JP6214091B2 - ナノバブルを含む水の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ナノバブルを含む水の製造方法に関する。
ナノバブルを含む水の製造方法は各種知られているが、その代表的な方法として、本発明者らの1人である高橋が提案した、水中に含まれるマイクロバブルに物理的刺激を与えることで、マイクロバブルを急激に縮小させる方法がある(特許文献1)。この方法は、ナノバブルを含む水を効率的に製造することができることから、当業者に高く評価されている。しかしながら、この方法は、マイクロバブルに物理的刺激を与えるための手段を必要とするため、より簡便かつ低コストに多くの個数のナノバブルを含む水を製造することができる方法が望まれている。
特開2005−245817号公報
そこで本発明は、簡便かつ低コストに多くの個数のナノバブルを含む水を製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の点に鑑みて鋭意検討を行った結果、塩分を含む水中にマイクロバブルを発生させた後、マイクロバブルを発生させた水に、マイクロバブルを発生させるために用いた塩分を含む水を加えると、即ち、マイクロバブルを発生させた水を、マイクロバブルを発生させるために用いた塩分を含む水で希釈すると、意外なことに多くの個数のナノバブルを含む水を製造することができることを見出した。
上記の知見に基づいてなされた本発明のナノバブルを含む水の製造方法は、請求項1記載の通り、塩分濃度が0.5重量%以上の水中にマイクロバブルを発生させた後、マイクロバブルを発生させた水に、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加えることによる。
また、請求項2記載の製造方法は、請求項1記載の製造方法において、マイクロバブルを発生させてから30秒以上が経過した時点で、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加える。
また、請求項3記載の製造方法は、請求項1または2記載の製造方法において、マイクロバブルを発生させてから2分以上が経過した時点で、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加える。
また、請求項4記載の製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法において、マイクロバブルを発生させた水に、塩分濃度が0.5重量%以上の水を等倍量以上加える。
また、請求項5記載の製造方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法において、塩分濃度が0.5重量%以上の水が海水である。
また、請求項6記載の製造方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法において、マイクロバブルを発生させるための気体が二酸化炭素である。
また、本発明は、請求項7記載の通り、塩分濃度が0.5重量%以上の水中にマイクロバブルを発生させた後、マイクロバブルを発生させた水に、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加えることにより、水中に生成するナノバブルの個数を増やす方法である。
本発明によれば、簡便かつ低コストに多くの個数のナノバブルを含む水を製造することができる方法を提供することができる。
実施例1における、微小気泡発生装置を停止した直後の二酸化炭素マイクロバブルを含む海水を5倍希釈したサンプルのESRスペクトルである。 実施例2における、二酸化炭素マイクロバブルを水中に発生させることを開始してから2分が経過した時点での二酸化炭素マイクロバブルを含む人工海水を5倍希釈したサンプルのESRスペクトルである。 同、二酸化炭素マイクロバブルを水中に発生させることを開始してから1分が経過した時点での二酸化炭素マイクロバブルを含む人工海水を2分間放置したサンプルのESRスペクトルである。
本発明のナノバブルを含む水の製造方法は、塩分濃度が0.5重量%以上の水中にマイクロバブルを発生させた後、マイクロバブルを発生させた水に、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加えることによる。
