JP6299242B2 - 冷凍装置の運転制御装置 - Google Patents

冷凍装置の運転制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6299242B2
JP6299242B2 JP2014019091A JP2014019091A JP6299242B2 JP 6299242 B2 JP6299242 B2 JP 6299242B2 JP 2014019091 A JP2014019091 A JP 2014019091A JP 2014019091 A JP2014019091 A JP 2014019091A JP 6299242 B2 JP6299242 B2 JP 6299242B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
generator
compressor
circuit
power
expander
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014019091A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015145770A (ja
Inventor
竜志 安本
竜志 安本
前田 敏行
敏行 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2014019091A priority Critical patent/JP6299242B2/ja
Publication of JP2015145770A publication Critical patent/JP2015145770A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6299242B2 publication Critical patent/JP6299242B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Description

本発明は、冷凍装置の運転制御装置、特に、冷媒の膨張エネルギーで出力軸を駆動する膨張機を冷媒回路に備えた冷凍装置における運転制御装置に関するものである。
近年、冷凍装置に用いられる冷媒として、CO2冷媒が注目されている。CO2冷媒は、地球温暖化係数が小さく且つ環境に優しい反面、HFC冷媒等の他の冷媒と比べてCOP(Coefficient Of Performance)が低い。
そこで、例えば特許文献1に示されるように、冷媒回路に膨張機を含ませることでCOPを高める技術が知られている。特許文献1の冷媒回路は、圧縮機、蒸発機、膨張機および凝縮器が順に接続されることで構成されている。膨張機の出力軸には発電機の回転軸が連結されている。冷媒の膨張エネルギーに基づき膨張機が運転すると、発電機は発電を行う。発電機の発電電力は、圧縮機の補助的な運転電力として用いられるべく、圧縮機のインバータ回路(電力変換回路)に回生される。
特許第4940881号公報
特許文献1では、冷凍サイクルの実行中に圧縮機が停止した時、膨張機に接続され発電電力を圧縮機側へと回生させるための電力回生回路を停止させることで、圧縮機と共に膨張機も停止させている。電力回生回路は、インバータ回路と同様、上アーム側スイッチング素子及び下アーム側スイッチング素子で構成され、上アーム側スイッチング素子または下アーム側スイッチング素子の短絡によって停止する。
しかしながら、発電機が比較的高速で回転している状態にて上アーム側スイッチング素子または下アーム側スイッチング素子が短絡した場合、ブレーキトルクが低いために発電機にはブレーキが十分にかからない虞がある。この場合、圧縮機の停止直後、冷媒回路内に残留している膨張エネルギーによって、膨張機及び発電機はフリーラン状態となる。発電機では発電がなされるが、発電された電力を消費する対象は存在しない。すると、電力回生回路への過電流の通電及び圧縮機側のインバータ回路への過電圧の印加等が生じ、電力回生回路及びインバータ回路が破損する虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、膨張機及び発電機のフリーランによる電力回生回路及びインバータ回路の破損を回避することである。
第1の発明は、冷媒回路(10)に配置された圧縮機(11)及び膨張機(13)と、上記膨張機(13)に連結された発電機(16)とを有する冷凍装置(100)において、上記発電機(16)の発電電力を上記圧縮機(11)の運転電力として回生する冷凍装置の運転制御装置を対象とする。運転制御装置は、直流を交流に変換し、電力を上記圧縮機(11)に供給する電力変換回路(33)と、上記圧縮機(11)を強制的に停止させるための圧縮機強制停止条件の成否を判断する圧縮機側判断部(43,45)と、上記圧縮機側判断部(43,45)の判断結果に基づいて上記電力変換回路(33)を制御する変換制御部(40)と、上記発電機(16)の運転を制御すると共に上記発電電力を上記電力変換回路(33)に回生する電力回生回路(35)と、上記発電機(16)の制御を強制的に停止させるための発電機強制停止条件の成否を判断する発電機側判断部(42,45,43)と、上記発電機側判断部(42,45,43)の判断結果に基づいて上記電力回生回路(35)を制御する回生制御部(43)と、上記発電電力を放電可能な放電回路(37)と、を備える。上記変換制御部(40)は、上記冷凍装置(100)に関する異常の発生時、上記圧縮機強制停止条件が上記発電機強制停止条件よりも先に成立するように設定されていることによって、上記発電機(16)より先に上記圧縮機(11)が停止するように上記電力変換回路(33)を制御する。上記圧縮機(11)が停止してから上記発電機(16)が停止するまでの間、上記回生制御部(43)は、上記発電機(16)が所定回転数以下で運転を継続するように上記電力回生回路(35)を制御し、上記放電回路(37)は上記発電電力を放電し、上記圧縮機強制停止条件は、上記発電機(16)に流れる電流(Im)が第1閾値以上である場合に成立し、上記発電機強制停止条件は、上記発電機(16)に流れる電流(Im)が上記第1閾値よりも高い第2閾値以上である場合に成立することを特徴とする。
第1の発明によると、冷凍装置(100)に関する異常の発生時、圧縮機(11)が発電機(16)よりも先に停止する制御が行われる。圧縮機(11)が停止してから発電機(16)が停止するまでの間、発電機(16)を所定回転数以下で運転継続させ、その発電電力を放電回路(37)にて放電する制御が行われる。これにより、発電機(16)及び膨張機(13)はフリーラン状態になることはなく、残留した膨張エネルギーは消費され、しかも電力変換回路(33)に過電圧が印加されたり電力回生回路(35)に過電流が流れたりすることを防ぐことができる。従って、各回路(33,35)の破損を防ぐことができる。また、冷凍装置(100)に関する異常の発生時、圧縮機強制停止条件が発電機強制停止条件よりも先に成立するため、圧縮機(11)は発電機(16)よりも先に停止できる。また、冷凍装置(100)に関する異常の発生を把握することができる。更には、過電流状態となって電力変換回路(33)等が破損することを防止できる。
第2の発明は、冷媒回路(10)に配置された圧縮機(11)及び膨張機(13)と、上記膨張機(13)に連結された発電機(16)とを有する冷凍装置(100)において、上記発電機(16)の発電電力を上記圧縮機(11)の運転電力として回生する冷凍装置の運転制御装置であって、直流を交流に変換し、電力を上記圧縮機(11)に供給する電力変換回路(33)と、上記圧縮機(11)を強制的に停止させるための圧縮機強制停止条件の成否を判断する圧縮機側判断部(43,45)と、上記圧縮機側判断部(43,45)の判断結果に基づいて上記電力変換回路(33)を制御する変換制御部(40)と、上記発電機(16)の運転を制御すると共に上記発電電力を上記電力変換回路(33)に回生する電力回生回路(35)と、上記発電機(16)の制御を強制的に停止させるための発電機強制停止条件の成否を判断する発電機側判断部(42,45,43)と、上記発電機側判断部(42,45,43)の判断結果に基づいて上記電力回生回路(35)を制御する回生制御部(43)と、上記発電電力を放電可能な放電回路(37)と、を備え、上記変換制御部(40)は、停電である上記冷凍装置(100)に関する異常の発生時、上記圧縮機強制停止条件が上記発電機強制停止条件よりも先に成立するように設定されていることによって、上記発電機(16)より先に上記圧縮機(11)が停止するように上記電力変換回路(33)を制御し、上記圧縮機(11)が停止してから上記発電機(16)が停止するまでの間、上記回生制御部(43)は、上記発電機(16)が所定回転数以下で運転を継続するように上記電力回生回路(35)を制御し、上記放電回路(37)は上記発電電力を放電し、上記圧縮機強制停止条件は、上記電力回生回路(35)の出力電圧(Vdc)が第3閾値以下である場合に成立し、上記発電機強制停止条件は、上記電力回生回路(35)の出力電圧(Vdc)が上記第3閾値よりも低い第4閾値以下である場合に成立することを特徴とする冷凍装置の運転制御装置である。
