JP6266097B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍・空調用途に用いられるスクロール圧縮機に関するものである。
スクロール型の圧縮機(以下、スクロール圧縮機と称する)の渦巻形状としては、円のインボリュートを用いて渦巻を構成するのが一般的である。この場合、渦巻形状は、基礎円半径a、歯厚t、歯高h及び伸開角により決定され、組込容積比や行程容積は、これらのパラメータによって設計自由度が限定される。
そこで、組込容積比や行程容積、歯厚などに対する設計自由度を増し、用途に応じた最適な渦巻形状を与えるために、渦巻形状を外向面と内向面とが伸開角に対する位相差を有し、伸開角に応じて半径が変化する円の伸開線により形成するようにしたスクロール流体機械の例がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平06−137286号公報
特許文献1のスクロール流体機械においては、渦巻を形成する伸開線の基礎円半径をa、伸開角をφで表したとき、aをφの関数f(φ)として、
a=f(φ)=as+Δa・φ・・・式(1)で与え、
渦巻の外向面のX座標Xo、Y座標Yoを、
Xo=f(φ)・cosφ+{f(φ)・φ+1/2・(t0+Δa・π・φ)}・sinφ
Yo=f(φ)・sinφ−{f(φ)・φ+1/2・(t0+Δa・π・φ)}・cosφ・・・式(2)で、
内向面のX座標Xi,Y座標Yiを
Xi=f(φ−π)・cosφ+{f(φ−π)・φ−1/2・(t0+Δa・π・(φ−π))}・sinφ
Yi=f(φ−π)・sinφ−{f(φ−π)・φ−1/2・(t0+Δa・π・(φ−π))}・cosφ・・・式(3)で設定するとしている。
また、特許文献1には、渦巻の一部の形状を伸開角に応じて半径が変化する円の伸開線により形成し、残りの形状を伸開角に対して半径が一定の円の伸開線により形成する例についても言及されている。
しかしながら、巻始め(伸開角φs)からある伸開角φs0までを式(1)〜式(3)に基づく歯厚変化渦巻、φs0から巻終わりまでを歯厚一定渦巻で、φ=φs0で歯厚変化部分と歯厚一定部分が滑らかに接続するような渦巻を構成しようとすると、f’(φ)=df/dφ=Δa>0としているにもかかわらず、φsからφs0にかけて歯厚が減少したり、f’(φ)=df/dφ=Δa<0としたときにφs<φ<φs0の位置で最小歯厚となったりする。そのため、複雑な渦巻形状となるため、実際の部分歯厚変化渦巻設計に用いるには困難が伴ってしまう。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、歯厚一定部分と滑らかに接続する歯厚変化部分がシンプルな歯厚分布の、設計的に扱いやすい部分歯厚変化渦巻形状を備えたスクロール圧縮機を提供することを目的としている。
本発明に係るスクロール圧縮機は、固定スクロールの渦巻と揺動スクロールの渦巻とを組み合わせて形成される圧縮室で流体を圧縮するスクロール圧縮機であって、前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの渦巻は、歯厚一定部分及び歯厚変化部分を有しており、前記歯厚一定部分及び前記歯厚変化部分における所定の伸開角φos0とφis0=φos0+πに対して、φ>φos0の外向面とφ>φis0の内向面が歯厚t0、基礎円a0のインボリュート形状からなり、前記歯厚変化部分における所定の伸開角φos<φos0とφis=φos+πに対してφos<φ<φos0の外向面の座標(xo,yo)とφis<φ<φis0の内向面の座標(xi,yi)が、
Δ>0・・・式(4)として、
xi=a0・cosφ+(li(φ)−ti(φ)/2)・sinφ、
yi=a0・sinφ−(li(φ)−ti(φ)/2)・cosφ・・・式(5)、
ただし、
ti(φ)=t0+Δ・(φ−φis0)・・・式(6)、
li(φ)=(a0−Δ)・(φ−φis0)+Δ/(2π)・(φ−φis0)+a0・φis0・・・式(7)、
xo=a0・cosφ+(lo(φ)+to(φ)/2)・sinφ、
yo=a0・sinφ−(lo(φ)+to(φ)/2)・cosφ・・・式(8)、
ただし、
to(φ)=t0+Δ・(φ−φos0)・・・式(9)、
