JP6328103B2 - がんの予後判定および診断方法 - Google Patents

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Description

本出願は、その全体を参照により本明細書に組み込まれる2012年8月13日出願の米国仮出願第61/682,462号に基づく優先権を主張するものである。
本開示は、患者におけるバイオマーカーを検出することおよびその量を決定することによって、患者におけるがんの予後、診断またはリスク識別を決定するための方法およびイムノアッセイプラットフォームに関する。バイオマーカーは、がん患者を同定し、がん治療法の候補者として患者を同定するため、患者のがんを発病するリスクを分類するため、または患者のがんステージもしくはがんの進行のリスクを分類するため、および診断、予後もしくは治療レジメンを決定するために使用され得る。
がんは、依然として、先進国の成人における罹患および死亡の重要な原因である。ある場合においては、がん治療の進歩が、診断から死までの患者の生存期間を拡大させることができた。しかしながら、がん治療の全体的な成功は、疾患の早期検出によることが多く、これは、原発腫瘍の拡大および/または転移成長が後から起こる前に治療が始まることを可能とする。したがって、早期のおよび/またはより正確ながんの診断を提供する方法およびアッセイが望ましく、なぜなら、そのような方法およびアッセイは、早期の治療介入を可能とし、患者の転帰(例えば、生活の質、生存期待など)を改善することができるからである。
ラミニンは、基底板中に見られる一群のヘテロ三量体タンパク質であり、基底膜の一部を形成する。これらのタンパク質は、お互いに複合してラミニン構造を形成する3つの非同一ポリペプチドに基づいて分類される。これらの3つのポリペプチドは、アルファ(α)鎖、ベータ(β)鎖およびガンマ(γ)鎖として識別され、それぞれが数種の分子種(例えば、α1−α5、β1−β3およびγ1−γ2)を有する。ラミニン5(またはLN5)は、基底板中に存在し、上皮細胞と上皮細胞を裏打ちする結合組織の間に位置する基底膜において豊富であることが知られている。LN5の構造は、α3鎖およびβ3鎖と複合した場合にLN5を形成するガンマ−2(γ2)鎖を含む構造を有する唯一のラミニンである点で、既知のラミニンの中でも独特である。生理学的に、LN5は上皮細胞により産生され、細胞の接着、増殖、分化および/または遊走を促進することができることが知られている。例えば、LN5が上皮細胞から分泌されるとき、それは(例えば、膜型1マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MT1−MMP)による)プロテアーゼ分解を受けやすい。ある場合においては、LN5は、ガンマ−2鎖配列のN末端に向かってプロセシングされて、細胞の遊走および浸潤の促進を含むEGF様活性を有するフラグメントを生成する(Koshikawaら、J.Cell Biol.、(2000)148:615−624頁)。
そのプロセシングされた形態を含むLN5の既存の検出方法は、(組織の免疫染色などの)組織学的方法、尿検査または(N末端フラグメントなどの)タンパク質分解フラグメントの検出のいずれかに焦点を当てており、ラミニンガンマ−2モノマー検出のための簡便なおよび/または高感度の方法を提供するものでなはい。
Koshikawaら、J.Cell Biol.、(2000)148:615−624頁
(発明の要旨)
一態様において、本開示は、がんを有するまたはがんを有するリスクのある被験者に、診断、予後またはリスク分類を提供するための方法を提供し、方法は、被験者から血液を含む生物学的サンプルを得るステップ;被験者からの生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度を決定するステップ;上記サンプルからのラミニンガンマ−2モノマー濃度を、参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値と比較するステップであって、参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値よりも高いサンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度が、被験者を、がんを有するまたはがんを発病する増大したリスクを有すると同定するステップ、を含む。
ある態様において、本開示は、がんを有するまたはがんを有するリスクのある被験者に、診断、予後またはリスク分類を提供するための方法に関し、方法は、被験者から血液を含む生物学的サンプルを得るステップ;被験者からの上記生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度を決定するステップ;および参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値と比較して、上記被験者ががんを有するまたはがんを発病する増大したリスクを有すると同定するために、上記ラミニンガンマ−2モノマー濃度を提供するステップを含む。
さらなる態様において、本開示は、がんを有するまたはがんを有するリスクのある被験者に、診断、予後またはリスク分類を提供するための方法に関し、方法は、被験者から血液を含む生物学的サンプルを得るステップ;被験者からの生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度を決定するステップ;サンプルからのラミニンガンマ−2モノマー濃度を、参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値と比較するステップ;および比較を提供するステップであって、比較が参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値よりも高いサンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度を含む場合、比較は、被験者を、がんを有するまたはがんを発病する増大したリスクを有すると同定するステップ、を含む。
別の態様において、本開示は、被験者においてがんを検出し、診断しまたは予後判定するための方法を提供し、方法は、被験者からの血液を含むサンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度を決定することを含み、ラミニンガンマ−2モノマーの濃度が、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合する抗体とサンプルを接触させ、抗体結合を検出することによって決定され、被験者からのサンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度が参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度よりも高い場合、被験者においてがんが検出され、診断されまたは予後判定される。
さらに別の態様において、本開示は、被験者においてがんを検出し、診断しまたは予後判定するための方法を提供し、方法は、被験者からの血液を含むサンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度を決定することであり、ラミニンガンマ−2モノマーの濃度が、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合する抗体とサンプルを接触させ、抗体結合を検出することによって決定されること;および被験者からのラミニンガンマ−2モノマーの濃度を、参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度と比較することであり、被験者からのサンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度が参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度よりも高い場合、被験者においてがんが検出され、診断されまたは予後判定されること、を含む。
実施形態において、上記態様の方法は、さらに、サンプル中の少なくとも1つの追加のがんのバイオマーカーを検出することを含むことができる。方法の実施形態において、診断の提供は、膀胱がんまたは結腸直腸がんなどのがんの診断の提供であることができる。方法の他の実施形態において、予後の提供は、がんの病期の決定であることができるまたは被験者が、例えば膀胱がんまたは結腸直腸がんの侵攻性または侵襲性形態などのがんを発病する可能性またはリスクの決定であることができる。
方法は、さらに、ラミニンガンマ−2フラグメント(例えば、EGF様フラグメント)、がん胎児性抗原(CEA)、炭水化物抗原19−9(がん抗原19−9またはCA19−9とも呼ばれる)などから成る群から選ばれる、少なくとも1つの追加のがんのバイオマーカーの評価を含んでよい。追加のバイオマーカーの評価は、例えば、被験者からの生物学的サンプル中のバイオマーカーの濃度を測定することを含んでよいまたは被験者の臨床的評価を含んでよい。被験者からの生物学的サンプル中のバイオマーカーの濃度を測定することにより評価される追加のバイオマーカーのために、方法は、さらに、少なくとも1つの追加のバイオマーカーの測定された濃度を、バイオマーカーの参照値と比較することを含んでよい。本明細書に開示された方法において使用される任意の追加のバイオマーカーのための参照値は、対照サンプルのバイオマーカー濃度、バイオマーカーカットオフ値または対照被験者群からの複数の対照サンプルのメジアン濃度などに関連し得る。
一態様において、本開示は、膀胱がんまたは結腸直腸がんの治療レジメンの候補者として被験者を同定するための方法を提供し、方法は、被験者からの血清を含む生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度を決定することおよび上記サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度を参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値と比較すること、ここで、サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度が参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値よりも高い場合、被験者ががん治療レジメンの候補者として同定される、を含む。実施形態において、方法は、さらに、サンプル中の少なくとも1つの追加のがんのバイオマーカーを検出することを含むことができる。
別の実施形態において、本開示は、膀胱がんまたは結腸直腸がんなどのがんを有するまたは有するリスクのある被験者の診断、予後および/またはリスク分類のための方法を提供し、方法は、がんを有さない対照被験者に比較して増大したラミニンガンマ−2モノマー濃度を被験者において検出することを含む。
本明細書に開示された任意の方法において、ラミニンガンマ−2モノマー参照値は、対照サンプルのラミニンガンマ−2モノマー濃度またはラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値であることができる。ラミニンガンマ−2モノマー濃度は、例えば、血液(例えば、血漿または血清)中のラミニンガンマ−2モノマー濃度の参照値であることができる。対照サンプルは、対照被験者の生物学的サンプルまたはラミニンガンマ−2モノマー標準であることができる。対照サンプルのラミニンガンマ−2モノマー濃度は、例えば、一群の対照被験者からの複数の対照サンプルのメジアンラミニンガンマ−2モノマー濃度であることができる。あるいはまた、ラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値は、患者群の生物学的サンプルからの受信者動作曲線(ROC)解析により決定されることができる。あるいはまた、ラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値は、患者群の生物学的サンプルの四分位解析により決定されることができる。さらにあるいはまた、ラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値は、患者群の生物学的サンプルの平均プラス2標準偏差解析により決定され得る。例えば、ラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値は、例えば、膀胱がんまたは結腸直腸がんなどのがんを有する患者から成る患者群のメジアンに相当する値を選ぶことによって決定可能であり、これは、約900から約1000pg/ml血清であり得る。あるいはまた、ラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値は、膀胱がんまたは結腸直腸がんを有する患者から成る患者群の75パーセンタイルに相当する値を選ぶことによって決定可能であり、これは、例えば、約1,100から約1,400pg/mL血清であり得る。他の実施形態において、適切なカットオフ値は、血清中約70pg/mLから約2,500pg/mLであり得る。例えば、約1,000pg/mL血清のカットオフ値は、膀胱がんまたは結腸直腸がんの検体と正常検体を識別するために使用されてよい。同様のカットオフ値が、血漿および全血サンプルのために使用可能である。
任意の上記方法において、方法はイムノアッセイによって実施可能である。そのようなイムノアッセイにおいて採用され得る抗体の例は、モノクローナル抗体2H2である。
任意の上記方法において、被験者はヒト被験者であることができ、被験者の生物学的サンプルおよび/または対照サンプルは、ヒト被験者から採取されることができる。任意の上記方法において、生物学的サンプルは、例えば、全血、血漿もしくは血清のうちのいずれか1つまたは任意の細胞培養懸濁液もしくはその分画を含む、組織または体液からのものであることができる。本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態において、サンプルは、全血、血漿または血清であり、好適には、血漿または血清である。抗凝固剤が任意の末梢血サンプルに添加されることができる。上記方法において、ラミニンガンマ−2モノマーおよび場合によって少なくとも1つの追加のバイオマーカーの濃度を決定することは、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合することのできる試薬および場合によって追加のバイオマーカーに特異的に結合することのできる試薬が使用される、免疫学的アッセイ方法によって実施可能である。
別の態様において、本開示は、本明細書に開示された任意の方法およびアッセイを実施するためのキットを提供し、キットは、被験者からの生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度の定量化を可能とする、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合することのできる少なくとも1つの試薬、および参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度を示す参照標準を含む。(膀胱がんまたは結腸直腸がんなどの)がんを有するまたはがんを有するリスクのある被験者の診断、予後またはリスク分類を提供するための方法を実施するためのキットにおいて、キットは、少なくとも1つの試薬であって、生物学的サンプル中の少なくとも1つの追加のバイオマーカーに特異的に結合することができ、生物学的サンプル中の少なくとも1つの追加のバイオマーカーの濃度の定量化を可能とする上記試薬、および生物学的サンプル中の上記少なくとも1つの追加のがんのバイオマーカーの参照濃度を示す参照標準をさらに含んでよい。任意の上記キットにおいて、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合することのできる少なくとも1つの試薬は、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合することのできる少なくとも1つの抗体を含んでよい。いくつかの実施形態において、キットは、ELISAアッセイとともに使用するのに適している。
多様な検体(膀胱がん、膵臓がん、卵巣がん、結腸がん、胃がん、食道がん;および対照サンプル)中のラミニンガンマ−2モノマーの血清濃度(pg/mL)を示す。図1Aおよび1Bは同じデータを示し、1Bは0pg/mLから2000pg/mLの濃度範囲にわたってy軸を拡大している。平均濃度(実線)および1標準偏差(破線)が示される。 多様な検体(膀胱がん、膵臓がん、卵巣がん、結腸がん、胃がん、食道がん;および対照サンプル)中のラミニンガンマ−2モノマーの血清濃度(pg/mL)を示す。図1Aおよび1Bは同じデータを示し、1Bは0pg/mLから2000pg/mLの濃度範囲にわたってy軸を拡大している。平均濃度(実線)および1標準偏差(破線)が示される。 バイオマーカー、がん胎児性抗原(CEA)、炭水化物抗原19−9(CA19−9)およびラミニンγ−2モノマー(ラミニンγ−2)の受信者動作特性(ROC)プロットである。図2Aは、膀胱がん中のバイオマーカーを示す。 バイオマーカー、がん胎児性抗原(CEA)、炭水化物抗原19−9(CA19−9)およびラミニンγ−2モノマー(ラミニンγ−2)の受信者動作特性(ROC)プロットである。図2Bは、結腸直腸がん中のバイオマーカーを示す。 モノクローナル抗体D4B5および2H2(各1μg/mL)についてのウエスタンブロット分析の結果を示す。データは、モノクローナル抗体2H2が、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合し、それがラミニン5複合体を形成する場合には、ラミニンガンマ−2モノマーに結合しないことを示す。 2H2モノクローナル抗体およびラミニンガンマ−2モノマー(「g−2」)の多様な希釈物および正常検体(ABS001)からのアッセイマトリックスを用いる希釈検定実験からのデータセットのグラフ表示である。 ラミニンガンマ−2モノマーELISAを図示する。図5Aは、本明細書に記載の実施形態において使用される一般的なELISAアッセイの概略図を示す。 ラミニンガンマ−2モノマーELISAを図示する。図5Bは、0−4,000pg/mLの濃度範囲の間のラミニンガンマ−2モノマーのELISA標準曲線を示す。分析感度は、3.7pg/mLであると決定された。 組換えラミニンガンマ−2モノマーを添加したサンプル希釈物を用いるARCHITECTアッセイの分析感度を図示する。 正常検体を用いた希釈直線性のさらなる評価の結果を図示する。 正常検体におけるラミニンガンマ−2モノマーレベルの測定を図示する。
詳細な説明
本開示は、いくつかの予期しない新事実および知見に基づく。1つの一般的意味において、本開示は、例えば膀胱がんおよび結腸直腸がんなどの一定のがんの診断、予後およびリスク分類のためのバイオマーカーとしてのラミニンガンマ2モノマーの使用に関する。別の一般的意味において、本開示は、(全血、血漿または血清などの)血液を含む生物学的サンプル中のラミニンガンマ2モノマーの検出を提供する方法、アッセイおよびキットの驚くべき開発に関する。総合すれば、これらの予期しない知見は、ラミニンガンマ−2モノマーならびにそのフラグメントの一般的な測定および定量化のための既存の方法およびアッセイよりも顕著に優れた方法およびアッセイを提供する。したがって、本開示は、膀胱がんおよび結腸直腸がんを含む一定のがんを有する患者における増大した(すなわち、より高い)ラミニンガンマ2モノマーの血清レベルの間に新規な関連性を認める(例えば、がんを有する被験者、がんを発病するリスクの増大した被験者、被験者をがん治療法の候補者として同定すること)。いくつかの非限定的な実施形態の例証を通じて本明細書に全体として開示されるとおり、血液を含む生物学的サンプル中の増大したラミニンガンマ2モノマーの濃度またはレベルは、がん(例えば、結腸直腸がんおよび/または膀胱がん)と関連し得る。増大したラミニンガンマ2モノマーの血液レベルとがんの間の関連は、がんにおける病期、疾患発症、臨床的進行および/または疾患重症度を強力に予測する。(患者の尿排出量に基づくラミニンガンマ−2モノマーの測定および/またはそのEGF様フラグメントへのラミニンガンマ−2モノマーのタンパク質分解性プロセシングに依存するものなどの)既存の方法およびアッセイとは対照的に、本明細書に提供される方法およびアッセイの実施形態は、任意の被験者から容易に得られることのできる単純で簡便なステップを含む。したがって、血液中のラミニンガンマ2モノマーの評価レベルは、がんを診断するため、がん治療またはがんの重症度の予後を提供するためおよび/または患者のがん発病のリスクを層化もしくは識別するために使用される現行の方法およびアッセイを改善することができ、それによって、がんを有するまたはがんを発病するリスクのある患者に顕著に利益を与える。さらに、ラミニンガンマ2モノマーと追加のバイオマーカーの併用は、さらなる利益を提供することができる。
したがって、本開示は、臨床的バイオマーカーとしてラミニンガンマ2モノマーを用いて、膀胱がんまたは結腸直腸がんなどのがんを有するまたは有するリスクのある被験者または被験者群の診断、予後またはリスク分類/識別を提供する方法を提供する。膀胱がんまたは結腸直腸がんの処置などのがん治療レジメンのための候補被験者または候補被験者群の同定方法も提供され、方法は、バイオマーカーとしてラミニンガンマ2モノマーを利用する。本開示は、開示された方法を実施するためのキットも提供する。