第2の発明によると、冷凍装置(100)に関する異常の発生時、圧縮機(11)が発電機(16)よりも先に停止する制御が行われる。圧縮機(11)が停止してから発電機(16)が停止するまでの間、発電機(16)を所定回転数以下で運転継続させ、その発電電力を放電回路(37)にて放電する制御が行われる。これにより、発電機(16)及び膨張機(13)はフリーラン状態になることはなく、残留した膨張エネルギーは消費され、しかも電力変換回路(33)に過電圧が印加されたり電力回生回路(35)に過電流が流れたりすることを防ぐことができる。従って、各回路(33,35)の破損を防ぐことができる。また、冷凍装置(100)に関する異常の発生時、圧縮機強制停止条件が発電機強制停止条件よりも先に成立するため、圧縮機(11)は発電機(16)よりも先に停止できる。また、停電発生に伴い、出力回生回路(35)の出力電圧(Vdc)は低下するため、出力電圧(Vdc)により停電の発生が把握される
第3の発明は、第2の発明において、上記発電機(16)に流れる電流または上記電力回生回路(35)の出力電圧を検出する少なくとも1つの検出部(41,39,46)を更に備える。上記圧縮機強制停止条件の成否及び上記発電機強制停止条件の成否は、少なくとも1つの上記検出部(41,39,46)のうち同一の上記検出部(41,39)の検出結果に基づいて判断されることを特徴とする。
互いに異なる検出部の検出結果に基づいて圧縮機強制停止条件及び発電機強制停止条件の各成否判断がされると、いくら圧縮機(11)を発電機(16)よりも先に停止させるように各条件が設定されていても、検出部間での検出タイミングのずれや検出誤差等によって圧縮機(11)を発電機(16)より先に停止させることが困難となる場合がある。これに対し、第3の発明では、圧縮機強制停止条件及び発電機強制停止条件の各成否判断には、同一の検出部(41,39)の検出結果、即ち出所が同一である検出結果が用いられる。これにより、確実に圧縮機(11)を発電機(16)よりも先に停止させることが可能となる
の発明は、第1の発明から第の発明のいずれか1つにおいて、上記回生制御部(43)は、上記圧縮機(11)の停止後、上記膨張機(13)の冷媒流入口と冷媒流出口との間における圧力差が上記圧縮機(11)の停止時よりも低い差である所定差以下となった場合に、上記発電機(16)が停止するように上記電力回生回路(35)を制御することを特徴とする。
膨張機(13)の冷媒流入口と冷媒流出口との間における圧力差が所定差以下であるということは、冷媒の膨張エネルギーが減少したことを意味する。これにより、発電機(16)を停止したとしても、過電流及び過電圧が生じる危険性が低いと言える。従って、発電機(16)を停止したことによる電力変換回路(33)及び電力回生回路(35)への影響がなく、これらの回路(33,35)の損傷を防ぐことができる。
の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれか1つにおいて、上記回生制御部(43)は、上記圧縮機(11)の停止後、上記発電機(16)に流れる電流(Im)が上記圧縮機(11)の停止時よりも低い電流である所定電流値以下となった場合、上記発電機(16)が停止するように上記電力回生回路(35)を制御することを特徴とする。
発電機(16)に流れる電流(Im)が所定値以下ということは、過電流が生じていないことを意味する。これにより、発電機(16)を停止したとしても、過電流が生じる危険性も低い。故に、発電機(16)を停止したことによる電力変換回路(33)及び電力回生回路(35)への影響が比較的なく、これらの回路(33,35)の損傷を防ぐことができる。
の発明は、第1の発明から第の発明のいずれか1つにおいて、上記冷凍装置(100)に関する異常が停電であって、上記回生制御部(43)は、上記圧縮機(11)の停止後、上記電力回生回路(35)の出力電圧(Vdc)が上記圧縮機(11)の停止時よりも低い電圧である所定電圧値以下となった場合、上記発電機(16)が停止するように上記電力回生回路(35)を制御することを特徴とする。
出力電圧(Vdc)が所定電圧値以下ということは、過電圧が生じていないことを意味する。これにより、発電機(16)を停止したとしても、過電圧が生じる危険性も少ない。故に、発電機(16)を停止したことによる電力変換回路(33)及び電力回生回路(35)への影響が比較的なく、これらの回路(33,35)の損傷を防ぐことができる。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明のいずれか1つにおいて、上記回生制御部(43)は、上記圧縮機(11)の停止後、上記発電機(16)が回生運転から力行運転へと変化した場合、上記発電機(16)が停止するように上記電力回生回路(35)を制御する。
発電機(16)が回生運転から力行運転に変化したということは、残留していた冷媒回路(10)内の冷媒の膨張エネルギーが概ね消費されたたことを意味する。これにより、発電機(16)を停止したとしても、過電流及び過電圧が生じる危険性が非常に低い。従って、発電機(16)を停止したことによる電力変換回路(33)及び電力回生回路(35)への影響がなく、これらの回路(33,35)の損傷を防ぐことができる。
第1及び第2の発明によれば、電力変換回路(33)及び電力回生回路(35)の破損を防ぐことができる。
また、上記第1の発明〜第3の発明によれば、圧縮機(11)は発電機(16)よりも先に停止できる
また、上記第1の発明によれば、冷凍装置(100)に関する異常の発生を把握することができ、更には、過電流状態となって電力変換回路(33)等が破損することを防止できる。
また、上記第の発明によれば、停電の発生が把握される。
また、上記第の発明から第の発明によれば、発電機(16)を停止したことによる電力変換回路(33)及び電力回生回路(35)への影響がなく、これらの回路(33,35)の損傷を防ぐことができる。
図1は、実施形態1に係る冷凍装置における冷媒回路の配管系統と、運転制御装置の全体構成とを示す図である。 図2は、発電機に流れる電流に基づき冷凍装置に関する異常の発生が把握される場合の、直流電圧、圧縮機の回転数、膨張機の回転数及び発電機に流れる電流の経時的変化を表したタイミングチャートである。 図3は、実施形態1に係る圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件それぞれにて用いられる閾値の大小関係を表す図である。 図4は、圧縮機の停止後に、膨張機の冷媒流入口と冷媒流出口との間の圧力差に基づいて発電機が停止するタイミングを表すタイミングチャートである。 図5は、圧縮機の停止後に、発電機に流れる電流値に基づいて発電機が停止するタイミングを表すタイミングチャートである。 図6は、圧縮機の停止後に、発電機のトルク指令の状態に基づいて発電機が停止するタイミングを表すタイミングチャートである。 図7は、圧縮機の停止後に、発電機の発電電力に基づいて発電機が停止するタイミングを表すタイミングチャートである。 図8は、主に、実施形態1の変形例1に係る運転制御装置の全体構成を示す図である。 図8は、主に、実施形態1の変形例2に係る運転制御装置の全体構成を示す図である。 図10は、実施形態2に係る冷凍装置における冷媒回路の配管系統と、運転制御装置の全体構成とを示す図である。 図11は、冷凍装置に関する異常が停電である場合の、直流電圧、圧縮機の回転数及び膨張機の回転数の経時的変化を表したタイミングチャートである。 図12は、実施形態2に係る圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件それぞれにて用いられる閾値の大小関係を表す図である。 図13は、圧縮機の停止後に、直流電圧に基づいて発電機が停止するタイミングを表すタイミングチャートである。 図14は、主に、実施形態2の変形例1に係る運転制御装置の全体構成を示す図である。 図15は、主に、実施形態2の変形例2に係る運転制御装置の全体構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
≪実施形態1≫
<冷凍装置の構成>
図1は、本実施形態1に係る冷凍装置(100)における冷媒回路(10)の配管系統と冷凍装置(100)の運転制御装置(20)の全体構成とを示す図である。図1に示すように、冷凍装置(100)は、主として、冷媒回路(10)、発電機(16)、及び冷凍装置の運転制御装置(20)(以下、単に運転制御装置(20)と言う)を有する。
