本願は、2014年1月24日付の米国特許出願第14/163438号(オーバーレイを有する履物物品用の編組みアッパー)(米国代理人整理番号51−3427)の一部継続出願である。この米国特許出願第14/163438号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれ、本明細書では「編組みアッパー出願」と称する。さらに、米国特許出願14/163438号は、2013年6月25日付の米国特許仮出願第61/839097号(編組みアッパーを有する履物物品)(米国代理人整理番号51−3210)の優先権を主張する。米国特許仮出願第61/839097号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれ、本明細書では「編組みアッパー仮出願」と称する。
また、本願は、2014年9月24日付の米国特許出願第14/495252号(編組みアッパーを有する履物物品)(米国代理人整理番号51−4538)にも関連している。この米国特許出願第14/495252号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。この米国特許出願第14/495252号は、2014年1月24日付の米国特許第14/163392号(編組みアッパーを有する履物物品)(米国代理人整理番号51−3642)の優先権を主張しており、また、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。この米国特許出願第14/163392号は、2013年6月25日付の米国特許仮出願第61/839097号(編組みアッパーを有する履物物品)(米国代理人整理番号51−3210)の優先権を主張する。
図1は、単に「物品100」とも称される履物物品100の一実施形態の等角図である。物品100は、限定されないが、ハイキングブーツ、サッカーシューズ、フットボールシューズ、スニーカー、ランニングシューズ、クロストレーニングシューズ、ラグビーシューズ、バスケットボールシューズ、ベースボールシューズおよび他の種類の靴を含む多様な種類の履物に使用するために構成してもよい。更に、いくつかの実施形態において、物品100は、限定されないが、スリッパ、サンダル、ハイヒール、ローファーおよび任意の他の種類の履物、衣料品および/またはスポーツ用品(例えば、グローブやヘルメット等)を含む多様な種類の非スポーツ関連の履物に使用するために構成してもよい。
いくつかの実施形態において、履物物品100は、アッパー102およびソールシステム110を含むことができる。ソールシステム110は、アッパー102に固定されて、履物物品100が着用された場合に、足と地面との間に拡がっている。異なる実施形態において、ソールシステム110は、異なる部品を含むことができる。例えば、ソールシステム110は、アウトソール、ミッドソールおよび/またはインソールを含むことができる。いくつかのケースにおいて、それらの構成要素のうちの1つ以上は、任意であってもよい。
ソールシステム110は、物品100に1つ以上の機能を与えてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ソールシステム110は、物品100にトラクションを与えるように構成することができる。トラクションを与えることに加えて、ソールシステム110は、ウォーキング、ランニングまたは他の歩行活動中に、足と地面との間で圧縮された場合に、地面の反力を弱めてもよい。異なる実施形態において、ソールシステム110の構成は、多様な従来の、または従来にない構造を含むように、大幅に変えてもよい。いくつかのケースにおいて、ソールシステム110の構成は、ソールシステム110がその上で使用される可能性がある1種類以上の地面に従って選択することができる。地面の例示として、限定されないが、天然芝、人工芝、土およびその他の表面が挙げられる。
一般的に、アッパー102は、任意の種類のアッパーで構成することができる。具体的には、アッパー102は、任意の設計、形状、サイズおよび/または色調を有することができる。例えば、物品100がバスケットボールシューズである実施形態において、アッパー102は、足首に対して高い支持を与えるように成形されたハイトップアッパーとすることができる。物品100がランニングシューズである実施形態において、アッパー102は、ロートップアッパーとすることができる。
図1を参照すると、参照目的のため、アッパー102等の物品100の構成要素は、前足部分10、中足部分12およびヒール部分14に分割することができる。前足部分10は、全体的に、つま先、および中足骨を指骨に結合する関節に関連付けられる。中足部分12は、全体的に、土踏まずに関連付けられる。同様に、ヒール部分14は、全体的に、踵骨を含む足の踵に関連付けられる。更に、アッパー102は、横側面16および内側側面18を含むことができる。具体的には、横側面16および内側側面18は、物品100の対向側面である。更に、横側面16および内側側面18の両者は、前足部分10、中足部分12およびヒール部分14を通って延在していてもよい。
言うまでもなく、前足部分10、中足部分12およびヒール部分14は、説明を目的としているだけであり、アッパー102の正確な領域の境界を画定することは意図されていない。同様に、横側面16および内側側面18は、アッパー102の境界を厳密に2つの半体に画定するものではなく、アッパー102の2つの側面を大略的に示すことが意図されている。
一貫性を保つために、および便宜上の理由から、方向性に関する形容詞は、図示の実施形態に対応してこの詳細な説明の全体に亘って使用される。この詳細な説明および特許請求の範囲の全体に亘って、「長手」とは、部品の長手方向を指す。例えば、アッパー102の長手方向は、アッパー102の前足部分10からヒール部分14まで延在することができる。また、この詳細な説明および特許請求の範囲の全体に亘って、「横の」とは、部品の幅方向を指す。例えば、アッパー102の横方向は、アッパー102の内側側面18および横側面16の間で延在することができる。更に、この詳細な説明および特許請求の範囲の全体に亘って、「垂直」とは、長手方向および横方向の両者に対して垂直な方向を指す。
更に、「近位」とは、履物物品の着用時において、足の部分に近い履物部品の部分を指す。同様に、「近位方向」とは、物品の着用時に、足の方に向かう方向を指す。「遠位」とは、履物物品の着用時に、足の部分から離れている履物部品の部分を指す。「遠位方向」とは、物品の着用時に、足から離れて向けられる方向を指す。
いくつかの実施形態において、アッパー102は、編組みされた織物または他の編組み構造等の編組み構造で構成してもよい。編組み構造は、ヤーン、フィラメントまたは他の繊維からなる3つ以上のストランドを撚り合わせて、その構造を形成することによって、形成することができる。一実施例として、アッパー102は、図1において見られるように、編み合わされて、全体的に足の形状に類似する形状を形成する複数のストランド130から形成される。
編組みは、型枠または靴型上に、ヤーンのストランドを編組みすることによって、3次元構造を形成するのに用いることができる。実施例における複数のストランド130等の編組み構造のストランドは、ナイロン、カーボン、ポリウレタン、ポリエステル、綿、アラミド(例えば、Kevlar(登録商標))、ポリエチレンまたはプロプロピレン等の繊維から製造することができる。それらのストランドは、幅広い用途のための3次元構造を形成するように編組みすることができる。
編組み構造は、手動で製造するか、または、それら全体が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第7252028号(特許文献1)、米国特許第8261648号(特許文献2)、米国特許第5361674号(特許文献3)、米国特許第5398586号(特許文献4)および米国特許第4275638号(特許文献5)に記載の機械等の自動編組み機を利用して製造することができる。このような3次元編組み構造は、例えば、TEF Braids社(ニューヨーク州ウォレンズバーグ)またはA&P Technology社(オハイオ州シンシナティ)による特定の設計に関して製造してもよい。
