JP6424437B2 - 原子炉の撤去工法 - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉の撤去工法に関するものである。
原子力発電所等の原子炉設備では、運転の使命を終了すると廃止措置がとられる。このため、原子炉の廃止措置に伴う原子炉圧力容器の安全かつ合理的な解体撤去工法の確立が急務とされている。原子炉圧力容器を解体撤去するには、原子炉圧力容器を細分化して逐次撤去、処分する工法が現実的であると考えられている。特許文献1には、沸騰水(Boiling Water Reactor)型原子力発電所設備の原子炉建屋から原子炉圧力容器を撤去するための工法が開示されている。
特許文献1にあるように、この廃止措置は系統除染、安全貯蔵、解体撤去の順で行われる。安全貯蔵では、設備の放射線レベルが所定の値に減衰するまで(約5年〜10年)貯蔵され、この後、配管や機器類を解体するとともに、重量物である原子炉圧力容器を解体しこれを細分化して原子炉建屋から撤去する解体撤去作業が行われる。解体物の撤去作業においては、原子炉建屋内で解体物を放射線遮蔽容器に収納し、これを例えば、タービン建屋、又は放射線管理建屋等の保管設備に移送して一時保管する。この後、放射線遮蔽容器を、船舶により所定の場所に運搬して地中に埋設処理する。
特許文献1においては、原子炉建屋内で解体された解体物を、原子炉建屋から保管施設に効率よく移送するべく、原子力発電所設備に建設された原子炉建屋とタービン建屋とを直結するトンネル(メインスチームトンネル)を、原子炉建屋に格納された原子炉圧力容器の解体時の搬出用通路として利用し、当該トンネルを介して解体物をタービン建屋に移送して保管する原子炉撤去工法が開示されている。
特許第4898567号公報
上記従来技術では、タービン建屋に解体物を保管するスペースを確保するために、タービン建屋を先行して解体しなければならないため、タービン建屋を先行解体する数年の間は、原子炉建屋内から解体物を搬出する動線(メインスチームトンネル)を確保することができない。
そこで、タービン建屋の解体を待つことなく、原子炉建屋内の解体作業を行うために、原子炉格納容器とベント管を介して連通するサプレッションチェンバが収容されたトーラス室内を先行解体し、そのトーラス室に付設された既存設備のアペンテージを用いて地上にアクセスし、原子炉建屋とタービン建屋とが直結しない別の動線を確保することが考えられる。
トーラス室内を先行解体する場合、トーラス室内の構造物の解体作業、解体物の細断作業、細断した解体物の容器への収納作業、収納済み容器の保管作業が必要であり、各作業に必要な作業スペースが求められる。なお、保管された収納済み容器は、上記動線を介して外部に搬出するが、その解体物の最終処分地が決定するまでの間は、トーラス室内に保管しなければならない。このような場合、トーラス室内の構造物を完全に解体すると、トーラス室内の床面スペースが解体物で圧迫されてしまう。これでは、作業スペースや動線スペースを確保することができず、トーラス室内の先行解体及び動線の確保が困難になるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、解体物によるトーラス室内の床面スペースの圧迫を低減できる原子炉の撤去工法の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、原子炉格納容器とベント管を介して連通するサプレッションチェンバが収容されたトーラス室を有する原子炉の撤去工法であって、前記サプレッションチェンバを含んだ前記トーラス室内の構造物を部分的に解体する第1工程と、前記解体により生じた解体物を、前記トーラス室において前記サプレッションチェンバの筐体によって囲まれた空間若しくは筐体によって囲まれていた空間の少なくとも一部を用いて保管する第2工程と、を有する、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、サプレッションチェンバを含んだトーラス室内の構造物を一括で解体するのではなく部分的に解体することで、解体により生じる解体物を削減し、トーラス室内の床面スペースの圧迫を低減する。また、本発明では、トーラス室内の最大の構造物であるサプレッションチェンバの筐体によって囲まれた空間若しくは筐体によって囲まれていた空間に解体物を保管することで、トーラス室内における解体物の充填率を高め、トーラス室内の床面スペースの圧迫を低減する。
また、本発明においては、前記サプレッションチェンバは、前記トーラス室において支持脚を介して自立しており、前記第1工程は、前記サプレッションチェンバの下部を部分的に解体する工程を含み、前記第2工程は、前記解体物を、前記解体により前記支持脚を介してルーフ状になって自立する前記サプレッションチェンバの下方の空間に保管する工程を含む、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、支持脚によって自立機能を維持しながらサプレッションチェンバの下部を解体し、ルーフ状になったサプレッションチェンバの下方の空間に解体物を保管する。これにより、本発明では、サプレッションチェンバの上部を解体しないで解体物を削減しつつ、また、トーラス室内における解体物の充填率を高め、トーラス室内の床面スペースの圧迫を低減する。
