実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る太陽光発電システム1を図1〜4により説明する。図において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは、明細書の全文において共通することである。
図1は本発明の実施の形態1に係る太陽光発電システム1のブロック図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る太陽光発電システム1は、ソーラーパネル2と蓄電システム3とを有する。図1において、実線の矢印は、電流が流れる方向を例示し、点線の矢印は、信号が流れる方向を例示している。
ソーラーパネル2は、太陽からの日射を受けて発電を行い、発電した電力を蓄電システム3に出力する太陽電池モジュールである。蓄電システム3は、蓄電装置4と蓄電池制御装置6とを有する。ソーラーパネル2で発電し出力された電力は、蓄電池制御装置6を介して蓄電装置4の蓄電池5に充電される。蓄電装置4および蓄電池制御装置6の詳細は、後述する。
接続負荷21は、例えば家電機器、照明、エレベータなどの昇降機、業務機器、または換気装置などであり、ソーラーパネル2で発電した電力または系統電源20からの電力で動作する。ここで、家電機器は、例えばエアコン、冷蔵庫、テレビ、ラジオ、扇風機、または携帯電話などである。
系統電源20は、太陽光発電システム1に電力を供給する交流電源であり、蓄電池制御装置6を介して蓄電装置4に充電または接続負荷21に電力の供給を行う。また、ソーラーパネル2で発電された電力が、接続負荷21の要求する電力より大きく、かつ、蓄電池5が満充電で充電できない場合などに、ソーラーパネル2で発電された電力の余剰分を系統電源20に売電することもできる。
次に、蓄電装置4および蓄電池制御装置6の詳細を説明する。蓄電装置4は、蓄電池5を有し、蓄電池制御装置6により充放電が制御される。蓄電池5は、例えばリチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池、NAS電池、またはレドックスフロー電池などで構成される。また、蓄電装置4は、据え付け型の定置用蓄電装置だけでなく、容易に取り外しおよび移動が可能な電気自動車などに適用される車載用蓄電装置を定置用蓄電装置に替えてまたは加えて用いる構成でもよい。
ここで、図2より蓄電池5の充電量と二次災害の可能性との関係を説明する。二次災害は、例えば地震、津波、風水害または火災などの災害が生じた場合に、災害の影響により蓄電システム3から二次的に発生する災害を指す。図2は、本発明の実施の形態1に係る蓄電池5の充電量と二次災害の可能性との関係を示すイメージ図である。
図2の縦軸は二次災害の可能性の大きさを表し、横軸は蓄電池5の充電量を表す。図2の二次災害の可能性と蓄電池5の充電量との対応関係を表す線分50より、蓄電池5の充電量が大きいほど二次災害の可能性が高くなり、蓄電池5の充電量が低いほど二次災害の可能性が低くなることがわかる。さらに、二次災害が発生する可能性が高いほど、蓄電池の充電量が高いため二次災害が生じた際の規模も大きくなり、二次災害が発生する可能性が低いほど、蓄電池の充電量が低いため二次災害が生じた際の規模も小さくなる。例えば、家屋に地震が発生し、家屋が倒壊し蓄電システム3が損傷を受けたとしても、蓄電池5の充電量が低いほど、蓄電システム3から生じる二次災害の可能性が低減できる。
また、図2を用いて、蓄電池5の充電範囲について説明する。蓄電装置4の蓄電池5の充電量には適正範囲があり、適正範囲を外れた過放電または過充電を行うと電池特性が著しく劣化し、二次電池として適切に機能しなくなるおそれがある。それゆえ、蓄電池制御装置6は、通常、蓄電装置4の蓄電池5の充電量が、電池特性の劣化が小さい適正範囲内になるよう充放電量を制御している。蓄電池5の充電量が適正範囲内であれば、電池特性の劣化が抑制され、二次電池として適切に使用することができる。
図2より、蓄電池5の充電量を第一設定範囲30、第二設定範囲31、適正範囲32、および過充電範囲33に区分する。
第一設定範囲30は、蓄電池5の充電量が過放電の状態となる範囲であり、蓄電池5の充電量がX1からX2までの範囲を指し、蓄電池5の充電量の適正範囲32より低い範囲である。蓄電池5の充電量が第一設定範囲30になると、過放電の状態となる。つまり、下限充電量X2は、一般に最低許容電圧と呼ばれ、蓄電池5が二次電池として適切に機能するための蓄電池5の充電量の下限値であるため、蓄電池5の充電量が下限充電量X2未満となると、以降、再充電を行っても蓄電池5が二次電池として適切に機能しなくなる場合がある。
第二設定範囲31は、第一設定範囲30より蓄電池5の充電量が多く、適正範囲32の下限値(下限充電量X2)を含む適正範囲32内にあり、蓄電池5の充電量が下限充電量X2以上かつ設定充電量X3以下の範囲である。第二設定範囲31は、蓄電池5に蓄えられた電力を適正範囲内において出来る限り放電した状態であり、下限充電量X2から設定充電量X3までの範囲は狭い方が好ましい。