冷媒回路(10)には、圧縮機(11)、凝縮器(12)、膨張機(13)及び蒸発器(14)が配置されており、これらが冷媒配管によって順次接続されることで構成されている。冷媒回路(10)では、例えばCO2冷媒等である冷媒を循環させて冷凍サイクルが行われる。
運転制御装置(20)は、圧縮機(11)、膨張機(13)及び発電機(16)の運転を制御する装置である。運転制御装置(20)については、“<運転制御装置の構成>”で詳述する。
−冷媒回路−
まず、冷媒回路(10)を構成する各種構成要素について説明する。
圧縮機(11)は、冷媒回路(10)から冷媒を吸引すると、当該冷媒を圧縮して再び冷媒回路(10)へと吐出する。圧縮機(11)には、例えばスクロール式の圧縮機など種々の形式の圧縮機構が採用され、モータ(11a)によって駆動される。モータ(11a)は、同期モータであって、例えば埋め込み磁石(いわゆるIPM:Interior Permanent Magnet)型のモータが採用される。
凝縮器(12)及び蒸発器(14)は、空気と冷媒回路(10)内の冷媒とを熱交換させる熱交換器であって、例えばクロスフィン・アンド・チューブ式の熱交換器が採用される。凝縮器(12)は、冷媒を凝縮させ、蒸発器(14)は、冷媒を蒸発させる。
膨張機(13)は、流入した冷媒を膨張させて動力を発生させる。膨張機(13)は、図示していないが、例えば揺動ピストン型のロータリ式流体機械で構成することができる。ロータリ式流体機械では、シリンダ及びピストンが設けられ、流入した冷媒の膨張エネルギーによってピストンが駆動し、出力軸(図示せず)が回転駆動される。この出力軸には、発電機(16)の回転軸が連結されている。
なお、冷媒回路(10)には、バイパス弁(17)が更に設けられている。バイパス弁(17)は、膨張機(13)と並列接続されている。バイパス弁(17)は、圧縮機(11)の運転中は閉じられ、圧縮機(11)の停止中は開けられる。
−発電機−
発電機(16)は、上述したように膨張機(13)に連結されている。発電機(16)には、例えば発電用ブラシレスDCモータが採用される。具体的に、発電機(16)には、ロータのコア内に磁石が埋め込まれた埋め込み磁石型の発電機が採用される。
膨張機(13)が冷媒回路(10)内の膨張エネルギーにより駆動されることによって、発電機(16)は、回転して当該膨張エネルギーに応じた電力を発電する。
<運転制御装置の構成>
運転制御装置(20)は、発電機(16)の発電電力を、圧縮機(11)の運転電力として回生する装置である。運転制御装置(20)は、主として、電力変換装置(30)、電力回生回路(35)、放電回路(37)、放電制御部(38)、圧縮機側制御部(40)(変換制御部に相当)、電流検出回路(41)(検出部に相当)、膨張機側過電流検出回路(42)(発電機側判断部に相当)、及び膨張機側制御部(43)(回生制御部及び圧縮機側判断部に相当)を備える。
−電力変換装置−
電力変換装置(30)は、コンバータ回路(31)、直流リンク部(32)及びインバータ回路(33)(電力変換回路に相当)で構成されている。
コンバータ回路(31)は、複数のダイオードからなるダイオードブリッジ回路で構成されている。コンバータ回路(31)は、交流電源(50)からの三相交流が入力されると、これを整流して出力する。
直流リンク部(32)は、電解コンデンサ(C)を有する。直流リンク部(32)は、コンバータ回路(31)の出力電圧を平滑化する。平滑化された電圧は、インバータ回路(33)に入力される。
インバータ回路(33)は、ブリッジ接続された複数(例えば6つ)のスイッチング素子で構成される。インバータ回路(33)は、これらのスイッチング素子が適宜スイッチング動作を行うことによって、平滑化された電圧に基づく直流を交流に変換する。インバータ回路(33)では、PWM制御によって、スイッチング素子の矩形波駆動が行われる。インバータ回路(33)の出力である交流電力は、圧縮機(11)の圧縮機用モータ(11a)に供給される。即ち、インバータ回路(33)は、圧縮機用モータ(11a)の制御を行う。
−電力回生回路−
電力回生回路(35)は、インバータ回路(33)と同様の構成を有する。電力回生回路(35)は、各スイッチング素子が適宜スイッチング動作を行うことによって、発電機(16)の発電電力である交流電力を直流に変換するコンバータ回路として機能することができる。電力回生回路(35)は、直流リンク部(32)に並列に接続されており、変換後の直流電力は、直流リンク部(32)の電解コンデンサ(C)を介してインバータ回路(33)に回生される。
また、電力回生回路(35)は、平滑化された電圧に基づく直流を交流に変換するインバータ回路としても機能することができる。この場合、変換後の交流電力は発電機(16)に供給される。即ち、電力回生回路(35)は、発電機(16)の運転を制御することもできる。
−放電回路及び放電制御部−
放電回路(37)は、電力回生回路(35)に接続されると共に、内部に1または複数(図1では1つ)のスイッチング素子と抵抗素子とを有する。スイッチング素子がオンの場合、放電回路(37)は、電力回生回路(35)で変換された直流(即ち、直流に変換された発電電力)を抵抗素子に流して放電する。スイッチング素子がオフの場合、放電回路(37)内には抵抗素子を含む通電経路が形成されないため、放電回路(37)は放電動作を行わない。
放電制御部(38)は、放電回路(37)に接続されており、放電回路(37)のスイッチング素子のオン及びオフを制御することで、放電回路(37)の放電動作を制御する。放電制御部(38)は、例えば、放電回路(37)のスイッチング素子をオン及びオフさせるドライバと、CPU及びメモリで構成されるマイクロコンピュータとで構成される。
具体的に、放電制御部(38)は、電力回生回路(35)の出力電圧(以下、直流電圧(Vdc))を検出する出力電圧検出回路(39)と接続されている。出力電圧検出回路(39)の検出結果が予め設定された第1設定値にまで上昇した場合、放電制御部(38)は、放電回路(37)に対し放電動作を行わせ、電力回生回路(35)の出力電圧を下げる。出力電圧検出回路(39)の検出結果が第1設定値よりも低い第2設定値にまで低下すると、放電制御部(38)は、放電動作を停止させる(図2参照)。
なお、第1設定値は、例えば電力回生回路(35)を構成する素子の耐電圧値未満の所定の電圧値であって、且つ発電機(16)を予め定めた所定回転数に一定制御するための電力回生回路(35)の出力電圧に設定される。第2設定値は、第1設定値よりも低い値であればよく、第1設定値から任意の電圧値を下げた電圧に設定される。
−圧縮機側制御部−
圧縮機側制御部(40)は、インバータ回路(33)に接続されており、当該インバータ回路(33)を制御することにより間接的に圧縮機(11)の制御を行う。圧縮機側制御部(40)は、図示していないが、インバータ回路(33)の各スイッチング素子の制御端子に接続されたドライバと、CPU及びメモリで構成されるマイクロコンピュータとで構成される。
例えば、圧縮機側制御部(40)は、インバータ回路(33)のスイッチング素子を適宜オン及びオフ制御して、必要な冷凍能力になるように圧縮機用モータ(11a)の回転速度及び出力トルクを調整する。
また、圧縮機側制御部(40)は、冷凍装置(100)に関する異常が発生した場合、圧縮機(11)を停止する制御を行うが、当該動作については“<異常発生時の運転制御装置の動作>”にて詳述する。
−電流検出回路−
電流検出回路(41)は、発電機(16)に流れる電流を検出する。図1では、一例として、電流検出回路(41)が、電力回生回路(35)の負側配線上に直列接続されたシャント抵抗の両端電圧から発電機(16)に流れる電流値を算出する構成である場合が図示されている。電流検出回路(41)の検出結果は、膨張機側過電流検出回路(42)及び膨張機側制御部(43)に出力される。
−膨張機側過電流検出回路−
膨張機側過電流検出回路(42)は、発電機(16)の制御を強制的に停止させることで膨張機(13)を強制停止させるための膨張機強制停止条件(発電機強制停止条件に相当)、の成否を判断することにより、発電機(16)(即ち膨張機(13)側)での過電流状態の有無を検出する。具体的に、膨張機側過電流検出回路(42)は、電流検出回路(41)の検出結果に基づいて膨張機強制停止条件の成否を判断し、判断結果を膨張機側制御部(43)に出力する。
膨張機強制停止条件は、冷凍装置(100)に関する異常が発生した時に成立する条件であるが、その詳細については“<異常発生時の運転制御装置の動作>”にて説明する。
−膨張機側制御部−
膨張機側制御部(43)は、電力回生回路(35)に接続されており、当該電力回生回路(35)を制御することによって発電機(16)及び膨張機(13)の制御を間接的に行う。膨張機側制御部(43)は、図示していないが、電力回生回路(35)の各スイッチング素子の制御端子に接続されたドライバと、CPU及びメモリで構成されるマイクロコンピュータとで構成される。
