JP6691651B2 - 放冷用熱伝達器 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱素子から伝達された熱を放冷するための熱伝導器を対象としている。
従来、放冷用熱伝達器は、図4に示すように、加熱素子と接触し、かつ内側に水、アルコール、アセトン、フッ素等の冷媒を真空状態にて収納ししかも冷媒を蒸発させることによって加熱素子から伝達された熱を一様に分散させるヒートパイプと接着部材を介して接続している1個のベースから熱放冷用フィンを複数枚延設させているヒートシンクを接合している構成が採用されている。
しかしながら、このようなヒートパイプ+ヒートシンクという結合による構成の場合には、ヒートパイプとヒートシンクとの間の接合部分においては、熱伝導グリス、半田、又はロウ付けなどの接着部材を必要としており、当該接着部材が有している固有の熱抵抗の発生及び接着部材内の空気ボイドの発生によって、ヒートシンクに対しファンによる冷却空気による冷却効率が低下するという欠点を免れることができない。
しかも、上記接着部材による接合の作業は煩雑である一方、ヒートパイプ同士を接着部材によって接合させる場合には、半田やロウ材の異種金属がヒートパイプ内壁に浸透するために冷媒との接触による局部電池作用で電解腐食が生じ、水素ガスによる非凝縮性ガスが発生し、性能劣化が生じやすい。
更には、ヒートシンクのベースの位置からフィンの先端の位置に到るまでの温度低下が大きい状況にあり、その結果、ファンによる冷却効率が先端近傍において著しく減少するという致命的な欠陥を免れることができない。
特許文献1及び同2においては、このような欠陥を軽減するため、ヒートパイプによる熱伝導効率を改善するために色々な工夫を行っているが、そのような構成自体極めて複雑であり、しかも前記欠陥を根本的に改善することは不可能である。
特許文献3及び同4においては、従来技術の上記欠陥を克服するため、図3に示すように、加熱素子を接続する受熱ヘッダ14(受熱ブロック14)に複数本の伝熱パイプ16(実際には、後述する本願発明の冷媒蒸気流動用熱拡散枠に該当している。)を上側方向に延設し、当該伝熱パイプ間にて、水平方向又は当該水平方向と交差する斜方向に熱放冷用フィンを架設する構成を採用している(特許文献3の図12A及び図14A、及び特許文献4の図1(b))。
上記構成の場合には、前記従来技術の場合のようなフィンの先端に到るまでの温度低下を免れる点において優れている(以下、特許文献3、4に示す上記構成につき、「改良技術構成」と略称する。)。
しかしながら、改良技術構成においては、熱放冷用フィンが隣接し合うヒートパイプ間に架設されているため、当該架設位置の中間位置に到るまでに、熱放冷用フィン内の温度低下を免れることができない。
しかも、受熱ヘッダ14と伝熱パイプ16とを、前記接着部材によって接合した場合には、従来技術と同じような冷却効率の低下及び非凝縮性ガスの発生という技術上の問題点を避けることができない。
然るに、上記構成においては、熱放冷用フィンにおける熱伝達の平均距離を更に小さく設定しようとする基本的技術思想が存在しない。
特許第4035155号公報 特許第4112602号公報 WO2011/122332号公報 特開2014−159915号公報
本発明は、ヒートパイプとヒートシンクを一体化する放冷用熱伝導器において、熱放冷用フィンにおける熱伝達の平均距離を可能な限り小さく設定することによって、高い冷却効果を実現することができる放冷用熱伝達器の構成を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、以下の(1)記載の参考構成及び(2)記載の基本構成に立脚している。
(1)加熱素子から熱の伝達を受け、かつ真空状態にて冷媒を収納する冷媒収納用熱拡散枠の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍とその中間位置から上側方向に、下側領域にて冷媒が貯留し、かつその上側領域にて真空状態にて冷媒が流動する冷媒蒸気流動用熱拡散枠を連通状態にて延設し、冷媒収納用熱拡散枠のうち、両側に位置している冷媒蒸気流動用熱拡散枠に挟まれた領域内にて、4枚以上の熱放冷用フィンを上側方向に延設すると共に、上記挟んだ領域を形成している両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠のうち、下端から両側の冷媒蒸気流動用拡散枠間の内側幅に対し2/3以下の距離にある領域から当該上側方向と交差している横側方向に熱放冷用フィンを、それぞれ2枚以上延設し、かつ上側方向に延設された4枚以上の全熱放冷用フィンと個別に接続している放冷用熱伝達器
(2)加熱素子から熱の伝達を受け、かつ真空状態にて冷媒を収納する冷媒収納用熱拡散枠の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍とその中間位置から上側方向に、下側領域にて冷媒が貯留し、かつその上側領域にて真空状態にて冷媒が流動する冷媒蒸気流動用熱拡散枠を連通状態にて延設し、冷媒収納用熱拡散枠のうち、両側に位置している冷媒蒸気流動用熱拡散枠に挟まれた領域内にて、6枚以上の熱放冷用フィンを上側方向に延設すると共に、上記挟んだ領域を形成している両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠のうち、下端から両側の冷媒蒸気流動用拡散枠間の内側幅に対し2/3以下の距離にある領域から当該上側方向と交差している横側方向に熱放冷用フィンを、上側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィンの数の1/2の数における整数の0.8倍以上の整数による数だけ延設し、かつそのうち最も上側に位置している熱放冷用フィンを上側方向に延設された複数枚の熱放冷用フィンと共通状態にて接続し、その余の熱放冷用フィンを上側方向に延設された上記複数枚以外の熱放冷用フィンと個別に接続している放冷用熱伝達器
前記参考構成及び基本構成からなる本発明においては、特許文献3、及び同4の場合に比し、熱放冷用フィンにおける熱伝達の平均距離を更に短縮することから、ファンによる空冷温度との差が大きくなり、改良技術構成の場合よりも更に効率的な冷却効率を改善することができる。
しかも、実施例3において後述するように、放冷用熱伝達器を一体成形の素材に対する積層によって実現することが可能であって、従来技術による構成の場合のようなヒートパイプ、基板、熱放冷用フィンの3単位の構成、更には改良技術構成のように、伝熱パイプ、受熱ヘッダ、熱放冷用フィンによる3単位の構成に比し、部品点数を大幅に削減することができる。
前記参考構成及び基本構成の構成を示す側面図であって、(a)は、冷媒収納用熱拡散枠の両端の近傍のみに、冷媒蒸気流動用熱拡散枠を上側に延設し、かつ上側方向及び横側方向から延設された熱放冷用フィンを板状体を介して接続する(実施例1)ことによる前記参考構成の実施形態を示しており、(b)は、冷媒収納用熱拡散枠の両端だけでなく、その中間位置にも冷媒蒸気流動用熱拡散枠を上側方向に延設している前記参考構成による実施形態を示し、(c)は、冷媒収納用熱拡散枠の両端に、冷媒蒸気流動用熱拡散枠を上側に延設している前記基本構成による実施形態を示し、(d)は、(a)の構成に立脚したうえで、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠のうち、所定の上側領域から熱放冷用フィンを横側方向に架設する一方、両端における冷媒蒸気流動用熱拡散枠が上下方向中間位置にて更に両側に突出した湾曲状態(実施例2)を呈している前記参考構成による実施形態を示す。 尚、図1(a)、(b)、(c)、(d)において、●は冷媒注入口20を指しており、この点は、後述する図2(a)、(b)、(c)の場合においても同様である。 冷媒蒸気流動用熱拡散枠の頂部にて、上側方向と交差している横側方向に、冷媒蒸気流動用熱拡散枠を架設した構成を示しており、(a)は、更に横側方向に架設した冷媒蒸気流動用熱拡散枠の上側方向に熱放冷用フィンを延設した前記参考構成による実施形態を示しており、(b)は、横側方向に架設した冷媒蒸気流動用熱拡散枠から下側方向に熱放冷用フィンを延設した前記参考構成による実施形態を示し、(c)は、下側方向に熱放冷用フィンを延設すると共に、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠のうち、中間領域から熱放冷用フィンを横側方向に架設している前記参考構成による実施形態を示しており、(d)は、下側方向に熱放冷用フィンを延設すると共に、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠のうち、中間領域から熱放冷用フィンを横側方向に架設している前記基本構成による実施形態を示す。 特許文献3、及び同4における放冷用熱伝達器の改良技術構成を示す。 従来技術の構成を示す側面図である。 本発明の技術的趣旨を明らかにすることを目的とする冷媒収納用熱拡散枠と冷媒蒸気流動用熱拡散枠の上側及び冷媒蒸気流動用熱拡散枠の内側を形成する各領域にてx−y座標を設定したグラフであって、(a)は、前記参考構成の場合を説明しており、(b)は、前記基本構成の場合を説明している。 遮蔽板を設けた実施形態を示しており、(a)は、遮蔽板を配設した冷媒蒸気流動用熱拡散枠及びその下側に位置している冷媒収納用熱拡散枠の状態を示す上下方向側断面図であり、(b)は、遮蔽板を設けた冷媒蒸気流動用熱拡散枠の横方向断面図である。 熱放冷用フィンの横側方向の断面図を示しており、(a)は、凹凸面状を有する場合を示しており、(b)は、複数本のラインによって構成されており、かつ隣接し合うラインの上下方向の位置が交互に変化し、しかも当該上下方向の間に隙間を有している縞状の場合を示す。 加熱素子を挟持する空隙を形成する枠体を設けた実施形態を示す側面図であって、(a)は、枠体を横側方向に設けた実施形態を示しており、(b)は、枠体を上下方向に設けた実施形態を示す。 本発明の製造プロセスを示す斜視図であって、(a)は、図2(c)の実施形態による放冷用熱伝達器の製造プロセスを示す斜視図であり、(b)は、図2(d)の実施形態による放冷用熱伝達器の製造プロセスを示す斜視図である。 図9の製造プロセスにおいて、熱放冷用フィン用板状片が断面略六角形状の複数本のラインによって構成されており、かつ隣接し合うフィンの位置が交互に変化し、しかも隣接し合う相互の間に隙間を有している縞状を呈する実施例を示す。 図9(a)、(b)の製造プロセスにおいて、特に図6に示す遮蔽板を成形する場合の結合中間板の状態を示す斜視図であり、(a)は、横側方向の遮蔽板を成形する結合中間板を示しており、(b)は、横側方向と直交する方向の遮蔽板を成形する結合中間板を示す。
