JP6264519B1 - 石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材ならびに船舶 - Google Patents

石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材ならびに船舶 Download PDF

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Abstract

所定の成分組成にするとともに、Sn偏析度を18未満とすることにより、優れた耐食性と優れた耐ラメラテア性とを両立した石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材を提供する。

Description

本発明は、鋼材を溶接して形成される石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールドに好適に用いることができる、耐食性および耐ラメラテア性に優れる石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材に関するものである。
また、本発明は、上記の鋼材を用いてなる船舶に関するものである。
エネルギー資源の運搬の多くに商船が用いられていて、その中でもばら積み貨物船は、その約30%の船腹量を占めている。このばら積み貨物船において、1990年代初頭に海難事故が相次いで発生し、国際問題となった。特に、石炭船や石炭・鉱石兼用船での事故が数多く報告されており、その原因の大部分は船倉(以下、「ホールド」ともいう)内での損傷であった。
ばら積み貨物船では、積荷を直接ホールドに積載するため、腐食性の積荷の影響を受け易く、ホールド内の腐食、特に石炭船や石炭・鉱石兼用船におけるホールド内の側壁部や肋骨部での孔食により、局所的に強度が減少することが問題と考えられている。実際、このような孔食が著しく進行した事例や、船の強度を確保する肋骨部分の板厚が極端に減少している事例が報告されている。
孔食が発生するばら積み貨物船のホールド内の側壁部や肋骨部は、乾湿繰り返し環境となるため、結露水が生じ易い。こうした結露水が生じた場所に石炭の硫黄成分が溶け出し、結露水と反応して硫酸を生成するので、ホールド内は硫酸腐食が生じ易い低pH環境となっている。
このようなホールド内の腐食対策として、ホールド内は、変性エポキシ系塗装が被覆厚さ:約150〜200μmで施されている。しかし、石炭や鉄鉱石によるメカニカルダメージや積荷搬出の際の重機による傷や摩耗により、塗膜が剥離する場合が多く、その部分では十分な防食効果が得られない。その対策として、定期的に再塗装や塗膜の一部補修が行なわれているが、このような方法では、非常に大きなコストがかかる。このため、船舶のメンテナンス費用を含めたライフサイクルコストを低減させることができる、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールド用途に適した鋼材の開発が求められている。
このような石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールド用途に言及した従来技術として、例えば、特許文献1〜3が知られている。
すなわち、特許文献1には、
「重量%で、C:0.01〜0.25%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.05〜2.0%、P:0.10%以下、S:0.001〜0.10%、Cu:0.01〜2.00%、Al:0.005〜0.10%、Mg:0.0002〜0.0150%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなることを特徴とする造船用耐食鋼。」
が開示されている。
特許文献2には、
「質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜1%、Mn:0.05〜2%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Cu:0.05〜1%、Ni:0.01〜0.5%、Sn:0.005〜0.2%、Cr:0.1%以下及びAl:0.1%以下を含有し、残部Fe及び不純物からなり、ブリネル硬さHBW10/3000が140以上かつ230以下であることを特徴とする石炭・鉱石運搬船ホールド用耐食性鋼材。」
が開示されている。
特許文献3には、
「質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.01〜1%、Mn:0.05〜2%、P:0.05%以下、S:0.03%以下、Cu:0.05%以下、Sn:0.01〜0.3%、Cr:0.05%以下及びAl:0.1%以下を含有し、残部Fe及び不純物からなることを特徴とする石炭・鉱石運搬船ホールド用耐食性鋼材。」
