JP6615405B2 - レーダ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、目標までの距離を算出するレーダ装置に関するものである。
近年、レーダ装置は、目標の分離性能を高めるため、高距離分解能化が求められている。
高距離分解能化を図るレーダ装置の手段として、周波数帯域の広帯域化を図る手段が有効である。
しかし、使用可能な周波数は、逼迫しているため、周波数帯域の広帯域化を図ることは困難である。このため、離れている複数の周波数帯域を合成して高距離分解能化を実現する技術が求められている。
以下の特許文献1には、高距離分解能化を実現しているレーダ装置が開示されている。
特開平11−133130号公報
従来のレーダ装置は以上のように構成されているので、高距離分解能化を実現することができる。しかし、離れている複数の周波数帯域を合成し、合成した周波数帯域を用いると、実際に目標が存在していない距離に、偽目標が発生してしまうことがあるという課題があった。
上記のように、偽目標が発生してしまう原理は、アレイアンテナを用いて、目標からの電波の到来方位を推定する際に、アレイアンテナを構成する複数の素子の間隔が広いと、素子間位相差の周期性によってグレーティングローブが発生してしまう結果、偽目標が発生してしまう原理と同様である。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、偽目標の発生を招くことなく、高距離分解能化を実現することができるレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るレーダ装置は、離れている複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号をそれぞれ生成し、それぞれ生成した複数の周波数変調信号を合成し、複数の周波数帯域の線形周波数変調信号である合成信号を出力する信号生成部と、信号生成部から出力された合成信号を送信信号として送信する信号送信部と、信号送信部により送信された送信信号が目標に反射された信号であり、複数の周波数帯域の線形周波数変調信号である受信信号を受信する信号受信部と、信号受信部により受信された受信信号の複数の周波数帯域におけるそれぞれの周波数帯域の周波数成分と、信号送信部により送信された送信信号の複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号の複数の周波数帯域における、受信信号の複数の周波数帯域におけるそれぞれの周波数帯域の周波数成分に対応するそれぞれの周波数帯域の周波数成分とから、複数の周波数帯域それぞれにおけるクロススペクトルを算出するクロススペクトル算出部と、信号受信部により受信された受信信号の受信時刻と送信信号の送信時刻との時刻差である受信信号の遅延時間を推定し、遅延時間から、目標までの距離を算出する距離算出部とを備え、距離算出部は、クロススペクトル算出部により算出された複数の周波数帯域におけるクロススペクトルそれぞれに含まれている複数の周波数成分のうち、離れている複数の周波数帯域それぞれから周波数成分を1つ以上合計2つ以上含む一方の集合と、クロススペクトル算出部により算出された複数の周波数帯域におけるクロススペクトルそれぞれに含まれている複数の周波数成分のうち、一方の集合に含まれている周波数成分の周波数をそれぞれシフトしたとき、当該周波数をシフトした周波数成分における周波数軸上の配置周波数軸上の配置同一になる他方の集合を生成し、一方の集合と他方の集合との間で対応する周波数成分の相対関係を用いて、遅延時間を推定するようにしたものである。
この発明によれば、距離算出部が、クロススペクトル算出部により算出されたクロススペクトルに含まれている複数の周波数成分のうち、2つ以上の周波数成分を含む集合を2つ生成し、2つの集合の間で対応する周波数成分の相対関係を用いて、遅延時間を推定するように構成したので、偽目標の発生を招くことなく、高距離分解能化を実現することができる効果がある。
この発明の実施の形態1によるレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるレーダ装置の信号処理回路19を示す構成図である。 信号処理回路19のハードウェアを示すハードウェア構成図である。 信号処理回路19がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。 信号処理回路19がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合の処理手順を示すフローチャートである。 クロススペクトルに含まれている複数の周波数成分から生成される2つの集合の一例を示す説明図である。 DDS4−1〜4−Sにより生成される複数の周波数帯域における周波数変調信号及び周波数帯域間の遅延時間ずれが補償された結果の一例を示す説明図である。 2つの集合の配置が中心対称となる場合の、遅延時間の推定問題と等価なDOAの推定問題における2つのシフト不変なサブアレイの例を示す説明図である。 サブアレイ(1)及びサブアレイ(2)の同素子数(6素子)の3個の素子アレイがそれぞれ等間隔に配置されたシフト不変なサブアレイの例を示す説明図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるレーダ装置を示す構成図である。
図1において、信号生成部1は、基準信号発生回路2、制御装置3、DDS(Direct Digital Synthesizer:デジタル直接合成発振器)4−1〜4−S、高周波信号発生回路5、ミキサ6−1〜6−S、フィルタ7−1〜7−S及び合成器8を備えている。