また、膨張機側制御部(43)は、圧縮機側制御部(40)とも接続されており、圧縮機強制停止条件を予め記憶している。圧縮機強制停止条件は、圧縮機用モータ(11a)の制御を強制的に停止させることで圧縮機(11)を強制停止させるための条件である。膨張機側制御部(43)は、当該圧縮機強制停止条件の成否を、上述した膨張機強制停止条件の成否判断においても共通して用いられる電流検出回路(41)の検出結果に基づいて判断し、その判断結果を圧縮機側制御部(40)に出力する。即ち、膨張機側制御部(43)は、膨張機(13)のみならず、圧縮機(11)についても間接的に制御を行うことが可能となっている。
圧縮機強制停止条件は、膨張機強制停止条件と同様、冷凍装置(100)に関する異常が発生した時に成立する条件であるが、その詳細については“<異常発生時の運転制御装置の動作>”にて説明する。
<異常発生時の運転制御装置の動作>
図2は、発電機(16)に流れる電流に基づき冷凍装置(100)に関する異常の発生が把握される場合の、直流電圧(Vdc)、圧縮機(11)の回転数、膨張機(13)の回転数及び発電機(16)に流れる電流の経時的変化を表したタイミングチャートである。
冷凍装置(100)が正常に運転している状態では、圧縮機側制御部(40)によるインバータ回路(33)の制御によって圧縮機用モータ(11a)は回転し、圧縮機(11)は正常に運転している。この状態にて、図2に示すように、冷凍装置(100)に関する異常が発生すると、原則的には、発電機(16)(即ち膨張機(13)側)よりも先に圧縮機(11)が停止するように、圧縮機側制御部(40)はインバータ回路(33)の停止制御を行う。この制御によって圧縮機(11)が停止すると、冷媒回路(10)内では更なる冷媒の膨張エネルギーが生じることはないが、圧縮機(11)の停止直前までに生じていた膨張エネルギーは、冷媒回路(10)内に残留している。そのため、圧縮機(11)の停止後であっても、膨張機(13)は、残留している膨張エネルギーにより運転する。
この際、発電機(16)は、膨張機(13)の運転に伴って発電するが、発電電力の回生先である圧縮機(11)側のインバータ回路(33)は停止している。すると、発電電力の消費先がないため、直流電圧(Vdc)が上昇して例えば第1設定値以上となったり(即ち過電圧)、発電電力に伴う過渡的な大電流(即ち過電流)が電力回生回路(35)を介してインバータ回路(33)へと通電されたりしてしまう。
そこで、本実施形態1では、圧縮機(11)が停止してから発電機(16)が停止するまでの間、図2及び図4等に示すように、膨張機側制御部(43)は、発電機(16)が一定である所定回転数で運転を継続するように電力回生回路(35)を制御し、放電制御部(38)は、直流電圧(Vdc)が第1設定値以上となると放電回路(37)による発電電力の放電を開始させる。
これにより、圧縮機(11)の停止後から膨張機(13)が停止するまでの間、発電機(16)は積極的に制御されるため、発電機(16)及び膨張機(13)はフリーラン状態とはならない。しかも、残留していた膨張エネルギーは、発電機(16)を積極的に運転させることによって比較的早く減少していく。そして、圧縮機(11)の停止後から膨張機(13)が停止するまでの間、発電機(16)における発電電力は放電され廃棄される。そのため、直流電圧(Vdc)の第1設定値以上への上昇が比較的抑えられると共に、直流電圧(Vdc)は膨張エネルギーの減少に伴い次第に減少していく(図4〜7参照)。従って、過電圧状態及び過電流状態となることが抑制される。
ここで、上記所定回転数は、発電機(16)に流れる電流(Im)が再度過電流状態とはならない回転数であって、且つ残留している膨張エネルギーをできるだけ早く消費できるような回転数に設定される。
―圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件―
冷凍装置(100)に関する異常としては、圧縮機(11)における高圧異常、膨張機(13)に過負荷が作用した場合、停電等が挙げられる。このうち、停電を除く異常の発生の有無は、電流検出回路(41)の検出結果に基づき、圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件の各成否を判断することにより把握が可能である。
図3は、本実施形態1に係る圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件それぞれにて用いられる閾値の大小関係を表す図である。圧縮機強制停止条件では、図2及び図3の過電流第1閾値(第1閾値に相当)が用いられ、膨張機強制停止条件では、過電流第2閾値(第2閾値に相当)が用いられる。
圧縮機強制停止条件は、例えば圧縮機(11)における高圧異常の発生の有無を把握するための条件であって、電流検出回路(41)の検出結果、即ち発電機(16)に流れる電流(Im)が過電流第1閾値以上となると成立し、成立時には発電機(16)よりも先に圧縮機(11)が強制的に停止される。当該電流(Im)が過電流第1閾値未満の場合には、圧縮機強制停止条件は不成立となり、圧縮機(11)及び膨張機(13)の運転状態は維持される。膨張機強制停止条件は、例えば発電機(16)または電力変換回路(35)の異常の発生の有無を把握するための条件であって、当該電流(Im)が更に過電流第2閾値以上となると成立し、成立時には少なくとも電力回生回路(35)の制御が強制的に停止されることで、発電機(16)及び膨張機(13)の制御が強制的に停止される。当該電流(Im)が過電流第2閾値未満の場合には、膨張機強制停止条件は不成立となる。
なお、図3の運転エリア最大電流値は、圧縮機(11)及び膨張機(13)が共に確実に正常に運転することのできる電流(Im)の範囲の上限値である。過電流第1閾値及び過電流第2閾値は、いずれも運転エリア最大電流値よりも大きい。これは、異常発生時、発電機(16)に流れる電流(Im)が正常時に比べて増大するためである。
特に、本実施形態1では、過電流第2閾値は、過電流第1閾値よりも大きい値に設定されている。これは、異常の発生に伴い発電機(16)に流れる電流(Im)が増大する特性を利用して、圧縮機強制停止条件を膨張機強制停止条件よりも先に成立させるためである。
以上より、発電機(16)に流れる電流(Im)が増大すると、原則的には圧縮機強制停止条件が膨張機強制停止条件よりも先に成立するが、発生した異常の種類や程度等によっては、正常範囲であった電流(Im)が急激に過電流第2閾値以上に達する場合もあり得る。すると、各強制停止条件の判断タイミングによっては、圧縮機強制停止条件よりも先に膨張機強制停止条件が成立することも考えられる。この場合には、圧縮機強制停止条件の成否に関わらず、発電機(16)の制御が強制停止されると共に圧縮機(11)をも強制的に停止されることが好ましい。即ち、先に膨張機強制停止条件が成立した時は、緊急的かつ強制的に圧縮機(11)及び発電機(16)の制御を停止させる優先度が非常に高い状態と言えるため、発電機(16)及び膨張機(13)のフリーランをやむを得ず許容してもよい。
また、本実施形態1では、同一の1つの電流検出回路(41)の検出結果を用いて、膨張機側過電流検出回路(42)及び膨張機側制御部(43)が各強制停止条件の成否を判断している。仮に、電流検出用の回路が複数設けられ、膨張機側過電流検出回路(42)及び膨張機側制御部(43)それぞれが別々の電流検出用の回路の検出結果を用いて各強制停止条件を個々に判断する場合を考える。この場合、電流検出用の回路の検出タイミングずれや破損等によって圧縮機(11)を停止するタイミングと発電機(16)の制御の停止タイミングとが逆になってしまい、挙句の果てには、破損していない各種構成要素までもが破損する事象を引き起こしかねない。しかし、本実施形態1では、各強制停止条件の判断にて用いられる電流検出用の回路は共通しているため、このような現象が生じることもない。
更に、本実施形態1では、膨張機(13)を制御可能な膨張機側制御部(43)が、圧縮機強制停止条件の成否を判断して圧縮機側制御部(40)の制御を行う。そのため、圧縮機強制停止条件の成立時、膨張機側制御部(43)は、先に圧縮機側制御部(43)へと圧縮機(11)の停止を促した後、膨張機側制御部(43)自身が発電機(16)の停止を行うことで、圧縮機(11)を膨張機(13)よりも確実に先に停止させることができる。
−発電機の停止タイミング−
圧縮機(11)の停止後に発電機(16)を停止させるトリガとなる条件としては、(条件A)〜(条件D)が挙げられる。なお、以下の(条件A)〜(条件D)は、いずれも上記膨張機強制停止条件とは関連性のないものである。
(条件A)膨張機(13)の冷媒流入口と冷媒流出口との間における圧力差が所定差以下となった場合(図4)
(条件B)発電機(16)に流れる電流(Im)が所定電流値以下となった場合(図5)
(条件C)発電機(16)へのトルク指令の種類が回生トルク指令から力行トルク指令に変化した場合(図6)