が開示されている。
特開2000-17381号公報 特開2007-262555号公報 特開2008-174768号公報
ところで、船舶用の鋼材としては、カーゴオイルタンク用やバラストタンク用として開発された鋼材が知られている。しかし、石炭船や石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境は、上述したとおり、腐食環境(温度・湿度・腐食性物質など)および内容物によるメカニカルダメージの有無などの点で、カーゴオイルタンクやバラストタンクの使用環境と全く異なっている。このため、石炭船や石炭・鉱石兼用船ホールド用の鋼材には、独自の材料設計や特性評価が必要とされる。
この点、特許文献1に示された鋼材は、船舶外板やバラストタンク、カーゴオイルタンク、鉱石船カーゴホールド等の共通的な使用環境での耐食性の改善を目指しており、鋼材の耐食性の評価として、カーゴオイルタンクおよびバラストタンクの使用環境を考慮している。しかし、特許文献1には、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールド使用環境、すなわち、乾湿繰り返しかつ、石炭の硫黄成分に起因する低pH環境を考慮した腐食試験結果については示されていない。
また、特許文献2および3でも、鉱石運搬船のホールドの使用環境を模擬した腐食環境での鋼材の耐食性が評価されているが、やはり石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールド使用環境を考慮した腐食試験結果については示されていない。
さらに、ホールドは、通常、底板とホッパープレート、上甲板裏板とロンジ材等を溶接して構成されており、その溶接継手では、板厚方向に引張応力を受ける。そして、かような溶接継手では、ラメラテアが生じる危険性があることが最近明らかとなってきた。ここで、ラメラテアとは、十字継手、T継手、角継手などの板厚方向に引張応力を受ける溶接継手において、引張応力によって鋼板表面に平行な方向に、鋼材内部においてき裂が進展し、割れが発生する現象である。
このため、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールド用鋼材では、上記した石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境での耐食性に加え、耐ラメラテア性にも優れていることが要求される。
しかし、特許文献1〜3ではいずれも、溶接継手においてラメラテアが発生するリスクを全く考慮しておらず、耐ラメラテア性については何ら考慮されていない。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたものであって、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境における耐食性に優れ、かつ耐ラメラテア性にも優れる石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材を用いてなる船舶を提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意研究を重ね、以下の知見を得た。
(1)石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境、すなわち乾湿繰り返しかつ石炭の硫黄成分に起因する低pH環境における耐食性の向上には、Snとともに、Cu、Ni、Sb、W、MoおよびNbのうちから選んだ1種または2種以上を複合添加することが有効である。
(2)一方、耐ラメラテア性の観点からは、鋼中のSを低減するとともに、Snを低減することが有効である。
このように、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境における耐食性の向上の観点からはSnの添加が有効であるものの、耐ラメラテア性の観点からは、Snを低減することが有効である。そこで、発明者らは、上記の知見を基に、耐食性と耐ラメラテア性とを両立すべく、さらに検討を重ねた。
その結果、
(3)Snの中心偏析を抑制して、Snを鋼材全体に極力拡散させてやれば、Snを所定量含有していても優れた耐ラメラテア性が得られる、すなわち、Sn量を適正に調整しつつ、Snの中心偏析を抑制して、Snを鋼材全体に拡散させてやれば石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境における耐食性と耐ラメラテア性とを両立することできる、
との知見を得た。
また、
(4)S量に応じてSn量を厳密に制御することで、一層、耐ラメラテア性が向上する、
