JP6550012B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両制御装置に係り、自動車等の車両の惰性走行による燃費向上と排気システム中に配備された浄化装置の最適な排気触媒管理による部品保護とを両立し得る車両制御装置に関する。
自動車等の車両の燃費向上を目的として、走行中に変速機のギアをニュートラルとする、または、エンジンと変速機を繋いでエンジンの動力を車輪に伝達するクラッチを開放し、エンジン(の回転数)をアイドル状態として走行する、もしくは、エンジンを停止させて走行する惰性走行を実施して、エンジンの燃料噴射量を抑える技術が提案されている。
一方、ガソリンエンジンから排出される排気ガスは、一般に、排気管に備え付けられる三元触媒で酸化還元反応され、無害な物質に置換されて大気中に放出される。この三元触媒は、ある一定の温度以上のときに活性状態となって、最も効率良く排気ガスを浄化できる状態となる。この活性状態は、エンジンで空気(吸気)と燃料の混合気を燃焼させた際に発生する熱によって維持される。そのため、前述のようなエンジン出力を抑えて燃料噴射量を減少させる施策が行われた場合、エンジンで混合気を燃焼させたときに発生する熱も低下するため、三元触媒の活性状態が失われ、排気ガスの浄化が適正に行われなくなる懸念がある。
このような課題を解決するため、特許文献1では、ディーゼルエンジンを搭載した車両(ディーゼル車両)において、走行中にエンジンをアイドル状態とするまたはエンジン停止とする惰性走行を実施する際に、前記触媒の温度を監視するとともに、前記アイドル状態またはエンジン停止の惰性走行を許可する触媒温度を設定し、前記触媒の温度が設定した触媒温度の範囲外である場合に各惰性走行モードへの移行を禁止する技術が提案されている。
また、特許文献1では、エンジン停止による惰性走行モードの実施を許可する触媒温度範囲が、エンジンをアイドル状態とする惰性走行モードの実施を許可する触媒温度範囲よりも狭く設定されており、エンジン停止による惰性走行モードで触媒温度が過剰に低下することを防ぐ施策が採られている。
特開2014−92102号公報
ところで、ガソリンエンジンの燃費を向上させる技術として、直噴インジェクションシステムがある。
従来のガソリンエンジンに見られるポート噴射方式は、エンジンシリンダ(気筒)内に入る前の吸気ポート上流にて燃料噴射装置(インジェクタ)から燃料噴射を行う方式であり、十分気化した混合気を気筒内で完全燃焼させることができる反面、燃料噴射量の微調整が難しいという特徴がある。
一方、直噴インジェクションシステムは、エンジンシリンダ内に直接燃料噴射を行う方式であり、ポート噴射方式よりもきめ細やかに燃料噴射量を調整することが可能であり、省燃費実現のために優位である。
しかし、前述の直噴インジェクションシステムは、ポート噴射方式に比べて、燃料と空気(吸気)を十分に混ぜ合わせることが難しく、燃料が十分に気化されない状態で燃焼行程に移行するため、未燃ガスやパティキュレートマター(PM:Particulate Matter)が発生しやすい。そのため、当該直噴インジェクションシステムを用いた直噴ガソリンエンジンにおいては、省燃費を実現しつつも、更なる排気ガスの浄化が求められている。
このような要求に対し、ガソリンエンジンの排気システムに、従来の三元触媒に加えて、ディーゼルエンジンに適用されるディーゼルパティキュレートフィルター(DPF:Diesel Particulate Filter)と同様のガソリンパティキュレートフィルター(GPF:Gasoline Particulate Filter)を取り付けた構成とし、ガソリンエンジンから排出される排気ガスのPMを除去することが考えられる。
このような三元触媒とGPFの組み合わせによる排気システムを備えた構成の車両における省燃費実現と排気ガス浄化装置(三元触媒およびGPF)の効率向上との両立を考えた際、特許文献1では、DPFを搭載したディーゼル車両の惰性走行の実施における触媒の温度条件についてのみ述べられており、三元触媒とGPFの組み合わせによる排気システムを備えた構成においては、条件が不十分であると考えられる。
より詳しくは、公知のディーゼルエンジンのDPFでは、捕捉したPMの堆積量が所定値を超えた場合に、DPFを昇温させてPMを燃焼させる再生制御が行われる。ガソリンエンジンのGPFでも、このDPFと同様に、PM堆積量が増加した場合には、再生制御が必要となるが、前記のように三元触媒とGPFが同時に存在する排気システムにおいては、三元触媒の活性化温度および耐熱温度等、GPFの再生温度と耐熱温度等がそれぞれ異なる特性を持つことを考慮する必要がある。
例えば、三元触媒(の温度)が活性状態にあるが、GPFのPM堆積量が所定値以上であり、GPFの再生制御が必要であると判断される場合には、GPFの再生制御が優先されてエンジン停止惰性走行を禁止すべきである。
一方、GPFのPM堆積量が所定値未満であり、GPFの再生制御が不要である場合には、GPFの温度を管理せずともPMがGPFに捕捉されるので、三元触媒の活性状態のみでエンジン停止惰性走行が判断(実施)されるべきである。