(条件D)発電機(16)の発電電力の種類が回生電力から力行電力に変化した場合(図7)
図4は、圧縮機(11)の停止後に、膨張機(13)の冷媒流入口と冷媒流出口との間の圧力差に基づいて発電機(16)が停止するタイミングを表すタイミングチャートである。図5は、圧縮機(11)の停止後に、発電機(16)に流れる電流(Im)に基づいて発電機(16)が停止するタイミングを表すタイミングチャートである。図6は、圧縮機(11)の停止後に、発電機(16)へのトルク指令の内容に基づいて発電機(16)が停止するタイミングを表すタイミングチャートである。図7は、圧縮機(11)の停止後に、発電機(16)の発電電力に基づいて発電機(16)が停止するタイミングを表すタイミングチャートである。
(条件A)の所定差は、圧縮機(11)の停止時の圧力差よりも低い値に設定されている。(条件B)の所定電流値は、圧縮機(11)の停止時に発電機(16)に流れる電流(Im)よりも低い電流値に設定されている。(条件C)及び(条件D)はいずれも、発電機(16)が回生運転から力行運転へと変化したタイミングに相当する。
上記(条件A)〜(条件D)はいずれも、残留していた冷媒回路(10)内の冷媒の膨張エネルギーが概ね消費されたこと、及び、過電流及び過電圧が発生していないことを意味する条件である。そこで、(条件A)〜(条件D)のいずれかが成立した場合には、発電機(16)を停止しても過電流状態及び過電圧状態となる危険性が非常に低いため、膨張機側制御部(43)は、発電機(16)が停止するように電力回生回路(35)を制御する。
なお、(条件A)、(条件B)、(条件C)、(条件D)は、この順序にて優先度が高い。上記(条件A)〜(条件D)の成否が並行して監視され、その中でも優先度のより高い条件が成立した時に、発電機(16)が停止される制御が行われても良い。
<実施形態1の効果>
本実施形態1に係る運転制御装置(20)は、冷凍装置(100)に関する異常の発生時、圧縮機(11)を発電機(16)よりも先に停止させる。圧縮機(11)が停止してから発電機(16)が停止するまでの間、運転制御装置(20)は、発電機(16)の運転を所定回転数以下にて継続させながら、該発電機(16)の発電電力を放電回路(37)にて放電する。これにより、発電機(16)及び膨張機(13)はフリーラン状態になることはない。しかも、残留した膨張エネルギーは消費される。そのため、インバータ回路(33)が過電圧状態及び電力回生回路(35)が過電流状態とならずに済み、各種回路(33,35)の破損が防がれる。
また、冷凍装置(100)に関する異常の発生時、圧縮機強制停止条件が膨張機強制停止条件よりも先に成立するように、各強制停止条件が設定されている。これにより、圧縮機(11)は発電機(16)よりも先に停止できる。
特に、各強制停止条件の成否判断には、同一の電流検出部(41)の検出結果が用いられる。これにより、仮に複数の電流検出回路それぞれの検出結果を用いて各強制停止条件の成否が判断される場合に生じる虞のある、検出回路間での検出タイミングのずれや検出誤差等は、生じることがない。従って、確実に圧縮機(11)を発電機(16)よりも先に停止させることが可能となる。
膨張機強制停止条件が圧縮機強制停止条件よりも先に成立する場合としては、発電機(16)または電力変換回路(35)の異常が原因で、圧縮機(11)のみならず発電機(16)の制御をも直ちに止めざるを得ないような状況且つ圧縮機強制停止条件に比して緊急性を要する状況となっている冷凍装置(100)に関する異常、が生じた場合が挙げられる。本実施形態1では、膨張機強制停止条件が成立した場合、圧縮機強制停止条件の成否に関わらず、圧縮機(11)を直ちに強制的に停止させる制御が行われる。従って、緊急性を要する異常が生じた場合でも、圧縮機(11)が破損することを回避できる。
上述の圧縮機強制停止条件は、発電機(16)に流れる電流(Im)が過電流第1閾値以上である場合に成立し、膨張機強制停止条件は、当該電流(Im)が過電流第1閾値よりも高い過電流第2閾値以上である場合に成立する。これにより、異常の発生を把握することができ、更には過電流状態が生じてインバータ回路(33)等が破損することを防止できる。
また、本実施形態1では、圧縮機(11)の停止後、上記(条件A)〜(条件D)のいずれかが成立した時に、発電機(16)が停止される。これにより、発電機(16)を停止したことによるインバータ回路(33)及び電力回生回路(35)への影響がなく、これらの回路(33,35)の損傷を防ぐことができる。
具体的に、(条件A)では、膨張機(13)の冷媒流入口と冷媒流出口との間における圧力差が所定差以下となった場合に、発電機(16)が停止される。上記圧力差が所定差以下であるということは、冷媒の膨張エネルギーが減少したことを意味するため、発電機(16)を停止しても過電流及び過電圧が生じる危険性は低い。
(条件B)では、発電機(16)に流れる電流(Im)が所定電流値以下となった場合に、発電機(16)が停止される。当該電流(Im)が所定電流値以下ということは、過電流が生じていないことを意味するため、発電機(16)を停止しても過電流が生じる危険性は低い。
(条件C)及び(条件D)では、いずれも、発電機(16)が回生運転から力行運転へと変化した場合に発電機(16)が停止される。発電機(16)が回生運転から力行運転に変化したということは、残留していた冷媒回路(10)内の冷媒の膨張エネルギーが概ね消費されたたことを意味するため、発電機(16)を停止しても過電流及び過電圧が生じる危険性は非常に低い。
<実施形態1の変形例>
―変形例1−
電流検出回路(41)は、電力回生回路(35)の負側配線上のシャント抵抗の両端電圧から電流検出を行う代わりに、図8に示すように、発電機(16)の相電流を検出してもよい。
図8は、主に、実施形態1の変形例1に係る運転制御装置(20)の全体構成を示す図である。図8では、発電機(16)と電力回生回路(35)とを接続する複数の配線のうちいずれか1本にカレントセンサが取り付けられている。電流検出回路(41)は、そのカレントセンサから発電機(16)の任意の1相に流れる電流を検出する。
−変形例2−
各強制停止条件の成否判断は、膨張機側過電流回路(42)及び膨張機側制御部(43)以外が行っても良い。図9は、その一例を示す。
図9は、主に、実施形態1の変形例2に係る運転制御装置(20)の全体構成を示す図である。図9では、膨張機側過電流回路(42)は設けられていないが、代わりに条件成否判断回路(45)が1つ設けられている。電流検出回路(41)の出力は、条件成否判断回路(45)にのみ接続され、条件成否判断回路(45)の出力は、圧縮機側制御部(40)及び膨張機側制御部(43)に接続されている。
条件成否判断回路(45)は、電流検出回路(41)の検出結果に基づいて、圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件それぞれの成否を判断する。圧縮機強制停止条件の成立時、条件成否判断回路(45)は、圧縮機(11)を停止させる旨の信号を圧縮機側制御部(40)に出力した後、発電機(16)を停止させる旨の信号を膨張機側制御部(43)に出力する。これにより、過電流発生時、発電機(16)よりも先に確実に圧縮機(11)は停止できる。
膨張機強制停止条件の成立時、条件成否判断回路(45)は、圧縮機(11)及び発電機(16)それぞれを直ちに停止させる旨の信号を、ほぼ同時に各制御部(40,43)に出力してもよい。
≪実施形態2≫
本実施形態2では、直流電圧(Vdc)に基づいて冷凍装置(100)に関する異常の発生の有無を把握する場合について説明する。当該異常としては、停電が挙げられる。
図10は、本実施形態2に係る冷凍装置(100)における冷媒回路(10)の配管系統と、運転制御装置(20)の全体構成とを示す図である。冷凍装置(100)の冷媒回路(10)の構成は、上記実施形態1と同様である。
<運転制御装置の構成>
本実施形態2に係る運転制御装置(20)は、主として、電力変換装置(30)、電力回生回路(35)、放電回路(37)、放電制御部(38)、第1出力電圧検出回路(39)(検出部に相当)、圧縮機側制御部(40)(変換制御部に相当)、電流検出回路(41)、膨張機側制御部(43)(回生制御部、圧縮機側判断部、発電機側判断部に相当)、及び第2出力電圧検出回路(46)(検出部に相当)を備える。
電力変換装置(30)、電力回生回路(35)、放電回路(37)及び放電制御部(38)は、上記実施形態1にて同じ名称及び符合を付して説明した各構成要件と同様である。電流検出回路(41)の検出結果は、膨張機側制御部(43)にのみ入力されるが、電流検出回路(41)の構成等は上記実施形態1と同様である。
−第1出力電圧検出回路及び第2出力電圧検出回路−
