JP6536777B2 - 制御システム及び制御方法、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

制御システム及び制御方法、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、制御システム及び制御方法、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法に係り、特に、制御入力(操作量)を与えて制御対象を駆動制御する制御システム及び制御方法、前記制御システムを備える露光装置及び前記制御方法を利用する露光方法、並びに該露光方法を利用するデバイス製造方法に関する。
液晶表示素子、半導体素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、主として、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。液晶表示素子用の露光装置(液晶露光装置)に対しては、基板の大型化に伴い、スキャナなどの走査型投影露光装置が主流となっている。電子デバイス(マイクロデバイス)は、基板(ガラスプレート、ウエハ等)上に複数層のパターンを重ねて形成することによって製造される。このため、露光装置には、先に基板上に形成されたパターンにマスクのパターンを正確に且つ速く重ね合わせて転写すること、すなわち高い重ね合わせ精度と高いスループットが要求される。
ベース上を比較的大きい駆動力で駆動される粗動ステージと、粗動ステージに支持されてその上で精密に駆動される微動ステージと、から構成される粗微動型の基板ステージにおいて、基板を保持する微動ステージを高速駆動するために、微動ステージに粗動ステージを当接して粗動ステージの駆動力を微動ステージに加えるカタパルト方式の駆動装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、微動ステージに粗動ステージを当接する際にチャタリング(機械的な振動)が生じ、基板ステージ(微動ステージ)の精密駆動を阻害し、重ね合わせ精度を低下するばかりでなく、基板ステージを破損するおそれもある。
上述の構成の基板ステージのように駆動対象(微動ステージ)がその境界を越えて外部(粗動ステージ)と接触する開放系の制御システムに対して、駆動対象が外部と接触する際にそれらの間の粘性、弾性(以降、粘弾特性と呼ぶ)を制御することでチャタリングを抑制することができる。その代表的なアプローチとして、大別して、制御的アプローチと機械的アプローチとがある。
制御的アプローチの一例として、駆動対象と外部との間の粘弾特性(さらに慣性を含めても良い)を調整するインピーダンス制御が知られている。インピーダンス制御では、まず、力センサ等を用いて外部から駆動対象に作用する入力(外乱)を求める。次に、その外力から位置指令を、その指令をフィードバックすることで得られる粘弾特性が所望の特性に調整されるよう、求める。最後に、その位置指令をフィードバックして駆動対象を駆動制御する(駆動対象の位置を制御する)。駆動制御の精度は位置指令に対する制御対象の応答の精度に依るところとなるため、インピーダンス制御は衝突による力のような応答の速い外力に対して必ずしも好適ではない。
一方、機械的アプローチの一例として、電圧を印加することで粘度が変化する電気粘性流体(ER流体)を利用する方法、すなわち、ER流体を駆動対象と外部との間に介在し、その粘度を制御する方法がある。しかし、駆動対象の高い駆動精度(位置決め精度)が要求される露光装置においては、ER流体の介在がフィードバック制御における非線形要因になることがある。そのため、エアガイド等を採用することで駆動対象に作用する粘性を排除するのが通常である。さらに、ER流体の経年劣化による粘性の変化も問題となる。
従って、露光装置等に搭載される駆動装置の高い応答性を活用し、速い応答で外力に対する駆動対象の粘弾特性を仮想的に調整するフィードバック制御が有望である。
特開2003−45785号公報
本発明の第1の態様によれば、制御対象の被制御量から前記制御対象の操作量を生成する制御システムであって、前記被制御量が入力される入力部と、前記被制御量又は該被制御量を用いた演算により生成される生成量と前記制御対象に対応する第1モデルとから求められる第1の量と、前記生成量と前記第1モデルとは異なる第2モデルとから求められる第2の量との差を用いて、前記操作量を生成する制御部と、を備え、前記第2モデルは、前記制御対象に加わる外乱と前記被制御量とが所定の関数で表され、前記制御部は、前記第2モデルを含む外乱オブザーバを有し、該外乱オブザーバは、前記第1の量と前記操作量とから求まる第3の量及び前記被制御量を入力して、前記操作量を補正する補正量を出力する制御システムが、提供される。
これによれば、制御対象を精密且つ安定に駆動することが可能となる。
本発明の第2の態様によれば、エネルギビームで物体を露光して前記物体上にパターンを形成する露光装置であって、前記物体を保持して移動する第1移動体と、該第1移動体を支持しつつ前記第1移動体に対して移動可能な第2移動体と、を有する移動機構と、前記第1移動体を前記制御対象とする第1の態様に係る制御システムと、を備える露光装置が、提供される。
これによれば、物体を保持する移動体を精密且つ安定に駆動することが可能となり、ひいては物体に対する高精度な露光が可能になる。
本発明の第3の態様によれば、操作量を入力して被制御量を出力する制御対象を制御する制御方法であって、前記被制御量として、前記制御対象の位置に関する情報を求めることと、前記被制御量又は該被制御量を用いた演算により生成される生成量と、前記制御対象に対応する第1モデルとから、前記制御対象に入力される第1の量を求めることと、前記生成量と、前記第1モデルと異なる第2モデルとから前記制御対象に入力される第2の量を求めることと、前記第1の量と第2の量とを用いて、前記操作量を生成することと、を含み、前記第2モデルは、前記制御対象に加わる外乱と前記被制御量とが所定の関数で表され、前記生成することでは、前記第2モデルを含む外乱オブザーバにより、前記第1の量と前記操作量とから求まる第3の量及び前記被制御量を入力して、前記操作量を補正する補正量を出力する制御方法が、提供される。
これによれば、制御対象を精密且つ安定に駆動することが可能となる。
本発明の第4の態様によれば、エネルギビームで物体を露光して前記物体上にパターンを形成する露光方法であって、前記物体を保持して移動する第1移動体と、該第1移動体を支持しつつ前記第1移動体に対して移動可能な第2移動体と、を有する移動機構のうち、前記第1移動体を前記制御対象とする第3の態様に係る制御方法を利用する露光方法が、提供される。
これによれば、物体を保持する移動体を精密且つ安定に駆動することが可能となり、ひいては物体に対する高精度な露光が可能になる。
本発明の第5の態様によれば、第4の態様に係る露光方法を利用して、物体上にパターンを形成することと、前記パターンが形成された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法が、提供される。
第1の実施形態に係るフィードバック制御系の基本構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るフィードバック制御系の変形構成を示すブロック図である。 図3(A)〜図3(C)は、フィードバック制御系の基本構成から変形構成の導出を説明するための図(その1〜3)である。 図4(A)及び図4(B)は、フィードバック制御系の基本構成から変形構成の導出を説明するための図(その4及び5)である。 プラントの周波数応答特性を示すボード線図である。 フィードバック制御系を構成する外乱オブザーバにおいて採用する物理パラメータをまとめた表である。 プラントの時間応答特性のシミュレーション結果を示す図である。 第2の実施形態に係るフィードバック制御系の構成を示すブロック図である。 シミュレーションにおいて採用する物理パラメータをまとめた表である。 補正部の周波数応答特性を示すボード線図である。 プラントの周波数応答特性を示すボード線図である。 制御システムの感度特性を示す図である。 第2の実施形態に係るフィードバック制御系の別の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。 露光装置のステージ制御に関連する構成を示すブロック図である。 マスクステージ、マスクステージ駆動系、及びマスク干渉計システムの構成及び配置を示す図である。 ガスフロー装置の構成を示す図である。 図18(A)及び図18(B)は、それぞれ、カタパルト方式のステージ装置を構成する微動ステージのフィードバック制御系における制御切り替えを説明するためのブロック図である。 図19(A)及び図19(B)は、それぞれ、粗動ステージが加速しながら微動ステージに衝突した場合における微動ステージが受ける反力及び位置誤差を示す図である。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図7を用いて説明する。
