JP6660615B2 - 見守り装置及び見守りシステム - Google Patents

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Description

本発明は、被介護者の身体状態を検知する見守り装置及び見守りシステムに関し、特に、電波センサを用いた見守り装置等に関する。
従来、被介護者の身体状態を検知する見守り装置として、電波センサを用いて、ベッド上にいる被介護者の身体状態を検知する見守り装置が提案されている(特許文献1、2参照)。
特許文献1では、被介護者にマイクロ波を出射し、ドップラーシフトした反射波から被介護者の呼吸及び体動を検出し、所定時間内の体動数及び呼吸数から被介護者の安否を確認している。
また、特許文献2では、上記特許文献1の手法に加えて、反射波を生じる対象物との距離を判定する距離判定手段を設け、これによって、遠くの物体の動きも検知している。
特開2012−75861号公報 特開2013−97670号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、ドップラー信号によって検知できる動きにはベッドの周辺における被介護者の動きだけでなく、例えば扇風機の首振り運動や、ブラインドが風でゆれる事象等の動き(つまり、ノイズとなる動き)も含まれてしまう。そのために、誤検知が発生するという問題がある。
また、上記特許文献2の技術では、距離判定手段を用いることで遠くの動きも検知されるものの、送信波の出射角度や対象物の反射率に依存する反射波の信号強度を用いて距離を判断しているために、やはり誤検知が発生するという問題がある。
そこで、本発明は、誤検知を抑制したうえで、被介護者の身体状態を検知できる見守り装置及び見守りシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る見守り装置は、被介護者の身体状態を検知する見守り装置であって、電磁波による送信波を出射し、前記送信波が対象物で反射することで得られる反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とを合成することでドップラー信号を生成する電波センサと、前記電波センサで生成されたドップラー信号に基づいて、前記被介護者の身体状態を判定する信号処理部とを備え、前記信号処理部は、前記ドップラー信号の周波数又は位相を用いて前記電波センサと前記対象物との距離を算出し、算出した距離が所定値以下の場合に、前記対象物が監視対象となる被介護者であるとみなして前記ドップラー信号を用いて前記被介護者の身体状態を判定する。
このとき、前記電波センサは、周波数が異なる第1送信波及び第2送信波を時分割で出射し、前記第1送信波に対応する第1反射波及び前記第2送信波に対応する第2反射波を受信し、前記第1送信波と前記第1反射波とを合成することで第1ドップラー信号を生成し、前記第2送信波と前記第2反射波とを合成することで第2ドップラー信号を生成し、前記信号処理部は、前記電波センサで生成された前記第1ドップラー信号及び前記第2ドップラー信号の位相差を算出し、算出した位相差から前記距離を算出し、前記第1ドップラー信号及び前記第2ドップラー信号の少なくとも一方を用いて前記被介護者の身体状態を判定し、前記第1ドップラー信号及び前記第2ドップラー信号の一方の振幅が予め定めた閾値よりも小さい場合に、前記第1ドップラー信号及び前記第2ドップラー信号の他方を用いて前記被介護者の身体状態を判定する。
また、上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る見守りシステムは、複数の被介護者のそれぞれに設けられた、複数の上記見守り装置と、前記複数の見守り装置から、前記複数の見守り装置のそれぞれで判定された被介護者の身体状態に関する情報を収集する監視装置とを備える。
本発明により、誤検知を抑制したうえで、被介護者の身体状態を検知できる見守り装置及び見守りシステムが提供される。
実施の形態における見守りシステムの構成図 図1に示される見守り装置の構成を示すブロック図 2周波CW方式を用いた距離計測と身体状態の判定における信号処理を説明するためのタイミングチャート ドップラー信号の波形例を示すタイミングチャート 実施の形態における見守りシステムの動作を示すフローチャート FMCW方式を用いた距離計測における送信波の周波数変化を示すタイミングチャート 実施の形態の変形例に係る見守り装置の構成図
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示す。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
図1は、実施の形態における見守りシステム10の構成図である。見守りシステム10は、複数のベッド20a〜20c上にいる複数の被介護者21a〜21cの身体状態を監視するシステムである。見守りシステム10は、図示されるように、通信路25で接続された、複数の被介護者21a〜21cのそれぞれに設けられた複数の見守り装置22a〜22cと、監視装置27とを備える。
複数の見守り装置22a〜22cは、それぞれ、被介護者21a〜21cの身体状態を判定し、身体状態に関する情報を監視装置27に送信する装置である。見守り装置22a〜22cのそれぞれは、例えば、ベッド20a〜20cのボトム(例えば、ボトムとマットレスとの間等)のうち、寝ている被介護者21a〜21cの胸に近い位置に設置される。
通信路25は、有線又は無線の伝送路であり、例えば、ハブ又はルーターを含むLANである。
監視装置27は、複数の見守り装置22a〜22cから、定期的又は非定期的に、複数の見守り装置22a〜22cのそれぞれで判定された被介護者の身体状態に関する情報を収集する装置であり、例えば、パーソナルコンピュータで構成される。監視装置27は、収集した情報、及び、収集した情報に対して統計処理等の処理を施して得られる情報を、画面に表示したり、それらの情報が示す値が予め設定された範囲を超えるか否かを監視し、超えた場合に、所定装置に通知したりする。