この項および本明細書の開示全体において使用される項見出しは、単に組織化の目的のためであり、限定的であることを意図されない。
A.定義
本明細書中で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上、別段の明らかな指示がない限り、複数の指示対象を含む。本明細書中の数値範囲の説明に関して、同じ精度を有するその間の数字が明示的に考慮される。例えば、範囲6〜9に関して、数値7および8が、6および9に加えて考慮され、範囲6.0〜7.0に関して、数値6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9および7.0が明示的に考慮される。
別段の記載がない限り、「または」の使用は「および/または」を意味する。さらに、用語「含む(incluing)」および「有する(having)」ならびに「含む(includes)」、「含まれる(included)」、「有する(has)」および「有する(have)」などのこれらの用語の他の形態の使用は限定的なものでない。
「構成要素(component)」、「構成要素(components)」または「少なくとも1つの構成要素」は、一般に、本明細書に記載の方法および本分野で知られた他の方法による、患者の尿、血液、血清または血漿サンプルなどの試験サンプルのアッセイのためのキットに含まれ得る、捕捉抗体、検出またはコンジュゲート 較正物質、対照、感度パネル、容器、バッファー、希釈剤、塩、酵素、酵素の補因子、検出試薬、前処理試薬/溶液、(例えば、溶液としての)基質、停止溶液などをさす。いくつかの構成要素は、アッセイにおける使用のために溶液中にあることができるまたは再構成のために凍結乾燥されることができる。
組成物に言及するときに本明細書中で使用される「対照」は、着目の分析物、例えば、ラミニンガンマ2モノマー(ラミニンガンマ2モノマーもしくはラミニンガンマ2モノマーの変異体もしくはそれらの組合せ)を含まない(「陰性」);または着目の分析物、例えば、ラミニンガンマ2モノマー(例えば、ヒトラミニンガンマ2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体もしくはそれらの組合せ)を含む(「陽性対照」)ことが知られた組成物をさすことができる。陽性対照は、既知濃度のラミニンガンマ2モノマーを含むことができる。「対照」、「陽性対照」および「較正物質」は、既知濃度のラミニンガンマ2モノマーを含む組成物をさすために、本明細書中で交換可能に使用され得る。「陽性対照」は、アッセイ性能特性を確立するために使用可能であり、(分析物などの)試薬の一貫性の有用な指示薬である。「正常対照者」または「健康対照者」は、被験者から採取されたサンプルもしくは検体またはがんを有さないもしくはがんを発病するリスクのない実際の被験者をさすことができる。
本明細書中で使用される場合、用語「ラミニンガンマ−2モノマー」、「ラミニン−5ガンマ−2モノマー」、「LN−5ガンマ−2モノマー」、「ガンマ−2モノマー」、「ガンマ−2」、「g−2モノマー」または単語「ガンマ」または文字「g」の代わりに記号「γ」を有する任意の上記用語は、すべて交換可能であり、(他の類義語のなかでも「カリニン」および「ナイセイン」としても知られる)ラミニン−5を構成し、(ガンマ−1種ではなく)ガンマ−2分子種の(アルファ(α)およびベータ(β)鎖ではなく)ガンマ(γ)鎖として同定されるポリペプチド鎖の1つをさす。いくつかの実施形態において、ラミニンガンマ−2モノマーは、(タンパク質、ポリペプチド、(前駆体もしくは成熟)ペプチド、融合体、誘導体、変異体などのアミノ酸配列またはそのようなアミノ酸配列をコードする(DNAまたはRNAフラグメント、切断体、融合体、誘導体、SNP、変異体などの)核酸配列を含む任意のラミニンガンマ−2モノマー配列に関連することができる。ラミニンガンマ−2モノマーは、任意の生物に由来することができ、いくつかの実施形態においては、哺乳動物を含む高等真核生物由来のアミノ酸配列を含む。いくつかの非限定的実施形態において、ラミニンガンマ−2モノマーは、(アイソフォームaおよびb、UniProtKB/Swiss−Prot:Q13753;RefSeq NP_005553.2を含む)ヒト、マウス(ハツカネズミ(M.ムスキュルス(M.musculus)、UniProt:E9Q7G3;RefSeq NP_032511.3)、ラット(R.ノーベギクス(R.norvegicus)、GenBank:NP_001094110(前駆体タンパク質);UniProtKB/TrEMBL:F1LRH4)およびニワトリ(G.ガルス(G.gallus)、GenBank AAS92197:UniProtKB/TrEMBL Q6PVZ6(部分配列))ならびにハエおよび線虫のうちのいずれかから選ばれることができる。
いくつかの実施形態において、ラミニンガンマ−2モノマーは、(GenBank寄託番号NM_005562(mRNA)によりコードされるもしくはUniProtKB寄託番号Q13753に関連するアミノ酸配列である)ヒトラミニン−5ガンマ−2モノマーを含む。ヒトにおいて、ラミニンガンマ−2モノマー(または「LAMC2」)遺伝子は、1番染色体のqアーム上に位置する(1q25.3)。ヒトラミニンガンマ−2モノマー配列は、切断されて成熟した分泌タンパク質(アミノ酸22−1193)を生成する(通常、アミノ酸1−21である)シグナルペプチドを含む前駆体タンパク質配列を含むことができる。ラミニンガンマ−2モノマーは、任意の融合タンパク質ならびに任意のアミノ酸配列変異体も含むことができる。上記のように、ラミニンガンマ−2モノマーは、大部分が基底層および基底膜に局在するラミニン5に特有である。
本明細書中で使用される「標識」および「検出可能な標識」は、抗体または分析物に結合されて、抗体と分析物との間の反応を検出可能とする部分をさし、そうして標識化された抗体または分析物は、「検出可能に標識化された」と称される。標識は、視覚または機器的手段によって検出可能なシグナルを生成することができる。多様な標識は、クロモゲン、蛍光化合物、化学発光化合物、放射活性化合物などのシグナル生成物質を含む。標識の代表例は、アクリジニウム化合物などの光を生成する部分およびフルオレッセインなどの蛍光を生成する部分を含む。他の標識は本明細書に記載される。この点で、上記部分自体は検出可能であることができないが、さらなる別の部分との反応に際して検出可能となり得る。用語「検出可能に標識化された」の使用は、そのような標識化を包含することを意図される。
本分野で知られた任意の好ましい検出可能な標識が使用可能である。例えば、検出可能な標識は、(H、125I、35S、14C、32Pおよび33Pなどの)放射活性標識、(ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリペルオキシダーゼ、グルコース6−ホスフェートデヒドロゲナーゼなどの)酵素標識、(アクリジニウムエステル、チオエステルまたはスルホンアミド;ルミノール、イソルミノール、フェナントリジニウムエステルなどの)化学発光標識、(フルオレッセイン(例えば、5−フルオレッセイン、6−カルボキシフルオレッセイン、3’6−カルボキシフルオレッセイン、5(6)−カルボキシフルオレッセイン、6−ヘキサクロロ−フルオレッセイン、6−テトラクロロフルオレッセイン、フルオレッセインイソチオシアネートなどの)蛍光標識、ローダミン、フィコビリタンパク質、R−フィコエリトリン、量子ドット(例えば、硫化亜鉛でキャップされたカドミウムセレニド)、サーモメトリック標識または免疫ポリメラーゼ連鎖反応標識であることができる。標識、標識化手順および標識の検出への序論は、PolakおよびVan Noorden、Introduction to Immunocytochemistry、第2版、Springer Verlag、N.Y.(1997)およびMolecular Probes,Inc.、Eugene、Oregonにより出版されたハンドブックとカタログが統合されたHaugland、Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(1996)中に見られる。蛍光標識は、FPIAにおいて使用可能である(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,593,896号、同第5,573,904号、同第5,496,925号、同第5,359,093号および同第5,352,803号を参照のこと。)。アクリジニウム化合物は、均一系化学発光アッセイにおいて検出可能な標識として使用可能である(例えば、Adamczykら、Bioorg.Med.Chem.Lett.16:1324−1328頁(2006);Adamczykら、Bioorg.Med.Chem.Lett.4:2313−2317頁(2004);Adamczykら、Biorg.Med.Chem.Lett.14:3917−3921頁(2004);およびAdamczykら、Org.Lett.5:3779−3782頁(2003)を参照のこと。)。
一態様において、アクリジニウム化合物は、アクリジニウム−9−カルボキサミドである。アクリジニウム−9−カルボキサミドの調製方法は、(それぞれ、これに関する教示のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)Mattingly、J.Biolumin.Chemilumin.6:107−114頁(1991);Adamczykら、J.Org.Chem.63:5636−5639頁(1998);Adamczykら、Tetrahedron 55:10899−10914頁(1999);Adamczykら、Org.Lett.1:779−781頁(1999);Adamczykら、Bioconjugate Chem.11:714−724頁(2000);Mattinglyら、In Luminescence Biotechnology:Instruments and Applications;Dyke,K.V.編;CRC Press:Boca Raton、77−105頁(2002);Adamczykら、Org.Lett.5:3779−3782頁(2003);および米国特許第5,468,646号、同第5,543,524号および同第5,783,699号に記載されている。
アクリジニウム化合物の別の例は、アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルである。式IIのアクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルの例は、(Cayman Chemical,Ann Arbor,MIから入手可能な)10−メチル−9−(フェノキシカルボニル)アクリジニウムフルオロスルホネートである。アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルの調製方法は、(それぞれ、これに関するその教示のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)McCapraら、Photochem.Photobiol.4:1111−21頁(1965);Razaviら、Luminescence 15:245−249頁(2000);Razaviら、Luminescence 15:239−244頁(2000);および米国特許第5,241,070号に記載されている。そのようなアクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルは、シグナルの強度および/またはシグナルの迅速性に関して、少なくとも1つのオキシダーゼによる分析物の酸化において生成される過酸化水素のための効率的な化学発光指示薬である。アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルのための化学発光による発光の経過は、迅速に、すなわち、1秒足らずで完了するが、アクリジニウム−9−カルボキサミドの化学発光による発光は2秒に及ぶ。しかしながら、アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルは、タンパク質の存在下でその化学発光特性を失う。したがって、その使用においてシグナル生成および検出の間にタンパク質が存在しないことが好適である。サンプル中のタンパク質の分離または除去方法は、本分野の当業者に周知であり、限外濾過、抽出、沈殿、透析、クロマトグラフィーおよび/または消化を含むが、これらに限定されない(例えば、Wells、High Throughput Bioanalytical Sample Preparation.Methods and Automation Strategies、Elsevier(2003)を参照のこと。)。試験サンプルから除去されるまたは分離されるタンパク質の量は、約40%、約45%,約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%もしくは約95%または少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%もしくは少なくとも約95%であることができる。アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルに関するさらなる詳細およびその使用は、2007年4月9日に出願された米国特許出願第11/697,835号に示されている。アクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルは、脱気した無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはコール酸ナトリウム水溶液などの任意の好適な溶媒に溶解可能である。
「所定のカットオフ」および「所定のレベル」は、一般に、アッセイ結果を該所定のカットオフ/レベルと比較することによって、診断、予後または治療の有効性を評価するために使用されるアッセイカットオフ値をさし、該所定のカットオフ/レベルはすでに多様な臨床パラメータ(例えば、疾患の存在、病期、疾患重症度、疾患の進行、非進行または改善)に関連づけられているまたは関係づけられている。本開示は、代表的な所定のレベルを提供する。しかしながら、カットオフ値が(例えば、使用される抗体、反応条件、サンプル純度などの)イムノアッセイの性質によって変化し得ることは周知である。さらに、本開示によって提供される記載に基づいて、他のイムノアッセイのためのイムノアッセイ特異的なカットオフ値を得るために、本明細書の開示をこれらの他のイムノアッセイに適合させることは、十分に本分野の当業者の能力の範囲内にある。所定のカットオフ/レベルの正確な値はアッセイ間で変動し得るが、本明細書に記載の相関関係は一般に適用可能でなくてはならない。
本明細書に記載の診断または予後アッセイにおいて使用される溶解、沈殿および/または可溶化試薬などの「前処理試薬」は、任意の細胞を溶解するおよび/または試験サンプル中に存在する任意の分析物を可溶化するものである。本明細書においてさらに記載されるとおり、前処理はすべての細胞のために必要なわけではない。中でも、(ラミニンガンマ−2モノマーなどの)分析物を可溶化することは、血液サンプルなどのサンプル中に存在する任意の内因性結合タンパク質からの分析物の放出(例えば、結合の解離または減少)を伴う。前処理試薬は、(分離ステップを必要としない)均一なまたは(分離ステップを必要とする)不均一なものであってよい。不均一な前処理試薬の使用により、アッセイの次のステップに進む前に、任意の沈殿した分析物結合タンパク質が試験サンプルから除去される。前処理試薬は、場合によって:(a)1つ以上の溶媒および塩、(b)1つ以上の溶媒、塩および界面活性剤、(c)界面活性剤、(d)界面活性剤および塩または(e)細胞溶解および/または分析物の可溶化に適した任意の試薬もしくは試薬の組合せを含むことができる。
本明細書に記載のイムノアッセイおよびキットとの関連で「品質管理試薬」は、較正物質、対照および感度パネルを含むがこれらに限定されない。(例えば、複数などの1つ以上の)「較正物質」または「標準物質」は、典型的に、抗体または分析物などの分析物の濃度の内挿のための較正(標準)曲線を確立するために使用される。あるいはまた、所定の陽性/陰性カットオフに近い単一の較正物質が使用可能である。複数の較正物質(すなわち、1つを超える較正物質または可変量の較正物質)を、「感度パネル」を構成するために一緒に使用することができる。
「サンプル」、「試験サンプル」、「検体」、「被験者からのサンプル」および「患者サンプル」は、本明細書において交換可能に使用され得る。血液、組織、尿、血清、血漿、羊水、脳脊髄液、胎盤細胞もしくは組織、内皮細胞、白血球もしくは単球のサンプルなどのサンプルが、患者から得られて直接使用可能である、または本明細書で検討された何らかの方法もしくは本分野で知られた他の方法でサンプルの特性を改変するために、ろ過、蒸留、抽出、濃縮、遠心分離、妨害成分の不活性化、試薬の添加などにより前処理されることが可能である。
「一連の較正組成物」は、既知濃度のラミニンガンマ−2モノマーを含む複数の組成物をさし、各組成物は、ラミニンガンマ−2モノマーの濃度によって上記一連の組成物の中の他の組成物と異なる。
「特異的結合パートナー」は、特異的結合対のメンバーをさす。特異的結合対は、2つの異なる分子を含み、これらは、化学的または物理的手段によって相互に特異的に結合する。したがって、一般的なイムノアッセイの抗原および抗体の特異的結合対に加えて、他の特異的結合対は、ビオチンおよびアビジン(またはストレプトアビジン)、炭化水素およびレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターおよびレセプター分子、補因子および酵素、酵素および酵素阻害剤などを含むことができる。さらに、特異的結合対は、元の特異的結合メンバーの類似体であるメンバー、例えば、分析物−類似体を含み得る。免疫反応性の特異的結合メンバーは、抗原、抗原フラグメントおよび抗体を含み、抗体は、単離されたか組換え生産されたかにかかわらないモノクローナルおよびポリクローナル抗体ならびにそれらの複合体およびフラグメントを含む。
本明細書中で使用される「トレーサー」は、フルオレッセイン部分にコンジュゲーションされたラミニンガンマ−2モノマーなどの、標識にコンジュゲーションされた分析物または分析物フラグメントをさし、標識にコンジュゲーションされた分析物は、抗体上の分析物に特異的な部位に関して分析物と効果的に競合することができる。
本明細書中で使用される場合、用語「がん」は、未制御の細胞増殖、成長、浸潤および転移または(血管新生性、新生物性もしくは腫瘍原性の細胞増殖などの)腫瘤に関連した任意の悪性疾患をさす。いくつかの実施形態において、がんは、膀胱がんまたは結腸直腸がんを含むことができる。
典型的に、膀胱がんは(移行細胞と呼ばれる)膀胱を裏打ちする細胞に由来し、腫瘍の成長のしかたに基づいて分類される。乳頭腫瘍は、外見がこぶ様であり、柄に結合している。非乳頭(固着)腫瘍は、はるかに一般的でないが、より浸潤性であり、典型的により悪い転帰に関連する。喫煙、化学物質への曝露、長期の膀胱感染症ならびに化学療法薬シクロホスファミドおよび放射線治療を含む多くのリスク因子が、膀胱がんを発病する可能性の増大と関連する。
膀胱がんは通常、腹痛、血尿、骨痛、疲労、排尿痛、頻尿および/または尿しぶり、失禁ならびに体重減少を含み得る多数の症状に関連する。膀胱がんを検出するための既存の検査は、腹部CTスキャン、骨盤CTスキャン、膀胱生検、膀胱鏡検査、経静脈腎盂造影、検尿および尿細胞診を含む。膀胱がんは、典型的に、0とIVの間のステージで段階的にランク付けされ、ステージ0は、膀胱内膜内のみにある非浸潤性の腫瘍を含み;ステージIは、膀胱内膜を貫く、膀胱の筋層には達していない穿通を含み;ステージIIは、筋層に達する腫瘍を含み;ステージIIIは、筋肉を貫く膀胱周囲の組織へ穿通する腫瘍を含み;およびステージIVは、(隣接するリンパ節または遠隔部位などへの)転移性疾患を含む。膀胱がんが広がると、前立腺、直腸、尿管、子宮および膣を含む器官および組織に最初に見られることが多い。転移性膀胱がんは、しばしば、骨、肝臓および/または肺を含む。
処置は、典型的に、疾患の多様なステージに基づき、ステージ0およびIの疾患のための処置は、特異的に膀胱に対する化学療法および/または免疫療法を伴う(局所的な部分切除などの)腫瘍を除去するための手術を含む。ステージIIおよびIIIにおいて、治療法は、膀胱の部分的もしくは全体的な除去、その後の放射線および化学療法、手術前に腫瘍の退縮を試みるための術前化学療法、または手術の適格性のない患者のための放射線および化学療法の組合せを含み得る。ステージIVにおいて、膀胱がんは、典型的に末期とみなされ、治療方針は典型的に化学療法を含む。
ステージ0またはIの膀胱がん患者は、予後がかなり良好である。がんが再発するリスクが高い一方、再発する膀胱がんのほとんどは、手術により除去され、治癒することが可能である。ステージIIIの腫瘍を有する人々の治癒率は、50%未満である。ステージIVの膀胱がんは、めったに治癒しない。