このように、例えば三元触媒とGPFといった異なる特性を持つ浄化装置の組み合わせで構成される排気システムでは、それぞれの浄化装置の状態に応じて、部品保護と排気ガス浄化と燃費向上のどれを優先すべきかを判断したのち、最適なエンジン制御(惰性走行モード制御)が実施されるべきである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両の惰性走行による燃費向上と排気システム中に配備された複数の浄化装置の最適な排気触媒管理による部品保護とを両立することのできる車両制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る車両制御装置は、エンジンと、前記エンジンから排出される排気ガスを浄化するための浄化装置であって、特性の異なる浄化装置を複数備える排気システムと、運転者の加速要求を検出する加速要求検出部と、運転者の減速要求を検出する減速要求検出部とを備え、前記運転者の加速要求および減速要求が所定の条件下にあるときに、前記エンジンの回転数をアイドル状態として走行するエンジンアイドル惰性走行、または、前記エンジンを停止して走行するエンジン停止惰性走行を実施する機能を有する車両を制御する車両制御装置であって、前記車両制御装置は、前記排気システム中の全ての浄化装置の状態が、各浄化装置の特性に応じて浄化装置毎に予め定められたエンジン停止惰性走行実施条件を満たすときに、前記エンジン停止惰性走行を許可することを特徴としている。
本発明によれば、排気システム中の全ての浄化装置の状態が、各浄化装置の特性に応じて浄化装置毎に予め定められたエンジン停止惰性走行実施条件を満たすときに、エンジンを停止して走行するエンジン停止惰性走行を許可することで、車両の惰性走行による燃費向上と排気システム中に配備された複数の浄化装置の最適な排気触媒管理による部品保護との両立を図ることが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る車両制御装置(エンジン制御システム)の実施形態1が適用される車両の概略構成図である。 本発明に係る車両制御装置(エンジン制御システム)の実施形態1による惰性走行切替制御のフローチャートである。 本発明に係る車両制御装置(エンジン制御システム)の実施形態1による惰性走行切替制御における車両状態を時系列で示したタイミングチャートである。 本発明に係る車両制御装置(エンジン制御システム)の実施形態2による惰性走行切替制御のフローチャートである。 本発明に係る車両制御装置(エンジン制御システム)の実施形態2による惰性走行切替制御における車両状態を時系列で示したタイミングチャートである。 本発明に係る車両制御装置(エンジン制御システム)の実施形態2が適用される車両における、各触媒の状態に対する惰性走行モードの実施領域を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
[実施形態1]
《車両構成》
図1は、本発明に係る車両制御装置(エンジン制御システム)が適用されるガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)を搭載した自動車等の車両の概略構成図である。
図1における車両1は、エンジン100と、エンジン100から排出される排気ガスを浄化して大気中に放出するための排気システム200と、エンジン100の動力をドライブシャフト304(駆動装置である車輪に連結された車軸)に伝えるクラッチ機構301と変速機302を有するトランスミッション300とを備え、エンジン100に含まれる各部品はエンジン制御システム101によって制御され、トランスミッション300のクラッチ機構301および変速機302はトランスミッション制御システム303によって制御される。
また、前記車両1には、アクセルペダル404およびブレーキペダル405が設けられ、運転者のペダル(アクセルペダル404およびブレーキペダル405)操作は、アクセルペダルセンサ401およびブレーキペダルセンサ402で検知され、運転者の加速要求および減速要求としてエンジン制御システム101に入力される。すなわち、アクセルペダルセンサ401およびブレーキペダルセンサ402は、運転者の加速要求および減速要求を検出する加速要求検出部および減速要求検出部として機能する。なお、この運転者の加速要求または減速要求のための操作は、オートクルーズスイッチ403にて起動されるクルーズコントロールで代用できるようにしてもよい。
<エンジン100>
エンジン制御システム101は、電源としてのバッテリー501に接続されており、運転者の加速要求から目標トルクを算出し、エンジン100に流入させる空気量、燃料噴射量、点火時期等を演算し、各部品を作動させる。その際、排気システム200で効率的に排気ガスを浄化できるように、空燃比フィードバックによる空気量、燃料噴射量、点火時期等の補正を行う。
エンジン100に流入する空気量は、エアフロセンサ110で監視され、電子制御スロットル111の開度によって調節される。電子制御スロットル111の開度は、運転者の加速要求または減速要求あるいは車両1の状態から、エンジン制御システム101によって最適な開度に決定される。
エンジン100に流入する空気は、吸気バルブ112が開くことによって、シリンダ(気筒)内に吸入される。
エンジン100の回転中は、ピストン115によるピストン運動がコンロッド116を伝い、クランクシャフト117によって円運動に変換される。このエンジン100の回転中において、特定のシリンダが吸入工程または圧縮工程にある際に、燃料噴射装置(インジェクタ)113がシリンダ内に燃料を噴射(ここでは、直接噴射)し、シリンダ内に混合気が形成される。
圧縮工程にてシリンダ内の混合気が圧縮され、ピストン115が上死点付近に到達すると、点火プラグ114が火花放電し、混合気に着火して膨張工程に移行する。電子制御スロットル111の開度同様、燃料噴射装置113の燃料噴射量および燃料噴射タイミング、点火プラグ114の点火時期は、運転者の加速要求、減速要求、車両1の状態に応じてエンジン制御システム101により適切に制御される。
混合気が爆発して膨張行程が終了すると、排気バルブ118が開き、燃焼後の排気ガスが、排気システム200に送られる。
<排気システム200>