図2は、図1に示される見守り装置22a〜22cの構成を示すブロック図である。見守り装置22a〜22cは、いずれも同じ構成を備えるので、ここでは、一台分の構成が図示されている。見守り装置22a〜22cのそれぞれは、電波センサ30と、信号処理部40とを備える。
電波センサ30は、電磁波による送信波を出射し、送信波が対象物で反射することで得られる反射波を受信し、送信波と反射波とを合成することでドップラー信号を生成する電波センサである。なお、対象物とは、電波センサ30による検知の対象となるものであり、物品だけでなく、被介護者等の人も含まれる。また、ドップラー信号とは、送信波と反射波とを合成して得られるビート信号であり、より特定的には、ビート信号に含まれるドップラーシフトの周波数成分を示す信号である。
電波センサ30は、発振部31、結合器32、送信アンテナ33、受信アンテナ34、ミキサ35、I/Q検波器36及びフィルタ37を備える。発振部31は、送信波となる周波数をもつ信号を発振する発振器であり、例えば、周波数制御器及び周波数制御器によって制御された周波数の信号を発振するVCO(Voltage Controlled Oscillator)等で構成される。結合器32は、発振部31から出力された信号を送信アンテナ33とミキサ35とに出力する方向性結合器である。送信アンテナ33は、結合器32から送られてきた信号を、送信波として対象物(ここでは、被介護者の胸)に向けて出射する。受信アンテナ34は、送信波が対象物で反射することで得られる反射波(つまり、送信波の周波数が対象物の動きに応じてドップラーシフトした電磁波)を受信する。ミキサ35は、結合器32から送られてきた信号(送信波)と受信アンテナ34で受信された受信波とを合成(つまり、混合)することでビート信号を生成する。I/Q検波器36は、ミキサ35で生成されたビート信号のI成分(同相成分)及びQ成分(直交位相成分)を抽出し、それぞれ、I信号及びQ信号として出力する。フィルタ37は、I/Q検波器36から出力されたI信号及びQ信号のうち、ドップラーシフトに対応する周波数成分を通過させ、ドップラー信号(ドップラー信号のI成分及びQ成分)として、信号処理部40に出力する。
信号処理部40は、電波センサ30で生成されたドップラー信号に基づいて、被介護者の身体状態を判定する処理部である。より詳しくは、信号処理部40は、電波センサ30から出力されたドップラー信号の周波数又は位相を用いて、電波センサ30と対象物との距離を算出する。なお、距離の算出で用いられるドップラー信号としては、フィルタ37から出力された信号(ビート信号に対してフィルタ処理された信号)だけでなく、ミキサ35から出力された信号(ビート信号)であってもよい。そして、算出した距離が所定値以下の場合に、信号処理部40は、対象物が監視対象となる被介護者であるとみなして(つまり、判断して)、電波センサ30で生成されたドップラー信号を用いて、被介護者の身体状態を判定する。そのために、信号処理部40は、A/D変換器41、演算部42、記憶部43及び通信部44を備える。
A/D変換器41は、電波センサ30から出力されたドップラー信号のI成分及びQ成分のそれぞれをA/D変換する。なお、A/D変換器41に入力される信号は、フィルタ37から出力された信号に限られず、信号処理の種類に応じて、ミキサ35から出力される信号、又は、I/Q検波器36から出力される信号であってもよい。
記憶部43は、データを記憶する読み書き可能なメモリであり、例えば、揮発性又は不揮発性の半導体メモリである。
通信部44は、演算部42から送られてきたデータを、通信路25を介して監視装置27に送信する通信インタフェースであり、例えば、LAN用の通信ICである。
演算部42は、プログラムを格納したROM、RAM、プログラムを実行するCPU等で構成され、A/D変換器41で得られたドップラー信号(例えば、ドップラー信号のI成分及びQ成分を示すデジタルの時系列データ)を記憶部43に蓄積する。また、演算部42は、記憶部43に蓄積したドップラー信号を読み出し、読み出したドップラー信号の周波数又は位相を算出する。そして、演算部42は、算出した周波数又は位相を用いて、後述する演算式に従って演算をすることで、電波センサ30と対象物との距離を算出する。本実施の形態では、一例として、2周波CW(Continuous Wave)方式を用いて2つのドップラー信号の位相を算出し、それらの位相差から電波センサ30と対象物との距離を算出する。なお、2周波CW方式は、2つの周波数の連続波を交互に送信し、2つの周波数のそれぞれに対応する2つのビート信号の位相差から距離を求める方式である。さらに、演算部42は、算出した距離が所定値以下の場合に、対象物が監視対象となる被介護者であるとみなして、そのドップラー信号を用いて被介護者の身体状態を判定し、判定した身体状態を示す情報を、通信部44を介して監視装置27に送信する。
ここで、本実施の形態では、見守り装置22a〜22cは、2周波CW方式を用いて電波センサ30と対象物との距離を算出する機能を有するので、この機能について、詳細に説明する。
図3は、本実施の形態における見守り装置22a〜22cによる2周波CW方式を用いた距離計測と身体状態の判定における信号処理を説明するためのタイミングチャートである。図3の(a)は、電波センサ30から出射される送信波の周波数の時間変化を示し、図3の(b)は、信号処理部40のA/D変換器41でサンプリングされるドップラー信号の信号強度の時間変化を示す。
図3の(a)に示されるように、電波センサ30では、送信アンテナ33から、周波数が異なる第1送信波(周波数f1の送信波)及び第2送信波(周波数f2の送信波)が時分割(それぞれ、時間T1及び時間T2)で出射される。例えば、f1は、24GHzであり、f2は、f1よりも30MHz程度高い周波数である。受信アンテナ34では、第1送信波に対応する(つまり、ドップラーシフトした)第1反射波及び第2送信波に対応する(つまり、ドップラーシフトした)第2反射波が受信される。第1送信波と第1反射波とはミキサ35で合成され、I/Q検波器36及びフィルタ37を通って、第1ドップラー信号(図3の(b)の「第1ドップラー信号」参照)として生成されて信号処理部40に入力される。一方、第2送信波と第2反射波とはミキサ35で合成され、I/Q検波器36及びフィルタ37を通って、第2ドップラー信号(図3の(b)の「第2ドップラー信号」参照)として生成されて信号処理部40に入力される。
