇数段軸31)67にニードルベアリング56を介して回転自在に軸支されている。
変速ギア65には外周に変速ギア歯65a(1速駆動ギア歯)を有するとともに、変速ギア66(3速駆動ギアm3)側に突出した円筒部65sの外周にギアドグ歯65tが形成されている。また、ギアドグ歯65tを外周に有する円筒部65sからさらに内周部部分が突出した突出円筒部65ssが形成されている。
変速ギア66には外周に変速ギア歯66a(3速駆動ギア歯)を有するとともに、変速ギア65(1速駆動ギアm1)側に突出した円筒部66sの外周にギアドグ歯66tが形成されている。また、ギアドグ歯66tを外周に有する円筒部66sからさらに内周部部分が突出した突出円筒部66ssが形成されている。
スリーブ61が、奇数段主軸31aに軸方向の移動を規制されてスプライン嵌合したハブ62の外周面にスプライン嵌合して軸方向に摺動自在に外嵌されている。ハブ62の外周面に形成されたスプライン歯62sにスリーブ61の内周面に形成されたスリーブ歯61tが嵌合している。
なお、ハブ62の外周面に形成された多数のスプライン歯62sは、周方向に120度間隔にある部分が欠損して切欠溝62bが3か所に形成されている。
スリーブ61の内周面に環状に配列されるスリーブ歯61tの両端は、テーパしている。
スリーブ61の外周にはシフトフォーク91が係合するフォーク係合溝61aが形成されている。
変速ギア65(66)の突出円筒部65ss(66ss)とハブ62の間に、ブロッキングリング63と、シンクロスプリング64が配設されている。ブロッキングリング63には、変速ギア65(66)ドグ歯65t(66t)と略同径のリング歯63tが形成されている。
変速段を確立するために、図7に示されるようなニュートラル状態から、変速操作機構70によりシフトフォーク91と係合したスリーブ61が変速ギア65方向に摺動され、シンクロスプリング64の左右両面のそれぞれにスリーブ61、ブロッキングリング63が接触し、スリーブ61と同期を開始する。
このシンクロ機構Sの同期動作を、図9に基づいて説明する。
図9(1)に示す状態は、変速を開始する前のニュートラル状態であり、スリーブ61は中立位置にあって、スリーブ歯61tが前後のシンクロスプリング64に接触しておらず、同期動作を生じない。
変速が開始され、スリーブ61が右方に移動すると、図9(2)に示すように、スリーブ61のスリーブ歯61tがシンクロスプリング64に接触し、シンクロスプリング64を介してブロッキングリング63を変速ギア66側に押圧可能となる。
さらに、スリーブ61が右方に移動すると、図9(3)に示すように、ブロッキングリング63が変速ギア66側に押圧され、ブロッキングリング63の内周面63aと変速ギア66の突出円筒部66ssとの間の摩擦力も生じ、一方で、スリーブ歯61tはリング歯63tに互いの尖端どうしが接し、さらに互いのチャンファ面61c,63cどうしが当接し、同期が開始される(ボーク段階)。
さらに、スリーブ61が右方に移動すると、図9(4)に示すように、スリーブ歯61tはリング歯63tを掻き分けるようにしてリング歯63tと噛合し、スリーブ61とブロッキングリング63は一体に回転する(リング歯掻き分け段階)。
さらに、スリーブ61が右方に移動すると、図9(5)に示すように、スリーブ歯61tは変速ギア66のギアドグ歯66tに互いの尖端どうしが接し、さらに互いのチャンファ面61c,66cどうしが当接する(ギアドグ歯接触段階)。
さらに、スリーブ61が右方に移動すると、図9(6)に示すように、スリーブ歯61tはギアドグ歯66tを掻き分けるようにしてギアドグ歯66tと噛合し、同期が終了する(ギアドグ歯掻き分け段階)。
スリーブ61はさらに右方に移動することで、図9(7)に示すように、スリーブ歯61tはギアドグ歯66tと完全に噛合してスリーブ61(および奇数段軸31)と変速ギア66とは一体に回転する(インギア段階)。
シンクロ機構Sは、以上のように動作して、スリーブ61と変速ギア66を同期しながら連結する。
次に、変速切替機構60のスリーブ61を移動する変速操作機構70について説明する。
変速操作機構70は、図6に示されるように、シフトモータ71、減速ギア機構72、シフトスピンドル73、マスターアーム74、間欠送り機構であるポールラチェット機構75、シフトドラム110、シフトフォーク軸90およびシフトフォーク91を備えている。シフトモータ71の回転駆動力が減速ギア機構72で減速されてシフトスピンドル73を回動させ、シフトスピンドル73と一体に回動するマスターアーム74を介してポールラチェット機構75がシフトドラム110を間欠的に回動させることでシフトフォーク91を移動させ、変速機構30の各スリーブ61を軸方向に移動させて変速機構30の変速段を切替えるようになっている。