本発明者らの1人である高橋は、これまでの研究成果として、所定量の電解質イオンを含む水中にマイクロバブルを発生させると、その一部がナノバブルとして一時的に安定化する現象を突き止めている。ここでマイクロバブルとは、例えば直径が50μm以下の気泡であり、自体公知の二相流旋回方式や加圧溶解方式による微小気泡発生装置を用いて発生させることができる。マイクロバブルは気泡の上昇速度が緩やかであり、比表面積が大きく、内部に含まれる気体が表面張力の効果によりYoung−Laplaceの式に基づいて加圧されているため、気泡内部に含まれる気体分子を効果的に気泡周辺の水中に溶解させる。また、このことは、もともと小さな気泡であるマイクロバブルが時間の経過と共に水中で縮小することを意味している。環境条件によって多少の違いはあるが、水中に発生させたマイクロバブルは、通常は3分以内に消滅(完全溶解)してしまう。しかしながら、所定量の電解質イオンを含む水中にマイクロバブルを発生させた場合、マイクロバブルが縮小する過程において、イオンが気泡の周囲で高濃度化する傾向があり、ついにはsalting−outとよばれる効果によって内部に含まれる気体が周囲の水中に溶解することを抑制する作用が現れることがある。その結果、全てのマイクロバブルに当てはまるわけではないと考えられるが、少なくともその一部が微細化した状態で一時的に安定化するようになる。こうして水中に生成するのがナノバブルである。ここでナノバブルとは、例えば直径が10〜500nmの気泡である(特許文献1)。
しかしながら、水中に生成したナノバブルの個数は一般的に少ない。水中に発生させたマイクロバブルは効率的な気体の溶解を伴うため急激に縮小する。ところが、この過程によって水中の溶解気体濃度が急激に増加するため、気液界面付近における気体濃度勾配が低下して、その溶解効率が低下する。これにより、マイクロバブルの縮小速度も低下するため、気液界面におけるイオンの濃縮が進みにくくなる。すなわち気泡を包み込むイオンの殻の形成があまり進まなくなるため、結果的にマイクロバブルとしての寿命は多少長くなるものの、ナノバブルとして長期に残存する状況が形成されなくなる。一定量の水中に大量のナノバブルを生成させることを想定すると、水中にマイクロバブルを連続的に供給することが不可欠であるが、時間の経過と共に水中の溶解気体濃度が増加するため、ナノバブルとして残留する割合は著しく低下してしまう。
本発明は、こうした所定量の電解質イオンを含む水中に発生させたマイクロバブルの物性を巧みに利用して、塩分濃度が0.5重量%以上の水中にマイクロバブルを発生させた後、マイクロバブルを発生させた水に、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加えることにより、水中のマイクロバブルを取り巻く環境条件を大きく変えてしまう。これにより、縮小速度が弱まったマイクロバブルは、気液界面付近における気体濃度勾配が回復するため、気泡内部に含まれる気体分子を再び効果的に気泡周辺の水中に溶解させることで、急激な縮小につながる。結果として、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加えない条件下では浮遊する一部のマイクロバブルしかナノバブルとして残存できないところ、遙かに多くの個数のマイクロバブルがナノバブルとして残存できる環境が形成されるので、水中に生成するナノバブルの個数を増やすことができる。塩分濃度が0.5重量%以上の水中にマイクロバブルを発生させた後、マイクロバブルを発生させた水に、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加えるタイミングは、水中にマイクロバブルを発生させてから30秒以上が経過した時点が望ましく、2分以上が経過した時点がより望ましい。水中にマイクロバブルを発生させてからごく初期の段階では、マイクロバブルの縮小速度は速いので、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加えても、水中のマイクロバブルを取り巻く環境条件を大きく変えることができないおそれがある。水中にマイクロバブルを発生させてから30秒以上が経過した時点では、その時点までのマイクロバブルの急激な縮小による水中の溶解気体濃度の急激な増加により、マイクロバブルの縮小速度が既に低下しているため、水中のマイクロバブルを取り巻く環境条件を大きく変えるタイミングとしては、このタイミングが効果的である。なお、塩分濃度が0.5重量%以上の水中にマイクロバブルを連続的や断続的に発生させる場合、マイクロバブルを発生させた水に連続的や断続的に塩分濃度が0.5重量%以上の水を加えることで、多くの個数のマイクロバブルがナノバブルとして残存できる環境を常に形成することができる。