いくつかの実施態様において、がんは結腸直腸(または結腸)がんを含むことができ、これは、典型的に、大腸(結腸)または直腸(結腸の末端)に由来するがん腫である。米国において、結腸直腸がんは、がん関連死の主要原因の一つとして挙げられることが多い。早期診断は、しばしば、疾患の完治と関連する。結腸がんには単一の原因はない一方、ほとんどすべての結腸がんは、最初に良性でゆっくりと悪性のがんになるポリープから始まる。結腸直腸がんに関連するリスク因子は、年齢(60歳超)、喫煙、アルコール消費、赤肉および/または加工肉に富む食事、結腸直腸ポリープ、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)、結腸直腸がんの家族歴、リンチ症候群を含む遺伝的素質および家族性腺腫様ポリープ(FAP)を含む。
多くの場合、結腸直腸がんは症状を示さない可能性がある。しかしながら、ある場合には、腹痛および圧痛、血便、下痢、便秘、細い便ならびに未解明の体重減少も示す。上記のとおり、結腸直腸がんの早期検出は、優れた予後(治癒)をもたらすことが多い。結腸直腸がんの既存の検査およびスクリーニングは、腹部の身体的検査、便潜血反応検査(FOBT)、結腸内視鏡検査、S状結腸鏡検査および貧血と適切な肝機能に関する血液検査を含む。結腸がんの多様なステージ(0−IV)は、典型的に以下のように特徴づけられる:ステージ0、小腸の最も内側の層におけるがん;ステージI、結腸の数個の内部層中のがん;ステージII、がんは結腸の筋肉壁まで広がっている;ステージIII、がんはリンパ節まで広がっている;ステージIV、がんは他の器官まで広がっている。
結腸直腸がんの処置は、(結腸切除などの)手術、化学療法および放射線療法のいずれか1つまたはその組合せを含むことができ、それは、典型的に疾患のステージに依存する。典型的に、結腸直腸がんが検出され、(ステージ0−IIIなどの)早期に処置される患者は、診断後5年間生存可能で、疾患が治癒したとみなされることができる。ステージIVの結腸直腸がんは、典型的に治癒可能であると考えられる。
がんの診断は、典型的に、上記の任意の1つ以上の臨床検査または診断検査によって行われ、身体的検査、画像検査、放射線写真(X線)および本明細書に記載のまたは本分野で知られた実験室診断のうちのいずれか1つまたはその組合せを含み得る。がん胎児性抗原(CEA)および炭水化物抗原19−9(CA19−9)を含む数種のバイオマーカーが、結腸直腸がんの診断において使用される。
CEAは、細胞接着に関与する糖タンパク質であり、通常は胚発生の間に産生され、誕生前に停止する。CEAは、最初にヒト結腸がん抽出物からの組織抽出物中で検出され、増大した血清中レベルは、結腸直腸がん腫ならびに消化器官、膵臓、肺、***および髄様甲状腺のがん腫に伴っている。CEAの正常レベルは約2.5ng/mLである。それにもかかわらず、CEAマーカーは、がんを診断するためにまたはがんの早期検出のためのスクリーニング検査として完全に信頼できるものではない。
CA19−9は、結腸および膵臓がんのマーカーとして関係付けられ、同定された一方、偽陰性結果および偽陽性結果の両方の高い発生率と関連づけられてきた。さらに、ルイス抗原を有さない患者においては、該患者が腫瘍に罹患している場合にさえ、CA19−9は発現されない。それにもかかわらず、CA19−9が結腸直腸がん、食道がんおよび肝細胞がん腫などの多くの種類の胃腸がんにおいて上昇し得るため、(結腸直腸がんなどの)がんバイオマーカーとして使用される。
したがって、CEAおよびCA19−9はどちらも一定の種類のがんと関連しており、(膀胱がんまたは結腸直腸がんなどの)疾患を診断するためのバイオマーカーとして使用される。しかしながら、これらのマーカーは、望ましい感度を有さず、患者におけるがんの正確なおよび/または早期の診断に必要とされる感度および特異性を有さない。
本明細書中で使用される場合、用語、(患者などの)被験者の「リスク評価」、「リスク分類」、「リスク識別」または「リスク層化」は、被験者に関する治療決定がさらに多くの情報に基づいて行われ得るように、疾患の発症または疾患の進行を含む将来のイベントの発生リスクを予知するためのバイオマーカーを含む因子の評価をさす。
本明細書中で使用される場合、用語、被験者の「がんリスク」または「がんを発病するリスク」は、増大したがん発症の確率、がんの進行およびがんに伴う臨床症状の発生/重症度を含む、がんを発病するリスクを予測するためのバイオマーカーを含む因子の評価をさす。ラミニンガンマ−2モノマーレベルに加えて、疾患の予後不良を示し得る他の因子は、腫瘍サイズ、病期、CA19−9および/またはCEAの血清濃度、がんの家族歴および/または個人歴、ならびに任意の主症状の増大した臨床的重症度を含む。したがって、いくつかの実施形態において、上記方法は、患者からのサンプル中のラミニンガンマ−2モノマーのレベルを、本明細書に記載のまたは本分野で知られた任意の1つ以上の予後因子とともに検出/決定することを含む、がんの発症またはがんの進行の予後を提供することに関する。
本明細書中で使用される場合、用語「特異的結合」または「特異的に結合すること」は、抗体、タンパク質またはペプチドと第2の化学種の相互作用をさし、該相互作用は、該化学種上の特別な構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存し;例えば、抗体は、一般的にタンパク質にではなく、特定のタンパク質構造を認識してそれに結合する。抗体がエピトープ「A」に対して特異的である場合、標識化された「A」および抗体を含有する反応中のエピトープA(または遊離の標識化されないA)を含む分子の存在は、抗体に結合された標識化されたAの量を減少させる。
本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、イムノグロブリン分子またはその免疫学的に活性な部分、すなわち、抗原結合部分をさす。イムノグロブリン分子の免疫学的に活性な部分の例としては、ペプシンなどの酵素で抗体を処理することによって作製可能なF(ab)およびF(ab’)フラグメントが挙げられる。本開示において使用可能な抗体の例としては、抗血清、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、組換え抗体、一本鎖Fvs(「scFv」)、親和性成熟抗体、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、F(ab)フラグメント、F(ab’)フラグメント、ジスルフィド連結Fvs(「sdFv」)および抗イディオタイプ(「抗−Id」)抗体および上記のいずれかの機能活性エピトープ結合フラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、用語「被験者」および「患者」は、該被験者が任意の形態の処置を受けていたか現在受けているかにかかわらず、交換可能に使用される。本明細書中で使用される場合、用語「被験者」は、哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラットおよびマウス、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル、チンパンジーなどのサル)およびヒト)を含むが、これらに限定されない任意の脊椎動物を指すことができる。いくつかの実施形態において、被験者はヒトまたは非ヒトであってよい。いくつかの実施形態において、被験者は、膀胱がんまたは結腸直腸がんなどのがんを発病するリスクのあるまたは既に有するヒト患者であってよい。
本明細書中で使用される用語「サンプル」および「生物学的サンプル」は、一般に、ラミニンガンマ−2モノマーなどの着目の分析物を含有することに関して試験されるおよび/または含有することが疑われる生物学的材料をさす。サンプルは、被験者から採取されたまたは由来する任意の組織サンプルであってよい。いくつかの実施形態において、被験者からのサンプルはタンパク質を含んでよい。いくつかの実施形態において、被験者からのサンプルは(ポリヌクレオチド、mRNAなどの)核酸を含んでよい。
サンプルを得るために、任意の細胞型、組織または体液が利用されてよい。そのような細胞型、組織および体液は、生検および剖検サンプルなどの組織の切片、組織学の目的のために採取された凍結切片、(全血などの)血液、血漿、血清、痰、便、涙、粘液、唾液、気管支肺胞洗浄(BAL)液、毛、皮膚、赤血球、血小板、間質液、眼球水晶体液、脳脊髄液、汗、鼻汁、滑液、帯下、羊水、***などを含み得る。細胞型および組織は、リンパ液、腹水、婦人科学的な液体、尿、腹腔液、脳脊髄液、膣のすすぎによって集めた体液または膣洗浄によって集めた体液を含んでよい。組織または細胞型は、動物から細胞のサンプルを除去することによって提供され得るが、先に単離された(例えば、別の人から、別の時におよび/または別の目的のために単離された)細胞を用いることによって達成されることもできる。処置または転帰歴を有するものなどの保存記録用組織も使用されてよい。タンパク質またはヌクレオチドの単離および/または精製が不必要な場合もある。
例えば、本明細書に提供される抗体が免疫診断試薬として採用されるおよび/またはラミニンガンマ−2モノマーアッセイキットにおいて採用される場合、尿、血液、血清および血漿ならびに他の体液を収集し、取扱いおよび加工するための本分野で周知の方法が、本開示の実施において使用される。抗体、抗原、ハプテン、ホルモン、薬物、酵素、受容体、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドなどの着目の分析物に加えて、試験サンプルはさらなる部分を含むことができる。例えば、サンプルは、被験者から得られた全血サンプルであることができる。試験サンプル、特に全血が本明細書に記載の免疫アッセイの前に、例えば、前処理試薬により処理されることが必要または望ましいことがある。(ほとんどの尿サンプル、あらかじめ加工された保存記録用サンプルなどの)前処理が必要でない場合でさえ、サンプルの前処理は、単に便宜上、(例えば、商業的プラットフォームのプロトコールの一部として)実施され得る選択肢である。サンプルは、被験者から得られて直接使用されてよい、またはサンプルの特性を改変するための前処理に続いて使用されてよい。前処理は、抽出、濃縮、妨害成分の不活性化および/または試薬の添加を含んでよい。
前処理試薬は、本明細書に記載のイムノアッセイなどのアッセイおよびキットとともに使用するのに適した任意の試薬であることができる。前処理は、場合によって:(a)1つ以上の(メタノールおよびエチレングリコールなどの)溶媒および塩、(b)1つ以上の溶媒、塩および界面活性剤、(c)界面活性剤、または(d)界面活性剤および塩を含む。前処理試薬は、本分野で知られており、そのような前処理は、例えば、文献に記載の(例えば、Yatscoffら、Abbott TDx Monoclonal Antibody Assay Evaluated for Measuring Cyclosporine in Whole Blood、Clin.Chem.36:1969−1973頁(1990)およびWallemacqら、Evaluation of the New AxSYM Cyclosporine Assay:Comparison with TDx Monoclonal Whole Blood and EMIT Cyclosporine Assays、Clin.Chem.45:432−435頁(1999)を参照のこと。)Abbott TDx、AxSYM(登録商標)およびARCHITECT(登録商標)アナライザー(Abott Laboratories、Abbott Park,IL)におけるアッセイのために使用されるものおよび/または市販のものとして採用可能である。さらに、前処理は、(前処理に関するその教示のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)Abbottの米国特許第5,135,875号、ヨーロッパ特許公開第0471293号および米国特許出願公開第2008/0020401号に記載のとおりに行われることができる。前処理試薬は、不均一な作用物質または均一な作用物質である。
不均一な前処理試薬の使用により、サンプル中に存在する分析物結合性タンパク質(例えば、ラミニンガンマ−2モノマーに結合可能なタンパク質)を前処理試薬が沈殿させる。そのような前処理ステップは、サンプルへの前処理剤の添加により形成された混合物の上清を、沈殿した分析物結合性タンパク質から分離することによって、任意の分析物結合性タンパク質を除去することを含む。そのようなアッセイにおいて、いかなる結合性タンパク質も含まない混合物の上清がアッセイにおいて使用され、抗体捕捉ステップへ直接進む。
均一な前処理試薬の使用により、そのような分離ステップはない。試験サンプルおよび前処理試薬の混合物全体が、標識化された特異的結合パートナーラミニンガンマ−2モノマーまたは標識化された抗ラミニンガンマ−2モノマーモノクローナル抗体(またはその抗原反応性フラグメント)などのラミニンガンマ−2モノマーの変異体と接触させられる。そのようなアッセイのために採用される前処理試薬は、典型的に、第1の特異的結合パートナーによる捕捉の前またはその間に前処理された試験サンプル混合物中で希釈される。そのような希釈にもかかわらず、一定量の前処理試薬(例えば、5Mメタノールおよび/または0.6Mエチレングリコール)が、捕捉の間、試験サンプル混合物中になお存在する(または残留する)。
本明細書中に別段の定めのない限り、本開示との関係において使用される科学的および技術的用語は、本分野の当業者により一般に理解される意味を有するものとする。例えば、本明細書に記載の細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学ならびにタンパク質および核酸化学ならびにハイブリダイゼーションとの関係で使用される任意の命名法およびその技術は、本分野において周知であり、よく使用されるものである。用語の意味および範囲は明確でなければならず;それでも、任意の潜在的なあいまいさがある場合には、本明細書中に提供される定義が任意の辞書または外部の定義に優先する。さらに、文脈上、別段の要求のない限り、単数形の用語は複数を包含し、複数形の用語は単数形を包含するものとする。
B.方法
方法は、被験者の診断または予後を提供することを包含し、がんに関して、被験者ががんを有すると決定すること、がんの重症度を決定すること、被験者のがんを発病するリスク(すなわち、疾患発症の可能性)を決定すること、がん治療レジメンの有効性を決定すること、被験者をがん治療法の候補者として同定することおよびがんを有する被験者における疾患の進行に関するリスク評価のうちの任意の1つ以上を含む。方法は、部分的に、被験者からの(血液、血清または血漿などの)生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度が、被験者における(膀胱がんまたは結腸直腸がんなどの)がんを予測できるまたは診断でき、したがって、ラミニンガンマ−2モノマーが、がんの予後または診断バイオマーカーとして使用可能であるという予期しない知見に基づく。
方法は、被験者からの生物学的サンプルを提供するまたは得ることを含み、サンプルは、針刺し、針生検、スワブなどを含む任意の知られた手段によって得られることができる。方法のある実施形態において、生物学的サンプルは血液サンプル、好ましくは、血漿サンプルまたは血清サンプルであり、静脈穿刺などの標準的な技術のいずれかによって得られてよい。方法において使用される生物学的サンプルは、好適な組織貯蔵条件下で貯蔵または預託されてよいまたは好適な条件下で先に貯蔵または預託されたサンプルから入手可能である。いくつかの実施形態において、方法は、被験者からの生物学的サンプルの先のアッセイまたは分析からのデータを再調査すること(例えば、ラミニンガンマ−2モノマーおよび/またはCEAおよびCA19−9のうちのいずれか1つ以上などの別のバイオマーカーの測定)を含む。
方法は、被験者におけるラミニンガンマ−2モノマー濃度を決定することによる、がんを有するまたはがんを有することが疑われる被験者にけるがんの診断、予後および/またはリスク層化のための方法を包含する。診断の提供は、例えば、被験者におけるがんの診断を提供することであることができ、該被験者は、先に、がんを有すると診断されていない(またはがんを有するリスクがあると同定されていない)、がんを有するか否かが疑われた可能性がある。これに代えてまたは追加して、予後の提供は、例えば、がんの重症度もしくは病期を決定することであることができるまたはリスク評価、すなわち、被験者ががんを発病する可能性の決定、であることができる。方法は、がんを発病するリスクの増大した1人以上の患者または患者亜群を同定することも包含する。すべての方法が共有する特徴は、本明細書に記載の生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度の決定であり、ラミニンガンマ−2モノマーの参照値に比較して増大したサンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度が、がんまたはがんを発病する増大したリスクを示す。
ラミニンガンマ−2モノマー濃度は、参照値または所定のレベル、すなわち、本明細書に記載の参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値に比較して増大したとみなされる。例えば、参照濃度値として有用なラミニンガンマ−2モノマーの血清濃度は、約500pg/mlであるが、より高くてもまたは低くてもよく、例えば、血清中約200pg/mlまたは約1000pg/ml(例えば、約200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950もしく1000pg/mlまたはそれよりも高い)であることができる。ラミニンガンマ−2モノマー濃度は、検出可能に高い(例えば、約1%から約10%高い)または顕著に高い、例えば、少なくとも20%高い(1.2倍)、少なくとも30%高い(1.3倍)、少なくとも40%高い(1.4倍)、少なくとも50%高い(1.5倍)、少なくとも60%高い(1.6倍)、少なくとも70%高い(1.7倍)、少なくとも80%高い(1.8倍)、少なくとも100%高い(2.0倍または2倍)、少なくとも150%高い(2.5倍)、少なくとも200%高い(3.0倍または3倍)場合に、参照値に比較して増大したとみなされてよい。
生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの存在、濃度または量は、本分野で知られた任意の好適なアッセイを用いて容易に決定され得る。例としては、サンドイッチイムノアッセイ(例えば、放射性同位体検出(ラジオイムノアッセイ(RIA))および酵素検出(エンザイムイムノアッセイ(EIA)または酵素結合免疫測定法(ELISA)(例えば、Quantikine ELISAアッセイ、R&D Systems、Minneapolis、MN))を含むモノクローナル−ポリクローナルサンドイッチイムノアッセイ)、競合阻害イムノアッセイ(例えば、フォワードおよびリバース)、蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)、酵素増幅イムノアッセイ法(EMIT)、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)および均一系化学発光アッセイなどが挙げられるが、これらに限定されない。SELDIに基づくイムノアッセイにおいて、着目のラミニンガンマ−2モノマー(またはその部分)に特異的に結合する捕捉試薬が、あらかじめ活性化されたタンパク質チップアレイなどの質量分析プローブの表面に結合される。次いで、ラミニンガンマ−2モノマー(ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)がバイオチップ上に特異的に捕捉され、捕捉されたラミニンガンマ−2モノマーが質量分析によって検出される。あるいはまた、ラミニンガンマ−2モノマーは、捕捉試薬から溶出されて、伝統的なMALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)によってまたはSELDIによって検出されることができる。化学発光微粒子イムノアッセイ、特に、ARCHITECT(登録商標)自動アナライザー(Abott Laboratories、Abbott Park、IL)を採用するものは、好ましいイムノアッセイの一例である。他の方法は、例えば、質量分析および(モノクローナル、ポリクローナル、キメラ、ヒト化、ヒトなどの)抗体またはラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合するそのフラグメントを用いる(組織生検からの切片によるなどの)免疫組織化学を含む。抗ラミニンガンマ−2モノマー抗体およびそれらのフラグメントは、本明細書に記載され本分野で知られた方法によって作製可能である。あるいはまた、市販の抗ラミニンガンマ−2モノマー抗体が、本明細書に記載のとおりに使用可能である。他の検出方法は、例えば、それぞれ、その全が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,143,576号;同第6,113,855号;同第6,019,944号;同第5,985,579号;同第5,947,124号;同第5,939,272号;同第5,922,615号;同第5,885,527号;同第5,851,776号;同第5,824,799号;同第5,679,526号;同第5,525,524号;および同第5,480,792号中に記載されたものを含む。