排気システム200は、エンジン100から排出された排気ガスを浄化する浄化装置である三元触媒212とガソリンパティキュレートフィルター(GPF)214とを備える。三元触媒212は、エンジン100から放出される排気ガスを化学反応によって浄化する触媒であり、GPF214は、エンジン100から放出される排気ガス中に含まれるPMを吸着して浄化する触媒である。
O2センサ211は、エンジン100から放出された排気ガス中に含まれる酸素を検出する。O2センサ211は、エンジン制御システム101と接続され、エンジン制御システム101は、排気ガスの残留酸素濃度から、次の燃焼行程における空気量や燃料噴射量の空燃比補正を行う。
エンジン100から放出されたばかりの排気ガスに大量に含まれる一酸化炭素または窒素酸化物は、前記O2センサ211の下流に配置された三元触媒212によって、水、二酸化炭素、窒素に還元される。この三元触媒212の温度は、三元触媒温度センサ213によって監視され、その三元触媒212の温度が所定の温度範囲内となるように、エンジン制御システム101は、エンジン100の出力の調整を常に行う(後で詳述)。なお、ここでは、三元触媒212の温度は、当該三元触媒212に取り付けられた三元触媒温度センサ213によって直接的に取得されているが、間接的に取得するようにしてもよい。
三元触媒212を通過した排気ガスは、次いでGPF214を通過する。このGPF214によって、三元触媒212では除去しきれないPMや有害物質をさらに取り除く。このGPF214の温度は、GPF温度センサ215によって監視され、そのGPF214の温度が所定の温度範囲内となるように、エンジン制御システム101は、エンジン100の出力の調整を常に行う(後で詳述)。なお、ここでは、GPF214の温度は、当該GPF214に取り付けられたGPF温度センサ215によって直接的に取得されているが、間接的に取得するようにしてもよい。
また、GPF214の上流と下流には、GPF上流圧力センサ216とGPF下流圧力センサ217がそれぞれ取り付けられる。GPF214のPM堆積量が少ない場合は、GPF上流圧力センサ216が示す圧力とGPF下流圧力センサ217が示す圧力の差が小さい。一方、GPF214のPM堆積量が多い場合は、GPF上流圧力センサ216が示す圧力とGPF下流圧力センサ217が示す圧力の差が大きくなる。この圧力センサ(GPF上流圧力センサ216、GPF下流圧力センサ217)の圧力差によって、GPF214のPM堆積量の監視が可能となる。
GPF214を通過した排気ガスは、さらに下流の消音機(不図示)を通過して大気中に放出される。
<トランスミッション300>
一方、トランスミッション300は、エンジン100の動力を(ドライブシャフト304を介して)車輪へ伝達または遮断するためのクラッチ機構301と、エンジン100の回転から所定のトルクを車輪へ出力するための変速機302とを備える。
エンジン100の出力は、クラッチ機構301によって伝達される。このクラッチ機構301のクラッチ開放または締結は、運転者の加速要求または減速要求、車両1の状態等に応じて自動的にトランスミッション制御システム303によって行われる。前記したエンジン制御システム101とトランスミッション制御システム303とは相互に通信を行っており、協調制御を実施する。
ここで、エンジン制御システム101は、運転者の加速要求および減速要求がないとき(つまり、運転者が一定の速度で車両1を走行させようとするとき)、惰性走行を許可するようになっている。
エンジン制御システム101からの惰性走行許可信号を受けると、トランスミッション制御システム303は、クラッチ機構301がクラッチを開放し、エンジン100の動力の伝達の遮断を行う、あるいは、変速機302がニュートラルギアに変速し、ドライブシャフト304への動力伝達を遮断する指令を各部品に出力する。
《惰性走行切替制御のフロー》
図2は、本発明に係る車両制御装置(エンジン制御システム)の実施形態1による、排気システム200中の各浄化装置(三元触媒a212、GPF214)の状態の監視から惰性走行(エンジンアイドル惰性走行、エンジン停止惰性走行)許可までの制御のフローチャートである。
このフローチャートに示されたステップs101からステップs106の動作は、図1のエンジン制御システム101において周期的に実行される。
<惰性走行への移行判断:s101>
図2のステップs101では、エンジン制御システム101が、エンジン100の出力が低負荷の状態で巡航可能と判断し、惰性走行への移行を許可する(惰性走行開始運転条件成立)。
本実施形態では、トランスミッション300のクラッチ機構301(のクラッチ)を開放した(すなわち、エンジン100の動力の伝達を遮断した)状態で、エンジン100(の回転数)をアイドル状態として走行するエンジンアイドル惰性走行と、同様にクラッチ機構301を開放した状態で、エンジン100を停止して走行するエンジン停止惰性走行との、2つの形態(モード)の惰性走行を実施する。
なお、本実施形態では、クラッチ機構301を開放した状態で、エンジン停止またはエンジンアイドル状態としているが、クラッチ機構301が締結している状態で変速機302のギアをニュートラルとし、エンジン停止またはアイドル状態としてもよい。
また、エンジン100の出力が低負荷と判断する基準は、運転者によってアクセルペダル404が所定の範囲内で一定に踏まれており、一定の速度を保って運転している状態、または、所定の速度で運転者のペダル操作が無い状態、運転者がクルーズコントロールスイッチ403を操作して実施するオートクルーズ機能によりエンジン制御システム101がエンジン100の出力を制御している場合である。なお、これらのエンジン低負荷の判断基準は一例であり、上記以外に、例えば、加速度センサや傾斜センサによって下り坂を検知し、車速を保ったままエンジン回転数を抑えて走行できる状況などを判断基準としてもよい。
<第一触媒(三元触媒)診断:s102>
図2のステップs102では、第一の浄化装置(触媒)である三元触媒212の診断を実施する。