なお、時間T1及び時間T2は、被介護者の周期的な動き(より特定的には、最も早い周期的な動き)における周期のオーダーよりも短いのが好ましい。ここで、オーダーとは、桁数(10のべき乗)のことであり、「周期のオーダーよりも短い」とは、周期の桁数よりも小さい桁数である、又は、周期の10分の1よりも短い関係をいう。より具体的には、呼吸の周波数は0.125〜2Hz程度であり、体動の周波数は最大150Hz程度であるので、時間T1及び時間T2は、そのような周波数成分を含むドップラー信号を十分に検知できるサンプリング周波数に対応した短い時間であるのが好ましい。例えば、150Hzの体動を十分に検知できるように、600Hz以上のサンプリングレートでA/D変換器41がサンプリングする場合には、時間T1及び時間T2は、サンプリング周期と同じか、あるいは、それよりも短い時間に設定される。具体例として、A/D変換器41が1KHzでサンプリングする場合には、時間T1及び時間T2は、1ms、あるいは、それ以下に設定され、10KHzでサンプリングする場合には、時間T1及び時間T2は、0.1ms、あるいは、それ以下に設定される。他の例として、100Hzまでの体動を検知する場合には、A/D変換器41のサンプリングレートは、400Hz以上であればよい。
なお、時間T1及び時間T2については、略同じでもよいし、主に第1ドップラー信号を用いて被介護者の身体状態を判定する等の場合には、T1>T2であってもよい。また2周波CW方式の駆動については、間欠駆動でもよい。例えば、第1送信波を0.8ms送信した後に0.2ms止めて第1ドップラー信号をサンプリングし、次に第2送信波を0.8ms送信した後に0.2ms止めて第2ドップラー信号をサンプリングしてもよい。また、体動とは、人の呼吸及び心拍に基づくドップラー信号の周波数成分よりも振幅が大きく、かつ、周波数成分がドップラー信号を生じる対象物の動きをいい、人の動きに限られず、扇風機等の物の動きも含まれる。
図4は、電波センサ30から出力されるドップラー信号(第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号)の波形(信号強度の変化)例を示すタイミングチャートである。ここでは、被介護者が呼吸しているときと、体動が発生したときの波形例が示されている。
信号処理部40では、A/D変換器41によって、時間T1において(例えば、時間T1から時間T2に切り替わるタイミングで)、第1ドップラー信号のI成分及びQ成分それぞれがサンプリングされ、演算部42を介して記憶部43に蓄積される。また、時間T2において(例えば、時間T2から時間T1に切り替わるタイミングで)、第2ドップラー信号のI成分及びQ成分それぞれがサンプリングされ、演算部42を介して記憶部43に蓄積される。時間T1でのサンプリングと時間T2でのサンプリングとは交互に繰り返される。これによって、時間T1でサンプリングされたデータの時系列が第1ドップラー信号として、時間T2でサンプリングされたデータの時系列が第2ドップラー信号として、演算部42で処理される。
演算部42は、記憶部43から第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号を読み出し、それぞれの位相θ1及び位相θ2を算出して差分をとることで、第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の位相差Δθを算出する。なお、位相θ1は、第1送信波に対する第1反射波の位相差(遅れ)であり、位相θ2は、第2送信波に対する第2反射波の位相差(遅れ)である。そして、演算部42は、算出した位相差Δθを用いて、下記の式1に従って、電波センサ30と対象物との距離Lを算出する。
L=Δθ・C/4π(f2−f1) 式1
ここで、Cは光速であり、f1は第1送信波の周波数であり、f2は第2送信波の周波数である。
このように、2周波CW方式により、信号処理部40において、ドップラー信号の位相を用いて電波センサ30と対象物との距離が算出される。
なお、位相θ1及び位相θ2の算出においては、演算部42は、通常は第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号のI信号を用いて算出するが、I信号が小さい場合にはQ信号を用いて算出する。
被介護者の身体状態の判定については、演算部42は、記憶部43に蓄積された第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の少なくとも一方を用いて、被介護者の身体状態を判定する。例えば、演算部42は、記憶部43から第1ドップラー信号又は第2ドップラー信号を読み出し、読み出したドップラー信号の周波数成分を算出する。例として、FFT(Fast Fourier Transform)、ウェーブレット変換、一定時間内でのゼロクロスをカウントする、あるいは、それらの組み合わせによって、ドップラー信号の周波数成分を算出する。そして、演算部42は、算出した周波数成分に応じて、被介護者の身体状態(呼吸数及び心拍数)を判定する。
ここで、身体状態の判定については、演算部42は、第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の一方の振幅が予め定めた閾値よりも小さい場合に、第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の他方を用いて被介護者の身体状態を判定する。例えば、演算部42は、通常、第1ドップラー信号を用いて被介護者の身体状態を判定する。もし、第1ドップラー信号の振幅が予め定めた閾値よりも小さい場合には、演算部42は、第2ドップラー信号に切り替え、第2ドップラー信号を用いて被介護者の身体状態を判定する。これは、NULL点の発生に対処するためである。NULL点とは、送信波と受信波の周波数又は対象物までの距離によっては、送信波と受信波とが打ち消し合って合成後のビート信号が常に節となってドップラー信号の波形が発生しにくくなる現象である。演算部42は、電波センサ30から取得した2つのドップラー信号のうち、一方のドップラー信号においてNULL点が発生している場合には、NULL点が発生していない他方のドップラー信号を用いて被介護者の身体状態を判定する。