本発明は、前記参考構成及び基本構成によって構成されるが、前記参考構成の場合には、図1(a)、(b)に示すように、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から上側方向に延設された熱放冷用フィン3は、冷媒収納用熱拡散枠1から上側方向に延設された全熱放冷用フィン3と個別に接続している。
これに対し、前記基本構成の場合には、図1(c)に示すように、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から横側方向に延設された熱放冷用フィン3のうち、最も上側に位置している熱放冷用フィン3は、冷媒収納用熱拡散枠1から上側方向に延設された熱放冷用フィン3のうち、複数枚の熱放冷用フィン3と共通状態にて接続しており、その余の横方向に延設された熱放冷用フィン3は、上側方向に延設された上記複数枚以外の熱放冷用フィン3と個別に接続している。
前記参考構成及び基本構成においては、図1(a)、(c)、(d)に示すように、冷媒収納用熱拡散枠1において、両端若しくはその近傍から上側方向に冷媒蒸気流動用熱拡散枠2を連通状態にて延設するか(図1(a)の場合には、両端の近傍から延設する状態を示し、図1(c)、(d)の場合には、両端から延設する場合を示す。)、又は、図1(b)に示すように、両端若しくはその近傍及び中間位置から上側方向に冷媒蒸気流動拡散枠2を連通状態にて延設している(図1(b)においては、両端から上側方向に延設した実施形態を示す。)。
前記前記参考構成及び基本構成においても、図4に示す従来技術の場合のように、ヒートパイプ4と熱放冷用フィン3によるヒートシンクとの接合を伴わずとも、双方の機能を発揮することを可能としている。
特許文献3、及び同4に示す改良技術構成においては、図3に示すように、冷媒収納用熱拡散枠1から上側方向に延設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠2間にて熱放冷用フィン3を専ら当該上側方向と交差している横側方向に架設している。
これに対し、前記参考構成においては、冷媒収納用熱拡散枠1のうち、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2に挟まれた領域内にて、4枚以上の熱放冷用フィン3を上側方向に延設すると共に、上記挟んだ領域を形成している両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から当該上側方向と交差している横側方向に、両側からそれぞれ2枚以上の熱放冷用フィン3を延設し、かつ前記上側方向に延設した4枚以上の熱放冷用フィン3と接続している。
但し、横方向に熱放冷用フィン3を延設する領域は、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2の下端から当該両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2の間の内側幅に対し2/3以下の距離の範囲内にある。
熱放冷用フィン3を、図3に示すように、隣接し合う冷媒蒸気流動用熱拡散枠2間に架設するのではなく、図1(a)、(b)、(d)に示すように、冷媒収納用熱拡散枠1から延設すると共に、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2からも延設し、かつ双方の熱放冷用フィン3を個別に接続させるのは、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2に挟まれた領域内における熱放冷用フィン3における熱の平均流動距離が図3に示すような架設の場合よりも短く設定することが可能となることに由来している。
しかも、平均流動距離を短く設定することは、上記領域内における温度を更に高温化し、ひいては、ファンから発生された冷却用空気との温度ギャップを大きくし、高い熱効率が得られることを意味している。
前記参考構成の技術的特徴点を、具体的な計算に即して、以下のとおり明らかにする。
放熱する板状のフィンにおける熱伝導微分方程式は、内部における熱発生源が存在しない場合には、温度θ、及び時間t、及び長さ方向の距離xに即して、以下のような偏微分方程式によって表現することができる(例えば、関信弘編「伝熱工学」:平成14年12月20日森北出版株式会社発行の4頁)。
Figure 0006691651
(θ:周囲の環境温度、f:フィンの断面積、p:断面に沿った周囲の長さ、α:熱伝達率、λ:熱伝導率、h=λ/cρ:温度伝導率、
c:比熱、ρ:密度、λ:熱伝達率)
ここで、環境温度θを基準とし、上記偏微分方程式のθ―θを、θと設定した場合の定常熱伝導は∂θ/∂t=0であることから、
Figure 0006691651
但し、m=pα/λfである。
上記(1)式の一般解から、
Figure 0006691651
を得ることができる(但し、k、kは、境界条件によって特定される係数)。
図4に示す従来技術において、フィンの先端からの放熱量は、全放熱量に比べて極めて小さく、断熱状態と同視することができることから、フィンのベースの位置から先端までの距離をLとした場合には、
Figure 0006691651
という近似式が成立する。
フィンが板状のベースと接続している位置における温度がθ10の場合には、
Figure 0006691651
が成立する。
上記の各境界条件から(2)の一般解としては、
Figure 0006691651
を得ることができる。
上記θの平均値である(θ)については、
Figure 0006691651
を得ることができる。
これに対し、図3に示す特許文献3、及び同4が立脚している改良技術構成において、冷媒収納用熱拡散枠1及び各冷媒蒸気流動用熱拡散枠2の温度をθ20とし、かつ架設された熱放冷用フィン3の架設方向の長さをaとした場合には、
Figure 0006691651
を得ることができる。
上記各境界条件を前記(2)式に代入することによって
Figure 0006691651
を得ることができる。
したがって、長さをaとする熱放冷用フィン3の平均温度(θ)については、
Figure 0006691651
を得ることができる。
前記(3)式の平均温度と同(4)式の平均温度とを対比した場合、熱源の温度が同一である場合には、図4に示す従来技術のように、ヒートパイプ4とヒートシンクとの間に接着部材が介在し、かつ当該接着部材の熱抵抗によって温度降下が生じているのに対し、接着部材を採用していない図3に示す改良技術構成の場合には、温度降下が生じていないことから、θ20>θ10が成立する。
ここで、
Figure 0006691651
とした場合、
Figure 0006691651
を得ることができる。
Figure 0006691651
とした場合、
Figure 0006691651
が成立することから、
Figure 0006691651
が成立し、結局、x>0である場合には、上記f(x)はxが小さいほど大きな値となる。
したがって、前記(3)式のθ10及び前記(4)式のθ20以外の数式を対比した場合には、L>a/2であるならば、
Figure 0006691651
即ち、
Figure 0006691651
が成立する。
しかしながら、放冷用熱伝達器の設計において、常にL>a/2が成立する訳ではない。
したがって、図3に示す改良技術構成の場合には、a≒2Lのように前記領域範囲が横側方向に広いような設計の場合には、熱放冷用フィン3における温度降下においてさしたる相違が存在せず、必ずしも十分な冷却効果を得ることができない。
これに対し、前記参考構成の場合には、以下に示すように、熱放冷用フィン3における熱伝達の平均距離を更に小さく設計することができる。
図1(a)、(b)、(d)に示す前記参考構成に示すように、上側方向に延設された熱放冷用フィン3が全て横側方向に延設された熱放冷用フィン3と個別に接合している実施形態において、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2によって挟まれた領域における冷媒収納用熱拡散枠1の距離をaとし、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2において、熱拡散用フィンを横側方向に延設する領域の長さをbとした場合、図5(a)に示すように、冷媒収納用熱拡散枠1と冷媒蒸気流動用熱拡散枠2との内側交点を原点であるOとするx−y座標を設定し、かつ冷媒収納用熱拡散枠1から上側方向に熱放冷用フィン3を延設する原点からの距離をxとし、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から横側方向に熱放冷用フィン3を延設する位置の原点からの距離をyとした場合には、