信号生成部1は、離れている複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号をそれぞれ生成し、それぞれ生成した複数の周波数変調信号の合成信号を信号送信部9に出力する。
基準信号発生回路2は、基準信号を発生する回路である。
制御装置3は、複数の周波数帯域における周波数変調信号の送信開始時刻、開始周波数、チャープ率及び信号長を示す制御情報をDDS4−1〜4−S及び信号処理回路19に出力する。
DDS4−1〜4−Sは、基準信号発生回路2から発生された基準信号と、制御装置3から出力された制御情報とに従って周波数変調信号を生成し、生成した周波数変調信号をミキサ6−1〜6−Sに出力する。
高周波信号発生回路5は、高周波信号を発生する回路である。
ミキサ6−1〜6−Sは、DDS4−1〜4−Sから出力された周波数変調信号に、高周波信号発生回路5から発生された高周波信号を混合して、DDS4−1〜4−Sから出力された周波数変調信号の周波数を変換し、周波数変換後の周波数変調信号をフィルタ7−1〜7−Sに出力する。
フィルタ7−1〜7−Sは、ミキサ6−1〜6−Sより出力された周波数変調信号から所望の信号帯域の信号を取り出し、取り出した信号帯域の信号を合成器8に出力する。
合成器8は、フィルタ7−1〜7−Sの出力信号を合成し、複数の出力信号の合成信号を送信信号として増幅器10に出力する。
信号送信部9は、増幅器10、送受切替器11及びアンテナ12を備えている。
信号送信部9は、信号生成部1から出力された合成信号である送信信号を送信する。
増幅器10は、信号生成部1の合成器8から出力された合成信号である送信信号を増幅し、増幅後の送信信号を送受切替器11に出力する。
送受切替器11は、増幅器10から出力された送信信号をアンテナ12に出力する。
また、送受切替器11は、アンテナ12から出力された受信信号を増幅器14に出力する。
アンテナ12は、送受切替器11から出力された送信信号を目標に向けて空間に放射する一方、目標に反射された信号である反射信号を受信し、受信した反射信号を受信信号として送受切替器11に出力する。
信号受信部13は、送受切替器11、アンテナ12、増幅器14、高周波信号発生回路5、ミキサ15、フィルタ16、増幅器17及びアナログデジタル変換器(以下、A/D変換器と称する)18を備えている。
信号受信部13は、信号送信部9により送信された送信信号が目標に反射された信号である反射信号を受信する。
増幅器14は、送受切替器11から出力された受信信号を増幅し、増幅後の受信信号をミキサ15に出力する。
ミキサ15は、増幅器14から出力された受信信号に、高周波信号発生回路5から発生された高周波信号を混合して、増幅器14から出力された受信信号の周波数を変換し、周波数変換後の受信信号をフィルタ16に出力する。
フィルタ16は、ミキサ15より出力された受信信号から所望の信号帯域の信号を取り出し、取り出した信号帯域の信号を増幅器17に出力する。
増幅器17は、フィルタ16の出力信号を増幅し、増幅後の出力信号をA/D変換器18に出力する。
A/D変換器18は、増幅器17の出力信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル信号を信号処理回路19に出力する。
信号処理回路19は、図2に示すクロススペクトル算出部21及び距離算出部22を備えている。
図2は、この発明の実施の形態1によるレーダ装置の信号処理回路19を示す構成図である。
図3は、信号処理回路19のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
クロススペクトル算出部21は、例えば、図3に示すクロススペクトル算出回路31で実現される。
クロススペクトル算出部21は、信号受信部13により受信された反射信号である受信信号と、信号送信部9により送信された合成信号である送信信号との複数の周波数帯域におけるクロススペクトルを算出する処理を実施する。
距離算出部22は、例えば、図3に示す距離算出回路32で実現される。
距離算出部22は、信号受信部13により受信された受信信号の受信時刻と、信号送信部9により送信された送信信号の送信時刻との時刻差である受信信号の遅延時間を推定し、推定した遅延時間から、目標までの距離を算出する処理を実施する。
また、距離算出部22は、クロススペクトル算出部21により算出されたクロススペクトルに含まれている複数の周波数成分のうち、2つ以上の周波数成分を含む集合を2つ生成し、2つの集合の間で対応する周波数成分の相対関係を用いて、遅延時間を推定する処理を実施する。
図2では、信号処理回路19の構成要素であるクロススペクトル算出部21及び距離算出部22のそれぞれが、図3に示すような専用のハードウェアで実現されるものを想定している。即ち、クロススペクトル算出回路31及び距離算出回路32で実現されるものを想定している。
ここで、クロススペクトル算出回路31及び距離算出回路32は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたものが該当する。
信号処理回路19の構成要素は、専用のハードウェアで実現されるものに限るものではなく、信号処理回路19がソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
図4は、信号処理回路19がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