また、本発明においては、前記支持脚は、前記サプレッションチェンバの幅方向において対向するように対となって設けられており、前記第1工程は、前記対となって設けられた前記支持脚の少なくともいずれか一方を部分的に解体し、前記幅方向における前記支持脚の間隔を大きくする工程を含む、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、サプレッションチェンバを支持する対となった支持脚を部分的に解体し、支持脚の間隔を大きくすることで、ルーフ状になったサプレッションチェンバの下方の空間を活用し易くする。例えば、支持脚の間隔を大きくすることで、フォークリフト等を進入し易くし、ルーフ状になったサプレッションチェンバの下方の空間における解体物の充填作業の効率化を図る。
また、本発明においては、前記サプレッションチェンバは、前記筐体によって囲まれた空間にプール水を保持しており、前記第2工程は、前記解体物を、前記プール水に水没させて保管する工程を含む、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、サプレッションチェンバのプール水に解体物を水没させ、サプレッションチェンバの筐体によって囲まれた空間に解体物を保管することで、トーラス室内における解体物の充填率を高め、トーラス室内の床面スペースの圧迫を低減する。
また、本発明においては、前記第1工程は、前記プール水を保持する前記サプレッションチェンバの上部を部分的に解体する工程と、前記サプレッションチェンバの上部の部分的な解体により前記プール水の重量によって前記筐体が座屈しないように補強する工程と、を含む、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、サプレッションチェンバの下部を残してプール水の保持機能を維持しながらサプレッションチェンバの上部を解体する。また、サプレッションチェンバの上部を解体すると構造強度が低下することがあるため、座屈しないように筐体を補強する。これにより、本発明では、サプレッションチェンバの下部を解体しないで解体物を削減してトーラス室内の床面スペースの圧迫を低減し、また、プール水の保持機能があるため、プール水の廃棄のための前処理を、トーラス室内の構造物の解体と平行して行える。
また、本発明においては、前記サプレッションチェンバは、前記トーラス室において支持脚を介して自立しており、前記第1工程は、前記サプレッションチェンバの上部を部分的に解体する工程を含み、前記第2工程は、前記解体物を、前記解体により前記支持脚を介して椀状になって自立する前記サプレッションチェンバの上に保管する工程を含む、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、支持脚によって自立機能を維持しながらサプレッションチェンバの上部を解体し、椀状になったサプレッションチェンバの上に解体物を保管する。これにより、本発明では、サプレッションチェンバの下部を解体しないで解体物を削減しつつ、また、トーラス室内における解体物の充填率を高め、トーラス室内の床面スペースの圧迫を低減する。
また、本発明においては、前記トーラス室は、前記サプレッションチェンバを収容する環状エリアを有しており、前記第1工程は、前記環状エリアにおける一部のエリアの前記構造物を解体する工程を含み、前記第2工程は、前記一部のエリアの前記解体物を他のエリアに仮置きする工程と、前記一部のエリアに、前記解体物を保管するためのスクラップヤードを設ける工程と、を含む、という手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、トーラス室の環状エリアの一部のエリアの構造物を解体し、その解体物を他のエリアに仮置きし、解体したエリアにスクラップヤードを設ける。スクラップヤードを設けることで、解体物を容器に収納する収納作業を先送りにして、その後に解体物を搬出する搬出作業とジャストインタイム化させる。これにより、トーラス室内の解体物保管数を削減して、トーラス室内の床面スペースの圧迫を低減する。
本発明によれば、解体物によるトーラス室内の床面スペースの圧迫を低減して、トーラス室内の先行解体及び動線の確保を確実に行うことができる。
本発明の第1実施形態における原子炉の概略構成を示す断面図である。 図1における矢視A−A図である。 本発明の第1実施形態における原子炉の撤去工法のアペンテージを利用した解体物の搬出を説明するための図である。 本発明の第1実施形態における不完全解体工法の作業フローを示す図である。 本発明の第1実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第1実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態における不完全解体工法の作業フローを示す図である。 本発明の第2実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業フローを示す図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。 本発明の第3実施形態における不完全解体工法と従来工法との作業フローを比較するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における原子炉の概略構成を示す断面図である。図2は、図1における矢視A−A図である。