lo(φ)=(a0−Δ)・(φ−(φis0−π))+Δ/(2π)・(φ−(φis0−π))+a0・(φis0−π)−Δ・(φ−φos0)・・・式(10)、として構成され、Δ>0であるため、φis<φ<φis0の前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの歯厚変化部分の内向面が、前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの歯厚一定部分の内向面よりも歯厚が減少する方向に移動し、φos<φ<φos0の前記揺動スクロール及び前記揺動スクロールの歯厚変化部分の外向面が、前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの歯厚一定部分の外向面よりも歯厚が減少する方向に移動しているものである。
本発明に係るスクロール圧縮機によれば、巻終わり側の歯厚一定部分と滑らかに接続する巻始め側の歯厚変化部分に、シンプルな歯厚分布の設計的に扱いやすい部分歯厚変化渦巻形状が得られ、巻始め部分の設計自由度が高くなることにより、用途に最適な渦巻形状を構成することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機の全体構造を概略的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機の圧縮過程を説明するための渦巻平面形状図である。 従来のスクロール圧縮機の圧縮過程を説明するための渦巻平面形状図である。 本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機の部分歯厚変化渦巻を説明するための渦巻の巻始め部分の平面形状図である。 式(1)〜式(3)に基づく部分歯厚変化渦巻を、図4の実施例と同じ歯厚一定渦巻に同じ伸開角位置で接続し、同じ伸開角範囲で歯厚変化させて構成した渦巻形状を示した図である。 伸開角φと、伸開角φに対する歯厚tの変化と、を説明するための説明図である。 渦巻の巻始め部分の受圧部分を説明する模式図(a)と、強度パラメータの説明図(b)と、示している。 従来のスクロール圧縮機の歯厚一定渦巻と、本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機の部分歯厚変化渦巻とで、球根部の小円半径に対して、l・h/2・(y0−y)/I をプロットしたグラフである。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機1の全体構造を概略的に示す概略断面図である。図1に基づいて、スクロール圧縮機1の構成及び動作について説明する。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、図1を含め、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通している。さらに、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
スクロール圧縮機1は、たとえば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和機、冷凍装置、給湯器等の冷凍・空調用途に用いられる冷凍サイクル装置に適用されるものである。このスクロール圧縮機1は、冷凍サイクルを循環する冷媒等の流体を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出させるものである。
スクロール圧縮機1は、固定スクロール11、揺動スクロール12、オルダムリング13、フレーム14、軸15、第1バランサ16、第2バランサ17、ロータ18、ステータ19、副軸受20、及び、吐出弁25が密閉容器21内に収納されて構成されている。密閉容器21の底部は、潤滑油22を貯留する油だめとなっている。また、密閉容器21の側面に流体を吸入するための吸入管23が、上面に流体を吐出するための吐出管24が、それぞれ連接されている。
固定スクロール11は、密閉容器21内に固定支持されているフレーム14に図示省略のボルト等によって固定されている。固定スクロール11は、鏡板と、鏡板の一方の面に立設された渦巻と、を有している。また、固定スクロール11の略中央部には、圧縮された流体を吐出するための吐出ポート111が貫通形成されている。さらに、固定スクロール11の吐出ポート111の出口部には、吐出弁25が設置される凹部が形成されている。吐出弁25は、吐出ポート111を覆うように設置され、流体の逆流を防止するようになっている。