図1に、第1の実施形態に係る制御システム50の基本構成を示す。制御システム50は、制御入力Uを与えることで制御対象52を駆動制御するフィードバック制御系であり、被制御量である制御対象52の位置yを測定するセンサ52と、センサ52の出力(位置yの測定結果)をゲイン倍(−1倍)する演算を行う制御器54と、制御器54の出力(すなわちセンサ52の出力)から補正量を求め、その結果を制御入力Uとして制御対象52を駆動する駆動装置52に送信する補正部53と、から構成される。なお、制御器54におけるゲイン倍数の値は本実施形態のものに限定されるものではなく、任意の値に設定可能である。
駆動装置52は、受信した制御入力U(本実施形態では力の次元を有する)に従って、その駆動量に等しい駆動力を発する。これにより、駆動対象が駆動制御される。なお、図1において、駆動装置52及びセンサ52は、制御対象52に含まれるものとして示されている。また、図中に示すdは外部から制御対象52に作用する外乱であり、未知である。制御入力U及び位置yはそれぞれ制御対象52に対する入力及び出力であり、いずれも既知である。制御対象52に対する実際の入力は、補正部53から出力される制御入力U(駆動装置52が発する駆動力に等しい)と外乱dの和となる。
ここで、被制御量、制御入力等は、時間の関数として定義されるが、図1等を用いた説明では、習慣に従い、それらのラプラス変換を用いることとする。
センサ52として、干渉計、エンコーダ等の位置センサを採用する。センサ52は、常時、制御対象52の位置yを測定し、その結果を補正部53に出力する。センサ52は、干渉計やエンコーダに限定されるものではなく、他の測定装置を用いても良い。
制御器54は、実際には、マイクロコンピュータとソフトウェアによって実現されるが、ハードウェアによって構成しても勿論良い。なお、制御器54は、センサ52と補正部53との間に挿入されているが、これに代えて、例えば補正部53と制御対象52との間に挿入することとしても良い。この場合、制御器54は、補正部53の出力をゲイン倍(−1倍)して制御対象52(駆動装置52)に向けて出力することとなる。
補正部53は、2つの制御器53a,53bと、減算器53cと、から構成される。なお、これら構成各部は、実際には、制御器54と同様にマイクロコンピュータとソフトウェアによって実現されるが、ハードウェアによって構成しても勿論良い。制御器53aは、位相遅れを表現するフィルタQと、制御対象52を表現するノミナルモデル(制御対象52の実際の応答を再現するモデル)に対応する伝達関数Pnの逆数との積により与えられる伝達特性を有する。制御器53aは、被制御量y(厳密には制御器54を介した量−y)が入力されることで、制御対象52に実際に入力されている量(第1の量と呼ぶ)を求める。その結果は、減算器53cに向けて出力される。制御器53bは、フィルタQと所望の振舞い(後述するインピーダンス特性)を呈するモデル(所望の応答を表現するモデル)に対応する伝達関数Gimpの逆数との積により与えられる伝達特性を有する。制御器53bは、被制御量y(厳密には制御器54を介した量−y)が入力されることで、制御対象52に入力する量(第2の量と呼ぶ)を求める。その結果は、減算器53cに向けて出力される。減算器53cは、制御器53a,53bの出力(第1及び第2の量)の差(第2の量−第1の量)を算出し、その結果を制御対象52(駆動装置52)に向けて出力する。
上述の構成の制御システム50において、感度関数S=1/(1+PC53)と与え、補正部53の伝達関数をC53=Q(Gimp −1−Pn−1)とする。理想条件、すなわち、制御対象52の応答特性Pはノミナルモデル(に対応する伝達関数)Pnに等しく、且つ、理想フィルタQ=1を仮定すると、感度関数S=P−1impが導かれる。制御対象の応答特性(外力dから出力yまでの特性)Pd=y/d=SPより、理想条件において、Pdn=Gimpが導かれる。これは、外乱dに対する制御対象の応答特性(外乱dと被制御量yとの関係)を伝達関数Gimpにより表現される所望の特性(所望の関係)に変更できることを意味する。
上述の制御システム50の基本構成に等価な変形構成において、第1の実施形態に係る制御システム50の性能を評価する。なお、制御システム50の基本構成と同一の構成部分には同一の符号を用いるとともに、詳細説明も省略する。
図2に、第1の実施形態に係る制御システム50の変形構成(制御システム50’)を示す。制御システム50’は、前述の基本構成と同様、制御入力Uを与えることで制御対象52を駆動制御するフィードバック制御系であり、制御対象52の駆動目標(駆動力の次元を有することとする)Rを生成し、その結果(及び後述する補正量dU)を用いて制御入力Uを演算し、その結果を、制御対象52を駆動する駆動装置52に送信するステージ制御装置51と、被制御量である制御対象52の位置yを測定するセンサ52と、センサ52の出力(位置yの測定結果)から制御入力Uに対する補正量dUを求める補正部53’と、から構成される。
ステージ制御装置51は、目標生成部51と減算器51とを含む。なお、これら構成各部は、実際には、ステージ制御装置51を構成するマイクロコンピュータとソフトウェアによって実現されるが、ハードウェアによって構成しても勿論良い。目標生成部51は、制御対象52の駆動目標(ここでは駆動力の次元を有する目標)Rを生成して、減算器51に供給する。減算器51は、駆動目標Rと補正部53からの出力(補正量)dUとの偏差R−dUを算出して制御入力Uを求め、制御対象52(駆動装置52)に向けて出力する。
補正部53’は、2つの外乱オブザーバ53,53と加算器53とを含む2段の外乱オブザーバとして構成される。なお、これら構成各部は、実際には、ステージ制御装置51を構成するマイクロコンピュータとソフトウェアによって実現されるが、ハードウェアによって構成しても勿論良い。1段目の外乱オブザーバ53は、センサ52の出力(被制御量)yとステージ制御装置51の出力(制御入力)Uとが入力され、外部から制御対象52に作用する外乱dを推定する。推定の結果〈d〉は、加算器53に出力される。加算器53は、外乱オブザーバ53の出力(外乱dの推定)〈d〉とステージ制御装置51の出力(制御入力)Uとの和を算出し、外乱オブザーバ53に向けて出力する。2段目の外乱オブザーバ53は、センサ52の出力(被制御量)yと加算器53の出力U+〈d〉とが入力され、補正量dUを算出する。その結果は、ステージ制御装置51(減算器51)に向けて出力される。
ここで、上述の制御システム(変形構成)50’(に含まれる補正部53’)が前述の制御システム(基本構成)50(に含まれる補正部53)に等価であることを説明する。
図3(A)に、制御システム(基本構成)50を示す。ただし、補正部53と制御器54との相対位置が入れ換えられている。補正部53において、2つの制御器53a,53bに含まれるフィルタQを2つのフィルタQ,Qに分割する(2つのフィルタの積Qにより与える)。これに対応して、図3(B)に示すように、制御器53aを直列する2つの制御器5311,5332に分割する。ここで、制御器5311は、フィルタQとノミナルモデル(制御対象52の実際の応答を再現するモデル)に対応する伝達関数Pnの逆数との積により与えられる伝達特性を有する。制御器5311は、被制御量yが入力されることで、制御対象52に実際に入力されている第1の量を求める(操作入力Uと外乱dとの和を推定する)。制御器5332は、フィルタQにより与えられる。また、制御器53bを直列する2つの制御器53,5331に分割する。ここで、制御器53は、フィルタQにより与えられる。制御器5331は、フィルタQとモデル(所望の応答を表現するモデル)に対応する伝達関数Gimpの逆数との積により与えられる伝達特性を有する。制御器5331は、被制御量yが入力されることで、制御対象52に入力する第2の量を求める。
図3(C)に示すように、補正部53に、互いの出力が相殺する関係にある2つのフィルタ5312,53、減算器5313、加算器53を追加する。フィルタ5312,53は、伝達関数Qにより与えられる。ここで、伝達関数Qは、制御器5311により外乱dを推定する際に生じる位相遅れを表現する。フィルタ5312,53を介して、制御入力Uがそれぞれ減算器5313及び加算器53に入力される。減算器5313は、制御器5311の出力とフィルタ5312の出力との差を求め、すなわち外乱dを推定し、その結果〈d〉を加算器53に向けて出力する。加算器53は、減算器5313の出力とフィルタ53の出力との和を求め、その結果をフィルタ5332にむけて出力する。