適正範囲32は、蓄電池5の充電量の適正範囲であり、蓄電池5の充電量が下限充電量X2以上かつ上限充電量X4以下の範囲である。
過充電範囲33は、蓄電池5の充電量が過充電の状態となる範囲であり、蓄電池5の充電量が上限充電量X4を超える範囲である。ここで、X4は一般に最大許容電圧と呼ばれる。蓄電池5の充電量が過充電範囲33になると過充電の状態となり、同様に以降、再充電を行っても蓄電池5が二次電池として適切に機能しなくなる場合がある。それゆえ、後述する蓄電池制御装置6は、蓄電池5の電力量が適正範囲32に収まるよう蓄電池5の充放電の制御を行っている。
なお、第二設定範囲31は、適正範囲32の範囲内であって適正範囲32と一部が重複している。適正範囲32について蓄電池5の充電量が、設定充電量X3を超えかつ上限充電量X4以下の範囲とし、第二設定範囲31と重複しないようにしてもよい。ただしこの場合も、第二設定範囲31は、再充電を行っても蓄電池5が二次電池として適切に機能する範囲である。また、X1、X2、X3、およびX4は、予め定められた蓄電池5の充電量であり、設計値である。
蓄電池制御装置6は、ソーラーパネル2で発電した電力または蓄電池5に充電された電力を効率的に使用できるよう制御を行う。例えば、ソーラーパネル2は、晴天時の日中に発電した余剰電力を蓄電池5に充電するが、夜間または日中であっても雨天時などは、発電が行えない。そこで、蓄電池制御装置6は、夜間または雨天時においても蓄電池5に蓄えられた電力を利用することで、太陽光発電で発電した電力を利用できる。また、落雷などによる停電が生じ、系統電源20からの電力供給が途絶えたとしても、蓄電池制御装置6は、蓄電池5に蓄えられた電力を接続負荷21に供給し、必要な設備について動作を継続させることもできる。
また、蓄電池制御装置6は、系統電源20の電力が日中に比べ夜間の電気料金が安価であることを利用し、夜間に系統電源20からの電力供給を受けて蓄電池5に電力を充電しておく。そして、電気料金が高くなる日中に蓄電池5に蓄えられた電力を使用することで、電気代を節約することができる。また、蓄電池制御装置6が、日中に蓄電池5に蓄えられた電力を使用するため、系統電源20に要求する日中の供給電力のピーク需要を低減させる効果も期待できる。
ここで、蓄電池制御装置6の構成を説明する。蓄電池制御装置6は、電力制御部8を有するDC/AC変換装置7、連系自立制御部11、異常検出部9、電力消費部13、冷却装置14、強制放電スイッチ12、および操作部10を備える。
DC/AC変換装置7は、パワーコンディショナーであり、直流・交流の相互変換を行い、また、ソーラーパネル2により発電された電力を適切な電圧に変換する。例えば系統電源20から供給された電力を交流から直流に変換し、蓄電池5に充電を行えるようにする。また、例えばソーラーパネル2で発電した電力が、接続負荷21の要求する電力より大きく、かつ、蓄電池5にも充電できない場合などにおいて、ソーラーパネル2から出力される電力を直流から交流に変換し、系統電源20に売電することもできる。なお、DC/AC変換装置7は、ソーラーパネル2用および蓄電装置4用にそれぞれ設けられていてもよい。
加えて、DC/AC変換装置7は、電力制御部8を有する。電力制御部8は、制御回路であって、蓄電装置4、ソーラーパネル2、系統電源20および接続負荷21に対して、それぞれの電力の授受を含む制御を行う。例えば、電力制御部8は、ソーラーパネル2で発電した電力または蓄電池5に蓄えられた電力を接続負荷21に供給する制御を行う。また、電力制御部8は、系統電源20から電力供給を受け蓄電池5へ充電する制御を行う。さらに、電力制御部8は、ソーラーパネル2から出力された電力を蓄電池5に充電する制御なども行う。
蓄電池制御装置6は、CPU(Control Processing Unit)などのプロセッサーおよびメモリを備え、電力制御部8は、プロセッサーがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより動作する。
なお、電力制御部8はDC/AC変換装置7が有している場合だけでなく、DC/AC変換装置7から独立して設けられていても良い。また、電力制御部8は、蓄電システム3を含む太陽光発電システム1が正常に動作するか否かの確認も行うことができる。これにより、災害によって異常が生じた後であっても、少なくとも蓄電システム3が正常に動作するか否かを確認することができ、正常である場合に蓄電池5の放電を適切に行うことができる。
連系自立制御部11は、回路を切り替えるスイッチであり、系統電源20による電力供給が停止(停電)した場合に、電力制御部8から系統電源20を切り離す旨の制御信号を受信すると、系統電源20側の接続を切り離す。そして、電力制御部8は、ソーラーパネル2または蓄電装置4の電力を接続負荷21に供給する自立運転制御を行う。なお、系統電源20が正常のときは、系統電源20は連系自立制御部11を介して接続負荷21に電力を供給または蓄電池5に充電などを行うことができる。