揺動スクロール12は、オルダムリング13によって固定スクロール11に対して自転運動することなく揺動運動を行なうようになっている。揺動スクロール12は、鏡板と、鏡板の一方の面に立設された渦巻と、を有している。また、揺動スクロール12の渦巻の形成面とは反対側の面の略中心部には、中空円筒形状のボス部121が形成されている。このボス部121には、後述する軸15の上端に設けられた偏心部151が嵌入(係合)される。
そして、固定スクロール11と揺動スクロール12とは、それぞれの渦巻を互いに噛み合わせるようにして嵌合され、密閉容器21内に装着される。そして、それぞれの渦巻の間には、容積が変化する圧縮室4が形成される。
オルダムリング13は、揺動スクロール12のスラスト面(渦巻形成面とは反対側の面)に配設され、揺動スクロール12の自転運動を阻止するために機能する。すなわち、オルダムリング13は、揺動スクロール12の自転運動を阻止するとともに、揺動スクロール12の揺動運動を可能とする機能を果たすようになっている。オルダムリング13の上下面には、互いに直交するように突設された爪(図示省略)が形成されている。オルダムリング13の爪は、揺動スクロール12、フレーム14に形成されたオルダム溝(図示省略)に嵌入されるようになっている。
ロータ18は、軸15に固定され、ステータ19への通電により、軸15を回転駆動するようになっている。なお、ロータ18の下面には、第2バランサ17がリベット等で取り付けられている。
ステータ19は、ロータ18の外周側に所定の隙間を空けて配置され、外周面が焼き嵌め等により密閉容器21に固着支持されている。
軸15は、ステータ19の通電によりロータ18とともに回転し、その駆動力を偏心部151に装着されている揺動スクロール12に伝達するものである。なお、軸15の内部には、密閉容器21の底部に貯留してある潤滑油22の流路となる図示省略の給油路が形成されている。
また、軸15のロータ18の上方に位置する部分には、第1バランサ16が焼き嵌め等で取り付けられている。
密閉容器21の内周面には、外周面が焼き嵌めや溶接等によって固着され、固定スクロール11を支持するとともに、中心部に形成された貫通孔を介して軸15を回転可能に支持するフレーム14が設置されている。このフレーム14は、揺動スクロール12を回転可能に支持する機能も有している。フレーム14の貫通穴には、軸15を回転自在に支持する図示省略の主軸受部が設けられている。
また、密閉容器21の下方内周面には、外周面が焼き嵌めや溶接等によって固着され、中心部に形成された貫通孔に、軸15の下方部分を回転可能に支持する副軸受20が設けられたサブフレーム14Aが設置されている。
スクロール圧縮機1の基本的な動作を説明する。
ステータ19に電力が供給されると、ロータ18がトルクを発生し、フレーム14の主軸受部と副軸受20とで支持された軸15が回転する。軸15の偏心部151によりボス部121が駆動される揺動スクロール12は、オルダムリング13により自転が規制され、公転運動する。つまり、フレーム14のオルダム溝方向に往復動するオルダムリング13により自転を規制された状態で揺動スクロール12のボス部121が軸15の偏心部151により駆動されることにより、揺動スクロール12が揺動運動する。これにより、固定スクロール11の渦巻と揺動スクロール12の渦巻との組み合せで形成された圧縮室4の容積を変化させる。
揺動スクロール12の揺動運動に伴い吸入管23から密閉容器21内に吸入されたガス状態の流体が、固定スクロール11と揺動スクロール12との両渦巻間の圧縮室4に取り込まれ、圧縮されていく。そして、圧縮された流体は、固定スクロール11に設けた吐出ポート111から吐出弁25に抗して吐出され、吐出管24からスクロール圧縮機1の外部、すなわち冷媒回路へ排出される。
なお、揺動スクロール12とオルダムリング13との運動に伴うアンバランスを軸15に取り付けられた第1バランサ16とロータ18に取り付けられた第2バランサ17によって釣り合わせるようになっている。また、密閉容器21の下部に貯留した潤滑油22は、軸15内に設けられた給油路から各摺動部(主軸受部、副軸受20、スラスト面など)に供給されるようになっている。
図2は、スクロール圧縮機1の圧縮過程を説明するための渦巻平面形状図である。図2に基づいて、スクロール圧縮機1の圧縮過程について説明する。なお、図3は、従来のスクロール圧縮機の圧縮過程を説明するための渦巻平面形状図である。
図2(a)は、固定スクロール11に組み合わされた揺動スクロール12が最外室を形成した吸入完了の位置にあるときの状態を示している。
図2(b)は、図2(a)の状態から揺動スクロール12が90deg揺動した位置にあるときの状態を示している。