より具体的には、演算部42は、通常、第1ドップラー信号を用いて被介護者の身体状態を判定することとし、次の2つの条件が満たされる場合に、第2ドップラー信号に切り替え、第2ドップラー信号を用いて被介護者の身体状態を判定する。
(1)第1ドップラー信号の振幅が予め定めた閾値よりも小さい。
(2)第1ドップラー信号のI信号の振幅に比べ、第2ドップラー信号のI信号の振幅が十分に(例えば、2倍以上)大きい。
このような第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の選択的な使用により、常に安定して被介護者の身体状態を判定することが可能になる。なお、このように第1ドップラー信号を第2ドップラー信号よりも優先する代わりに、逆に、第2ドップラー信号を第1ドップラー信号よりも優先してもよい。
次に、以上のように構成された本実施の形態における見守りシステム10の動作について、説明する。
図5は、本実施の形態における見守りシステム10の動作のうち、見守り装置22a〜22cの動作を示すフローチャートである。より特定的には、見守り装置22a〜22cの信号処理部40による処理のうち、第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の時系列データが記憶部43に蓄積された後の処理フローが示されている。
演算部42は、記憶部43から、一定時間(例えば、4秒)分の第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の時系列データを読み出すことで、第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号を取得する(S10)。
そして、演算部42は、取得した第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号のそれぞれについて、周波数(周波数fd1及び周波数fd2)と位相(位相θ1及び位相θ2)を算出する(S11)。
次に、演算部42は、第1ドップラー信号について、周波数fd1が予め定められた体動の閾値(例えば、2Hz)より大きいか否かを判断する(S12)。その結果、大きいと判断した場合には(S12でYes)、演算部42は、被介護者の身体状態として、「体動あり」と判定する(S13)。
一方、周波数fd1が予め定められた体動の閾値より大きくないと判断した場合には(S12でNo)、演算部42は、続いて、第1ドップラー信号の対応周波数成分の振幅が予め定められたノイズの閾値よりも大きいか否かを判断する(S14)。なお、対応周波数成分の振幅とは、ドップラー信号について、体動の閾値となる周波数(例えば、2Hz)よりも低い周波数において、成分の振幅が最大(ピーク)となる周波数における振幅である。また、予め定められたノイズの閾値とは、ノイズと区別できる有意な(振幅の大きい)信号であるか否かを判断するために予め定められた振幅の閾値である。
その結果、第1ドップラー信号の対応周波数成分の振幅が予め定められたノイズの閾値よりも大きくないと判断した場合には(S14でNo)、演算部42は、第2ドップラー信号について、第1ドップラー信号と同様の判断を繰り返す(S15、S16)。つまり、演算部42は、第2ドップラー信号について、周波数fd2が予め定められた体動の閾値(例えば、2Hz)より大きいか否かを判断する(S15)。その結果、大きいと判断した場合には(S15でYes)、演算部42は、被介護者の身体状態として、「体動あり」と判定する(S13)。一方、周波数fd2が予め定められた体動の閾値より大きくないと判断した場合には(S15でNo)、演算部42は、続いて、第2ドップラー信号の対応周波数成分の振幅がノイズの閾値よりも大きいか否かを判断する(S16)。その結果、第2ドップラー信号の対応周波数成分の振幅が予め定められたノイズの閾値よりも大きくないと判断した場合には(S16でNo)、演算部42は、被介護者の身体状態として、「離床中(被介護者がベッドから離れている状態)」と判定する(S19)。
一方、第1ドップラー信号の対応周波数成分の振幅が予め定められたノイズの閾値よりも大きいと判断した場合(S14でYes)、及び、第2ドップラー信号の対応周波数成分の振幅が予め定められたノイズの閾値よりも大きいと判断した場合(S16でYes)には、演算部42は、電波センサ30と対象物との距離を算出する(S17)。具体的には、演算部42は、ステップS11で算出した第1ドップラー信号の位相θ1と第2ドップラー信号の位相θ2との差分をとることで、第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の位相差Δθを算出する。そして、演算部42は、算出した位相差Δθを用いて、上記式1に従って、電波センサ30と対象物との距離Lを算出する。
続いて、演算部42は、算出した距離が所定値以下であるか否かを判断する(S18)。なお、所定値は、被介護者がベッド20a〜20c上で寝ているときに電波センサ30によって被介護者までの距離として計測され得る値の最大値として予め定められた値であり、例えば、30cmである。