編組みを用いることにより、履物物品用アッパーを、特定の運動競技または娯楽活動に合わせた固有の機能を持たせて設計することができる。編組みされたアッパーは、着用者の足にぴったりかつ心地よく合うと同時に、非常に軽量化することができる。いくつかの実施形態では、アッパーのフィット性は、着用者が好む可能性のある、ある程度の引張または締め付けをもたらすように調節してもよい。編組みされたアッパーは、着用者の足を覆うクロースコンテインメントによって特徴付けられる。いくつかの実施形態において、編組みされた織物は、図面に示されているように、履物の周囲を端から端まで包み込んでもよい。編組みされたストランドが着用者の足の周りに張力をかける一方で、着用者の足は圧縮されるため、そのような構造は、緊張性インテグリティまたは「テンセグリティ」を有する。
いくつかの実施形態は、足の下に延在する編組みされたアッパーを含み、それによって、足のいくつかの領域において、360度に亘る被覆を形成してもよい。しかしながら、他の実施形態は、足の下に延在するアッパーを含む必要はない。別の実施形態において、例えば、編組みされたアッパーは、ソール構造および/または中敷きと結合された下方周辺部を有することができる。
図2は、編組み構造で構成されているアッパー102を含む、物品100の一実施形態の分解等角図を示す。図1、図2を参照すると、アッパー102は、足を受容することができる開口部120を有することが分かる。更に、アッパー102は、締め付け領域124を有する。締め付け領域124は、更に、横締め付け端縁126と、内側締め付け端縁127とを分離する締め付けギャップ125を含んでもよい(図2参照)。
締め付け領域124は、更に、締め付け部材160に関連していてもよい。実施例において、締め付け部材160は、紐であってもよい。しかしながら、別の実施形態では、締め付け部材160は、限定するものではないが、ストラップ、スナップ、ボタン、ジッパー、面ファスナ(例えば、Velcro(登録商標))および他の種類のファスナを含む任意の他の種類のファスナとすることができる。
編組みされたアッパーを利用する実施形態は、追加的な構造をアッパーに与えるのに役に立つ装備を含むことができる。いくつかの実施形態において、例えば、物品は、アッパーの多様な特性を高めるために、編組みされたアッパーの特定の部分に接合されるか、または取り付けられる1つ以上の追加的な材料部分を含んでもよい。例えば、それらの材料部分は、強度および耐久性を向上させるために、アッパーのいくつかの位置に耐伸縮性を与えるために、および他の構成要素の編組み構造との接合を容易にするために、用いてもよい。
詳細な説明全体を通して、および特許請求の範囲において、「オーバーレイ部分」または「オーバーレイ」とは、編組みされたアッパー等の編組み構造の表面に取り付けられる材料の任意の部分を指す。いくつかの実施形態において、オーバーレイ部分は、編組み構造のストランドとは異なる材料で構成される。更に、いくつかの実施形態では、オーバーレイ部分は、編組み構造のストランドとは実質的に異なる材料特性を有していてもよい。実施例において、オーバーレイ部分は、編組み構造の対応する部分と比較して伸縮に耐えることができる。
一般的に、オーバーレイ部分は、任意の材料で形成することができる。材料例として、限定するものではないが、(織布および不織布を含む)布地、(天然および合成レザーを含む)レザー、高分子材料、および他の種類の材料が挙げられる。一実施形態において、1つ以上のオーバーレイ部分は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)で形成してもよい。
一実施例において、物品100は、オーバーレイ部品140と関連していてもよい。オーバーレイ部品140は、更に、第1オーバーレイ部分150、第2オーバーレイ部分152、および第3オーバーレイ部分154を含むいくつかの異なるオーバーレイ部分で構成してもよい。各オーバーレイ部分は、アッパー上の特定の位置に設けてもよい。例えば、第1オーバーレイ部分150は、アッパー102の締め付け領域124と結合してもよい。同様に、第2オーバーレイ部分152は、開口部120に結合してもよい。最後に、第3オーバーレイ部分154は、ヒール部分14と、アッパー102の横側面16および内側側面18の両方の一部とに結合してもよい。
次に、図2を参照すると、いくつかの実施形態では、第1オーバーレイ部分150は、締め付け領域124の端縁に沿って延在している。具体的には、第1オーバーレイ部分150は、締め付け領域124の横締め付け端縁126に関連する第1区画181を含む。また、第1オーバーレイ部分150は、締め付け領域124の内側締め付け端縁127に関連する第2区画182を含む。いくつかの実施形態では、中間区画183が、締め付け領域124の最前方端縁129に沿って延びており、かつ第1オーバーレイ部分150の第1区画181および第2区画182に結合されている。
この場合、第1オーバーレイ部分150は、アッパー102用の横および内側アイステイを形成してもよく、またはアッパー102用の横および内側アイステイの部分を形成してもよい。具体的には、第1オーバーレイ部分150は、アッパー102と締め付け部材160との取り付けを容易にすることができる。以下で更に詳細に説明するように、締め付け領域124の端縁に沿ったオーバーレイ部分の使用は、締め付け部材160によってアッパー102に印加される張力をより均一に分散させるのに役に立つ可能性がある。
少なくともいくつかの実施形態では、第1オーバーレイ部分150は、締め付け領域124の横締め付け端縁126、内側締め付け端縁127および最前方端縁129に沿ったアッパー102の編組み構造を完成させるのに役に立つことができる。具体的には、編組み構造のストランドを、横締め付け端縁126、内側締め付け端縁127または最前方端縁129のうちのいずれかにおいて開いてもよい実施形態において、第1オーバーレイ部分150は、それらの端縁に沿ってストランドが解けることを防ぐために、ストランドの端部を定位置で接合し、融着し、または保持するのに役に立ち得る。
いくつかの実施形態において、第2オーバーレイ部分152は、開口部120の端縁に沿って延在する。具体的には、第2オーバーレイ部分152は、開口端縁195に関連している。更に、いくつかの実施形態では、第2オーバーレイ部分152は、開口部120および/または締め付け領域124における開口部に関連するアッパー102の全ての端縁が、第1オーバーレイ部分150または第2オーバーレイ部分152によって被覆されるように、実質的に第1オーバーレイ部分150と連続している。
この構成は、いずれかの開口ストランドを第2オーバーレイ部分152に接合することによって開口端縁195を完成させるのに役に立つ。更に、第2オーバーレイ部分152は、開口部120の近傍の編組み構造が過度に伸びることのないように、開口部120を補強するのに役に立つことができる。開口部120は、ユーザが彼または彼女の足を挿入する際および/または引き抜く際に、大きな引張応力および他の応力を受ける可能性があるため、このような補強は、特に開口部120において有効であり得る。
いくつかの実施形態では、第3オーバーレイ部分154は、横側面16に沿って延在する第1区画171と、アッパー102の内側側面18に沿って延在する第2区画172とを含んでもよい。更に、第3オーバーレイ部分154の第3区画173は、ヒール部分14において、アッパー102の下(例えば、下面)に延在していてもよい。いくつかの実施形態では、第3区画173は、第3オーバーレイ部分154が、アッパー102の側面および底部の周りを連続的に包み込むように、第1区画171および第2区画172を結合している。
いくつかの実施形態において、第3オーバーレイ部分154の第1区画171は、第1オーバーレイ部分150の第1区画181から延在しており、かつ第1オーバーレイ部分150の第1区画181とともに連続的に形成される。更に、いくつかの実施形態では、第3オーバーレイ部分154の第2区画172は、第1オーバーレイ部分150の第2区画182から延在しており、かつ第1オーバーレイ部分150の第2区画182とともに連続的に形成される。第3オーバーレイ部分154は、その長さに沿った伸びを小さくするように作用することができるため、この構成は、(足の上部における)第1オーバーレイ部分150と、ヒール部分14の下側199(図8参照)との間のアッパーの伸びに耐えることにより、踵の下での支持性を向上させるのに役に立ち得る。
図3は、物品100の一部の拡大図を示し、この場合、いくつかのストランドは、第2オーバーレイ部分152に接合されていてもよい。図3を参照すると、いくつかのストランド304は、第2オーバーレイ部分152の内側表面302に対して配置してもよい。この実施例において、ストランド304は、何らかのストランドの遊端または自由端を欠くアッパー102の閉じて織られた端縁305の部分を形成してもよい。この場合、ストランド304は、編組み構造の連続的に織られた区画を補強するために、第2オーバーレイ部分152に接合してもよい。