図2(c)は、図2(a)の状態から揺動スクロール12が180deg揺動した位置にあるときの状態を示している。
図2(d)は、図2(a)の状態から揺動スクロール12が270deg揺動した位置にあるときの状態を示している。
すなわち、揺動スクロール12は、(a)→(b)→(c)→(d)→(a)と揺動運動、すなわち自転を伴わない公転運動を行う。これにより、各圧縮室4は容積を減じていき、吸入されたガス状態の流体は圧縮されるとともに順次中央へ送られ、最内室から固定スクロール11に設けられた吐出ポート111を経てスクロール圧縮機1の外部へ吐出される。
図3では、従来の歯厚変化しないインボリュート形状の渦巻を示している。そして、固定スクロール11及び揺動スクロール12の渦巻を組み合わせることにより形成される圧縮室4の揺動スクロール12の揺動運動による容積減少という動作は、図2に示す本発明の実施の形態の場合と同様である。
図4は、スクロール圧縮機1の部分歯厚変化渦巻を説明するための渦巻の巻始め部分の平面形状図である。図4に基づいて、スクロール圧縮機1の部分歯厚変化渦巻について説明する。図4では、スクロール圧縮機1の部分歯厚変化渦巻の形状を説明するために、図2に示した部分歯厚変化渦巻と、図3に示した歯厚一定渦巻の巻始め部分と、を重ね合わせて図示している。
図4において、(a)は部分歯厚変化渦巻の各部分に符号を付し、(c)は(a)と同じ図で歯厚一定渦巻の各部分に符号を付し、(b)は固定スクロールで各部分間の接続点と対応する記号を付している。なお、ここでは、部分歯厚変化渦巻、歯厚一定渦巻共に、揺動スクロール12と固定スクロール11の渦巻が同形状の例を示しているので、(b)に示す記号は、揺動スクロール12についても同様にあてはまる。
図4において、破線で示した伸開角でφ>φos0の外向面とφ>φis0の内向面は、部分歯厚変化渦巻、歯厚一定渦巻共に歯厚t0、ピッチp0(基礎円半径a0=p0/(2π))の通常のインボリュート曲線で構成されている。
歯厚一定渦巻では、φos’<φ<φos0の外向面114b、外向面124b及びφis’<φ<φis0の内向面115b、内向面125bも、それぞれφ>φos0の外向面及びφ>φis0の内向面と同じインボリュート曲線である。
それに対し、部分歯厚変化渦巻では、φos<φ<φos0の外向面歯厚変化部114、外向面歯厚変化部124及びφis<φ<φis0の内向面歯厚変化部115、内向面歯厚変化部125は、前述の式(4)〜式(10)に基づく曲線で構成されている。
今、式(4)のΔがΔ>0に設定されているので、φis<φ<φis0の内向面歯厚変化部115、内向面歯厚変化部125が、歯厚一定渦巻のφis’<φ<φis0の内向面115b、内向面125bよりも外側、すなわち歯厚が減少する方向に移動している。また、固定スクロール11のφis<φ<φis0の内向面歯厚変化部115と接触すべき揺動スクロール12のφos<φ<φos0の外向面歯厚変化部124は、固定スクロールのφis<φ<φis0の内向面歯厚変化部115の移動量に応じた各伸開角位置での移動量分だけ歯厚一定渦巻よりも外側に移動している。この関係は、揺動スクロール12のφis<φ<φis0の内向面歯厚変化部125と固定スクロール11のφos<φ<φos0の外向面歯厚変化部114についても同じである。
なお、φosは外向面伸開始点角を表し、φisは内向面伸開始点角を表している。
外向面開始点と内向面開始点の間は、歯厚一定渦巻のis’〜os’、部分歯厚変化渦巻のis〜os共に、それぞれの開始点位置に応じた小円部と大円部で滑らかに接続されている。すなわち、歯厚一定渦巻の固定スクロール11は小円部112bと大円部113b、揺動スクロール12は小円部122bと大円部123bでいわゆる“球根”形状が形成されている。また、部分歯厚変化渦巻の固定スクロール11は小円部112と大円部113、揺動スクロール12は小円部122と大円部123でいわゆる“球根”形状が形成されている。
部分歯厚変化渦巻では、φis<φ<φis0の部分で歯厚を減じる方向に内向面を移動させた分、球根形状を配置するスペースが拡がるので、小円部、大円部それぞれの半径を歯厚一定渦巻に較べて大きくすることが可能となっている。
