JP6404587B2 - 免疫測定方法及びその装置並びに免疫測定用キット - Google Patents

免疫測定方法及びその装置並びに免疫測定用キット Download PDF

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Description

本発明は、検体に含まれる測定対象物質を抗原抗体反応にて測定する免疫測定方法及びその装置並びに免疫測定用キットに関する。
従来この種の免疫測定方法としては、例えば特許文献1,2に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、被検試料中の抗原性物質を不溶性担体粒子に吸着させ、該抗原性物質に特異的に反応する抗体もしくは抗体複合体を反応させて、不溶性担体粒子を選択的に凝集させる凝集イムノアッセイ法であって、抗体もしくは抗体複合体が、ネイティブな状態で液相中に存在する抗原性物質には実質的に反応せず、不溶性担体粒子に固相化された抗原性物質には特異的に反応するものが開示されている。
特許文献2には、検体に対して免疫学的に反応可能な第一の物質で形成された捕捉部位に向けて被検試料を膜担体に直接的に適用してクロマト展開させて該捕捉部位を通過せしめた後、検体に対して免疫学的に反応可能な第二の物質を含有する展開溶媒を被検試料のクロマト展開方向とは逆方向に該捕捉部位に向けて膜担体にてクロマト展開させ、被検試料が2回にわたり捕捉部位を通過するようにしたイムノクロマトグラフィー測定法が開示されている。
特許第2677753号公報(課題を解決するための手段) 特許第4990692号公報(発明を実施するための最良の形態,図1)
本発明が解決しようとする技術的課題は、検体を移動する方式に比べて、検体に含まれる抗原抗体反応可能な測定対象物質を感度よく測定することにある。
請求項1に係る発明は、毛細管現象により液体が移動可能な膜状体の一部に測定対象物質が含まれる検体及び予め決められた量の測定対象物質が含まれる対比用検体を予め保持した後、前記膜状体に展開液を添加すると共に当該展開液には前記測定対象物質と特異的に抗原抗体反応する不溶性の標識担体を含有させ、前記膜状体に保持された検体及び対比用検体に含まれる測定対象物質と前記展開液と共に移動する標識担体との間で抗原抗体反応させ、しかる後に、前記検体及び前記対比用検体の抗原抗体反応に伴う標識担体の集積量を測定する各工程を含み、前記測定対象物質がヘモグロビンA1cであり、前記不溶性の標識担体は、ヘモグロビンA1cと反応する第1の蛍光ラテックスと、ヘモグロビンと反応する第2の蛍光ラテックスとを有し、前記第1の蛍光ラテックス及び前記第2の蛍光ラテックスに対応する波長の光が少なくとも含まれる光を照射することで、ヘモグロビンA1c又はヘモグロビンの集積量を測定可能とすることを特徴とする免疫測定方法である。
請求項に係る発明は、毛細管現象により液体が移動可能な素材にて構成された膜状体を有し、当該膜状体に測定対象物質が含まれる検体を保持する検体保持部及び予め決められた量の測定対象物質が含まれる対比用検体を保持する対比用検体保持部が少なくとも設けられる反応プレートと、前記膜状体に保持された検体及び対比用検体に対し展開液を供給する展開液供給手段と、前記膜状体に保持された検体及び対比用検体に対し前記測定対象物質と特異的に抗原抗体反応する不溶性の標識担体を前記展開液と共に供給する標識担体供給手段と、前記検体保持部及び前記対比用検体保持部に対応して設けられ、前記検体及び前記対比用検体の抗原抗体反応に伴う標識担体の集積量を測定する測定器具と、を備え、前記測定対象物質がヘモグロビンA1cであり、前記不溶性の標識担体は、ヘモグロビンA1cと反応する第1の蛍光ラテックスと、ヘモグロビンと反応する第2の蛍光ラテックスとを有し、前記測定器具は、前記第1の蛍光ラテックス及び前記第2の蛍光ラテックスに対応する波長の光が少なくとも含まれる光を照射することで、ヘモグロビンA1c又はヘモグロビンの集積量を測定可能とするものであることを特徴とする免疫測定装置である。
請求項に係る発明は、免疫測定時に使用される反応プレートを含む免疫測定用キットであって、前記反応プレートは、毛細管現象により液体が移動可能な素材にて構成された膜状体と、この膜状体の一部に設けられ、測定対象物質が含まれる検体を保持する検体保持部と、前記膜状体の一部に設けられ、予め決められた量の測定対象物質が含まれる対比用検体を保持する対比用検体保持部と、前記膜状体の一部に設けられ、前記膜状体に保持された検体及び対比用検体に対し展開液を供給する展開液供給部と、前記膜状体の一部に設けられ、前記膜状体に保持された検体及び対比用検体に対し前記測定対象物質と特異的に抗原抗体反応する不溶性の標識担体を前記展開液と共に供給する標識担体供給部と、前記膜状体の一部に設けられ、前記検体保持部及び前記対比用検体保持部を通過した余剰の展開液を吸収する展開液吸収部と、を備え、前記測定対象物質がヘモグロビンA1cであり、前記不溶性の標識担体は、ヘモグロビンA1cと反応する第1の蛍光ラテックスと、ヘモグロビンと反応する第2の蛍光ラテックスとを有し、前記第1の蛍光ラテックス及び前記第2の蛍光ラテックスに対応する波長の光が少なくとも含まれる光を照射することで、ヘモグロビンA1c又はヘモグロビンの集積量を測定可能とすることを特徴とする免疫測定用キットである。
請求項に係る発明は、請求項に係る免疫測定用キットにおいて、前記標識担体供給部は前記膜状体上に予め前記標識担体を固相し、添加された後の展開液中に前記標識担体を混合して供給することを特徴とする免疫測定用キットである。
請求項に係る発明は、請求項に係る免疫測定用キットにおいて、前記検体保持部及び対比用検体保持部は、前記展開液供給部と前記展開液吸収部との間に順次並んで配置されていることを特徴とする免疫測定用キットである。