ラミニンガンマ−2モノマーまたはその変異体またはそれらの任意の組合せは、イムノアッセイを用いて分析されてよい。ラミニンガンマ−2モノマーの存在または量は、抗体を用い、ラミニンガンマ−2モノマーへの特異的結合を検出することによって決定されることができる。所望により、本明細書に記載の抗体の1つ以上が、1つ以上の市販のモノクローナル/ポリクローナル抗体とともに使用されることができる。そのような抗体は、LifeSpan Biosciences,Inc.(Seattle、WA)、Acris Antibodies,Inc.(San Diego、CA)、Raybiotech,Inc.(Norcross、GA)、Atlas Antibodies(Stockholm、Sweden)、Sigma−Aldrich(St.Louis、MO)、IMGENEX(San Diego、CA)、GeneTex(Irvine、CA)、Abcam(Cambridge、MA)、Novus Biologicals(Littleton、CO)、Santa Cruz Biotechnology,Inc.(Santa Cruz、CA)、Cell Sciences(Canton、MA)、US Biological(Swampscott、MA)、AbD Serotec(Raleigh、NC)、R&D Systems,Inc.(Minneapolis、MN)、Thermo Scientific Pierce Products(Rockford、IL)、Abnova(Taiwan & Walnut、CA)およびEnzo Life Sciences International,Inc.(Plymouth Meeting、PA)などの会社から市販されている。
任意のイムノアッセイが利用されてよい。イムノアッセイは、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、フォワードもしくはリバース競合阻害アッセイなどの競合阻害アッセイ、蛍光偏光イムノアッセイまたは競合結合アッセイなどであってよい。ELISAは、サンドイッチELISAであってよい。
不均一系フォーマットが使用され得る。例えば、試験サンプルが被験者から得られた後、第1の混合物が調製される。該混合物は、(ラミニンガンマ−2モノマーの変異体または任意のそれらの組合せを含む)ラミニンガンマ−2モノマーに関して評価される試験サンプルおよび第1の特異的結合パートナーを含有し、該第1の特異的結合パートナーおよび試験サンプル中に含有される任意のラミニンガンマ−2モノマーが、第1の特異的結合パートナー−ラミニンガンマ−2モノマー複合体を形成する。好ましくは、第1の特異的結合パートナーは、抗ラミニンガンマ−2モノマー抗体またはそのフラグメントである。混合物を形成するために試験サンプルと第1の特異的結合パートナーが添加される順序は、重要でない。好ましくは、第1の特異的結合パートナーは固相上に固定化される。イムノアッセイにおいて(第1の特異的結合パートナーおよび場合によって、第2の特異的結合パートナーのために)使用される固相は、磁性粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、メンブレン、足場分子、フィルム、ろ紙、ディスクおよびチップなどの、しかしこれらに限定されない本分野で知られた任意の固相であってよい。
第1の特異的結合パートナー−ラミニンガンマ−2モノマー複合体を含有する混合物が形成された後、任意の未結合のラミニンガンマ−2モノマーが、本分野で知られた任意の技術を用いて複合体から除去される。例えば、未結合のラミニンガンマ−2モノマーは、洗浄により除去されることができる。しかしながら、好適には、試験サンプル中に存在するすべてのラミニンガンマ−2モノマーが第1の特異的結合パートナーにより結合されるように、第1の特異的結合パートナーは、試験サンプル中に存在する任意のラミニンガンマ−2モノマーよりも過剰に存在する。
任意の未結合のラミニンガンマ−2モノマーが除去された後、第2の特異的結合パートナーが混合物に添加されて、第1の特異的結合パートナー−ラミニンガンマ−2モノマー−第2の特異的結合パートナー複合体を形成する。第2の特異的結合パートナーは、好ましくは、第1の特異的結合パートナーにより結合されるラミニンガンマ−2モノマー上のエピトープとは異なる、ラミニンガンマ−2モノマー上のエピトープに結合する坑ラミニンガンマ−2モノマー抗体である。さらに、第2の特異的結合パートナーは、上記の検出可能な標識で標識化されるまたはそれを含有することも好ましい。
上記のとおり、固定化された抗体またはそのフラグメントの使用がイムノアッセイに組み込まれてよい。抗体は、磁性またはクロマトグラフィー用のマトリックス粒子、(マイクロタイターウエルなどの)アッセイプレートの表面、固体基材材料片などの多様な支持体上に固定化されてよい。アッセイストリップは、固体支持体上の整列した抗体または複数の抗体をコーティングすることによって調製可能である。次いで、このストリップは生物学的試験サンプル中に浸され、洗浄および検出ステップを介して素早く処理されて、着色されたスポットなどの測定可能なシグナルを生じる。
サンドイッチELISAは、2層の抗体(すなわち、捕捉抗体(すなわち、少なくとも1つの捕捉抗体))および検出抗体(すなわち、少なくとも1つの検出抗体))の間の抗原の量を測定する。捕捉抗体および検出抗体は、ラミニンガンマ−2モノマーなどの抗原上の異なるエピトープに結合する。望ましくは、エピトープへの捕捉抗体の結合は、検出抗体のエピトープへの結合を妨害しない。モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体のいずれかが、サンドイッチELISAにおいて捕捉および検出抗体として使用されてよい。
一般に、試験サンプル中の(ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せを含めた)ラミニンガンマ−2モノマーを分離し、定量化するために、少なくとも2つの抗体が採用される。より具体的には、少なくとも2つの抗体は、ラミニンガンマ−2モノマーまたはラミニンガンマ−2モノマーの一部の一定のエピトープに結合し、「サンドイッチ」と呼ばれる免疫複合体を形成する。1つ以上の抗体が、試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマーまたはラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)を捕捉するために使用されることができ(これらの抗体は、しばしば、「捕捉」抗体(と呼ばれる。)、1つ以上の抗体が、検出可能な(すなわち、定量化可能な)標識をサンドイッチに結合するために使用される(これらの抗体は、しばしば、「検出」抗体と呼ばれる。)。サンドイッチアッセイにおいて、抗体のそのエピトープへの結合は、アッセイ中のいかなる他の抗体のそれぞれのエピトープへの結合によっても減少させられないことが望ましい。言い換えれば、抗体は、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマーまたはラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)を含有するまたは含有することが疑われる試験サンプルと接触させられた1つ以上の第1の抗体が、第2のまたは続く抗体により認識されるエピトープの全体または一部に結合せず、それによって1つ以上の第2の検出抗体がラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)に結合する能力を妨害しないように、選択される。
抗体は、上記イムノアッセイにおいて第1の抗体として使用されてよい。好ましくは、抗体は、4.2×10−11Mから7.4×10−13MのKを有する、ラミニンガンマ−2モノマーの少なくとも3つの連続したアミノ酸を含むエピトープに免疫特異的に結合する。イムノアッセイは、ラミニンガンマ−2モノマーの少なくとも3つの連続したアミノ酸を含むエピトープに免疫特異的に結合する第2の抗体を含んでよく、第2の抗体が結合する上記3つの連続したアミノ酸は、第1の抗体が結合する3つの連続したアミノ酸とは異なる。いくつかの実施形態において、抗体は、ラミニン−5よりもまたはラミニンガンマ−2モノマーのフラグメント(例えば、ラミニンガンマ−2モノマーのEGF様フラグメント)よりも、ラミニンガンマ−2モノマーに優先的に結合することができる。
ある実施形態において、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマーもしくはラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)を含有することが疑われる試験サンプルは、少なくとも1つの捕捉抗体および少なくとも1つの検出抗体と同時にまたは連続して接触させられることができる。サンドイッチアッセイフォーマットにおいて、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマーまたはラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)を含有することが疑われる試験サンプルは、最初に、抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体の形成を可能とする条件下で特定のエピトープに特異的に結合する少なくとも1つの捕捉抗体と接触させられる。1つを超える捕捉抗体が使用される場合、複数の捕捉抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体が形成される。サンドイッチアッセイにおいて、抗体、好ましくは、少なくとも1つの捕捉抗体は、試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーまたはラミニンガンマ−2モノマーの変異体の予測される最大量のモル過剰量で使用される。例えば、微粒子コーティングバッファー1mLあたりから約5μg/mLから約1mg/mLの抗体が使用されてよい。
場合によって、試験サンプルを少なくとも1つの第1の捕捉抗体と接触させる前に、該少なくとも1つの捕捉抗体は、試験サンプルからの抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体の分離を容易にする固体支持体に結合されることができる。ウエル、管またはビーズの形態のポリマー材料から作られた固体支持体を含むがこれらに限定されない、本分野で知られた任意の固体支持体が使用可能である。抗体は、抗体がラミニンガンマ−2モノマーまたはラミニンガンマ−2モノマー変異体を結合する能力をそのような結合が妨害しない限り、吸着により、化学カップリング剤を用いる共有結合により、または本分野で知られた他の手段により固体支持体に結合されることができる。さらに、必要に応じて、固体支持体は、抗体上の多様な官能基との反応性を可能とするために誘導体化されることができる。そのような誘導体化は、無水マレイン酸、N−ヒドロキシスクシンイミドおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどの、しかしこれらに限定されない、一定のカップリング剤の使用を必要とする。
ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)を含有することが疑われる試験サンプルが少なくとも1つの捕捉抗体と接触させられた後、試験サンプルは、捕捉抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体の形成を可能とするためにインキュベートされる。インキュベーションは、約4.5から約10.0のpH、約2℃から約45℃の温度において、少なくとも約1分から約18時間、約2〜6分、または約3〜4分の間、実施されることができる。
捕捉抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体の形成後、該複合体は次いで、(捕捉抗体)−ラミニンガンマ−2モノマー−検出抗体複合体の形成を可能とする条件下で)少なくとも1つの検出抗体と接触させられる。捕捉抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体が1つを超える検出抗体と接触させられる場合、捕捉抗体−ラミニンガンマ−2モノマー−検出抗体複合体が形成される。捕捉抗体と同様に、少なくとも1つの検出(および続く)抗体が、捕捉抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体と接触させられる場合、捕捉抗体−ラミニンガンマ−2モノマー−検出抗体複合体の形成のために、上記と同様の条件下でのインキュベーション期間が必要である。好ましくは、少なくとも1つの検出抗体は、検出可能な標識を含有する。捕捉抗体−ラミニンガンマ−2モノマー−検出抗体複合体の形成の前に、それと同時にまたはその後に、検出可能な標識が少なくとも1つの検出抗体に結合されることができる。本分野で知られた任意の検出可能な標識が、本明細書で検討され、本分野で知られたとおりに使用されることができる。
Adamczykら、Anal.Chim.Acta、579(1):61−67頁(2006)に記載の方法によって、化学発光アッセイが実施可能である。任意の好適なアッセイフォーマットが使用可能であるが、マイクロプレートケミルミノメーター(chemiluminometer)(Mithras LB−940、Berthold Technologies U.S.A.,LLC、Oak Ridge、TN)が、少量の複数サンプルの迅速なアッセイを可能とする。ケミルミノメーターは、96ウエルの黒色ポリスチレンマイクロプレート(Costar #3792)を用いる複数試薬用の注入器を備えることができる。各サンプルは別々のウエルに添加され、採用されるアッセイの種類により決定された他の試薬の同時の/連続した添加が続く。アクリジニウムアリールエステルを使用する中性または塩基性溶液中の疑似塩基の形成が、酸化などによって回避されることが望ましい。次いで、化学発光反応がウエルごとに記録される。これに関して、化学発光反応の記録時間は、部分的に、試薬と使用される具体的なアクリジニウムの添加の間の遅れに依存する。
化学発光アッセイのための混合物を形成するために試験サンプルと特異的結合パートナーが添加される順序は重要でない。第1の特異的結合パートナーがアクリジニウム化合物で検出可能に標識化された場合、検出可能に標識化された第1の特異的結合パートナー−ラミニンガンマ−2モノマー複合体が形成する。あるいはまた、第2の特異的結合パートナーが使用され、第2の特異的結合パートナーがアクリジニウム化合物で検出可能に標識化される場合、検出可能に標識化された第1の特異的結合パートナー−ラミニンガンマ−2モノマー−第2の特異的結合パートナー複合体が形成する。標識化されるか標識化されないかにかかわらず、任意の未結合の特異的結合パートナーが、洗浄などの本分野で知られた任意の技術を用いて混合物から除去されることができる。
過酸化水素が、上記アクリジニウム化合物の添加の前、それと同時またはその後に、混合物中、インサイチュで生成されるまたは混合物に提供されるもしくは供給されることができる。過酸化水素は、当業者に明らかな多くの方法においてインサイチュで生成されることができる。
あるいはまた、単純に過酸化水素の供給源が混合物に添加されることができる。例えば、過酸化水素の供給源は、過酸化水素を含有することが知られている1つ以上のバッファーまたは他の溶液であることができる。この点については、単純に過酸化水素の溶液が添加されることができる。
少なくとも1つの塩基性溶液のサンプルへの添加と同時のまたはそれに続く添加に際して、検出可能なシグナル、すなわち、ラミニンガンマ−2モノマーまたはその変異体の存在を示す化学発光シグナルが生成される。塩基性溶液は、少なくとも1つの塩基を含有し、10以上、好ましくは、12以上のpHを有する。塩基性溶液の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび重炭酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。サンプルに添加される塩基性溶液の量は、塩基性溶液の濃度に依存する。使用される塩基性溶液の濃度に基づいて、当業者はサンプルに添加する塩基性溶液の量を容易に決定することができる。
生成された化学発光シグナルは、本分野の当業者に知られた日常的技術を用いて検出されることができる。生成されたシグナルの強度に基づいて、サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)の量が定量化されることができる。具体的には、サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの量は、生成されたシグナルの強度に比例する。存在するラミニンガンマ−2モノマーの量は、生成された光の量をラミニンガンマ−2モノマーのための標準曲線と比較することによりまたは参照標準への比較によって定量化可能である。標準曲線は、既知濃度のラミニンガンマ−2モノマーの連続的な希釈液または溶液を用いて、質量分析法、重量分析法および本分野で知られた他の技術により作成可能である。
ARCHITECT(登録商標)(またはその後継機種)アナライザーを採用する化学発光微粒子アッセイにおいて、コンジュゲート希釈液のpHは、約5.8±0.2でなければならず、微粒子コーティングバッファーは、室温に維持されなければならず(すなわち、約17℃から約27℃)、微粒子コーティングバッファーのpHは、約5.5±0.2でなければならず、微粒子希釈液のpHは、約6.0±0.2でなければならない。固体は、約0.2%未満、例えば、約0.15%未満、約0.14%未満、約0.13%未満、約0.12%未満、約0.11%未満、約0.10%未満、約0.09%未満、約0.08%未満、約0.07%未満、約0.06%未満、約0.05%未満、約0.04%未満または約0.03%未満、例えば約0.025%未満であることが好ましい。
フォワード競合フォーマットにおいて、既知濃度の標識化されたラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)のアリコートが、(固定化されたラミニンガンマ−2モノマー抗体などの)ラミニンガンマ−2モノマー抗体への結合に関して試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーと競合するために使用される。
フォワード競合アッセイにおいて、(ラミニンガンマ−2モノマー抗体などの)固定化された抗体が、試験サンプルおよび標識化されたラミニンガンマ−2モノマーまたはラミニンガンマ−2モノマー変異体と連続的にまたは同時に接触させられることができる。ラミニンガンマ−2モノマータンパク質またはラミニンガンマ−2モノマー変異体は、抗ラミニンガンマ−2モノマー抗体に関して上で検討された検出可能な標識を含む任意の検出可能な標識で標識化されることができる。このアッセイにおいて、抗体は、固体支持体上に固定化されることができる。あるいはまた、抗体は、微粒子などの固体支持体上に固定化された抗種抗体などの抗体にカップリングされることができる。
標識化されたラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)、試験サンプルおよび抗体は、サンドイッチアッセイフォーマットに関して上記したものと同様の条件下でインキュベートされる。次いで、2つの異なる種の抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体が生成され得る。具体的には、生成された抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体のうちの一方は、検出可能な標識を含有するが、他の抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体は、検出可能な標識を含有しない。抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体は、検出可能な標識の定量化の前に残りの試験サンプルから分離されることができるが、そうしなくてはならないわけではない。抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体が残りの試験サンプルから分離されるか否かにかかわらず、抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体中の検出可能な標識の量が次に定量化される。次いで、試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)の濃度が、抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体中の検出可能な標識の量を、標準曲線と比較することによって決定されることができる。標準曲線は、既知濃度のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)の連続的な希釈液を用いて、質量分光、重量分析、および本分野で知られた他の技術により作成可能である。
抗体−ラミニンガンマ−2モノマー複合体は、サンドイッチアッセイフォーマットに関して上で検討された固体支持体などの固体支持体に抗体を結合させ、次いで、固体支持体との接触から残りの試験サンプルを除去することによって、試験サンプルから分離されることができる。