との知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を重ねて完成させたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、
C:0.03〜0.18%、
Si:0.01〜1.50%、
Mn:0.10〜2.00%、
P:0.030%以下、
S:0.0070%以下、
Al:0.005〜0.100%、
Sn:0.01〜0.20%および
N:0.0080%以下
を含有するとともに、
Cu:0.01〜0.50%、
Ni:0.01〜0.50%、
Sb:0.01〜0.30%、
W:0.01〜0.50%、
Mo:0.01〜0.50%および
Nb:0.0010〜0.10%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、
Sn偏析度が18未満である、石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
ここで、Sn偏析度は、次式(1)により定義される。
[Sn偏析度]=[中心偏析部のSn濃度]/[平均のSn濃度]--- (1)
2.前記成分組成におけるS含有量とSn含有量とが、次式(2)の関係を満足する、前記1に記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
10000×[%S]×[%Sn]2 ≦ 1.40 --- (2)
ここで、[%S]および[%Sn]はそれぞれ、成分組成におけるSおよびSnの含有量(質量%)である。
3.前記成分組成が、さらに質量%で、
Cr:0.01〜0.50%および
Co:0.01〜0.50%
のうちから選んだ1種または2種を含有する、前記1または2に記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
4.前記成分組成が、さらに質量%で、
Ti:0.001〜0.100%、
Zr:0.001〜0.100%および
V:0.001〜0.100%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有する、前記1〜3のいずれかに記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
5.前記成分組成が、さらに質量%で、
Ca:0.0001〜0.0100%、
Mg:0.0001〜0.0200%および
REM:0.0002〜0.2000%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有する、前記1〜4のいずれかに記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
6.前記成分組成が、さらに質量%で、
B:0.0001〜0.0300%
を含有する、前記1〜5のいずれかに記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
7.前記1〜6のいずれかに記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材を用いてなる船舶。
本発明によれば、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境における耐食性に優れ、かつ耐ラメラテア性にも優れる石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材が得られる。
そして、本発明の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材を船舶のホールドに適用することで、高い安全性を確保しながら、ホールドの検査や塗装にかかる費用を低減することが可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。まず、本発明において鋼の成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。なお、鋼の成分組成における元素の含有量の単位はいずれも「質量%」であるが、以下、特に断らない限り単に「%」で示す。
C:0.03〜0.18%
Cは、鋼の強度を高める元素であり、所望の強度(490〜620MPa)を確保するため、C量は0.03%以上とする。しかし、C量が0.18%を超えると、溶接性および溶接熱影響部の靭性が低下する。従って、C量は0.03〜0.18%の範囲とする。好ましくは0.05%以上、0.16%以下である。
Si:0.01〜1.50%
Siは、脱酸剤として添加される元素である。また、Siは鋼の強度を高めるのに有効な元素でもあり、所望の強度を確保するため、Si量は0.01%以上とする。しかし、Si量が1.50%を超えると、鋼の靭性を低下させる。従って、Si量は0.01〜1.50%の範囲とする。好ましくは0.03%以上、1.00%以下である。より好ましくは、0.04%以上、0.50%以下である。