信号処理回路19がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合、クロススペクトル算出回路31及び距離算出回路32の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムをメモリ41に格納し、コンピュータのプロセッサ42がメモリ41に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図5は、信号処理回路19がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合の処理手順を示すフローチャートである。
この実施の形態1のレーダ装置の動作を説明する前に、受信信号の遅延時間を推定する方式について説明する。
遅延時間の推定問題は、アレイアンテナを用いるDOA(Direction of Arrival:到来方位)の推定問題として取り扱うことができる。
離れている複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号を送信するレーダ装置において、遅延時間の推定問題における複数の周波数帯域は、DOAの推定問題において、離隔して設置されている素子アレイと対応している。
遅延時間の推定問題における複数の周波数帯域の受信信号についてのクロススペクトルx(τ)は、DOAの推定問題における受信信号と同様に、以下の式(1)で表現される。
Figure 0006615405
式(1)において、A(τ)は、以下の式(2)〜(4)で定義されるステアリング行列である。
Figure 0006615405

Figure 0006615405
τは、K個の目標に反射された信号の受信信号の遅延時間であり、αは、当該受信信号の複素振幅である。Tは、転置を表す記号である。
Figure 0006615405
式(4)は、s(s=1,2,・・・,S)番目の素子アレイのステアリングベクトルを示しており、S個の周波数帯域の中のs番目の周波数帯域と対応している。
s番目の素子アレイは、m個の素子で構成されており、素子アレイ全体の素子数の合計は、Mである。
Figure 0006615405
Δωは、フーリエ変換の離散周波数間隔であり、fは、s番目の周波数帯域の中心周波数である。
この実施の形態1のレーダ装置は、図6に示すように、複数の周波数帯域におけるクロススペクトルに含まれている複数の周波数成分のうち、2つ以上の周波数成分を含む集合を2つ生成し、2つの集合の間で対応する周波数成分の相対関係を用いて、反射信号である受信信号の遅延時間を推定する。
図6は、クロススペクトルに含まれている複数の周波数成分から生成される2つの集合の一例を示す説明図である。
図6では、図6に示すように、低い周波数帯域と、高い周波数帯域と、低い周波数帯域と高い周波数帯域間の相対関係を使用しない周波数帯域に分けた説明図である。
レーダ装置は、図6に示すように、2つの集合のうち、一方の集合に含まれている複数の周波数成分の周波数をそれぞれシフトしたとき、周波数をシフトした複数の周波数成分における周波数軸上の配置が、他方の集合に含まれている複数の周波数成分における周波数軸上の配置と同一になるような2つの集合を生成する。
図6では、一方の集合に含まれている複数の周波数成分の中で、低い周波数帯域に含む最も周波数が低い周波数成分と、他方の集合に含まれている複数の周波数成分の中で、低い周波数帯域に含む最も周波数が低い周波数成分とが、2つの集合の間で対応する、低い周波数帯域の周波数成分として例示し、一方の集合に含まれている複数の周波数成分の中で、高い周波数帯域に含む最も周波数が高い周波数成分と、他方の集合に含まれている複数の周波数成分の中で、高い周波数帯域に含む最も周波数が高い周波数成分とが、2つの集合の間で対応する、高い周波数帯域の周波数成分として例示している。
すなわち、図6図示から明らかなように、一方の集合には、低い周波数帯域の最も周波数が高い周波数成分以外のうち1つ以上の周波数成分を含むとともに、低い周波数帯域から離れている高い周波数帯域の最も周波数が高い周波数成分以外のうち1つ以上の周波数成分を含み、合計2つ以上の周波数成分を含んでいる。
また、他方の集合には、一方の集合に含まれている低い周波数帯域および高い周波数帯域それぞれに含まれている周波数成分の周波数シフトした周波数成分を含んでいる。
ただし、これは一例に過ぎず、一方の集合に含まれている低い周波数帯域における複数の周波数成分の中で、周波数がn番目に低い周波数成分と、他方の集合に含まれている低い周波数帯域における複数の周波数成分の中で、周波数がn番目に低い周波数成分とが、2つの集合の間で対応する周波数成分である。高い周波数帯域においても同様である。
2つの集合の特性を「シフト不変」と称し、シフトさせる所定の周波数は、同じ周波数帯域に含まれている2つの周波数成分の間の周波数差である。
2つの周波数成分は、例えば、隣接している2つの周波数の成分である。
なお、遅延時間の推定問題を、DOAの推定問題として取り扱うと、後述する図8及び図9において、サブアレイ(1)に含まれる複数の素子は、一方の集合に相当し、サブアレイ(2)に含まれる複数の素子は、他方の集合に相当する。
2つの集合の間で対応する周波数成分の相対関係から受信信号の遅延時間を推定する手法として、例えば、ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)タイプのDOA推定手法を用いることができる。標準のESPRIT法を用いる場合、複数の周波数帯域は、任意の間隔で配置し、周波数帯域幅も各々の周波数帯域で異なるように設定することができる。
DOAの推定では、複数の受信信号から構成されている計測行列Xの共分散行列Rを以下の式 (9)で算出する。Hは、行列の複素共役転置を表す記号である。
Figure 0006615405
ただし、遅延時間の推定問題をDOAの推定問題として取り扱う場合、信号のコヒーレンシーのために共分散行列Rが通常フルランクとならないため、ランクを回復する手段が必要となる。