図4に示す代替的な実施形態において、いくつかのストランド470は、遊端または自由端472で構成してもよい。この構成において、開口端部472は、ストランド470を定位置に保持するために、かつストランド470が緩んだり、または解けたりするのを防ぐのに役に立つように、オーバーレイ部分452に固定してもよい。従って、いくつかの実施形態において、編組み構造の端縁に関連する遊端または自由端を留めておくのに、オーバーレイ部分を使用することができることが分かる。このような構成は、編組み構造の裁ち目、または、解ける可能性のある遊端または自由端を含む何らかの端縁を仕上げる手段を提供することができる。
本明細書に開示する構成は、開口部120において、編組み構造の端縁を補強するように作用することができるオーバーレイ部分を提供する。これは、アッパー102の構造的インテグリティを維持するために、開口部120におけるアッパー102の伸びを少なくするのに役に立つことができる。更に、第2オーバーレイ部分152は、端部のほころびおよび/または編組み構造の解けを防ぐために、編組み構造の任意の遊端または開口端部を固定するのに役に立つことができる。
以下、編組みされたアッパー等の編組み構造にオーバーレイ部分を接合するための多様なプロセスについて、更に詳述する。接合するのに使用される材料例として、任意の既知の接着剤、溶解物、樹脂または他の接合剤が挙げられる。
図5は、第1オーバーレイ部分150の一部と、締め付け部材160の概略的な拡大断面図とを含む物品100の等角図である。図5を参照すると、第1オーバーレイ部分150は、複数のアイレット400を含む。具体的には、拡大断面図に示すアイレット402を含む複数のアイレット400は、締め付け部材160の一部を受容するように構成される第1オーバーレイ部分150における開口部である。
アッパー102のストランドが締め付け部材の一部に直接的に固定する代替的な実施形態とは対照的に、この実施例は、アッパー102のストランドが、第1オーバーレイ部分150におけるアイレットを介して、締め付け部材160に間接的に固定されるように構成することができる。具体的には、ストランド410は、第1オーバーレイ部分150に直接的に固定されるように図示されているが、締め付け部材160は、第1オーバーレイ部分150における複数のアイレット400を通して固定されている。この構成は、部材160をより一様に締め付けることによって、アッパー102の編組み構造全面に伝わる力を分散させることができる。このことは、締め付け部材160が、例えば、特定のストランドを過度に引っ張ることを防ぎ、それによって、物品100の足に対するより良好な快適性およびフィット性を促進することができる。
図6および図7は、オーバーレイ部分のアイレット近傍のストランドのための可能性のある2つの構成を示す。まず、図6を参照すると、いくつかの実施形態において、1つ以上のストランドが、アイレットの周囲に延在し、それによって、アイレットを補強するように作用してもよい。例えば、図6において、第1ストランド512および第2ストランド514はそれぞれ、第1アイレット502および第2アイレット504の周囲に巻き付いている。これは、第1アイレット502および第2アイレット504を補強するという効果と、締め付け部材160とアッパー102の編組みストランドとの間の張力のより直接的な伝達を提供できるという効果とがある。
図7に示す代替的な実施形態を参照すると、第1アイレット502および第2アイレット504は、アッパーのどのストランドによっても包囲されていない。具体的には、ストランド610が、第1アイレット502および第2アイレット504を包囲することなく、第1オーバーレイ部分150に接合されていることが分かる。当然のことながら、更に別の実施形態では、いくつかのアイレットがストランドによって包囲されるか、または補強されていてもよく、同時に、他のアイレットは、包囲されていないか、または、補強されていなくてもよい。
図8は、アッパー102のストランド130を仮想線で図示する、アッパー102の後方等角図である。図7を参照すると、第3オーバーレイ部分156が、ヒール部分14において、アッパー102の下側199の下に巻き付いているのが分かる。いくつかのケースにおいて、この構成は、第3オーバーレイ部分156が、足の踵を抱えることを可能にする。従って、この構成は、ヒール部分14を介した伸びを少なくすることにより、物品100の着用時における足の踵のための更なる支持性をもたらすことができる。
いくつかの実施形態において、複数の別個のオーバーレイ部品を用いてもよい。いくつかの実施形態において、別個のオーバーレイ部品は、アッパーの所定の部分において交差するか、または重なるように構成してもよい。このようなオーバーレイ部品を重ねる構成は、潜在的にアッパー全体を含むアッパーの大部分に亘って強度および耐伸縮性を高めるための手段を提供することができる。
図9〜図11は、アッパー802およびソール構造805(図10のみに図示する)を備える履物物品800の一実施形態を示す。まず、図9を参照すると、アッパー802は、複数のストランド830によって編組みされた編組み構造で構成されている。更に、第1オーバーレイ部品810、第2オーバーレイ部品812、第3オーバーレイ部品814および第4オーバーレイ部品816を含む複数のオーバーレイ部品がアッパー802に関連している。
実施例において、各オーバーレイ部品は、アッパー802の特定の部分に関連している。例えば、第1オーバーレイ部品810は、開口部860の端縁870と、締め付け領域862とに関連している。従って、いくつかのケースにおいて、第1オーバーレイ部品810は、端縁870に沿って複数のストランド830を仕上げるのに用いてもよい。更に、第1オーバーレイ部品810は、開口部860の近傍に耐伸縮性を付与することができる。
第2オーバーレイ部品812は、アッパー802の前方つま先部分868に関連している。いくつかの実施形態では、第2オーバーレイ部品812は、前方つま先部分868における耐伸縮性を向上させるのに役に立つことができる。更に、いくつかの実施形態では、第2オーバーレイ部品812は、前方つま先部分868のための被覆をもたらすことができる。具体的には、第2オーバーレイ部品812の存在は、前方つま先部分868を介してアッパー802にデブリが入ってくるのを防ぐのに役立ち得る。
第3オーバーレイ部品814は、アッパー802の前足部分811に関連していてもよい。いくつかの実施形態では、第3オーバーレイ部品814は、締め付け領域862の前方に配置してもよい。更に、図9を見ると明らかなように、第3オーバーレイ部品814は、アッパー802(およびアッパー802内の足)を完全に取り囲むことができる。実施例において、第3オーバーレイ部品814は、第1バンド817および第2バンド819で構成され、それらのバンドは、上部交差領域815で一体的に接合される。従って、この構成は、前足部分811がしっかりと地面を踏む可能性がある活動中の足の支持性を向上させる、目標とする耐伸縮性を前足部分811に付与することができる。
第4オーバーレイ部品816は、アッパー802のヒール部分813に関連していてもよい。いくつかの実施形態では、第4オーバーレイ部品816は、ヒールカウンタ状のオーバーレイ部分825と、ストラップ状のオーバーレイ部分827とを備えてもよい。オーバーレイ部分825とオーバーレイ部分827とを組み合わせると、ヒール部分813における伸縮性を制限するのに役に立つ可能性があり、そのため、アッパー802内での踵の支持性を高めることができる。
図10および図11から明らかなとおり、アッパー802とともに組み立てた場合、オーバーレイ部品のうちのいくつかは、互いに重なり合うことができる。例えば、第3オーバーレイ部品814は、重複領域902において、第1オーバーレイ部品810の一部と重なり合うことが明確に分かる。更に、第3オーバーレイ部品814が、重複領域903において、第2オーバーレイ部品812の一部と重なり合っているのが分かる。同様に、第4オーバーレイ部品816は、重複領域904において、第1オーバーレイ部品810の一部と重なり合っていることが明確に分かる。この重複配置は、1つのオーバーレイ部品の一部が、重なり合っているオーバーレイ部品の支持性を補強することができる故、アッパー802の構造的インテグリティを高めるのに役に立ち得る。更に、異なるオーバーレイ部品の一部を重ね合わせて一緒に接合することにより、オーバーレイ部品は、アッパー802の編組み構造を支持するための一体フレームとして機能してもよい。