請求項に係る発明は、請求項に係る免疫測定用キットにおいて、前記対比用検体保持部は、検体の測定対象物質の許容範囲内に選定された対比用検体を保持する第1の対比用検体保持部と、検体の測定対象物質の許容範囲外に選定された対比用検体を保持する第2の対比用検体保持部とを有することを特徴とする免疫測定用キットである。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る免疫測定用キットにおいて、前記第1の対比用検体保持部と前記第2の対比用検体保持部とは、前記膜状体の前記展開液の移動方向に対し前記検体保持部を挟んで配置されていることを特徴とする免疫測定用キットである。
請求項に係る発明は、請求項乃至のいずれかに係る免疫測定用キットにおいて、更に、前記反応プレートにて測定する検体を採取する検体採取器具を含むことを特徴とする免疫測定用キットである。
請求項1に係る発明によれば、検体を移動する方式に比べて、検体に含まれる抗原抗体反応可能な測定対象物質を感度よく測定することができるほか、検体に含まれる抗原抗体反応可能な測定対象物質としてのヘモグロビンA1cを蛍光標識にて感度よく測定することができる。
請求項に係る発明によれば、検体を移動する方式に比べて、検体に含まれる抗原抗体反応可能な測定対象物質を感度よく測定することができるほか、検体に含まれる抗原抗体反応可能な測定対象物質としてのヘモグロビンA1cを蛍光標識にて感度よく測定することが可能な免疫測定装置を提供することができる。
請求項に係る発明によれば、検体を移動する方式に比べて、検体に含まれる抗原抗体反応可能な測定対象物質を感度よく測定することができるほか、検体に含まれる抗原抗体反応可能な測定対象物質としてのヘモグロビンA1cを蛍光標識にて感度よく測定することが可能な免疫測定用キットを提供することができる。
請求項に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、検体及び対比用検体に対し標識担体を定量供給することができる。
請求項に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、検体保持部、対比用検体保持部に対し展開液と共に標識担体を一方向に向けて効率的に移動させることができる。
請求項に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、検体の測定対象物質の測定精度をより高いものに補正することが可能である。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、検体の測定対象物質の測定精度をより高いものに補正することが可能であることに加え、反応プレート上での検体の測定対象物質の測定結果を異常状態の対比用検体、正常状態の対比用検体と対比し易くすることができる。
請求項に係る発明によれば、検体の採取を可能とし、かつ、採取した検体の測定対象成分の測定を可能とする免疫測定用キットを提供することができる。
本発明が適用された免疫測定方法及びその装置の実施の形態の概要を示す説明図である。 実施の形態1に係る免疫測定装置の全体構成を示す斜視説明図である。 図2の平面説明図である。 (a)は免疫測定用キットの一要素である反応プレートを示す説明図、(b)は反応プレートの各機能部を模式的に示す説明図である。 (a)は免疫測定用キットの一要素である採血器具の一例を示す斜視図、(b)はその断面説明図、(c)は採血器具の採血器本体を示す説明図、(d)は(c)の採血器本体の斜視説明図である。 (a)は実施の形態1に係る免疫測定装置の測定器具の詳細を示す説明図、(b)は(a)中B−B線断面図である。 実施の形態1で用いられる測定器具の測定原理を示す説明図である。 実施の形態1で用いられるHbA1c測定制御処理を示すフローチャートである。 図8に示すHbA1c算出処理の詳細を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は実施の形態1で用いられる反応プレートの反応過程を模式的に示す説明図である。 (a)は反応プレートへ検体の固相原理を示す説明図、(b)(c)は検体中のHb、HbA1cと蛍光ラテックスとの結合動作過程を模式的に示す説明図である。 実施の形態1で用いられる測定器具による測定原理を示す説明図である。 (a)〜(g)は実施の形態1で用いられる測定器具による測定処理を模式的に示す説明図である。 (a)は実施の形態2に係る免疫測定装置で用いられる反応プレートの変形形態を示す説明図、(b)は(a)に示す反応プレートの反応過程を模式的に示す説明図である。 (a)は比較の形態に係る免疫測定装置で用いられる反応プレートを示す説明図、(b)は(a)に示す反応プレートの反応過程を示す説明図である。 (a)は測定器具によるHbA1c測定制御処理で用いられる検量線を作成する際に、HbA1cが既知のサンプルに対する緑成分、赤成分の平均値を算出したグラフ図、(b)は(a)の結果に基づいてHbA1c値とM値(赤成分/緑成分の比率)との関係が表記される検量線の一例を示す説明図である。
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用された免疫測定方法及びその装置の実施の形態の概要を示す。
同図において、本実施の形態に係る免疫測定方法は、毛細管現象により液体が移動可能な膜状体2の一部に測定対象物質Tが含まれる検体S及び予め決められた量の測定対象物質Tが含まれる対比用検体S’を予め保持した後、膜状体2に展開液Wを添加すると共に当該展開液Wには測定対象物質Tと特異的に抗原抗体反応する不溶性の標識担体Mを含有させ、膜状体2に保持された検体S及び対比用検体S’に含まれる測定対象物質Tと展開液Wと共に移動する標識担体Mとの間で抗原抗体反応させ、しかる後に、検体S及び対比用検体S’の抗原抗体反応に伴う標識担体Mの集積量を測定するようにしたものである。
このような技術的手段において、膜状体2は、毛細管現象により液体が移動可能である素材で構成されていればよく、検体Sを保持する検体保持部3と、対比用検体S’を保持する対比用検体保持部4(本例では4a,4b)と、展開液Wの添加部とを有していることを要する。