本実施形態の原子炉は、沸騰水型原子力発電設備にかかるものであり、周囲には不図示のタービン建屋が設けられている。
この原子炉は、図1に示すように、原子炉圧力容器1(RPV)と、この原子炉圧力容器1を囲繞して設けられた鋼製の原子炉格納容器2(PCV)とを備える。原子炉格納容器2は、原子炉圧力容器1を一次格納するものであり、冷却材喪失時等に圧力障壁および放射性物質の放散に対する障壁を形成する。原子炉格納容器2は、その基部が原子炉建屋基礎で支持される鋼製自立型格納容器である。
原子炉格納容器2は、放射能遮蔽体としてのコンクリート製の原子炉建屋3(R/B)内に設けられている。原子炉格納容器2の周囲は、原子炉建屋3の一部をなす生体遮蔽壁3aにて厚く覆われており、この生体遮蔽壁3aにより放射能汚染領域とクリーン領域とが隔離されている。原子炉格納容器2は、ドライウェル4(D/W)と、サプレッションチェンバ5(S/C)と、ベント管6とからなる圧力抑制系を備える。
サプレッションチェンバ5は、図2に示すように、原子炉格納容器2の周囲に円環状に配設された鋼管からなる。サプレッションチェンバ5は、複数のベント管6(図2において不図示、図1参照)を介して原子炉格納容器2のドライウェル4に連通している。
ベント管6は、内径が約2m前後の大口径の鋼管からなる。ベント管6は、ドライウェル4の空間とサプレッションチェンバ5の水中とを接続するものである。
ベント管6は、ベントヘッダ7と、ダウンカマー8とを有する。ベントヘッダ7は、サプレッションチェンバ5内で円環状に設けられ、複数のベント管6に接続されている。ダウンカマー8は、ベントヘッダ7より分岐してサプレッションチェンバ5のプール水Pの中に開口するように設けられている。このダウンカマー8は、隣り合うベント管6の間において複数設けられている。
サプレッションチェンバ5内には、内部回廊13が設けられている。内部回廊13は、プール水Pの上方において、サプレッションチェンバ5の内部を周回できるように設けられている。一方、サプレッションチェンバ5外には、外部回廊14が設けられている。外部回廊14は、サプレッションチェンバ5の上方において、サプレッションチェンバ5の外部を周回できるように設けられている。このサプレッションチェンバ5は、トーラス室9において支持脚19を介して自立している。
原子炉建屋3内の地下には、原子炉格納容器2の下部周囲に位置して、その内部にサプレッションチェンバ5が収容されたトーラス室9が円環状に設けられている。トーラス室9は、例えば高さ8m×横幅8m程度の空間断面積を有し、原子炉格納容器2の周囲に直径30m〜40mのトーラス形状の空間を形成している。トーラス室9は、放射能遮蔽体としてのコンクリート製の原子炉建屋3の一部をなす地下構造物として形成される。
原子炉建屋3には、トーラス室9の傍らに付設されると共に原子炉建屋3外の地上に連通するアペンテージ10(付設室)が設けられている。アペンテージ10は、トーラス室9の外側に突出するようにして付設された地下構造物である。このアペンテージ10は、非常用炉心冷却系(ECCS)の一部を構成するコアスプレーポンプ11を収容するためのコアスプレーポンプ室である。
アペンテージ10内には、コアスプレーポンプ11の他に、同じく非常用炉心冷却系を構成する熱交換器、ドレインタンク、ドレインポンプ等(いずれも不図示)が収容されている。このアペンテージ10には、地下上部フロアー10aと、地下下部フロアー10bとがあり、不図示の梯子で行き来できるようになっている。地下下部フロアー10bには、コアスプレーポンプ11が配置されている。
地下上部フロアー10aの側部には、トーラス室9に連通できる連通口16が形成されている。また、地下上部フロアー10aの天部には、原子炉建屋3外の地上に連通できるハッチ17aが設けられている。ハッチ17aは、コアスプレーポンプ11等を移送できる大きさ、例えば2m×2m程度の大きさで開口できるようになっている。このアペンテージ10は、図2に示すように、トーラス室9の傍らに2つ設けられている。また、トーラス室9には、タービン建屋に接続されたメインスチームトンネル(不図示)と連通する連通口18が設けられている。
続いて、上記構成の原子炉の撤去工法について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態における原子炉の撤去工法のアペンテージ10を利用した解体物Xの搬出を説明するための図である。
本手法では、先ず、炉内除染、系統除染、サプレッションチェンバ5内の水処理を行った後、図3に示すように、サプレッションチェンバ5を先行解体する。サプレッションチェンバ5を先行解体すると、ベント管6、トーラス室9、アペンテージ10を連通させることができる。これにより、原子炉格納容器2内から原子炉建屋3外の地上に繋がる搬出入用の動線20を確保することができる。
動線20は、既設の構造物であるベント管6、トーラス室9、アペンテージ10を利用して形成される。なお、動線20における空間断面積の確保のために、ベントヘッダ7及びダウンカマー8は、サプレッションチェンバ5の解体と共に切除等して撤去することが好ましい。また、必要であれば、トーラス室9とアペンテージ10との連通口16を拡大させてもよい。アペンテージ10は、コアスプレーポンプ室であり、搬出口である大型のハッチ17aが設けられ、動線として利用するのに好適である。