Figure 0006691651
という直線方程式が成立する。
冷媒収納用熱拡散枠1において、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2に挟まれた領域の中間位置、即ち原点Oからx軸に沿ってa/2の距離にある位置をMとし、かつ冷媒収納用熱拡散枠1から上側方向に延設する熱放冷用フィン3の数をNとした場合には、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から横側方向に延設し、かつ上記上側方向に延設した各熱放冷用フィン3と接合する熱放冷用フィン3の数は、
Figure 0006691651
である(但し、[N/2]は、N/2の小数点以下の数値を切り捨てたことによる整数を表し、Nが偶数の場合にはN/2であり、Nが奇数の場合には(N−1)/2である。)。
したがって、原点Oから中間点Mに到るまでの領域についてi番目の横側方向に延設される熱放冷用フィン3の平均距離は、
Figure 0006691651
である。
これに対し、原点Oからi番目の上側方向に延設される熱放冷用フィン3の上側方向の平均距離は、上記直線方程式によって、
Figure 0006691651
である。
したがって、個別に接続し合っているi番目の熱放冷用フィン3の平均距離の合計は、
Figure 0006691651
である。
このような場合、原点Oから中間位置Mに到るまでの領域にある熱放冷用フィン3全体の平均合計距離は、
Figure 0006691651
である。
したがって、個別に接合している全体の熱放冷用フィン3の合計距離の平均値dとして、
Figure 0006691651
を得ることができる。
上記平均長さは、図5上の左側領域において算定したが、この点は、残余の右側領域においても全く同一である。
Nが偶数の場合には、
Figure 0006691651
であり、Nが奇数の場合には、
Figure 0006691651
であるが、N≧4であることを考慮した場合には、上記平均値dについては、
Figure 0006691651
が成立する。
前記(4)式の場合と同様に、距離の平均値がそれぞれdの場合の平均温度(θ)については、
Figure 0006691651
が成立する。
ここで、b=L、即ち両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2において、横側方向に熱放冷用フィン3を延設している領域幅を従来技術のフィンの高さ方向幅と同一に設定し、かつa/2=L、即ち図3の改良技術構成の場合には、熱放冷用フィン3の平均温度(θ)が、図4の従来技術の場合と同等であるであっても、前記(5)式において、温度降下の指標となるd/2については、
Figure 0006691651
が成立し、従来技術の熱放冷用フィン3の高さ方向幅Lよりも小さな状態が成立する。
即ち、上記の場合であっても、平均温度が従来技術の場合に比し、明らかに高いことが判明する。
しかも、図3に示す改良技術構成と対比しても、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2に挟まれた領域内における平均温度を高く設定するような設計が十分可能である。
因みに、例えば、図1(a)において、b=2a/3が成立することによって、横方向に熱放冷用フィン3を設ける領域幅が最大の場合であっても、
Figure 0006691651
が成立し、結局、前記(5)式による平均温度の方が、前記(4)式による平均温度よりも明らかに高い状態を実現することができる。
更に一般的に説明するに、前記参考構成においては、上記のように、b≦2a/3の関係にある。
したがって、温度降下の指標であるd/2とa/2との比率を算定した場合、
Figure 0006691651
が成立し、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2の上記領域幅bが2a/3より小さく、かつ上側方向に延設された熱放冷用フィン3の数Nが大きいほど、前記参考構成による平均距離d/2は、前記改良構成による平均距離a/2よりも小さいことから、上側方向に延設された熱放冷用フィン3と横側方向に延設された熱放冷用フィン3とが個別に接続し合っている領域における温度は、前記改良構成の場合よりも高いことが裏付けられる。
前記基本構成においても、上側方向に延設された熱放冷用フィン3と横側方向に延設された熱放冷用フィン3とが個別に又は複数枚が共通状態にて接続し合っている領域における温度が、前記改良構成の場合よりも高いことを以下のとおり明らかにする。
図5(b)において、原点Oから中間位置Mに到るまでの領域において上側方向に延設された熱放冷用フィン3のうち、横側方向に延設されている熱放冷用フィンと相互に接続している数をN´とした場合には、その余の[N/2]−N´枚の熱放冷用フィン3は、横側方向に延設された熱放冷用フィン3のうち、最も上側に位置している熱放冷用フィン3と個別ではなく共通状態にて接続していることに帰する。
このような場合、個別に接続し合っている熱放冷用フィン3及び共通状態にて接続し合っている熱放冷用フィン3の合計距離の平均値dは、図5(a)に示す場合と同様の計算によって、
Figure 0006691651
が成立する。
上記dの一般式の分子のうち、第2項及び第3項は、それぞれ共通状態にて接続し合っている上側方向に延設された熱放冷用フィン3、及び横側方向に延設され、かつ最も頂部に位置している熱放冷用フィン3のうち、上記のように共通状態にて接続し合っている領域の距離を示すが、第3項については、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から第2項の上側方向に延設されている各熱放冷用フィン3との間にて、熱拡散経路を形成している以上、上記第3項においては、
Figure 0006691651
ではなく、
Figure 0006691651
と変容されねばならない。
したがって、図5(b)の原点Oから中間位置Mに到る領域の熱放冷用フィン3における熱拡散経路の平均長さをd´とした場合には、
Figure 0006691651
が成立する。
したがって、前記基本構成の場合と同様に、温度降下の指標となるd´/2とa/2とを対比し、(d´/2)÷(a/2)を算定した場合には、
Figure 0006691651
が成立する。
Figure 0006691651

であることから、
Figure 0006691651
が成立する。
横側方向に延設された熱放冷用フィン3の数N´は、上側方向に延設された熱放冷用フィン3の数の1/2の数における整数の数の0.8倍による整数以上の数であることから、
Figure 0006691651
が成立し、
Figure 0006691651
が成立する。
前記参考構成においては、Nは6以上であることから、[N/2]≧3が成立し、結局、
Figure 0006691651
が成立する。
即ち、前記基本構成においても、前記参考構成の場合と同様に、温度降下の指標となるd´/2が改良構成の指標となるa/2よりも小さく、熱放冷用フィン3が個別に又は共通状態にて接続している領域の平均温度を改良構成の場合よりも高く設定することができる。
前記参考構成及び基本構成においては、たとえ、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2に挟まれた領域において、水平方向幅aに比し、高さ方向幅の方が圧倒的に大きい場合であっても、図1(d)に示すように、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2のうち、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2のうち、下端から両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2間の内側幅を超える領域にて、熱放冷用フィン3を冷媒収納用熱拡散枠1から上側方向に延設された熱放冷用フィン3と接続しない状態にて架設していることを特徴とする実施形態を採用した場合には、当該架設した領域においては、熱放冷用フィン3の平均温度は図3に示す改良技術構成の場合と同一であり、その下側において前記参考構成及び基本構成が成立する領域にて、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2に挟まれた領域幅aを、横側方向に熱放冷用フィン3を延設する領域幅bに対し、2/3倍以上となるような寸法幅を選択することによって、改良技術構成の場合よりも高い温度領域を設定することが可能となる。
前記参考構成及び基本構成においては、図2(a)に示すように、両端若しくはその近傍から延設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠2の頂部にて、上側方向と交差している横側方向に冷媒蒸気流動用熱拡散枠2を架設していることを特徴とする実施形態を採用することができる(尚、図2(a)は、前記参考構成の場合を示す。)。