図3(C)において、制御器5311、フィルタ5312、及び減算器5313は、被制御量yと制御入力Uとを入力して外乱dを推定し、その結果〈d〉を出力する外乱オブザーバ53を構成する。また、制御器5331、フィルタ5332、及び減算器53cは、被制御量yと制御入力U及び外乱の推定結果〈d〉の和とを入力して補正量を求め、その結果dUを出力する外乱オブザーバ53を構成する。従って、図3(C)に示すブロック図を、図4(A)に示す簡素なブロック図に等価変換することができる。
最後に、図4(A)において、被制御量y及び制御入力Uは、それぞれ互いに等しいフィルタ関数Qを有するフィルタ53,53を介して、外乱オブザーバ53に入力されている。そこで、フィルタ53,53を削除する。それにより、図4(B)に示すブロック図が導出される。なお、この制御システムは、図2に示した制御システム50’において目標R=0としたものに等しい。言い換えると、この制御システム50に、さらに目標生成部51を追加することで、図2に示した制御システム50’を導出することができる。従って、制御システム50’(補正部53’)は、図1に示した制御システム50(補正部53)に等価である。
上述の図4の制御システム50’において、外乱オブザーバ53は、例えば、外乱をステップ状の外乱として、ゴピナスの方法による最小次元オブザーバ設計に基づいて設計することができる。ここで、設計に用いるノミナルモデル(制御対象52の実際の応答を再現するモデル)の運動を、質量Mを有する剛体の自由並進運動を表す関数Pn1(=Pn)=1/Msにより与える。(後述するシミュレーションにおいて採用する制御対象52の特性(実プラント特性)P=1/Msに等しい特性を採用する。)外乱オブザーバ53を用いて外乱dを推定することで、制御対象52への実際の入力U+dを推定することができる。ただし、外乱オブザーバ53の帯域を外乱オブザーバ53の帯域よりも高く設定することとする。
外乱オブザーバ53も、外乱オブザーバ53と同様に、ゴピナスの方法による最小次元オブザーバ設計に基づいて設計することができる。ここで、設計に用いるノミナルモデル(所望の応答を表現するモデル)の運動を、質量M、粘性C、及び弾性Kを有する剛体の並進運動を表す伝達関数Pn2(=Gimp)=1/(M+Cs+K)により与える。外乱オブザーバ53を用いることでノミナルモデルPn2により表現される応答からの制御対象52の応答のずれ、すなわち制御入力Uに対する補正量dUが求められる。
求められたずれdUを用いて制御入力Uを補正することで、外乱dを抑圧することなく、プラント変動のみを抑圧することが可能となる。なお、任意のモデルを用いて外乱オブザーバ53を設計することにより、外乱dから出力yまでの制御対象52の応答特性は、その帯域内において、前記任意のモデルにより表現される所望の特性を呈する。
なお、外乱オブザーバ53,53の設計方法として、上述のゴピナスの方法に限らず、実際に多くの文献において提案されている様々な方法を採用しても良い。また、上の説明では、2つの外乱オブザーバ53,53を連続時間系において設計したが、離散時間系において設計することも可能である。
図5に、外乱dから出力yまでの制御対象52の周波数応答特性のシミュレーション結果を示す。ここで、制御対象52の応答特性(実プラント特性)を特性P=1/Msにより与えた。図6に与える表に、シミュレーションにおいて採用した物理パラメータの値を示す。外乱オブザーバ53,53の極は、それぞれ、150Hzの重根及び50Hzの重根とした。なお、外乱dに対する制御対象52の応答を模擬実験するため、駆動目標R=0とした。
図5において、実線(黒色)は実際の制御対象52の応答特性P、実線(グレー)はモデルにより表現した所望の制御対象の応答特性Pn2、破線は外乱dから出力yまでの制御対象52の応答特性(d→y with prop)を示す。制御対象52の応答特性Pは、シミュレーションの条件として質量Mを有する剛体の自由並進運動を表すモデル(P=1/Ms)により与えたため、周波数の増加に対して振幅は単調に減少、位相は一定を維持する。これに対して、所望の応答特性Pn2は、質量M、粘性C、及び弾性Kを有する剛体の並進運動を表す関数(Pn2=1/(M+Cs+K)により与えたため、低周波帯域(およそ0.01Hz以下の帯域)において弾性Kの効果により振幅及び位相をほぼ一定に維持し、中周波数帯域(およそ0.01〜10Hzの帯域)において粘性Cの効果により振幅を緩やかに減少し及び位相を遅らせている。それに対して、制御対象52の応答特性の結果は、振幅及び位相ともに、高周波帯域(およそ10Hz以上)において若干のずれが見られるが、ほぼ所望の応答特性(Pn2)に等しい振舞いを示している。この結果は、本実施形態の制御システム50により、外力dに対する制御対象52の応答を、外乱オブザーバ53の設計において用いたモデル(伝達関数Pn2)により表現される任意の粘弾特性を有する応答に修正できることを示唆している。
図7に、時間応答特性のシミュレーション結果を示す。図7(A)に、制御対象52に作用する外力dを示す。外力dとして、時刻t=1(s)において振幅10(N)及び時間幅0.01(s)を有するインパルス状の力を制御対象52に加える。図7(B)に、本実施形態の制御システム50を採用しなかった場合の制御対象52(センサ52)からの出力(位置y)を示す。この場合、制御対象52は、粘弾特性を有さないため、外乱dの作用により無限遠まで等速で移動し続ける。図7(C)に、制御対象52に期待する所望の応答特性、すなわち外乱オブザーバ53の設計において用いたモデル(伝達関数Pn2)により表現される応答特性を示す。制御対象52は、粘弾特性(C,K)を加えたことで、外乱dの作用により時間0.5(s)経過するまでに一定の距離(およそ1mm)まで移動し、その後、徐々に元の位置に戻る。図7(D)に、本実施形態の制御システム50を採用した場合の制御対象52の応答特性を示す。図7(C)に示す所望の応答特性にほぼ一致していることがわかる。図7(E)に、本実施形態の制御システム50を採用した場合における制御対象52に加えられる制御入力(駆動力)Uを示す。制御入力(駆動力)Uは、時刻t=1(s)において外力dを打ち消す方向にインパルス状の力(反力)とこれに続くオーバーシュート(ハンチング)を見せている。図7(A)に示す外乱dに対して図7(E)に示す制御入力Uを制御対象52に入力することで、制御対象52は仮想的に粘弾特性(C,K)を有する剛体として応答していることがわかる。
以上詳細に説明したように、第1の実施形態の制御システム(基本構成)50によれば、センサ52により測定される被制御量yから、制御対象52を表現するノミナルモデル(制御対象52の実際の応答を再現するモデル)Pnに基づいて制御対象52に入力される量を求め、且つ、所望のインピーダンス特性を呈するモデル(外乱dに対する制御対象52の所望の応答、すなわち外乱dと被制御量yとの所望の関係を表現するモデル)Gimpに基づいて制御対象52に入力する量を求め、これら2つの量の差から制御入力を補正するための補正量を求め、その結果を用いて制御入力Uが補正される。制御入力Uが補正されることで、制御対象52の応答がモデルGimpにより表現される所望の応答に修正される。それにより、外乱dが作用しても、制御対象52を精密且つ安定に駆動することが可能となる。
また、第1の実施形態の制御システム(変形構成)50’によれば、外乱オブザーバ53により制御対象52に加わる外乱dを求め、その結果と制御対象52に入力する制御入力Uとを用いて外乱オブザーバ53により所望の応答を表現するモデル(伝達関数Pn2)からの制御対象52の応答のずれを求め、その結果を用いて制御入力Uが補正される。制御対象52の応答のノミナルモデルPn2により表現される応答からのずれを用いて制御入力Uが補正されることで、制御対象52の応答がノミナルモデルPn2により表現される所望の応答に修正される。それにより、外乱dが作用しても、制御対象52を精密且つ安定に駆動することが可能となる。
また、第1の実施形態の制御システム50,50’によれば、モデルGimp及びノミナルモデルPn2として質量、粘性、及び弾性を有する剛体の並進運動を表すモデルを与えることで、制御対象52に作用する外乱dに対して、仮想的に粘弾特性(C,K)を有する剛体として制御対象52を駆動制御することが可能となる。
また、第1の実施形態の制御システム50’によれば、制御入力Uに対する補正量dUを求める補正部53’を、2つの外乱オブザーバ53,53を用いて簡素に構成することができる。ここで、1つめの外乱オブザーバ53は、センサ52の出力(被制御量)yとステージ制御装置51の出力(制御入力)Uとから、外部から制御対象52が受ける外力dを推定する。2つめの外乱オブザーバ53は、外乱オブザーバ53の出力(外乱の推定)〈d〉とステージ制御装置51の出力(制御入力)Uとから、仮想的に制御対象52が所望の粘弾特性を有する応答を呈する補正量dUを求める。