リバース競合アッセイにおいて、固定化されたラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)が、試験サンプルおよび少なくとも1つの標識化された抗体と連続的にまたは同時に接触させられることができる。好ましくは、抗体は、ラミニンガンマ−2モノマーの少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個または少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個または少なくとも30個のアミノ酸を含むエピトープに特異的に結合する。
ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)は、サンドイッチアッセイフォーマットに関して上で検討された固体支持体などの固体支持体に結合されることができる。
固定化されたラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)、試験サンプルおよび少なくとも1つの標識化された抗体が、サンドイッチアッセイフォーマットに関して上記したものと同様の条件下でインキュベートされる。次いで、2つの異なる種のラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体が生成される。具体的には、生成されたラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体のうちの一方は固定化され、検出可能な標識を含有するが、他のラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体は、固定化されず、検出可能な標識を含有する。固定化されないラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体および残りの試験サンプルは、固定化されたラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体の存在から、洗浄などの本分野で知られた技術によって除去される。固定化されないラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体が除去されると、固定化されたラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体中の検出可能な標識の量が定量化される。次いで、試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)の濃度が、ラミニンガンマ−2モノマー−複合体中の検出可能な標識の量を、標準曲線と比較することによって決定されることができる。標準曲線は、既知濃度のラミニンガンマ−2モノマーまたはラミニンガンマ−2モノマーの変異体の連続的な希釈液を用いて、質量分光、重量分析、および本分野で知られた他の技術により作成可能である。
蛍光偏光アッセイにおいて、抗体またはその機能活性フラグメントが最初に、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)を含有することが疑われる非標識化試験サンプルと接触させられて、非標識化ラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体を形成することができる。次いで、非標識化ラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体は、蛍光で標識化されたラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)と接触させられる。標識化されたラミニンガンマ−2モノマーは、抗体またはその機能活性フラグメントへの結合に関して、試験サンプル中の任意の非標識化ラミニンガンマ−2モノマーと競合する。形成された標識化ラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体の量が決定され、標準曲線の使用により、試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)の量が決定される。
蛍光偏光アッセイにおいて使用される抗体は、ラミニンガンマ−2モノマーの少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個または少なくとも30個のアミノ酸を含むエピトープに特異的に結合する。
抗体、標識化されたラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)、試験サンプルおよび少なくとも1つの標識化された抗体は、サンドイッチイムノアッセイに関して上記したものと同様の条件下でインキュベートされてよい。
あるいはまた、抗体またはその機能活性フラグメントは、蛍光で標識化されたラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)およびラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)を含有することが疑われる非標識化試験サンプルと同時に接触させられて、標識化されたラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体および非標識化ラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体の両方を形成することができる。形成された標識化ラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体の量が決定され、標準曲線の使用により、試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの量が決定される。このイムノアッセイにおいて使用される抗体は、ラミニンガンマ−2モノマーの少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個または少なくとも30個のアミノ酸を含むエピトープに特異的に結合する。
あるいはまた、抗体またはその機能活性フラグメントは最初に、蛍光で標識化されたラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)と接触させられて、標識化されたラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体を形成する。次いで、標識化されたラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体は、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)を含有することが疑われる非標識化試験サンプルと接触させられる。試験サンプル中の任意の非標識化ラミニンガンマ−2モノマーは、抗体またはその機能活性フラグメントへの結合に関して、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)と競合する。形成された標識化ラミニンガンマ−2モノマー−抗体複合体の量は、標準曲線の使用により、試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの量を決定するために使用される。このイムノアッセイにおいて使用される抗体は、ラミニンガンマ−2モノマーの少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個または少なくとも30個のアミノ酸を含むエピトープに特異的に結合する。
質量分光(MS)分析は、単独でまたは他の方法と組み合わせて使用されてよい。他の方法は、イムノアッセイおよび特定のポリヌクレオチドを検出するための上記のものを含む。質量分光法は、1つ以上のバイオマーカーの存在および/または量を決定するために使用されてよい。MS分析は、例えば、ダイレクテッドスポット(directed−spot)MALDI−TOFまたは液体クロマトグラフィーMALDI−TOF分析などのマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)飛行時間(TOF)MS分析を含み得る。いくつかの実施形態において、MS分析は、液体クロマトグラフィー(LC)ESI−MSなどのエレクトロスプレーイオン化(ESI)MSを含む。質量分析は、市販の分光計を用いて達成可能である。生物学的サンプル中のバイオマーカーペプチドの存在および量を検出するためのMALDI−TOF MSおよびESI−MSを含むMS分析の利用方法が使用されてよい。手引きのために、例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,925,389号;同第6,989,100号;および同第6,890,763号を参照のこと。
対照サンプルまたは一連の較正物質などの較正物質を含むことが望ましい場合がある。対照サンプルは、被験者からのサンプルと同時に上記のとおりに分析されてよい。被験者サンプルから得られた結果は、対照サンプルから得られた結果と比較されることができる。生物学的サンプルについてのアッセイ結果がそれに比較され得る標準曲線が提供されてよい。そのような標準曲線は、アッセイ単位、すなわち、蛍光標識が使用される場合には蛍光シグナル強度、の関数としてレベルを表す。複数のドナーから採取されたサンプルを用いて、正常組織中のラミニンガンマ−2モノマーの対照レベルおよび上で示された特徴の1つ以上を有し得るドナーから採取された組織中のラミニンガンマ−2モノマーの「リスクのある」レベルが提供されることができる。
したがって、上記観点から、試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)の存在、量または濃度を決定する方法が提供される。方法は、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)についてイムノアッセイによって試験サンプルをアッセイすること、例えば、少なくとも1つの抗体および少なくとも1つの検出可能な標識を採用すること、および試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの存在、量または濃度の直接的または間接的な指標として検出可能な標識により生成されるシグナルを、較正物質中のラミニンガンマ−2モノマーの存在、量または濃度の直接的または間接的な指標として生成されるシグナルと比較することを含む。較正物質は、場合によって、そして好ましくは、その中の各較正物質が他の較正物質とラミニンガンマ−2モノマーの濃度が異なる、一連の較正物資の一部である。少なくとも1つの抗体のうちの1つは、単離された抗体であり、これは、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)に特異的に結合し、該抗体は、(i)可変重鎖ドメイン領域または(ii)可変重鎖ドメイン領域および可変軽鎖ドメイン領域から選ばれるドメインまたは領域を有する。あるいはまた、少なくとも1つの抗体のうちの1つは、単離された抗体であり、これは、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)に特異的に結合し、該抗体は、(i)相補性決定領域(CDR)1、CDR2およびCDR3を含む可変重鎖およびCDR1、CDR2およびCDR3を含む可変軽鎖を有する。使用可能な少なくとも1つの抗体の例は、LifeSpan Biosciences,Inc.(Seattle、WA)、Acris Antibodies,Inc.(San Diego、CA)、Raybiotech,Inc.(Norcross、 GA)、Atlas Antibodies(Stockholm、Sweden)、Sigma−Aldrich(St.Louis、MO)、IMGENEX(San Diego、 CA)、GeneTex(Irvine、CA)、Abcam(Cambridge、MA)、Novus Biologicals(Littleton、CO)、Santa Cruz Biotechnology,Inc.(Santa Cruz、CA)、Cell Sciences(Canton、MA)、US Biological(Swampscott、MA)、AbD Serotec(Raleigh、NC)、R&D Systems,Inc.(Minneapolis、MN)、Thermo Scientific Pierce Products(Rockford、IL)、Abnova(Taiwan & Walnut、CA)およびEnzo Life Sciences International,Inc.(Plymouth Meeting、PA)などの会社から購入可能なものなどのラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合する抗体である。
方法は、(i)捕捉抗体/ラミニンガンマ−2モノマー複合体を形成するために、試験サンプルを、少なくとも1つの捕捉抗体であって、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)上のエピトープに結合する上記捕捉抗体と接触させること、(ii)捕捉抗体/ラミニンガンマ−2モノマー複合体を、少なくとも1つの検出抗体であって、検出可能な標識を含み、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)上の、捕捉抗体によって結合されないエピトープに結合する上記検出抗体と接触させて、捕捉抗体/ラミニンガンマ−2モノマー/検出抗体複合体を形成することおよび(iii)(ii)において形成された捕捉抗体/ラミニンガンマ−2モノマー/検出抗体複合体中の検出可能な標識により生成されたシグナルに基づいて、試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの量を決定することを含むことができる。
あるいはまた、方法は、(i)捕捉抗体/ラミニンガンマ−2モノマー複合体を形成するために、試験サンプルを、少なくとも1つの捕捉抗体であって、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)上のエピトープに結合する上記捕捉抗体と接触させ、それと同時にまたはいずれかの順序で連続的に、試験サンプルを、少なくとも1つの捕捉抗体への結合に関して試験サンプル中の任意のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)と競合することのできる、検出可能に標識化されたラミニンガンマ−2モノマーと接触させることを含むことができる。試験サンプル中に存在する任意のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)および検出可能に標識化されたラミニンガンマ−2モノマーは、お互いに競合して、捕捉抗体/ラミニンガンマ−2モノマー複合体および捕捉抗体/検出可能に標識化されたラミニンガンマ−2モノマー複合体をそれぞれ形成する。方法はさらに、(ii)(ii)において形成された捕捉抗体/検出可能に標識化されたラミニンガンマ−2モノマー複合体中の検出可能な標識によって生成されたシグナルに基づいて、試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの存在、量または濃度を決定することを含む。捕捉抗体/検出可能に標識化されたラミニンガンマ−2モノマー複合体中の検出可能な標識により生成されたシグナルは、試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの量または濃度に反比例する。
いくつかの実施形態において、方法は、サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの量を測定するために本分野で使用される任意の技術およびアッセイを含むことができる。例えば、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、ヒト化またはヒト抗ラミニンガンマ−2モノマー抗体(Ab)が、直接的にまたはヒツジ(または他の種の)抗ヒトAbなどにより間接的に、固体支持体に結合されることができる。サンプル中に存在し、固体支持体に接触させられる任意のラミニンガンマ−2モノマーが、ポリクローナル、モノクローナル、キメラヒト化またはヒト抗ラミニンガンマ−2モノマーAbにより結合される。ビオチン標識化マウス抗ラミニンガンマ−2モノマーAbもラミニンガンマ−2モノマーに結合する。ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRPO)に連結されたストレプトアビジンは、マウス抗ラミニンガンマ−2モノマーAb上のビオチンに結合する。o−フェニレンジアミンとの接触に際して、HRPOは、o−フェニレンジアミンを2,3−ジアミノフェナジンに変換し、これは492nmにおいて分光光度法により測定可能であって色がオレンジ色−茶色である。
方法はさらに、試験サンプルが得られた患者を診断すること、予後を決定することまたは処置(治療的または予防的)の有効性を評価することを含むことができる。方法がさらに、試験サンプルが得られた患者の治療的/予防的処置の有効性を評価することを含む場合、方法は、場合によって、有効性を改善するために、必要に応じて患者の治療的/予防的処置を改変することをさらに含む。方法は、自動化システムまたは半自動化システムにおける使用に適合されることができる。
一般に、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)に関して試験サンプルをアッセイして得られた結果をそれに対して評価する基準として、所定のレベルが採用されることができる。一般に、そのような比較を行うに際して、分析物の存在、量または濃度と、疾患、障害または病状(例えば、がん)の特別な病期もしくはエンドポイントまたは特別な兆候とを、つなぐまたは関連づけることができるように、十分な回数および適切な条件下で特別なアッセイを実行することによって所定のレベルが得られる。典型的に、所定のレベルは、参照被験者(または被験者集団)のアッセイによって得られる。測定されるラミニンガンマ−2モノマーは、そのフラグメント、その分解産物および/またはその酵素切断産物を含むことができる。
特に、疾患の進行および/または処置をモニタリングするために採用される所定のレベルに関して、ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)の量または濃度は、「未変化の」、「好ましい」(または「好ましく変更された」)または「好ましくない」(または好ましくなく変更された)ものであることができる。「上昇した」または「増大した」は、典型的なもしくは正常のレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)よりも高い、または別の参照レベルもしくは範囲(例えば、以前のまたはベースラインのサンプル)よりも高い試験サンプル中の量または濃度をさす。用語「低下した」または「減少した」は、典型的なもしくは正常のレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)よりも低い、または別の参照レベルもしくは範囲(例えば、以前のまたはベースラインのサンプル)よりも低い試験サンプル中の量または濃度をさす。用語「変更された」は、典型的なもしくは正常のレベルもしくは範囲(例えば、所定のレベル)からまたは別の参照レベルもしくは範囲(以前のまたはベースラインのサンプル)から変更された(増大したまたは減少した)サンプル中の量または濃度をさす。
ラミニンガンマ−2モノマーの典型的なもしくは正常のレベルもしくは範囲は、標準慣行によって定義される。所謂変更されたレベルまたは変更は、典型的なもしくは正常のレベルもしくは範囲または参照レベルもしくは範囲に比較した任意の正味変化であって、実験誤差またはサンプルのばらつきにより説明できないものがある場合に、発生したとみなされることができる。したがって、特別なサンプルにおいて測定されたレベルは、所謂正常被験者からの同様のサンプル中で決定されたレベルまたはレベルの範囲と比較される。これに関連して、「正常被験者」は、検出可能な疾患または障害を有さない個人であり、例えば、(時には「対照」と呼ばれる)「正常」患者または集団は、それぞれ、検出可能な疾患または障害を示さない人である。「見かけ上正常な被験者」は、ラミニンガンマ−2モノマーが評価されなかったまたはされていない人である。分析物のレベルは、分析物が通常では検出不可能(例えば、正常レベルがゼロまたは正常集団の約25から約75パーセンタイルの範囲内)であるが、試験サンプル中で検出される場合、ならびに分析物が正常レベルよりも高いレベルで試験サンプル中に存在する場合に、「上昇した」と言われる。したがって、中でも、本開示は、がんを有するまたはがんを有するリスクのある被験者に関するスクリーニングの方法を提供する。
アッセイの方法は、本明細書で検討され、本分野で知られた他のマーカーなどのアッセイも含むことができる。例えば、アッセイの方法は、例えば、ラミニンガンマ−2モノマーおよび/またはラミニンガンマ−2モノマーフラグメント、CEAおよびCA19−9のアッセイ(検出)も含むことができる。