このように、既設の構造物を利用して、原子炉建屋3とタービン建屋とが直結しない別の動線を確保することにより、タービン建屋の解体を待つことなく、原子炉建屋3内の解体作業を行うことができる。このため、タービン建屋側と並行して解体作業を行うことが可能となる。
原子炉圧力容器1を解体すると、解体時に生じる放射性浮遊物が動線20を介して原子炉建屋3内から地上に漏出するようになるため、本手法では解体の前に、ハッチ17aを囲うようにガレージ21を仮設する。ガレージ21は、解体物Xを外部に搬送する搬送車両Tのためのものであり、アペンテージ10と連通するように地上に設ける。ガレージ21には、シャッター22が設けられており、搬送車両Tが荷受けする際にはシャッター22が閉められる。
原子炉格納容器2内で細分化された原子炉圧力容器1の解体物Xの搬出は、動線20の適所に揚重機24を設けることにより行う。具体的には、原子炉格納容器2とトーラス室9との間においてベント管6を通すように架設したレール25に揚重機24を設置して、解体物Xをトーラス室9に搬出する。また、トーラス室9とアペンテージ10との間において連通口16を通すように架設したレール26に揚重機24を設置して、トーラス室9で解体物Xを収納したコンテナをアペンテージ10に搬出する。そして、ガレージ21に架設したレール27に揚重機24を設置して、解体物Xを地上に引き上げて搬送車両Tの荷台に載置することにより搬出を行う。
このように、本手法では、トーラス室9内を先行解体し、原子炉建屋3とタービン建屋とが直結しない別の独立した動線20を確保することにより、タービン建屋の解体を待つことなく、原子炉建屋3内の解体作業を行うことができる。また、トーラス室9の大きな空間を利用できるため、最終処分地が決定するまでの間においても、廃材処理を行うことができ、また、廃材処理した解体物Xを原子炉建屋3内に保管することができる。
ところで、トーラス室9内の構造物には、作業スペースや動線スペースの確保に有効でない構造物がある。このような構造物としては、例えば、トーラス室9内の高所部等であってその状態で床面スペースを圧迫しない部分や、バルブ等であって多数の部材に解体しなければならず減容比が確保できない部品等がある。このような構造物を解体してしまうと、トーラス室9内の床面スペースを圧迫してしまい、作業スペースや動線スペースを確保することができず、トーラス室内の先行解体及び動線20の確保が困難になる。
そこで、本手法では、トーラス室9内の構造物を部分的に解体する不完全解体工法を採用する。なお、以下、図4〜図6を用いて説明する不完全解体工法は、サプレッションチェンバ5のプール水Pを移送後のものである。
図4は、本発明の第1実施形態における不完全解体工法の作業フローを示す図である。図5及び図6は、本発明の第1実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。
この手法では、先ず、トーラス室9内の作業スペースの整備と、解体資機材の搬入を行う(ステップS1)。解体資機材の搬入は、アペンテージ10を介して行うことができる。この解体資機材には、図5(a)に示すレール30及び揚重機31が含まれており、これらをサプレッションチェンバ5の上部5aの内側に設置する。レール30は、サプレッションチェンバ5の長手方向(リング周方向)に延在するものである。揚重機31は、レールに沿ってサプレッションチェンバ5の長手方向(図5(a)において紙面垂直方向)に移動可能であると共に、吊り点をサプレッションチェンバ5の幅方向(図5(a)において紙面左右方向)に移動可能なものである。
次に、サプレッションチェンバ5の支持脚19スリム化と、トーラス室9の床面の段差の撤去を行う(ステップS2:第1工程)。このステップS2は、後の工程でフォークリフト等を走行可能とするものである。本実施形態において、支持脚19は、図5(b)に示すように、サプレッションチェンバ5の幅方向において対向するように対となって設けられている。このステップS2では、対となって設けられた支持脚19の少なくともいずれか一方(本実施形態では両方)を部分的に解体し、幅方向における支持脚19の間隔を大きくする。これにより、サプレッションチェンバ5の下方の空間を活用し易くする。
次に、解体予定部分の補強を行う(ステップS3)。このステップS3は、後の工程でサプレッションチェンバ5の自重を支える機能を維持するために、必要に応じて構造物の補強をするものである。例えば、スリム化した支持脚19の外側にサポートを施工して、支持脚19を補強する。また、例えば、ベント管6、ベントヘッダ7等にも必要に応じてサポートを施工して補強する。
次に、サプレッションチェンバ5の下部5bの解体と、ダウンカマー8等の切断を行う(ステップS4:第1工程)。このステップS3は、サプレッションチェンバ5を含んだトーラス室9内の構造物を部分的に解体するものである。サプレッションチェンバ5の下部5bを解体すると、図6(a)に示すように、サプレッションチェンバ5の上部5aが残り、支持脚19によって支えられたサプレッションチェンバ5がルーフ状になって自立する。これにより、サプレッションチェンバ5の筐体(シェル)によって囲まれていた空間s1が開放され、ルーフ状になったサプレッションチェンバ5の下方に大きな空間が形成される。