尚、図2(a)に示すように、横側方向に架設した冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から上側方向に複数枚の熱放冷用フィン3を延設することを特徴とする実施形態を採用した場合には、熱放冷用フィン3の冷却効果を更に増大することができる。
上記実施形態において、図2(b)に示すように、冷媒収納用熱拡散枠1の中間位置から冷媒蒸気流動用熱拡散枠2が上側方向に延設されている場合には、当然、前記のように上側方向と交差する横側方向に架設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠2と連通状態にて接続することになる(同様に、図2(b)もまた、前記参考構成の場合を示す。)。
このような頂部において横側方向に熱拡散枠を設置した場合には、図2(c)に示すように、上側方向と交差する横側方向に架設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠2のうち、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2によって挟まれた領域にて下側方向に4枚以上の熱放冷用フィン3を延設すると共に、上記挟んだ領域を形成している両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2のうち、上端から両側の冷媒蒸気流動用拡散枠2間の内側幅に対し2/3以下の距離にある領域から当該下側方向と交差している横側方向に熱放冷用フィン3を、それぞれ2枚以上延設し、かつ下側方向に延設された4枚以上の全熱放冷用フィン3と個別に接続するという前記参考構成の上側方向を下側方向に逆転したことによる実施形態、又は図2(d)に示すように、上側方向と交差する横側方向に架設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠2のうち、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2によって挟まれた領域にて下側方向に6枚以上の熱放冷用フィン3を延設すると共に、上記挟んだ領域を形成している両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2のうち、上端から両側の冷媒蒸気流動用拡散枠2間の内側幅に対し2/3以下の距離にある領域から当該下側方向と交差している横側方向に熱放冷用フィン3を、下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン3の1/2の数における整数の0.8倍以上の整数による数だけそれぞれ延設し、かつ最も下側に位置している熱放冷用フィン3を下側方向に延設された複数枚の熱放冷用フィン3と共通状態にて接続し、その余の熱放冷用フィン3を下側に延設された熱放冷用フィン3と個別に接続するという前記基本構成の上側方向の延設を下側方向に逆転したことによる実施形態を採用する場合が多い。
尚、図2(c)、(d)の各実施形態は、何れも上側方向に下側方向から延設された熱放冷用フィン3と横側方向に延設された熱放冷用フィン3とがそれぞれ接続している下側領域及び上側領域の中間領域において、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から熱放冷用フィン3を上側方向及び下側方向に延設された熱放冷用フィン3と接続しない状態にて横側方向に架設した実施形態を示す。
このように、下側方向に延設された熱放冷用フィン3と横側方向に延設された熱放冷用フィン3との接続によって、上記実施形態の場合には、熱放冷用フィン3の熱伝達に必要な平均距離を図3に示す改良技術構成の場合に比し更に短い距離とすることができ、本発明の基本的特徴点を単に冷媒収納用熱拡散枠1が存在する下側領域だけでなく、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2が架設された上側の領域においても実現することが可能となる。
上記各実施形態の場合には、熱放冷用フィン3を放冷用熱伝達器の内側領域にて横側方向及び上下方向に延設しているが、本発明は外側方向に延設することも当然可能である。
即ち、例えば、図1(d)に示すように、両端における冷媒収納用熱拡散枠1から放冷用熱伝達器の外側に、熱放冷用フィン3を更に延設すること、及び図2(a)に示すように、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から横側方向に架設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から上側方向に複数枚の熱放冷用フィン3を更に延設することの何れか一方又は双方を採用する実施形態もまた採用することができる。
これらの実施形態の場合には、放冷用熱伝達器の外側領域に熱を放散することによって、冷却効果を更に一層向上させることができる。
本発明の放冷用熱伝達器は、コンピュータ機器及び車両における加熱素子の冷却のために採用される場合が多いが、車両が坂道を通行する場合には、必然的に放冷用熱伝達器は車両と共に傾斜状態とならざるを得ない。
このような傾斜状態に到った場合には、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2の下側傾斜面側の領域に多量の冷媒が貯留し、上側の傾斜面側には少量の冷媒が貯留することになるが、その結果、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2による一様な冷却に支障が生ずることになる。
これに対し、図6(a)、(b)に示すように、上側方向に延設されている冷媒蒸気流動用熱拡散枠2において、上下方向の中間位置から下側領域にて、冷媒の移行を遮蔽する遮蔽板21を横側方向及び当該横側方向と直交する方向にそれぞれ1枚又は複数枚配設していることを特徴とする実施形態の場合には、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2においては、図6(b)に示すように、遮蔽板21の区分領域が横側方向及び当該横側方向と直交する方向に形成され、各区分領域に冷媒の溶液が貯留するため、前記のような弊害を防止することができる。
図1、及び図2においては、平板状の熱放冷用フィン3を採用しているが、熱放冷用フィン3は平板状に限定される訳ではない。
即ち、図7(a)に示すように、凹凸面状、及び図7(b)に示すように、複数本のラインによって構成されており、かつ隣接し合うラインの上下方向の位置が交互に変化し、しかも当該上下方向の間に隙間を有している縞状による実施形態を採用することも可能である。
これらの実施形態においては、ファンから伝達される空冷用のエアが熱放冷用フィン3と衝突し、乱流を呈することによって、効率的な冷却を実現することができる。
本発明においては、図3に示す改良技術構成の構成、及び図4に示す従来技術のように、加熱素子6を冷媒収納用熱拡散枠1の下側に固着する実施形態だけでなく、図8(a)、(b)に示すように、冷媒収納用熱拡散枠1の下側に、上下方向又は横側方向に1個又は複数個の加熱素子6を挟持し得る空隙を形成している板状枠体7を設けたことを特徴とする実施形態をも採用することができる。
上記実施形態の場合には、複数の加熱素子6の熱を1個の放冷用熱伝達器に伝達することによって、設計空間を有効に利用することができる。
しかも、図9(a)、(b)に示すように、加熱素子6を挟持する板枠7が、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2を形成し、かつ上側の冷媒収納用熱拡散枠1と連通している場合には、加熱素子6を挟持している領域から既に冷却を実現していることに帰し、効率的な冷却を一層助長することができる。
本発明の熱放冷用フィン3においては、通常、厚み幅を0.05〜1.5mmの範囲に設定しており、フィン同士の間隔については0.05〜3.0mmに設定し、かつ奥行き方向幅を3.0〜50mmに設定する場合が多い。
上側方向に延設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠2同士の距離としては、15〜70mmとし、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2の高さ方向幅を40〜100mmとし、かつ奥行き方向幅を10〜50mmに設定する場合が多い。
上記厚み幅が大きいほど、上記間隔による熱放冷用空間が大きいことを必要とすることから、上記厚み幅と上記間隔とは概略比例関係となる傾向にある。
放冷用熱伝達器に使用する冷媒蒸気の典型例は水であるが、放冷用熱伝達器の素材として良好な熱伝導性を有するアルミニウム(Al)を採用した場合には、水素(H)の発生を伴う酸化反応による浸蝕を免れることができない。
このため、冷媒として水を採用する場合には、放冷用熱伝達器の素材としては銅(Cu)の採用を余儀なくされるが、銅はアルミニウムに比べて極めて高価であり、かつ高重量である。
これに対し、冷媒として水を選択し、冷媒収納用熱拡散枠1、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2、熱放冷用フィン3、板状体30、遮蔽板21の素材としてアルミニウム(Al)を選択し、かつ水又は水蒸気と接触する表面にニッケル(Ni)の塗膜又は銅(Cu)塗膜を形成していることを特徴とする実施形態を採用した場合には、アルミニウムを主たる素材としながら、銅のみを素材とする場合、又は銅を主たる素材とする場合よりも極めてコストが低く、かつ軽量な放冷用熱伝達器を実現することが可能となる。
以下、実施例に即して説明する。