そこで、この実施の形態1のレーダ装置は、以下の式(11)で定義される空間平均法を共分散行列Rに適用して、共分散行列Rチルダを算出する。共分散行列Rチルダは、ランクを回復した共分散行列である。明細書の文章中では、電子出願の関係上、文字の上に“〜”の記号を付することができないので、“Rチルダ”のように表記している。
Figure 0006615405
式(11)において、Lは、空間平均で使用するサブアレイの数であり、Bm,L,lは、以下の式(12)で定義される選択行列である。
Figure 0006615405
式(13)において、Iは、n×nの単位行列、0i,jは、i×jの零行列である。
なお、空間平均を適用すると、周波数帯域に対応する各々の素子アレイの素子数mチルダは、以下のように減少する。
Figure 0006615405
以下、標準のESPRIT法を用いる遅延時間の推定手順を説明する。
まず、レーダ装置は、空間平均が適用された共分散行列Rチルダの固有値分解を行う。
ここでは、受信信号の数をdとして、絶対値が最も大きいd個の固有ベクトルをEとする。
Figure 0006615405
次に、レーダ装置は、優決定系な連立方程式(17)をトータル最小二乗法によって解くようにする。
Figure 0006615405

Figure 0006615405
ここでは、連立方程式(17)をトータル最小二乗法によって解いているが、連立方程式(17)を通常の最小二乗法によって解くようにしてもよい。
次に、レーダ装置は、以下の式(21)に示すように、トータル最小二乗法によって解いた解の固有値分解γを計算する。
Figure 0006615405
レーダ装置は、以下の式(23)に示すように、受信信号の遅延時間τを算出する。
Figure 0006615405
式(23)において、argωは、式(4)に示す位相差Δωτに相当する。
レーダ装置は、以下の式(24)に示すように、受信信号の遅延時間τから、目標までの距離rを算出する。
Figure 0006615405
式(24)において、cは光速である。
なお、目標までの距離の算出において、複数の周波数帯域の間隔としては、任意の間隔を用いることができるが、不等間隔とすることにより、目標間の距離に依存した距離分解能の低下を抑制することができる。
ここまでは、受信信号の遅延時間τを推定する方式について説明してきたが、目標が移動している場合、周波数帯域毎に、異なるドップラー周波数が発生するため、目標までの距離rを正確に推定するためには、周波数帯域間の遅延時間ずれΔτを補償する必要がある。
周波数帯域間の遅延時間ずれΔτは、線形周波数変調のチャープ率をαとすると、以下の式(25)で表される。
Figure 0006615405
式(25)において、fはドップラー周波数である。
周波数帯域間の遅延時間ずれΔτは、以下の式(26)に示すように、各々の周波数帯域のチャープ率αと中心周波数fとの比が等しくなるようにすれば、図7に示すように、目標の移動速度が変化しても、等しくすることができる。周波数帯域間の遅延時間ずれΔτは、周波数帯域間の距離誤差に相当する。
言い換えると、各々の周波数帯域のチャープ率αと中心周波数fとの比が等しくなるように、レーダ装置が、線形の周波数変調信号を生成すれば、周波数帯域間の遅延時間ずれΔτを補償することができる。
Figure 0006615405
図7は、DDS4−1〜4−Sにより生成される複数の周波数帯域における周波数変調信号及び周波数帯域間の遅延時間ずれが補償された結果の一例を示す説明図である。
次に、レーダ装置の動作について説明する。
まず、信号生成部1は、離れている複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号をそれぞれ生成し、それぞれ生成した複数の周波数変調信号の合成信号を信号送信部9に出力する。
以下、信号生成部1の動作を具体的に説明する。
信号生成部1の基準信号発生回路2は、基準信号を発生する。
信号生成部1の制御装置3は、離れている複数の周波数帯域における周波数変調信号の送信開始時刻、開始周波数、チャープ率及び信号長を示す制御情報をDDS4−1〜4−S及び信号処理回路19に出力する。
信号生成部1のDDS4−1〜4−Sは、基準信号発生回路2から発生された基準信号と、制御装置3から出力された制御情報とに従って周波数変調信号を生成し、生成した周波数変調信号をミキサ6−1〜6−Sに出力する。
図7では、説明の簡単化のため、S=2であり、2つの周波数変調信号が生成される例を示している。
DDS4−1〜4−Sにより生成される各々の周波数変調信号は、周波数帯域間の遅延時間ずれを補償するために、式(26)に示すように、各々の周波数帯域のチャープ率αと中心周波数fとの比が等しくなるように生成されている。
信号生成部1の高周波信号発生回路5は、高周波信号を発生する。
信号生成部1のミキサ6−1〜6−Sは、DDS4−1〜4−Sから出力された周波数変調信号に、高周波信号発生回路5から発生された高周波信号を混合して、DDS4−1〜4−Sから出力された周波数変調信号の周波数を変換し、周波数変換後の周波数変調信号をフィルタ7−1〜7−Sに出力する。
信号生成部1のフィルタ7−1〜7−Sは、ミキサ6−1〜6−Sより出力された周波数変調信号から所望の信号帯域の信号を取り出し、取り出した信号帯域の信号を合成器8に出力する。
信号生成部1の合成器8は、フィルタ7−1〜7−Sの出力信号を合成し、複数の出力信号の合成信号を送信信号として増幅器10に出力する。
信号送信部9は、信号生成部1から出力された合成信号である送信信号を送信する。
以下、信号送信部9の動作を具体的に説明する。