次に、コンテナ搬出入における干渉物の撤去を行う(ステップS5)。このステップS5は、トーラス室9の天井やアペンテージ10から、コンテナの搬出入の際に干渉する構造物を撤去するものである。このコンテナは、ステップS2やステップS4等で生じた解体物Xを収容するものである。
最後に、ルーフ状になったサプレッションチェンバ5の下方の空間を仮置き場として整備し、コンテナに収容した解体物Xを保管する(ステップS6:第2工程)。このステップS6は、図6(b)に示すように、トーラス室9においてサプレッションチェンバ5の筐体によって囲まれていた空間s1の少なくとも一部を用いて、解体物Xを保管するものである。コンテナに収容された解体物Xは、ルーフ状になったサプレッションチェンバ5の下方の空間に、揚重機31やフォークリフト等を用いて多段積みで保管する。なお、このように多段積みしたコンテナは足場として用いることができ、後工程のサプレッションチェンバ5の上部5aの解体等の本格解体に利用できる。
以上のように、この不完全解体工法によれば、サプレッションチェンバ5を含んだトーラス室9内の構造物を一括で解体するのではなく部分的に解体することで、解体により生じる解体物Xを削減し、トーラス室9内の床面スペースの圧迫を低減することができる。また、トーラス室9内の最大の構造物であるサプレッションチェンバ5の筐体によって囲まれていた空間s1に解体物Xを保管することで、トーラス室9内における解体物Xの充填率を高め、トーラス室9内の床面スペースの圧迫を低減することができる。
具体的には、図6(b)に示すように、支持脚19によって自立機能を維持しながらサプレッションチェンバ5の下部5bを解体し、ルーフ状になったサプレッションチェンバ5の下方の空間に解体物Xを保管する。これにより、作業スペースや動線スペースの確保に有効でないサプレッションチェンバ5の上部5aを解体しないで解体物Xを削減しつつ、また、トーラス室9内における解体物Xの充填率を高め、トーラス室9内の床面スペースの圧迫を低減することができる。
さらに、この不完全解体工法では、サプレッションチェンバ5を支持する対となった支持脚19を部分的に解体し、支持脚19の間隔を大きくすることで、ルーフ状になったサプレッションチェンバ5の下方の空間を活用し易くする。図6(a)に示すように、支持脚19の間隔を大きくすることで、フォークリフト等が進入し易くなり、ルーフ状になったサプレッションチェンバ5の下方の空間における解体物Xの充填作業の効率化を図ることができる。
このように、上述の本実施形態によれば、原子炉格納容器2とベント管6を介して連通するサプレッションチェンバ5が収容されたトーラス室9を有する原子炉の撤去工法であって、サプレッションチェンバ5を含んだトーラス室9内の構造物を部分的に解体する第1工程と、解体により生じた解体物Xを、トーラス室9においてサプレッションチェンバ5の筐体によって囲まれていた空間s1の少なくとも一部を用いて保管する第2工程と、を有する、という手法を採用することによって、解体により生じる解体物Xを削減し、トーラス室9内における解体物Xの充填率を高め、トーラス室9内の床面スペースの圧迫を低減することができる。
このため、本実施形態によれば、解体物Xによるトーラス室9内の床面スペースの圧迫を低減して、トーラス室9内の先行解体及び動線20の確保を確実に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7は、本発明の第2実施形態における不完全解体工法の作業フローを示す図である。図8及び図9は、本発明の第2実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。なお、図9(b)は、図9(a)に示すトーラス室9の側面図である。
第2実施形態の不完全解体工法は、サプレッションチェンバ5のプール水Pを移送前のものである。この手法においても、先ずは上述の実施形態と同様に、トーラス室9内の作業スペースの整備と、解体資機材の搬入を行う(ステップS11)。このステップS11によって、トーラス室9内が図8(a)に示すように整備される。
本手法では、次に、ダウンカマー8とベントヘッダ7の部分解体を行う(ステップS12)。このステップS12は、トーラス室9内の構造物を部分的に解体するものであり(第1工程)、また、解体により生じた解体物Xを、トーラス室9においてサプレッションチェンバ5の筐体によって囲まれた空間s2の少なくとも一部を用いて保管するものである(第2工程)。図8(b)に示すように、サプレッションチェンバ5は、筐体によって囲まれた空間s2にプール水Pを保持しており、ここで部分解体した解体物Xは、プール水Pに水没させて一時保管する。
次に、サプレッションチェンバ5の切断予定部分の補強を行う(ステップS13)。このステップS13は、後の工程でサプレッションチェンバ5の上部5aを解体すると構造強度が低下することがあるため、プール水Pの重量によって座屈しないように必要に応じて筐体を補強するものである。例えば、図9(a)に示すように、サプレッションチェンバ5の内側を支えるように補強材32aをトラス状に組み立てて補強する。また、図9(b)に示すように、サプレッションチェンバ5の開口を開くようにトーラス室9の天井に補強材32bをワイヤー状に張設して補強する。