実施例1は、前記参考構成及び基本構成において、図1(a)、(b)、(c)、(d)、及び図2(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、冷媒収納用熱拡散枠1から延設した熱放冷用フィン3と、冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から延設した熱放冷用フィン3とを、板状体30を介して接続していることを特徴としている。
このような板状体30による接合部を採用することによって、実施例1においては、熱放冷用フィン3の接合を堅固な状態とする一方、接合部自体に銅、アルミ等の導電性金属を採用することによって、熱放冷用フィン3としての機能を発揮させることができる。
尚、図2(c)、(d)に示すように、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2から横側方向に架設した熱放冷用フィン3との間に、板状体を介在させていることを特徴とする実施形態もまた採用可能である。
実施例2は、前記参考構成及び基本構成において、図1(d)に示すように、冷媒収納用熱拡散枠1の両端若しくはその近傍から上側方向に延設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠2が、上下方向中間位置にて更に両側に突出した湾曲状態を呈していることを特徴としている(尚、図1(d)は、前記参考構成の構成を図示しているが、図1(c)に示す前記基本構成の場合においても、同様の湾曲状態を採用することは当然可能である。)。
実施例2の場合には、ファンによる冷却空気を送風する領域面積を大きく設定し得る点において、技術上のメリットが存在する。
図2(c)、及び図2(d)に示す実施形態においては、下側の冷媒収納用熱拡散枠1及び両側及び上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2が、外側においては、熱放冷用フィン3に延設し、かつ相互に接続させている一方、内側においては、それぞれ冷媒収納に必要な空洞部分及び冷媒蒸気流動に必要な空洞部分を形成することを不可欠とするため、一挙に金型成型を行うことができない。
然るに、図9(a)に示す実施例3の1は、以下のような製造工程を採用することによって、図2(c)の示す実施形態による放冷用熱伝達器の製造を可能としている。
(1)下側の冷媒収納用熱拡散枠1用の表面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の表面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の表面板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各表面板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用表面板、及び前記下側の表面板から上側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上側の表面板から下側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上下方向の各表面板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された熱放冷用フィン3用板状片と個別に接続し合う2枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の表面板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン3用板状片、によって構成される1枚の結合表面板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程(図9(a)の(1))、
(2)下側の冷媒収納用熱拡散枠1用の内側中間板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の内側中間板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の内側中間板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各内側中間板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用内側中間板、及び前記下側の内側中間板から上側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上側の内側中間板から下側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上下方向の各内側中間板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された熱放冷用フィン3用板状片と個別に接続し合う2枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、更には前記各内側中間板の外側にて当該内側中間板と複数箇所によって接続され、かつ冷媒収納用及び冷媒蒸気流動用の空洞を形成するための外側中間板、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の内側中間板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン3用板状片、によって構成される複数枚の結合中間板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程(図9(a)の(2))、
(3)下側の冷媒収納用熱拡散枠1用の裏面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の裏面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の裏面板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各裏面板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用裏面板、及び前記下側の裏面板から上側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上側の裏面板から下側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上下方向の各裏面板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された熱放冷用フィン3用板状片と個別に接続し合う2枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の裏面板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン3用板状片、によって構成される1枚の結合裏面板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程(図9(a)の(3))、
(4)前記(1)の1枚の結合表面板、前記(2)の複数枚の結合中間板、前記(3)の1枚の結合裏面板を順次積層し、かつビスによる締め付け又は接合部における溶融成分の拡散を伴う溶着によって相互に固着する工程(図9(a)の(4))。
前記(2)のプロセスにおいては、前記各空洞部分の形成と熱放冷用フィン3の延設状態とを順次実現していることから、当該プロセスによって形成された複数枚の結合中間板と前記(1)の結合表面板及び前記(3)の結合裏面板とを、前記(4)のプロセスによる積層及び結合によって、図2(c)に示す実施形態による放冷用熱伝達器の製造を実現している。
同様に、図9(b)に示す実施例3の2は、以下のような製造工程を採用することによって、図2(d)の示す実施形態による放冷用熱伝達器の製造を可能としている。
(1)下側の冷媒収納用熱拡散枠1用の表面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の表面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の表面板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各表面板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用表面板、及び前記下側の表面板から上側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上側の表面板から下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上下方向の各表面板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン3用板状片の数の1/2の数における整数の0.8倍以上の整数による数だけ延設され、かつそのうち最も上側又は下側に位置し、しかも上側方向又は下側方向に延設された複数枚の熱放冷用フィン3用板状片と共通状態にて接続している2枚の熱放冷用フィン3用板状片、及びその上側方向又は下側方向に延設された上記複数枚以外の熱放冷用フィン3用板状片と個別に接続し合うその余の熱放冷用フィン3用板状片、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の表面板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン3用板状片、によって構成される1枚の結合表面板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程(図9(b)の(1))、