Mn:0.10〜2.00%
Mnは、鋼の強度を高める元素であり、上記した所望の強度を確保するため、Mn量は0.10%以上とする。しかし、Mn量が2.00%を超えると、鋼の靭性および溶接性が低下する。また、Mnの中心偏析によって、耐ラメラテア性も低下する。従って、Mn量は0.10〜2.00%の範囲とする。好ましくは0.60%以上、1.80%以下である。より好ましくは、0.80%以上、1.60%以下である。
P:0.030%以下
Pは、靭性及び溶接性を劣化させる。このため、P量は0.030%以下とする。好ましくは0.025%以下である。より好ましくは0.015%以下である。なお、下限については特に限定されないが、0.003%とすることが好ましい。
S:0.0070%以下
Sは、耐ラメラテア性に関与する重要な元素である。すなわち、Sは、非金属介在物である粗大なMnSを形成し、このMnSがラメラテアの起点となる。特に、S量が0.0070%を超えると、耐ラメラテア性の大幅な低下を招く。従って、S量は0.0070%以下とする。好ましくは0.0060%以下である。より好ましくは0.0050%以下である。なお、下限については特に限定されないが、0.0003%とすることが好ましい。
Al:0.005〜0.100%
Alは、脱酸剤として添加される元素であり、Al量は0.005%以上とする。しかし、Al量が0.100%を超えると、鋼の靭性が低下する。このため、Al量は0.005〜0.100%の範囲とする。
Sn:0.01〜0.20%
Snは、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境における耐食性を向上させるために必要な元素であるとともに、耐ラメラテア性に関与する重要な元素である。具体的には、Snは、耐食性を向上させる一方で、耐ラメラテア性を低下させる元素である。
すなわち、Snは、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールドの乾湿繰り返しかつ低pHの腐食環境において、鋼材表面に難溶性被膜を形成する。これとともに、Snは、鋼材表面の錆中に取り込まれて、腐食を促進させるSO4 2−等のアニオン種の拡散を抑制する。これにより、耐食性が向上する。このような効果はSn量を0.01%以上とすることで発現する。好ましくは0.02%以上である。
一方で、Snは鋼材中心部に偏析し易く、かような偏析部では、硬度が著しく増大するために、耐ラメラテア性が劣化する。特に、Sn量が0.20%を超えると、耐ラメラテア性が大きく劣化する。従って、耐ラメラテア性の確保の観点から、Sn量は0.20%以下とする。好ましくは0.15%以下である。より好ましくは0.10%以下である。
N:0.0080%以下
Nは、靭性を低下させる有害な元素であるので、極力低減させることが望ましい。特に、N量が0.0080%を超えると、靭性の低下が大きくなる。従って、N量は0.0080%以下とする。好ましくは0.0070%である。なお、下限については特に限定されないが、0.0005%とすることが好ましい。
Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%、Sb:0.01〜0.30%、W:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜0.50%およびNb:0.0010〜0.10%のうちから選んだ1種または2種以上
Cu、Ni、Sb、W、MoおよびNbは、Snとともに複合添加することで、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境における耐食性を向上させる元素である。
上述したように、Snは耐食性の向上に有効な元素であるものの、耐ラメラテア性の観点から多量には含有させることができない。このため、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境における耐食性と耐ラメラテア性とを両立するには、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%、Sb:0.01〜0.30%、W:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜0.50%およびNb:0.0010〜0.10%のうちから選んだ1種または2種以上を含有させることが必要である。
ここで、Cu、Ni、SbおよびNbはそれぞれ、腐食の進行に伴い、鋼材表面からCu2+、Ni2+、Sb5+およびNb4+として遊離し、腐食生成物を緻密にすることで、鋼界面(錆層と地鉄の界面)へのSO4 2−等の腐食性アニオンの透過を抑制する。また、WおよびMoはそれぞれ、WO4 2−およびMoO4 2−として遊離し、錆中に取り込まれ、錆にカチオン選択透過性を付与し、鋼界面へのSO4 2−等の腐食性アニオンの透過を電気的に抑制する。