次に、サプレッションチェンバ5の上部5aの部分切断と、その切断片の床等への仮置きを行う(ステップS14)。サプレッションチェンバ5の上部5aを解体すると、図9(a)に示すように、サプレッションチェンバ5の下部5bが残り、支持脚19によって支えられたサプレッションチェンバ5が椀状になって自立する。このように、サプレッションチェンバ5の下部5bを残すことで、プール水Pを保持する機能を維持しつつ解体を行うことができる。なお、切断片である解体物Xは、図9(a)に示すように、サプレッションチェンバ5の下部5bの下に仮置きする。
次に、サプレッションチェンバ5の撤去部分に床板33を設置し、その床面を補強する(ステップS15)。このステップS15は、図9(b)に示すように、プール水Pを処理するための水処理設備や、脱塩用イオン交換樹脂等を仮置きするため資機材仮置きスペースRを形成する床板33を設置するものである。床板33の重量及びその床面に設置する資機材の床荷重は、必要に応じてトーラス室9内の床面から支柱を立てて支える。
最後に、プール水Pが波立った場合の防波堤としてガイド34等を設置して、仮置き場所として整備し、資機材等を保管する(ステップS16)。サプレッションチェンバ5の解体のためにはプール水Pを廃棄しなければならないが、プール水Pには六価クロム等の防錆剤が含まれており、環境基準レベルまで無害化する必要がある。このステップS16では、この水処理をする資機材を設置する場所を整備し、プール水Pを循環させながら無害化処理を行う。
以上のように、この不完全解体工法によれば、サプレッションチェンバ5を含んだトーラス室9内の構造物を一括で解体するのではなく部分的に解体することで、解体により生じる解体物Xを削減し、トーラス室9内の床面スペースの圧迫を低減することができる。また、トーラス室9内の最大の構造物であるサプレッションチェンバ5の筐体によって囲まれた空間s2に解体物Xを保管することで、トーラス室9内における解体物Xの充填率を高め、トーラス室9内の床面スペースの圧迫を低減することができる。
具体的には、図8(b)に示すように、サプレッションチェンバ5のプール水Pに解体物Xを水没させ、サプレッションチェンバ5の筐体によって囲まれた空間に解体物Xを保管することで、トーラス室9内における解体物Xの充填率を高め、トーラス室9内の床面スペースの圧迫を低減することができる。
また、この不完全解体工法では、サプレッションチェンバ5の下部5bを残してプール水Pの保持機能を維持しながらサプレッションチェンバ5の上部5aを解体する。サプレッションチェンバ5の上部5aを解体すると構造強度が低下することがあるため、図9に示すように、座屈しないように筐体を補強する。これにより、サプレッションチェンバ5の下部5bを解体しないで解体物Xを削減してトーラス室9内の床面スペースの圧迫を低減し、また、プール水Pの保持機能があるため、プール水Pの廃棄のための前処理を、トーラス室9内の構造物の解体と平行して行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図10は、本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業フローを示す図である。図11〜図21は、本発明の第3実施形態における不完全解体工法の作業工程を説明するための模式図である。
第3実施形態は、上述の実施形態と異なり、工程的な不完全解体工法であり、解体により生じた解体物Xをコンテナに収納しないで保管するスクラップヤード方式を採用する。
本手法では、先ず、サプレッションチェンバ5の上部5a、ベント管6、ベントヘッダ7等の解体と仮置きを行う(ステップS21)。図11に示すように、トーラス室9は、サプレッションチェンバ5を収容する環状エリアKを有しており、ステップS21は、符号K2で示すエリア(一部のエリア)で生じた解体物Xを、符号K1に示すエリア(他のエリア)に仮置きするものである。符号K1で示すエリアには、図12(a)に示すように、レール40及び揚重機41が設けられており、そのエリアで生じた解体物Xだけでなく、符号K2で示すエリアで生じた解体物Xもサプレッションチェンバ5の上に保管(仮置き)する。これにより、符号K2で示すエリアは、図12(b)に示すように、解体物Xによって圧迫されず、スペースが確保される。
次に、サプレッションチェンバ5の下部5bの解体と仮置きを行う(ステップS22)。ステップS22は、図13に示すように、符号K4で示すエリア(一部のエリア)で生じた解体物Xを、符号K3に示すエリア(他のエリア)に仮置きするものである。サプレッションチェンバ5の下部5bの解体は、符号K4で示すエリアで行う。符号K3で示すエリアには、図14(a)に示すように、符号K4で示すエリアで生じた解体物Xがサプレッションチェンバ5の上に保管(仮置き)される。これにより、符号K4で示すエリアは、図14(b)に示すように、サプレッションチェンバ5の上部5a及び下部5bが解体され、スペースが確保される。
次に、スクラップヤードYの片側の隔壁Y1を設置する(ステップS23)。ステップS23は、図15に示すように、サプレッションチェンバ5の上部5a及び下部5bが解体された符号K4で示すエリアと、サプレッションチェンバ5の下部5b及び解体物Xが残る符号K1で示すエリアとの境界(メインスチームトンネルと連通する連通口18の傍)に、スクラップヤードYの片側の隔壁Y1を設置するものである。スクラップヤードYの隔壁Y1は、図16に示すように、板部材50の両側を支持部材51で支持しながら、板部材50を所定高さ(充填率を上げるため少なくともサプレッションチェンバ5が設けられていた高さ)まで積み上げることで構築する。