(2)下側の冷媒収納用熱拡散枠1用の内側中間板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の内側中間板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の内側中間板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各内側中間板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用内側中間板、及び前記下側の内側中間板から上側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上側の内側中間板から下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上下方向の各内側中間板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン3用板状片の数の1/2の数における整数の0.8倍以上の整数による数だけ延設され、かつそのうち最も上側又は下側に位置し、しかも上側方向又は下側方向に延設された複数枚の熱放冷用フィン3用板状片と共通状態にて接続している2枚の熱放冷用フィン3用板状片、及びその上側方向又は下側方向に延設された上記複数枚以外の熱放冷用フィン3用板状片と個別に接続し合うその余の熱放冷用フィン3用板状片、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の内側中間板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン3用板状片によって構成される複数枚の結合中間板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程(図9(b)の(2))、
(3)下側の冷媒収納用熱拡散枠1用の裏面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の裏面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の裏面板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各裏面板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用裏面板、及び前記下側の裏面板から上側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上側の裏面板から下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン3用板状片、前記上下方向の各裏面板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン3用板状片の数の1/2の数における整数の0.8倍以上の整数による数だけ延設され、かつそのうち最も上側又は下側に位置し、しかも上側方向又は下側方向に延設された複数枚の熱放冷用フィン3用板状片と共通状態にて接続している2枚の熱放冷用フィン3用板状片、及びその上側方向又は下側方向に延設された上記複数枚以外の熱放冷用フィン3用板状片と個別に接続し合うその余の熱放冷用フィン3用板状片、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠2用の裏面板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン3用板状片、によって構成される1枚の結合裏面板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程(図9(b)の(3))、
(4)前記(1)の1枚の結合表面板のうち、冷媒収納用熱拡散用の表面板及び上側並びに上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散用表面板、前記(2)の複数枚の結合中間板のうち、冷媒収納用熱拡散用の内側中間板及び上側並びに上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散用内側中間板、前記(3)の1枚の結合裏面板のうち、冷媒収納用熱拡散用の裏面板及び上側並びに上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散用裏面板を順次積層し、かつビスによる締め付け又は接合部における溶融成分の拡散を伴う溶着によって相互に固着する工程(図9(b)の(4))。
実施例3の1及び同3の2において、熱放冷用フィン3については、各表面板、内側中間板、並びに外側中間板、裏面板同士の場合と同様に、単純な積層構成に限定される訳ではない。
即ち、図9に示すように、熱放冷用フィン3用板状片が断面略六角形状の複数本のラインによって構成されており、かつ隣接し合うフィンの位置が交互に変化し、しかも隣接し合う相互の間に隙間を有している縞状を呈する実施例を採用した場合には、前記積層に際し、横側方向に延設された熱放冷用フィン3用板状片において、交互に上下方向の位置が変化するような隣接状態とし、かつ当該隣接している相互間に隙間が形成されている一方、上側方向及び下側方向に延設されている熱放冷用フィン3用の板状片につき、横側方向の位置が交互に変化するような隣接状態とし、当該隣接状態において相互間に隙間を形成することができる。
このような図9に示す実施例の場合には、隣接し合う熱放冷用フィン3の表面が局所的に平行状態を呈し、空冷用のエアが当該隙間を流動し、かつ流動方向が順次規則的に変化する乱流を生成することができる。
図6に示すような遮蔽板21を横側方向及び横側方向と直交する方向に設置する場合には、図9(a)、(b)の各(2)の工程において製造する結合中間板につき、横側方向の遮蔽板21を成形する場合には、図11(a)に示すように、内側中間板と外側中間板とを遮蔽板21によって接合し、横側方向と直交する方向の遮蔽板21を成形する場合には、図11(b)に示すように、冷媒収納用熱拡散枠1側から、遮蔽板21用の細長片を延設すると良い。
尚、図11(b)においては、横側方向と直交する方向の遮蔽板21用の細長片は、冷媒収納用熱拡散枠1に接続し、かつ冷媒収納用熱拡散枠1から延設されているが、遮蔽板21の一部が冷媒蒸気流動用熱拡散枠2の下側領域だけでなく、冷媒収納用熱拡散枠1内にも配設されるような実施形態もまた本来採用することができる。
但し、上記実施形態の場合には、横側方向と直交する方向の遮蔽板21については、冷媒収納用熱拡散枠1内の領域にて、冷媒が通過する孔を設けることによって、冷媒収容用熱拡散枠1の端部に到るまで冷媒が収納され得るような設計を採用するとよい。
本発明は、自動車、コンピュータなどの加熱素子が多数存在している装置において効率的な空冷を実現することができ、その利用価値は絶大である。
1 冷媒収納用熱拡散枠
14 受熱ヘッダ
16 伝熱パイプ
2 冷媒蒸気流動用熱拡散枠
20 冷媒注入口
21 遮蔽板
3 熱放冷用フィン
30 板状体
4 ヒートパイプ
5 基板
6 加熱素子
7 板枠

Claims (22)

  1. 加熱素子から熱の伝達を受け、かつ真空状態にて冷媒を収納する冷媒収納用熱拡散枠の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍とその中間位置から上側方向に、下側領域にて冷媒が貯留し、かつその上側領域にて真空状態にて冷媒が流動する冷媒蒸気流動用熱拡散枠を連通状態にて延設し、冷媒収納用熱拡散枠のうち、両側に位置している冷媒蒸気流動用熱拡散枠に挟まれた領域内にて、6枚以上の熱放冷用フィンを上側方向に延設すると共に、上記挟んだ領域を形成している両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠のうち、下端から両側の冷媒蒸気流動用拡散枠間の内側幅に対し2/3以下の距離にある領域から当該上側方向と交差している横側方向に熱放冷用フィンを、上側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィンの数の1/2の数における整数の0.8倍以上の整数による数だけ延設し、かつそのうち最も上側に位置している熱放冷用フィンを上側方向に延設された複数枚の熱放冷用フィンと共通状態にて接続し、その余の熱放冷用フィンを上側方向に延設された上記複数枚以外の熱放冷用フィンと個別に接続している放冷用熱伝達器。
  2. 冷媒収納用熱拡散枠から上側方向に延設した熱放冷用フィンと、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠から横側方向に延設した熱放冷用フィンとを、板状体を介して接続していることを特徴とする請求項1に記載の放冷用熱伝達器。