また、第1の実施形態の制御システム50’では、外乱オブザーバ53を用いて制御対象52に作用する外乱dを推定することとした。これにより、駆動装置52の高い応答特性を活用し、速い応答で外力dに対する駆動対象の粘弾特性を仮想的に調整することができる。また、外乱オブザーバ53の設計に用いるノミナルモデルとして、制御対象52の実際の応答を精密に再現するモデルを採用することで、外乱dをより正確に推定することができる。
なお、第1の実施形態の制御システム50’において、外乱オブザーバ53を用いて外乱dを推定するに限らず、例えば力センサを用いて外乱dを測定することとしても良い。係る場合、その測定結果が、外乱オブザーバ53に入力される。また、外乱オブザーバ53は、外乱dの推定若しくは測定の結果(又はこれらの相当する量)と被制御量yの測定結果(又はこれに相当する量)とから制御入力Uに対する補正量dUを求めるものであれば、必ずしも外乱オブザーバとして設計する必要はない。
《第2の実施形態》
以下、第2の実施形態について、図8〜図13を用いて説明する。ここで、前述の第1の実施形態と同一の構成部分には同一の符号を用いるとともに、詳細説明も省略する。
図8に、第2の実施形態に係る制御システム50の構成を示す。なお、この構成の制御システム50による制御を、IPFB(Impedance Parameterization Feedback)制御と呼ぶ。制御システム50は、前述の基本構成及び変形構成と同様、制御入力Uを与えることで制御対象52を駆動制御するフィードバック制御系であり、被制御量である制御対象52の位置yを測定するセンサ52と、センサ52の出力(位置yの測定結果)をゲイン倍(−1倍)する演算を行う制御器54と、制御対象52の目標位置(位置の次元を有することとする)Rを生成し、その目標位置Rと制御器54の出力との和(すなわちセンサ52による制御対象52の位置yの測定結果との偏差)eを出力するステージ制御装置51と、ステージ制御装置51の出力から補正量を求め、その結果を制御入力Uとして制御対象52を駆動する駆動装置52に送信する補正部53と、から構成される。
上述の構成の制御システム50は、第1の実施形態に係る制御システム(基本構成)50に制御システム(変形構成)50’におけるステージ制御装置51を追加した構成である。ただし、減算器51が加算器51と制御器54との組に置き換えられている。従って、前述の理想条件、すなわち、制御対象52の応答特性Pがノミナルモデル(に対応する伝達関数)Pnに等しく、且つ、理想フィルタQ=1を仮定すると、制御対象の応答特性(外力dから出力yまでの特性)Pd(=y/d=SP)=Gimpが導かれる。つまり、ステージ制御装置51により目標位置Rを生成することで制御対象52を目標位置Rに追従駆動するとともに、補正部53により制御入力Uを補正することで、第1の実施形態に係る制御システム50と同様に、制御対象52の応答特性をモデル(伝達特性)Gimpにより表現される所望の応答に修正することができる。
第2の実施形態に係る制御システム50(IPFB制御)の性能を評価する。制御対象52を表現するノミナルモデル(制御対象52の実際の応答を再現するモデル)として、質量を有する剛体の自由並進運動を表現する剛体モデルを採用する。その伝達関数は、関数Pn=1/Msにより与えられる。(後述する実プラント特性に等しい特性を採用する。)所望の振舞いを呈するモデル(所望の応答を表現するモデル)として、質量、粘性、及び弾性を有する剛体の並進運動を表現するモデルを採用する。その伝達関数は、関数Gimp=1/(M+Cs+K)により与えられる。フィルタQとして、2次のローパスフィルタQ=ω/(s+2ζωs+ω)を採用する。図9に与える表に、これらのモデル等に含まれる物理パラメータの値を示す。
図10に、補正部53の周波数応答特性C53を示す。補正部53の応答特性C53は、その振幅を、カットオフ周波数50Hz以下の周波数帯域において周波数の増大とともに増大し、カットオフ周波数50Hzにて最大を持ち、カットオフ周波数50Hz以上の周波数帯域において周波数の増大とともに減少する。また、その位相を、周波数の増大とともに増大して約2Hzにて最大を持ち、周波数の増大とともに減少してカットオフ周波数50Hzにてゼロを持ち且つさらに減少する。
図11に、外乱dから出力yまでの制御対象52の周波数応答特性のシミュレーション結果を示す。ここで、制御対象52の応答特性(実プラント特性)を特性P=1/Msにより与えた。
図11において、実線(グレー)は実際の制御対象52の応答特性P、実線(黒色)はモデルにより表現した所望の制御対象の応答特性Gimp、破線(ほぼ実線に重なっている)は外乱dから出力yまでの制御対象52の応答特性Pdを示す。制御対象52の応答特性Pは、シミュレーションの条件として質量Mを有する剛体の自由並進運動を表すモデル(P=1/Ms)により与えたため、周波数の増加に対して振幅は単調に減少、位相は一定を維持する。これに対して、所望の応答特性Gimpは、質量M、粘性C、及び弾性Kを有する剛体の並進運動を表す関数(Gimp=1/(M+Cs+K)により与えたため、低周波帯域(およそ0.1Hz以下の帯域)において弾性Kの効果により振幅及び位相をほぼ一定に維持し、中周波数帯域(およそ0.1〜100Hzの帯域)において粘性Cの効果により振幅を緩やかに減少し及び位相を遅らせている。それに対して、制御対象52の応答特性Pdの結果は、振幅及び位相ともにほぼ所望の応答特性Gimpに等しい振舞いを示している。この結果は、本実施形態の制御システム50により、外力dに対する制御対象52の応答を、所望の振舞いを呈するモデル(伝達関数Gimp)により表現される任意の粘弾特性を有する応答に修正できることを示唆している。
図12に、制御システム50の感度特性を示す。感度関数Sは、周波数の増大とともにその振幅を増大し、約10Hz以上の帯域において振幅を一定に維持する。この感度関数Sの振舞いは、関数P−1impともほぼ一致している。すなわち、制御対象52の応答特性Pはノミナルモデル(に対応する伝達関数)Pnに等しく、且つ、理想フィルタQ=1を仮定する理想条件において導かれる関係S=P−1impが、良い近似で成り立っている。これは、プラント特性P及びインピーダンス特性Gimp次第で制御対象52の位置制御も可能であることを示唆している。
図13に、第2の実施形態に係る制御システム50の別の構成を示す。なお、この構成の制御システム50による制御を、PSFB(Plant Shaping Parameterization Feedback)制御と呼ぶ。制御システム50は、前述の基本構成及び変形構成と同様、制御入力Uを与えることで制御対象52を駆動制御するフィードバック制御系であり、被制御量である制御対象52の位置yを測定するセンサ52と、センサ52の出力(位置yの測定結果)をゲイン倍(−1倍)する演算を行う制御器54と、制御対象52の目標位置(位置の次元を有することとする)Rを生成し、その目標位置Rと制御器54の出力との和(すなわちセンサ52による制御対象52の位置yの測定結果との偏差)eを出力するステージ制御装置51と、ステージ制御装置51の出力から制御入力Uを生成し、その結果を制御対象52を駆動する駆動装置52に送信する制御器51と、制御器54の出力(すなわちセンサ52の出力)から制御入力Uに対する補正量dUを求める補正部53と、から構成される。
上述の構成の制御システム50は、第1の実施形態に係る制御システム(基本構成)50に対して、補正部53をインナーループに含み、制御システム(変形構成)50’におけるステージ制御装置51及び制御器51をアウターループで追加した構成である。ここで、制御器51は、ステージ制御装置51の出力(すなわち目標位置Rとセンサ52による制御対象52の位置yの測定結果との偏差)eから制御入力Uを生成し、その結果を加算器51に向けて出力する。補正部53は、制御器54の出力(すなわちセンサ52による制御対象52の位置yの測定結果)から制御入力Uに対する補正量dUを算出し、その結果を加算器51に向けて出力する。加算器51は、制御器51から出力される制御入力Uに補正部53から出力される補正量dUを加算して、その結果を制御対象52を駆動する駆動装置52に送信する。
上述の構成の制御システム50は、前述の理想条件、すなわち、制御対象52の応答特性Pがノミナルモデル(に対応する伝達関数)Pnに等しく、且つ、理想フィルタQ=1を仮定すると、制御対象の応答特性(制御入力U及び外力dから出力yまでの特性)Pd(=y/U=y/d=SP)=Gimpが導かれる。つまり、ステージ制御装置51により目標位置Rを生成することで制御対象52を目標位置Rに追従駆動するとともに、補正部53により制御入力Uを補正することで、第1の実施形態に係る制御システム50と同様に、制御対象52の応答特性をモデル(伝達特性)Gimpにより表現される所望の応答に修正することができる。制御器51はモデル(伝達特性)Gimpに対して精密且つ安定に駆動するように設計される。それにより、制御対象52を精密且つ安定に駆動することが可能となる。