ここで、展開液Wは毛細管現象により膜状体2を移動するため、膜状体2の一部に展開液Wを添加するようにすればよい。
また、標識担体Mは予め展開液W中に混合されていてもよいし、膜状体2に添加された展開液Wに膜状体2上で混合されるようにしてもよい。
更に、測定法としては、抗原抗体反応に伴う標識担体Mの集積量を測定可能にする方法であれば適宜選定して差し支えない。
本例の免疫測定方法では、検体Sに含まれる測定対象物質Tは膜状体2の一部に固相化され、展開液Wと共に移動してきた標識担体Mが固相化された検体S又は対比用検体S’の測定対象物質Tの量に応じて抗原抗体反応するという原理が利用されている。
次に、本実施の形態に係る免疫測定方法の代表的態様又は好ましい態様について説明する。
本例では、測定対象物質Tの代表例としてはグリコヘモグロビン(ヘモグロビンA1c)が挙げられるが、これに限定されるものではなく、免疫測定法で測定可能なものであれば、インフルエンザウィルス等のウィルスを始め適宜選定して差し支えない。
また、標識担体Mの代表例としては蛍光ラテックスが挙げられるが、これに限られるものではなく、発色ラテックス等も使用可能である。
更に、測定対象物質TとしてヘモグロビンA1cの好ましい測定方法としては、不溶性の標識担体Mは、HbA1c(以下必要に応じてHbA1cと略記する)と反応する第1の蛍光ラテックスと、ヘモグロビン(以下必要に応じてHbと略記する)と反応する第2の蛍光ラテックスとを有し、第1の蛍光ラテックス及び第2の蛍光ラテックスに対応する波長の光が少なくとも含まれる光を照射することで、HbA1c又はHbの集積量を測定可能とするものが挙げられる。
本態様では、照射光は第1の蛍光ラテックス及び第2のラテックスに対応する波長の光が含まれるものであればよく、個別の光源を用いてもよいが、装置構成の簡略化という観点からすれば所定の波長域の光が含まれるLEDが好ましい。
また、このような免疫測定方法を具現化した免疫測定装置としては、図1に示すように、毛細管現象により液体が移動可能な素材にて構成された膜状体2を有し、当該膜状体2に測定対象物質Tが含まれる検体Sを保持する検体保持部3及び予め決められた量の測定対象物質Tが含まれる対比用検体S’を保持する対比用検体保持部4(本例では4a,4b)が少なくとも設けられる反応プレート1と、膜状体2に保持された検体S及び対比用検体S’に対し展開液Wを供給する展開液供給手段10と、膜状体2に保持された検体S及び対比用検体S’に対し測定対象物質Tと特異的に抗原抗体反応する不溶性の標識担体Mを展開液Wと共に供給する標識担体供給手段11と、検体保持部3及び対比用検体保持部4(4a,4b)に対応して設けられ、検体S及び対比用検体S’の抗原抗体反応に伴う標識担体Mの集積量を測定する測定器具12と、を備えたものが挙げられる。
このような技術的手段において、反応プレート1は所定の膜状体2を有し、この膜状体2には検体保持部3と対比用検体保持部4(本例では4a,4b)とを少なくとも設けるものであればよい。
また、展開液供給手段10としては、膜状体2に毛細管現象で移動する展開液Wを供給する機能要素であれば展開液容器など適宜選定して差し支えない。
更に、標識担体供給手段11は、展開液W中に標識担体Mを予め混合し、展開液供給手段10と兼用して設けるようにしてもよいし、あるいは、展開液供給手段10とは別に設けて膜状体2に別途供給する態様や、あるいは、展開液Wが通過する膜状体2の一部に標識担体Mを固相し、供給した展開液Wに標識担体Mを混合する態様など適宜選定して差し支えない。
また、測定器具12は、標識担体Mの種類に応じて抗原抗体反応に伴う標識担体Mの集積量を測定可能なものであれば適宜選定して差し支えない。
この種の免疫測定装置としては、医者などのユーザの利便性を考慮し、免疫測定用キットを用意することが好ましい。
この種の免疫測定用キットとしては、免疫測定時に使用される反応プレート1を含み、反応プレート1が、毛細管現象により液体が移動可能な素材にて構成された膜状体2と、この膜状体2の一部に設けられ、測定対象物質Tが含まれる検体Sを保持する検体保持部3と、膜状体2の一部に設けられ、予め決められた量の測定対象物質Tが含まれる対比用検体S’を保持する対比用検体保持部4(4a,4b)と、膜状体2の一部に設けられ、膜状体2に保持された検体S及び対比用検体S’に対し展開液Wを供給する展開液供給部5と、膜状体2の一部に設けられ、膜状体2に保持された検体S及び対比用検体S’に対し測定対象物質Tと特異的に抗原抗体反応する不溶性の標識担体Mを展開液Wと共に供給する標識担体供給部6と、膜状体2の一部に設けられ、検体保持部3及び対比用検体保持部4(4a,4b)を通過した余剰の展開液Wを吸収する展開液吸収部7と、を備えたものが挙げられる。
このような免疫測定用キットの反応プレート1としては、膜状体2に検体保持部3、対比用検体保持部4を設けるほか、この膜状体2には展開液供給部5にて展開液Wを供給可能とし、更に、標識担体供給部6にて標識担体Mを供給可能とし、更に、余剰の展開液Wを処理する上で展開液吸収部7を設けることが代表的である。ここで、展開液供給部5、標識担体供給部6は別の部位に設けてもよいが、展開液Wと標識担体Mとが予め混合されている態様では同じ部位に設けるようにすればよい。
次に、免疫測定用キットの代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、標識担体供給部6の代表的態様としては、膜状体2上に予め標識担体Mを固相し、添加された後の展開液W中に標識担体Mを混合して供給する方式がある。
また、検体保持部3、対比用検体保持部4の好ましい態様としては、展開液供給部5と展開液吸収部7との間に順次並んで配置されている態様が挙げられる。本態様では、展開液Wと共に標識担体Mを膜状体2の一方側から供給するようにすればよく、このように供給された展開液Wと共に標識担体Mは毛細管現象により膜状体2の他方側に向けて順次移動していく。