信号送信部9の増幅器10は、信号生成部1の合成器8から送信信号を受けると、その送信信号を増幅し、増幅後の送信信号を送受切替器11に出力する。
信号送信部9の送受切替器11は、増幅器10から出力された送信信号をアンテナ12に出力する。
アンテナ12は、送受切替器11から出力された送信信号を目標に向けて空間に放射する。
信号受信部13は、信号送信部9により送信された送信信号が目標に反射された信号である反射信号を受信する。
以下、信号受信部13の動作を具体的に説明する。
アンテナ12は、目標に反射された信号である反射信号を受信し、受信した反射信号を受信信号として送受切替器11に出力する。
信号受信部13の送受切替器11は、アンテナ12から出力された受信信号を増幅器14に出力する。
信号受信部13の増幅器14は、送受切替器11から出力された受信信号を増幅し、増幅後の受信信号をミキサ15に出力する。
信号受信部13のミキサ15は、増幅器14から出力された受信信号に、高周波信号発生回路5から発生された高周波信号を混合して、増幅器14から出力された受信信号の周波数を変換し、周波数変換後の受信信号をフィルタ16に出力する。
信号受信部13のフィルタ16は、ミキサ15より出力された受信信号から所望の信号帯域の信号を取り出し、取り出した信号帯域の信号を増幅器17に出力する。
信号受信部13の増幅器17は、フィルタ16の出力信号を増幅し、増幅後の出力信号をA/D変換器18に出力する。
信号受信部13のA/D変換器18は、増幅器17から出力された信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル信号を信号処理回路19に出力する。
信号処理回路19のクロススペクトル算出部21は、式(1)に示すように、信号受信部13により受信された反射信号である受信信号と信号送信部9により送信された合成信号との複数の周波数帯域におけるクロススペクトルx(τ)を算出する。
以下、クロススペクトル算出部21の処理内容を具体的に説明する。
クロススペクトル算出部21は、制御装置3から出力された制御信号が示す複数の周波数帯域における周波数変調信号の送信開始時刻を基準にして、A/D変換器18から出力されたデジタル信号をフーリエ変換することで、デジタル信号に含まれている複数の周波数帯域における周波数変調信号(以下、「受信変調信号」と称する)の周波数成分を求める。
また、クロススペクトル算出部21は、制御装置3から出力された制御信号及び基準信号発生回路2から出力された基準信号に基づいて、DOS4−1〜4−Sにより生成される周波数変調信号と同様の周波数変調信号(以下、「送信変調信号」と称する)を生成し、生成した送信変調信号をフーリエ変換する。
クロススペクトル算出部21は、各々の周波数帯域における受信変調信号の周波数成分と、各々の受信変調信号の周波数成分と対応する周波数帯域における送信変調信号のフーリエ変換の複素共役成分との積であるクロススペクトルx(τ)をそれぞれ算出する(図5のステップST1)。
信号処理回路19の距離算出部22は、式(9)〜(23)に従って、A/D変換器18から出力された受信変調信号を用いて、受信変調信号の遅延時間τを算出する(図5のステップST2)。受信変調信号の遅延時間τは、送信変調信号の送信開始時刻からの遅延時間である。
次に、距離算出部22は、遅延時間τを式(24)に代入することで、目標までの距離rを算出する(図5のステップST3)。
以下、距離算出部22による距離rの算出処理を具体的に説明する。
距離算出部22は、クロススペクトル算出部21が複数の周波数帯域におけるクロススペクトルx(τ)を算出すると、図6に示すように、複数の周波数帯域におけるクロススペクトルに含まれている複数の周波数成分のうち、2つ以上の周波数成分を含む集合を2つ生成する。
即ち、距離算出部22は、図6に示すように、2つの集合のうち、一方の集合に含まれている複数の周波数成分の周波数のそれぞれを所定の周波数だけシフトしたとき、周波数をシフトした複数の周波数成分における周波数軸上の配置が、他方の集合に含まれている複数の周波数成分における周波数軸上の配置と同一になるような2つの集合を生成する。
式(18)で表されるKは、一方の集合に含まれる周波数成分を選択する行列を表しており、式(19)で表されるKは、他方の集合に含まれる周波数成分を選択する行列を表している。
次に、距離算出部22は、2つの集合の間で対応する周波数成分の相対関係を用いて、受信信号の遅延時間τを推定し、推定した遅延時間を式(24)に代入することで、目標までの距離rを算出する。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、距離算出部22が、クロススペクトル算出部21により算出されたクロススペクトルに含まれている複数の周波数成分のうち、2つ以上の周波数成分を含む集合を2つ生成し、2つの集合の間で対応する周波数成分の相対関係を用いて、遅延時間を推定するように構成したので、偽目標の発生を招くことなく、高距離分解能化を実現することができる効果を奏する。
DOAの推定問題では、アレイアンテナを構成する複数の素子の間隔が広い場合の素子間位相差がグレーティングローブの発生原因となるが、この実施の形態1では、素子間隔が広い素子間位相差に相当する周波数成分の相対関係を使用しないため、偽目標の発生を抑制することができる。
また、この実施の形態1によれば、信号生成部1が、各々の周波数帯域において、周波数変調信号のチャープ率と、周波数変調信号の中心周波数との比が等しくなるように、複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号をそれぞれ生成するように構成したので、目標の移動速度が変化しても、目標までの距離の算出精度の低下を抑えることができる効果を奏する。
実施の形態2.