異常検出部9は、各種センサーであり、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に生じた災害による異常を検出する。異常を検出する装置として、例えば振動センサー、浸水センサー、温度センサー、またはガスセンサーなどを異常検出部9として用いることができる。なお、異常検出部9として、各種センサーはいずれも一つである必要はなく、複数個設けられていてもよく、さらに、各種センサーが組み合わされて構成されていてもよい。
異常検出部9は、通常、検出信号を電力制御部8に常時送信している。ただし、異常検出部9は、検出信号を電力制御部8に一定時間毎または検出値が予め定められた閾値を超えた場合に送信するようにしてもよく、これに限られるわけでない。また、異常検出部9は、蓄電池制御装置6に設けられていてもよく、蓄電池制御装置6の周囲(蓄電装置4または蓄電システム3の周辺など)に設けられていてもよく、または両方に設けられていてもよい。
ここで、災害が生じた場合の影響について説明する。例えば大規模な地震が起きた場合、蓄電システム3自体は無事であったとしても、例えば数時間または数十時間後に蓄電システム3が収められた建物が倒壊し、蓄電システム3が建物の下敷きになり破損する場合が考えられる。すると、瓦礫の落下などにより蓄電池5が変形または圧壊し、蓄電システム3の部品が破壊され、コンデンサーまたは蓄電池5の内部液が漏れ出し、可燃性ガスが漏れ出す可能性もある。さらに、スイッチの切り替え等による火花が生じた場合、漏れ出した可燃性ガスに引火し、二次災害を引き起こす可能性もある。
また、二次災害の例を示すと津波または風水害による浸水が生じた場合、蓄電池5の端子部が水没することで、蓄電池5の短絡が起きる可能性がある。また、火災が発生した場合、蓄電システム3の温度が上昇し、部品の破裂、または蓄電池5の内圧上昇により、可燃性ガスの漏洩が起きる可能性もある。また、蓄電システム3の内部で使用している難燃性プラスチックなどが火災で不完全燃焼し、一酸化炭素などの可燃性ガスが発生するおそれもある。
ここで、図3は、本発明の実施の形態1における災害の例として地震を例示した場合の震度と異常の程度との関係を表すイメージ図である。異常検出部9として振動センサーを用いた場合、振動センサーは蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲の揺れによる加速度を検出し、地震による振動を検出することができる。振動センサーは検出した加速度を電力制御部8に伝え、電力制御部8は振動センサーから受け取った信号に基づき震度を判断する。なお、振動センサーは、揺れによる加速度を検出するだけでなく震度についても判断し、電力制御部8に震度を伝える構成としてもよい。図3より、直線51は、震度と異常の程度との対応関係を表し、震度が大きいほど振動センサーの出力値が大きくなり、異常の程度が高くなる比例関係で示されている。つまり、図3より、震度と異常の程度は一対一で対応しており、震度Y1は異常の程度において第一設定値Z1と対応する。
図3より、震度Y1未満の範囲である範囲40では、電力制御部8は異常の程度が第一設定値Z1未満のため異常が発生していると判断せず、蓄電池5の充電量が適正範囲32となるよう充放電制御を行う。一方、震度Y1以上の範囲である範囲41では、電力制御部8は異常の程度が第一設定値Z1以上のため、異常が発生していると判断し、蓄電池5の充電を制限して設定充電量X3以下まで放電を行う。
つまり、電力制御部8は、異常検出部9からの信号を受信し、信号に基づき蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に生じた災害による異常が発生していると判断した場合に、後述する電力消費部13で蓄電池5に蓄えられた電力を消費させ、設定充電量X3以下に蓄電池の電力量を低下させる。設定充電量X3以下に放電を行うことで、二次災害の可能性を低減することができる。なお、蓄電池5を下限充電量X2未満まで放電させると、以降、再充電を行っても蓄電池5が二次電池として適切に機能しなくなるおそれが高いが、蓄電池5の充電量が設定充電量X3以下であって下限充電量X2以上の場合よりも二次災害の可能性をより低減することができる。
次に、各種災害による異常を検出する例について具体的に説明する。異常検出部9として浸水センサーを用いた場合、津波または風水害による浸水を検出することができる。電力制御部8は浸水センサーから受け取った信号に基づき、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲が浸水しているか否かを判断する。浸水センサーは、例えばプラスマイナスの端子に水が浸かることにより端子間が導通することで浸水の有無が判断できる。
また、電力制御部8が浸水センサーによる浸水を検出した場合に、対応する異常の程度の値は、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に設けられた浸水センサーの例えば高さを考慮して予め定められている。例えば、電力制御部8は、底面から3cmに設けた浸水センサーにより浸水を検出すると、異常の程度が第一設定値Z1以上の予め定められた値にあると判断する。なお、浸水センサーは、高さに応じて複数設けられていることが好ましい。