変速操作機構70のシフトドラム110は、図3および図5に示されるように、奇数段軸31の下方において、クランク軸23の回転軸線と平行となるように配設されている。
図6に示されるように、シフトドラム110は、軸方向外側の一方(右方)が開口部111bとなり他方(左方)が底部111cとなっている円筒形状の本体部111と、開口部111bを塞ぐ蓋部112によって構成されており、内部が中空の円筒状に構成されている。
シフトドラム110の本体部111には、本体部111と同軸上に左方に延伸してシフトドラム110の本体部111より縮径した軸部114が設けられている。シフトドラム110の蓋部112には、シフトドラム110の本体部111と同軸上に右方に延伸して本体部111より縮径した軸部113が設けられている。
本体部111の径方向外周面には、四つのリード溝111aが設けられている。
シフトドラム110の一側端部である右端部110aは、第1軸受部材としてのボールベアリング88を介して下変速機ケース半体部22Dに回動自在に支持されている。シフトドラム110の左側は、シフトドラム110の本体部111から延伸された軸部114が、ニードルベアリング89を介して、変速機ケース半体部22Dに回動自在に支持されている。
シフトドラム110の右端部には、シフトドラム110を間欠的に回動させる間欠送り機構68が設けられている。間欠送り機構68は、後述するポールラチェット機構75のポールラチェット77の動きを規制するためのガイドプレート121を備えている。
シフトモータ71は、下変速機ケース半体部22Dの左側方の左ユニットケースカバー28Lに取付けられている。減速ギア機構72は、下変速機ケース半体部22Dと左ユニットケースカバー28Lとの間に設けられ、シフトモータ71のモータ軸71aに一体に形成される駆動ギア72a、大小のギアからなる第一、第二ギア72b,72cおよびシフトスピンドル73に嵌着される被動ギア72dから構成される。
シフトスピンドル73は、左下の変速機ケース半体部22Dおよび左ユニットケースカバー28Lに軸受を介して回動自在に支持されている。シフトスピンドル73の右端部寄りにはマスターアーム74が溶接され、シフトスピンドル73とマスターアーム74は、一体に回動するようになっており、シフトスピンドル73の回動によりマスターアーム74は揺動する。
図6および図14に示されるように、マスターアーム74に形成された規制孔74bを貫通するピン79pが下変速機ケース半体部22Dから突設され、シフトスピンドル73にコイル部を巻回して支持されたねじりコイルばね79は、その同方向に延びた両端部がマスターアーム74に形成された係止片74aとピン79pを両外側から挟むようにして取り付けられている。
したがって、マスターアーム74が揺動すると、ねじりコイルばね79のねじりばね力によりマスターアーム74を中立位置に戻そうとする付勢力が働く。
マスターアーム74の揺動は、ポールラチェット機構75を介してシフトドラム110を回動する。
図6および図13ないし図15に示されるように、ポールラチェット機構75は、マスターアーム74の揺動先端部に形成された長孔74hに摺動自在に嵌合される突起76dが形成されたラチェット入力部材としてのシフタ本体76と、シフトドラム110と一体に回動するラチェット出力部材としてのドラムセンタ78と、シフタ本体76の外周とドラムセンタ78の内周との間に内蔵される一対のポールラチェット77と、ポールラチェット77のポール77aを動きを規制するためのガイドプレート121を備えている。
図13に示されるように、ドラムセンタ78は、軸方向における中央に、シフトドラム110の軸部113が挿通される軸挿通孔78bおよび凹部78cが設けられた基部78aと、基部78aから軸方向外側に突出して外周面にディテントカム78eが内周面にポール当接カム78fが形成されたカム部78dとからなる。
ドラムセンタ78は、軸挿通孔78bにシフトドラム110の軸部113に挿通されてナット116が締結され、シフトドラム110の蓋部112とドラムセンタ78の間の回り止めピン115により、シフトドラム110と一体に回動されるようになっている。