  3. 熱放冷用フィンが平板状、若しくは凹凸面状、又は横側方向と直交する方向の奥行き方向に沿った複数本のラインによって構成されており、かつ隣接し合うラインの上下方向の位置が交互に変化し、しかも隣接し合う相互の間に隙間を有している縞状の何れかであることを特徴とする請求項1、2の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  4. 両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠のうち、下端から両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠間の内側幅を超える領域にて、熱放冷用フィンを冷媒収納用熱拡散枠から上側方向に延設された熱放冷用フィンと接続しない状態にて架設していることを特徴とする請求項1、2、3の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  5. 両端若しくはその近傍から延設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠の頂部にて、上側方向と交差している横側方向に、真空状態にて冷媒が流動する冷媒蒸気流動用熱拡散枠を架設していることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  6. 冷媒収納用熱拡散枠の中間位置から上側方向に延設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠が上側方向と交差する横側方向に架設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠と連通状態にて接続していることを特徴とする請求項記載の放冷用熱伝達器。
  7. 上側方向と交差する横側方向に架設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠のうち、冷媒蒸気流動用熱拡散枠によって挟まれた領域にて下側方向に4枚以上の熱放冷用フィンを延設すると共に、上記挟んだ領域を形成している両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠のうち、上端から両側の冷媒蒸気流動用拡散枠間の内側幅に対し2/3以下の距離にある領域から当該下側方向と交差している横側方向に熱放冷用フィンを、それぞれ2枚以上延設し、かつ下側方向に延設された4枚以上の全熱放冷用フィンと個別に接続していることを特徴とする請求項5,6の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  8. 上側方向と交差する横側方向に架設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠のうち、冷媒蒸気流動用熱拡散枠によって挟まれた領域にて下側方向に6枚以上の熱放冷用フィンを延設すると共に、上記挟んだ領域を形成している両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠のうち、上端から両側の冷媒蒸気流動用拡散枠間の内側幅に対し2/3以下の距離にある領域から当該下側方向と交差している横側方向に熱放冷用フィンを、下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィンの1/2の数における整数の0.8倍以上の整数による数だけそれぞれ延設し、かつ最も下側に位置している熱放冷用フィンを下側方向に延設された複数枚の熱放冷用フィンと共通状態にて接続し、その余の熱放冷用フィンを下側に延設された熱放冷用フィンと個別に接続していることを特徴とする請求項5,6の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  9. 上側方向に下側方向から延設された熱放冷用フィンと横側方向に延設された熱放冷用フィンとがそれぞれ接続している下側領域及び上側領域の中間領域において、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠から熱放冷用フィンを上側方向及び下側方向に延設された熱放冷用フィンと接続しない状態にて横側方向に架設していることを特徴とする請求項7,8の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  10. 冷媒収納用熱拡散枠から下側方向に延設した熱放冷用フィンと、冷媒蒸気流動用熱拡散枠から横側方向に延設した熱放冷用フィンとを、板状体を介して接続していることを特徴とする請求項6、7、8、9の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  11. 両端における冷媒収納用熱拡散枠から放冷用熱伝達器の外側方向に熱放冷用フィンを更に延設すること、及び両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠から横側方向に架設された冷媒の蒸気流動用熱拡散枠から上側方向に複数枚の熱放冷用フィンを更に延設することの何れか一方又は双方を採用していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  12. 上側方向に延設されている冷媒蒸気流動用熱拡散枠において、上下方向の中間位置から下側領域にて、冷媒の移行を遮蔽する遮蔽板を横側方向及び当該横側方向と直交する方向にそれぞれ1枚又は複数枚配設していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  13. 冷媒収納用熱拡散枠の両端若しくはその近傍から上側方向に延設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠が、上下方向中間位置にて更に両側に突出した湾曲状態を呈していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  14. フィンの厚み幅を0.05〜1.5mmとし、フィン同士の間隔を0.05〜3.0mmとし、奥行き幅を3〜50mmとすることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  15. 上側方向に延設された冷媒蒸気流動用熱拡散枠同士の間隔を15〜70mmとし、高さ幅を40〜100mmとし、奥行きを10〜50mmとすることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  16. 冷媒収納用熱拡散枠の下側に、上下方向又は横側方向に1個又は複数個の加熱素子を挟持し得る空隙を形成している板状枠体を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  17. 板状枠体が冷媒蒸気流動用熱拡散枠であって、かつ上側に位置している冷媒収納用熱拡散枠と連通していることを特徴とする請求項16記載の放冷用熱伝達器。
  18. 冷媒として水を選択し、冷媒収納用熱拡散枠、冷媒蒸気流動用熱拡散枠、熱放冷用フィン、板状体、遮蔽板の素材としてアルミニウム(Al)を採用し、かつ水又は水蒸気と接触する表面にニッケル(Ni)又は銅(Cu)の塗膜を形成していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器。
  19. 以下の順序に従った製造工程による請求項10記載の放冷用熱伝達器の製造方法。
    (1)下側の冷媒収納用熱拡散枠用の表面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の表面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の表面板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各表面板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用表面板、及び前記下側の表面板から上側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上側の表面板から下側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上下方向の各表面板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された熱放冷用フィン用板状片と個別に接続し合う2枚以上の熱放冷用フィン用板状片、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の表面板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン用板状片、によって構成される1枚の結合表面板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程、