これらの効果は、上述のSnの防食作用が共存した場合において顕在化し、Cu、Ni、Sb、WおよびMo量についてはそれぞれ0.01%以上で、Nb量については0.0010%以上で発現する。しかし、いずれの元素も多く含有させると、溶接性や靱性を劣化させ、コストの観点からも不利になる。
従って、Cu量は0.01〜0.50%の範囲、Ni量は0.01〜0.50%の範囲、Sb量は0.01〜0.30%の範囲、W量は0.01〜0.50%の範囲、Mo量は0.01〜0.50%の範囲、Nb量は0.0010〜0.10%の範囲とする。
好ましくは、Cu量は0.02%以上、0.40%以下、Ni量は0.02%以上、0.40%以下、Sb量は0.02%以上、0.25%以下、W量は0.02%以上、0.40%以下、Mo量は0.02%以上、0.40%以下、Nb量は0.0020%以上、0.08%以下である。
また、上述したように、Snによる耐ラメラテア性の低下機構は、Sによる耐ラメラテア性の低下機構とは異なっている。しかし、SとSnによる耐ラメラテア性の低下は互いに相乗して作用する。このため、耐ラメラテア性を一層向上させる観点からは、SおよびSnの含有量について、次式(2)の関係を満足させることが好適である。
10000×[%S]×[%Sn]2 ≦ 1.40 --- (2)
ここで、[%S]および[%Sn]はそれぞれ、成分組成におけるSおよびSnの含有量(質量%)である。
上掲(2)式は、耐ラメラテア性に対するSn量の影響がS量の影響に比べて非常に大きいことを意味している。すなわち、Snを厳密に管理することが、耐ラメラテア性を確保するうえで特に重要であることを意味している。
ここで、10000×[%S]×[%Sn]2は、1.20以下とすることがより好ましい。10000×[%S]×[%Sn]2の下限については特に限定されるものではないが、0.001とすることが好ましい。
なお、ラメラテアを抑制するにあたっては、S量とSn量をともに上記した範囲に限定することが前提となることは言うまでもない。
以上、基本成分について説明したが、本発明の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材では、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Cr:0.01〜0.50%およびCo:0.01〜0.50%のうちから選んだ1種または2種
CrおよびCoは、腐食の進行に伴って錆層中に移行し、SO4 2−等の腐食性アニオンの錆層への侵入を遮断することで、錆層と地鉄の界面へのSO4 2−等の腐食性アニオンの濃縮を抑制し、これにより、耐食性の一層の向上に寄与する。
このような効果は、Cr量またはCo量が0.01%未満では十分には得られない。一方、Cr量またはCo量が0.50%を超えると、溶接部の靭性を劣化させる。また、Crについては、加水分解反応を生じる元素であり、腐食部でのpHを低下させる。すなわち、Crを過剰に添加すると、トータルでの耐食性を劣化させるおそれもある。
従って、CrおよびCoを含有させる場合、その量はいずれも0.01〜0.50%の範囲とする。好ましくは0.02%以上、0.30%以下である。より好ましくは0.03%以上、0.20%以下である。
Ti:0.001〜0.100%、Zr:0.001〜0.100%およびV:0.001〜0.100%のうちから選んだ1種または2種以上
Ti、ZrおよびVは、所望とする強度を確保する観点から、単独または複合して添加することができる。しかし、いずれの元素も過剰に含有させると、靱性および溶接性を劣化させる。このため、Ti、ZrおよびVを含有させる場合、その量はいずれも0.001〜0.100%の範囲とする。好ましくは0.005%以上、0.050%以下である。
Ca:0.0001〜0.0100%、Mg:0.0001〜0.0200%およびREM:0.0002〜0.2000%のうちから選んだ1種または2種以上
Ca、MgおよびREMは溶接部の靱性を向上させる観点から、単独または複合して添加することができる。しかし、いずれの元素も過剰に含有させると、却って溶接部の靱性劣化を招く。また、コストも増加する。従って、Ca、MgおよびREMを含有させる場合、Ca量は0.0001〜0.0100%、Mg量は0.0001〜0.0200%、REM量は0.0002〜0.2000%の範囲とする。
B:0.0001〜0.0300%
Bは、鋼材の焼入性を向上させる元素である。また、所望の強度を確保する観点から、Bを含有させることができる。このような観点からは、B量を0.0001%以上とすることが有効である。しかし、Bを過剰に含有させる、特にB量が0.0300%を超えると、靱性の大幅な劣化を招く。従って、Bを含有させる場合、その量は0.0001〜0.0300%の範囲とする。