異常検出部9として温度センサーを用いた場合、火災などによる温度上昇を検出することができる。温度センサーは検出した温度を電力制御部8に伝え、電力制御部8は温度センサーから受け取った信号に基づき火災などの災害が発生しているか否かを判断する。ここで、電力制御部8は、温度センサーにより検出した蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲の温度に基づいて異常の程度を判断する。電力制御部8は、温度が予め定められた温度以上となった場合または一定時間内に一定値以上の昇温が生じた場合に、異常の程度が第一設定値Z1以上の値にあると電力制御部8が判断するようにしてもよい。
例えば、通常の使用状態では蓄電池制御装置6の温度が40℃程度のところ、電力制御部8は蓄電池制御装置6の温度が100℃以上になった、または5分間で10℃以上の昇温がみられたなどの温度変化が検出された場合、異常の程度が第一設定値Z1以上の値にあると電力制御部8が判断するようにしてもよい。同様に、蓄電池制御装置6の周囲の温度で判断してもよい。温度センサーは、温度によって抵抗値が変わるサーミスタ、熱電対、または放射温度計などを用いてもよい。
異常検出部9としてガスセンサーを用いた場合、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲において予め定められた種類の可燃性ガスの存在を検出することができる。電力制御部8はガスセンサーから受け取った信号に基づき、予め定められた種類の可燃性ガスが発生しているか否かを判断する。予め定められた可燃性ガスは、例えば一酸化炭素、水素、アンモニアなどであり、可燃性ガスであればこれに限られない。電力制御部8は、ガスの濃度に基づいて異常の程度を判断する。例えば、ガスセンサーにより検出した蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲の可燃性ガスの濃度が、予め定められた濃度以上となった場合に、異常の程度が第一設定値Z1以上の値にあると電力制御部8が判断するようにしてもよい。
異常検出部9は、通信機能を有していてもよい。インターネットまたはテレビ放送などから地震、津波、浸水、または天気に関する情報など(雨量または警報などの情報を含む)を取得することで、電力制御部8は災害による異常について早期の判断が可能となる。
電力消費部13は、蓄電池5に蓄えられた電力を主に抵抗で消費し、放電することができ、例えば抵抗またはコイルなどを有する大電力用の電子部品である。電力消費部13は、蓄電池5に最大電力が蓄えられている場合に、15分または30分などの一定時間以内で放電可能となる負荷に設計されている。
電力消費部13は、蓄電池5に蓄えられた電力を消費するだけでなく、スピーカまたは表示部等を有し、異常が生じた旨を警報または表示により周囲に通知できるようにしてもよい。これにより、避難を促し、加えてスピーカまたは表示部等を駆動することにより電力の消費も促進させることができる。
冷却装置14は、蓄電池5に蓄えられた電力を電力消費部13で消費する場合に、電力消費部13の冷却を行う装置であり、電力消費部13での発熱量が大きい場合に設けられている。冷却装置14は、例えば、放熱用フィンを有するヒートシンク、ファン、ペルチェ素子、または冷凍サイクルを利用した装置などである。また、冷却装置14として、ファン、ペルチェ素子、または冷凍サイクルを利用した装置などを用いると、蓄電池5の電力を電力消費部13で消費する場合に、同時に蓄電池5の電力を利用して電力消費部13の冷却を行う。それゆえ、冷却装置14も電力を消費し、電力を消費する負荷の機能も兼ねることができる。
強制放電スイッチ12は、電力制御部8からの指令によりオン・オフが切り替えられるスイッチであり、電力消費部13および冷却装置14と蓄電装置4との間で接続され、オンの状態では電流が流れ、オフの状態では電流が流れない。強制放電スイッチ12は、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に災害による異常がない通常運転の場合では、蓄電装置4の蓄電池5に蓄えられた電力が放電されないよう、接続を遮断するオフの状態にある。強制放電スイッチ12は、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に災害による異常が生じ、電力制御部8から接続を閉じる旨の信号を受けると、スイッチがオンとなる。スイッチがオンとなることで電力消費部13または冷却装置14と蓄電装置4との間が導通し、蓄電池5に蓄えられた電力が電力消費部13で消費され、放電される。
操作部10は、各種スイッチ、赤外線等を受信する受信装置、またはタッチパネルなどで構成され、外部からの入力を受けると入力内容に基づく信号を電力制御部8に送信する。使用者は、操作部10を介して蓄電池制御装置6の各種設定を行う。また、操作部10がタッチパネルである場合、使用者は操作部10を介して蓄電池制御装置6の各種設定を行うことができ、同時に蓄電池制御装置6の各種状態を操作部10で確認することもできる。