更に、対比用検体保持部4の好ましい態様としては、検体Sの測定対象物質Tの許容範囲内に選定された対比用検体S’を保持する第1の対比用検体保持部4aと、検体Sの測定対象物質Tの許容範囲外に選定された対比用検体S’を保持する第2の対比用検体保持部4bとを有する態様が挙げられる。
本態様では、第1の対比用検体と第2の対比用検体とに対して夫々抗原抗体反応を把握することで、検体Sの保持量のばらつきを補正し、検体Sの測定対象物質Tを測定することが可能である。
更にまた、免疫測定用キットの代表的態様としては、反応プレート1だけを有する態様でもよいが、更に、反応プレート1にて測定する検体Sを採取する検体採取器具(図示せず)を含めるようにしたものが挙げられる。
本態様は、反応プレート1と、検体採取器具とを組み合わせたものであり、例えば検体採取器具として、ユーザの検体Sとしての血液を採取し、かつ、採取した検体Sとしての血液を希釈可能とするようにすれば、ユーザは免疫測定用キットを購入することで、ユーザが検体Sを採取し、かつ、その場で反応プレート1を使用し、検体中の測定対象物質Tを検査することが可能である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2及び図3は実施の形態1に係る免疫測定装置の全体構成を示す。
−免疫測定装置の全体構成−
同図において、免疫測定装置20は、採血された血液中に含まれるHbA1c(ヘモグロビンA1cに相当)について抗原抗体反応させる反応プレート21と、この反応プレート21の反応結果からHbA1c(%)を測定する測定器具22と、を備えている。
ここで、HbA1cは、血液の赤血球中の蛋白質であるHb(ヘモグロビンに相当)に糖分がどの程度結合しているかを調べる検査で、過去1〜2ヶ月の平均的な血糖値の高さを知ることができる指標である。一般に、血糖値そのものは時々刻々と変化し、一回の検査ではばらつきが生じてしまうのに対し、HbA1c値は直前の食事の影響などを受けずに、平均的な血糖値の高さを把握する上で有効な指標である。
−反応プレート−
本実施の形態において、反応プレート21は、図2乃至図4(a)(b)に示すように、一方向に沿って延びる長尺な樹脂製のプレート本体30を有し、このプレート本体30の両端を略半円状の円弧部30aに形成すると共に、プレート本体30の一端側には当該プレート本体30が把持可能な把持部31として表面に複数の溝部31aが一体的に配列された態様のものを形成し、この把持部31に隣接したプレート本体30には把持部31及び周囲の壁部で囲まれる浅い凹部32を形成したものである。
そして、プレート本体30の凹部32内には把持部31側から順に、展開液Wが供給可能な展開液パッド33、検体としての血液中に含まれる測定対象物質であるHbA1c及びHbと夫々特異的に抗原抗体反応する標識担体Mが予め固相されるコンジュゲートパッド34、展開液W及び標識担体Mが毛細管現象にて浸透しながら長手方向に沿って移動する膜状体に相当するメンブレン35、及び、余剰の展開液Wを吸収する吸収パッド36が設けられている。
<展開液パッド>
展開液パッド33は反応プレート21の凹部32に図示外の接着シート等を用いて固定されている。そして、展開液パッド33としては、多孔質のポリエチレンやポリプロピレン等の多孔質合成樹脂製のシート又はフィルムや、濾紙のようなセルロース製の紙や、綿布のような織布若しくは不織布を用いることができる。
ここで、展開液Wとしては、イムノクロマト測定法で使用可能なものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば水系溶媒として水、生理食塩水、緩衝液などが使用される。そして、緩衝液としては、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES(2−ヒドロキシピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸)緩衝液などが挙げられる。更に、展開液Wには、必要に応じてpH調整剤(例えば塩酸などの酸性剤又は水酸化ナトリウム等のアルカリ性剤)、界面活性剤、防腐剤、無機塩等の各種添加剤を含有させることも可能である。
<吸収パッド>
吸収パッド36としては、余剰の展開液Wを吸収して保持可能な素材であれはよく、濾紙、綿布、あるいは、多孔質合成樹脂製の不織布を用いることができる。そして、吸収パッド36は反応プレート21の凹部32に図示外の接着シート等を用いて固定されており、その一端がメンブレン35の一端を覆うように配置されている。
<コンジュゲートパッド>
コンジュゲートパッド34は展開液パッド33と略同様な素材で構成されており、反応プレート21の凹部32に図示外の接着シート等を用いて固定されている。そして、コンジュゲートパッド34の一端が展開液パッド33に接触して覆われており、他端がメンブレン35の一端を覆うように接触配置されている。
そして、このコンジュゲートパッド34には、図4(a)(b)に示すように、HbA1c及びHbと夫々特異的に抗原抗体反応する標識担体Mが予め固相されている。本例の標識担体Mとしては、Hbと特異的に抗原抗体反応するAnti−Hb感作の緑成分で蛍光する第1の蛍光ラテックスM1と、HbA1cと特異的に抗原抗体反応するAnti−HbA1c感作の赤成分で蛍光する第2の蛍光ラテックスM2とが用いられている。
各蛍光ラテックスM1,M2はコンジュゲートパッド34に半固相体341を介して固相されており、展開液パッド33に添加された展開液Wが毛細管現象によりコンジュゲートパッド34に移動してきた際に、半固相体341から外れて展開液Wと共にメンブレン35に向かって順次移動するものである。
<メンブレン>
メンブレン35としては、展開液Wが各蛍光ラテックスM1,M2と共に毛細管現象にて順次長手方向に移動するものであれば、セルロース製膜、ナイロン製膜、ガラス製繊維膜など適宜選定して用いることが可能である。
