JP6205963B2 - 多層構造プラスチック容器 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素吸収バリア層を中間層として有する多層構造プラスチック容器に関するものであり、より詳細には、内外層がオレフィン樹脂により形成されている多層構造プラスチック容器に関する。
ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン樹脂は、成形性、透明性、機械的強度、耐薬品性などの特性に優れており、特にボトルなどの包装材料として使用されている。
ところで、包装材料の分野では、内容物の酸化劣化を防止するために、酸素を遮断することが要求されるが、プラスチック製の包装材料は、ガラスや金属と比較して酸素に対するバリア性が低いため、一般に、中間層に酸素バリア性樹脂の層を設けた多層構造とすることにより酸素に対するバリア性を高めている。
上記のような多層構造において、酸素バリア性樹脂としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物)などが代表的であるが、このような酸素バリア性樹脂層は、酸素の透過を物理的に抑制するものであり、酸素に対するバリア性能はガラスなどと比較すると低い。
一方、最近では、エチレン系不飽和基含有重合体(例えばポリブタジエンなど)の酸化性有機成分からなる酸素吸収剤を含む酸素吸収性層を中間層として、上記の内外層の間に設けた多層構造体も優れた酸素バリア性を示すものとして実用に供されている。即ち、この層内を通過する酸素が、酸化性有機成分との反応(酸化性有機成分が酸化される)により捕捉されるという原理に基づくものであり、酸素の透過を抑制するという点では、上記の酸素バリア性樹脂と比較すると格段に高い。
しかしながら、このような酸素吸収性層による酸素遮断能は、酸素吸収剤(酸化性有機成分)と酸素との反応と共に低下し、全ての酸素吸収剤が酸素と反応してしまうと酸素遮断能を全く示さなくなってしまう。即ち、酸素遮断能を示す寿命が酸素バリア性樹脂に比して短いという欠点がある。
このため、特許文献1では、酸素吸収性層を前述した酸素バリア性樹脂層でサンドイッチした層構成を有する多層構造のプラスチック容器が提案されている。この多層構造容器では、酸素吸収性層への酸素の流入を酸素バリア性樹脂層で可及的に抑制することにより、酸素吸収性層の寿命を延長させ、酸素吸収性層の酸素吸収能が消耗した後は、酸素バリア性樹脂層によって酸素の透過を遮断するというものである。
特許文献1のプラスチック容器では、確かに酸素吸収性層の酸素吸収能が長期間にわたって持続しており、優れた酸素バリア性が長期間にわたって発揮される。しかしながら、このような構造では、容器を構成する層の数が多くなってしまい、生産コストが増大してしまうという問題がある。さらに、ポリエチレン等のオレフィン樹脂を内外層として有するオレフィン系樹脂製の容器では、中間層の数が多くなり且つ中間層の厚みも増大してしまうことから、柔軟性等のオレフィン樹脂製容器の特性も損なわれてしまう問題も生じている。
一方、特許文献2及び3には、酸素吸収剤を酸素バリア性樹脂に分散させた酸素吸収バリア層を中間層として有しており、内外層としてオレフィン樹脂層が設けられている多層構造のプラスチック容器が提案されている。即ち、特許文献1の多層容器では、酸素吸収剤を含む層と酸素バリア性樹脂の層とが別個に設けられているが、特許文献2及び3では、酸素吸収剤と酸素バリア性樹脂とにより一つの層(酸素吸収性バリア層)が形成されており、このため、容器を形成する層の数を少なくして優れた酸素に対するバリア性が得られている。
しかしながら、特許文献2及び3では、酸素吸収剤が酸素バリア性樹脂の層に分散されているため、特許文献1のように酸素吸収剤が存在する層が酸素バリア性樹脂の層によりサンドイッチされている場合と比較すると、酸素吸収剤の消耗抑制効果が十分でなく、酸素吸収剤の優れた酸素吸収能を発揮し得る期間がそれほど長くない。