以上詳細に説明したように、第2の実施形態に係る2つの制御システム50によれば、ステージ制御装置51により目標位置Rを生成することで制御対象52を目標位置Rに追従駆動するとともに、補正部53により制御入力Uを補正することで制御対象52の応答特性をモデル(伝達特性)Gimpにより表現される所望の応答に修正することができる。制御器51は修正されたモデル(伝達特性)Gimpに対して精密且つ安定に駆動するように設計される。それにより、制御対象52を精密且つ安定に駆動することが可能となる。
《第3の実施形態》
以下、第3の実施形態について、図14〜図19を用いて説明する。
第3の実施形態では、第1の実施形態における制御システム(変形構成)50’を若干の変形を加えてカタパルト方式のステージ装置を備える露光装置110に適用する。
図14には、本実施形態に係るフラットパネルディスプレイ、例えば液晶表示装置(液晶パネル)などの製造に用いられる露光装置110の概略構成が示されている。露光装置110は、マスクMとガラスプレート(以下、「プレート」と呼ぶ)Pとを投影光学系PLに対して同一方向に同一速度で駆動することで、マスクMに形成されたパターンをプレートP上に転写するスキャニング・ステッパ(スキャナ)である。以下においては、走査露光の際にマスクM及びプレートPが駆動される方向(走査方向)をX軸方向とし、これに直交する水平面内での方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向とする。
露光装置110は、照明系IOP、マスクMを保持するマスクステージMST、投影光学系PL、これらを支持するボディ70、プレートPを保持するプレートステージPST、及びこれらの制御系等を備える。制御系は、露光装置110の構成各部を統括制御する主制御装置(不図示)及びその配下のステージ制御装置51(図15等参照)より構成される。
ボディ70は、ベース(防振台)71、コラム72A,72B、光学定盤73、支持体74、及びスライドガイド75から構成される。ベース(防振台)71は、床面F上に配置され、床面Fからの振動を除振してコラム72A,72B等を支持する。コラム72A,72Bはそれぞれ枠体形状を有し、コラム72Bの内側にコラム72Aが配置されている。光学定盤73は、平板形状を有し、コラム72Aの天井部に固定されている。支持体74は、コラム72Bの天井部にスライドガイド75を介して支持されている。スライドガイド75は、エアボールリフタと位置決め機構とを備え、支持体74(すなわち後述するマスクステージMST)を光学定盤73に対してX軸方向の適当な位置に位置決めする。
照明系IOPは、ボディ70の上方に配置されている。照明系IOPは、例えば米国特許第5,729,331号明細書などに開示される照明系と同様に構成され、例えば水銀ランプ等の光源(不図示)から射出された光(照明光)ILを反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズ(いずれも不図示)等を介してマスクMに照射する。照明光ILとして、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)等の光(あるいは上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。また、照明光ILの波長は、波長選択フィルタにより、例えば要求される解像度に応じて適宜切り替えることができる。
マスクステージMSTは、ボディ70を構成する支持体74に支持されている。マスクステージMSTには、回路パターンが形成されたパターン面(図14における下面)を有するマスクMが、例えば真空吸着(あるいは静電吸着)により固定されている。マスクステージMSTは、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系MSD(図16参照)により、走査方向(X軸方向)に所定のストロークで駆動されるとともに、非走査方向(Y軸方向及びθz方向)に微少駆動される。
マスクステージMSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、マスク干渉計システム16(図16参照)により計測される。その計測結果はステージ制御装置51に供給される(図15参照)。ステージ制御装置51は、マスク干渉計システム16の計測結果に従って、マスクステージ駆動系MSDを介してマスクステージMSTを駆動する。
投影光学系PLは、マスクステージMSTの下方(−Z側)に、ボディ70を構成する光学定盤73に支持されている。投影光学系PLは、例えば米国特許第5,729,331号明細書に開示された投影光学系と同様に構成され、マスクMのパターン像の投影領域が例えば千鳥状に配置された複数(例えば7)の投影光学系(マルチレンズ投影光学系)を含み、Y軸方向を長手方向とする矩形形状のイメージフィールドを形成する。ここでは、4つの投影光学系がY軸方向に所定間隔で配置され、残りの3つの投影光学系が、4つの投影光学系から+X側に離間して、Y軸方向に所定間隔で配置されている。複数の投影光学系のそれぞれとして、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられる。なお、千鳥状に配置された投影光学系PLの複数の投影領域をまとめて露光領域と呼ぶ。
照明系IOPからの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを透過した照明光ILにより、投影光学系PLを介して、その照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、投影光学系PLの像面側に配置されるプレートP上の照射領域(露光領域(照明領域に共役))に形成される。ここで、プレートPの表面にはレジスト(感応剤)が塗布されている。マスクステージMSTとプレートステージPSTとを同期駆動する、すなわちマスクMを照明領域(照明光IL)に対して走査方向(X軸方向)に駆動するとともに、プレートPを露光領域(照明光IL)に対して同じ走査方向に駆動することで、プレートPが露光されてプレートP上にマスクMのパターンが転写される。
プレートステージPSTは、投影光学系PLの下方(−Z側)のベース(防振台)71上に配置されている。プレートステージPSTは、リニアモータ等を含むステージ駆動系PSDにより、ベース71上をX軸及びY軸方向に所定ストロークで駆動されるとともにZ軸方向、θx方向、θy方向、及びθz方向に微小駆動される。プレートステージPST上に、プレートPが、プレートホルダ(不図示)を介して保持されている。
プレートステージPSTのXY平面内の位置情報(回転情報(ヨーイング量(θz方向の回転量θz)、ピッチング量(θx方向の回転量θx)、ローリング量(θy方向の回転量θy))を含む)は、プレート干渉計システム18(単に干渉計とも呼ぶ(図15))によって計測される。干渉計18は、光学定盤からプレートステージPSTの端部に設けられた移動鏡(又は鏡面加工された反射面(不図示))に測長ビームを照射し、移動鏡からの反射光を受光することにより、プレートステージPSTの位置を計測する。その計測結果はステージ制御装置51に供給される(図15参照)。ステージ制御装置51は、干渉計18の計測結果に従って、ステージ駆動系PSDを介してプレートステージPSTを駆動する。
図15には、露光装置110のステージ制御に関連する制御系の構成が示されている。図15の制御系は、例えばマイクロコンピュータなどを含むステージ制御装置51を中心として構成されている。
露光装置110では、露光に先立ってアライメント計測(例えば、EGA等)を行い、その結果を用いて、以下の手順で、プレートPを露光する。まず、主制御装置(不図示)の指示に従い、ステージ制御装置51は、マスク干渉計システム16及びプレート干渉計システム18の計測結果に従ってマスクステージMST及びプレートステージPSTをそれぞれの走査開始位置(加速開始位置)に移動する。次に、両ステージMST,PSTを同じX軸方向に等速で同期駆動する。これにより、プレートP上の1つめのショット領域に、前工程レイヤに形成されたパターンに重ねてマスクMのパターンが転写される。1つめのショット領域に対する走査露光が終了すると、ステージ制御装置51は、プレートステージPSTを2つめのショット領域に対する走査開始位置(加速開始位置)へ移動(ステッピング)する。これと同時に、マスクステージMSTの駆動方向を逆向きに変える。そして、2つめのショット領域に対する走査露光を行う。ステージ制御装置51は、同様に、プレートPのショット領域間のステッピングとショット領域に対する走査露光とを繰り返して、プレートP上の全てのショット領域にマスクMのパターンを転写する。