次に、サプレッションチェンバ5の下部5bの解体物XのスクラップヤードYへの移動と細断とを行う(ステップS24)。ステップS24は、図17に示すように、符号K3で示すエリア(一部のエリア)で生じた解体物X及び保管していた解体物Xを、符号K5で示すエリアを介して符号K6で示すエリア(他のエリア)に移動するものである。符号K5で示すエリアは、解体物Xを細断するエリアである。このエリアでは、符号K3で示すエリアで保管していた解体物Xを細断・移動した後、図18(a)に示すように残存するサプレッションチェンバ5の下部5bを解体・細断する作業が行われる。符号K6で示すエリアは、図18(b)に示すように、符号K5で示すエリアや他のエリアで発生した解体物Xを保管するエリアであり、隔壁Y1側から解体物Xを仮置きしていく。
次に、サプレッションチェンバ5の下部5bの解体と、スクラップヤードYへの仮置きを順次行う(ステップS25)。ステップS25は、図19に示すように、スクラップヤードYのもう片側の隔壁Y2を設置し、隔壁Y1及び隔壁Y2に囲まれた符号K6に示すエリアに解体物Xを移動し、他のエリアのサプレッションチェンバ5の下部5bの解体を順次進めていくものである。先ず、符号K1で示すエリアからサプレッションチェンバ5の下部5bの上に保管した解体物Xを移動する(図20(a)参照)。次に、符号K7で示すエリアにおいて、そのサプレッションチェンバ5の下部5bを解体し、解体物Xを符号K5に示すエリアに移動する(図20(b)参照)。解体物Xは、符号K5で示すエリアで細断し、符号K6で示すエリアに収容する。
最後に、コンテナの搬入と解体物Xの収納・搬出を行う(ステップS26)。ステップS26は、図21に示すように、符号K8に示すエリアにコンテナを1バッチ分搬入し、そのコンテナにスクラップヤードYの解体物Xを収納し、そのコンテナに収納した解体物Xを搬出するものである。なお、この搬入・収納・搬出は、バッチ処理であり、順次繰り返される。コンテナの搬入及びコンテナに収納した解体物Xの搬出は、連通口16を介してアペンテージ10から、若しくは、連通口18を介してメインスチームトンネルから行うことができる。
以上のように、この不完全解体工法によれば、トーラス室9の環状エリアKの一部のエリアの構造物を解体し、その解体物Xを他のエリアに仮置きし、解体したエリアにスクラップヤードYを設け、解体物Xをコンテナに収納する収納作業を先送りにして、その後に解体物Xを搬出する搬出作業とジャストインタイム化させる。これにより、トーラス室9内の解体物Xの保管数(コンテナ保管数)を削減して、トーラス室9内の床面スペースの圧迫を低減することができる。
また、この不完全解体工法では、支持脚19によって自立機能を維持しながらサプレッションチェンバ5の上部5aを解体し、椀状になったサプレッションチェンバ5の上に解体物Xを保管する。これにより、サプレッションチェンバ5の下部5bを解体しないで解体物Xを削減しつつ、また、トーラス室9内における解体物Xの充填率を高め、トーラス室9内の床面スペースの圧迫を低減することができる。
図22は、本発明の第3実施形態における不完全解体工法と従来工法との作業フローを比較するための図である。なお、図22(a)は、第3実施形態の不完全解体工法を示し、図22(b)は、従来工法を示す。
図22(b)に示すように、従来工法では、トーラス室9内を粗解体し、その解体物Xを細断し、細断した解体物Xをコンテナに収納し、それを仮保管する。そして、このサイクルを繰り返し、解体物Xの最終処分地が決まったら、仮保管していたコンテナを搬出する。したがって、解体物Xを搬出する時期が遅れた場合、トーラス室9の床面スペースがコンテナで圧迫されることがある。
一方、図22(a)に示すように、本手法(スクラップヤード方式)では、トーラス室9内を粗解体し、その解体物Xを細断し、細断した解体物XをスクラップヤードYに仮保管する。そして、解体物Xの最終処分地が決まったら、仮保管していた解体物Xをコンテナに収納し、搬出する。このように、本手法では、スクラップヤードYを設けることで、コンテナに解体物Xを収納する作業を、解体物Xの搬出する作業にジャストインタイム化させることができ、解体物Xの保管数(コンテナ保管数)を削減しスペースを確保することができる。したがって、解体物Xを搬出する時期が遅れた場合であっても、トーラス室9内の床面スペースが圧迫されることはない。
また、この手法によれば、スクラップヤードYを設けることで、上述したようにトーラス室9内に空きスペースが確保し易くなる。このため、作業スペースを、解体とコンテナ収納で容易に分けることが可能となり、作業をトーラス室9内でクローズすることができる。また、スクラップヤードYを設けることで、解体物Xの仕分け保管ができるため、空コンテナ及びその置場の削減が可能となる。また、解体物Xの収納作業においては、すでに細断された解体物Xを扱うことから、コンテナの充填率を上げることができ、また、解体物Xの汚染度に応じた収納がし易くなる。また、多段積みのための特注コンテナの使用を不要とすることが可能となる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
2…原子炉格納容器、5…サプレッションチェンバ、5a…上部、5b…下部、6…ベント管、9…トーラス室、10…アペンテージ、19…支持脚、20…動線、32a…補強材、32b…補強材、K…環状エリア、P…プール水、s1…空間、s2…空間、X…解体物、Y…スクラップヤード