上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。
以上、本発明の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材の成分組成について説明したが、本発明の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材では、Sn偏析度を次のように制御することが極めて重要である。
Sn偏析度:18未満
Snの中心偏析によって、偏析部の硬度は大きく増加する。そして、このような偏析部がラメラテア発生の起点となる。すなわち、Snを含有する成分組成において優れた耐ラメラテア特性を確保するには、Snの中心偏析を抑制して偏析部の硬度増加を抑制することが重要である。このような観点から、Sn偏析度は18未満とする。好ましくは16未満である。より好ましくは15以下である。下限については特に限定されるものではないが、2とすることが好ましい。
なお、ここでいうSn偏析度とは、鋼材の圧延方向と平行に切断した断面(鋼材表面に垂直な断面)において、電子線マイクロアナライザ(以下、EPMAと示す)の線分析により得られる平均のSn濃度に対する中心偏析部のSn濃度の比である。
具体的には、鋼材の厚さをt(mm)、幅(鋼材の圧延方向および厚さ方向と直角の方向)をW(mm)としたとき、まず、鋼材の圧延方向と平行に切断した断面(鋼材表面に垂直な断面)の鋼材の厚さ方向:(0.5±0.1)×t、圧延方向:15mmの面領域(すなわち、鋼材の厚さ方向の中心位置を包含する面領域)において、ビーム径:20μm、ピッチ:20μmの条件で、SnのEPMA面分析を実施する。なお、SnのEPMA面分析は、1/4×W、1/2×Wおよび3/4×Wの位置の3つの断面視野にて実施する。
ついで、上記EPMA面分析から各断面視野においてSn濃度が最も高い位置を選択し、当該位置においてそれぞれ、鋼材の厚さ方向にビーム径:5μm、ピッチ:5μmの条件で、SnのEPMA線分析を実施する。なお、EPMA線分析の実施にあたっては、鋼材の表裏面からそれぞれ25μmまでの領域は除外する。
そして、測定ラインごとにSn濃度(質量濃度)の最大値を求め、これらの平均値を中心偏析部のSn濃度(質量濃度)とし、この中心偏析部のSn濃度を、測定ラインの全測定値の算術平均値である平均のSn濃度(質量濃度)で除した値を、Sn偏析度とする。
すなわち、
[Sn偏析度]=[中心偏析部のSn濃度]/[平均のSn濃度]
である。
上述したように、本発明の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材は、優れた耐ラメラテア特性を確保する観点から、Snの中心偏析を抑制する、すなわち、Snの中心偏析の度合いを示すSn偏析度を所定値以下に制御することが極めて重要である。ここで、Sn偏析度は、成分組成が同じであっても、製造条件によって大きく変化する。このため、Snの中心偏析を抑制するには、鋼材の製造方法を適切に制御することが非常に重要である。
以下、本発明の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材の好適製造方法について説明する。
すなわち、本発明の鋼材は、上記した成分組成に調整した鋼を、転炉や電気炉、真空脱ガス等、公知の精錬プロセスを用いて溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延法で鋼素材(スラブ)とし、ついでこの鋼素材を必要に応じて再加熱してから熱間圧延することにより、鋼板または形鋼等とすることで製造することができる。なお、鋼材の厚さは特に限定されるものではないが、好ましくは2〜100mmである。より好ましくは3〜80mmである。さらに好ましくは4〜60mmである。
ここで、連続鋳造の場合、鋳造速度(引抜速度)を0.3〜2.8m/minとすることが好ましい。鋳造速度が0.3m/min未満では、操業効率が悪くなる。一方、鋳造速度が2.8m/minを超えると、表面温度ムラが生じ、また鋳片内部への溶鋼供給が不十分になって、Snの中心偏析が促される。Snの中心偏析を抑制する観点からは、より好ましくは0.4m/min以上、2.6m/min以下である。さらに好ましくは1.5m/min以下である。
また、未凝固層を有する凝固末期の鋳片を、凝固収縮量と熱収縮量との和に相当する程度の圧下総量及び圧下速度で、圧下ロール群によって徐々に圧下しながら鋳造する軽圧下法を行うことが好ましい。
次に、上記の鋼素材を所望の寸法形状に熱間圧延する際には、900℃〜1350℃の温度に加熱することが好ましい。加熱温度が900℃未満では変形抵抗が大きく、熱間圧延が難しくなる。一方、加熱温度が1350℃を超えると、表面痕が発生したり、スケールロスや燃料原単位が増加したりする。