本発明において、マイクロバブルを発生させるために用いる水の塩分濃度、および、マイクロバブルを発生させた水に加えるために用いる水の塩分濃度を、0.5重量%以上に規定するのは、塩分濃度が0.5重量%未満であると、水中に含まれる電解質イオンが少なすぎることで、マイクロバブルを発生させた水に水を加えても、水中のマイクロバブルを取り巻く環境条件を大きく変えることができないことにより、水中に生成するナノバブルの個数を増やすことができないからである。塩分濃度は1重量%以上が望ましく、2重量%以上がより望ましい。塩分濃度の上限は特に限定されるものではないが、コストなどに鑑みれば、10重量%が望ましく、5重量%がより望ましい。マイクロバブルを発生させた水に加える水の量は、マイクロバブルを発生させた水に対して等倍量以上が望ましく、3倍以上がより望ましく、5倍以上がさらに望ましい。塩分濃度が0.5重量%以上の水は、例えば塩化ナトリウムを蒸留水などに溶解することで調製することができるが、塩化ナトリウムに加えて、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどを溶解してもよい。また、塩分濃度が0.5重量%以上の水は、天然海水や人工海水であってもよい(海水の塩分濃度は約3.5重量%である)。塩分濃度が0.5重量%以上の水のpHは、特段調整する必要はないが、マイクロバブルを発生させるための気体の種類に応じて適宜調整してもよい。なお、マイクロバブルを発生させるために用いる水、および、マイクロバブルを発生させた水に加えるために用いる水は、塩分濃度が0.5重量%以上である限り、同じであってもよいし異なっていてもよい。
本発明において、マイクロバブルを発生させるための気体は特に限定されるものではなく、空気、酸素、オゾン、二酸化炭素、窒素などであってよい。
塩分濃度が0.5重量%以上の水中へのマイクロバブルの発生は、自体公知の二相流旋回方式や加圧溶解方式による微小気泡発生装置を用いて行うことができる。二相流旋回方式を採用する場合、回転子などを利用して半径が10cm以下の渦流を強制的に生じせしめ、壁面などの障害物や相対速度の異なる流体にマイクロバブルの内部に含ませる気体を含んだ気液混合物を打ち当てることにより、渦流中に獲得した気体成分を渦の消失とともに分散させることで、所望のマイクロバブルを発生させることができる。また、加圧溶解方式を採用する場合、2気圧以上の高圧下でマイクロバブルの内部に含ませる気体を水中に溶解させた後、これを大気圧に開放することにより生じた溶解気体の過飽和条件からマイクロバブルを発生させることができる。この場合、圧力の開放部位において、水流と障害物を利用して半径が1mm以下の渦を多数発生させ、渦流の中心域における水の分子揺動を起因として多量の気相の核(気泡核)を形成させるとともに、過飽和条件に伴ってこれらの気泡核に向かって水中の気体成分を拡散させ、気泡核を成長させることにより、所望のマイクロバブルを大量に発生させることができる。なお、これらの方法によって発生したマイクロバブルは、粒径が50μm以下で、レーザー光遮断方式の液中パーティクルカウンター(例えばSPM社製LiQuilaz−E20など)による計測において10〜15μmに粒径のピークを有しており、そのピークの領域における微小気泡の個数は1000個/mL以上である(必要であれば特開2000−51107号公報や特開2003−265938号公報などを参照のこと)。
本発明によれば、多くの個数のナノバブルを含む水、換言すれば、ナノバブルの濃度(単位体積当たりのナノバブルの個数)が高い水を、大量に製造することができる。通常、ある種の物質を含む水を希釈すると、物質の濃度は希釈の程度に反比例して減少することに鑑みれば、所定の水にマイクロバブルを発生させ、マイクロバブルを発生させた水を所定の水で希釈することで、水中に生成するナノバブルの個数を増やすことができることは驚くべき事実であり、しかも希釈の程度に比例して水量は増えるので、その優位性は計り知れない。
本発明の方法によって製造されたナノバブルを含む水は、ナノバブルの内部に含まれる気体の種類に応じた自体公知の用途に供することができる。ナノバブルを含む水の効果は、水中に含まれるナノバブルの個数に比例するので、既存の方法によって製造されたナノバブルを含む水よりも水中に含まれるナノバブルの個数が多い本発明の方法によって製造されたナノバブルを含む水は、既存の方法によって製造されたナノバブルを含む水よりも高い効果を発揮する。例えば、本発明者らは、冷却水として海水を利用する火力発電所や原子力発電所などの発電プラントにおける熱交換水流路に、フジツボ類やイガイ類などの貝類をはじめとする様々な海洋生物が付着することを抑制するための方法として、二酸化炭素ナノバブルを含む水を利用する方法を提案しているが(例えば特開2011−147870号公報)、前述したように海水は塩分濃度が0.5重量%以上の水であるので、本発明によれば、大量に存在する海水を用いて水中に二酸化炭素マイクロバブルを発生させ、二酸化炭素マイクロバブルを発生させた海水に海水を加えることで、多くの個数の二酸化炭素ナノバブルを含む海水を大量に製造することができるので、冷却水として海水を利用する発電プラントにおける熱交換水流路への海洋生物の付着をより効果的に抑制することができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
実施例1:
3Lのビーカーに瀬戸内海で採取した海水(塩分濃度:約3.5重量%)を入れ、二相流旋回方式による微小気泡発生装置を用いて粒径が50μm以下の二酸化炭素マイクロバブルを水中に発生させた。微小気泡発生装置への二酸化炭素の供給量は約50mL/分とした。微小気泡発生装置を作動させることによって二酸化炭素マイクロバブルを水中に発生させることを開始してから3分が経過した時点で装置を停止し、ピペットを用いて二酸化炭素マイクロバブルを含む海水10mLを採取し、別のビーカーに入れておいた二酸化炭素マイクロバブルを発生させるために用いた海水と同じ海水40mLに添加してよく混合した(この操作により二酸化炭素マイクロバブルを含む海水をその4倍量の海水を用いて5倍希釈したことになる)。水中で二酸化炭素マイクロバブルが縮小してその一部から粒径が10〜500nmの二酸化炭素ナノバブルが生成したことを動的光散乱光度計(大塚電子社製FDLS−3000。以下同じ)を用いた測定により確認した。生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度を電子スピン共鳴法(ESR)により定量解析した。ナノバブルはスピントラップ剤と塩酸を適量加えることにより不安定化し、消滅する。消滅時に気液界面に電荷量として蓄えられたエネルギーが発散され、ナノバブルの内部や周囲に存在する気体分子や水分子の一部を分解することでフリーラジカル(水酸基ラジカルなど)を発生する。このフリーラジカル量は水質などの基本的な条件が整っていれば、ナノバブルの濃度の大小をほぼリニアに反映する特徴がある。ここではスピントラップ剤としてDMPO(5,5−Dimethyl−1−pyrroline N−oxide)を用いた。微小気泡発生装置を停止した直後の二酸化炭素マイクロバブルを含む海水を5倍希釈したサンプルのESRスペクトルを図1に示す。図1から明らかなように、左右のMn指標の間に1:2:2:1の特徴的なDMPO−OHの信号を確認することができた。海水を用いて希釈しない二酸化炭素マイクロバブルを含む海水そのものの水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度を同様にして定量解析したところ、DMPO−OHの信号のピークの高さは、二酸化炭素マイクロバブルを含む海水を5倍希釈したサンプルの1/3以下であった。このことから、二酸化炭素マイクロバブルを含む海水を5倍希釈したことで、水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度を3倍以上(水量は5倍なので二酸化炭素ナノバブルの個数としては15倍以上)に増やせたことがわかった。
実施例2:
30Lの容器に脱イオン水をベースとした市販の人工海水(塩分濃度:約3.5重量%、八重洲薬品社製アクアマリンS)を入れ、二相流旋回方式による微小気泡発生装置(実施例1で用いた装置とは別のもの)を用いて粒径が50μm以下の二酸化炭素マイクロバブルを水中に発生させた。微小気泡発生装置への二酸化炭素の供給量は約1L/分とした。水中で二酸化炭素マイクロバブルが縮小してその一部から粒径が10〜500nmの二酸化炭素ナノバブルが生成したことを動的光散乱光度計を用いた測定により確認した。微小気泡発生装置を作動させることによって二酸化炭素マイクロバブルを水中に発生させることを開始してから1分、2分、3分が経過した時点で、二酸化炭素マイクロバブルを含む人工海水を採取した。二酸化炭素マイクロバブルを水中に発生させることを開始してから2分が経過した時点で、二酸化炭素マイクロバブルを含む人工海水を採取し、二酸化炭素マイクロバブルを発生させるために用いた人工海水と同じ人工海水を用いて5倍希釈したサンプルの水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度を、実施例1と同様にして定量解析した。このサンプルのESRスペクトルを図2に示す。また、二酸化炭素マイクロバブルを水中に発生させることを開始してから1分が経過した時点で、二酸化炭素マイクロバブルを含む人工海水を採取し、2分間放置したサンプルの水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度を、実施例1と同様にして定量解析した。このサンプルのESRスペクトルを図3に示す。図3から明らかなように、二酸化炭素マイクロバブルを含む人工海水を、人工海水を用いて希釈せずに2分間放置したサンプルは、水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度が低いことで、DMPO−OHの信号のピークが非常に小さかった。一方、図2から明らかなように、二酸化炭素マイクロバブルを含む人工海水を、人工海水を用いて希釈したサンプルは、水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度が高いことで、DMPO−OHの信号のピークは大きかった。二酸化炭素マイクロバブルを水中に発生させることを開始してから1分が経過した時点と3分が経過した時点で、二酸化炭素マイクロバブルを含む人工海水を採取し、二酸化炭素マイクロバブルを発生させるために用いた人工海水と同じ人工海水を用いて5倍希釈したそれぞれのサンプルの水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度を、実施例1と同様にして定量解析した結果も同様であり、水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度が高いことで、DMPO−OHの信号のピークは大きかった。