なお、本発明の実施の形態1では、太陽光発電システム1として、ソーラーパネル2を使用する例を示したが、ソーラーパネル2を使用せず蓄電池5への充電を系統電源20からの電力供給のみで行っても良い。また、ソーラーパネル2に替えてまたは加えて、風力発電装置、マイクロ水力発電、ガソリンなどで発電する家庭用簡易発電装置を用いてもよい。
次に、本発明の実施の形態1に係る太陽光発電システム1の具体的な動作を説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係る蓄電池制御装置6の電力制御部8の異常確認処理を説明するフローチャートである。
図4のフローチャートは、異常検出部9からの信号を電力制御部8が受信すると開始する。ステップST101において、電力制御部8は、太陽光発電システム1が正常に動作し、通常の運転を行えるか否かを確認する。電力制御部8は、太陽光発電システム1が正常に動作することが確認できた場合はステップST102に進む。一方、電力制御部8は、太陽光発電システム1が正常に動作しないと判断した場合は、ステップST103に進む。
ステップST102において、電力制御部8は、異常検出部9からの信号に基づき、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に災害による異常が発生しているか否かを判断する。つまり、電力制御部8は、異常検出部9からの信号に基づき判断された異常の程度が第一設定値Z1以上である場合に異常が発生していると判断する。そして、電力制御部8が、異常が発生していると判断した場合はステップST105に進み、異常が発生していないと判断した場合はステップST104に進む。
ステップST103において、電力制御部8は、蓄電池5の充放電機能を使用不可とする。そして、フローチャートを終了する。
ステップST104において、電力制御部8は、蓄電池5の充放電機能を使用可能とする。そして、フローチャートを終了する。なお、ステップST104において蓄電池5の充放電機能を使用可能としており、フローチャートの終了後に、電力制御部8は蓄電池5の充放電について通常通りの制御を行う。
ステップST105において、電力制御部8は、蓄電池5に対してソーラーパネル2および系統電源20による充電機能を停止させる。
ステップST106において、電力制御部8は、蓄電池5の充電量を設定充電量X3以下まで放電させるため、強制放電スイッチ12をオンにする信号を出力する。電力制御部8は、強制放電スイッチ12がオンとなり、蓄電池5に蓄えられた充電量が電力消費部13で消費され設定充電量X3以下まで低下したことを確認すると、強制放電スイッチ12をオフとする信号を出力する。そして、電力制御部8は、強制放電スイッチ12をオフにし、蓄電池5からの放電を停止させ、フローチャートを終了させる。
なお、実施の形態1では、蓄電池5の充電量を設定充電量X3以下まで低下させる場合に、電力制御部8は、蓄電池5の充電量が下限充電量X2以上かつ設定充電量X3以下となると蓄電池5からの放電を停止させてもよく、蓄電池5の充電量が下限充電量X2未満となると蓄電池5からの放電を停止させるようにしてもよい。蓄電池5の充電量はユーザが適宜設定できるようにしてもよい。また、ステップST106の開始時において、蓄電池5の充電量が設定充電量X3以下であった場合、強制放電スイッチ12をオンにせず、フローチャートを終了させてもよい。
以上のとおり、本発明の実施の形態1における蓄電池制御装置6では、蓄電池5の充放電を制御する蓄電池制御装置6であって、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に生じた災害による異常を検出する異常検出部9と、蓄電池5に蓄えられた電力を消費する電力消費部13と、異常検出部9から受信した信号に基づき異常が発生していると判断した場合に、電力消費部13で蓄電池5に蓄えられた電力を消費させ、設定充電量以下に蓄電池5の電力量を低下させる電力制御部8とを備える。
また、本発明の実施の形態1における蓄電システム3では、蓄電池5の充放電を制御する蓄電池制御装置6であって、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に生じた災害による異常を検出する異常検出部9と、蓄電池5に蓄えられた電力を消費する電力消費部13と、異常検出部9から受信した信号に基づき異常が発生していると判断した場合に、電力消費部13で蓄電池5に蓄えられた電力を消費させ、設定充電量以下に蓄電池5の電力量を低下させる電力制御部8とを有する蓄電池制御装置6と、蓄電池制御装置6により充放電が制御される蓄電池5を有する蓄電装置4とを備える。
また、本発明の実施の形態1における太陽光発電システム1では、蓄電池5の充放電を制御する蓄電池制御装置6であって、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に生じた災害による異常を検出する異常検出部9と、蓄電池5に蓄えられた電力を消費する電力消費部13と、異常検出部9から受信した信号に基づき異常が発生していると判断した場合に、電力消費部13で蓄電池5に蓄えられた電力を消費させ、設定充電量以下に蓄電池5の電力量を低下させる電力制御部8とを有する蓄電池制御装置6と、蓄電池制御装置6により充放電が制御される蓄電池5を有する蓄電装置4とを備える蓄電システム3と、さらに、太陽光発電により発電した電力が蓄電システム3の蓄電池5に充電され、太陽光発電による発電を行うソーラーパネル2とを備える。