シフタ本体76は、図13に示されるように、ガイドプレート121の開口部121cの中で回動する基部76aと、ドラムセンタ78のカム部78dの内側に収容されポール77aを操作するポール操作部76bと、マスターアーム74と係合する突起76dが設けられた腕部76cとを有している。シフタ本体76には、シフトドラム110の軸部113が挿通される挿通孔76eが形成されており、シフタ本体76は、軸部113のドラムセンタ78より軸方向外側に回動自在に支持されている。
ポールラチェット77は、図15に示されるように、ポール77aと、ポール77aに当接する押圧部材77bと、バネ部材77cとを備えている。
ポール77aは、ガイドプレート121の開口部121cの内縁の形状に従い、所定の範囲のみポール77aが起立する。
マスターアーム74の揺動により長孔74h内を摺動する突起76dに案内されてシフタ本体76が一方向に回動されると、一方のポール77aの先端が起立してドラムセンタ78の内周のポール当接カム78fに係止され、シフタ本体76の回動に連動してドラムセンタ78が間欠的に回動され、シフトドラム110を間欠的に回動させて変速を行う。
シフトドラム110の間欠的回動には、シフトドラム110を所定の回動位置に導き位置決めするディテント機構80が設けられている。
シフトドラム110と一体に回動するドラムセンタ78の外周部に設けられた、ディテントカム78eの外周端面には、変速段に対応する湾曲した凹部が周方向に順次先細に尖った凸部と交互に連続した凹凸カム面78eに形成されている。
図14を参照して、支軸83に揺動自在に軸支されたディテントアーム84の先端にローラ85が回転自在に軸支されている。
ディテントアーム84は、ねじりコイルばね86により揺動付勢されて、ローラ85をディテントカム78eの凹凸カム面78eに押圧する。
ディテント機構80は、以上のように構成され、ディテントカム78eの外周端面の凹凸カム面78eに押圧されるローラ85が所要の凹部に落ち着くことで、シフトドラム110を所要の回動位置に位置決めすることができる。
図6および図13に示さるように、シフトドラム110の軸部113の端部113aは、図16に示されるような支持部材120でもって、回動自在に保持されている。支持部材120は、間欠送り機構68のガイドプレート121と、ナット123により取り付けられる保持部122とで構成されている。
支持部材120を構成するガイドプレート121は、図17に示されるように、板状をなしており、開口部121cが形成された基部121aと、該基部121aの両側から延びる一対のフランジ部121bとを有する。開口部121cは、ポールラチェット77のポール77aの動きを規制する
フランジ部121bの端部には、ボルト126が挿通されるボルト挿通孔121dが設けられている。フランジ部121bの基部121a寄りには、一対のピン取付孔121eが形成されている。該ピン取付孔121eには、図16に示されるように、保持部122を固定する固定ピン121fがかしめつけられている。ガイドプレート121は、図13に示されるように、下変速機ケース半体部22Dにボルト126により固定される。
ガイドプレート121に取り付けられる保持部122は、図13および図16に示されるように、円筒状でガイドプレート121側に円形の凹部122cが設けられた基部122aと、該基部122aの両側から延びる一対のフランジ部122bを有する。基部122aの中央は円形に開口した開口部122dとなっている。
図13に示されるように、基部122aの凹部122cには、第2軸受部材としてのボールべアリング125が嵌装される。該ボールベアリング125によりシフトドラム110の軸部113の端部113aが回動自在に支持される。それぞれのフランジ部122bの端部よりに、ガイドプレート121側に向かって突設する円柱状の脚部122eが形成されている。該脚部122eには、ガイドプレート121の固定ピン121fが貫通されるピン貫通孔122fが設けられている。
保持部122は、シフタ本体が挿通された後、シフトドラム110の軸部113にカラー部材124が嵌装され、ボールベアリング125の内周面に挿通され、保持部122の脚部122eのピン貫通孔122fに、ガイドプレート121のそれぞれの固定ピン121fを挿通し固定ピン121fにナット123を締結して、ガイドプレート121と保持部122は一体とされる。
軸方向視で、ガイドプレート121の開口部121cに対し、前記シフタ本体76の基部76aは小さいが、ボールベアリング125とシフタ本体76の間に設けたカラー部材124で、シフタ本体76の軸方向外側への移動の規制している。
