JP6304580B2 - 液滴吐出装置、画像形成装置及び液滴吐出装置の駆動制御方法 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。図2は本実施形態のインクジェット記録装置の機構部の側面図である。
図1及び図2に示すインクジェット記録装置100は、装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101を備えている。このキャリッジ101に搭載した液滴吐出ヘッド1及び液滴吐出ヘッド1に対してインクを供給するインクカートリッジ102等で構成される印字機構部103等を収納している。
図9は、液滴吐出ヘッドの駆動回路の一例を示す模式図である。
図9に示す駆動回路は、圧電変換部材としての圧電素子201の端子間電圧を変化させ、圧電素子の変位量を変えることにより、液滴吐出ヘッド1の加圧液室に圧力変化を発生させ、その加圧液室に連通したノズル孔から液滴としてのインクを吐出させる。圧電素子201の一方の電極(駆動電圧電極)には、アナログスイッチSW3を介して、駆動電圧源から所定の駆動波形をもつ波形電圧を生成して出力する駆動波形生成回路202に接続されている。また、圧電素子201の他方の電極(固定電圧電極)には、一定の電圧値(直流電圧)を出力するバイアス電圧電源207が常時接続されている。
図3は、液滴吐出ヘッドの駆動回路の一例を示す模式図である。
本実施形態の駆動回路では、圧電素子201の駆動電圧電極に対しては、アナログスイッチSW3を介さずに、駆動波形生成回路202が常時続されている。すなわち、本実施形態においては、駆動波形生成回路202から出力される波形電圧が、常に、すべての圧電素子201の駆動電圧電極に供給される構成となっている。そのため、駆動対象の圧電素子201の数が変わっても、駆動波形生成回路202の負荷はほぼ一定に維持され、波形電圧伝送部材を流れる電流量の変化が抑制される。その結果、駆動対象の圧電素子201の数が変わっても、波形電圧に生じる波形の歪みは、例えば図11に示すような波形でほぼ一定となる。本実施形態では、当該一定の歪みがなくなるように予め歪ませた波形電圧を駆動波形生成回路202を生成するのではなく、当該一定の歪みが生じている駆動波形をもった波形電圧による液滴吐出特性を前提として高い画像品質が得られるように設計されている。
非駆動対象の圧電素子201の固定電圧電極には、第1バイアス電圧Vb1が印加されるので、この圧電素子201の端子間には、図4に示した波形電圧の電圧値を全体的に第1バイアス電圧Vb1だけ下げた電圧信号(非駆動電圧信号)が印加されることになる。すなわち、この非駆動電圧信号は、駆動波形生成回路202から出力される波形電圧の波形と同じ波形をもち、最大値がV1−Vb1で、最小値がV0−Vb1である信号である。
このグラフに示すように、圧電素子201は、その端子間電圧と圧電素子201の変位量との関係が非線形の関係となっている。ここで、圧電素子201の変位量は、加圧液室に生じさせる圧力と相関関係があるパラメータである。よって、圧電素子201は、その端子間電圧と加圧液室に生じさせる圧力との関係も非線形の関係である。
予め決められたインク吐出タイミングが到来するたびに、インク吐出期間Fにおいて、当該タイミング時にインクを吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電素子201には第2バイアス電圧Vb2を印加し、当該タイミング時にインクを吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電素子201には第1バイアス電圧Vb1を印加するように、アナログスイッチSW1,SW2をオン/オフ制御する。インク吐出期間Fが終了し、次のインク吐出期間Fになるまでの間には、波形電圧の電圧値が変動しない非インク吐出期間が存在する。本実施形態におけるバイアス電圧の切り替えは、この非インク吐出期間内に行われる。これにより、バイアス電圧の切り替えによるインク吐出特性への影響を小さく抑えることができる。
次に、本実施形態における液滴吐出ヘッドの駆動回路の一変形例について説明する。
図7は、本変形例における駆動回路の一例を示す模式図である。
本実施形態では、非駆動用の電圧である第1バイアス電圧Vb1ができる限り駆動用の固定電圧である第2バイアス電圧Vb2の電圧値に近い値に設定されているが、この場合でも、次のインク吐出期間Fのときの加圧液室内の圧力変化に及ぼす影響を十分に抑制できない場合もある。
(態様A)
インク滴等の液滴を吐出する複数のノズル孔と、各ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、駆動電圧信号が印加されることで、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせる圧電素子201等の複数の圧電変換部材と、液滴を吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電変換部材に対し、当該圧電変換部材における第1電極(駆動電圧電極)に所定の駆動波形をもつ波形電圧を供給するとともに、当該圧電変換部材における第2電極(固定電圧電極)に一定の電圧値である第2バイアス電圧Vb2等の駆動用の固定電圧を供給することで、当該駆動対象の圧電変換部材に前記駆動電圧信号を印加する駆動波形生成回路202、第2バイアス電圧電源205、アナログスイッチSW2,SW2−1,SW2−2等の駆動電圧信号印加手段とを有する液滴吐出装置において、前記駆動電圧信号印加手段は、液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に対し、前記第1電極に前記波形電圧を供給するとともに、前記第2電極には、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない第1バイアス電圧Vb1等の非駆動用の電圧を供給することで、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に非駆動電圧信号を印加することを特徴とする。