異なる特性を有する編組み領域を用いる実施形態は、いくつかの領域を更に補強するが、その他の領域は補強しない装備を含んでもよい。いくつかの実施形態において、物品は、その物品の所定の領域を覆うように構成されるオーバーレイ部分を含んでもよい。
図12および図13は、アッパー1102の2つの特定の領域を被覆するオーバーレイ部分を備えて構成される物品1100の等角図である。具体的には、図12は、物品1100の等角分解図を示し、図13は、拡大断面図を含む等角図を示す。図12および図13を参照すると、物品1100は、アッパー1102およびソールシステム1110を含む。アッパー1102は、更に、第1領域1151、第2領域1152、第3領域1153および第4領域1154を含む少なくとも4つの別個の領域を備えて構成される。実施例において、第1領域1151は、アッパー1102のつま先領域である。第2領域1152は、第1領域1151に隣接してその後方に直接的に配置される。第3領域1153は、第2領域1152に隣接してその後方に配置される。最後に、第4領域1154は、第3領域1153の後方に拡がる。更に、第4領域1154は、残りの領域よりも実質的により大きな領域であり、および中足部分1103の全体と、アッパー1102のヒール部分1105とを含んでいる。従って、第1領域1151、第2領域1152および第3領域1153は、アッパー1102の全域に横方向に延在するアッパー1102のバンドとして特徴付けてもよい。
アッパー1102の各領域は、編組み密度等の特定の材料特性と関連付けてもよい。実施例において、第1領域1151および第3領域1153はともに、第1編組み密度と関連付けられ、第2領域1152および第4領域1154は、第2編組み密度と関連付けられる。いくつかの実施形態では、第1編組み密度は、第2編組み密度よりも大きくてもよい。従って、第1領域1151および第3領域1153は、より緊密に編み込まれ、強度が向上した領域を与えることができ、およびいくつかの実施形態では、伸びに耐えることもできる。
物品1100は、更に、第1オーバーレイ部分1160および第2オーバーレイ部分1162に関連してもよい。第1オーバーレイ部分1160は、アッパー1102の第1領域1151を被覆するように成形してもよい。第2オーバーレイ部分1162は、アッパー1102の第3領域1153を被覆するように成形してもよい。例えば、図13の拡大断面図に図示するように、第2オーバーレイ部分1162は、第3領域1153のストランド1170の上に配置してもよい。この配置の場合、第1オーバーレイ部分1160および第2オーバーレイ部分1162は、第1領域1151および第2領域1152を更に補強することができ、それによって、それらの領域における支持性および耐伸縮性を高めることができる。
実施例は、アッパーに対するオーバーレイ部分のためのいくつかの可能性のある構成を例示しているのにすぎない。他のいくつかの実施形態は、多様な異なる形状、サイズおよび配置で構成されるオーバーレイ部分を含んでもよいことを理解すべきである。更に、代替的な実施形態では、任意の数量の別個のオーバーレイ部品を用いてもよい。オーバーレイ部品またはオーバーレイ部分の数量、形状、サイズおよび配置は、履物物品上の任意の位置における耐伸縮性、高い強度、支持性、快適性または他の任意の所望の特性を含む所望の特性を実現するように選択することができる。
編組みされたアッパー出願において説明したように、編組みされたアッパーは、多様な異なる特徴および機能を備えて構成することができる。この詳細な説明に記載されるオーバーレイ部分は、編組みされたアッパー出願で説明した特徴のうちのいくつかを含んでも含まなくてもよい、編組みされたアッパーの多様な異なる実施形態とともに利用してもよいことを理解すべきである。一実施例として、いくつかの実施形態では、異なる材料特性を有するストランドは、アッパーの1つ以上の領域に特定の特性を付与するように、編み合せるか、または、互いに関連付けることができる。例えば、アッパーは、着用者の足が、彼または彼女がとる各歩幅によって移動する際に、ある程度まで伸びる繊維から製造してもよく、それによって、着用者の快適性が向上する。この場合、高い引張強度の非伸縮性繊維を、追加的な構造的支持性を必要とする履物のそれらの特定の領域に挿通してもよい。別の実施例として、アッパーは、例えば、通気性または快適性を改善するために、いくつかの領域に更なる開口編組みを備えて製造してもよい。この場合、それらの領域のいくつかの部分に追加的な支持性を付与するために、または、履物の衝撃力の大きい領域に高い耐久性を付与するために、追加的な繊維を編組みに通してもよい。これらの構成のうちのいずれかを有するアッパーは、更に、アッパーの多様な領域における支持性および/または耐伸縮性を含むアッパーの特性および機能性を更に制御するために、1つ以上のオーバーレイ部分と関連付けてもよい。
また、アッパーは、フローティングケーブルを有してもよく、即ち、アッパーの布地に編組みされないケーブルを、アッパーのいくつかの区画に対するストレスを緩和するのに利用してもよい。フローティングケーブルは、編組み構造から分離されて、および編組み構造に取り付けられていない異なる材料で形成してもよい。また、ケーブルは、以下で説明するように、履物を足に固定するための、または、履物のいくつかの部分を締め付けるための紐として用いてもよい。例えば、ケーブルは、例えば、履物のソールに第1端部を、およびアイレットに第2端部を固定してもよい。また、そのようなフローティングケーブルは、足首開口部の周囲等の履物のいくつかの部分の支持および安定性を増大させるのに用いてもよい。いくつかの実施形態では、オーバーレイ部分は、フローティングケーブルを含む編組みされたアッパーとともに用いてもよく、いくつかのケースにおいては、オーバーレイ部分は、ケーブルのある部分またはケーブルのない部分を補強するのに用いてもよい。いくつかの実施形態では、オーバーレイ部分は、フローティングケーブルの端部をアッパーに固定するのを支援するのに用いることもできる。
前記の編組みアッパー出願に記載されている特徴のうちのいずれかを含む、これらの特徴の組合せは、上述され、かつ図示されているオーバーレイ部分とともに、特定の運動または娯楽活動に合わせたアッパーの製作を容易にすることができる。これらの特徴の組合せを備えた編組みされたアッパーは、着用者の足にぴったりかつ心地よく合うと同時に、非常に軽量化することができる。いくつかの実施形態では、アッパーのフィット性は、着用者が好む可能性がある、特定の程度の引張または締め付けをもたらすように調節してもよい。
図14〜図17は、編組みされたアッパーおよびオーバーレイ部分で構成された物品を形成する例示的なプロセスにおけるいくつかのステップを示す。まず、図14に示すように、編組みされたアッパー1402を、任意の編組みプロセスを用いて形成することができる。編組みされた物品を形成するための例示的なプロセスは、上述し、および参照によって組込まれている編組みされたアッパー出願に記載されている。次に、図15に示すように、いくつかの実施形態では、アッパー1402に開口部1502を切り込むことができる。これは、開口部1502に隣接する新たな端縁1504を製作することができる。開口部1502は、足の挿入に用いることができ、および紐等のファスナのための領域を形成することができる。
実施例においては、続いて、オーバーレイ部分1510を、図17に示すように、アッパー1402の端縁1504(図15参照)に沿って接合してもよい。いくつかの実施形態では、接合は、超音波溶着プロセス等の溶着プロセスを用いて実現してもよい。それにより、端縁1504に沿って露出されているストランドは、オーバーレイ部分1510に融着して端部を仕上げることができ、および物品が締め付けられたときに、端縁1504を補強し、支持することができる。最後に、図17に示すように、紐1602をアイレット1610に挿通することができる。更に、いくつかの実施形態では、ソールシステム1620をアッパー1402の底部に加えることができる。
いくつかの実施形態は、アッパーおよびソールシステムの結合を容易にするための装備を含むことができる。いくつかの実施形態では、オーバーレイ部分を、アッパーとソールシステムとの間に設けて、それによって、アッパーとソールシステムとの結合を容易にしてもよい。