例えば、この診断では、三元触媒212の温度(三元触媒温度センサ213で監視)を測定し、三元触媒212の温度が所定の温度範囲内にあるか否かを判定する。
三元触媒212の温度が三元触媒活性化温度下限を超えていない場合は、活性化が不十分で、排気ガスの浄化が効率的に行われない。
また、三元触媒212の温度が(エンジン停止惰性走行禁止上限より)高温となっている場合は、エンジン100を停止すると、排気ガスフローによる冷却が実施できなくなり、三元触媒212が焼損する恐れがある。
これらを考慮し、エンジン停止惰性走行を実施(許可)する第一の条件として、三元触媒212の温度が所定の温度範囲内にある場合は、問題なしとして、ステップs103に移行する。
一方、三元触媒212の温度が所定の温度範囲外にある場合は、ステップs110に移行し、エンジンアイドル惰性走行のみを許可する。
なお、ステップs102では、三元触媒212の温度を三元触媒温度センサ213で監視してエンジン停止惰性走行の許可または禁止としているが、例えば、三元触媒温度センサ213とエンジン制御システム101の接続が不良となっている場合は、三元触媒212の温度が正確に取得できないとして、ステップs110に移行する条件を追加してもよい。
<第二触媒(GPF)診断:s103>
図2のステップs103では、第二の浄化装置(触媒)であるGPF214の診断を行う。
例えば、この診断では、GPF214の温度(GPF温度センサ215で監視)が所定の温度範囲内にあるか否かを判定する。
GPF214の温度が(GPF温度異常閾値より)高温となっている場合は、エンジン100を停止すると、排気ガスフローによる冷却が実施できなくなり、GPF214が焼損する恐れがある。
それを考慮し、GPF214の温度が所定の温度範囲外にある場合は、ステップs110に移行し、エンジンアイドル惰性走行のみを許可する。
また、ここで、GPF上流圧力センサ216とGPF下流圧力センサ217の圧力差を確認し、GPF214の前後圧力の差が所定の範囲内であるか否かを評価する。
GPF214の前後圧力の差が小さい場合においては、GPF214にクラックが存在することやセンサ故障などが考えられる。
また、GPF214の前後圧力の差が大きい場合は、捕集したPMが過堆積となっており、後述のGPF再生制御が必要である。この場合、エンジンアイドル惰性走行は許可し、排気ガスの熱によって捕集したPMを燃焼させるGPF再生制御を実行する。
よって、エンジン停止惰性走行を実施(許可)する第二の条件として、GPF214の温度とGPF214の前後圧力差が所定の範囲内にある場合は、問題なしとして、ステップs104に移行し、エンジンアイドル惰性走行を許可する。
一方、前記した第二の条件が不成立であった場合は、ステップs110に移行し、エンジンアイドル惰性走行のみを許可する。
なお、本実施形態では、一般に、三元触媒212がGPF214より温度管理条件が厳しいので、上流側に配置した三元触媒212の診断を実施した後に、下流側に配置したGPF214の診断を実施したが、GPF214の診断を実施した後に、三元触媒212の診断を実施してもよいことは勿論である。
<エンジン停止許可条件判断:s105>
図2のステップs104で、一旦、エンジンアイドル惰性走行を許可している状態とし、ステップs105で、エンジン停止惰性走行への許可または禁止(エンジン停止許可条件成立)を判定する。
このエンジン停止判断は、三元触媒212とGPF214の状態以外の車両1の状態によって決定される。例えば、車両1に搭載されたバッテリー501(例えば、そのバッテリー電圧)がエンジン停止惰性走行を許可する条件から外れている場合にエンジン停止惰性走行を禁止することを条件に追加することなどが考えられる。
ステップs105でエンジン停止惰性走行実施(許可)条件が成立しないと判定された場合は、ステップs106がスキップされ、エンジンアイドル惰性走行を継続して実行する。
一方、ステップs105でエンジン停止惰性走行実施(許可)条件が成立していると判定された場合は、ステップs106に移行し、エンジン停止惰性走行を許可する。
《惰性走行切替制御における車両状態》
図3のタイミングチャートは、本発明に係る車両制御装置(エンジン制御システム)が、図2で示すフローチャートに基づき説明した制御を連続して実行し、排気システム200中の各浄化装置(三元触媒a212、GPF214)の状態を監視しながらエンジンアイドル惰性走行またはエンジン停止惰性走行を実施した際の、エンジン100および車両1の各パラメータの変化の一例を示したものである。
図3のt0において、運転者がアクセルペダル404の操作を行い、t1にかけて車両1が加速する。t1では、運転者が意図した車速VSPに達したと判断し、一定の速度を維持するようなペダル操作が行われる。t2に達した際、図2のステップs101で説明した惰性走行開始運転条件が成立する。
t2において、三元触媒212の触媒温度CATTは三元触媒活性化温度下限に達しておらず、まだ三元触媒212が十分に機能しない状態である。そのため、図2のステップs102の評価で否定され、ステップs110に移行して、エンジンアイドル惰性走行が実施される。
この時、クラッチ機構301(のクラッチ)は締結状態から開放状態となって、変速機302へのエンジン100の駆動力の伝達が停止(遮断)する。t3では、運転者の加速要求および減速要求がなくなり、t4からt5にかけては、運転者がブレーキペダル405の操作を行って減速する様子を示し、t5では、車両1が停止する。
t6で、運転者が再びアクセルペダル404の操作を行うと、クラッチ機構301のクラッチが締結されて車両1は加速し始める。
t7では、t1と同様、運転者が意図した車速VSPに達したと判断し、一定の速度を維持するようなペダル操作が行われる。t8に達した際、図2のステップs101で説明した惰性走行開始運転条件が成立する。