Claims (8)

  1. 原子炉格納容器とベント管を介して連通するサプレッションチェンバが収容されたトーラス室を有する原子炉の撤去工法であって、
    前記トーラス室内の構造物のうち、少なくとも前記サプレッションチェンバを部分的に解体する第1工程と、
    前記解体により生じた解体物を、前記トーラス室において前記サプレッションチェンバの筐体によって囲まれた空間若しくは筐体によって囲まれていた空間の少なくとも一部を用いて保管する第2工程と、を有し、
    前記筐体は、前記トーラス室において支持脚を介して自立しており、
    前記第1工程は、前記筐体の下部を部分的に解体する工程を含み、
    前記第2工程は、前記解体物を、前記解体により前記支持脚を介してルーフ状になって自立する前記筐体の下方の空間に保管する工程を含む、ことを特徴とする原子炉の撤去工法。
  2. 前記支持脚は、前記筐体の幅方向において対向するように対となって設けられており、
    前記第1工程は、前記対となって設けられた前記支持脚の少なくともいずれか一方を部分的に解体し、前記幅方向における前記支持脚の間隔を大きくする工程を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉の撤去工法。
  3. 原子炉格納容器とベント管を介して連通するサプレッションチェンバが収容されたトーラス室を有する原子炉の撤去工法であって、
    前記トーラス室内の構造物のうち、少なくとも前記サプレッションチェンバを部分的に解体する第1工程と、
    前記解体により生じた解体物を、前記トーラス室において前記サプレッションチェンバの筐体によって囲まれた空間若しくは筐体によって囲まれていた空間の少なくとも一部を用いて保管する第2工程と、を有し、
    前記サプレッションチェンバは、前記筐体によって囲まれた空間にプール水を保持しており、
    前記第2工程は、前記解体物を、前記プール水に水没させて保管する工程を含む、ことを特徴とする原子炉の撤去工法。
  4. 前記第1工程は、
    前記プール水を保持する前記筐体の上部を部分的に解体する工程と、
    前記筐体の上部の部分的な解体により前記プール水の重量によって前記筐体が座屈しないように補強する工程と、を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の原子炉の撤去工法。
  5. 前記筐体は、前記トーラス室において支持脚を介して自立しており、
    前記第1工程は、前記筐体の上部を部分的に解体する工程を含み、
    前記第2工程は、前記解体物を、前記解体により前記支持脚を介して椀状になって自立する前記筐体の上に保管する工程を含む、ことを特徴とする請求項3または4に記載の原子炉の撤去工法。
  6. 原子炉格納容器とベント管を介して連通するサプレッションチェンバが収容されたトーラス室を有する原子炉の撤去工法であって、
    前記トーラス室内の構造物のうち、少なくとも前記サプレッションチェンバを部分的に解体する第1工程と、
    前記解体により生じた解体物を、前記トーラス室において前記サプレッションチェンバの筐体によって囲まれた空間若しくは筐体によって囲まれていた空間の少なくとも一部を用いて保管する第2工程と、を有し、
    前記筐体は、前記トーラス室において支持脚を介して自立しており、
    前記第1工程は、前記筐体の上部を部分的に解体する工程を含み、
    前記第2工程は、前記解体物を、前記解体により前記支持脚を介して椀状になって自立する前記筐体の上に保管する工程を含む、ことを特徴とする原子炉の撤去工法。
  7. 前記トーラス室は、前記サプレッションチェンバを収容する環状エリアを有しており、
    前記第1工程は、前記環状エリアにおける一部のエリアの前記構造物を解体する工程を含み、
    前記第2工程は、
    前記一部のエリアの前記解体物を他のエリアに仮置きする工程と、
    前記一部のエリアに、前記解体物を保管するためのスクラップヤードを設ける工程と、を含む、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の原子炉の撤去工法。
  8. 原子炉格納容器とベント管を介して連通するサプレッションチェンバが収容されたトーラス室を有する原子炉の撤去工法であって、
    前記トーラス室内の構造物のうち、少なくとも前記サプレッションチェンバを部分的に解体する第1工程と、
    前記解体により生じた解体物を、前記トーラス室において前記サプレッションチェンバの筐体によって囲まれた空間若しくは筐体によって囲まれていた空間の少なくとも一部を用いて保管する第2工程と、を有し、
    前記トーラス室は、前記サプレッションチェンバを収容する環状エリアを有しており、
    前記第1工程は、前記環状エリアにおける一部のエリアの前記構造物を解体する工程を含み、
    前記第2工程は、
    前記一部のエリアの前記解体物を他のエリアに仮置きする工程と、
    前記一部のエリアに、前記解体物を保管するためのスクラップヤードを設ける工程と、を含む、ことを特徴とする原子炉の撤去工法。
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