図18および図19は、オーバーレイ部分を、ソールシステムをアッパーに取り付けるのを支援するのに用いることができる実施形態の等角図である。図18および図19を参照すると、アッパー1702を、オーバーレイ部品1720およびオーバーレイ部品1722に関連付けることができる。いくつかの実施形態では、オーバーレイ部品1720を、アッパー1702の開口部1716に関連付けてもよい。オーバーレイ部品1722は、アッパー1702の下側1703に関連付けることができる。いくつかの実施形態では、オーバーレイ部品1722は、下側1703全体に亘って延在していてもよいが、他の実施形態では、オーバーレイ部品1722は、下側1703のいくつかの部分のみに亘って延在してもよい。更に、いくつかのケースにおいて、オーバーレイ部品1722は、アッパー1702の下方周辺部1705の周囲で上方へ部分的に延在してもよい。
いくつかの実施形態では、ソールシステム1730をアッパー1702に関連付けることができる。更に、いくつかの実施形態では、オーバーレイ部品1722は、ソールシステム1730のアッパー1702への接合または結合を容易にすることができる。例えば、図19の拡大断面図に明確に図示されるように、オーバーレイ部品1722は、ソールシステム1730とアッパー1702との結合を容易にするために、ソールシステム1730と、アッパー1702の下側1703との間に配置することができる。
いくつかの実施形態では、オーバーレイ部品1722およびソールシステム1730の材料特性は、オーバーレイ部品1722とソールシステム1730とを接着剤または他のプロセスを用いて容易に接合できるように選択することができる。例えば、いくつかの実施形態では、オーバーレイ部品1722を熱可塑性ウレタン(TPU)材料で形成してもよいこと、およびソールシステム1730は、同様の材料で、または、TPUと容易に接合する材料で形成してもよいことが意図されている。しかしながら、更に他の実施形態では、オーバーレイ部品1722およびソールシステム1730は、別々の接着剤を用いて、または用いずに結合することができる任意の他の材料で形成することができる。
図20〜図24は、履物物品2000または単純に物品2000の一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、物品は、複数の編組み構造を有するアッパーを備えることができる。まず、図20を参照すると、物品2000は、ソールシステム2002およびアッパー2004を含む。ソールシステム2002は、図1のソールシステム110に類似している。アッパー2004は、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008を含む。更に、参照を目的として、アッパー2004等の物品2000の構成要素は、前足部分10、中足部分12およびヒール部分14に分割することができる。
図1のアッパー102と同様に、アッパー2004は、任意の設計、形状、サイズおよび/または色調を有することができる。例えば、物品2000がバスケットボールシューズである実施形態において、アッパー2004は、足首に対して高い支持を与えるように成形されたハイトップアッパーとすることができる。物品2000がランニングシューズである実施形態において、アッパー2004は、ロートップアッパーとすることができる。
いくつかの実施形態において、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008は、ヤーン、フィラメントまたは他の繊維からなる3つ以上のストランドを撚り合わせて、その構造を形成することによって、形成することができる。例えば、第1編組み構造2006は、編み合わされて、全体的に足の形状に類似する形状を形成する複数のストランド(例えば、ストランド2030)から形成する。同様に、第2編組み構造2008は、編み合わされて、全体的に足の形状に類似する形状を形成する複数のストランド(例えば、ストランド2040)から形成することができる。ストランド2030および/またはストランド2040は、ストランド130(図1参照)と同様の材料および方法から形成することができる。
いくつかの実施形態において、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008は類似する構造を有する。例えば、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008は、両者とも、特定の製織パターンを利用することができる。いくつかの実施形態において、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008は、両者とも、特定の製織密度を有することができる。一実施形態において、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008は、両者とも、特定の製織構造を利用して形成することができる。
ある実施形態において、ストランド2030およびストランド2040は、類似する構造を有する。いくつかの実施形態において、ストランド2030およびストランド2040は、共通の厚みを有する。一実施形態において、ストランド2030およびストランド2040は、共通の材料から製造される。例えば、ストランド2030およびストランド2040は、熱可塑性物質を含浸したフィラメントを含むことができる。
別の実施形態において、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008は、異なってもよい。その違いには、例えば、製織技術、構造、製織密度、フィラメントの種類、フィラメントの処理等を含むことができる。例えば、第1編組み構造2006は、柔らかな感触を有し、密度が低く、かつ疎水性を有するよう更に加工された柔らかいヤーンを有する製織および構造から形成することができる。実施例において、第2編組み構造2008は、耐久性を最大限とし、密度が高く、かつ樹脂によって強化するよう更に加工した炭素繊維を有する製織および構造から形成することができる。
編組み構造(例えば、第1編組み構造2006や第2編組み構造2008等)の多様な特性は、構造内で構成されても、または変化してもよい。例えば、第1編組み構造2006の前足部分10は、第1編組み構造2006のヒール部分14において利用される製織技術よりもより丈夫な製織技術を利用することができる。同様に、第1編組み構造2006の前足部分10は、第1編組み構造2006のヒール部分14において利用される構造よりもより凸凹な構造を利用することができる。更に、第1編組み構造2006の前足部分10は、第1編組み構造2006のヒール部分14において利用される製織よりもより高密度の製織を利用することができる。更に、第1編組み構造2006の前足部分10は、第1編組み構造2006のヒール部分14において利用されるフィラメントよりもより頑丈なフィラメントを利用することができる。そのようなフィラメントは、例えば、フィラメントに樹脂を含浸することにより頑丈に製造することができる。上述した実施例は、第1編組み構造2006に関連しているが、これらの実施例は第2編組み構造2008にも適用することができる。
いくつかの実施形態において、編組み構造は、協調的な特性を有することができる。例えば、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008は、両者とも、中足部分12よりもヒール部分14において、より高密度の製織を使用することができる。別の実施形態において、編組み構造のうちの1つは、別の編組み構造に対応しない特性において変化を有する。例えば、第1編組み構造2006は、全体的に特定の製織技術を利用する一方、第2編組み構造2008は、異なる特性を有するヒール部分14および前足部分10を含む。
一態様において、編組み構造は、別個に形成され(編組みされ)、続いて、組み合わせられるか、または同時に形成される。例えば、第1靴型を編組み機に挿入して、第1編組み構造2006を製作し、かつ第2靴型を該編組み機または別の編組み機に挿入して、第2編組み構造2008を製作する。代替的に、単一の靴型を編組み機に挿入して、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008を製作してもよい。
多様な実施例において、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008は、オーバーレイシステム2140によって保持される。オーバーレイシステム2140は、オーバーレイ部品140と同様に製造することができる。例えば、オーバーレイシステム2140は、熱可塑性物質から形成することができ、かつ締め付け部材2123(例えば、締め付け部材160)用のアイレット2122を含む。