本例では、メンブレン35の略中央には、検体Sとしての血液を予め決められた割合で希釈して保持する検体保持部40が設けられ、メンブレン35のうち検体保持部40よりも展開液Wの移動方向上流側には、検体Sの測定対象物質の許容範囲内(つまり正常範囲内)に選定された対比用検体C1としての血液を予め決められた割合で希釈して保持した第1の対比用検体保持部としての第1コントロール部41が設けられる一方、メンブレン35のうち検体保持部40よりも展開液Wの移動方向下流側には、検体Sの測定対象物質の許容範囲外(つまり異常範囲)に選定された対比用検体C2としての血液を予め決められた割合で希釈して保持した第2の対比用検体保持部としての第2コントロール部42が設けられている。
ここで、検体保持部40は、検体Sとしての血液を予め決められた割合(例えば1000倍)で希釈したものを所定量(例えば1〜2μl)塗布し、所定の温度(例えば37℃)に恒温された図示外の恒温ブロックにて塗布された検体Sとしての血液を乾燥させることでメンブレン35上に熱変性させた状態で保持するものである(図11(a)参照)。なお、符号401は検体Sとしての血液中の測定対象物質(Hb,HbA1c)を強固に固相する固相体を示す。
また、第1のコントロール部41は、正常範囲にある対比用検体C1としての血液を予め決められた割合(例えば1000倍)で希釈したものを予め所定量(例えば1〜2μl)塗布し、予め所定の温度(例えば37℃)に加温することで血液C1を乾燥させ、メンブレン35上に熱変性させた状態で保持したものである。
一方、第2のコントロール部42は、異常範囲にある対比用検体C2としての血液を予め決められた割合(例えば1000倍)で希釈したものを予め所定量(例えば1〜2μl)塗布し、予め所定の温度(例えば37℃)に加温することで血液C2を乾燥させ、メンブレン35上に熱変性させた状態で保持したものである。
−免疫測定用キット−
本実施の形態では、免疫測定用キット25は、図2,図3及び図5に示すように、一若しくは複数枚の反応プレート21と、検体Sとしての血液を採取する採血器具50とを組み合わせた消耗品のセットとしてユーザに提供されるようになっている。
このため、ユーザは、免疫測定装置20の使用に当たり、寿命の長い測定器具22を予め購入しておけば、必要に応じて免疫測定用キット25をその都度購入するようにすればよい。
−採血器具−
本例では、採血器具50は、図5(a)(b)に示すように、検体Sとしての血液を採取する採血器本体51と、この採血器本体51で採取した血液を希釈水にて希釈する希釈容器57とを有し、例えばポリプロピレン等の合成樹脂にて構成されている。
<採血器本体>
本例では、採血器本体51は、図5(c)(d)に示すように、円筒状の摘まみ部52を有し、この摘まみ部52の一端側には鍔状のフランジ部53を形成すると共に、摘まみ部52の直径部を一辺とする三角形状の突出板54を形成し、この突出板54の先端部に矩形状の採血受片55を設け、この採血受片55に血液が保持可能な切込溝56を形成したものである。ここで、切込溝56は採取すべき採血量に応じて切り込み形成されるものであって、例えば採血量1μlを必要とする場合に幅寸法、深さ寸法が0.5mm、長さ寸法が4mmに設定されている。
<希釈容器>
また、希釈容器57は、一端が開口した円筒状の容器胴体57aを有し、この容器胴体57aの他端側に中空円錐状の容器突部57bを形成すると共に、この容器突部57bの先端に注入孔57cを形成する一方、容器胴体57aの一端側には鍔状のフランジ部57dを形成したものである。なお、容器突部57bの先端には注入孔57cを開閉するためのキャップ58が着脱可能に装着されている。
本例では、採血器本体51は希釈容器57の容器胴体57a内に嵌め込まれ、採血器本体51のフランジ部53が容器胴体57aのフランジ部57dに支えられるようになっている。
<採血器具の使用方法>
(1)採血時処理
採血器具50の採血器本体51を希釈容器57から外し、採血器本体51の採血受片55に検体Sとしての血液を接触させるようにすれば、毛細管現象により、切込溝56に所定量(本例では1ml)の血液が採取される。
(2)血液の希釈処理
キャップ58をした状態の希釈容器57に所定量(例えば1cc)の希釈水を注入した後、希釈容器57に採血器本体51を嵌め込む。この状態において、採血器本体51の切込溝56に保持されている血液は希釈水に浸かり、採取された血液は希釈水によって予め決められた割合に希釈される。
(3)反応プレートへの添加処理
血液の希釈処理が終了すると、希釈容器57のキャップ58を取り外した後、反応プレート21の検体保持部40の上方に採血器具50の注入孔57cを配置し、この状態で、希釈容器57を外側から変形させ、図5(b)に示すように、希釈容器57内の希釈された検体Sとしての血液を注入孔57cから落下させ、反応プレート21の検体保持部40に検体Sとしての血液を添加するようにすればよい。
なお、血液添加後に、検体保持部40に検体Sとしての血液を保持させるには前述したように所定の乾燥処理を施すようにすればよい。
−測定器具−
測定器具22は、図2、図3、図6(a)(b)及び図7に示すように、略筺形状の器具筐体60を有し、この器具筐体60の上面を緩やかな傾斜部61として形成し、この傾斜部61の上側には表示器(ディスプレイ)62を設置すると共に、傾斜部61の下側には各種の操作ボタン63を設置したものである。尚、符号64は傾斜部61の中央付近に設けられた測定器具22のネームプレートである。
また、器具筐体60のうち傾斜部61の低い側に位置する側壁には反応プレート21の挿入口65が開設されている。
そして、器具筐体60内には、挿入口65から挿入された反応プレート21が予め決められた位置に至るまで案内される案内受部66が設けられ、案内受部66の奥側には反応プレート21が正規の位置にセットされたか否かを検出する位置検出器(図示せず)が設けられている。