第1出力電圧検出回路(39)及び第2出力電圧検出回路(46)は、共に電力回生回路(35)の出力電圧である直流電圧(Vdc)を検出する。第1出力電圧検出回路(39)の検出結果は、放電回路(37)の放電制御に用いられるだけではなく、膨張機側制御部(43)による圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件の各成否判断にも用いられる。第2出力電圧検出回路(46)の検出結果は、圧縮機側制御部(40)のみに出力され、圧縮機側制御部(40)による圧縮機強制停止条件の成否判断に用いられる。
−圧縮機側制御部−
圧縮機側制御部(40)は、上記実施形態1と同様、電力変換装置(30)のインバータ回路(33)を制御することで、圧縮機(11)を間接的に制御する。特に、本実施形態2に係る圧縮機側制御部(40)は、第2出力電圧検出回路(46)の検出結果に基づいて、圧縮機強制停止条件の成否の判断を行う。圧縮機強制停止条件が成立する場合、圧縮機側制御部(40)は、圧縮機(11)が停止するようにインバータ回路(33)を制御する。圧縮機強制停止条件が成立しない場合、圧縮機(11)は運転し続ける。
また、圧縮機側制御部(40)は、膨張機側制御部(43)とも接続されており、膨張機側制御部(43)から出力される信号に基づいても、インバータ回路(33)の制御を行う。
―膨張機側制御部―
膨張機側制御部(43)は、上記実施形態1と同様、電力回生回路(35)を制御することで、発電機(16)及び膨張機(13)を間接的に制御する。特に、本実施形態2に係る膨張機側制御部(43)は、第1出力電圧検出回路(39)の検出結果に基づいて、圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件の各成否判断を行う。膨張機強制停止条件が成立する場合、膨張機側制御部(43)は、圧縮機(11)を停止させる旨の信号を圧縮機側制御部(40)に出力すると共に、発電機(16)を停止させるための制御を電力回生回路(35)に行う。圧縮機強制停止条件が成立する場合、膨張機側制御部(43)は、圧縮機(11)が発電機(16)よりも先に停止するように、圧縮機(11)を停止させる旨の信号を圧縮機側制御部(40)に先ずは出力し、その後に発電機(16)を停止させる制御を行う(図11,13参照)。
このような構成を有する運転制御装置(20)は、第1出力電圧検出回路(39)は正常であるが第2出力電圧検出回路(46)が破損している場合や、各検出回路(39,46)の間に検出結果の誤差及び検出タイミングのずれ(例えば、検出のタイミングが互いにずれている)等が生じている場合に好適である。膨張機(13)を制御対象とする膨張機側制御部(43)が圧縮機(11)も制御可能のため、第2出力電圧検出回路(46)の破損や検出結果の誤差等が生じていても、確実に圧縮機(11)を発電機(16)よりも先に停止できるからである。
即ち、仮に膨張機側制御部(43)が発電機(16)の制御のみを行い圧縮機側制御部(40)が圧縮機(11)の制御のみを行う状態であれば、例えば各検出回路(39,46)の間で検出結果の誤差がある場合、制御の結果的に発電機(16)が先に停止しその後に圧縮機(11)が停止する虞がある。また、上記状態であれば、第2出力電圧検出回路(46)が破損している場合、圧縮機側制御部(40)は圧縮機(11)の停止制御をできないために、圧縮機(11)が運転している一方で発電機(16)が停止する虞もある。しかしここでは、発電機(16)を制御対象とする膨張機側制御部(43)が、第1出力電圧検出回路(39)の検出結果から圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件の双方の成否判断を行う。しかも、圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件は、いずれも、複数(ここでは2つ)の出力電圧検出回路(39,46)のうち1つの検出回路(39)の検出結果を共通に用いて判断される。故に、仮に第2出力電圧検出回路(46)の破損等があったとしても、第1出力電圧検出回路(39)が正常であれば、発電機(16)より先に圧縮機(11)が停止する。
なお、圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件のどちらもが成立しない場合には、圧縮機(11)及び膨張機(13)(発電機(16))は運転し続ける。
更に、上記実施形態1と同様、圧縮機(11)が停止してから発電機(16)が停止するまでの間、膨張機側制御部(43)は、発電機(16)が所定回転数で運転を継続するように電力回生回路(35)を制御する。また、圧縮機(11)が停止してから膨張機(13)が停止するまでの間、放電回路(37)による発電電力の放電も行われる。
<圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件>
圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件は、停電の発生時、上記実施形態1と同様、圧縮機強制停止条件が膨張機強制停止条件よりも先に成立するように設定されている。
図11は、停電発生時の、直流電圧(Vdc)、圧縮機(11)の回転数及び膨張機(13)の回転数の経時的変化を表したタイミングチャートである。図12は、本実施形態2に係る各強制停止条件にて用いられる閾値の大小関係を表す図である。
圧縮機強制停止条件では、図11及び図12の電圧下限第3閾値(第3閾値に相当)が用いられ、膨張機強制停止条件では、電圧下限第4閾値(第4閾値に相当)が用いられる。圧縮機強制停止条件は、直流電圧(Vdc)が電圧下限第3閾値以下となると成立し、成立時には発電機(16)よりも先に圧縮機(11)が強制的に停止される。直流電圧(Vdc)が電圧下限第3閾値を超えている場合には、圧縮機強制停止条件は不成立となり、圧縮機(11)及び膨張機(13)の運転状態は維持される。膨張機強制停止条件は、直流電圧(Vdc)が更に電圧下限第4閾値以下となると成立し、成立時には少なくとも電力回生回路(35)の制御が強制的に停止されることで、発電機(16)及び膨張機(13)の制御が強制的に停止される。直流電圧(Vdc)が電圧下限第4閾値を超えている場合には、膨張機強制停止条件は不成立となる。
図12に示すように、電圧下限第3閾値及び電圧下限第4閾値は、いずれも、停電が生じていない時の直流電流(Vdc)の理論値を示す通常運転時電圧より低く、電圧下限第4閾値は、電圧下限第3閾値よりも低い値に設定されている。電圧下限第3閾値と電圧下限第4閾値との間には、膨張機(13)が正常運転する際の直流電圧(Vdc)の範囲の下限値を示す運転エリア最低電圧値が位置する。各閾値間のこのような大小関係により、停電時には、原則的には圧縮機強制停止条件が膨張機強制停止条件よりも先に成立することとなる。
<発電機の停止タイミング>
圧縮機(11)の停止後に発電機(16)を停止させるトリガとなる条件としては、上記実施形態1の(条件A)〜(条件D)に加え、更に(条件E)が挙げられる。なお、以下の(条件E)も、膨張機強制停止条件とは関連性のないものである。
(条件E)直流電圧(Vdc)が電圧下限第4閾値以下となった場合(図13)
図13は、圧縮機(11)の停止後に、直流電圧(Vdc)に基づいて発電機(16)が停止するタイミングを表すタイミングチャートである。(条件E)の電圧下限第4閾値は、圧縮機(11)の停止時の直流電圧(Vdc)よりも低い所定電圧値に相当する。
(条件A)〜(条件E)のいずれかが成立したタイミングにて、膨張機側制御部(43)は、発電機(16)が停止するように電力回生回路(35)を制御する。なお、(条件A)、(条件E)、(条件B)、(条件C)、(条件D)は、この順序にて優先度が高い。
ここで、一例として、停電発生時から(条件E)の成立により発電機(16)が停止するまでの動作を、図13を用いて説明する。
先ず、停電が生じると直流電圧(Vdc)が下がり始める。直流電圧(Vdc)が電圧下限第3閾値以下となると圧縮機強制条件が成立し、圧縮機(11)が発電機(16)より先に停止する。圧縮機(11)が停止してから発電機(16)が停止するまでの間、膨張機側制御部(43)は、発電機(16)が一定の所定回転数で運転を継続するように電力回生回路(35)を制御する。これにより、冷媒回路(10)では、圧縮機(11)は停止しているが、膨張機(13)は、冷媒回路(10)内に残留している冷媒エネルギーによって運転している状態となる。
一方、膨張機(13)の運転により発電機(16)は発電を行うため、その発電電力によって直流電圧(Vdc)は上昇する。上昇した直流電圧(Vdc)が第1設定値以上となると(図11)、放電回路(37)は発電電力の放電動作を開始する。放電動作では、直流電圧(Vdc)に基づく放電回路(37)のスイッチング素子のオン及びオフが繰り返される。これにより、膨張エネルギーによる膨張機(13)の運転に伴う発電機(16)の発電電力は、放電回路(37)にて放電され廃棄される。従って、膨張エネルギーの残留量は次第に低下していき、直流電圧(Vdc)は下がっていく。