シフトドラム110の軸部113の軸方向外側に位置して、下変速機ケース半体部22Dに右ユニットケースカバー28Rが取り付けられ、軸部113と右ユニットケースカバー28Rの間には機能部品としての油圧制御弁130が配置されている。油圧制御弁130はリニアソレノイドであり、第1クラッチ47Aおよび第2クラッチ47Bの断接を制御する。
図3および図5に示されるように、シフトドラム110の上方および後方には、シフトフォーク軸90が、両端を下変速機ケース半体部22Dに嵌着されて、シフトドラム110と平行に支持されている。シフトフォーク軸90には、四つのシフトフォーク91がそれぞれ軸方向に移動可能に支持されている。
図5に示されるように、シフトフォーク91は、シフトフォーク軸90が挿通される軸挿通孔91bが形成される基部91aと、基部91aからシフトフォーク軸90と直交する方向に向けて二叉に延出するフォーク部91cと、基部91aを挟んでフォーク部91cとは反対側に設けられるピン部91dと、を備えている。
フォーク部91cは、スリーブ61に形成されるフォーク係合溝61aに、係合されている。ピン部91dは、シフトドラム110シフトドラム110の外周面に形成された各リード溝111aに係合している。
変速操作機構70のシフトモータ71の駆動によりシフトドラム110が回動すると、シフトドラム110の外周面に形成された各リード溝111aに案内されて、それぞれ対応するシフトフォーク91が軸方向に移動することで、各スリーブ61が軸方向に移動させられて変速段の切り換えが行われる。
本実施の形態においては変速切替機構60として、変速ギアが設けられていないスリーブ61が用いられていたが、スリーブと一体に変速ギアが設けられたシフタギアを用いてもよい。
変速装置Tは、図3に示されるように、アイドルギア53の径d3は、伝達ギア51の径d1および被伝達ギア52の径d2より大きく設定されている。すなわち、伝達ギア51と被伝達ギア52の2つのギアの径が小さくされて、大きい径のギアはアイドルギア53の1つのみとなる。このように構成されているので、アイドルギアが小径で伝達ギアと被伝達ギアの2枚のギアが大径のものに比べて、側面視におけるパワーユニットPの大きさをコンパクトにすることができる。
一方、伝達ギア51の径d1と被伝達ギア52の径d2は、アイドルギア53の径d3より小径にされているので、伝達ギア51と被伝達ギア52の丁数ははともに少ないものとなってしまう。このように丁数の少ない伝達ギア51と被伝達ギア52との間では、レシオの微調整が難しくなってしまう。
図10は、駆動ギアのうち1速駆動ギアm1と2速駆動ギアm2を一例にした変速装置Tの模式図である。図11は、各変速段のレシオを示したもので、破線細線は目標レシオ、破線太線はミッションギア(m1〜m8、c1〜c4)の変速のみによるレシオ、黒矢印は伝達ギア51と被伝達ギア52とによる増速分を、実線はミッションギアによるレシオと、伝達ギア51被伝達ギア52による増速分を合わせた全体レシオを示している。
図3および図10に示されるように、奇数段軸31、偶数段軸32および出力軸33は、奇数段軸31と出力軸33との軸間長D1が、偶数段軸32と出力軸33との軸間長D2より長くなるように配設されている。すなわち伝達ギア51の径d1は被伝達ギア52の径d2よりも大径にされているので、伝達ギア51から被伝達ギア52へ伝達されるレシオは大きく増速される。伝達ギア51や被伝達ギア52より径の大きいミッションギア(m1〜m8、c1〜c4)においてはレシオの調整がより容易であるので、偶数段が奇数段に対して低いレシオに微調整して減速させて、目標レシオを達成している。
本実施の形態の鞍乗り型車両用のパワーユニットPは、前記したように構成されている。パワーユニットPは、内燃機関Eと、クランク軸23からの動力が伝達される奇数段軸31および偶数段軸32と、ユニットケース20の内部に収容されクランク軸23と奇数段軸31との動力を断接する第1クラッチと37A、クランク軸23と偶数段軸32との動力を断接する第2クラッチ37Bとが、選択的に接続し動力を伝達するツインクラッチ式のクラッチ装置47と、奇数段軸31または偶数段軸32から選択的に動力が伝達される出力軸33と、奇数段軸31上に設けられた複数の奇数段の駆動ギアm1,m3,m5,m7と、偶数段軸32上に設けられた複数の偶数段の駆動ギアm2,m4,m6,m8と、出力軸33上に設けられ複数の奇数段の駆動ギアm1,m3,m5,m7アおよび偶数段の駆動ギアm2,m4,m6,m8のそれぞれと噛み合う複数の被動ギアc1,c2,c3,c4と、奇数段軸31に設けられ、奇数段軸31から奇数段の駆