本明細書に記載の方法は、本明細書で検討され、本分野で知られたように、被験者が(膀胱がんまたは結腸直腸がんなどの)がんを有するまたは発病するリスクがあるか否かを決定するためにも使用されることができる。具体的に、そのような方法は、以下のステップ:
(a)被験者からの試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)の濃度または量を、本明細書に記載の方法または本分野で知られた方法を用いて決定するステップ;および
(b)ステップ(a)において決定されたラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)の濃度または量を、所定のレベルと比較するステップであって、ステップ(a)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量が、所定のレベルに関して好ましい場合、上記被験者が、本明細書で検討され、本分野で知られたように、がんを有さないまたはがんのリスクがないと決定される、ステップ
を含むことができる。しかしながら、ステップ(a)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量が、所定のレベルに関して好ましくない(例えば、増大したような)場合、被験者は、本明細書で検討され、本分野で知られたように、がんを有するまたはがんのリスクがあると決定される。
さらに、被験者における疾患の進行をモニタリングする方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、方法は、以下のステップ:
(a)被験者からの試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)の濃度または量を決定するステップ;
(b)被験者からの後の試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量を決定するステップ;および
(c)ステップ(b)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量を、ステップ(a)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量と比較するステップであって、ステップ(b)において決定された濃度または量が、ステップ(a)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量と比較した場合に未変化であるまたは好ましくない(例えば、増大したような)場合、被験者における疾患が継続した、進行したまたは悪化したと決定される、ステップ
を含む。比較して、ステップ(b)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量が、ステップ(a)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量に比較して好ましい場合、被験者における疾患が中断した、退行したまたは改善されたと決定される。
本明細書に記載のとおり、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の多様な方法は、該多様な方法のステップにおいて決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度、量または比較のいずれかを提供することを含む。提供されると、サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度、量または比較は、(疾患の進行の評価または疾患を発病する可能性の評価などの)疾患の診断、予後もしくはリスク評価を提供するためまたは被験者における(例えば、処置を受けている被験者または処置を受けてきており、疾患の再発についてモニターされた被験者における)疾患の経過をモニターするために使用されることができる。場合によって、方法はさらに、ステップ(b)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量を、例えば、所定のレベルと比較することを含む。さらに、場合によって、方法は、上記比較が、ステップ(b)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量が、例えば、所定のレベルに関して好ましくなく変更された(例えば、増大した)ことを示す場合、被験者を一定期間、1つ以上の医薬組成物で処置することを含む。
さらに、方法は、1つ以上の医薬組成物による処置を受けている被験者における処置をモニターするために使用されることができる。具体的に、そのような方法は、被験者が1つ以上の化学療法剤または生物学的製剤などの1つ以上の医薬組成物を投与される前に、被験者からの第1の試験サンプルを提供することを含む。次に、被験者からの第1の試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量が(例えば、本明細書に記載の方法または本分野で知られた方法を用いて)決定される。ラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量が決定された後、場合によって、該ラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量が所定のレベルと比較される。決定された第1の試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量が所定のレベルよりも低い場合、被験者は1つ以上の医薬組成物により処置されない。しかしながら、決定された第1の試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量が所定のレベルよりも高い場合、被験者は一定期間、1つ以上の医薬組成物により処置される。被験者が1つ以上の医薬組成物により処置される期間は、当業者により決定されることができる(例えば、上記期間は、約1日から約30日であることができ、その時点で処置の成功が(例えば、臨床的指標を用いてまたは処置が開始した後のラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量を決定して)評価されることができる。
1つ以上の医薬組成物による治療の経過中、第2のおよび続く試験サンプルが被験者から得られる。試験サンプルの数および上記試験サンプルが被験者から得られる時点は重要でない。例えば、第2の試験サンプルは、被験者が最初に1つ以上の医薬組成物を投与された7日後に得られることができ、第3の試験サンプルは、被験者が最初に1つ以上の医薬組成物を投与された2週間後に得られることができ、第4の試験サンプルは、被験者が最初に1つ以上の医薬組成物を投与された3週間後に得られることができ、第5の試験サンプルは、被験者が最初に1つ以上の医薬組成物を投与された4週間後に得られることができる。
第2のまたは続く試験サンプルそれぞれが被験者から得られた後、第2のまたは続く試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)の濃度または量が、(例えば、本明細書に記載の方法または本分野で知られた方法を用いて)決定される。次いで、第2のまたは続く試験サンプルそれぞれにおいて決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量が、第1の試験サンプル(例えば、始めに場合によって所定のレベルと比較された試験サンプル)中で決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量と比較される。ステップ(c)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量が、ステップ(a)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量に比較して好ましい場合、被験者における疾患または感染症が、中断した、退行したまたは改善されたと決定され、被験者はステップ(b)の1つ以上の医薬組成物を投与され続けなくてはならない。しかしながら、ステップ(c)において決定された濃度または量が、ステップ(a)において決定されたラミニンガンマ−2モノマーの濃度または量に比較して未変化であるまたは好ましくない(例えば、増大したような)場合、疾患が、継続した、進行したまたは悪化したと決定され、被験者はより高濃度のステップ(b)において被験者に投与された1つ以上の医薬組成物で処置されなければならないまたは被験者はステップ(b)において被験者に投与された1つ以上の医薬組成物と異なる1つ以上の医薬組成物で処置されなければならない。具体的には、被験者は、該被験者が先に受容した1つ以上の医薬組成物と異なる1つ以上の医薬組成物により処置されることができ、該異なる医薬組成物の、上記被験者のラミニンガンマ−2モノマーレベルを減少させるもしくは低下させるおよび/または疾患の症状を改善する効力を評価することができる。
一般に、(疾患の進行および/または処置に対する応答をモニタリングすることなどの)反復試験が行われ得るアッセイのために、第2のまたは続く試験サンプルが、第1の試験サンプルが被験者から得られた後のいずれかの時点で得られる。具体的には、被験者からの第2の試験サンプルは、第1の試験サンプルが被験者から得られた数分、数時間、数日、数週間または数年後に得られることができる。例えば、第2の試験サンプルは、被験者からの第1の試験サンプルが得られた約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約25週間、約26週間、約27週間、約28週間、約29週間、約30週間、約31週間、約32週間、約33週間、約34週間、約35週間、約36週間、約37週間、約38週間、約39週間、約40週間、約41週間、約42週間、約43週間、約44週間、約45週間、約46週間、約47週間、約48週間、約49週間、約50週間、約51週間、約52週間、約1.5年、約2年、約2.5年、約3.0年、約3.5年、約4.0年、約4.5年、約5.0年、約5.5年、約6.0年、約6.5年、約7.0年、約7.5年、約8.0年、約8.5年、約9.0年、約9.5年もしくは約10.0年、もしくはそれを超える期間の後または少なくともおよそ上記期間のうちの1つの後に被験者から得られることができる。疾患の進行をモニターするために使用される場合、上記アッセイは、がんおよび/またはがんに伴う任意の病状に罹った被験者における疾患の進行をモニターするために使用されることができる。そのような病状は、がんが治癒していない場合に典型的に慢性であることができ、またはそのような病状は(救命救急診療状態(critical care conditions)としても知られる)急性であることができる。急性の病状は、生命を危うくする疾患または心血管系、神経系または***系などを含む他の重篤な医学的状態であることが多い。典型的に救急救命診療状態は、(救急救命室、集中治療室、外傷センターまたは他の緊急診療設定を含むが、これらに限定されない)病院に基盤を置く設定における急性の医療介入または救急救命士もしくは他の現場ベースの医療従事者による投与を必要とする病状をさす。救命救急診療状態のために、一般に、反復したモニタリングが、より短い時間枠内、すなわち、(約1分ごと、約5分ごと、約10分ごと、約15分ごと、約30分ごと、約45分ごと、約60分ごと、約2時間ごと、約3時間ごと、約4時間ごと、約5時間ごと、約6時間ごと、約7時間ごと、約8時間ごと、約9時間ごと、約10時間ごと、約11時間ごと、約12時間ごと、約13時間ごと、約14時間ごと、約15時間ごと、約16時間ごと、約17時間ごと、約18時間ごと、約19時間ごと、約20時間ごと、約21時間ごと、約22時間ごと、約23時間ごと、約24時間ごと、約2日ごと、約3日ごと、約4日ごと、約5日ごと、約6日ごともしくは約7日ごとまたは少なくとも上記時間枠のうちの1つごとなどの数分、数時間または数日内に行われ、同様の最初のアッセイが一般に、疾患または病状の発症の約数分、数時間または数日以内などのより短い時間枠内で行われる。
好適には、アッセイは、慢性または非急性の病状に罹った被験者における疾患の進行をモニターするためにも使用されることができる。非救急救命診療状態または非急性の病状は、生命を脅かす急性の疾患または他の重篤な医学的状態以外の病状をさす。典型的に、非急性の病状は、より長期のまたは慢性的に持続するものを含む。非急性の病状のために、一般に、(例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約25週間、約26週間、約27週間、約28週間、約29週間、約30週間、約31週間、約32週間、約33週間、約34週間、約35週間、約36週間、約37週間、約38週間、約39週間、約40週間、約41週間、約42週間、約43週間、約44週間、約45週間、約46週間、約47週間、約48週間、約49週間、約50週間、約51週間、約52週間、約1.5年、約2年、約2.5年、約3.0年、約3.5年、約4.0年、約4.5年、約5.0年、約5.5年、約6.0年、約6.5年、約7.0年、約7.5年、約8.0年、約8.5年、約9.0年、約9.5年もしくは約10.0年、もしくは(被験者の寿命などの)それを超える期間の後などの)数時間、数日、数か月または数年などのより長い時間枠で反復したモニタリングが行われ、同様の最初のアッセイが一般に、疾患または病状の発症から約数時間、数日、数か月もしくは数年などのより長い時間枠内で行われる。
さらに、上記アッセイは、被験者から得られた第1の試験サンプルを用いて実施されることができ、第1の試験サンプルは、血液、尿、血清または血漿などの1つの供給源から得られる。場合によって、上記アッセイは、被験者から得られた第2の試験サンプルを用いて反復されることができ、第2の試験サンプルは、同じまたは別の供給源から得られる。例えば、第1の試験サンプルが尿から得られた場合、第2の試験サンプルは血清または血漿から得られることができる。第1の試験サンプルおよび第2の試験サンプルを用いるアッセイから得られた結果が比較されることができる。比較は、被験者における疾患または病状の状態を評価するために使用されることができる。
さらに、本開示は、がんに罹りやすいまたは罹っている被験者が処置の利益を得るか否かを決定する方法にも関する。特に、本開示は、ラミニンガンマ−2モノマーコンパニオン診断方法および製品に関する。したがって、本明細書に記載の「被験者における疾患の処置のモニタリング」方法は、さらに最適には、化学療法剤、生物学的製剤、放射線、緩和療法、ホルモン療法および/または手術などの治療法の候補者を選択することまたは同定することも包含し得る。
したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、(本明細書で検討され、本分野で知られた)がんを有するまたはがんを有するリスクのある被験者が、特別ながん治療法の候補者であるか否かを決定する方法も提供する。一般に、被験者は、疾患のなんらかの症状を経験したまたはがんを有しているもしくはがんを有するリスクがあると実際に診断されたおよび/またはラミニンガンマ−2モノマー、もしくは本明細書に記載のその変異体の好ましくない濃度もしくは量(例えば、所定のレベルと比較した場合に、増大したラミニンガンマ−2モノマーの濃度)を示す者である。
方法は場合によって、本明細書に記載のアッセイを含み、分析物は1つ以上の医薬組成物による被験者の処置の前にもしくはそれに続いて評価されるまたは分析物はそのような処置に続いて評価され、分析物の濃度もしくは量が所定のレベルに対して比較される。処置後に観察された分析物の(例えば、所定のレベルと比較された場合に、増大した濃度のような)好ましくない濃度または量は、被験者がさらなる処置または継続された処置を受容することから利益を得ないことを確認するが、処置後に観察された分析物の好ましい濃度または量は、被験者がさらなる処置または継続された処置を受容することから利益を得ることを確認する。この確認は、臨床試験の管理および改善された患者ケアの提供を支援する。
本明細書中の或る実施形態は、がんまたはがん発症のリスクを評価するために採用される場合に有益であるが、アッセイおよびキットは、場合によって、適宜、他の疾患、障害および病状におけるラミニンガンマ−2モノマーを評価するためにも採用されることができる。
一般に、サンプル中のバイオマーカーを検出または定量化可能な任意の方法が、本明細書に記載の方法において使用されることができる。これらの方法は、免疫学的方法に加えて、物理学的方法および分子生物学の方法を含む。例えば、好適な物理学的方法は、質量分析法、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイ、クロマトグラフィーアッセイおよび色素検出アッセイを含む。使用することのできる好適な分子生物学の方法は、ノーザンブロットもしくはサザンブロットハイブリダイゼーション、核酸ドットブロットもしくはスロットブロットハイブリダイゼーション、インサイチュハイブリダイゼーション、核酸チップアッセイ、PCR、リバーストランスクリプターゼPCR(RT−PCR)またはリアルタイムPCR(taq−man PCR)を含むが、これらに限定されない。バイオマーカーを検出するための他の方法は、例えば、核磁気共鳴(NMR)、蛍光分析、比色分析、放射線分析、照度分析または他の分光法、(BIACOREなどの)プラズモン共鳴および1次元または2次元ゲル電気泳動を含む。
測定されると、ラミニンガンマ−2モノマーの濃度および評価される任意の他の追加のバイオマーカーの濃度が、個別のバイオマーカーのための所定の参照値と比較される。参照ラミニンガンマ−2モノマー値を超える、測定された、すなわち、決定されたラミニンガンマ−2モノマー濃度は、被験者におけるがんまたは増大したがんのリスクを示す。参照値は、数種の方法のうちの1つにより決定されてよい。例えば、ラミニンガンマ−2モノマー参照値は、対照被験者から採取されたサンプル中で測定されたラミニンガンマ−2モノマー濃度であることができ、または対照被験者群から採取された複数の対照サンプル中で測定された濃度から計算されたメジアンラミニンガンマ−2モノマー濃度であってよい。メジアンラミニンガンマ−2モノマー濃度は、少なくとも20人の対照被験者群、少なくとも30人の対照被験者群または少なくとも40人の対照被験者群から得られることが好ましい。バイオマーカーのための所定の参照値は、所定のカットオフ値であることができる。
「対照被験者」は、健康な被験者、すなわち、がんの臨床的兆候または症状のない被験者である。対照被験者は、別の方法では検出されないがんの兆候または症状に関して臨床的に評価されることが好ましく、該評価は日常的な身体検査および/または実験室検査を含んでよい。
あるいはまた、ラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値(または所定のカットオフ値)は、患者群の生物学的サンプルからの受信者動作曲線(ROC)解析によって決定されることができる。生物学の分野で一般に知られたROC解析は、正常ケースから罹患ケースを識別するなどの1つの状態を別の状態から識別するためまたは2つ以上の実験室検査または診断検査の診断性能を比較するための試験の能力の決定である。本開示によって適用されるROC解析の記述は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、P.J.Heagertyら、Time−dependent ROC curves for censored survival data and a diagnostic marker、Biometrics 56:337−44頁(2000)中に提供されている。あるいはまた、ラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値は、患者群の生物学的サンプルの四分位分析によって決定されることができる。例えば、ラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値は、25パーセンタイル〜75パーセンタイル値の範囲内の任意の値に相当する値、好ましくは、25パーセンタイル値、50パーセンタイル値または75パーセンタイル値、より好ましくは、75パーセンタイル値に相当する値を選択することによって決定されることができる。あるいはまたさらに、ラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値は、患者群の生物学的サンプルの平均プラス2標準偏差解析によって決定されることができる。関連する患者群のメジアンから得られた代表的なラミニンガンマ−2モノマー参照値は、血清中、約950pg/mlである。75パーセンタイルにおける四分位分析から得られた代表的なラミニンガンマ−2モノマー参照値は、血清中、約1200pg/mlである。そのような統計解析は、本分野で知られた任意の方法を用いて実施可能であり、(Analyse−it Software Ltd.、Leeds、UK;StataCorp LP、College Station、TX;SAS Institute Inc.、Cary、NC.などからの)任意の数の市販のソフトウェアパッケージにより実行可能である。平均プラス2標準偏差解析から得られた代表的なラミニンガンマ−2モノマー参照値は、血清中、約1050pg/mlである。