このような構成によれば、例えば地震、津波、風水害または火災などの災害による異常が生じた場合において、蓄電池5に蓄えられた電力を放電させ、二次災害が発生する可能性を従来よりも低減することができ、また仮に二次災害が発生したとしても二次災害の規模を抑制する効果が得られる。
また、本発明の実施の形態1における蓄電池制御装置6では、異常検出部9は、振動を測定する振動センサーであって、電力制御部8は、振動センサーからの信号に基づき、異常が発生しているか否かを判断する構成とすることもできる。
このような構成によれば、地震による異常を検出することができ、地震による家屋の倒壊などにより蓄電システム3が損傷する前に蓄電池5を放電することが可能となる。よって、二次災害が発生する可能性を従来よりも低減することができ、また仮に二次災害が発生したとしても二次災害の規模を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態1における蓄電池制御装置6では、異常検出部9は、浸水の有無を検出する浸水センサーであって、電力制御部8は、浸水センサーからの信号に基づき、異常が発生しているか否かを判断する構成とすることもできる。
このような構成によれば、浸水による異常を検出することができ、蓄電システム3が浸水により損傷する前に蓄電池5を放電することが可能となる。よって、二次災害が発生する可能性を従来よりも低減することができ、また仮に二次災害が発生したとしても二次災害の規模を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態1における蓄電池制御装置6では、異常検出部9は、温度を測定する温度センサーであって、電力制御部8は、温度センサーからの信号に基づき、異常が発生しているか否かを判断する構成とすることもできる。
このような構成によれば、火災による異常を検出することができ、蓄電システム3が高温となり損傷する前に蓄電池5を放電することが可能となる。よって、二次災害が発生する可能性を従来よりも低減することができ、また仮に二次災害が発生したとしても二次災害の規模を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態1における蓄電池制御装置6では、異常検出部9は、予め定められた種類の可燃性ガスを検出するガスセンサーであって、電力制御部8は、ガスセンサーからの信号に基づき、異常が発生しているか否かを判断する構成とすることもできる。
このような構成によれば、予め定められた種類の可燃性ガスの存在を検出でき、可燃性ガスに引火する前に蓄電池5を放電することで蓄電システム3の損傷を防ぐことができる。よって、二次災害が発生する可能性を従来よりも低減することができ、また仮に二次災害が発生したとしても二次災害の規模を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態1における蓄電池制御装置6では、蓄電池5の電力を電力消費部13で消費する場合に、蓄電池5の電力を利用して電力消費部13の冷却を行う冷却装置14を備える構成とすることもできる。
このような構成によれば、蓄電池5に蓄えられた電力を消費する際に、同時に蓄電池5の電力を利用して電力消費部13の冷却を行う。それゆえ、冷却装置14は電力を消費し、電力を消費する負荷の機能も兼ねることができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る太陽光発電システム1を図5および図6により説明する。本発明の実施の形態2では、異常の程度に応じて蓄電池5の充電量を変化させる変形例について説明する。以下に実施の形態1と異なる点を中心に説明し、同一または対応する部分についての説明は適宜省略する。
図5は本発明の実施の形態2における災害の例として地震を例示した場合の震度と異常の程度との関係を表すイメージ図である。図5は、図3に対して震度Y2と第二設定値Z2を新たに加えている。図5より、図3の場合と同様に、震度と異常の程度は一対一で対応しており、震度Y1は異常の程度において第一設定値Z1と対応し、震度Y1より大きい震度Y2は、異常の程度において第一設定値Z1より大きい第二設定値Z2と対応している。
なお、図5において、震度Y1および震度Y2は、異常検出部9として振動センサーを用いた場合の震度の例であるが、異常検出部9として浸水センサーを用いた場合、震度Y1および震度Y2は、浸水時の高さY1および浸水時の高さY2と対応させることができる。同様に、震度Y1および震度Y2は、異常検出部9として温度センサーを用いた場合、温度Y1および温度Y2と対応させることができ、異常検出部9としてガスセンサーを用いた場合、濃度Y1および濃度Y2と対応させることができる。