    (2)下側の冷媒収納用熱拡散枠用の内側中間板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の内側中間板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の内側中間板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各内側中間板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用内側中間板、及び前記下側の内側中間板から上側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上側の内側中間板から下側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上下方向の各内側中間板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された熱放冷用フィン用板状片と個別に接続し合う2枚以上の熱放冷用フィン用板状片、更には前記各内側中間板の外側にて当該内側中間板と複数箇所によって接続され、かつ冷媒収納用及び冷媒蒸気流動用の空洞を形成するための外側中間板、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の内側中間板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン用板状片、によって構成される複数枚の結合中間板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程、
    (3)下側の冷媒収納用熱拡散枠用の裏面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の裏面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の裏面板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各裏面板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用裏面板、及び前記下側の裏面板から上側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上側の裏面板から下側方向に延設された4枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上下方向の各裏面板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された熱放冷用フィン用板状片と個別に接続し合う2枚以上の熱放冷用フィン用板状片、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の裏面板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン用板状片、によって構成される1枚の結合裏面板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程、
    (4)前記(1)の1枚の結合表面板、前記(2)の複数枚の結合中間板、前記(3)の1枚の結合裏面板を順次積層し、かつビスによる締め付け又は接合部における溶融成分の拡散を伴う溶着によって相互に固着する工程。
  20. 以下の順序に従った製造工程による請求項10記載の放冷用熱伝達器の製造方法。
    (1)下側の冷媒収納用熱拡散枠用の表面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の表面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の表面板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各表面板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用表面板、及び前記下側の表面板から上側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上側の表面板から下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上下方向の各表面板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン用板状片の数の1/2の数における整数の0.8倍以上の整数による数だけ延設され、かつそのうち最も上側又は下側に位置し、しかも上側方向又は下側方向に延設された複数枚の熱放冷用フィン用板状片と共通状態にて接続している2枚の熱放冷用フィン用板状片、及びその上側方向又は下側方向に延設された上記複数枚以外の熱放冷用フィン用板状片と個別に接続し合うその余の熱放冷用フィン用板状片、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の表面板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン用板状片、によって構成される1枚の結合表面板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程、
    (2)下側の冷媒収納用熱拡散枠用の内側中間板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の内側中間板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の内側中間板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各内側中間板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用内側中間板、及び前記下側の内側中間板から上側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上側の内側中間板から下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上下方向の各内側中間板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン用板状片の数の1/2の数における整数の0.8倍以上の整数による数だけ延設され、かつそのうち最も上側又は下側に位置し、しかも上側方向又は下側方向に延設された複数枚の熱放冷用フィン用板状片と共通状態にて接続している2枚の熱放冷用フィン用板状片、及びその上側方向又は下側方向に延設された上記複数枚以外の熱放冷用フィン用板状片と個別に接続し合うその余の熱放冷用フィン用板状片、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の内側中間板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン用板状片によって構成される複数枚の結合中間板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程、
    (3)下側の冷媒収納用熱拡散枠用の裏面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の裏面板、上側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の裏面板の両端若しくはその近傍又は当該両端若しくはその近傍との中間位置にて、上記各裏面板を接続する上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用裏面板、及び前記下側の裏面板から上側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上側の裏面板から下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン用板状片、前記上下方向の各裏面板から横側方向に延設され、かつ上側方向及び下側方向に延設された6枚以上の熱放冷用フィン用板状片の数の1/2の数における整数の0.8倍以上の整数による数だけ延設され、かつそのうち最も上側又は下側に位置し、しかも上側方向又は下側方向に延設された複数枚の熱放冷用フィン用板状片と共通状態にて接続している2枚の熱放冷用フィン用板状片、及びその上側方向又は下側方向に延設された上記複数枚以外の熱放冷用フィン用板状片と個別に接続し合うその余の熱放冷用フィン用板状片、両側の冷媒蒸気流動用熱拡散枠用の裏面板の下側領域及び上側領域の中間領域において横側方向に架設された熱放冷用フィン用板状片、によって構成される1枚の結合裏面板を、金型、又は打ち抜きプレス、又はエッチングにて成形する工程、
    (4)前記(1)の1枚の結合表面板のうち、冷媒収納用熱拡散用の表面板及び上側並びに上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散用表面板、前記(2)の複数枚の結合中間板のうち、冷媒収納用熱拡散用の内側中間板及び上側並びに上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散用内側中間板、前記(3)の1枚の結合裏面板のうち、冷媒収納用熱拡散用の裏面板及び上側並びに上下方向の冷媒蒸気流動用熱拡散用裏面板を順次積層し、かつビスによる締め付け又は接合部における溶融成分の拡散を伴う溶着によって相互に固着する工程。
  21. 前記積層に際し、横側方向に延設された熱放冷用フィン用板状片において、交互に上下方向の位置が変化するような隣接状態とし、かつ当該隣接している相互間に隙間が形成されている一方、上側方向及び下側方向に延設されている熱放冷用フィン用板状片につき、横側方向の位置が交互に変化するような隣接状態とし、当該隣接状態において相互間に隙間を形成していることを特徴とする請求項19、20の何れか一項に記載の放冷用熱伝達器の製造方法。
  22. 板状片の断面形状が六角形状であることを特徴する請求項21記載の放冷用熱伝達器の製造方法。
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