動ギアm1,m3,m5,m7への駆動力を、軸方向の移動により断接する変速切替機構60としてのスリーブ61と、偶数段軸32に設けられ、偶数段軸32から偶数段の駆動ギアm2,m4,m6,m8への駆動力を、軸方向の移動により断接する変速切替機構60としてのスリーブ61と、スリーブ61を軸方向に移動させるシフトフォーク91と、シフトフォーク91を駆動させるシフトドラム110と、を備え、奇数段軸31、偶数段軸32、出力軸33、およびシフトドラム110が平行に配置され、図3に示されるように、自動二輪車1の側面視において出力軸33はクランク軸23より後方に配置され、奇数段軸31および偶数段軸32は、クランク軸23より後方に配置され、奇数段軸31はクランク軸23と出力軸33を結んだ線L1に対して偶数段軸32と反対側に設けられ、シフトドラム110は奇数段軸31と偶数段軸32を結んだ線L2に対して出力軸33と反対側に配置されている。
本実施の形態の変速装置Tは、前記したように構成されているので、以下の効果を奏する。
シフトドラム110は下変速機ケース半体部22Dに支持され、シフトドラム110の右側の端部110aは、端部110aと下変速機ケース半体部22Dとの間に配置されたボールベアリング88により回転自在に支持され、シフトドラム110の端部110aに、シフトドラム110と同軸上にシフトドラム110より縮径した軸部113が設けられ、軸部113の端部113aは、下変速機ケース半体部22Dとは別体の支持部材120よって回動自在に保持されているので、シフトドラム110をボールベアリング88で保持するとともに軸部113の端部113aも支持部材120により支持することで、シフトドラム110の回転時の軸部のたわみ量が減り、シフトドラム110の回転をスムーズにすることができる。さらにシフトドラム110の軸部113を細くすることができるので、変速装置Tの小型化に寄与する。
さらに支持部材120は、ボールベアリング88が設けられている下変速機ケース半体部22Dに固定されており、軸部113の端部113aと支持部材120の間には、ボールベアリング125が設けられ、端部113aは、ボールベアリング125を介して支持部材120に回動自在に支持されているので、回転体である軸部113を、支持部材120を介して下変速機ケース半体部22D側で容易に保持できることができる。
また、変速装置Tは、シフトドラム110を間欠的に送るポールラチェット機構75を備え、支持部材95は、ポールラチェット機構75におけるガイドプレート121と、ガイドプレート121に取り付けられる保持部122とを有し、ガイドプレート121は、下変速機ケース半体部22Dに取り付けられているので、既存の部品のガイドプレート121に保持部122を設けることで容易に保持部を固定ができる。
さらにまた、ポールラチェット機構75は、シフトドラム110の軸部113に回動可能に支持されたシフタ本体76を備え、シフタ本体76に設けられマスターアーム74と係合する突起76dは、シフトドラム110の軸部113に対してシフトスピンドル73側に設けられ、軸部113はシフタ本体76を貫通し、軸方向外側で保持部122によって保持されているので、マスターアーム74を短くでき、また軸部113との干渉を防ぐことができる。
また、シフタ本体76の軸方向外側への移動の規制を、ボールベアリング125とシフタ本体76の間に設けたカラー部材124で行うので、シフタ本体76が軸方向に動くことによるガイドプレート121との間のフリクションを低減できる。
さらに、軸部113の軸方向外側に位置して、下変速機ケース半体部22Dに右ユニットケースカバー28Rが取り付けられているので、ガイドプレート121に保持部122を固定したことで軸部113の端部113aより軸方向外側には空間が確保できるので、軸部113と右ユニットケースカバー28Rの間に、油圧制御弁130等の機能部品を配置することができる。
さらにまた、シフトドラム110は、軸方向外側の少なくとも一方が開口された開口部111bを有する円筒形状の本体部111と、開口部を塞ぐ蓋部112によって構成され、軸部113は蓋部112と一体に形成されているので、本体部111の内側の加工が可能で、軽量化をすることができる。かた、本体部111を鋳造により製造した後に、機械加工により内部を切削することができるので、精度を高め、本体部111を薄く加工して軽量化を図ることができる。