電力制御部8は、異常検出部9からの信号に基づき異常の程度を判断し、異常検出部9からの信号に基づき判断された異常の程度が第一設定値Z1以上および第二設定値Z2未満の場合に、蓄電池5の電力を電力消費部13で消費させ、蓄電池の電力量を設定充電量X3以下かつ下限充電量X2以上(第二設定範囲31内)とする。また、電力制御部8は、異常検出部9からの信号に基づき異常の程度を判断し、異常検出部9からの信号に基づき判断された異常の程度が第二設定値Z2以上の場合に、蓄電池5の電力を電力消費部13で消費させ、蓄電池の電力量を適正範囲32外(過放電)である下限充電量X2未満(第一設定範囲30内)とする。
震度に基づき判断された異常の程度が第一設定値Z1以上および第二設定値Z2未満の場合は、例えば蓄電池制御装置6が設けられた建物が崩れることまで想定せず、異常が解消した後に蓄電池制御装置6を再度使用することを想定している。一方で、震度に基づき判断された異常の程度が第二設定値Z2以上の場合は、蓄電池制御装置6がある建物が崩れ、蓄電池制御装置6が建物の下敷きになり破損し、二次災害が生じる可能性が高いことを想定し、再度の使用を想定していない。
震度に基づき判断された異常の程度が第二設定値Z2以上の場合には、蓄電池5が今後利用できなくなる下限充電量X2未満まで蓄電池5を放電させることで、二次災害の可能性をより抑制することができる。なお、第一設定値Z1および第二設定値Z2は、異常の種類に応じて予め設定された値である。
例えば、震度Y1が震度6、および震度Y2が震度7と仮に設定する。すると、震度が震度6以上および震度7未満の場合は、電力制御部8は蓄電池5の電力を電力消費部13で消費させ、蓄電池5の充電量を下限充電量X2以上かつ設定充電量X3以下とする。一方、判断された震度が震度7以上の場合は、電力制御部8は蓄電池5の電力を電力消費部13で消費させ、蓄電池5の充電量を下限充電量X2未満とする。
浸水センサーは、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に設けられた浸水センサーの高さに応じて、異常の程度について第一設定値Z1および第二設定値Z2を設定する。つまり、浸水センサーにより検出した浸水時の高さY1は異常の程度において第一設定値Z1と対応し、浸水時の高さY1より高い浸水時の高さY2は、異常の程度において第一設定値Z1より大きい第二設定値Z2と対応している。
例えば、電力制御部8は、底面から3cmに設けた浸水センサーが浸水を検出し、底面から10cmに設けた浸水センサーが浸水を検出しなければ、電力制御部8により判断された異常の程度が第一設定値Z1以上第二設定値Z2未満の値にあると判断する。また、電力制御部8は、底面から3cmおよび10cmに設けた浸水センサーが浸水を検出した場合には、電力制御部8により判断された異常の程度が第二設定値Z2以上の値にあると判断する。
異常検出部9として温度センサーを用いた場合、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に設けられた温度センサーの温度に応じて、電力制御部8により判断された異常の程度が第一設定値Z1および第二設定値Z2と設定する。つまり、温度センサーにより検出した蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲の温度が、温度Y1の場合は異常の程度において第一設定値Z1と対応し、温度Y1より高い温度Y2の場合は、異常の程度において第一設定値Z1より大きい第二設定値Z2と対応している。例えば、電力制御部8は、温度センサーの温度の値が100℃を第一設定値Z1とし、120℃を第二設定値Z2としてもよい。
異常検出部9としてガスセンサーを用いた場合、例えば、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に設けられたガスの濃度に応じ、電力制御部8により判断された異常の程度が第一設定値Z1および第二設定値Z2と設定してもよい。つまり、ガスセンサーにより検出した蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲のガスの濃度が、濃度Y1の場合は異常の程度において第一設定値Z1と対応し、濃度Y1より高い濃度Y2の場合は、異常の程度において第一設定値Z1より大きい第二設定値Z2と対応している。
次に、本発明の実施の形態2に係る太陽光発電システム1の具体的な動作を説明する。図6は、本発明の実施の形態2に係る蓄電池制御装置6の電力制御部8の異常確認処理を説明するフローチャートである。図6は、図4のステップST101〜105までと対応するため、説明を省略し、ステップST201〜206について説明を行う。
ステップST201において、電力制御部8は、異常検出部9からの信号に基づき判断された異常の程度が第二設定値Z2以上であるか否かを判断する。異常検出部9からの信号に基づき判断された異常の程度が第二設定値Z2以上であると電力制御部8が判断した場合、ステップST203に進み、異常検出部9からの信号に基づき判断された異常の程度が第二設定値Z2未満であると電力制御部8が判断した場合、ステップST202に進む。