t8において、三元触媒212の触媒温度CATTは三元触媒活性化温度下限とエンジン停止惰性走行禁止上限の範囲内にあり、三元触媒212が十分に機能している状態である。そのため、図2のステップs102で三元触媒温度条件が成立し、ステップs103に移行する。
次に、図2のステップs103で説明したGPF診断を行う。ここでは、GPF214の温度条件のみを考慮することとする。
図3のt8におけるGPF214の温度(GPF温度)GPFTは、GPF温度異常閾値よりも低い値を示している。そのため、図2のステップs104の処理に移行し、エンジンアイドル惰性走行が実施される。
このような評価がt8で実施された後、エンジンアイドル惰性走行が実施され、t9にかけて、エンジン回転数Nがアイドル回転数に向かって下降する。
t9からt10は、エンジンアイドル惰性走行を実施した後、エンジン停止惰性走行実施条件が成立するか否かを判断している状態であり、t10において、予め定められたエンジン停止惰性走行実施条件が成立すると、エンジン回転数Nは0(エンジン停止)となる。
以上のように、本実施形態では、排気システム200中に複数の浄化装置(三元触媒212、GPF214)が存在する構成を有する車両1において、それぞれの浄化装置がエンジン停止惰性走行に移行できる状態にあるか否かを判断し、いずれかの浄化装置の状態がエンジン停止惰性走行実施条件を満たさない場合は、エンジン停止惰性走行を許可しない(禁止する)、言い換えれば、全ての浄化装置の状態がエンジン停止惰性走行実施条件を満たす場合のみ、エンジン停止惰性走行を許可することで、車両1の惰性走行による燃費向上と排気システム200中に配備された全ての浄化装置の部品保護とが可能となる。
[実施形態2]
《惰性走行切替制御のフロー》
図4は、本発明に係る車両制御装置(エンジン制御システム)の実施形態2による、排気システム200中の各浄化装置(三元触媒a212、GPF214)の状態の監視から惰性走行(エンジンアイドル惰性走行、エンジン停止惰性走行)許可までの制御のフローチャートである。
図4のフローチャートは、前述の図2のフローチャートを改良し、GPF214の再生制御を考慮した実施形態を示すものである。
なお、本実施形態2の車両制御装置(エンジン制御システム)が適用される車両自体の構成は、図1に基づき説明した構成と同じである。
図4のステップs201とステップs202とステップs203は、図2のステップs101とステップs102とステップs103にそれぞれ対応しており、図4のステップs201とステップs202では、図2のステップs101とステップs102と同様の処理が行われる。
以下では、図4のステップs202の第一触媒(三元触媒212)診断の結果が異常でなく、ステップs203に移行した場合の、第二触媒(GPF214)診断からの処理フローを説明する。
<第二触媒(GPF)診断(PM堆積量診断):s203>
本実施形態では、図4のステップs203の診断において、第二触媒(GPF214)のPM堆積量の診断を実施するものとする。
GPF214のPM堆積量は、前述のようにGPF上流圧力センサ216とGPF下流圧力センサ217の圧力差を確認するとともに、その2つの圧力センサの圧力差と排気ガスの流量または質量によって算出できる。
ステップs203では、GPF214のPM堆積量から、GPF214の再生制御の必要または不要を判定する。すなわち、前述の方法によってPM堆積量を取得し、PM堆積量がGPF再生制御開始閾値(フィルター再生制御実行堆積量ともいう)を超えていない(未満である)場合は、ステップs204に移行し、エンジンアイドル惰性走行を許可する。
一方、ステップs203で、GPF214のPM堆積量がGPF再生制御開始閾値を超えている(以上である)場合は、ステップs211に移行する。
<GPF再生制御条件判断:s211>
ステップs211では、GPF温度センサ215で取得するGPF温度がGPF再生温度を超えているか否かを判断する。
本実施形態では、GPF温度センサ215を用いて直接GPF214の温度を測定する方法を示しているが、例えば、上流の三元触媒温度センサ213で測定した温度から当該GPF214の温度を推定する方法で取得してもよい。
GPF温度がGPF再生温度を超えている場合は、ステップs212に移行してエンジン100の目標エンジン回転数をエンジンアイドル回転数とし、ステップs213に移行してエンジンアイドル惰性走行を許可する。
また、ステップs211で、GPF温度がGPF再生温度を超えていない場合、ステップs221に移行する。ステップs221では、GPF214を再生可能温度(GPF再生温度)まで昇温させるために、エンジン100の目標エンジン回転数として、エンジンアイドル回転数にオフセットを加えた回転数を設定し、その後、ステップs213に移行してエンジンアイドル惰性走行を許可する。
本実施形態では、GPF温度がGPF再生温度以下である場合の目標エンジン回転数として、アイドル回転数にオフセットを加えたものを採用しているが、予めエンジンアイドル惰性走行中に再生制御する場合の目標エンジン回転数を定めておいてもよい。
また、本実施形態では、エンジン100のアイドル回転数を上昇させる方法によって、GPF214の昇温を図っているが、ガソリンエンジンの場合は、エンジン回転数を据え置いたままで空気量や燃料噴射量、点火時期の補正によっても昇温が可能である。例えば、吸入空気量増量と点火時期の遅角を同時に行うことによって、同じエンジン回転数でありながら、エンジン100の気筒内で発生する熱を、排気システム200側へ移動させることができる。また、燃料噴射量を調整して、燃料の割合を濃く(リッチに)設定することで、三元触媒212の化学反応を促進させて昇温し、高温のガスをその下流へ流してGPF214の昇温を図ることも考えられる。このような空気量補正、燃料噴射量補正、点火時期補正をエンジン制御システム101により行うことで、GPF214の昇温を図る制御をステップs221に適用した形態としてもよい。