また、案内受部66のうち反応プレート21のメンブレン35の検体保持部40及び第1、第2のコントロール部41,42が露呈する箇所には測定開口67が開設されている。
更に、本実施の形態では、器具筐体60内には測定開口67に面して当該測定開口67を上側から覆う断面略台形状の支持カバー68が設けられ、この支持カバー68の一方の斜め側壁には測定開口67に向かって測定用の光を照射するLED70が設置されており、また、支持カバー68の測定開口67に対向する対向壁にはカメラ等の撮像器具80が設置されている。
ここで、LED70は多波長の光成分を含む光を照射するものであることから、第1の蛍光ラテックスM1(緑蛍光)を蛍光させる光成分(緑成分)と、第2の蛍光ラテックスM2(赤蛍光)を蛍光させる光成分(赤成分)とに色分解することで、夫々対応した第1の蛍光ラテックスM1又は第2の蛍光ラテックスM2の集積量を求めることができるようになっている。尚、本例では,光源としてLED70を使用しているが、予め決められた単波長の光を照射する光源を個々的に使用してもよい。
また、撮像器具80は第1の蛍光ラテックスM1又は第2の蛍光ラテックスM2の集積量を把握することが可能であれば適宜選定して差し支えなく、例えば各蛍光ラテックスM1又はM2の光学情報を明度情報に置換して処理するようにすればよい。
−制御装置−
測定器具22の器具筐体60内には制御装置100が内蔵されている。この制御装置100はCPU、RAM、ROM及び入出力ポートを含むマイクロコンピュータシステムからなり、例えばROM内にHbA1c測定制御プログラム(例えば図8,図9参照)が予めインストールされ、操作ボタン63や図示外の位置検出器からの入力信号を受けてCPUにて前述したHbA1c測定制御プログラムを実行し、LED70、撮像器具80及び表示器62に所定の制御信号を送出するようにしたものである。
−反応プレートによる反応過程(図10,図11)−
先ず、反応プレート21による反応過程について説明する。
ユーザは、前述したように、採血器具50を用いて検体Sとしての血液を採取すると共に、希釈液にて所定の割合に希釈する。
この後、ユーザは反応プレート21のメンブレン35の検体保持部40に検体Sとしての血液を添加し、図示外の恒温ブロックにて血液を乾燥させるようにする。
すると、図11(a)に示すように、血液中の測定対象物質(Hb,HbA1c)は熱変性した状態で固相体401を介して検体保持部40に保持される。
<展開液の供給>
この状態において、ユーザは、図10(a)に示すように、反応プレート21の展開液パッド33に展開液Wを供給する。このとき、展開液Wの供給方法としては、スポイトや自動供給器具を用いるようにすればよい。
すると、展開液Wは毛細管現象によって展開液パッド33からコンジュゲートパッド34へと移動していく。
<各蛍光ラテックスの展開液への混入>
コンジュゲートパッド34では、図10(b)に示すように、各蛍光ラテックスM1,M2は半固相体341を介して固相されているが、展開液Wが移動してくると、展開液Wの移動に伴って各蛍光ラテックスM1,M2が展開液W中に混入し、展開液Wと共に毛細管現象によりメンブレン35へと移動していく。
<各蛍光ラテックスによる抗原抗体反応>
この後、メンブレン35に各蛍光ラテックスM1,M2の混入した展開液Wが移動していくと、図10(b)に示すように、先ず、第1のコントロール部41にて各蛍光ラテックスM1,M2による抗原抗体反応が生ずる。
更に、第1のコントロール部41を通過した展開液Wには依然として多くの各蛍光ラテックスM1,M2が混入しており、図10(c)に示すように、このような展開液Wが検体保持部40に至ると、検体保持部40にて各蛍光ラテックスM1,M2による抗原抗体反応が生ずる。
更にまた、検体保持部40を通過した展開液Wには依然として多くの各蛍光ラテックスM1,M2が混入しており、図10(c)に示すように、このような展開液Wが第2のコントロール部42に至ると、第2のコントロール部42にて各蛍光ラテックスM1,M2による抗原抗体反応が生ずる。
このように、第1のコントロール部41、検体保持部40及び第2のコントロール部42では、いずれも同様な抗原抗体反応が生じており、図11(b)(c)に示すように、検体S(又は対比用検体C1,C2)に含まれる抗原であるHb又はHbA1cに対し、夫々第1の蛍光ラテックスM1、第2の蛍光ラテックスM2が対応する抗原量に応じて結合する。
ここで、第1のコントロール部41では、対比用検体C1(正常範囲内の検体Sに相当)における抗原抗体反応の結果が得られ、検体保持部40では、検体Sにおける抗原抗体反応の結果が得られ、第2のコントロール部42では、対比用検体C2(正常範囲外の検体に相当)における抗原抗体反応の結果が得られる。
−測定器具による測定処理−
反応プレート21による抗原抗体反応が終了すると、その反応結果を測定器具22にて測定する必要がある。
先ず、ユーザは、図2及び図3に示すように、測定器具22の挿入口65から反応プレート21を挿入し、案内受部66に沿ってセットする。
この状態おいて、制御装置100は、図8に示すように、反応プレート21が正規位置にセットされたか否かを判別し、反応プレート21が正規位置にセットされていれば、操作ボタン63がオンされたか否かを判別する。
そして、制御装置100は、操作ボタン63がオンされると、LED70を点灯し、撮像器具80にて検体ポイント(検体保持部40)、対比ポイント(第1のコントロール部41、第2のコントロール部42)におけるHbA1cの抗原抗体反応の結果を撮像する。
この後、制御装置100は、撮像器具80による撮像結果に基づいてHbA1cを算出し、表示器62に測定結果を表示する。
<HbA1c算出処理>
ここで、HbA1cの算出処理について図9、図12及び図13に基づいて詳述する。
制御装置100は、先ず、図9に示すように、撮像結果を所定の蛍光成分(緑成分・赤成分)毎に色分解する。