この実施の形態2では、距離算出部22により生成される2つの集合の配置が中心対称となるように、複数の周波数帯域を中心対称に配置して、複数の周波数帯域における周波数変調信号をそれぞれ生成する例を説明する。
信号生成部1は、上記実施の形態1と同様に、離れている複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号をそれぞれ生成し、それぞれ生成した複数の周波数変調信号の合成信号を信号送信部9に出力する。
ただし、この実施の形態2では、信号生成部1は、複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号をそれぞれ生成する際、上記実施の形態1と異なり、距離算出部22により生成される2つの集合の配置が中心対称となるように、複数の周波数帯域を中心対称に配置する。
図8は、2つの集合の配置が中心対称となる場合の、遅延時間の推定問題と等価なDOAの推定問題における2つのシフト不変なサブアレイの例を示す説明図である。
図8において、サブアレイ(1)とサブアレイ(2)の配置が中心対称になっている。
図8では、サブアレイ(1)とサブアレイ(2)の配置が中心対称になっている例を示しているが、図9に示すように、サブアレイ(1)とサブアレイ(2)の素子数が同じであり、サブアレイ(1)及びサブアレイ(2)の素子がそれぞれ等間隔に配置されたシフト不変なサブアレイであってもよい。
信号処理回路19の距離算出部22は、クロススペクトル算出部21が複数の周波数帯域におけるクロススペクトルx(τ)を算出すると、上記実施の形態1と同様に、目標の反射信号である受信信号の遅延時間τを推定する。
ただし、この実施の形態2では、距離算出部22は、受信信号の遅延時間τを推定する際、実数演算によるユニタリESPRITを用いる点で、上記実施の形態1と異なっている。
以下、距離算出部22による遅延時間τの推定処理を具体的に説明する。
距離算出部22は、式(9)の代わりに、以下の式(27)によって共分散行列Rを算出する。Xの上のバーは、複素共役を表す記号である。
式(27)による共分散行列Rの算出は、受信信号の信号数を2倍にして、FB(Forward Backward)空間平均を適用することに相当する。
Figure 0006615405
距離算出部22は、上記実施の形態1と同様に、式(11)で定義される空間平均法を共分散行列Rに適用して、共分散行列Rチルダを算出する。
次に、距離算出部22は、以下の式(28)に示すように、共分散行列Rチルダを実数値行列Τ(Rチルダ)に変換する。
Figure 0006615405
式(28)において、QM−S(L−1)は、M−S(L−1)が偶数であれば、以下の式(29)で表され、M−S(L−1)が奇数であれば、以下の式(30)で表される。
Figure 0006615405
この実施の形態2では、式(18)で表されるKは、以下の式(31)で表され、式(19)で表されるKは、以下の式(32)で表される。
Figure 0006615405
以降、距離算出部22は、上記実施の形態1と同様に、受信信号の遅延時間τを推定し、推定した遅延時間τを用いて、目標までの距離rを算出する。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、信号生成部1が、距離算出部22により生成される2つの集合の配置が中心対称となるように、複数の周波数帯域を中心対称に配置して、複数の周波数帯域における周波数変調信号をそれぞれ生成するように構成したので、距離算出部22では、実数演算によるユニタリESPRITを用いて、目標までの距離を算出することができる。この結果、距離の算出精度の向上と計算負荷の低減を図ることができる。
実施の形態3.