いくつかの実施形態において、方法は、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約210、約220、約230、約240、約250、約260、約270、約280、約290、約300、約310、約320、約330、約340、約350、約360、約370、約380、約390、約400、約410、約420、約430、約440、約450、約460、約470、約480、約490、約500、約510、約520、約530、約540、約550、約560、約570、約580、約590、約600、約610、約620、約630、約640、約650、約660、約670、約680、約690、約700、約710、約720、約730、約740、約750、約760、約770、約780、約790、約800、約810、約820、約830、約840、約850、約860、約870、約880、約890、約900、約910、約920、約930、約940、約950、約960、約970、約980、約990または約1,000pg/mLのラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値を含む。
方法は、さらに、少なくとも1つの追加のがんのバイオマーカーを、例えば、生物学的サンプル中の少なくとも1つの追加のバイオマーカーの濃度を測定し、測定された濃度を評価される各追加のバイオマーカーの参照値と比較することによって評価することを含む。1つ、2つ、3つ、4つまたはそれを超える追加のバイオマーカーが評価されてよい。そのような追加のがんのバイオマーカーは、CEA、CA19−9および(MT1−MMPにより生成されたEGF様フラグメントなどの)ラミニンガンマ−2モノマーのフラグメントを含むが、これらに限定されない。ラミニンガンマ−2モノマーのための参照値を決定することに関して本明細書に記載されたと同様に、任意の他のがんのバイオマーカーのために参照値(または所定のレベル)が決定されてよい。典型的に、任意の追加のバイオマーカーのための参照値を超える、測定された、すなわち、決定された該バイオマーカーの生物学的サンプル中の濃度も、被験者におけるがんまたは増大したがん発症のリスクを示す。それでも、バイオマーカーの参照値よりも低いと決定された該バイオマーカー濃度が被験者におけるがんまたは増大したがん発症のリスクを示すような、逆が真であるバイオマーカー、すなわち、生物学的サンプル中の濃度とがんまたは増大したがん発症のリスクの事例の間の関係が逆であるバイオマーカーの例も可能である。
例えば、血液中のCEAの上昇したレベルは、結腸直腸がんなどのがんの診断バイオマーカーとして使用されてきた。CEAは、陽性の結果が他の原因によるものであり、陰性の結果が疾患を除外しないという可能性があるにもかかわらず、なんらかの形態のがんを有することが疑われる患者においてしばしば評価される。それにもかかわらず、兆候および症状との組合せで、CEAは診断および疾患予後の両方において役割を果たし、いくつかの種類のがんの通常の疾患診断基準の一部である。CEAレベルの増大はがんにおいて発生し得る。典型的に、サンプル中のCEAのより高いレベルは、がんの存在または発症のより高い確率と相関する。したがって、本明細書に記載の方法の実施形態は、サンプル中のCEA(および/またはCA19−9、ラミニンガンマ−2モノマーのフラグメントなど)およびラミニンガンマ−2モノマーの濃度を決定することを含む。
したがって、いくつかの実施形態において、方法は、ラミニンガンマ−2モノマーならびにCEA、CEA19−9、およびラミニンガンマ−2モノマーのフラグメントから選ばれる少なくとも1つのマーカーの検出を包含する。いくつかの実施形態において、方法は、ラミニンガンマ−2モノマーおよびCEAおよび場合によって、CEA19−9およびラミニンガンマ−2モノマーのフラグメントから選ばれる少なくとも1つのマーカーの検出を包含する。いくつかの実施形態において、方法は、ラミニンガンマ−2モノマーおよびCA19−9および場合によって、CEAおよびラミニンガンマ−2モノマーのフラグメントから選ばれる少なくとも1つのマーカーの検出を包含する。いくつかの実施形態において、方法は、ラミニンガンマ−2モノマーおよびラミニンガンマ−2モノマーのフラグメントおよび場合によって、CEAおよびCEA19−9から選ばれる少なくとも1つのマーカーの検出を包含する。いくつかの実施形態において、方法は、ラミニンガンマ−2モノマー、CEA、CA19−9およびラミニンガンマ−2モノマーのフラグメントの検出を包含する。
C.キット
本明細書において先に記載されたように、がんに罹っているもしくはがんのリスクが増大した被験者を処置するため、またはがんを有していると患者を診断するために使用され得るキットが、本明細書中に提供される。
患者を処置するために使用されるキットは、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的な抗体を含有する。キットは、本明細書に記載の抗体を用いて被験者を処置するための指示を含むことが好ましい。キットに含まれる指示は、包装材料に添付されることができるまたは添付文書として含まれることができる。指示は典型的に書かれたまたは印刷された資料であるが、そのようなものに限定されない。そのような指示を記憶し、最終使用者にそれらを伝えることのできる任意の媒体が本開示により考慮される。そのような媒体は、電子的記憶媒体(例えば、磁性ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例えば、CD ROM)などを含むが、これらに限定されない。本明細書中で使用される場合、用語「指示」は、該指示を提供するインターネットサイトのアドレスを含むことができる。
ラミニンガンマ−2モノマー(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)に関して試験サンプルをアッセイするためのキットも提供される。キットは、ラミニンガンマ−2モノマーに関して試験サンプルをアッセイするための少なくとも1つの構成要素および(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)に関して試験サンプルをアッセイするための指示を含む。少なくとも1つの構成要素は、(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)に特異的に結合する単離された抗体を含む少なくとも1つの組成物を含む。抗体は、可変重鎖ドメイン領域および可変軽鎖ドメイン領域を有する。抗体は、場合によって検出可能に標識化される。
例えば、キットは、化学発光微粒子イムノアッセイなどのイムノアッセイによって(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)に関して試験サンプルをアッセイするための指示を含むことができる。指示は、紙の形態またはディスク、CD、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な形態であることができる。抗体は、ラミニンガンマ−2モノマー捕捉抗体および/またはラミニンガンマ−2モノマー検出抗体であることができる。これに代えてまたは加えて、キットは、精製され、場合によって凍結乾燥された(例えば、ラミニンガンマ−2モノマー、ラミニンガンマ−2モノマーの変異体またはそれらの任意の組合せ)などの較正物質または対照および/またはアッセイを実行するための少なくとも1つの容器(例えば、抗ラミニンガンマ−2モノマーモノクローナル抗体ですでにコーティングされていることができる管、マイクロタイタープレートまたはストリップ)および/またはそのいずれも濃縮溶液として提供され得るアッセイバッファーもしくは洗浄バッファーなどのバッファー、検出可能な標識(例えば、酵素標識)のための基質溶液または停止溶液を含むことができる。好ましくは、キットは、すべての構成要素、すなわち、アッセイを実施するために必要な試薬、標準物質、バッファー、希釈剤などを含む。指示は、ラミニンガンマ−2モノマーを定量化する目的のための標準曲線または参照標準の作製のための指示も含むことができる。
キット中に提供される、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的な組換え抗体などの任意の抗体は、フルオロフォア、放射活性部分、酵素、ビオチン/アビジン標識、クロモフォア、化学発光標識などの検出可能な標識を取り込むことができるまたはキットは、抗体もしくは(検出抗体などの)抗体を検出するための試薬を標識化するための試薬および/または分析物もしくは分析物を検出するための試薬を標識化するための試薬を含むことができる。抗体、較正物質および/または対照は、別個の容器中で提供されるまたは適切なアッセイフォーマット、例えば、マイクロタイタープレート中に予め分注されることができる。
場合によって、キットは、品質管理用構成要素(例えば、感度パネル、較正物質および陽性対照)を含む。品質管理試薬の調製は、本分野で周知であり、多様な免疫診断製品のための挿入シートに記載される。感度パネルメンバーは、場合によって、アッセイ性能特性を確立するために使用され、さらに、場合によって、イムノアッセイキット試薬の一貫性およびアッセイの標準化の有用な指示薬である。
キットは、場合によって、診断アッセイを実行するためまたは品質管理評価を容易化するために必要な他の試薬、例えば、バッファー、塩、酵素、酵素補因子、基質、検出試薬、も含むことができる。バッファーおよび試験サンプルの単離および/または処理のための(前処理試薬などの)溶液などの他の構成要素も、キットに含まれることができる。キットはさらに、1つ以上の他の対照を含むことができる。キットの構成要素の1つ以上は、凍結乾燥されることができ、その場合、キットはさらに、凍結乾燥された構成要素の再構成に好適な試薬を含むことができる。
キットの多様な構成要素は、場合によって、必要に応じてマイクロタイタープレートなどの好適な容器中で提供される。キットはさらに、サンプルを保持するためまたは貯蔵するための(血液サンプルのための容器またはカートリッジなどの)容器を含むことができる。適宜、キットは場合によって、反応容器、混合容器および試薬または試験サンプルの調製を容易化する他の構成要素も含むことができる。キットは、シリンジ、ピペット、鉗子、計量スプーンなどの試験サンプルを得ることを支援するための1つ以上の器具も含むことができる。
検出可能な標識が少なくとも1つのアクリジニウム化合物である場合、キットは、少なくとも1つのアクリジニウム−9−カルボキサミド、少なくとも1つのアクリジニウム−9−カルボキシレートアリールエステルまたはそれらの任意の組合せを含むことができる。検出可能な標識が少なくとも1つのアクリジニウム化合物である場合、キットは、バッファー、溶液および/または少なくとも1つの塩基性溶液などの過酸化水素の供給源も含むことができる。
所望により、キットは、磁性粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、メンブレン、足場分子、フィルム、ろ紙、石英結晶、ディスクまたはチップなどの固相を含むことができる。キットは、検出抗体として機能する抗体などの抗体にコンジュゲーション可能なまたはコンジュゲーションされた検出可能な標識も含んでよい。検出可能な標識は、例えば、直接的標識であることができ、これは、酵素、オリゴヌクレオチド、ナノ粒子ケミルミノフォア、フルオロフォア、蛍光消光剤、化学発光消光剤またはビオチンであってよい。キットは場合によって、標識を検出するために必要な任意の追加の試薬を含んでよい。
所望により、キットはさらに、別の分析物に関して試験サンプルをアッセイするための1つ以上の構成要素を単独でまたはさらに指示とともに含むことができ、該分析物は、がんのバイオマーカーなどのバイオマーカーであることができる。分析物の例として、ラミニンガンマ−2モノマー、CEA、CA19−9およびラミニンガンマ−2モノマーのフラグメント、さらに本明細書で検討したまたは本分野で知られた他の分析物およびバイオマーカーが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、ラミニンガンマ−2モノマーに関して試験サンプルをアッセイするための1つ以上の構成要素は、ラミニンガンマ−2モノマーの存在、量または濃度の決定を可能とする。血清サンプルなどのサンプルは、TOF−MSおよび内部標準を用いてラミニンガンマ−2モノマーに関してアッセイされることもできる。
キット(またはその構成要素)および本明細書に記載のイムノアッセイによって試験サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度を決定する方法は、例えば、米国特許第5,089,424号および同第5,006,309号に記載され、例えば、Abbott Laboratories(Abbott Park、IL)により、ARCHITECT(登録商標)として市販される(固相が微粒子を含むものを含む)多様な自動化および半自動化システムに適合されることができる。
(ELISAなどの)非自動化システムと比較した自動化または半自動化システムのいくつかの相違点は、(分析物抗体または捕捉抗体などの)第1の特異的結合パートナーが結合される基材(これはサンドイッチ形成および分析物の反応性に影響し得る)、捕捉、検出および/または任意の場合による洗浄ステップの長さおよびタイミングを含む。ELISAなどの非自動化フォーマットは、サンプルおよび捕捉試薬との比較的長いインキュベーション時間(例えば、約2時間)を必要とし得るが、自動化または半自動化フォーマット(例えば、ARCHITECT(登録商標)および任意の後継プラットフォーム、Abbott Laboratories)は、比較的短いインキュベーション時間(例えば、ARCHITECT(登録商標)については約18分)を有し得る。同様に、ELISAなどの非自動化フォーマットは、コンジュゲート試薬などの検出抗体を比較的長いインキュベーション時間(例えば、約2時間)、インキュベートし得るが、自動化または半自動化フォーマット(例えば、ARCHITECT(登録商標)および任意の後継プラットフォーム)は、比較的短いインキュベーション時間を有し得る(例えば、ARCHITECT(登録商標)および任意の後継プラットフォームについては、約4分)。
Abbott Laboratoriesから入手可能な他のプラットフォームは、AxSYM(登録商標)、IMx(登録商標)(例えば、その全体をが参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,294,404号を参照のこと)、PRISM(登録商標)、EIA(ビーズ)およびQuantum(商標)IIならびに他のプラットフォームを含むが、これらに限定されない。さらに、アッセイ、キットおよびキットの構成要素は、他のフォーマット、例えば、電気化学的アッセイシステムまたは他の携帯式アッセイシステムもしくはポイントオブケアアッセイシステムにおいて採用されることができる。本開示は、例えば、サンドイッチイムノアッセイを実施する市販のAbbott Point of Care(i−STAT(登録商標)、Abbott Laboratories)電気化学的イムノアッセイシステムに適用可能である。イムノセンサーおよびその製造方法および使い捨て検査装置における操作は、例えば、これに関するそれらの教示のためにその全体が参照により本明細書に組まれる、米国特許第5,063,081号、米国特許出願公開第2003/0170881号、米国特許出願公開第2004/0018577号、米国特許出願公開第2005/0054078号および米国特許出願公開第2006/0160164号に記載されている。
特に、アッセイのI−STAT(登録商標)システムへの適合に関して、以下の構成が好ましい。微細化されたシリコンチップが、一対の金電流測定作用電極および銀−塩化銀参照電極により製造される。作用電極のうちの1つにおいて、捕捉抗体が固定化されたポリスチレンビーズ(直径0.2mm)が、電極上のパターン化されたポリビニルアルコールのポリマーコーティングに接着される。このチップは、イムノアッセイに好適なフルイディクスフォーマットのI−STAT(登録商標)カートリッジに組み立てられる。カートリッジのサンプル保持チャンバー壁の一部の上に、アルカリホスファターゼ(または他の標識)で標識化された検出抗体を含む層がある。カートリッジの流体パウチ内には、p−アミノフェノールホスフェートを含む水性試薬がある。
操作中、ラミニンガンマ−2モノマーを含有することが疑われるサンプルが、試験カートリッジの保持チャンバーに添加され、カートリッジがI−STAT(登録商標)リーダーに挿入される。第2の抗体(検出抗体)がサンプル中に溶解された後、カートリッジ内のポンプ要素がチップを含有する導管中にサンプルを押し込む。ここで、これが振動させられて、第1の捕捉抗体、ラミニンガンマ−2モノマーおよび標識化された第2の検出抗体の間のサンドイッチ形成を促進する。アッセイの最後から2番目のステップにおいて、流体がパウチから導管中に押し出されて、チップから排出チャンバー中へサンプルを洗い出す。アッセイの最後のステップにおいて、アルカリホスファターゼ標識がp−アミノフェノールホスフェートと反応して、ホスフェート基を切断し、遊離したp−アミノフェノールが作用電極において電気化学的に酸化されることを可能とする。測定された電流に基づいて、リーダーが組み込みアルゴリズム(embedded algorithm)および工場で決定された較正曲線によってサンプル中のラミニンガンマ−2モノマーの量を計算することができる。
本明細書に記載の方法およびキットが、イムノアッセイを実施するための他の試薬および方法を必然的に包含することが理解される。例えば、本開示は、本分野で知られたバッファーおよび/または洗浄などのために採用されるコンジュゲート希釈剤および/または較正物質希釈剤として容易に調製または最適化可能なバッファーなどの多様なバッファーを包含する。代表的なコンジュゲート希釈剤は、一定のキット(Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)において採用され、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、塩、タンパク質ブロッカー、抗微生物薬および界面活性剤を含有する、ARCHITECT(登録商標)コンジュゲート希釈剤である。代表的な較正物質希釈剤は、一定のキット(Abbott Laboratories、Abbott Park、IL)において採用され、MES、他の塩、タンパク質ブロッカーおよび抗微生物薬を含有するバッファーを含む、ARCHITECT(登録商標)ヒト較正物質希釈剤である。さらに、2008年12月31日に出願された米国特許出願第61/142,048号に記載のとおり、例えば、I−STAT(登録商標)カートリッジフォーマットにおいて、シグナル増幅因子としてのシグナル抗体に連結された核酸配列を用いて、改善されたシグナル生成が得られることができる。
所望により、試験サンプル中で検出されたシグナルがそれに対して比較される標準曲線の作成を容易化するために、複数の濃度の各抗体がキットに含められることができる。あるいはまた、標準曲線は、キット中に提供される単一の抗体溶液の希釈液を調製することによって作成されることができる。
本明細書に記載の本開示の方法の他の好適な改変および適合化が、容易に適用可能であり認識でき、本開示または本明細書中に開示された態様および実施形態の範囲を逸脱することのない好適な均等物を用いて行われ得ることは、本分野の当業者に容易に明らかである。ここまで本開示を詳細に記載してきたが、本開示は、本開示のいくつかの態様と実施形態を単に例示することのみを目的とし本開示の範囲を制限するものとみなされるべきではない、以下の実施例を参照することによって、より明確に理解される。本明細書で言及されるすべての定期刊行物の参考文献、米国特許および公開は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
材料および方法
実施例において使用したウサギポリクローナル抗体は、E.コリ(E.coli)中で組換え発現させたヒトラミニンガンマ−2鎖の精製したドメインIIIによりウサギを免疫化することによって樹立した(ドメインIII(383−608aa)を、Gateway技術(Invitrogen、Grand Island、NY)を用いてGST融合タンパク質として発現させた。)。マウスモノクローナル抗体2H2は、University of TokyoのDr.KoshikawaおよびDr.Seikiから提供された(モノクローナル抗体2H2は、Koshikawa Nら、Cancer Res.2008年;68:(2)、2008年1月15日、に記載されている。)。モノクローナル抗体D4B5および1H3(D4B5は、Millipore、Billerica、Massachusettsから市販されている。1H3は、Koshikawa Nら、Cancer Res.2008年;68:(2)2008年1月15日に記載されている。)。膀胱がん患者からの検体を、ProMedDx(Norton、MA)から購入した。結腸直腸がん患者からの検体を、ProMedDx(Norton、MA)およびKAC Co.,Ltd.(Kyoto、Japan)から購入した。膵臓がん患者からの検体を、ProMedDx(Norton、MA)、Bioreclamation LLC(Long Island、NY)およびKAC Co.,Ltd.(Kyoto、Japan)から購入した。卵巣がん患者からの検体を、Bioreclamation LLC(Long Island、NY)およびKAC Co.,Ltd.(Kyoto、Japan)から購入した。胃がん患者からの検体を、ProMedDx(Norton、MA)およびKAC Co.,Ltd.(Kyoto、Japan)から購入した。食道がん患者からの検体を、Bioreclamation LLC(Long Island、NY)から購入した。全部で109の正常検体を、KAC Co.,Ltd.(Kyoto、Japan)、Bioreclamation LLC(Long Island、NY)、SeraCare life Sciencies Inc.(Milford、MA)およびComplex Antibodies,Inc(Fort Lauderdale、FL)から購入した。