いくつかの実施形態において、オーバーレイシステム2140の耐伸縮性は、1つ以上の編組み構造とは異なってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、オーバーレイシステム2140は、第1編組み構造2006および/または第2編組み構造2008よりもより耐伸縮性を有する(例えば、ストレッチレスとする)ことができる。しかしながら、別の実施形態において、オーバーレイシステム2140は、第1編組み構造2006および/または第2編組み構造2008と同様の耐伸縮性を有することができる。
特定の実施形態において、オーバーレイシステムは、第1編組み構造が過度に伸びるのを防ぐための第1層を含む。例えば、図21に示すように、オーバーレイシステム2140は、第1編組み構造2006上に形成される第1層2144を含む。同様に、いくつかの実施形態において、オーバーレイシステムは、第2編組み構造が過度に伸びるのを防ぐための第2層を含む。例えば、図21に示すように、オーバーレイシステム2140は、第2編組み構造2008上に形成される第2層2142を含む。
異なる実施形態において、第2層は、足のヒール領域を支持するための第1オーバーレイ部分を含む。例えば、第2層2142は、ヒール部分14に関連付けられる第1オーバーレイ部分2154を含む。一実施形態において、第1オーバーレイ部分2154は、物品2000内に挿入された足を支持するために、第2編組み構造2008のストレッチ性を制限することができる。いくつかの実施形態において、第1オーバーレイ部分は、アッパーの横側面および内側側面内に拡がっている。例えば、図示するように、第1オーバーレイ部分2154は、横側面16および内側側面18内に延在する。別の実施形態において、第1オーバーレイ部分は、横側面または内側側面のいずれかに延在する。例えば、第1オーバーレイ部分2154は、横側面16内に延在し、かつ内側側面18から分離している(図示せず)。別に実施例において、第1オーバーレイ部分2154は、内側側面18内に延在し、かつ横側面16から分離している(図示せず)。
いくつかの実施形態において、第2層は、足の挿入中に物品を支持するための第2オーバーレイ部分を含む。例えば、第2層2142は、開口部2120に関連付けられる第2オーバーレイ部分2152を含む。一実施形態において、第2オーバーレイ部分2152は、第2編組み構造2008を過度に伸ばすことなく、足を物品2000内に挿入可能とするために、第2編組み構造2008のストレッチを制限する。
一実施形態において、第2層は、物品を足に締め付けることができるように、締め付け領域を支持するための第3オーバーレイ部分を含む。例えば、第2層2142は、締め付け領域2124に関連付けられる第3オーバーレイ部分2150を含む。図示するように、一実施形態において、第3オーバーレイ部分2150は、締め付け部材2123を受容するためのアイレット2122を含むことができる。更に、いくつかの実施形態において、第3オーバーレイ部分2150は、第2編組み構造2008を過度にストレッチさせることなく、締め付け部材2123のタギングを可能とするために、第2編組み構造2008のストレッチを制限することができる。
いくつかの実施形態において、オーバーレイ部分は、ほぼ連続的であり、アッパー2004の多様な端縁を被覆している。例えば、図21に示すように、第1オーバーレイ部分2154、第2オーバーレイ部分2152および第3オーバーレイ部分2150は、ほぼ連続的である。別の実施形態において、第3オーバーレイ部分2150は、第2オーバーレイ部分2152とほぼ連続的であり、また、第3オーバーレイ部分2150は、第1オーバーレイ部分2154から分離している。一実施形態において、第3オーバーレイ部分2150は、第1オーバーレイ部分2154とほぼ連続的であり、また、第3オーバーレイ部分2150は、第2オーバーレイ部分2152から分離している。いくつかの実施形態において、第2オーバーレイ部分2152は、第1オーバーレイ部分2154とほぼ連続的であり、また、第2オーバーレイ部分2152は、第3オーバーレイ部分2150から分離している。
上述したように、多様な実施形態において、オーバーレイシステムは、第1編組み構造が過度にストレッチするのを防ぐために第1層を含む。例えば、図21に示すように、オーバーレイシステム2140は、第1編組み構造2006上に形成される第1層2144を含む。いくつかの実施形態において、第1層2144は、第2層2142に類似している。例えば、第1層2144は、締め付け領域2124に関連付けられる第6オーバーレイ部分2156を含むことができる。別の実施例において、第1層2144は、開口部2120に関連付けられる第5オーバーレイ部分2158を含む。更に別の実施例において、第1層2144は、ヒール部分14に関連付けられる第4オーバーレイ部分2160を含む。別の実施形態において、第1層2144および第2層2142は、異なる。
一実施形態において、オーバーレイシステムは、開口端縁に沿って延在して、第1編組み構造および/または第2編組み構造を支持する。例えば、図21に示すように、第5オーバーレイ部分2158は、第1開口端縁2296上で延在することができる。この配置は、何らかの開口ストランドを第5オーバーレイ部分2158に接合することによって、第1編組み構造2006の第1開口端縁2296を仕上げるのに役立つ。別の実施例において、第2オーバーレイ部分2152は、第2開口端縁2196上で延在する。上述したのと同様に、この配置は、何らかの開口ストランドを第2オーバーレイ部分2152に接合することによって、第2編組み構造2008の第2開口端縁2196を仕上げるのに役立つ。
いくつかの実施形態において、オーバーレイシステムは、横の中足端縁に沿って延在して、第1編組み構造および/または第2編組み構造を支持する。例えば、図21に示すように、第5オーバーレイ部分2158は、第1の横の中足端縁2230上で延在することができる。この配置は、任意の開口ストランドを第5オーバーレイ部分2158に接合することによって、第1の横の中足端縁2230を仕上げるのに役立つ。別の実施例において、第2オーバーレイ部分2152は、第2の横の中足端縁2130上で延在する。上述したのと同様に、この配置は、任意の開口ストランドを第2オーバーレイ部分2152に接合することによって、第2編組み構造2008の第2の横の中足端縁2130を仕上げるのに役立つ。
多様な実施形態において、オーバーレイシステムは、内側中足端縁に沿って延在して、第1編組み構造および/または第2編組み構造を支持する。例えば、図21に示すように、第5オーバーレイ部分2158は、第1内側中足端縁2232上で延在することができる。この配置は、開口ストランドを第5オーバーレイ部分2158に接合することによって、第1内側中足端縁2232を仕上げるのに役立つ。別の実施例において、第2オーバーレイ部分2152は、第2内側中足端縁2132上で延在する。上述したのと同様に、この配置は、開口ストランドを第2オーバーレイ部分2152に接合することによって、第2内側中足端縁2132を仕上げるのに役立つ。
いくつかの実施形態において、オーバーレイシステムは、前方締め付け端縁に沿って延在して、第1編組み構造および/または第2編組み構造を支持する。例えば、図21に示すように、第6オーバーレイ部分2156は、第1前方締め付け端縁2229上で延在することができる。この配置は、任意の開口ストランドを第6オーバーレイ部分2156に接合することによって、第1前方締め付け端縁2229を仕上げるのに役立つ。別の実施例において、第3オーバーレイ部分2150は、第2前方締め付け端縁2129上で延在する。上述したのと同様に、この配置は、任意の開口ストランドを第3オーバーレイ部分2150に接合することによって、第2編組み構造2008の第2前方締め付け端縁2129を仕上げるのに役立つ。
一実施形態において、オーバーレイシステムは、横の締め付け端縁に沿って延在して、第1編組み構造および/または第2編組み構造を支持する。例えば、図21に示すように、第6オーバーレイ部分2156は、第1の横の締め付け端縁2226上で延在することができる。この配置は、任意の開口ストランドを第6オーバーレイ部分2156に接合することによって、第1の横の締め付け端縁2226を仕上げるのに役立つ。別の実施例において、第3オーバーレイ部分2150は、第2の横の締め付け端縁2126上で延在する。上述したのと同様に、この配置は、任意の開口ストランドを第3オーバーレイ部分2150に接合することによって、第2編組み構造2008の第2の横の締め付け端縁2126を仕上げるのに役立つ。