上記実施の形態1,2では、距離算出部22が、信号受信部13により受信された反射信号を用いて、目標までの距離rを算出する例を示している。
この実施の形態3では、距離算出部22が、信号受信部13により受信された反射信号に含まれている複数の周波数成分の中から、目標の速度により発生するドップラー周波数に対応する周波数成分と、ドップラー周波数に隣接している周波数に対応する周波数成分とをそれぞれ抽出する。
そして、距離算出部22は、それぞれ抽出した周波数成分を含む信号から、目標までの距離rを算出する例を説明する。
まず、信号生成部1は、複数の周波数変調信号の合成信号を一定間隔で出力し、信号送信部9は、信号生成部1から出力された合成信号を送信する。
信号受信部13は、信号送信部9により送信された送信信号が目標に反射された信号である反射信号を受信する。
距離算出部22は、信号受信部13のA/D変換器18から出力された複数の受信変調信号から構成されている計測行列Xを行方向にフーリエ変換する。
次に、距離算出部22は、行方向のフーリエ変換結果が示す周波数成分の中から、所望の目標速度により発生するドップラー周波数に対応する周波数成分と、ドップラー周波数と隣接している周波数に対応する周波数成分とをそれぞれ抽出する。ここで、所望の目標速度により発生するドップラー周波数は、事前に設定されている周波数である。
この実施の形態3では、ドップラー周波数と隣接している周波数に対応する周波数成分は、行方向のフーリエ変換結果が示す周波数成分の中で、ドップラー周波数よりも1つ高い周波数に対応する周波数成分と、ドップラー周波数よりも1つ低い周波数に対応する周波数成分とを含むものとする。ただし、これは一例に過ぎず、ドップラー周波数と隣接している周波数は、ドップラー周波数との差分が〇〇Hz以内の周波数であると定義されている場合、ドップラー周波数から〇〇Hz以内の周波数に対応する周波数成分を抽出すればよい。
距離算出部22は、それぞれ抽出した周波数成分を以下の式(33)に示す計測行列X’と定義し、計測行列X’の共分散行列Rを算出する。
Figure 0006615405
式(33)において、N’は、距離算出部22により抽出された周波数成分の数である。
距離算出部22は、算出した共分散行列Rを用いて、それぞれ抽出した周波数成分を含む信号の遅延時間τを推定し、推定した遅延時間τを用いて、目標までの距離rを算出する。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、距離算出部22が、信号受信部13により受信された反射信号に含まれている複数の周波数成分の中から、目標の速度により発生するドップラー周波数に対応する周波数成分と、ドップラー周波数に隣接している周波数に対応する周波数成分とをそれぞれ抽出し、それぞれ抽出した周波数成分を含む信号の遅延時間を推定するように構成したので、目標の速度から離れた速度で移動している物体からの反射信号の影響を抑圧することができる。その結果、上記実施の形態1,2よりも、距離の算出精度を高めることができる効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態1,2,3では、離れている複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号をそれぞれ生成し、それぞれ生成した複数の周波数変調信号の合成信号を出力する信号生成部1と、信号生成部1から出力された合成信号を送信する信号送信部9と、信号送信部9により送信された合成信号が目標に反射された信号である反射信号を受信する信号受信部13と、信号受信部13により受信された反射信号と信号送信部9により送信された合成信号との複数の周波数帯域におけるクロススペクトルを算出するクロススペクトル算出部21とを設け、クロススペクトル算出部21により算出された複数の周波数帯域におけるクロススペクトルを用いて、目標までの距離を算出する例を示している。
この実施の形態4では、クロススペクトル算出部21の代わりに、信号受信部13により受信された反射信号と信号送信部9により送信された合成信号との複数の周波数帯域におけるビート信号を算出するビート信号算出部を備え、距離算出部22が、クロススペクトル算出部21により算出されたクロススペクトルの代わりに、前記ビート信号算出部により算出された複数の周波数帯域におけるビート信号から、目標までの距離を算出する例を説明する。
まず、1個の目標に反射され、遅延時間τの信号の受信信号のs番目の周波数帯域におけるビート信号のサンプリングデータは、式(4)と同形式の式(34)で表現される。
Figure 0006615405
は、s番目の周波数帯域の標本数、fは、s番目の周波数帯域の中心周波数、Δωは、以下の式(35)で表される。
Figure 0006615405
式(35)において、αはチャープ率、Δtはビート信号のサンプリング間隔である。
式(4)と式(34)は、同形式であるため、距離算出部22は、それぞれ抽出したビート信号を式(10)に示した計測行列Xとして取り扱うことで、実施の形態1,2,3と同様に距離を算出することができる。即ち、クロススペクトルをビート信号に置き換え、クロススペクトルに含まれている複数の周波数成分を、ビート信号に含まれている複数の標本点に置き換えれば、実施の形態1,2,3と同様に、目標までの距離を算出することができる。
この実施の形態4では、距離算出部22は、ビート信号算出部により算出されたビート信号に含まれている複数の標本点のうち、2つ以上の標本点を含む集合を2つ生成し、2つの集合の間で対応する標本点の相対関係を用いて、遅延時間を推定することになる。
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、クロススペクトル算出部21の代わりにビート信号算出部が、信号受信部13により受信された反射信号と信号送信部9により送信された合成信号との複数の周波数帯域におけるビート信号を算出するように構成したので、距離算出部22が、それぞれ算出したビート信号から、目標までの距離を算出することができる。この結果、サンプリング周波数を低くし、少ない計算量で目標までの距離を算出することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明は、目標までの距離を算出するレーダ装置に適している。