図5は、前述の式(1)〜式(3)に基づく部分歯厚変化渦巻を、図4の実施例と同じ歯厚一定渦巻に同じ伸開角位置で接続し、同じ伸開角範囲で歯厚変化させて構成した渦巻形状を示した図である。固定スクロール11、揺動スクロール12共に、内向面歯厚変化部115、内向面歯厚変化部125と外向面歯厚変化部114、外向面歯厚変化部124がそれぞれ外周側の歯厚一定渦巻部分(破線で示す)に接続し、固定スクロール11の外向面歯厚変化部114と内向面歯厚変化部115の間は小円部112と大円部113で、揺動スクロール12の外向面歯厚変化部124と内向面歯厚変化部125の間は小円部122と大円部123で、それぞれ球根形状が形成されている。
図5の従来のスクロール圧縮機の部分歯厚変化渦巻と、図4のスクロール圧縮機1の部分歯厚変化渦巻と、の差異は、平面形状を見ただけではわかりにくいが、それぞれの歯厚分布を較べることで明らかとなる。
図6は、伸開角φと、伸開角φに対する歯厚tの変化と、を説明するための説明図である。図6では、横軸に伸開角φを、縦軸に伸開角φに対する歯厚tの変化を、それぞれ示している。また、図6(a)が従来のスクロール圧縮機の図5の部分歯厚変化渦巻について示し、図6(b)がスクロール圧縮機1の図4の部分歯厚変化渦巻について示している。図6(a)及び(b)の何れもφ>φis0=2.884πの部分は歯厚一定であるが、φis〜φis0の歯厚変化部分の歯厚は大きく異なる。
図6(b)に示すスクロール圧縮機1では伸開角φが小さくなると歯厚が減少していくのに対して、図6(a)に示す従来のスクロール圧縮機では一旦減少した歯厚が増加に転ずる点が現れる。
この点は、外向面が歯厚一定形状から歯厚変化形状に切り替わる点、φ=φos0(=1.884π)の点である。すなわち、内向面が歯厚変化形状で外向面は歯厚一定形状となっているφos0<φ<φis0の範囲では、伸開角φが小さくなると歯厚が減少するが、内向面、外向面共に歯厚変化形状となるφ<φos0の部分はf’(φ)=df/dφ=Δa>0の設定どおりにφに対して歯厚が減少(φが小さくなると歯厚が増大)の傾向を示すことになる。
スクロール圧縮機1では、φ=φos0での歯厚変化割合の変化は生じるものの、式(4)のΔ>0の設定どおりφに対する歯厚増大傾向は変わらず、最小歯厚はφ=φisの位置になるので、Δ等のパラメータは、従来のスクロール圧縮機のΔa等よりも、容易に選択することができる。
スクロール圧縮機1に基づくと、部分歯厚変化渦巻を容易に構成することができ、設計的自由度が増すことによる利点の一つに、球根部の強度向上がある。渦巻の巻始め部分の球根部について、強度確保するための概略検討として、最内室とその外側の圧縮室とが連通して圧縮が完了するタイミング(いわゆる“連通角”の位置)での差圧作用部分を概略梁とみなして比較する方法がある。
球根部で応力的に厳しいのは、連通直前の最内室と次の圧縮室との差圧が大きくなる(多くの場合 高圧縮比)条件で小円部の根元部分である。図7は、渦巻の巻始め部分の受圧部分を説明する模式図(a)と、強度パラメータの説明図(b)と、示している。
図7(a)に示す受圧部分を、図7(b)のような断面形状の梁で近似すると、受圧スパンlに作用する差圧ΔPによる小円部根元発生応力は、断面二次モーメントI、中立軸から小円部先端までの距離y0−y、歯高hを用いてΔP×l・h/2・(y0−y)/Iとなる。したがって、l・h/2・(y0−y)/Iを比較することで、球根部の概略強度を較べることができる。
図8は、従来のスクロール圧縮機の歯厚一定渦巻と、スクロール圧縮機1の部分歯厚変化渦巻とで、球根部の小円半径に対して、l・h/2・(y0−y)/I をプロットしたグラフである。図8では、横軸に球根部の小円半径を、縦軸にl・h/2・(y0−y)/I を、それぞれ示している。図8では、l・h/2・(y0−y)/I の値が小さい程、同じ差圧に対して応力が低い、すなわち強度が高いことを示している。
歯厚一定渦巻の場合、外向面の始点(φ=φosの点)と内向面の始点(φ=φisの点)が固定されるので、2点間を結ぶ小円と大円の半径の組合せは小円半径Rsを与えると一義に決まり、Rsを大きくすると大円半径のRlは小さくなる。固定スクロール11と揺動スクロール12が同形状のときを考えると、渦巻のインボリュート部によって決まる揺動スクロール12の揺動半径Rrに対してRl>Rs+Rrであることが必要で、Rl=Rs+RrとなるようなRlとRsの組合せは円弧部分でも接触が継続する所謂“0球根”の場合で、小円半径Rsの上限を与えることになる。
したがって、歯厚一定渦巻では0球根のRsとRlの組み合せのときが球根部の強度が最も高く、設計寸法選択によるそれ以上の強度向上は不可能であるが、部分歯厚変化渦巻で巻始め部を歯厚を変化させることにより、更に強度を向上させることが可能となる。