本態様によれば、液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材にも波形電圧が供給される。よって、駆動電圧信号印加手段からの波形電圧を伝送する波形電圧伝送部材を流れる電流量が駆動対象の圧電変換部材の数の違いによって変動する範囲を、非駆動対象の圧電変換部材のいずれにも波形電圧を供給しない場合よりも、狭くすることができる。その結果、波形電圧伝送部材によって伝送される波形電圧の電圧値変化によって生じる電流変化率(di/dt)の変動範囲も狭くすることができる。したがって、駆動対象の圧電変換部材の数に応じた波形電圧の歪みの違いが小さくなるので、駆動対象の圧電変換部材の数の違いによる液滴吐出特性の変化を抑制できる。
前記態様Aにおいて、前記非駆動用の電圧は、前記駆動用の固定電圧とは電圧値が異なる固定電圧であることを特徴とする。
本態様によれば、比較的簡易な構成で、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材の他方の電極に対して非駆動用の電圧を供給することができる。
前記態様Bにおいて、前記駆動電圧信号印加手段は、液滴吐出タイミングの間の非インク吐出期間G等の非液滴吐出期間に、前記圧電変換部材の前記第2電極に印加される電圧を当該非駆動用の固定電圧から前記駆動用の固定電圧へ切り替えを行うものであり、前記非駆動用の固定電圧は、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない電圧範囲内で前記駆動用の固定電圧に近い値に設定されていることを特徴とする。
本態様によれば、非駆動用の固定電圧から駆動用の固定電圧へ切り替えを行ったときの電圧変化が次回の液滴吐出タイミングに吐出される液滴の吐出特性に与える影響を抑制することができる。
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記駆動電圧信号印加手段は、前記駆動用の固定電圧を発生させる第2バイアス電圧電源205等の駆動用電圧源と前記非駆動用の電圧を発生させる第1バイアス電圧電源204等の非駆動用電圧源を、前記複数の圧電変換部材それぞれの第2電極に対してアナログスイッチSW1,SW2,SW1−1,SW1−2,SW2−1,SW2−2等のスイッチング素子を介して接続し、各スイッチング素子を制御して、前記駆動対象の圧電変換部材には該駆動用電圧源からの駆動用の固定電圧を供給し、前記少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材には該非駆動用電圧源からの非駆動用の電圧を供給することを特徴とする。
本態様によれば、圧電変換部材の第2電極に印加する電圧の切り替えを簡易な構成で実現することができる。
前記態様Dにおいて、前記駆動電圧信号印加手段は、前記駆動用電圧源と前記複数の圧電変換部材それぞれの第2電極との間を、互いに並列接続されたアナログスイッチSW2−1,SW2−2等の複数のスイッチング素子によって接続し、前記圧電変換部材の前記第2電極に印加される電圧を前記非駆動用の電圧から前記駆動用の固定電圧へ切り替えるときは、当該圧電変換部材における該複数のスイッチング素子を順次オンにすることを特徴とする。
本態様によれば、非駆動用の固定電圧から駆動用の固定電圧へ切り替えを行ったときの電圧変化が次回の液滴吐出タイミングに吐出される液滴の吐出特性に与える影響を抑制することができる。
液滴吐出装置から記録材へ液滴を吐出することで、該記録材に画像を形成するインクジェット記録装置100等の画像形成装置において、前記液滴吐出装置として、前記態様A〜Eのいずれかの態様に係る液滴吐出装置を用いることを特徴とする。
本態様によれば、発生する波形歪みの違いが狭くなるので、その歪みがなくなるように予め歪ませた波形電圧を駆動波形生成回路202に生成させるといった対応や、その歪みが生じる波形電圧によるインク吐出特性を前提として所望の画像品質を得るための対応などによって、高い画像品質を安定して得ることが可能となる。
液滴を吐出する複数のノズル孔と、各ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、駆動電圧信号が印加されることで、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせる複数の圧電変換部材と、液滴を吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電変換部材に対し、当該圧電変換部材における第1電極に所定の駆動波形をもつ波形電圧を供給するとともに、当該圧電変換部材における第2電極に一定の電圧値である駆動用の固定電圧を供給することで、当該駆動対象の圧電変換部材に前記駆動電圧信号を印加する駆動電圧信号印加手段とを有する液滴吐出装置の駆動制御方法において、液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に対し、前記第1電極に前記波形電圧を供給するとともに、前記第2電極には、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない非駆動用の電圧を供給することで、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に非駆動電圧信号を印加することを特徴とする。
本態様によれば、駆動対象の圧電変換部材の数に応じた波形電圧の歪みの違いが小さくなるので、駆動対象の圧電変換部材の数の違いによる液滴吐出特性の変化を抑制できる。
30 記録材
100 インクジェット記録装置
101 キャリッジ
201 圧電素子
202 駆動波形生成回路
203 波形選択制御回路
204 第1バイアス電圧電源
205 第2バイアス電圧電源
206 バイアス電圧選択制御回路
207 バイアス電圧電源
Claims (7)
- 液滴を吐出する複数のノズル孔と、
各ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、
駆動電圧信号が印加されることで、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせる複数の圧電変換部材と、
液滴を吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電変換部材に対し、当該圧電変換部材における第1電極に所定の駆動波形をもつ波形電圧を供給するとともに、第2電極に一定の電圧値である駆動用の固定電圧を供給することで、当該駆動対象の圧電変換部材に前記駆動電圧信号を印加する駆動電圧信号印加手段とを有する液滴吐出装置において、