実施例3:
実施例1と同様にして微小気泡発生装置を作動させることによって二酸化炭素マイクロバブルを水中に発生させることを開始してから3分が経過した時点で装置を停止し、二酸化炭素マイクロバブルを含む海水を2分間放置した後、二酸化炭素マイクロバブルを発生させるために用いた海水と同じ海水を用いて5倍希釈したサンプルの水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度を、実施例1と同様にして定量解析したところ、水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度が高いことで、DMPO−OHの信号のピークは大きかった。
実施例4:
実施例1と同様にして微小気泡発生装置を作動させることによって二酸化炭素マイクロバブルを水中に発生させることを開始してから5分が経過した時点で装置を停止し、二酸化炭素マイクロバブルを含む海水を、二酸化炭素マイクロバブルを発生させるために用いた海水と同じ海水を用いて2倍希釈したサンプルの水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度を、実施例1と同様にして定量解析したところ、水中に生成した二酸化炭素ナノバブルの濃度が高いことで、DMPO−OHの信号のピークは大きかった。
実施例5:
微小気泡発生装置に酸素を供給すること以外は実施例1と同様の実験を行うことで、酸素ナノバブルを含む水について、実施例1と同様の結果を得た。
実施例6:
二酸化炭素マイクロバブルを発生させるために用いる水、および、二酸化炭素マイクロバブルを発生させた水に加えるために用いる水として、蒸留水に塩化ナトリウムを溶解することによって調製した塩分濃度が1.0重量%の塩水を用いること以外は実施例1と同様の実験を行うことで、実施例1と同様の結果を得た。
実施例7:
二酸化炭素マイクロバブルを発生させるために用いる水として実施例1で用いた海水を用い、二酸化炭素マイクロバブルを発生させた水に加えるために用いる水として蒸留水に塩化ナトリウムを溶解することによって調製した塩分濃度が1.0重量%の塩水を用いること以外は実施例1と同様の実験を行うことで、実施例1と同様の結果を得た。
本発明は、簡便かつ低コストに多くの個数のナノバブルを含む水を製造することができる方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。

Claims (7)

  1. 塩分濃度が0.5重量%以上の水中にマイクロバブルを発生させた後、マイクロバブルを発生させた水に、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加えることによるナノバブルを含む水の製造方法。
  2. マイクロバブルを発生させてから30秒以上が経過した時点で、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加える請求項1記載の製造方法。
  3. マイクロバブルを発生させてから2分以上が経過した時点で、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加える請求項1または2記載の製造方法。
  4. マイクロバブルを発生させた水に、塩分濃度が0.5重量%以上の水を等倍量以上加える請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 塩分濃度が0.5重量%以上の水が海水である請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法。
  6. マイクロバブルを発生させるための気体が二酸化炭素である請求項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 塩分濃度が0.5重量%以上の水中にマイクロバブルを発生させた後、マイクロバブルを発生させた水に、塩分濃度が0.5重量%以上の水を加えることにより、水中に生成するナノバブルの個数を増やす方法。
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