<GPF再生制御終了判断>
図4のステップs212またはステップs221を経由した場合は、ステップs213で、エンジンアイドル惰性走行を許可(実施)する。
図4のフローチャートが所定のタイミングにて逐次実行されることにより、ステップs203の第二触媒(GPF)診断は繰り返し行われる。GPF温度がGPF再生制御に必要な温度(GPF再生温度)に維持されることで、GPF214に捕捉されたPMは減少する。
GPF214のPM堆積量が所定値(フィルター再生制御実行堆積量)未満となった場合は、ステップs203の診断結果が正常となってステップs204に移行し、GPF再生制御は終了する。
なお、図4のステップs204とステップs205とステップs206では、図2のステップs104とステップs105とステップs106と同様の処理が行われて、車両1の状態に応じた適正な惰性走行(エンジンアイドル惰性走行、エンジン停止惰性走行)が実施される。
《惰性走行切替制御における車両状態》
図5のタイミングチャートは、本発明に係る車両制御装置(エンジン制御システム)が、図4で示すフローチャートに基づき説明した制御を連続して実行し、排気システム200中の各浄化装置(三元触媒a212、GPF214)の状態を監視した結果、GPF214の再生制御を行いながらエンジンアイドル惰性走行またはエンジン停止惰性走行を実施した際の、エンジン100および車両1の各パラメータの変化の一例を示したものである。
図5のt11において、運転者がアクセルペダル404の操作を行い、t12にかけて車両1が加速する。t12では、運転者が意図した車速VSPに達したと判断し、一定の速度を維持するようなペダル操作が行われる。t13に達した際、図4のステップs201で説明した惰性走行開始運転条件が成立する。
t13では、三元触媒212の触媒温度CATT、GPF214の温度(GPF温度)GPFT、GPF214のPM堆積量GPFPMの状態を判断して、エンジンアイドル惰性走行の許可を判断する。
t13において、三元触媒212の触媒温度CATTは三元触媒活性化温度下限とエンジン停止惰性走行禁止上限の範囲内にあり、三元触媒212が十分に機能している状態である。そのため、図4のステップs202で三元触媒温度条件が成立し、ステップs203に移行する。
次に、t13におけるGPF214のPM堆積量GPFPMは、フィルター再生制御実行堆積量よりも高い。そのため、図4のステップs211の処理に移行し、GPF温度GPFTの評価を実行する。
t13において、GPF温度GPFTはGPF再生温度に達していない。そのため、ステップs221に遷移し、惰性走行実行時のエンジン回転数Nを、アイドル回転数+オフセットとして、t14で、エンジンアイドル惰性走行が実行される。
t14からt15にかけては、GPF温度がGPF再生温度に達していないために、アイドル回転数を(オフセット分だけ)上昇させてGPF214の昇温を図る。
t15では、GPF温度がGPF再生温度に達したため、GPF再生が開始され、GPF214のPM堆積量GPFPMは減少する。
また、t15において、GPF温度がGPF再生温度を超えた場合、図4のステップs211の評価において温度条件が成立することになる。そのため、ステップs212へ移行し、エンジンアイドル惰性走行時のアイドル回転数は、通常のアイドル回転数と同じ回転数に設定される。
t16からt17の区間は、再び運転者の加速要求によってアクセルペダル404が踏まれ、エンジン回転数Nが上昇し、車速VSPが上昇する様子を表している。この区間では、エンジン回転数Nの上昇によって、高温の排気ガスが三元触媒212とGPF214に送られることから、GPF温度はGPF再生温度以上を保持し、再生制御が継続して、PM堆積量GPFPMはさらに減少する。
t17では、t12と同様、運転者が意図した車速VSPに達したと判断し、一定の速度を維持するようなペダル操作が行われる。t18に達した際、図4のステップs201で説明した惰性走行開始運転条件が成立する。
t18では、三元触媒212が十分に機能しており、GPF214のPM堆積量が所定値(フィルター再生制御実行堆積量)未満である。そのため、図4のステップs203からステップs204に移行してエンジンアイドル惰性走行が実施される。
このような評価がt18で実施された後、エンジンアイドル惰性走行が実施され、t19にかけて、エンジン回転数Nがアイドル回転数に向かって下降する。
t19からt20にかけてエンジンアイドル惰性走行中に、図4のステップs205を評価(エンジン停止惰性走行実施条件が成立するか否かを判断)し、t20で予め定められたエンジン停止惰性走行実施条件が成立すると、エンジン回転数は0(エンジン停止)となる。
以上のように、本実施形態2では、排気システム200に配備された三元触媒212の温度に加えて、GPF214の温度とPM堆積量を監視して、エンジン停止惰性走行を許可(実施)または禁止するようにしたが、GPF214のPM堆積量を条件に用いることで、PM堆積量が低い場合は三元触媒212の温度条件のみでエンジン停止惰性走行が可能であり、更なる燃費向上が見込まれる。
《各触媒の状態に対する惰性走行モードの実施領域》
図6は、上記した第一触媒(三元触媒212)と第二触媒(GPF214)の状態に応じて決定される、エンジンアイドル惰性走行とエンジン停止惰性走行の実施範囲を示したものである。横軸の上段側は、第一触媒の条件である三元触媒212の温度、横軸の下段側は、第二触媒の条件であるGPF214の温度、縦軸は、第二触媒の条件であるGPF214のPM堆積量を示す。