その結果、算出した距離が所定値以下でないと判断した場合には(S18でNo)、演算部42は、被介護者の身体状態として、「離床中」と判定する(S19)。一方、算出した距離が所定値以下であると判断した場合には(S18でYes)、演算部42は、被介護者の身体状態として、「在床中(被介護者がベッド上にいる状態)」(より、具体的には、「呼吸中」)と判定する(S20)。なお、演算部42は、「呼吸中」と判定した場合には、続いて、対応周波数成分の振幅が予め定められたノイズの閾値よりも大きいと判断したドップラー信号における対応周波数成分の周波数を被介護者の呼吸数と判定する。ここで、対応周波数成分の周波数とは、ドップラー信号について、体動の閾値となる周波数(例えば、2Hz)よりも低い周波数において、成分の振幅が最大(ピーク)となる周波数である。
なお、演算部42は、「在床中」と判断した場合に、呼吸数だけでなく、心拍数も算出してもよい。心拍数については、ドップラー信号について、人の心拍として予め定められた周波数範囲において、成分の振幅が最大(ピーク)となる周波数を用いて決定される。
演算部42は、以上の処理を、一定時間(例えば、4秒分)ごとに繰り返す。また、演算部42は、判定した身体状態を示す情報を、一定時間ごと、あるいは、監視装置27から要求されたときに、通信部44を介して、監視装置27に送信する。
監視装置27は、複数の見守り装置22a〜22cから収集した身体状態を示す情報を記憶部に蓄積し、一定期間における身体状態を示す情報から、被介護者21a〜21cそれぞれの一定期間における状態を安否確認として判断する。一定期間とは、呼吸数及び心拍数であれば1分間の和であり、体動であればその体動が生じていた期間を指す。なお、呼吸数について、1分間の数を出すときに、単純に和を出す方法以外にも、より小さな時間での和を利用して出す(例えば、15秒間の和を4倍にして出す)方法も可能である。例えば、離床/在床の判断については、早く判断するために、20秒間「呼吸中」が続いているか、などで判断することが可能となる。
また、監視装置27は、数分の期間において、ドップラー信号の波形がない状態から、体動ありの状態、さらに呼吸ありの状態に順に変化した場合には、シナリオとして、被介護者が着床したと判断する。ここで、「着床した」とは、被介護者がベッド上にいない状態からベッド上にいる状態に変化したことである。また、監視装置27は、数分の期間において、呼吸ありの状態から、体動ありの状態、さらにドップラー信号の波形がない状態に順に変化した場合には、シナリオとして、被介護者が離床したと判断する。ここで、「離床した」とは、被介護者がベッド上にいる状態からベッド上にいない状態に変化したことである。なお、これらの監視装置27における一定期間における状態の判断は、監視装置27ではなく、見守り装置22a〜22cのそれぞれにおいて演算部42によって実行され、その判断結果が監視装置27に収集されてもよい。
また、監視装置27は、このような処理によって得られた被介護者21a〜21cそれぞれの一定期間における安否確認の結果を画面に表示する。また、監視装置27は、一定期間における身体状態を示す情報(呼吸数、心拍数等)が予め設定された範囲を超えるか否かを監視し、超えた場合に、そのことを表示したり、所定装置への通知等の報知をしたりする。
以上のように本実施の形態における見守りシステム10における見守り装置22a〜22cは、被介護者の身体状態を検知する装置であって、電波センサ30と信号処理部40とを備える。電波センサ30は、電磁波による送信波を出射し、送信波が対象物で反射することで得られる反射波を受信し、送信波と反射波とを合成することでドップラー信号を生成する。信号処理部40は、電波センサ30で生成されたドップラー信号に基づいて、被介護者の身体状態を判定する。このとき、信号処理部40は、ドップラー信号の周波数又は位相を用いて電波センサ30と対象物との距離を算出し、算出した距離が所定値以下の場合に、対象物が監視対象となる被介護者であるとみなしてドップラー信号を用いて被介護者の身体状態を判定する。
これにより、電波センサ30と対象物との距離が所定値以下の場合に対象物が監視対象となる被介護者であるとみなして被介護者の身体状態が判定されるので、被介護者とは異なる遠方での動き(ノイズとなる動き)が除外される。さらに、ドップラー信号の周波数又は位相を用いて電波センサ30と対象物との距離が算出されるので、送信波の出射角度や対象物の反射率に依存する反射波の信号強度を用いて距離を算出する従来技術に比べ、高い精度で距離が算出される。よって、誤検知が抑制される。
さらに、見守り装置22a〜22cによって得られた距離データを利用することで、対象物の近づきや遠ざかりという動きも検知できる。例えば、被介護者がベッドに向かっているという動き、あるいは、被介護者が離床後にベッドから遠ざかったかベッド近くで何かをしているか等の区別を検知することができる。
また、電波センサ30は、周波数が異なる第1送信波及び第2送信波を時分割で出射し、第1送信波に対応する第1反射波及び第2送信波に対応する第2反射波を受信し、第1送信波と第1反射波とを合成することで第1ドップラー信号を生成し、第2送信波と第2反射波とを合成することで第2ドップラー信号を生成する。信号処理部40は、電波センサ30で生成された第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の位相差を算出し、算出した位相差から上記距離を算出し、第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の少なくとも一方を用いて被介護者の身体状態を判定する。
これにより、2周波CW方式によって電波センサ30と対象物との距離が高い精度で算出されるので、誤検知が抑制される。さらに、2周波CW方式によって2種類のドップラー信号が生成され、被介護者の身体状態を判定するのに用い得るドップラー信号の数が増えるので、従来よりも安定して被介護者の身体状態が判定され得る。
さらに、2周波CW方式によって周波数成分ごとに距離を算出することで、周期的な動きをする複数の対象物が存在する場合であっても、対象物ごとに距離を算出できるので、ベッド上のもの(つまり、被介護者)に限定して検知することが可能になる。
また、信号処理部40は、第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の一方の振幅が予め定めた閾値よりも小さい場合に、第1ドップラー信号及び第2ドップラー信号の他方を用いて被介護者の身体状態を判定する。