前記駆動電圧信号印加手段は、液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に対し、前記第1電極に前記波形電圧を供給するとともに、前記第2電極には、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない非駆動用の電圧を供給することで、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に非駆動電圧信号を印加するものであり、
前記非駆動用の電圧は、前記駆動用の固定電圧とは電圧値が異なる固定電圧であることを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項1に記載の液滴吐出装置において、
前記駆動電圧信号印加手段は、前記駆動用の固定電圧を発生させる駆動用電圧源と前記非駆動用の電圧を発生させる非駆動用電圧源を、前記複数の圧電変換部材それぞれの第2電極に対してスイッチング素子を介して接続し、各スイッチング素子を制御して、前記駆動対象の圧電変換部材には該駆動用電圧源からの駆動用の固定電圧を供給し、前記少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材には該非駆動用電圧源からの非駆動用の電圧を供給することを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項2の液滴吐出装置において、
前記駆動電圧信号印加手段は、前記駆動用電圧源と前記複数の圧電変換部材それぞれの第2電極との間を、互いに並列接続された複数のスイッチング素子によって接続し、前記圧電変換部材の前記第2電極に印加される電圧を前記非駆動用の電圧から前記駆動用の固定電圧へ切り替えるときは、当該圧電変換部材における該複数のスイッチング素子を順次オンにすることを特徴とする液滴吐出装置。 - 液滴を吐出する複数のノズル孔と、
各ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、
駆動電圧信号が印加されることで、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせる複数の圧電変換部材と、
液滴を吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電変換部材に対し、当該圧電変換部材における第1電極に所定の駆動波形をもつ波形電圧を供給するとともに、第2電極に一定の電圧値である駆動用の固定電圧を供給することで、当該駆動対象の圧電変換部材に前記駆動電圧信号を印加する駆動電圧信号印加手段とを有する液滴吐出装置において、
前記駆動電圧信号印加手段は、液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に対し、前記第1電極に前記波形電圧を供給するとともに、前記第2電極には、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない非駆動用の電圧を供給することで、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に非駆動電圧信号を印加するものであり、
更に、前記駆動電圧信号印加手段は、前記駆動用の固定電圧を発生させる駆動用電圧源と前記非駆動用の電圧を発生させる非駆動用電圧源と、前記複数の圧電変換部材それぞれの第2電極との間を、互いに並列接続された複数のスイッチング素子によって接続し、各スイッチング素子を制御して、前記駆動対象の圧電変換部材には該駆動用電圧源からの駆動用の固定電圧を供給し、前記少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材には該非駆動用電圧源からの非駆動用の電圧を供給し、前記圧電変換部材の前記第2電極に印加される電圧を前記非駆動用の電圧から前記駆動用の固定電圧へ切り替えるときは、当該圧電変換部材における該複数のスイッチング素子を順次オンにすることを特徴とする液滴吐出装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液滴吐出装置において、
前記駆動電圧信号印加手段は、液滴吐出タイミングの間の非液滴吐出期間に、前記圧電変換部材の前記第2電極に印加される電圧を当該非駆動用の固定電圧から前記駆動用の固定電圧へ切り替えを行うものであり、
前記非駆動用の固定電圧は、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない電圧範囲内で前記駆動用の固定電圧に近い値に設定されていることを特徴とする液滴吐出装置。 - 液滴吐出装置から記録材へ液滴を吐出することで、該記録材に画像を形成する画像形成装置において、
前記液滴吐出装置として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液滴吐出装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 液滴を吐出する複数のノズル孔と、各ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、駆動電圧信号が印加されることで、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせる複数の圧電変換部材と、液滴を吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電変換部材に対し、当該圧電変換部材における第1電極に所定の駆動波形をもつ波形電圧を供給するとともに、当該圧電変換部材における第2電極に一定の電圧値である駆動用の固定電圧を供給することで、当該駆動対象の圧電変換部材に前記駆動電圧信号を印加する駆動電圧信号印加手段とを有する液滴吐出装置の駆動制御方法において、
液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に対し、前記第1電極に前記波形電圧を供給するとともに、前記第2電極には、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない非駆動用の電圧を供給することで、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に非駆動電圧信号を印加し、
前記非駆動用の電圧として、前記駆動用の固定電圧とは電圧値が異なる固定電圧を用いることを特徴とする液滴吐出装置の駆動制御方法。
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