図6のA領域では、三元触媒212の温度が(エンジン停止許可下限より)低く、昇温が必要であるため、エンジン停止惰性走行が禁止され、エンジンアイドル惰性走行が実施される。
また、B領域では、三元触媒212の温度が(エンジン停止許可上限より)高く、冷却が必要であるため、エンジン停止惰性走行が禁止され、エンジンアイドル惰性走行が実施される。
すなわち、A領域とB領域は、三元触媒212の温度によって区分される。
C領域は、三元触媒212の温度がエンジン停止惰性走行実施条件を満たしており(つまり、エンジン停止許可下限とエンジン停止許可上限の範囲内であり)、かつ、GPF214のPM堆積量が再生制御開始閾値を下回っているため、(三元触媒212とGPF214の状態以外の車両1の状態に応じて)エンジン停止惰性走行が実施される。
このC領域は、三元触媒212の温度とGPF214のPM堆積量で区分される。
D領域とE領域は、三元触媒212の温度がエンジン停止惰性走行実施条件を満たしているが、GPF214のPM堆積量が(再生制御開始閾値以上と)高く、GPF再生制御が必要な領域である。ここで、D領域では、GPF214の温度がGPF再生可能温度を超えているため、通常のエンジンアイドル惰性走行が実施される。一方で、E領域では、GPF214の温度がGPF再生可能温度以下と低いため、GPF214の触媒昇温を伴うエンジンアイドル惰性走行が実施される。
すなわち、D領域とE領域は、三元触媒212の温度とGPF214のPM堆積量とGPF温度によって区分される。
[実施形態1、2の作用効果]
以上説明したように、本実施形態1、2によれば、排気システム200中に特性の異なる複数の浄化装置がある場合においても、それぞれの浄化装置の状態に応じて、エンジン停止惰性走行とエンジンアイドル惰性走行とが適切に切り替えられることによって、部品保護と燃費向上が実現可能となる。
具体的には、車両1には、ガソリンエンジン100から放出される排気ガスを化学反応によって浄化する第一の触媒(三元触媒212)と、ガソリンエンジン100から放出される排気ガス中に含まれるPMを吸着するための第二の触媒(GPF214)が備えられる。
上記三元触媒212とGPF214はそれぞれ独立に排気システム200(の排気管)内に取り付けられ、三元触媒212の状態とGPF214の状態はそれぞれ独立した温度センサ(三元触媒温度センサ213、GPF温度センサ215)によって監視される。GPF214の上流と下流には圧力センサ(GPF上流圧力センサ216、GPF下流圧力センサ217)が搭載され、GPF214の前後の圧力の差を監視することで、GPF214のPM堆積量を検出する。
また、上記車両1には、ドライバーからの加速要求または減速要求から、ガソリンエンジン100の空気流入量、燃料噴射量、点火時期等を計算し、各部品に指令信号を送信するエンジン制御システム101と、車輪へのエンジン100の動力の伝達または遮断を制御するトランスミッション制御システム303とが備えられ、エンジン制御システム101は、ドライバーの加速要求または減速要求が無いとき(つまり、ドライバーが一定の速度で車両1を走行させようとするとき)に、エンジン100と変速機302を切り離して実施されるエンジンアイドル惰性走行またはエンジン停止惰性走行を実行する。
上記エンジン制御システム101は、通常走行からエンジンアイドル状態の惰性走行(エンジンアイドル惰性走行)に移行する際の判断に、前述した三元触媒212の温度とGPF214の温度とGPF214のPM堆積量を用いる。
すなわち、上記エンジン制御システム101は、三元触媒212の温度が所定の温度範囲内(三元触媒212の特性に応じて予め定められた範囲内)であり、GPF214のPM堆積量が低い(GPF214の特性に応じて予め定められたGPF再生制御開始閾値(フィルター再生制御実行堆積量)未満である)場合は、エンジン停止惰性走行を許可する。
また、三元触媒212の温度が所定の温度範囲内であり、GPF214のPM堆積量が高い(GPF再生制御開始閾値(フィルター再生制御実行堆積量)以上である)場合は、エンジンアイドル惰性走行を許可し、エンジン停止惰性走行を許可しない(禁止する)。
また、前述のエンジンアイドル惰性走行実施時(GPF214のPM堆積量が高い場合)に、GPF温度が低い(GPF214の特性に応じて予め定められたGPF再生温度以下である)場合は、所定の温度(GPF再生温度)より高くなるように、GPF214の昇温を行う。
このように、第一の浄化装置(触媒)である三元触媒212の温度と第二の浄化装置(触媒)であるGPF214の温度を独立して監視することで、車両1の惰性走行による燃費向上と排気システム200中に配備された三元触媒212とGPF214の部品保護を同時に行うことが可能となる。
また、エンジン停止惰性走行の実施を許可する条件で、三元触媒212の温度とGPF214の温度以外に排気システム200の圧力を監視することで、浄化装置毎の温度条件を全て満たさずともエンジン停止惰性走行に移行することが可能となり、更なる燃費向上を図ることが可能となる。
[変形形態]
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上記実施形態では、三元触媒とGPFの組み合わせによる構成のシステムを説明したが、本発明はこの組み合わせに限定されず、三元触媒と三元触媒の組み合わせ、または、V型エンジン等に見られる左右独立の排気システムへの適用も可能である。
また、上記実施形態では、ガソリンエンジンのためのGPFを説明に用いたが、本発明は、ガソリンエンジンのみならず、ディーゼルエンジンにも適用が可能である。
また、上記実施形態では、ガソリンエンジンの直噴インジェクションシステムに適用した場合を説明したが、本発明は、ポート噴射方式のエンジンにも適用が可能である。