これにより、2周波CW方式により、2つのドップラー信号のうち、一方のドップラー信号においてNULL点が発生している場合には、NULL点が発生していない他方のドップラー信号を用いて被介護者の身体状態を判定できる。よって、従来よりも安定して被介護者の身体状態が判定される。
また、電波センサ30は、第1時間において第1送信波を出射し、第2時間において第2送信波を出射することを繰り返す。このとき、第1時間及び第2時間は、被介護者の周期的な動きにおける周期のオーダーよりも短い。
これにより、2周波CW方式における2種類の送信波を出射する一回分の時間を被介護者の周期的な動き(例えば、呼吸や心拍等の動き)における周期のオーダーよりも短くすることで、2種類のドップラー信号のいずれを用いても被介護者の周期的な動きが観察される。
また、信号処理部40は、被介護者の身体状態の一つとして、呼吸中であると判定する。
これにより、高い精度で、電波センサ30から所定値の距離範囲内にいる被介護者が呼吸中であると判定され、被介護者がベッド上で生存していることが検知される。
また、信号処理部40は、ドップラー信号の周波数が人の呼吸時の動きに対応する所定の上限周波数よりも高くなく、かつ、ドップラー信号に含まれる呼吸時の動きに対応する周波数成分の振幅が閾値以上である場合に、上記距離を算出する。そして、算出した距離が所定値以下のときに、被介護者の身体状態として呼吸中であると判定する。
これにより、被介護者がベッドから起き上がる等の体動を検知したケース、及び、被介護者が所定位置にいないために呼吸の動きを検知できないケースを排除したうえで、被介護者が呼吸中であると判定されるので、高い精度で呼吸中であることが検知される。
また、本実施の形態における見守りシステム10は、複数の被介護者21a〜21cのそれぞれに設けられた複数の見守り装置22a〜22cと、複数の見守り装置22a〜22cから、複数の見守り装置22a〜22cのそれぞれで判定された被介護者の身体状態に関する情報を収集する監視装置27とを備える。
これにより、複数の見守り装置22a〜22cのそれぞれで判定された被介護者の身体状態に関する情報が監視装置27に収集され、監視装置27において、被介護者21a〜21cそれぞれの一定期間における状態が安否確認として集中して管理される。
なお、上記実施の形態では、見守り装置22a〜22cの信号処理部40は、2周波CW方式によって電波センサ30と対象物との距離を算出した。しかしながら、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって距離を算出してもよい。FMCW方式は、周波数変調した連続波を送信し、送信波と反射波の周波数差(ビート周波数)から距離を求める方式である。
図6は、FMCW方式を用いた距離計測における送信波の周波数変化を示すタイミングチャートである。電波センサ30は、図6に示されるように、周波数が線形に変化(周波数スイープ)する第1送信波、及び、所定時間において周波数が固定された第2送信波を時分割で出射する。そして、電波センサ30は、第1送信波に対応する第1反射波及び第2送信波に対応する第2反射波を受信する。さらに、電波センサ30は、第1送信波と第1反射波とを合成することで第1ドップラー信号を生成し、第2送信波と第2反射波とを合成することで第2ドップラー信号を生成する。
信号処理部40は、電波センサ30で生成された第1ドップラー信号に含まれる第1送信波及び第1反射波の周波数差(ビート周波数fb)から、下記の式2に従って、電波センサ30と対象物との距離Lを算出する。
L=C・T・fb/2fw 式2
ここで、Cは光速であり、Tは1周期における第1送信波の送信時間(スイープ時間)であり(図6参照)、fwは周波数スイープ幅である(図6参照)。
このように、FMCW方式により、信号処理部40において、ドップラー信号の周波数を用いて電波センサ30と対象物との距離が算出される。
なお、被介護者の身体状態を判定については、信号処理部40は、第2ドップラー信号を用いて行う。ここで、FMCW方式によれば、距離計測のためのスイープ時間においては、身体状態を判定するための信号(第2ドップラー信号)を取得できない。具体的には、距離計測のためのスイープ時間Tとして50ms程度を要するので、この期間においては、身体状態を判定するための情報を得ることができない。ただし、第2ドップラー信号に対しては、十分長い期間(例えば、500ms)、500Hz程度でサンプリングすることで、呼吸に関しては早くて2Hzであるため、50ms程度の不感期間を無視し得る。
このように、FMCW方式を採用した場合であっても、電波センサ30と対象物との距離が高い精度で算出されるので、誤検知が抑制される。
また、上記実施の形態では、見守りシステム10は、複数の見守り装置22a〜22cと監視装置27とから構成されたが、見守りシステム10としては、必ずしも、監視装置27を必要としない。つまり、通信路25で接続された複数の見守り装置22a〜22cによって見守りシステム10が構成されてもよい。この場合には、複数の見守り装置22a〜22cのうちの1台が、中央集中型コントローラの機能を有してもよい。つまり、複数の見守り装置22a〜22cのうちの1台の信号処理部40が、全ての見守り装置22a〜22cのそれぞれで判定された被介護者の身体状態に関する情報を収集し、被介護者21a〜21cそれぞれの一定期間における安否確認をしてもよい。
また、上記実施の形態では、複数のベッド20a〜20cのそれぞれに、電波センサ30と信号処理部40とから構成される見守り装置22a〜22cが備えられたが、信号処理部40は、複数の電波センサについて共有されてもよい。
図7は、実施の形態の変形例に係る見守り装置22dの構成図である。本変形例に係る見守り装置22dは、複数の被介護者21a〜21cのそれぞれに設けられた複数の電波センサ30a〜30cと、1つの信号処理部40aとを備える。信号処理部40aは、複数の電波センサ30a〜30cで生成されたドップラー信号に基づいて複数の被介護者21a〜21cの身体状態を判定する装置である。