多様な実施形態において、オーバーレイシステムは、内側の締め付け端縁に沿って延在して、第1編組み構造および/または第2編組み構造を支持する。例えば、図21に示すように、第6オーバーレイ部分2156は、第1の内側の締め付け端縁2227上で延在することができる。この配置は、任意の開口ストランドを第6オーバーレイ部分2156に接合することによって、第1の内側の締め付け端縁2227を仕上げるのに役立つ。別の実施例において、第3オーバーレイ部分2150は、第2の内側の締め付け端縁2127上で延在する。上述したのと同様に、この配置は、任意の開口ストランドを第3オーバーレイ部分2150に接合することによって、第2編組み構造2008の第2の内側の締め付け端縁2127を仕上げるのに役立つ。
いくつかの実施例において、第2編組み構造は、第1編組み構造の外側表面に重なる。例えば、図22に示すように、第2編組み構造2008の内側表面2010は、第1編組み構造2006の外側表面2012にほぼ重なっている。本明細書において使用されるように、第1表面が他方の表面の少なくとも60%を被覆するとき、表面は別の表面にほぼ重なる。いくつかのケースにおいて、内側表面2010および外側表面2012は、60〜100%の間(例えば、70%、80%、90%、95%または99%)で重なることができる。更に、一実施形態において、第2編組み構造の内側表面は、第1編組み構造の外側表面と直接的に接触する。例えば、図22に示すように、内側表面2010は、直接的に外側表面2012と接触するように配置する。いくつかの実施例において、第2編組み構造の外側表面を保持するオーバーレイシステムは、第1編組み構造の外側表面に直接的に接触する。例えば、オーバーレイシステム2140は、内側表面2010を外側表面2012上に直接的に接合することができる(図24参照)。
図22に示すように、第1編組み構造2006は、ストランド2201を含むことができる。ストランド2201は、第1編組み構造2006の複数のストランドおよび/または第2編組み構造2008の複数のストランドを代表することができる。いくつかの実施例において、第1編組み構造2006は、ストランド2201を引っ張ることにより損傷を受けるかもしれない。従って、図23に示すように、オーバーレイシステム2140を使用して、ストランド2201が引っ張られるのを防ぐことができる。いくつかの実施形態において、第2オーバーレイ部分2152を使用して、ストランド2201が引っ張られるのを防ぐことができる。
更に、図22に示すように、第2編組み構造2008は、ストランド2203を含むことができる。ストランド2203は、第1編組み構造2006の複数のストランドおよび/または第2編組み構造2008の複数のストランドを代表することができる。いくつかの実施例において、第2編組み構造2008は、ストランド2203を引っ張ることにより損傷を受けるかもしれない。従って、図23に示すように、オーバーレイシステム2140を使用して、ストランド2203が引っ張られるのを防ぐことができる。いくつかの実施形態において、第5オーバーレイ部分2158を使用して、ストランド2201が引っ張られるのを防ぐことができる。
多様な実施形態において、オーバーレイシステム2140は、第1編組み構造2006および/または第2編組み構造2008を特定の位置に保持することができる。例えば、図23に示すように、オーバーレイシステム2140は、第1編組み構造2006のストランド2201と、第2編組み構造2008のストランド2203とを固定位置に保持する。一実施形態において、第2オーバーレイ部分2152は、第2編組み構造2008のストランド2203を固定位置に保持する。いくつかの実施形態において、第5オーバーレイ部分2158は、第1編組み構造2006のストランド2201を固定位置に保持する。
一実施形態において、オーバーレイシステムは、第1編組み構造を第2編組み構造に対して相対位置に保持する。例えば、図23に示すように、オーバーレイシステム2140は、第2編組み構造2008に直接的に接触するように第1編組み構造2006を保持する。多様な実施形態において、第2オーバーレイ部分2152は、第2編組み構造2008を固定位置に保持し、第5オーバーレイ部分2158は、第1編組み構造2006を固定位置に保持し、第2オーバーレイ部分2152および第5オーバーレイ部分2158を接合して、第1編組み構造2006を第2編組み構造2008に対して相対位置に保持する。
いくつかの実施形態において、オーバーレイ部分は、第2編組み構造のストランドとともに、第1編組み構造のストランドを固定位置に保持する。例えば、図23に示すように、オーバーレイシステム2140は、第2編組み構造2008の第2ストランド2304に直接的に接触するように第1編組み構造2006の第1ストランド2302を保持する。多様な実施形態において、第2オーバーレイ部分2152は、第2ストランド2304を固定位置に保持し、第5オーバーレイ部分2158は、第1ストランド2302を固定位置に保持し、第2オーバーレイ部分2152および第5オーバーレイ部分2158を接合して、第1ストランド2302を第2ストランド2304に対して相対位置に保持する。
いくつかの実施例において、オーバーレイシステム2140は、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008の分離を防ぐように構成する。例えば、図24に示すように、第2編組み構造2008には内側力2402が加わる。更に、実施例において、横力2404が第1編組み構造に加わってもよい。そのようにして、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008は、中央部分2406において分離される。更に、図24に示すように、オーバーレイシステム2140は、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008がオーバーレイ部分2408において分離するのを防ぐ。上述したように、いくつかの実施形態においては、第2オーバーレイ部分2152および第5オーバーレイ部分2158を接合して、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008の分離を防ぐ。
いくつかの実施形態において、緩衝機能を付与するために、中間層を設けることが望ましい。例えば、図25〜図34は、中間層を含む実施形態を示す。図25に示すように、履物物品2600または単純に物品2600は、物品2600が更に中間層2601を含むことを除いて、物品2000にほぼ類似している。
一実施形態において、中間層は、物品2600の多様な位置に配置される任意の数量の部材を含むことができる。例えば、図25に示すように、中間層2601は、第1部材として、足首パッド2602と、第2部材として、ヒールパッド2604と含むことができる。別の実施形態において、中間層2601は、1つの部材または2つより多くの部材を含むことができる(図26参照)。更に、いくつかの実施形態において、中間層2601は、部材を靴の別の部分、例えば中足部分12および前足部分10に含む(図示せず)。
いくつかの実施形態において、横側面16は、内側側面18の第1部材に対応する第3部材を含むことができる。例えば、中間層2601は、足首パッド2702(図26〜図27参照)を含むことができる。いくつかの実施例において、足首パッド2602は、足首パッド2702にほぼ類似する1つ以上の特徴を有する。別の実施例において、足首パッド2602および足首パッド2702は異なる。
一実施形態において、横側面16は、内側側面18の第2部材に対応する第4部材を含むことができる。例えば、中間層2601は、ヒールパッド2604を含むことができる(図26、図27参照)。いくつかの実施例において、ヒールパッド2604は、ヒールパッド2704にほぼ類似する1つ以上の特徴を有する。別の実施例において、ヒールパッド2604およびヒールパッド2704は異なる。
いくつかの実施例において、ユーザの足に緩衝作用をもたらすことが望ましい。そのような実施例において、中間層は、ユーザの足に緩衝作用をもたらすように配置してもよい。例えば、図27に示すように、足首パッド2702は、足首部分15に配置する。更に、図示するように、ヒールパッド2704は、ヒール部分14に配置する。
一実施形態において、中間層は、発泡体から形成する。例えば、足首パッド2602、ヒールパッド2604、足首パッド2702および/またはヒールパッド2704は、エチレン酢酸ビニル(EVA)から形成することができる。別の実施例において、中間層は、ポリマーから形成する。例えば、足首パッド2602、ヒールパッド2604、足首パッド2702およびヒールパッド2704は、熱可塑性物質から形成することができる。