100・・・エンジン、101・・・エンジン制御システム(車両制御装置)、110・・・エアフロセンサ、111・・・電子制御スロットル、112・・・吸気バルブ、113・・・燃料噴射装置(インジェクタ)、114・・・点火プラグ、115・・・ピストン、116・・・コンロッド、117・・・クランクシャフト、118・・・排気バルブ、200・・・排気システム、211・・・O2センサ、212・・・三元触媒(浄化装置)、213・・・三元触媒温度センサ、214・・・GPF(ガソリンパティキュレートフィルター)(浄化装置)、215・・・GPF温度センサ、216・・・GPF上流圧力センサ、217・・・GPF下流圧力センサ、301・・・クラッチ機構、302・・・変速機、303・・・トランスミッション制御システム、401・・・アクセルペダルセンサ、402・・・ブレーキペダルセンサ、403・・・クルーズコントロールスイッチ、404・・・アクセルペダル、405・・・ブレーキペダル、501・・・バッテリー

Claims (7)

  1. エンジンと、
    前記エンジンから排出される排気ガスを浄化するための浄化装置であって、特性の異なる浄化装置を複数備える排気システムと、
    運転者の加速要求を検出する加速要求検出部と、
    運転者の減速要求を検出する減速要求検出部とを備え、
    前記運転者の加速要求および減速要求が所定の条件下にあるときに、前記エンジンの回転数をアイドル状態として走行するエンジンアイドル惰性走行、または、前記エンジンを停止して走行するエンジン停止惰性走行を実施する機能を有する車両を制御する車両制御装置であって、
    前記車両制御装置は、前記排気システム中の全ての浄化装置の状態が、各浄化装置の特性に応じて浄化装置毎に予め定められたエンジン停止惰性走行実施条件を満たすときに、前記エンジン停止惰性走行を許可し、
    前記複数の浄化装置は、少なくとも、三元触媒とGPFとを含み、
    前記車両制御装置は、
    前記三元触媒の温度が所定の温度範囲外、前記GPFの温度が所定の温度範囲外、又は前記GPFのPM堆積量が所定の閾値以上であるときに、前記エンジンアイドル惰性走行のみを許可し、前記エンジン停止惰性走行を許可せず、
    前記三元触媒の温度が所定の温度範囲内、前記GPFの温度が所定の温度範囲内、かつ前記GPFのPM堆積量が所定の閾値未満であるときに、前記エンジンアイドル惰性走行を許可するとともに、前記エンジンアイドル惰性走行を許可している状態において、前記三元触媒と前記GPFの状態以外の前記車両の状態によって決定されるエンジン停止惰性走行実施条件の成否を判定し、前記エンジン停止惰性走行実施条件が成立しないと判定した場合は、前記エンジンアイドル惰性走行を継続して実行し、前記エンジン停止惰性走行実施条件が成立していると判定した場合は、前記エンジン停止惰性走行を許可することを特徴とする車両制御装置。
  2. エンジンと、
    前記エンジンから排出される排気ガスを浄化するための浄化装置であって、特性の異なる浄化装置を複数備える排気システムと、
    運転者の加速要求を検出する加速要求検出部と、
    運転者の減速要求を検出する減速要求検出部とを備え、
    前記運転者の加速要求および減速要求が所定の条件下にあるときに、前記エンジンの回転数をアイドル状態として走行するエンジンアイドル惰性走行、または、前記エンジンを停止して走行するエンジン停止惰性走行を実施する機能を有する車両を制御する車両制御装置であって、
    前記車両制御装置は、前記排気システム中の全ての浄化装置の状態が、各浄化装置の特性に応じて浄化装置毎に予め定められたエンジン停止惰性走行実施条件を満たすときに、前記エンジンアイドル惰性走行を許可するとともに、前記エンジンアイドル惰性走行を許可している状態において、前記排気システム中の全ての浄化装置の状態以外の前記車両の状態によって決定されるエンジン停止惰性走行実施条件の成否を判定し、前記エンジン停止惰性走行実施条件が成立しないと判定した場合は、前記エンジンアイドル惰性走行を継続して実行し、前記エンジン停止惰性走行実施条件が成立していると判定した場合は、前記エンジン停止惰性走行を許可することを特徴とする車両制御装置。
  3. 前記車両制御装置は、前記排気システムの各浄化装置において直接的または間接的に取得した温度もしくは圧力が、浄化装置毎に予め定められた温度条件もしくは圧力条件を満たすときに、前記エンジン停止惰性走行を許可することを特徴とする、請求項に記載の車両制御装置。
  4. 前記複数の浄化装置は、少なくとも、三元触媒とGPFとを含み、
    前記車両制御装置は、前記三元触媒の温度が所定の温度範囲内、かつ、前記GPFのPM堆積量が所定の閾値未満であるときに、前記エンジン停止惰性走行を許可することを特徴とする、請求項に記載の車両制御装置。
  5. 前記複数の浄化装置は、少なくとも、三元触媒とGPFとを含み、
    前記車両制御装置は、前記三元触媒の温度が所定の温度範囲内、かつ、前記GPFのPM堆積量が所定の閾値以上であるときに、前記エンジンアイドル惰性走行を許可し、前記エンジン停止惰性走行を許可しないことを特徴とする、請求項に記載の車両制御装置。
  6. 前記車両制御装置は、前記エンジンアイドル惰性走行を許可しているときに、前記GPFの温度が所定の温度閾値以下である場合は、前記GPFの温度が前記所定の温度閾値より高くなるように前記GPFの昇温を行うことを特徴とする、請求項1又は5に記載の車両制御装置。
  7. 前記車両制御装置は、前記排気システムの上流側に配置した前記三元触媒の診断を実施した後に、前記排気システムの下流側に配置した前記GPFの診断を実施することを特徴とする、請求項1又は5に記載の車両制御装置。
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