より詳しくは、電波センサ30a〜30cのそれぞれは、図2に示された電波センサ30の機能に加えて、電波センサで得られた信号を、通信路25を介して信号処理部40aに送信する通信機能も有する。信号処理部40aは、図2に示された信号処理部40の機能、あるいは、それに加えて、上記実施の形態における監視装置27の機能も有する。なお、ドップラー信号をサンプリングするA/D変換器は、電波センサ30a〜30cに備えられていてもよいし、信号処理部40aに備えられていてもよい。つまり、電波センサ30a〜30cから出力されるドップラー信号は、アナログ信号であってもよいし、アナログ信号がA/D変換された後のデジタル信号であってもよいし、さらに一定期間、蓄積されたデジタル信号であってもよい。
このような本変形例に係る見守り装置22dによれば、信号処理部40aを共通化することで、より少ない回路で、複数の被介護者21a〜21cについて、身体状態に関する情報が収集され、一定期間における状態が安否確認として集中して管理される。
以上、本発明に係る見守り装置及び見守りシステムについて、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態及び変形例に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態及び変形例に施したものや、実施の形態及び変形例における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、呼吸の周波数範囲として、0.125〜2Hzとしているが、信号処理部40の性能に応じて、0.25〜1Hzというように、適宜、検知する呼吸の周波数範囲を決定してもよい。
また、上記実施の形態では、2周波CW方式によって電波センサ30と対象物との距離と被介護者の身体状態の判定とを行ったが、2周波CWと通常のCW方式(1周波CW方式)とを混在あるいは切り替える方式であってもよい。例えば、距離を測定する必要がある場合には2周波CW方式を採用し、被介護者がベッド上にいることが確定しているとき等の距離計測が不要な場合には通常のCW方式を採用する。つまり、2周波CW方式と通常のCW方式とを切り替えながら混在させる方式において、被介護者の身体状態に依存して、2周波CW方式を採用する時間と通常のCW方式を採用する時間との比率を変化させてもよい。これにより、必要な時間帯だけ距離計測が行われ、消費電力が抑制されたり、身体状態の判定精度が向上されたりする。
また、上記実施の形態では、2周波CW方式において、2つの異なる周波数の送信波が用いられたが、3以上の異なる周波数の送信波が用いられてもよい。3以上の異なる周波数うち、NULL点が発生していない等の安定したドップラー信号を発生する2つの周波数を適宜選択して距離を算出してもよい。
また、上記実施の形態では、被介護者が在床中であると判定するため用いられた距離の閾値である所定値は30cmであったが、見守り装置を設置するベッドの位置に応じて変更してもよい。例えば、信号処理部40に対する事前の設定(所定値の格納)により、所定値として、40cm、あるいは、1m以上で1.5m以下の値等の適切な値を設定してもよい。
また、上記実施の形態では、電波センサ30と対象物との距離を算出した後に呼吸数を算出したが、これらを同時に算出してもよい。呼吸動作においては、吸う動作が行われた場合に対象物が電波センサ30に近づき、吐く動作が行われた場合に対象物が電波センサ30から遠ざかる。そのために1回の呼吸の途中でドップラー信号におけるI信号とQ信号とが逆転する。よって、I信号とQ信号の位相を観察し、I信号とQ信号とが逆転したタイミングでI信号とQ信号とを入れ替えることで、疑似的に対象物が一方向に移動する場合におけるドップラー信号が得られる。この手法を用いて、呼吸数と距離とをより正確に算出することができる。ただし、この手法では、上記実施の形態における距離及び呼吸数の算出よりも処理時間を要するので、高い精度で呼吸数と距離とを算出する場合にだけ実施してもよい。
また、上記実施の形態では、被介護者が「呼吸中」であると判定するために電波センサと対象物との距離が用いられたが(図5のS17、S18、S20)、その距離を用いた判定は、これに限られない。例えば、ドップラー信号の高周波成分が確認された場合に(S12でYes)、この時点で、ドップラー信号の周波数と位相が算出されているので、高周波成分における距離を用いることで、高周波成分に関しても体動かノイズかの区別が可能になる。具体的には、この時点で、高周波成分における距離を算出し、算出した距離が閾値以下なら「被介護者の動きに関係する体動」であると判定し、閾値以上ならノイズ(被介護者がベッドの周辺を歩く動作を含む)と判定してもよい。
また、上記実施の形態では、見守り装置22a〜22cは、ベッドに取り付けられたが、布団、椅子、床、畳、壁、部屋の構造物、置物等の場所に取り付けられてもよい。被介護者の呼吸、心拍あるいは体動を検知できる箇所であれば、任意の場所に取り付けてもよい。
10 見守りシステム
21a〜21c 被介護者
22a〜22c、22d 見守り装置
27 監視装置
30、30a〜30c 電波センサ
40、40a 信号処理部

Claims (7)

  1. 被介護者の身体状態を検知する見守り装置であって、
    電磁波による送信波を出射し、前記送信波が対象物で反射することで得られる反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とを合成することでドップラー信号を生成する電波センサと、
    前記電波センサで生成されたドップラー信号に基づいて、前記被介護者の身体状態を判定する信号処理部とを備え、
    前記信号処理部は、前記ドップラー信号の周波数又は位相を用いて前記電波センサと前記対象物との距離を算出し、算出した距離が所定値以下の場合に、前記対象物が監視対象となる被介護者であるとみなして前記ドップラー信号を用いて前記被介護者の身体状態を判定し、