また、特に、加熱温度が高いほど中心偏析部のSnの拡散が促されるため、耐ラメラテア性を確保する観点からは有利となる。このような観点から、加熱温度は1030℃以上とすることがより好ましい。
さらに、上記加熱温度における保持時間は、60min以上とすることが好ましい。これにより、中心偏析部におけるSnの拡散が十分に促される。より好ましくは150min以上である。なお、上限については特に限定されるものではないが、1000minとすることが好ましい。
なお、鋼素材の温度が、もともと1030〜1350℃の範囲の場合でかつ、その温度範囲に60min以上保持されていた場合には、加熱せずに、そのまま熱間圧延に供してもよい。また、熱間圧延後に得られた熱延板に、再加熱処理、酸性、冷間圧延を施し、所定板厚の冷延板としてもよい。
熱間圧延では、仕上圧延終了温度を650℃以上とすることが好ましい。仕上圧延終了温度が650℃未満では、変形抵抗の増大により圧延荷重が増加し、圧延の実施が困難となる。
熱間圧延後の冷却は、空冷、加速冷却のいずれの方法でもよいが、より高い強度を得たい場合には、加速冷却を行うことが好ましい。
ここで、加速冷却を行う場合には、冷却速度を2〜100℃/s、冷却停止温度を700〜400℃とするのが好ましい。すなわち、冷却速度が2℃/s未満、および/または冷却停止温度が700℃超では、加速冷却の効果が小さく、十分な高強度化が達成されない場合がある。一方、冷却速度が100℃/s超、および/または冷却停止温度が400℃未満では、鋼材の靭性が低下したり、鋼材の形状に歪が発生する場合がある。ただし、後工程において熱処理を施す場合はその限りではない。
表1に示す成分組成になる鋼(残部はFeおよび不可避的不純物である)を、真空溶解炉または転炉で溶製して、表2に示す条件の連続鋳造により鋼スラブとした。これらの鋼スラブを1150℃に再加熱後、表2に示す条件で保持し、仕上圧延終了温度:930℃の熱間圧延を施し、板厚:30mmの鋼板を得た。なお、熱間圧延後の冷却は、冷却速度:10℃/s、冷却停止温度:550℃の水冷(加速冷却)とした。
そして、上記した方法により、得られた鋼板におけるSn偏析度を求めた。結果を表2に併記する。
また、上記のようにして得られた鋼板について、以下の要領で、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールドの使用環境を模擬した腐食試験を行い、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールド使用環境での耐食性の評価を行った。
(1)耐食性の評価
上記のようにして得たNo.1〜60の鋼板からそれぞれ、5mmt×50mmW×75mmLの試験片を採取し、その表面をショットブラストして、表面のスケールや油分を除去した。この面を試験面として、塗膜剥離後の鋼材の耐食性を評価した。裏面と端面をシリコン系シールでコーティングした後、アクリル製の治具に嵌め込み、その上に石炭5gを敷き詰め、恒温恒湿器により、雰囲気A(温度:60℃、相対湿度:95%、20時間)⇔雰囲気B(温度:30℃、相対湿度:95%、3時間)、各遷移時間:0.5時間の温度湿度サイクルを84日間与えた。ここで、記号「 ⇔ 」は繰り返しという意味で使用している。なお、石炭は、5gを秤量し、常温で100mlの蒸留水に2時間浸漬したのち、ろ過を行い200mlに希釈した石炭滲出液のpHが3.0になるものを用いた。ここでは、上記の条件で試験を行うことにより、石炭船および石炭・鉱石兼用船のホールド内底板の腐食環境を模擬している。
試験後、錆剥離液を用い、各試験片の錆を剥離して各試験片の腐食試験前後での質量減少量を測定し、これを腐食量とした。また、デプスメーターを用いて、各試験片における最大孔食深さを測定した。そして、SnやCu、Ni、Sb、W、MoおよびNbを添加していないNo.53をベース鋼として、このベース鋼に対する質量減少量および最大孔食深さの比率により、以下の基準で耐食性を評価した。
○(合格):ベース鋼に対する質量減少量および最大孔食深さの比率がいずれも70%未満
△(不合格):ベース鋼に対する質量減少量および最大孔食深さの比率のうち、いずれか一方が70%以上、80%未満でかつ、他方が80%未満
×(不合格):ベース鋼に対する質量減少量および最大孔食深さの比率のうち、少なくとも一方が80%以上
さらに、以下の要領で、耐ラメラテア性の評価を行った。
(2)耐ラメラテア性の評価
ClassNK 鋼船規則・同検査要領(K編、第2章)に準拠して、上記のようにして得られたNo.1〜60の鋼板について、鋼板の板厚方向(Z方向)の引張試験を実施し、絞り値(RA)を算出た。そして、算出した絞り値(RA)に基づき、以下の基準で耐ラメラテア性を評価した。
◎(合格、特に優れる):70以上
○(合格):35以上70未満
△(不合格):25以上35未満