本実施の形態では、ガイドプレート121に保持部122をナットで123で取り付けたが、図18に示されるように、保持部122が挿通された固定ピン121fにサークリップ127で固定してもよい。また、軸部113と右ユニットケースカバー28Rの間に配置する機能部品を、オイルを貯留するオイル室などとしてもよい。
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能であり、本発明の要旨の範囲で、鞍乗型車両、パワーユニット等が、多様な態様で実施されるものを含むことは勿論である。
なお、説明の便宜上、図示の実施形態の左右配置のものについて説明したが、左右配置の異なるものであっても、発明の要旨の範囲であれば本発明に含まれる。
T…変速装置、
22…変速機ケース、28R…右ユニットケースカバー、73…シフトスピンドル、74…マスターアーム、75…ポールラチェット機構、76…シフタ本体、76a…基部、88…ボールベアリング、
110…シフトドラム、110a…端部、111…本体部、111b…開口部、112…蓋部、113…軸部、113a…端部
120…支持部材、121…ガイドプレート、121c…開口部、122…保持部、124…カラー部材、125…ボールベアリング、130…オイル室。

Claims (7)

  1. ケース体(22)に支持されるシフトドラム(110)を有した変速装置(T)において、
    前記シフトドラム(110)の一側の端部(110a)は、該端部(110a)と前記ケース体(22)との間に配置された第1軸受部材(88)により回転自在に支持され、
    前記シフトドラム(110)の前記端部(110a)に、前記シフトドラム(110)と同軸上に前記シフトドラム(110)より縮径し、前記シフトドラム(110)を回動させる力が加わる軸部(113)が設けられ、
    前記軸部(113)の軸方向外側に位置して、前記ケース体(22)にケースカバー部材(28R)が取り付けられ、
    前記軸部(113)の端部(113a)は、前記ケース体(22)および前記ケースカバー部材(28R)との間に配設され前記ケース体(22)に固定された支持部材(120)よって回動自在に保持されることを特徴とする変速装置。
  2. 記軸部(113)の前記端部(113a)と前記支持部材(120)の間には、第2軸受部材(125)が設けられ、
    前記端部(113a)は、前記第2軸受部材(125)を介して前記支持部材(120)に回動自在に支持されることを特徴とする請求項1に記載の変速装置。
  3. 前記シフトドラム(110)を間欠的に送るポールラチェット機構(75)を備え、
    前記ポールラチェット機構(75)は、ポールラチェット(77)と、該ポールラチェット(77)の動きを規制するガイドプレート(120)を備え、
    前記支持部材(120)は、前記ポールラチェット機構(75)におけるガイドプレート(121)と、前記ガイドプレート(121)に取り付けられ前記第2軸受部材(125)を保持する保持部(122)とを有し、
    前記ガイドプレート(121)は、前記ケース体(22)に取り付けられたことを特徴とする請求項2に記載の変速装置。
  4. 前記ポールラチェット機構(75)は、前記シフトドラム(110)の前記軸部(113)に回動可能に支持されたシフタ本体(76)を備え、
    前記シフタ本体(76)に設けられマスターアーム(74)と係合する突起(76d)は、前記軸部(113)に対してシフトスピンドル(73)側に設けられ、
    前記軸部(113)は、前記シフタ本体(76)を貫通し、軸方向外側で前記保持部(122)によって保持されることを特徴とする請求項3に記載の変速装置。
  5. 前記シフタ本体(76)の軸方向外側への移動の規制を、前記第2軸受部材(125)と前記シフタ本体(76)の間に設けたカラー部材(124)で行うことを特徴とする請求項4に記載の変速装置。
  6. 記軸部(113)と前記ケースカバー部材(28R)の間には機能部品(130)が配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の変速装置。
  7. 前記シフトドラム(110)は、軸方向外側の少なくとも一方が開口された開口部(111b)を有する円筒形状の本体部(111)と、前記開口部(111b)を塞ぐ蓋部(112)によって構成され、 前記軸部(113)は、前記蓋部(112)に一体に構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の変速装置。
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