やがて直流電圧(Vdc)が電圧下限第4閾値以下となると、膨張機側制御部(43)は、発電機(16)が停止するように電力回生回路(35)を制御する。
<実施形態2の効果>
本実施形態2に係る運転制御装置(20)では、直流電圧(Vdc)を検出するための回路として、2つの出力電圧検出回路(39,46)が設けられている。膨張機側制御部(43)による圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件の各成否判断には、共通して第1出力電圧検出回路(39)の検出結果が用いられる。これにより、仮に2つの出力電圧検出回路(39,46)間で検出誤差や検出タイミングのずれ、第2出力電圧検出回路(46)の破損等が生じていても、確実に圧縮機(11)を発電機(16)よりも先に停止させることが可能となる。
また、停電時の圧縮機強制停止条件は、出力電圧(Vdc)が電圧下限第3閾値以下である場合に成立し、停電時の膨張機強制停止条件は、出力電圧(Vdc)が電圧下限第3閾値
よりも低い電圧下限第4閾値以下である場合に成立する。これにより、出力電圧(Vdc)により停電の発生が把握される。
また、圧縮機(11)の停止後、(条件A)〜(条件E)のいずれかが成立した時に、発電機(16)が停止される。(条件E)において、出力電圧(Vdc)が電圧下限第4閾値以下ということは、過電圧が生じていないことを意味するため、発電機(16)を停止したとしても過電圧が生じる危険性は少ない。故に、発電機(16)を停止したことによる各回路(33,35)への影響が比較的なく、よってこれらの回路(33,35)の損傷を防ぐことができる。
<実施形態2の変形例>
―変形例1−
圧縮機強制停止条件及び膨張機強制停止条件の各成否判断は、膨張機側制御部(43)に代えて条件成否判断回路(45)が行っても良い。図14は、その一例を示す。
図14は、主に、実施形態2の変形例1に係る運転制御装置(20)の全体構成を示す図である。図14では、図10において更に条件成否判断回路(45)が1つ設けられている。第1出力電圧検出回路(39)の出力は、放電制御部(38)及び条件成否判断回路(45)に接続され、条件成否判断回路(45)の出力は、圧縮機側制御部(40)及び膨張機側制御部(43)に接続されている。
圧縮機強制停止条件の成立時、条件成否判断回路(45)は、圧縮機(11)を停止させる旨の信号を圧縮機側制御部(40)に出力した後、発電機(16)を停止させる旨の信号を膨張機側制御部(43)に出力する。これにより、停電発生時、発電機(16)よりも先に確実に圧縮機(11)を停止させることができる。
膨張機強制停止条件の成立時、条件成否判断回路(45)は、圧縮機(11)及び発電機(16)それぞれを直ちに停止させる旨の信号を、ほぼ同時に各制御部(40,43)に出力してもよい。
−変形例2−
圧縮機側制御部(40)が行っていた第2出力電圧検出回路(46)の出力結果に基づく圧縮機強制停止条件の成否の判断は、圧縮機側制御部(40)に代えて条件成否判断回路(47)が行っても良い。図15は、その一例を示す。
図15は、主に、実施形態2の変形例2に係る運転制御装置(20)の全体構成を示す図である。図15では、図14において、更に条件成否判断回路(47)がもう一つ設けられている。条件成否判断回路(47)の入力は、第2出力電圧検出回路(46)の出力に接続され、条件成否判断回路(47)の出力は、圧縮機側制御部(40)の入力に接続されている。
圧縮機強制停止条件の成立時、条件成否判断回路(47)は、圧縮機(11)を停止させる旨の信号を圧縮機側制御部(40)に出力する。なお、条件成否判断回路(47)は、膨張機強制停止条件の成否の判断は行わない。
≪その他の実施形態≫
上記実施形態1,2については、以下のような構成としてもよい。
放電回路(37)は、発電電力を一時的に放電できれば良く、その構成は図1等に限定されない。
バイパス弁(17)は、冷媒回路(10)内に設けられていなくても良い。
圧縮機強制停止条件が膨張機強制停止条件よりも先に成立するように設定されていれば良く、各強制停止条件の内容は、上記実施形態1,2に係る内容に限定されずとも良い。
膨張機強制停止条件に基づく制御系は、必ずしも設けられなくても良い。冷凍装置(100)における異常発生時、圧縮機(11)が先に停止した後に発電機(16)及び膨張機(13)が停止するため、膨張機強制停止条件が成立する確率が低くなるためである。
複数の検出系において検出誤差等が生じない場合、圧縮機側制御部(40)及び膨張機側制御部(43)それぞれが、個々の検出回路の検出結果に基づいてそれぞれの制御対象(即ち圧縮機(11)または膨張機(13))に対する強制停止条件の成否を判断してもよい。
圧縮機(11)の停止後に発電機(16)が停止されるタイミングは、(条件A)〜(条件E)以外の条件の成立時であってもよい。(条件A)〜(条件E)の優先度も、上記実施形態1,2にて説明した優先度に限定されるものではない。
上記実施形態1において、圧縮機(11)の停止後に上記実施形態2の(条件E)が成立した場合、(条件E)の成立したタイミングにて発電機(16)が停止されてもよい。
以上説明したように、本発明は、冷凍装置に関する異常発生時の発電機及び膨張機のフリーランを防止したため、当該フリーランに起因する電力回生回路及びインバータ回路の破損を防止できる。従って、本発明は、膨張機の回転による回生電力を圧縮機の運転電力として回生する冷凍装置において、冷凍装置の運転制御装置として有用である。
10 冷媒回路
11 圧縮機
13 膨張機
16 発電機
20 運転制御装置
33 インバータ回路(電力変換回路)
35 電力回生回路
37 放電回路
39 (第1)出力電圧検出回路(検出部)
40 圧縮機側制御部(変換制御部)
41 電流検出回路(検出部)
42 膨張機側過電流検出回路(発電機側判断部)
43 膨張機側制御部(回生制御部、圧縮機側判断部、発電機側判断部)
45 条件成否判断回路(圧縮機側判断部、発電機側判断部)
46 第2出力電圧検出回路(検出部)
100 冷凍装置

Claims (7)

  1. 冷媒回路(10)に配置された圧縮機(11)及び膨張機(13)と、上記膨張機(13)に連結された発電機(16)とを有する冷凍装置(100)において、上記発電機(16)の発電電力を上記圧縮機(11)の運転電力として回生する冷凍装置の運転制御装置であって、
    直流を交流に変換し、電力を上記圧縮機(11)に供給する電力変換回路(33)と、
    上記圧縮機(11)を強制的に停止させるための圧縮機強制停止条件の成否を判断する圧縮機側判断部(43,45)と、
    上記圧縮機側判断部(43,45)の判断結果に基づいて上記電力変換回路(33)を制御する変換制御部(40)と、
    上記発電機(16)の運転を制御すると共に上記発電電力を上記電力変換回路(33)に回生する電力回生回路(35)と、
    上記発電機(16)の制御を強制的に停止させるための発電機強制停止条件の成否を判断する発電機側判断部(42,45,43)と、
    上記発電機側判断部(42,45,43)の判断結果に基づいて上記電力回生回路(35)を制御する回生制御部(43)と、
    上記発電電力を放電可能な放電回路(37)と、
    を備え、
    上記変換制御部(40)は、上記冷凍装置(100)に関する異常の発生時、上記圧縮機強制停止条件が上記発電機強制停止条件よりも先に成立するように設定されていることによって、上記発電機(16)より先に上記圧縮機(11)が停止するように上記電力変換回路(33)を制御し、
    上記圧縮機(11)が停止してから上記発電機(16)が停止するまでの間、
    上記回生制御部(43)は、上記発電機(16)が所定回転数以下で運転を継続するように上記電力回生回路(35)を制御し、
    上記放電回路(37)は上記発電電力を放電し、
    上記圧縮機強制停止条件は、上記発電機(16)に流れる電流(Im)が第1閾値以上である場合に成立し、
    上記発電機強制停止条件は、上記発電機(16)に流れる電流(Im)が上記第1閾値よりも高い第2閾値以上である場合に成立する
    ことを特徴とする冷凍装置の運転制御装置。
  2. 冷媒回路(10)に配置された圧縮機(11)及び膨張機(13)と、上記膨張機(13)に連結された発電機(16)とを有する冷凍装置(100)において、上記発電機(16)の発電電力を上記圧縮機(11)の運転電力として回生する冷凍装置の運転制御装置であって、
    直流を交流に変換し、電力を上記圧縮機(11)に供給する電力変換回路(33)と、
    上記圧縮機(11)を強制的に停止させるための圧縮機強制停止条件の成否を判断する圧縮機側判断部(43,45)と、
    上記圧縮機側判断部(43,45)の判断結果に基づいて上記電力変換回路(33)を制御する変換制御部(40)と、
    上記発電機(16)の運転を制御すると共に上記発電電力を上記電力変換回路(33)に回生する電力回生回路(35)と、