1 信号生成部、2 基準信号発生回路、3 制御装置、4−1〜4−S DDS、5 高周波信号発生回路、6−1〜6−S ミキサ、7−1〜7−S フィルタ、8 合成器、9 信号送信部、10 増幅器、11 送受切替器、12 アンテナ、13 信号受信部、14 増幅器、15 ミキサ、16 フィルタ、17 増幅器、18 A/D変換器、19 信号処理回路、21 クロススペクトル算出部、22 距離算出部、31 クロススペクトル算出回路、32 距離算出回路、41 メモリ、42 プロセッサ。

Claims (7)

  1. 離れている複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号をそれぞれ生成し、それぞれ生成した複数の周波数変調信号を合成し、複数の周波数帯域の線形周波数変調信号である合成信号を出力する信号生成部と、
    前記信号生成部から出力された合成信号を送信信号として送信する信号送信部と、
    前記信号送信部により送信された送信信号が目標に反射された信号であり、複数の周波数帯域の線形周波数変調信号である受信信号を受信する信号受信部と、
    前記信号受信部により受信された受信信号の複数の周波数帯域におけるそれぞれの周波数帯域の周波数成分と、前記信号送信部により送信された送信信号の複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号の複数の周波数帯域における、前記受信信号の複数の周波数帯域におけるそれぞれの周波数帯域の周波数成分に対応するそれぞれの周波数帯域の周波数成分とから、複数の周波数帯域それぞれにおけるクロススペクトルを算出するクロススペクトル算出部と、
    前記信号受信部により受信された受信信号の受信時刻と前記送信信号の送信時刻との時刻差である前記受信信号の遅延時間を推定し、前記遅延時間から、前記目標までの距離を算出する距離算出部とを備え、
    前記距離算出部は、前記クロススペクトル算出部により算出された複数の周波数帯域におけるクロススペクトルそれぞれに含まれている複数の周波数成分のうち、前記離れている複数の周波数帯域それぞれから周波数成分を1つ以上合計2つ以上含む一方の集合と、前記クロススペクトル算出部により算出された複数の周波数帯域におけるクロススペクトルそれぞれに含まれている複数の周波数成分のうち、前記一方の集合に含まれている周波数成分の周波数をそれぞれシフトしたとき、当該周波数をシフトした周波数成分における周波数軸上の配置周波数軸上の配置同一になる他方の集合を生成し、前記一方の集合と前記他方の集合との間で対応する周波数成分の相対関係を用いて、前記遅延時間を推定することを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記距離算出部で用いる前記一方の集合及び前記他方の集合において、前記一方の集合に含まれている周波数成分における周波数軸上の配置と前記他方の集合に含まれている周波数成分における周波数軸上の配置とが同一になるシフトの量は、同じ周波数帯域に含まれている2つの周波数成分の間の周波数差であることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記信号生成部は、前記複数の周波数帯域を不等間隔に配置して、前記複数の周波数帯域における周波数変調信号をそれぞれ生成することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  4. 前記信号生成部は、各々の周波数帯域において、周波数変調信号のチャープ率と、周波数変調信号の中心周波数との比が等しくなるように、前記複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号をそれぞれ生成することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  5. 前記信号生成部は、前記距離算出部により生成される2つの集合の配置が中心対称となるように、前記複数の周波数帯域を中心対称に配置して、前記複数の周波数帯域における周波数変調信号をそれぞれ生成することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  6. 前記距離算出部は、前記信号受信部により受信された受信信号に含まれている複数の周波数成分の中から、前記目標の速度により発生するドップラー周波数に対応する周波数成分と、前記ドップラー周波数に隣接している周波数に対応する周波数成分とをそれぞれ抽出し、それぞれ抽出した周波数成分を含む信号の遅延時間を推定することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  7. 離れている複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号をそれぞれ生成し、それぞれ生成した複数の周波数変調信号を合成し、複数の周波数帯域の線形周波数変調信号である合成信号を出力する信号生成部と、
    前記信号生成部から出力された合成信号を送信信号として送信する信号送信部と、
    前記信号送信部により送信された送信信号が目標に反射された信号であり、複数の周波数帯域の線形周波数変調信号である受信信号を受信する信号受信部と、
    前記信号受信部により受信された受信信号の複数の周波数帯域における信号と前記信号生成部で生成された複数の周波数帯域における線形の周波数変調信号それぞれとから、複数の周波数帯域それぞれにおけるビート信号を算出するビート信号算出部と、
    前記信号受信部により受信された受信信号の受信時刻と前記送信信号の送信時刻との時刻差である前記受信信号の遅延時間を推定し、前記遅延時間から、前記目標までの距離を算出する距離算出部とを備え、
    前記距離算出部は、前記ビート信号算出部により算出された複数の周波数帯域におけるビート信号それぞれに含まれている複数の標本点のうち、前記離れている複数の周波数帯域それぞれから標本点を1つ以上合計2つ以上含む一方の集合と、前記ビート信号算出部により算出された複数の周波数帯域におけるビート信号それぞれに含まれている複数の標本点のうち、前記一方の集合に含まれている標本点の時刻をそれぞれシフトしたとき、当該時刻をシフトした標本点における時間軸上の配置同一になる他方の集合を生成し、前記一方の集合と前記他方の集合の間で対応する標本点の相対関係を用いて、前記遅延時間を推定する
    ことを特徴とするレーダ装置。
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