ステップST202において、電力制御部8は、蓄電池5の充電量が下限充電量X2以上かつ設定充電量X3以下の範囲より多いか、それとも範囲内にあるかを判断する。蓄電池5の充電量が下限充電量X2以上かつ設定充電量X3以下より多いと電力制御部8が判断した場合は、ステップST204に進み、蓄電池5の充電量が下限充電量X2以上かつ設定充電量X3以下であると電力制御部8が判断した場合は、ステップST205に進む。
ステップST204において、電力制御部8は蓄電池5を放電させ、蓄電池5の充電量を下限充電量X2以上かつ設定充電量X3以下にするため、強制放電スイッチ12をオンにする信号を出力する。電力制御部8は、強制放電スイッチ12がオンとなり、蓄電池5の電力が電力消費部13で消費され、蓄電池5の充電量が下限充電量X2以上かつ設定充電量X3以下まで低下したことを確認すると、強制放電スイッチ12をオフとする信号を出力する。そして、強制放電スイッチ12はオフとなり、蓄電池5からの放電が停止する。
ステップST205において、電力制御部8は、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に生じた災害による異常が解消した旨の信号を受信したか否かの確認を行う。異常が解消したか否かの判断は、原則として人が行う。例えば、蓄電池制御装置6の周囲にいる人が、蓄電池制御装置6または蓄電池制御装置6の周囲に生じた災害による異常が解消したと判断した場合は、操作部10を介して異常が解消した旨の信号を電力制御部8に送る。そして、異常が解消した旨の信号を電力制御部8が受け取ると、電力制御部8はステップST206に進む。一方、電力制御部8は、異常が解消した旨の信号を受信していない場合は、一定時間毎に信号の到来を確認し、再度ステップST205を実行する。
ステップST206において、電力制御部8は、蓄電池5を充電する機能の停止を解除し、フローチャートを終了する。電力制御部8が、蓄電池5を充電する機能の停止を解除することで、蓄電池5への充電が再び可能となる。
ステップST203において、電力制御部8は、蓄電池5の充電量を適正範囲32から下限充電量X2未満まで放電させるため、強制放電スイッチ12をオンにする信号を出力する。電力制御部8は、強制放電スイッチ12がオンとなり、蓄電池5の電力が電力消費部13で消費され、蓄電池5の充電量が下限充電量X2未満まで低下したことを確認すると、強制放電スイッチ12をオフとする信号を出力する。そして、電力制御部8は、強制放電スイッチ12をオフにし、蓄電池5からの放電を停止させ、フローチャートを終了させる。
なお、ステップST203において、電力制御部8は、強制放電スイッチ12をオンにした後に、強制放電スイッチ12をオフにせず、フローチャートを終了させてもよい。
以上のとおり、本発明の実施の形態2における電力制御部8は、異常の程度を判断し、異常の程度が第一設定値以上および第二設定値未満の場合に蓄電池の電力を消費させ、蓄電池の電力量を設定充電量以下かつ下限充電量以上とし、異常の程度が第二設定値以上の場合に蓄電池の電力を消費させ、蓄電池の電力量を下限充電量未満とする構成とすることもできる。
このような構成によれば、災害の影響により蓄電システム3に致命的な損傷などが生じる可能性が低い場合、電力制御部8は蓄電池5が二次電池として適切に機能する充電量の下限値(下限充電量X2)付近まで放電させ、下限充電量X2未満にしないことで蓄電池5を再利用できるようにしている。一方、災害により蓄電システム3に致命的な損傷などが生じる可能性が高い場合、電力制御部8は再充電を行っても蓄電池5が二次電池として適切に機能する充電量の下限値(下限充電量X2)未満になるよう蓄電池5を放電させ、蓄電池5を再利用できなくしている。ただし、蓄電池5の再利用はできなくなるが、蓄電池5の充電量の下限充電量X2未満まで放電させることから、二次災害が発生する可能性を下限充電量X2以上の場合より低減できる。つまり、電力制御部8は、異常の程度に応じて蓄電池5の充電量を変化させることで、二次災害が発生する可能性を低減させ、仮に二次災害が発生したとしても二次災害の規模を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態2における蓄電池制御装置6では、外部からの入力を受ける操作部10を備え、電力制御部8は、異常が生じたと判断したときから、操作部10からの入力信号に基づき異常が解消したと判断するまでの間において、蓄電池5への充電を行わない構成とすることもできる。
このような構成によれば、蓄電池5への充電を異常が解消するまで行わないため、異常が発生したと判断したときより蓄電池5の充電量が高くなることを防ぐことができる。よって、蓄電池5の充電量は、異常が発生したと判断したときの蓄電池5の充電量以下に保たれるため、二次災害が発生する可能性を低減することができ、また仮に二次災害が発生したとしても二次災害の規模を抑制することができる。
なお、本発明は、発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることや、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。