    上記発電機(16)の制御を強制的に停止させるための発電機強制停止条件の成否を判断する発電機側判断部(42,45,43)と、
    上記発電機側判断部(42,45,43)の判断結果に基づいて上記電力回生回路(35)を制御する回生制御部(43)と、
    上記発電電力を放電可能な放電回路(37)と、
    を備え、
    上記変換制御部(40)は、停電である上記冷凍装置(100)に関する異常の発生時、上記圧縮機強制停止条件が上記発電機強制停止条件よりも先に成立するように設定されていることによって、上記発電機(16)より先に上記圧縮機(11)が停止するように上記電力変換回路(33)を制御し、
    上記圧縮機(11)が停止してから上記発電機(16)が停止するまでの間、
    上記回生制御部(43)は、上記発電機(16)が所定回転数以下で運転を継続するように上記電力回生回路(35)を制御し、
    上記放電回路(37)は上記発電電力を放電し、
    上記圧縮機強制停止条件は、上記電力回生回路(35)の出力電圧(Vdc)が第3閾値以下である場合に成立し、
    上記発電機強制停止条件は、上記電力回生回路(35)の出力電圧(Vdc)が上記第3閾値よりも低い第4閾値以下である場合に成立する
    ことを特徴とする冷凍装置の運転制御装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    上記発電機(16)に流れる電流または上記電力回生回路(35)の出力電圧を検出する少なくとも1つの検出部(41,39,46)
    を更に備え、
    上記圧縮機強制停止条件の成否及び上記発電機強制停止条件の成否は、少なくとも1つの上記検出部(41,39,46)のうち同一の上記検出部(41,39)の検出結果に基づいて判断される
    ことを特徴とする冷凍装置の運転制御装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれか1つにおいて、
    上記回生制御部(43)は、上記圧縮機(11)の停止後、上記膨張機(13)の冷媒流入口と冷媒流出口との間における圧力差が上記圧縮機(11)の停止時よりも低い差である所定差以下となった場合に、上記発電機(16)が停止するように上記電力回生回路(35)を制御する
    ことを特徴とする冷凍装置の運転制御装置。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1つにおいて、
    上記回生制御部(43)は、上記圧縮機(11)の停止後、上記発電機(16)に流れる電流(Im)が上記圧縮機(11)の停止時よりも低い電流である所定電流値以下となった場合、上記発電機(16)が停止するように上記電力回生回路(35)を制御する
    ことを特徴とする冷凍装置の運転制御装置。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1つにおいて、
    上記冷凍装置(100)に関する異常が停電であって、
    上記回生制御部(43)は、上記圧縮機(11)の停止後、上記電力回生回路(35)の出力電圧(Vdc)が上記圧縮機(11)の停止時よりも低い電圧である所定電圧値以下となった場合、上記発電機(16)が停止するように上記電力回生回路(35)を制御する
    ことを特徴とする冷凍装置の運転制御装置。
  7. 請求項1から請求項のいずれか1つにおいて、
    上記回生制御部(43)は、上記圧縮機(11)の停止後、上記発電機(16)が回生運転から力行運転へと変化した場合、上記発電機(16)が停止するように上記電力回生回路(35)を制御する
    ことを特徴とする冷凍装置の運転制御装置。
JP2014019091A 2014-02-04 2014-02-04 冷凍装置の運転制御装置 Active JP6299242B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014019091A JP6299242B2 (ja) 2014-02-04 2014-02-04 冷凍装置の運転制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014019091A JP6299242B2 (ja) 2014-02-04 2014-02-04 冷凍装置の運転制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015145770A JP2015145770A (ja) 2015-08-13
JP6299242B2 true JP6299242B2 (ja) 2018-03-28

Family

ID=53890071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014019091A Active JP6299242B2 (ja) 2014-02-04 2014-02-04 冷凍装置の運転制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6299242B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4039773B2 (ja) * 1998-07-10 2008-01-30 ホシザキ電機株式会社 冷凍装置
WO2007049506A1 (ja) * 2005-10-26 2007-05-03 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 膨張機を用いたヒートポンプ応用機器
JP2008164183A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 冷凍サイクル装置
JP4767188B2 (ja) * 2007-01-25 2011-09-07 パナソニック株式会社 冷凍サイクル装置
JP5070914B2 (ja) * 2007-04-12 2012-11-14 パナソニック株式会社 冷凍サイクル装置の保護制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015145770A (ja) 2015-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4077868B2 (ja) 膨張機を用いたヒートポンプ応用機器
CN107270599B (zh) 变频驱动器的控制与操作
KR101349851B1 (ko) 전동기 제어장치 및 그 제어방법
CN106796070B (zh) 具有声控除霜模式的变速压缩机控制
JP6058800B2 (ja) チラーのコーストスルーのための可変速駆動装置の制御
CN102801378A (zh) 电机控制装置以及具备它的空气调节机
JP2008148366A (ja) 冷凍装置及び冷凍装置に用いられるインバータ装置
JP2013162719A (ja) 突入電流防止装置
WO2017158916A1 (ja) 電源装置
JP4839700B2 (ja) 発電機制御装置、および冷凍サイクル装置
JP2008099483A (ja) モータ駆動装置およびこれを具備する冷蔵庫
JP2008038912A (ja) 圧縮機内部状態推定装置及び空気調和装置
JP2012135157A (ja) モータ駆動システム
JP2017009212A (ja) 空気調和機
JP6299242B2 (ja) 冷凍装置の運転制御装置
JP4436651B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP5464359B2 (ja) 空気調和機
JP5895964B2 (ja) アクチュエータ駆動装置
JP2008099484A (ja) モータ駆動装置
JP5618899B2 (ja) モータ制御装置および空気調和機
JP2013083361A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2008275209A (ja) 膨張機を用いた冷凍サイクル装置
JP2009189199A (ja) 電動機制御装置およびそれを用いた空気調和機
JP2012102896A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2008164267A (ja) 膨張機を用いた冷凍サイクル装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180212

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6299242

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151