×(不合格):25未満
(1)および(2)の評価結果を表2に併記する。なお、表2中の総合評価は、上記した(1)および(2)の評価が全て「○」または「◎」の場合を「合格」、(1)および(2)の評価において1つでも「△」または「×」がある場合を「不合格」としている。
Figure 0006264519
Figure 0006264519
Figure 0006264519
表2に示したとおり、発明例はいずれも、優れた耐食性と耐ラメラテア性とを兼ね備えている。
これに対し、比較例では、耐食性および耐ラメラテア性の少なくとも一方について、十分な特性が得られていない。
すなわち、比較例No.50および52はS量が上限を超えており、また所定量のCu、Ni、Sb、W、MoおよびNbが含有されていないため、耐食性および耐ラメラテア性について、十分な特性が得られていない。
比較例No.51、55および58は、Sn量が上限を超えているため、耐ラメラテア性について、十分な特性が得られていない。
比較例No.54は、S量およびSn量が上限を超えているため、耐ラメラテア性について、十分な特性が得られていない。
比較例No.56および60は、S量が上限を超えているため、耐ラメラテア性について、十分な特性が得られていない。
比較例No.57は、所定量のCu、Ni、Sb、W、MoおよびNbが含有されていないため、耐食性について、十分な特性が得られていない。
比較例No.59はS量が上限を超えており、またSn量が下限を下回っているため、耐食性および耐ラメラテア性について、十分な特性が得られていない。
比較例No.61〜64は、Sn偏析度が上限を超えているため、耐ラメラテア性について、十分な特性が得られていない。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    C:0.03〜0.18%、
    Si:0.01〜1.50%、
    Mn:0.10〜2.00%、
    P:0.030%以下、
    S:0.0070%以下、
    Al:0.005〜0.100%、
    Sn:0.01〜0.20%および
    N:0.0080%以下
    を含有するとともに、
    Cu:0.01〜0.50%、
    Ni:0.01〜0.50%、
    Sb:0.01〜0.30%、
    W:0.01〜0.50%、
    Mo:0.01〜0.50%および
    Nb:0.0010〜0.10%
    のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、
    Sn偏析度が18未満である、石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
    ここで、Sn偏析度は、次式(1)により定義される。
    [Sn偏析度]=[中心偏析部のSn濃度]/[平均のSn濃度]--- (1)
  2. 前記成分組成におけるS含有量とSn含有量とが、次式(2)の関係を満足する、請求項1に記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
    10000×[%S]×[%Sn]2 ≦ 1.40 --- (2)
    ここで、[%S]および[%Sn]はそれぞれ、成分組成におけるSおよびSnの含有量(質量%)である。
  3. 前記成分組成が、さらに質量%で、
    Cr:0.01〜0.50%および
    Co:0.01〜0.50%
    のうちから選んだ1種または2種を含有する、請求項1または2に記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
  4. 前記成分組成が、さらに質量%で、
    Ti:0.001〜0.100%、
    Zr:0.001〜0.100%および
    V:0.001〜0.100%
    のうちから選んだ1種または2種以上を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
  5. 前記成分組成が、さらに質量%で、
    Ca:0.0001〜0.0100%、
    Mg:0.0001〜0.0200%および
    REM:0.0002〜0.2000%
    のうちから選んだ1種または2種以上を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
  6. 前記成分組成が、さらに質量%で、
    B:0.0001〜0.0300%
    を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の石炭船および石炭・鉱石兼用船ホールド用鋼材を用いてなる船舶。
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