マスクステージMST、マスクステージ駆動系MSD(69,71A,71B,71C,80)、及びマスク干渉計システム16の構成について詳述する。図16に、これらの構成及び配置を示す。
マスクステージMSTは、マスクMを保持して移動する微動ステージ32と、微動ステージ32を支持して移動する粗動ステージ34と、を含んで構成されている。
微動ステージ32は、平面視(上から見て)矩形状を有する。微動ステージ32のほぼ中央に照明光ILが通る矩形状の開口(不図示)が形成され、その周囲にバキュームチャック(不図示)が複数(例えば4つ)設けられる。これらのバキュームチャックを用いて、微動ステージ32上にマスクMが真空吸着により保持される。微動ステージ32の下面の4隅部には、気体静圧軸受け(不図示)がそれぞれ設けられている。これらの気体静圧軸受けにより、微動ステージ32は、支持体74(の上面に形成されたガイド面)上に数μm程度のクリアランスを介して浮上支持される。微動ステージ32の+X端面及び−Y端面には、それぞれ、移動鏡17X,17Yが設けられている。なお、移動鏡に代えて、ステージの端面を鏡面加工して反射面を形成しても良い。
粗動ステージ34は、平面視L字状の形状を有し、リニアモータ69を構成する可動子72の−Y端に片持ち状に固定される。
マスクステージ駆動系MSDは、粗動ステージ34をY軸方向に駆動するリニアモータ69と、粗動ステージ34に対して微動ステージ32を駆動するボイスコイルモータ71A,71B,71Cと、粗動ステージ34を駆動することにより微動ステージ32に作用する反力を抑制するガスフロー装置80と、から構成される。
リニアモータ69は、支持体74上に支持されている固定子69と、固定子69に沿ってX軸方向に移動する可動子69と、から構成される。固定子69は、X軸方向を長手方向とする角柱状の形状を有し、エアベアリング等を介して非接触で支持体74上に支持されている。固定子69内には、複数の電機子コイル(不図示)がX軸方向に配列されている。可動子69は、X軸方向を長手とする筺体を有し、その−Y端に粗動ステージ34が固定されている。可動子69内には、逆U字状(コ字状)のYZ断面を有する磁性体部材が含まれる。磁性体部材の内側の一対の対向面上には、複数の永久磁石(不図示)が異なる磁極面を対向し且つ交互に異なる磁極面を向けてX軸方向に配列されている。
リニアモータ69は、固定子69と可動子69とにより、粗動ステージ34をX軸方向に駆動するムービングマグネット型のリニアモータとして構成される。ステージ制御装置51は、リニアモータ69を用いて、すなわち固定子69内の電機子コイルを励磁する励磁電流を制御することで粗動ステージ34を駆動制御する。なお、固定子69内に複数の永久磁石を設け、可動子69内に複数の電機子コイルを設けて、ムービングコイル型のリニアモータを構成しても良い。
ボイスコイルモータ71Aは、固定子71A及び可動子71Aから構成される。固定子71Aは、粗動ステージ34の−Y端面に固定されている。固定子71A内には、略U字状(コ字状)のYZ断面を有する磁性体部材(不図示)が含まれる。磁性体部材の一対の対向面(上下の対向面)には、複数の永久磁石(不図示)が異なる磁極面を対向し且つ交互に異なる磁極面を向けてY軸方向に配列されている。可動子71Aは微動ステージ32の+Y端面に固定されている。可動子71Aは、平板形状を有し、その内部に複数の電機子コイル(不図示)がY軸方向に配列されている。可動子71Aが固定子71Aに係合することで(略U字の空間内に配置されることで)、電機子コイルが複数の永久磁石が発する磁場の中に配される。それにより、可動子71A(微動ステージ32)を、固定子71A(粗動ステージ34)に対してY軸方向に微小駆動することができる。
ボイスコイルモータ71B,71Cも、ボイスコイルモータ71Aと同様に構成される。すなわち、ボイスコイルモータ71B(71C)は、固定子71B(71C)及び可動子71B(71C)から構成される。固定子71B(71C)は、粗動ステージ34(アーム部)の+X端面の+Y側(−Y側)に固定されている。可動子71B(71C)は微動ステージ32の−X端面の+Y側(−Y側)に固定されている。可動子71B,71Cがそれぞれ固定子71B,71Cに係合することで(略U字の空間内に配置されることで)、可動子71B,71C(微動ステージ32)を固定子71B,71C(粗動ステージ34)に対してX軸方向及びθz方向に微小駆動することができる。
ステージ制御装置51は、ボイスコイルモータ71A,71B,71Cを用いて、すなわち可動子71A,71B,71C内の電機子コイルを励磁する励磁電流を制御することで微動ステージ32を駆動制御する。
ガスフロー装置80は、固定部80及び可動部80から構成される。固定部80は、粗動ステージ34(アーム部)の+X端面の固定子71B,71Cの間に固定されている。可動部80は微動ステージ32の−X端面の可動子71B,71Cの間に固定されている。
図17に、ガスフロー装置80(固定部80及び可動部80)の構成の詳細を示す。固定部80は、直方体状の筐体81と、筐体81内部の−X内面及び+X内面に固定された一対の気体噴出機構82A,82Bとを有する。可動部80は、微動ステージ32の−X端面に突設されたアーム83と、アーム83の先端(−X端)に固定されて気体噴出機構82A,82Bの間に配置される板状部材84と有する。アーム83は、筐体81に設けられた開口81a及び気体噴出機構82Bを介して筐体81内に挿入されている。
気体噴出機構82A,82Bは、それぞれ、板状部材84の−X面及び+X面に向けて、空気、窒素、ヘリウム等の同量の加圧気体を噴出する。それにより、粗動ステージ34に対して微動ステージ32にX軸方向の推力が作用する。ここで、気体噴出機構82A,82Bから板状部材84に作用する+X方向及び−X方向の推力は、気体噴出機構82A,82Bのそれぞれと板状部材84との離間距離の2乗に比例する。従って、板状部材84が気体噴出機構82A,82Bの中央に位置する場合、板状部材84に作用する総推力はゼロとなり、板状部材84はその位置をとどめる。板状部材84が気体噴出機構82A側に位置する場合、気体噴出機構82Aから受ける+X方向の推力が気体噴出機構82Bから受ける−X方向の推力に勝るため、すなわち板状部材84に作用する総推力は+X方向を向くため、板状部材84は+X方向に戻される。一方、板状部材84が気体噴出機構82B側に位置する場合、気体噴出機構82Bから受ける−X方向の推力が気体噴出機構82Aから受ける+X方向の推力に勝るため、すなわち板状部材84に作用する総推力は−X方向を向くため、板状部材84は−X方向に戻される。
ガスフロー装置80により、微動ステージ32が粗動ステージ34に接近した場合(−X方向に移動した場合)、微動ステージ32に粗動ステージ34から離間する方向(+X方向)に推力を及ぼし、微動ステージ32が粗動ステージ34から離間した場合(+X方向に移動した場合)、微動ステージ32に粗動ステージ34に接近する方向(−X方向)に推力を及ぼす。このようにガスフロー装置80が機能することで、粗動ステージ34を駆動することにより微動ステージ32に作用する反力を抑制することができる。そのため、ボイスコイルモータ71A,71B,71Cによる大きな推力の発生を要しない。
なお、ステージ制御装置51により、気体噴出機構82A,82Bから噴出される加圧気体の量を板状部材84の位置、すなわち粗動ステージ34に対する微動ステージ32の位置に応じて制御することとしても良い。
マスク干渉計システム16は、干渉計ユニット16X,16X,16Yから構成される。干渉計ユニット16X,16Xは、それぞれ、微動ステージ32の移動鏡17Xの+Y側及び−Y側に測長ビームを照射し、移動鏡17Xからの反射光を受光することにより、マスクステージMSTのX軸方向及びθz方向の位置を計測する。干渉計ユニット16Yは、微動ステージ32の移動鏡17Yに測長ビームを照射し、移動鏡17Yからの反射光を受光することにより、マスクステージMSTのY軸方向の位置を計測する。計測結果は、前述のとおり、ステージ制御装置51に供給され(図15参照)。
図18(A)及び図18(B)に、第3の実施形態に係るマスクステージMSTを駆動制御する制御システム50”の構成を示す。制御システム50”の構成は第1の実施形態に係る制御システム50の構成に類似するため、違いに集中してその構成を説明する。