そして、制御装置100は、対比用検体C1,C2及び検体Sの緑成分(Hb凝集体)をピクセル化して平均値を演算する。同様に、対比用検体C1,C2及び検体Sの赤成分(HbA1c凝集体)をピクセル化して平均値を演算する。
つまり、図12に示すように、LED70を照射することで撮像器具80にて撮影すると、例えば緑蛍光Lx(Lx:ラテックスの略)による第1の蛍光ラテックスM1の集積量はHbに結合してHb凝集体になり、これの凝集の程度が(GN(C1)、GN(S)、GN(C2))という明度情報として得られ、これを数値化(A(C1)、A(S)、A(C2))するようにしたものである。また、赤蛍光Lxによる第2の蛍光ラテックスM2の集積量はHbA1cに結合してHbA1c凝集体になり、これの凝集の程度が(RD(C1)、RD(S)、RD(C2))という明度情報として得られ、これを数値化(B(C1)、B(S)、B(C2))するようにしたものである(図13(a)〜(d)参照)。
このとき、緑蛍光LxによるGNに対する数値化(A(C1)、A(S)、A(C2))は三者であまり変化がないが、赤蛍光LxによるRDに対する数値化(B(C1)、B(S)、B(C2))はB(C1)<B(C2)の傾向があり、B(S)がB(C1)又はB(C2)のどちら寄りかが把握される。
次いで、制御装置100は、図9に示すように、対比用検体C1,C2及び検体Sについて、D=赤成分(RD)/緑成分(GN)を演算し、D(C1)、D(S)、D(C2)を演算する(図13(e)参照)。
ここで、HbA1cが既知であるD(C1)又はD(C2)につき、予め実験などで求められていた検量線データ(L)と比較し、その差分ΔUが許容範囲α内か否かを判別する。なお、検量線データ(L)の作成例については後述する実施例にて示す。
そして、差分ΔUが許容範囲α内であるときは、得られたD(S)をそのまま決定し、また、差分ΔUが許容範囲αを超えた条件では、0でない補正量ΔDを決定し、得られたD(S)につき補正量ΔDを考慮して最終的なD(S)を決定する(図13(f)(g)参照)。
本実施の形態では、第1のコントロール部41(正常範囲内の対比用検体)、第2のコントロール部42(正常範囲外の対比用検体)の演算結果につき、検量線データ(L)と比較しているため、各コントロール部41,42の演算結果で正常状態、異常状態の状況を把握することができ、検体保持部40の演算結果をより正確に補正することが可能であるが、より簡易の演算結果で足りる場合には、いずれか一方のコントロール部41又は42の演算結果を利用すればよく、更に簡易の演算結果で足りる場合には、各コントロール部41又は42を設けないようにすることも可能である。
◎変形の形態
本実施の形態では、反応プレート21に第1の蛍光ラテックスM1及び第2の蛍光ラテックスM2を展開液Wに対して混入可能な状態で予め固相した態様が採用されていたが、これに限られるものではなく、例えば図14(a)(b)に示すように、展開液W中に第1の蛍光ラテックスM1及び第2の蛍光ラテックスM2を予め混入しておくか、あるいは、展開液Wを供給する際に各蛍光ラテックスM1,M2を混入させるようにして差し支えない。
本態様では、コンジュゲートパッド34が不要になり、展開液パッド33に各蛍光ラテックスM1,M2が混入された展開液Wを添加するようにすればよい。
◎比較の形態1
本実施の形態では、検体Sは反応プレート21の検体保持部40に固相される態様であるが、これの性能を評価する上で、検体Sを移動する態様を比較の形態1として検討してみると、以下のようである。
図15(a)(b)は比較の形態1で用いられる反応プレート121である。
同図において、反応プレート121は、一方向に沿って延びる長尺な樹脂製のプレート本体130を有し、プレート本体130の一端側には当該プレート本体130が把持可能な把持部131を形成し、この把持部131に隣接したプレート本体130には浅い凹部132を形成したものである。
本例では、プレート本体130の凹部132内には把持部131側から順に、検体Sが供給可能な検体供給パッド133、検体Sとしての血液中に含まれる測定対象物質であるHb及びHbA1cと夫々特異的に抗原抗体反応する標識担体M(具体的にはM1,M2)が予め固相されるコンジュゲートパッド134、検体S及び標識担体Mが毛細管現象にて浸透しながら長手方向に沿って移動する膜状体に相当するメンブレン135、及び、余剰の検体Sを吸収する吸収パッド136が設けられている。なお、本例では、メンブレン135の一部にコンジュゲートパッド134を割り付けている。
そして、本例では、メンブレン135上には検体S中の測定対象物質(Hb,HbA1c)及び標識担体M(M1,M2)が結合した凝集体を捕捉する第1のキャプチャ141と、標識担体M(M1,M2)だけに結合する第2のキャプチャ142とを設けたものである。
このような比較の形態1に係る反応プレート121を用いる場合には、検体S中の測定対象物質がコンジュゲートパッド134の標識担体M(M1,M2)と結合すると想定されるが、コンジュゲートパッド134を通過した検体S及び標識担体Mが第1のキャプチャ141で捕捉され、更に、余剰の標識担体Mが第2のキャプチャ142に捕捉される。
従って、コンジュゲートパッド134、あるいは、第1のキャプチャ141では、検体Sの測定対象物質と標識担体Mとが結合することになり、これを測定することで測定対象物質の測定は可能かも知れないが、検体S中の測定対象物質がコンジュゲートパッド134及び第1のキャプチャ141に二分した形で捕捉されるばかりか、検体Sの移動に伴って測定対象物質が捕捉されずに吸収パッド136に吸収される懸念もある。
よって、比較の形態1の反応プレート121は、実施の形態1に係る態様に比べて、検体Sの測定対象物質の測定精度が低いことが理解される。
本実施例は、実施の形態1に係る免疫測定装置で用いられる検量線データの作成例を示す。