    前記電波センサは、周波数が異なる第1送信波及び第2送信波を時分割で出射し、前記第1送信波に対応する第1反射波及び前記第2送信波に対応する第2反射波を受信し、前記第1送信波と前記第1反射波とを合成することで第1ドップラー信号を生成し、前記第2送信波と前記第2反射波とを合成することで第2ドップラー信号を生成し、
    前記信号処理部は、前記電波センサで生成された前記第1ドップラー信号及び前記第2ドップラー信号の位相差を算出し、算出した位相差から前記距離を算出し、前記第1ドップラー信号及び前記第2ドップラー信号の少なくとも一方を用いて前記被介護者の身体状態を判定し、
    前記信号処理部は、前記第1ドップラー信号及び前記第2ドップラー信号の一方の振幅が予め定めた閾値よりも小さい場合に、前記第1ドップラー信号及び前記第2ドップラー信号の他方を用いて前記被介護者の身体状態を判定する
    見守り装置。
  2. 被介護者の身体状態を検知する見守り装置であって、
    電磁波による送信波を出射し、前記送信波が対象物で反射することで得られる反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とを合成することでドップラー信号を生成する電波センサと、
    前記電波センサで生成されたドップラー信号に基づいて、前記被介護者の身体状態を判定する信号処理部とを備え、
    前記信号処理部は、前記ドップラー信号の周波数又は位相を用いて前記電波センサと前記対象物との距離を算出し、算出した距離が所定値以下の場合に、前記対象物が監視対象となる被介護者であるとみなして前記ドップラー信号を用いて前記被介護者の身体状態を判定し、
    前記電波センサは、周波数が異なる第1送信波及び第2送信波を時分割で出射し、前記第1送信波に対応する第1反射波及び前記第2送信波に対応する第2反射波を受信し、前記第1送信波と前記第1反射波とを合成することで第1ドップラー信号を生成し、前記第2送信波と前記第2反射波とを合成することで第2ドップラー信号を生成し、
    前記信号処理部は、前記電波センサで生成された前記第1ドップラー信号及び前記第2ドップラー信号の位相差を算出し、算出した位相差から前記距離を算出し、前記第1ドップラー信号及び前記第2ドップラー信号の少なくとも一方を用いて前記被介護者の身体状態を判定し、
    前記電波センサは、第1時間において前記第1送信波を出射し、第2時間において前記第2送信波を出射することを繰り返し、
    前記第1時間及び前記第2時間は、前記被介護者の周期的な動きにおける周期のオーダーよりも短い
    守り装置。
  3. 被介護者の身体状態を検知する見守り装置であって、
    電磁波による送信波を出射し、前記送信波が対象物で反射することで得られる反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とを合成することでドップラー信号を生成する電波センサと、
    前記電波センサで生成されたドップラー信号に基づいて、前記被介護者の身体状態を判定する信号処理部とを備え、
    前記信号処理部は、前記ドップラー信号の周波数又は位相を用いて前記電波センサと前記対象物との距離を算出し、算出した距離が所定値以下の場合に、前記対象物が監視対象となる被介護者であるとみなして前記ドップラー信号を用いて前記被介護者の身体状態を判定し、
    前記電波センサは、周波数が線形に変化する第1送信波、及び、所定時間において周波数が固定された第2送信波を時分割で出射し、前記第1送信波に対応する第1反射波及び前記第2送信波に対応する第2反射波を受信し、前記第1送信波と前記第1反射波とを合成することで第1ドップラー信号を生成し、前記第2送信波と前記第2反射波とを合成することで第2ドップラー信号を生成し、
    前記信号処理部は、前記電波センサで生成された前記第1ドップラー信号に含まれる前記第1送信波及び前記第1反射波の周波数差から前記距離を算出し、前記第2ドップラー信号を用いて前記被介護者の身体状態を判定する
    守り装置。
  4. 前記信号処理部は、前記被介護者の身体状態の一つとして、呼吸中であると判定する
    請求項1〜のいずれか1項に記載の見守り装置。
  5. 被介護者の身体状態を検知する見守り装置であって、
    電磁波による送信波を出射し、前記送信波が対象物で反射することで得られる反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とを合成することでドップラー信号を生成する電波センサと、
    前記電波センサで生成されたドップラー信号に基づいて、前記被介護者の身体状態を判定する信号処理部とを備え、
    前記信号処理部は、前記ドップラー信号の周波数又は位相を用いて前記電波センサと前記対象物との距離を算出し、算出した距離が所定値以下の場合に、前記対象物が監視対象となる被介護者であるとみなして前記ドップラー信号を用いて前記被介護者の身体状態を判定し、
    前記信号処理部は、前記ドップラー信号の周波数が人の呼吸時の動きに対応する所定の上限周波数よりも高くなく、かつ、前記ドップラー信号に含まれる前記呼吸時の動きに対応する周波数成分の振幅が閾値以上である場合に、前記距離を算出し、算出した前記距離が前記所定値以下のときに、前記被介護者の身体状態として呼吸中であると判定する
    守り装置。
  6. 前記見守り装置は、複数の被介護者のそれぞれに設けられた複数の前記電波センサを備え、
    前記信号処理部は、前記複数の電波センサで生成されたドップラー信号に基づいて、前記複数の被介護者の身体状態を判定する
    請求項1〜のいずれか1項に記載の見守り装置。
  7. 複数の被介護者のそれぞれに設けられた、請求項1〜のいずれか1項に記載の複数の見守り装置と、
    前記複数の見守り装置から、前記複数の見守り装置のそれぞれで判定された被介護者の身体状態に関する情報を収集する監視装置と
    を備える見守りシステム。
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