制御システム50”は、制御入力Uを与えることで制御対象である微動ステージ32を駆動制御するフィードバック制御系であり、微動ステージ32の駆動目標(駆動力の次元を有することとする)Rを生成し、その結果(及び後述する補正量dU)を用いて制御入力Uを演算し、その結果をマスクステージ駆動系MSD(ボイスコイルモータ71A,71B,71C)に送信するステージ制御装置51と、被制御量であるマスクステージMST(微動ステージ32)の位置X,Y,θzを測定する前述のマスク干渉計システム16と、マスク干渉計システム16の出力(位置X,Y,θzの測定結果)から制御入力Uに対する補正量dUを求める補正部53’と、補正部53’の出力をステージ制御装置51に接続するスイッチ55から構成される。
マスクステージ駆動系MSD(ボイスコイルモータ71A,71B,71C)は、受信した制御入力U(本実施形態では力の次元を有する)に従って、その駆動量に等しい駆動力を発生させる。これにより、微動ステージ32が粗動ステージ34に対して駆動制御される。なお、図中に示すdは外部から微動ステージ32に作用する外乱であり、未知である。制御入力U及び位置X,Y,θzはそれぞれ微動ステージ32に対する入力及び出力であり、いずれも既知である。微動ステージ32に対する実際の入力は、ステージ制御装置51から出力される制御入力U(ボイスコイルモータ71A,71B,71Cが発する駆動力に等しい)と外乱dの和となる。
ステージ制御装置51は、目標生成部51とスイッチ51と減算器51とを含む。目標生成部51が生成する微動ステージ32の駆動目標(ここでは駆動力の次元を有する目標)は、スイッチ51を介して、減算器51に供給される。
補正部53’は、第1の実施形態に係る補正部53’の構成と同じである。補正部53’の出力(補正量dU)は、スイッチ55を介して、ステージ制御装置51(減算器51)に向けて出力される。
前述の構成のマスクステージMST、すなわち支持体74(の上面に形成されたガイド面)上を比較的大きい駆動力で駆動される粗動ステージ34と、粗動ステージ34に支持されて精密に駆動される微動ステージ32と、から構成される粗微動型のマスクステージMSTにおいて、マスクMを保持する微動ステージ32を高速駆動するために、粗動ステージ34(リニアモータ69)の駆動力を微動ステージ32に加えるカタパルト方式の駆動方法を採用することができる。ここで、ガスフロー装置80が機能する限り、粗動ステージ34から受ける微動ステージ32の反力が抑制されるため、微動ステージ32は粗動ステージ34に接触することなく(衝突による力F(=0)を受けることなく)、離間した状態を維持する。しかし、粗動ステージ34(リニアモータ69)の強い駆動力を微動ステージ32に加えることでガスフロー装置80の機能の限界を超え、微動ステージ32が粗動ステージ34に接触し(衝突による力F(≠0)を受け)、チャタリング(機械的な振動)が生じることがある。
プレートPを露光するためにマスクM(マスクステージMST)を等速駆動する際には、ガスフロー装置80が十分に機能し、微動ステージ32は粗動ステージ34に接触せず、微動ステージが粗動ステージから受ける衝突による力(すなわち外力d)Fはゼロであるため、補正部53’よる制御入力Uの補正は不要となる。そこで、制御システム50”では、マスクステージMSTの等速移動時に、図18(A)に示すようにステージ制御装置51内においてスイッチ51をオンにして、目標生成部51が生成する微動ステージ32の駆動目標Rを減算器51に供給し、スイッチ55をオフにして、補正部53’からの出力(補正量dU)がステージ制御装置51(減算器51)に出力されないように遮断する。
一方、プレートPをステッピングするとともにマスクMの駆動方向を逆向きに変えるためにカタパルト方式の駆動方法によりマスクM(マスクステージMST)を加減速すると、ガスフロー装置80の機能の限界を超え、微動ステージ32が粗動ステージ34に接触して粗動ステージ(外部)から衝突による力(外力d)Fを受けるおそれがあるため、補正部53’よる制御入力Uの補正が必要となる。ただし、微動ステージ32の駆動目標Rは不要となる。そこで、制御システム50”では、マスクステージMSTの加減速時、図18(B)に示すように、ステージ制御装置51内においてスイッチ51をオフにして、目標生成部51が生成する微動ステージ32の駆動目標Rが減算器51に供給されないように遮断し、スイッチ55をオンにして、補正部53’からの出力(補正量dU)をステージ制御装置51(減算器51)に入力する。
図19(A)及び図19(B)に、それぞれ、粗動ステージ34が微動ステージ32に衝突した場合に微動ステージ32が受ける反力及び位置誤差のシミュレーション結果を示す。第3の実施形態の制御システム50”を採用しなかった場合(w/o DDOB)、微動ステージ32は仮想的な粘弾特性を有さないため、時刻0.05sにて粗動ステージ34が微動ステージ32に衝突することで、微動ステージ32に−150Nの大きな反力が生じ、時刻0.2sまで激しい震動(チャタリング)が生じ、時刻0.5sまでにその反力は緩やかに減衰する。位置誤差は、衝突により、約500μmまで飛び、時刻0.15sまでオーバーシュート(ハンチング)を見せ、時刻0.2s以降、ほとんど一定を維持する。
これに対して、第3の実施形態の制御システム50”を採用した場合(with DDOB)、微動ステージ32は仮想的な粘弾特性を有するため、時刻0.05sにて粗動ステージ34が微動ステージ32に衝突することで、微動ステージ32に−150Nの大きな反力が生じ、時刻0.1sまで激しい震動(チャタリング)が生じ、時刻0.1〜0.25sにその反力は緩やかに増加し、時刻0.5sまでに緩やかに減衰する。位置誤差は、衝突により、約500μmまで飛び、時刻0.10sまでオーバーシュート(ハンチング)を見せ、時刻0.1s以降、ほとんど一定を維持する。制御システム50”を採用することで、微動ステージ32が受ける反力が小さくなる、すなわちチャタリングの振幅が小さく且つその期間が短くなり、位置誤差が見せるハンチングの振幅も小さく且つその期間も短くなっている。
以上詳細に説明したように、第3の実施形態の制御システム50”によれば、微動ステージ32が粗動ステージ34に接触して加速移動する際(接触し得る場合)に制御入力Uから補正部53’の出力(補正量dU)を減じる。このため微動ステージ32が粗動ステージ34から受ける衝突による力(外力)に対して仮想的に粘弾特性を機能するように微動ステージ32が駆動され、衝突によるチャタリングが抑えられて微動テージ32を精密且つ安定に駆動することが可能となる。
なお、マスクM(マスクステージMST)を等速駆動する際に、図18のスイッチ55をオフにするのに代えて、第2外乱オブザーバ533を介しない状態で第1外乱オブザーバ531の出力がステージ制御装置51(減算器512)に出力できるように構成しても良い。これにより、制御入力Uから第1外乱オブザーバ53の出力(外乱)が減じられるように制御入力Uが補正されるため、微動ステージ32が粗動ステージ34以外から受ける外力を仮想的に相殺するように微動ステージ32を駆動できる。その結果、微動ステージ32を精密且つ安定に駆動することが可能となる。
また、本実施形態に係る露光装置110は、上述のように設計されたマスクステージMSTの制御システム50”を備えるため、マスクステージMSTを精密且つ安定に駆動することが可能となり、露光精度、すなわち重ね合わせ精度の向上が可能となる。
なお、第3の実施形態では、制御システム50”を支持体74(の上面に形成されたガイド面)上を大きい駆動力で駆動される粗動ステージ34と、粗動ステージ34に支持されて精密に駆動される微動ステージ32と、から構成される粗微動型のマスクステージMSTの駆動制御に適用したが、プレートPを保持して移動する微動ステージと、その微動ステージを支持して移動する粗微動型のプレートステージの駆動制御に適用しても良い。それにより、微動ステージを精密且つ安定に駆動することが可能となり、露光精度、すなわち重ね合わせ精度の向上が可能となる。
また、第3の実施形態では、制御システム50”として、第1の実施形態における制御システム(変形構成)50’を採用したが、第2の実施形態における制御システム50を採用しても良い。
また、マスク干渉計システム16及びプレート干渉計システム18に限らず、例えば、光学定盤73に設けられたヘッドを用いてマスクステージMST又はプレートステージPSTに設けられたスケールに計測光を照射し、その戻り光を受光するエンコーダを用いることも可能である。
また、マスク干渉計システム16及びプレート干渉計システム18の構成は、上記の構成に限らず、目的に応じて、適宜、さらに干渉計を追加した構成を採用することができる。また、マスク干渉計システム16及びプレート干渉計システム18に代えて、あるいはそれらとともにエンコーダ(又は複数のエンコーダから構成されるエンコーダシステム)を用いても良い。
なお、第3の実施形態において、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