今、検量線データ(L)を作成するに当たり、HbA1c(%)が既知である試料(本例ではHbA1c(%)が「1.3」、「4.5」、「8.1」、「11.7」、「15.0」)を用意し、各試料につき撮像器具80にて撮影し、夫々の緑蛍光Lxによる緑成分と赤蛍光Lxによる赤成分とをピクセル化して平均値を演算する(図16(a)参照)。
この後、緑蛍光Lxによる緑成分と赤蛍光Lxによる赤成分との比率Dを演算すると、図16(b)の結果が得られる。
このような処理により、検量線データ(L)を作成することが可能であり、例えば実施の形態1で示したような形で検量線データ(L)を利用することが可能である。
1…反応プレート,2…膜状体,3…検体保持部,4(4a,4b)…対比用検体保持部,5…展開液供給部,6…標識担体供給部,7…展開液吸収部,10…展開液供給手段,11…標識担体供給手段,12…測定器具,M…標識担体,S…検体,S’…対比用検体,T…測定対象物質,W…展開液

Claims (8)

  1. 毛細管現象により液体が移動可能な膜状体の一部に測定対象物質が含まれる検体及び予め決められた量の測定対象物質が含まれる対比用検体を予め保持した後、
    前記膜状体に展開液を添加すると共に当該展開液には前記測定対象物質と特異的に抗原抗体反応する不溶性の標識担体を含有させ、
    前記膜状体に保持された検体及び対比用検体に含まれる測定対象物質と前記展開液と共に移動する標識担体との間で抗原抗体反応させ、
    しかる後に、前記検体及び前記対比用検体の抗原抗体反応に伴う標識担体の集積量を測定する各工程を含み、
    前記測定対象物質がヘモグロビンA1cであり、
    前記不溶性の標識担体は、ヘモグロビンA1cと反応する第1の蛍光ラテックスと、ヘモグロビンと反応する第2の蛍光ラテックスとを有し、
    前記第1の蛍光ラテックス及び前記第2の蛍光ラテックスに対応する波長の光が少なくとも含まれる光を照射することで、ヘモグロビンA1c又はヘモグロビンの集積量を測定可能とすることを特徴とする免疫測定方法。
  2. 毛細管現象により液体が移動可能な素材にて構成された膜状体を有し、当該膜状体に測定対象物質が含まれる検体を保持する検体保持部及び予め決められた量の測定対象物質が含まれる対比用検体を保持する対比用検体保持部が少なくとも設けられる反応プレートと、
    前記膜状体に保持された検体及び対比用検体に対し展開液を供給する展開液供給手段と、
    前記膜状体に保持された検体及び対比用検体に対し前記測定対象物質と特異的に抗原抗体反応する不溶性の標識担体を前記展開液と共に供給する標識担体供給手段と、
    前記検体保持部及び前記対比用検体保持部に対応して設けられ、前記検体及び前記対比用検体の抗原抗体反応に伴う標識担体の集積量を測定する測定器具と、を備え、
    前記測定対象物質がヘモグロビンA1cであり、
    前記不溶性の標識担体は、ヘモグロビンA1cと反応する第1の蛍光ラテックスと、ヘモグロビンと反応する第2の蛍光ラテックスとを有し、
    前記測定器具は、前記第1の蛍光ラテックス及び前記第2の蛍光ラテックスに対応する波長の光が少なくとも含まれる光を照射することで、ヘモグロビンA1c又はヘモグロビンの集積量を測定可能とするものであることを特徴とする免疫測定装置。
  3. 免疫測定時に使用される反応プレートを含む免疫測定用キットであって、
    前記反応プレートは、
    毛細管現象により液体が移動可能な素材にて構成された膜状体と、
    この膜状体の一部に設けられ、測定対象物質が含まれる検体を保持する検体保持部と、
    前記膜状体の一部に設けられ、予め決められた量の測定対象物質が含まれる対比用検体を保持する対比用検体保持部と、
    前記膜状体の一部に設けられ、前記膜状体に保持された検体及び対比用検体に対し展開液を供給する展開液供給部と、
    前記膜状体の一部に設けられ、前記膜状体に保持された検体及び対比用検体に対し前記測定対象物質と特異的に抗原抗体反応する不溶性の標識担体を前記展開液と共に供給する標識担体供給部と、
    前記膜状体の一部に設けられ、前記検体保持部及び前記対比用検体保持部を通過した余剰の展開液を吸収する展開液吸収部と、を備え、
    前記測定対象物質がヘモグロビンA1cであり、
    前記不溶性の標識担体は、ヘモグロビンA1cと反応する第1の蛍光ラテックスと、ヘモグロビンと反応する第2の蛍光ラテックスとを有し、
    前記第1の蛍光ラテックス及び前記第2の蛍光ラテックスに対応する波長の光が少なくとも含まれる光を照射することで、ヘモグロビンA1c又はヘモグロビンの集積量を測定可能とすることを特徴とする免疫測定用キット。
  4. 請求項に記載の免疫測定用キットにおいて、
    前記標識担体供給部は前記膜状体上に予め前記標識担体を固相し、添加された後の展開液中に前記標識担体を混合して供給することを特徴とする免疫測定用キット。
  5. 請求項に記載の免疫測定用キットにおいて、
    前記検体保持部及び対比用検体保持部は、前記展開液供給部と前記展開液吸収部との間に順次並んで配置されていることを特徴とする免疫測定用キット。
  6. 請求項に記載の免疫測定用キットにおいて、
    前記対比用検体保持部は、前記測定対象物質許容範囲内に選定された対比用検体を保持する第1の対比用検体保持部と、前記測定対象物質許容範囲外に選定された対比用検体を保持する第2の対比用検体保持部とを有することを特徴とする免疫測定用キット。
  7. 請求項6に記載の免疫測定用キットにおいて、
    前記第1の対比用検体保持部と前記第2の対比用検体保持部とは、前記膜状体の前記展開液の移動方向に対し前記検体保持部を挟んで配置されていることを特徴とする免疫測定用キット。
  8. 請求項乃至のいずれかに記載の免疫測定用キットにおいて、
    更に、前記反応プレートにて測定する検体を採取する検体採取器具を含むことを特徴とする免疫測定用キット。
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