図8では、歯厚一定渦巻(線A)の小円半径Rs=3.5mmの仕様とRl−(Rs+Rr)が同じとなる条件で、部分歯厚変化渦巻(線B、線C、線D)に形成した球根部寸法でl・h/2・(y0−y)/Iの値をプロットしている。
線Bは、歯厚変化範囲がπ(φis=1.634π、φis0=2.634π)、線Cは、歯厚変化範囲が1.25π(φis=1.634π、φis0=2.884π)、線Dは、歯厚変化範囲が1.5π(φis=1.634π、φis0=3.134π)の場合である。なお、図2及び図4に示した部分歯厚変化渦巻は、線Bのうちの一例である。
図8から、部分歯厚変化渦巻化することにより、歯厚一定渦巻では不可能であったレベルまで応力を低減し、球根部の強度を向上することが可能となることがわかる。
以上のように、スクロール圧縮機1によれば、用途に最適な渦巻形状にするために、渦巻の巻始め部分の設計自由度を増すことができる部分歯厚変化渦巻形状をシンプルな設定で得ることができる。
1 スクロール圧縮機、4 圧縮室、11 固定スクロール、12 揺動スクロール、13 オルダムリング、14 フレーム、14A サブフレーム、15 軸、16 第1バランサ、17 第2バランサ、18 ロータ、19 ステータ、20 副軸受、21 密閉容器、22 潤滑油、23 吸入管、24 吐出管、25 吐出弁、111 吐出ポート、112 小円部、112b 小円部、113 大円部、113b 大円部、114 外向面歯厚変化部、114b 外向面、115 内向面歯厚変化部、115b 内向面、121 ボス部、122 小円部、122b 小円部、123 大円部、123b 大円部、124 外向面歯厚変化部、124b 外向面、125 内向面歯厚変化部、125b 内向面、151 偏心部。

Claims (2)

  1. 固定スクロールの渦巻と揺動スクロールの渦巻とを組み合わせて形成される圧縮室で流体を圧縮するスクロール圧縮機であって、
    前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの渦巻は、
    歯厚一定部分及び歯厚変化部分を有しており、
    前記歯厚一定部分及び前記歯厚変化部分における所定の伸開角φos0とφis0=φos0+πに対して、φ>φos0の外向面とφ>φis0の内向面が歯厚t0、基礎円a0のインボリュート形状からなり、
    前記歯厚変化部分における所定の伸開角φos<φos0とφis=φos+πに対してφos<φ<φos0の外向面の座標(xo,yo)とφis<φ<φis0の内向面の座標(xi,yi)が、
    Δ>0として、
    xi=a0・cosφ+(li(φ)−ti(φ)/2)・sinφ、
    yi=a0・sinφ−(li(φ)−ti(φ)/2)・cosφ、
    ただし、ti(φ)=t0+Δ・(φ−φis0)、
    li(φ)=(a0−Δ)・(φ−φis0)+Δ/(2π)・(φ−φis0)+a0・φis0、
    xo=a0・cosφ+(lo(φ)+to(φ)/2)・sinφ、
    yo=a0・sinφ−(lo(φ)+to(φ)/2)・cosφ、
    ただし、to(φ)=t0+Δ・(φ−φos0),lo(φ)=(a0−Δ)・(φ−(φis0−π))+Δ/(2π)・(φ−(φis0−π))+a0・(φis0−π)−Δ・(φ−φos0)、
    として構成され
    Δ>0であるため、
    φis<φ<φis0の前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの歯厚変化部分の内向面が、前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの歯厚一定部分の内向面よりも歯厚が減少する方向に移動し、
    φos<φ<φos0の前記揺動スクロール及び前記揺動スクロールの歯厚変化部分の外向面が、前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの歯厚一定部分の外向面よりも歯厚が減少する方向に移動している
    スクロール圧縮機。
  2. 前記固定スクロール及び前記揺動スクロールの渦巻は、
    向面のφ=φosの点と内向面のφ=φisの点の間を2円弧で結ぶ形状として構成される
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
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