いくつかの実施形態において、オーバーレイシステムは、中間層2601の1つ以上の部材をほぼ包囲する。例えば、図27に示すように、オーバーレイシステム2140は、足首パッド2702をほぼ包囲している。本明細書において使用されるように、ほぼ包囲するとは、60%超の包囲を含む。
多様な実施形態において、第1編組み構造2006および第2編組み構造は、中間層によって分離される。例えば、図28に示すように、足首パッド2702は、第1編組み構造2006と第2編組み構造2008との間に配置する。別の実施例において、ヒールパッド2704は、第1編組み構造2006と第2編組み構造2008との間に配置する。
いくつかの実施形態において、中間層2601の1つ以上の部材は、第1編組み構造に直接的に接触してもよい。例えば、図28に示すように、足首パッド2702は、第1編組み構造2006に直接的に接触する。別の実施例において、ヒールパッド2704は、第1編組み構造2006に直接的に接触する。同様に、いくつかの実施形態において、中間層2601の1つ以上の部材は、第2編組み構造に直接的に接触してよい。例えば、図28に示すように、足首パッド2702は、第2編組み構造2008に直接的に接触する。別の実施例において、ヒールパッド2704は、第2編組み構造2008に直接的に接触する。
一実施形態において、中間層における1つ以上の部材は、オーバーレイシステムによって固定位置に保持される。例えば、図28に示すように、足首パッド2702は、第1オーバーレイ部分2154と第2オーバーレイ部分2152との間に保持される。別の実施例において、足首パッド2702は、第4オーバーレイ部分2160と第5オーバーレイ部分2158との間に保持される。いくつかの実施形態において、ヒールパッドは、オーバーレイシステムおよびソールシステムによって固定位置に保持される。例えば、図示するように、ヒールパッド2704は、第1オーバーレイ部分2154によって固定位置に保持してもよい。別の実施例において、ヒールパッド2704は、第4オーバーレイ部分2160によって固定位置に保持してもよい。
いくつかの実施形態において、中間層の1つ以上の部材は、オーバーレイシステム2140によって固定位置に柔軟に保持される。一実施形態において、中間層は、中間層の1つ以上の部材をオーバーレイシステム2140から分離することによって柔軟に保持される。例えば、図27,図28に示すように、足首パッド2702は、第2オーバーレイ部分2152から分離される。別の実施例において、足首パッド2702は、第1オーバーレイ部分2154から分離される。更に別の実施例において、足首パッド2702は、第5オーバーレイ部分2158から分離される。一実施例において、足首パッド2702は、第4オーバーレイ部分2160から分離される。同様に、ヒールパッド2704は、第1オーバーレイ部分2154、第2オーバーレイ部分2152、第3オーバーレイ部分2150、第4オーバーレイ部分2160、第5オーバーレイ部分2158および第6オーバーレイ部分2156のうちの1つ以上から分離してもよい。
別の実施形態において、中間層の1つ以上の部材は、オーバーレイシステムによって固定位置に強固に保持してもよい。例えば、図29に示すように、足首パッド2602は、オーバーレイシステム2140に強固に取り付けられている。別の実施例において、ヒールパッド2604は、オーバーレイシステム2140に強固に取り付けられる。
多様な実施形態において、中間層2601の1つ以上の部材は、オーバーレイシステム2140に直接的に接触してもよい。例えば、図30に示すように、足首パッド2602は、第2オーバーレイ部分2152および/または第5オーバーレイ部分2158に直接的に接触している。別の実施例において、ヒールパッド2604は、第2オーバーレイ部分2152および/または第5オーバーレイ部分2158に直接的に接触する。
本明細書に開示され、かつ、図20〜図30に示す実施形態は、例えば、アッパーの材料特性を選択的に修正する手段を提供する。具体的には、オーバーレイ部分は、アッパーの選択的な位置に適用して(その他の位置には適用しないで)、選択的な位置における耐伸縮性、強度、剛性および/または他の材料特性を強化することができる。例えば、図20〜図24に示す実施形態において、オーバーレイシステム2140は、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008の端縁上に選択的に配置されるが、これらの端縁の内部(例えば、つま先部分、横側面および内側側面の一部並びにアッパー2004の下側の一部)のいくつかの部分には配置されないオーバーレイ部分を含む。オーバーレイ部分におけるこの選択的な配置は、端縁における耐伸縮性および強度を向上させることができるが、オーバーレイ部分によって被覆されていない部分における改善された柔軟性、比較的低い剛性および通気性を保持することができる。
図31および図32は、アッパー2004のいくつかの領域(その他を除く)における、オーバーレイ部分の選択的な配置による、アッパー2004の改善された機能を示す。図31の拡大断面図において見られるように、足首パッド2602は、第1編組み構造2006と第2編組み構造2008との間に保持される。更に、足首パッド2602がアッパー2004の足首領域の外側に移動しないようにするために、第2オーバーレイ部分2152および第5オーバーレイ部分2158を第1編組み構造2006および第2編組み構造2008に(相互に)接合して、足首パッド2602を予め決定したアッパー2004の領域に保持するのに役立てる。特に、足首パッド2602が、第2オーバーレイ部分2152および第5オーバーレイ部分2158によって画定される境界線の外側に移動できないように、第2オーバーレイ部分2152および第5オーバーレイ部分2158は、足首パッド2602の周囲に第1編組み構造2006および第2編組み構造2008を取り付ける。
いくつかの実施形態において、アッパー2004は、衝撃力を中間層2601上に分散することによって、衝撃吸収性を改善することができる。例えば、図31は、足首2706を保護するために配置される足首パッド2602を示す。更に、図示するように、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008は足首パッド2602を支持する。図32に示すように、実施例において、第2編組み構造に接触する力2708は、第2編組み構造2008を変形して、力2708を分散する。そのような変形は、中間層2601(例えば、足首パッド2602)が、衝撃力2708を中間層2601に分散することによって衝撃を吸収するのに役立つ。
第2編組み構造2008は、剛性が低く、比較的柔軟であるため、容易に変形することができる。これは、柔軟性を制限するように特別に設計され、かつこれらの領域の剛性を全体的に高めることにより、第1編組み構造2006および第2編組み構造2008の間の接続を強化するオーバーレイ部分を含むアッパー2004の領域とは対照的である。従って、オーバーレイ部分を使用するアッパーの異なる領域の特性の選択的な修正は、アッパーのいくつかの領域における所望の柔軟性および低い剛性を維持しつつ、アッパーのその他の領域における強度を高め、かつ耐伸縮性を小さくするのに役立つことを理解されよう。
中間緩衝層2760および剛性層2710を含むアッパーの一部の代替的な実施形態を、図33および図34に示す。この代替的な実施形態において、剛性層2710は、図31,図32に示す実施形態によって提供される選択的な材料特性とは対照的に、全体的に、均一な剛性、耐伸縮性および/または強度を有する。図34に示すように、剛性アッパー2710に加わる力2708は、中間緩衝層2760に部分的に伝達してもよい。しかしながら、剛性アッパー2710の相対的柔軟性のおかげで、一部の力2708も、中間緩衝層2760の周囲にある剛性アッパー2710の領域2711に沿って伝達される。この結果、中間緩衝層2760によって、力2708の一部のみが吸収されるため、緩衝効果が低くなるとともに、残りの力2708は、剛性アッパー2710の他の場所に伝達される。
多様な実施形態を記載したが、これらの記載は例示的なものであり、限定することを意図するものではない。また、本発明の範囲内において、より多くの実施形態および実装形態が可能であることは、当業者には明白である。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物の観点以外により制限されるものではない。また、添付の特許請求の範囲内において、多様な修正および変更を加えることができる。