[実施例1] 抗体およびプロトタイプELISAの確認
ラミニンガンマ−2モノマーのための代表的ELISAの確立における使用のための多様な抗体の結合特性を特徴づけするために、一連の実験を実施した。
モノクローナル抗体2H2のガンマ−2モノマーへの結合特異性
モノクローナル抗体2H2のガンマ−2モノマーに対する特異性およびそのラミニン5との交差反応性を評価するために、ウエスタンブロットアッセイを実施した。図3に図示するように、(Millipore、Billerica、Massachusettsから購入した)抗体モノクローナルD4B5は、ラミニン5複合体(20ng;図3のレーン1)およびガンマ−2モノマー(4ng;図3のレーン2)の両方に対する結合活性を示す。対照的に、モノクローナル抗体2H2は、ラミニン5複合体に対するいかなる結合活性も示さず、ガンマ−2モノマーに対する結合特異性を示す。各モノクローナル抗体を、1μg/mLの濃度で使用した。
添加回収および希釈直線性
希釈直線性における抗体性能を評価するために、モノクローナル抗体D4B5(5μg/mL)、1H3(10μg/mL)および2H2(10μg/mL)(D4B5を購入した供給源、D4B5は、Millipore、Billerica、Massachusettsから市販されている。2H2および1H3は、Dr.KoshikawaおよびDr.Seiki(University of Tokyo)から提供され、Koshikawa Nら、Cancer Res.2008年;68(2)、2008年1月15日に記載されている。)を、標準的手順を用いて96ウエルマイクロタイタープレートの壁にコーティングした。すなわち、ウエルを、リン酸緩衝食塩水(PBS)中、様々な濃度の抗体で4℃において一夜コーティングした。3%ウシ血清アルブミン(BSA)で1時間、37℃においてウエルをブロッキングした。多様な希釈率(400x、2000x、10000xおよび添加/スパイクなし)の組換えラミニンガンマ−2モノマーを、希釈剤(PBS)に、および正常血清検体サンプル(Complex Antibodies,Inc.)の2つの異なる希釈液(3xおよび10x)に添加した。各抗体は、ラミニンガンマ−2モノマーの希釈およびマトリックス(すなわち、正常血清サンプル)の希釈に対して良好な反応直線性を示した。この実験からのデータの実例を、2H2モノクローナル抗体に関して図4中に示す。
モノクローナル抗体2H2を、10μg/mLで96ウエルマイクロタイタープレートにおいてコーティングし、添加回収アッセイを用いてさらに評価した。組換えラミニンガンマ−2モノマーを、希釈剤(PBS)中および正常血清検体サンプル(ProMedDx)中に添加した。この実験のためのラミニンガンマ−2モノマーの標的濃度範囲は、0〜20ng/mL(0.00、0.31、0.63、1.25、2.50.5.00、10.00および20.00ng/mL)にわたった。正常検体サンプル中の濃度を内因性シグナル(すなわち、添加なし)について調節したところ、ラミニンガンマ−2モノマーの平均添加回収率は86.3%と計算された。
2H2を捕捉抗体として使用するELISAの感度の確立
ラミニンガンマ−2モノマーELISAの分析感度および信頼できる濃度範囲を評価するために、捕捉抗体として2H2モノクローナル抗体を使用し、検出抗体としてのヒトラミニンガンマ−2のドメインIIIに対するウサギポリクローナルおよびホースラディッシュペルオキシダーゼにコンジュゲーションされた二次抗ウサギ抗体を使用してELISAアッセイを実施した。すなわち、96ウエルプレートのウエルを50μLの2H2抗体(10μg/mL)によって、一夜、4℃でコーティングした。200μL/ウエルのPBSでウエルを3回洗浄した。200μLのPBS中、BSA(3%)を含有する溶液により、37℃において1時間、ウエルをブロッキングした。200μLのPBS中、0.1%Tween−20による3回の洗浄後、プレートを使用まで−20℃で貯蔵した。
ELISAのために、以下の溶液を調製した。
サンプル溶液を、1%BSA、10mM EDTA、2%Tween20、0.2mg/mL HBRを含有するPBS中、10倍希釈検体として調製した。
洗浄溶液は、0.1%Tween−20を含有するPBSであった。
検出抗体溶液(または「第1の」抗体溶液)は、1%BSA、10mM EDTA、2%Tween−20、0.2mg/mL HBRを含有するPBS中のポリクローナルウサギ抗体を含有した。この溶液を、室温においてウエルに添加し(50μL)、1時間インキュベートした。
二次抗体溶液(または「第2の」抗体溶液)は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)にコンジュゲーションされたロバ抗ウサギIgG抗体またはヤギ抗ウサギIgGのF(ab’)2フラグメントのいずれかを、5000倍過剰で、1%BSA、10mM EDTA、2%Tween−20、0.2mg/mL HBR中に含有した。
ELISAプロトコール:50μLのサンプル溶液をウエルに添加し、37℃で2時間インキュベートした。200μL/洗浄で、3回、洗浄溶液によりウエルを洗浄した。洗浄に続いて、検出抗体溶液を室温でウエルに添加し(50μL/ウエル)、1時間インキュベートした。洗浄1回あたり200μLの洗浄溶液により、3回ウエルを再度洗浄した。二次抗体溶液(50μL/ウエル)を室温においてウエルに添加し、1時間インキュベートした。4ラウンドの洗浄後(200μL/洗浄)、100μLのテトラメチルベンジジン(TMB)を各ウエルに添加した。100μL/ウエルの0.6%硫酸溶液を添加することによって反応を停止し、20分間インキュベートした。OD読み取りを、450nmおよび630nmにおいて行った(Bio−Rad)。
図5Bに示すように、確立された標準曲線は、アッセイの分析感度が約3.7pg/mLであると実証し、このELISAについての信頼できる検出限界が約4pg/mL、線形検出範囲が少なくとも0〜4,000pg/mLとされた。
ラミニンガンマ−2モノマーが添加されたがん検体および正常検体を用いる希釈直線性解析
2つのがん検体(1つの膀胱がん検体、1つの膵臓がん検体)および2つの正常検体を用いて、希釈直線性のさらなる評価を実施した。正常検体に組換えラミニンガンマ−2モノマーを添加した。1:8から1:1にわたる希釈因子(すなわち、8倍から1倍希釈)に関して、結果は、がん検体において95〜116%(対無添加(neat))、および正常検体において93〜113%の回収率を実証した。
[実施例2] ラミニンガンマ−2モノマーの測定
種々のバイオマーカーの濃度の決定のために、膀胱がん患者からの10個の血清検体および結腸直腸がん患者からの25個の血清検体を、正常検体(109)とともに調製した。サンプルの測定は、CEAおよびCA19−9についてARCHITECTシステムを用いて実施したが、ラミニンガンマ−2モノマー濃度は、上で詳述したELISAを用いて決定した。すべての市販キットを、製造者の指示に従って使用した。
結果
図1は、膀胱がん(n=10)および結腸直腸がん(n=25)を含む多様ながんを有する患者からの血清サンプルならびに健康な対照患者からの血清サンプル中のラミニンガンマ−2モノマーのレベルのドットプロットを示す。[膀胱がん患者からのラミニンガンマ−2モノマーのメジアンレベルは、992pg/mL、結腸直腸がん患者については、929pg/mL、健康な対照については、485pg/mLであった。スチューデントt−検定を用いて:膀胱がん対健康な対照は、p=0.000041、結腸直腸がん対健康な対照は、p=0.00031であった。]正常検体または他のがん(例えば、膵臓がん、卵巣がん、胃がんおよび食道がん)の検体中のラミニンガンマ−2モノマーの濃度と比較した場合、ラミニンガンマ−2モノマーの濃度は、膀胱がんおよび結腸直腸がん検体からの検体からの血清サンプル中で有意に高かった。
LNガンマ−2モノマー−膀胱がんおよび結腸直腸がんのための鋭敏で特異的な血清マーカー
正常検体中の測定した3つのバイオマーカー(ラミニンガンマ−2モノマー、CEA、CA19−9)レベルの観察された偽陽性率に対する、膀胱がんおよび結腸直腸がん検体中の測定した3つのバイオマーカーレベルの観察された真陽性率から、受信者動作特性(ROC)プロットを作成した(図2)。左下の軸からプロットを横切って右上角までの対角線(例えば、(1,1)の座標)は、マーカーレベルががん検体と正常検体を全く識別しない、最悪の予測方法を有するプロットを示す。最良の予測方法は、(偽陰性のない)100%の感度および(偽陽性のない)100%の特異性を示す、ROC空間の左上角または座標(0,1)にポイントを得ることが予測される。したがって、1.0の値に近づく実際のデータのプロットから導かれた曲線下面積(AUC)は、最良の予測方法を表す。図2に示すように、ROCプロット曲線は、膀胱がんおよび結腸直腸がんの診断に関連する他のバイオマーカー(CEAおよびCA19−9)と比較した場合、ラミニンガンマ−2モノマーマーカーの、膀胱がんおよび結腸直腸がんの両方のための感度および特異性を実証する。このデータから、既存の膀胱がんおよび結腸直腸がんのためのマーカーに比べて、ラミニンガンマ−2モノマーは、これらの疾患のためのマーカーとしての優れた感度および特異性を示す。
Figure 0006328103
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このデータは、a)血清中のラミニンガンマ−2モノマーを検出する能力およびb)(正常(健康な)対照ならびに他のがんの種類からのサンプル中の濃度に比較して)増大した血清中ラミニンガンマ−2モノマー濃度と患者サンプル中の膀胱がんおよび結腸直腸がんの発生との予期しない関連を最初に確立した。さらに、上記データは、他の既存の臨床的に関連するバイオマーカーに比較して、ラミニンガンマ−2モノマーが、膀胱がんおよび結腸直腸がんのための優れた診断精度を示すことも確立した。本開示は、血清中のラミニンガンマ−2モノマーを検出するために使用可能であり、検出のためにラミニンガンマ−2モノマーのタンパク質プロセシングを必要としない(すなわち、該アッセイは、MT1−MMPにより生成されるラミニンガンマ−2N末端フラグメントに特異的でない。)、感度および特異性の増大した(すなわち、ラミニン5を検出しない)診断試験も最初に確立する。
したがって、ラミニンガンマ−2モノマーは、膀胱がんおよび結腸直腸がんなどのがんを、患者サンプル中で診断するため、または被験者もしくは患者における膀胱がんおよび結腸直腸がんなどのがんのリスクもしくは進行の予後を提供するために使用可能である。同様に、ラミニンガンマ−2モノマーの上昇したレベルは、患者を、1つ以上のがん治療法を含む治療法の候補者として同定するために使用可能である。
[実施例3] 自動化イムノアッセイ装置ARCHITECT(商標)のためのプロトタイプ試薬の確立
ラミニンガンマ−2モノマーの検出のための自動化イムノアッセイ試薬中にELISA試薬を移行させるために、一連の実験を実施した。
Paramagnetic Microspheres(Varian Medical Systems、Palo Alto、CA)上にモノクローナル抗体2H2をコーティングした。次いで、カルボキシル基で修飾した微粒子をMESバッファー(pH5.5)で洗浄し、その後、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミドハイドロクロライド(SIGMA−ALDRICH、St Louis、MO)およびN−ヒドロキシ−スクシンイミド(SIGMA−ALDRICH、St Louis、MO)を含有するMESバッファーを微粒子に添加した。室温における30分間のインキュベーション後、試薬を洗い流し、MESバッファーで希釈した抗体を微粒子に添加した。この反応における抗体の最終濃度は、0.3mg/mLであった。室温における2時間のインキュベーション後、1%Tween−20を含むTBSで微粒子を洗浄し、セ氏2−8度で貯蔵した。
(ELISAにおいて検出抗体として使用する)ヒトラミニンガンマ−2のドメインIIIに対するウサギポリクローナル抗体を、0.5%CHAPSを含有するPBSバッファー中でアクリジニウムとコンジュゲーションした。Zeba Micro Desalt Spin Columns(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)によって、過剰のアクリジニウムを除去した。1%BSAおよび0.1%Tween−20を含むリン酸バッファーに基づいて、アッセイサンプル希釈剤を調製した。
i2000 ARCHITECT(商標)アナライザーにおいてARCHITECT(商標)アッセイを実施した。組換えラミニンガンマ−2モノマーをサンプル希釈剤(1%BSAおよび0.1%Tween−20を含むPBS)中に添加した。この実験のためのラミニンガンマ−2モノマーの較正物質範囲は、0−20ng/mLに及んだ(0.00、0.01、0.02、0.10、1.00、10.00および20.00ng/mL)。
図6に示すように、予備的標準曲線は、アッセイの分析感度が、約またはおよそ10pg/mLであると実証した。したがって、該アッセイはかなり鋭敏である。
ラミニンガンマ−2モノマーを添加したがん検体および正常検体を用いる希釈直線性分析
5つの正常検体を用いて、希釈直線性のさらなる評価を実施した。正常検体に、組換えラミニンガンマ−2モノマーを添加した。添加された検体を、サンプル希釈剤で希釈して、一連の3倍希釈物を作製した。図7に示すように、希釈係数は、1:81から1:3(すなわち、81倍から3倍希釈)に及ぶ。結果は、5つの正常検体における(無添加に対して)100−113%の平均回収率を実証した。ARCHITECT(商標)における予備的アッセイは、希釈直線性試験に関して良好な性能を示した。
市販の正常検体の評価
全部で66個の正常検体を、ProMedDx(Norton、MA)、KAC Co.,Ltd.(Kyoto、Japan)、SeraCare life Sciencies Inc.(Milford、MA)およびComplex Antibodies,Inc(Fort Lauderdale、FL)を含む数社の製造供給元から購入した。正常検体中のラミニンガンマ−2モノマーレベルを、ARCHITECT(商標)により測定した。結果を図8に示す。正常検体のメジアン値は、46.0pg/mL、95パーセンタイルは95.0pg/mLであった。平均値(64個の正常検体:2496pg/mLおよび302pg/mLの2検体を除外した)は、50.2pg/mLであった。(2496pg/mLおよび302pg/mLの2検体を除外した)標準偏差の分析から、標準偏差値は、17.8pg/mL、平均プラス2標準偏差(適切なカットオフ値)は、85.8pg/mLであった。
参考文献
Figure 0006328103

Claims (20)

  1. 結腸直腸がんもしくは膀胱がんを有するまたは結腸直腸がんもしくは膀胱がんを有するリスクのある被験者に、結腸直腸がんもしくは膀胱がんの診断、予後またはリスク分類を提供するための、前記被験者の生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度を決定する方法であって:
    a.被験者からの生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度をイムノアッセイにより決定するステップ;および
    b.前記サンプルからのラミニンガンマ−2モノマー濃度を、参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値と比較するステップ;
    を含み、参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値よりも高い、生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度が、被験者が結腸直腸がんもしくは膀胱がんを有することの、または被験者の結腸直腸がんもしくは膀胱がんを発病するリスクが増大していることの指標である、方法。
  2. さらに、サンプル中の少なくとも1つの追加の、結腸直腸がんもしくは膀胱がんのバイオマーカーの濃度を決定するステップ;および少なくとも1つの追加のバイオマーカーの濃度を、少なくとも1つのバイオマーカーのための参照濃度値と比較するステップを含む、請求項に記載の方法。
  3. 追加のバイオマーカーが、ラミニンガンマ−2フラグメント、がん胎児性抗原(CEA)および炭水化物抗原19−9(CA19−9)から選ばれる、請求項に記載の方法。
  4. 参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値が、対照サンプルのラミニンガンマ−2モノマー濃度値、一群の対照被験者からの複数の対照サンプルのメジアンもしくは平均ラミニンガンマ−2モノマー濃度、またはラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 対照サンプルが、対照被験者の生物学的サンプルまたはラミニンガンマ−2モノマー濃度標準物質ある、請求項に記載の方法。
  6. サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度が、参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値の少なくとも2倍である、請求項に記載の方法。
  7. 参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値が、患者群の生物学的サンプルからの受信者動作曲線(ROC)解析によって決定されたラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値である、請求項に記載の方法。
  8. 参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値が、患者群の生物学的サンプルの平均プラス2標準偏差解析によって決定されたラミニンガンマ−2モノマーカットオフ値である、請求項に記載の方法。
  9. 参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値が約1000pg/mLである、請求項に記載の方法。
  10. 生物学的サンプルが、全血、血漿または血清を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 被験者におけるがんの重症度または病期および被験者ががんを発病する可能性ら選ばれる予後を提供するための、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 被験者がヒトである、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度値が、ヒト対照被験者からの血液を含む生物学的サンプルからのものである、請求項に記載の方法。
  14. イムノアッセイが、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合することのできる分子含む、請求項1に記載の方法。
  15. ラミニンガンマ−2モノマーに結合することのできる分子が、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合することのできる少なくとも1つの抗体を含む、請求項14に記載の方法。
  16. ラミニンガンマ−2モノマーに結合することのできる分子が、ラミニンガンマ−2のN末端フラグメントに結合しない、請求項15に記載の方法。
  17. 請求項に記載の方法を実施するためのキットであって:
    a.生物学的サンプル中のラミニンガンマ−2モノマー濃度の定量化を可能とする、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合することのできる少なくとも1つの試薬;および
    b.参照ラミニンガンマ−2モノマー濃度を示す参照標準
    を含む、キット。
  18. 生物学的サンプル中の少なくとも1つの追加の結腸直腸がんもしくは膀胱がんのバイオマーカーの濃度の定量化を可能とする、生物学的サンプル中の少なくとも1つの追加のバイオマーカーに特異的に結合することができる少なくとも1つの追加の試薬、および生物学的サンプル中の少なくとも1つの追加の結腸直腸がんもしくは膀胱がんのバイオマーカーの参照濃度を示す参照標準をさらに含む、請求項17に記載のキット。
  19. 少なくとも1つの試薬が、ラミニンガンマ−2モノマーに特異的に結合することのできる少なくとも1つの抗体を含む、請求項17に記載のキット。
  20. イムノアッセイが抗体を使用し、抗体がモノクローナル抗体2H2である、請求項15に記載の方法。
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