また、第3の実施形態では、投影光学系PLが、複数本の光学系を備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学系の数はこれに限らず、1つ以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、例えばオフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。また、上記実施形態では投影光学系PLとして、投影倍率が等倍系のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は拡大系及び縮小系のいずれでも良い。
また、第3の実施形態(のステージ駆動システム)は、一括露光型又はスキャニング・ステッパなどの走査型露光装置、及びステッパなどの静止型露光装置のいずれにも適用することができる。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の投影露光装置にも上記各実施形態は適用することができる。また、上記各実施形態は、投影光学系を用いない、プロキシミティ方式の露光装置にも適用することができるし、光学系と液体とを介して基板を露光する液浸型露光装置にも適用することができる。この他、上記各実施形態は、2つのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回のスキャン露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置(米国特許第6,611,316号明細書)などにも適用できる。
また、露光装置の用途としては、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記各実施形態を適用できる。なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラスプレート(あるいはウエハ)を製作するステップ、上述した各実施形態の露光装置、及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをガラスプレートに転写するリソグラフィステップ、露光されたガラスプレートを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラスプレート上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
なお、実施形態では露光装置を例に説明したが、露光装置以外にも適用できる。例えば、測定装置等が載置される除振装置に適用すれば、除振効率を向上させることが可能である。
16(16X,16Y)…マスク干渉計システム(干渉計ユニット)、18…プレート干渉計システム(干渉計)、32…微動ステージ、34…粗動ステージ、50,50’ ,50”…制御システム、51…ステージ制御装置、51…目標生成部、51…スイッチ、51…減算器、52…制御対象、53,53’…補正部、53,53…外乱オブザーバ、53a,53b…制御器、55…スイッチ、69…リニアモータ、71A,71B,71C…ボイスコイルモータ、110…露光装置。

Claims (17)

  1. 制御対象の被制御量から前記制御対象の操作量を生成する制御システムであって、
    前記被制御量が入力される入力部と、
    前記被制御量又は該被制御量を用いた演算により生成される生成量と前記制御対象に対応する第1モデルとから求められる第1の量と、前記生成量と前記第1モデルとは異なる第2モデルとから求められる第2の量との差を用いて、前記操作量を生成する制御部と、
    を備え、
    前記第2モデルは、前記制御対象に加わる外乱と前記被制御量とが所定の関数で表され、
    前記制御部は、前記第2モデルを含む外乱オブザーバを有し、該外乱オブザーバは、前記第1の量と前記操作量とから求まる第3の量及び前記被制御量を入力して、前記操作量を補正する補正量を出力する制御システム。
  2. 前記関数は、質量、粘性、及び弾性を有する剛体の並進運動を表す請求項1に記載の制御システム。
  3. 前記第1モデルは、質量を有する剛体の自由並進運動を表す請求項1又は2に記載の制御システム。
  4. 前記制御部は、前記第1モデルを含む第2の外乱オブザーバを有し、該第2の外乱オブザーバは、前記被制御量と前記操作量とに基づいて前記第1の量を求める請求項1又は3に記載の制御システム。
  5. 前記制御対象の位置に関する目標量を生成し、該目標量と前記被制御量との差を前記生成量として出力する目標部をさらに備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御システム。
  6. 前記制御対象の位置に関する目標量を生成し、該目標量と前記被制御量との差を出力する目標部と、
    該目標部の出力を用いて前記操作量を生成する制御器と、
    前記第1の量と前記第2の量との差と前記操作量とを加算する加算器とをさらに備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御システム。
  7. 前記制御対象が他の部材に接触しているときは、前記第1の量と前記第2の量との差を用いて前記操作量を生成し、
    前記制御対象が前記他の部材と離間しているときは、前記目標部の前記出力を用いて前記操作量を生成する、請求項5又は6に記載の制御システム。
  8. エネルギビームで物体を露光して前記物体上にパターンを形成する露光装置であって、
    前記物体を保持して移動する第1移動体と、該第1移動体を支持しつつ前記第1移動体に対して移動可能な第2移動体と、を有する移動機構と、
    前記第1移動体を前記制御対象とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の制御システムと、
    を備える露光装置。
  9. 操作量を入力して被制御量を出力する制御対象を制御する制御方法であって、
    前記被制御量として、前記制御対象の位置に関する情報を求めることと、
    前記被制御量又は該被制御量を用いた演算により生成される生成量と、前記制御対象に対応する第1モデルとから、前記制御対象に入力される第1の量を求めることと、
    前記生成量と、前記第1モデルと異なる第2モデルとから前記制御対象に入力される第2の量を求めることと、
    前記第1の量と第2の量とを用いて、前記操作量を生成することと、を含み、
    前記第2モデルは、前記制御対象に加わる外乱と前記被制御量とが所定の関数で表され、
    前記生成することでは、前記第2モデルを含む外乱オブザーバにより、前記第1の量と前記操作量とから求まる第3の量及び前記被制御量を入力して、前記操作量を補正する補正量を出力する制御方法。
  10. 前記第2モデルは、質量、粘性、及び弾性を有する剛体の並進運動を表す請求項9に記載の制御方法。
  11. 前記第1モデルは、質量を有する剛体の自由並進運動を表す請求項9又は10に記載の制御方法。
  12. 前記生成することでは、前記第1モデルを含む第2の外乱オブザーバにより、前記被制御量と前記操作量とに基づいて前記第1の量を求める請求項9又は11に記載の制御方法。
  13. 前記制御対象の位置に関する目標値を生成し、該目標値と前記被制御量との差から前記生成量を生成することをさらに含む請求項9〜12のいずれか一項に記載の制御方法。
  14. 前記制御対象の位置に関する目標値を生成して、該目標値と前記被制御量の差を出力し、前記出力を用いて前記操作量を生成することと、
    前記第1の量と前記第2の量との差と前記操作量とを加算することと、をさらに含む請求項9〜11のいずれか一項に記載の制御方法。
  15. 前記制御対象が他の部材に接触していているときは、前記第1の量と前記第2の量との差を用いて前記操作量を生成し、
    前記制御対象が前記他の部材と離間しているときは、前記出力を用いて前記操作量を生成する請求項13又は14に記載の制御方法。
  16. エネルギビームで物体を露光して前記物体上にパターンを形成する露光方法であって、
    前記物体を保持して移動する第1移動体と、該第1移動体を支持しつつ前記第1移動体に対して移動可能な第2移動体と、を有する移動機構のうち、前記第1移動体を前記制御対象とする請求項9〜15のいずれか一項に記載の制御方法を利用する露光方法。
  17. 請求項16に記載の露光方法を利用して、物体上にパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記物体を現像することと、
    を含むデバイス製造方法。
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