特開2007−320576号公報 特開2004−143308号 特開2005−8823号
従って、本発明の目的は、酸素吸収剤が酸素バリア性樹脂中に分散されている酸素吸収バリア層を中間層として有しており、内外層がオレフィン系樹脂で形成されていると共に、酸素吸収性バリア層中の酸素吸収剤の酸素吸収能が長期間にわたって持続して発揮され、優れた酸素バリア性が長期間維持される多層構造プラスチック容器を提供することにある。
本発明者等は、上記課題について多くの実験を行った結果、酸素吸収バリア層の形成に使用される樹脂組成物自体が有する酸素吸収能(ペレット酸素吸収能)及び該酸素吸収バリア層の厚みが、このような酸素吸収バリア層を中間層として有する多層容器の酸素吸収能の寿命に密接に関係しており、このペレット酸素吸収能と酸素吸収バリア層の厚みとが一定の条件を満足する場合には、酸素吸収バリア層の酸素吸収能が長期間にわたって持続して発揮され、この結果、優れた酸素バリア性が長期間にわたって維持されるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明によれば、オレフィン樹脂製の内外層と、接着層を介して該内外層の間に設けられた酸素吸収バリア層とからなる多層構造を有するプラスチック容器において、
前記酸素吸収バリア層は、酸素吸収剤が酸素バリア性樹脂に分散された酸素吸収バリア性樹脂組成物から形成され、且つ、15〜40μmの厚みを有しており、
前記酸素吸収バリア性樹脂組成物は、0.05〜1.2cc/g・dayのペレット酸素吸収能を有していると共に、
前記酸素吸収バリア層が、容器壁の厚み方向中心よりも外面側にシフトしていることを条件として、前記酸素吸収バリア層の外面と外層表面との間隔が、10〜150μmの範囲にあり、且つ前記酸素吸収バリア層を含む多層構造のトータル厚みが150〜800μmの範囲にあることを特徴とする多層構造プラスチック容器が提供される。
本発明の多層構造プラスチック容器は、内外層がオレフィン樹脂により形成されるものであるが、中間層として使用される酸素吸収バリア層が、一定の範囲の酸素吸収能(ペレット酸素吸収能)を有する樹脂組成物により形成され且つ該酸素吸収バリア層の厚みが一定の範囲にある。即ち、本発明では、酸素吸収バリア層のペレット酸素吸収能と該層の厚みとの両方を一定の範囲とすることにより、内外層がオレフィン樹脂で形成されているというオレフィン樹脂製容器の特性を損なうことなく、酸素吸収バリア層中の酸素吸収剤の寿命を最大限に引き延ばすことができ、この結果、本発明の多層構造プラスチック容器は、長期にわたって優れた酸素バリア性を発揮するのである。
即ち、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の酸素バリア性樹脂と酸素吸収剤とから成る酸素吸収バリア層が設けられていたとしても、酸素吸収バリア層のペレット酸素吸収能及び酸素吸収バリア層の厚みに関する条件の何れか一方が本発明の範囲外であると、オレフィン樹脂の優れた特性を損なうことなく、優れた酸素バリア性を発揮させることができない。例えば、後述する実施例にも示されているように、本発明の多層構造プラスチック容器では、4か月以上にわたって優れた酸素バリア性を示すが、ペレット酸素吸収能或いは酸素吸収バリア層の厚みの何れかが本発明の範囲外である比較例の容器では、優れた酸素バリア性は2か月程度しか発揮されず、4か月にわたって優れた酸素バリア性が発揮されたものでは、酸素吸収バリア層の厚みを過度に厚くしなければならず、この結果、オレフィン樹脂の優れた特性が損なわれてしまい、落下強度などが大きく低下してしまう。
さらに、本発明の最も大きな利点は、内外層の間に酸素吸収バリア層を設けるという極めて少ない層数(接着層を含めて3種5層)、即ち、著しくシンプルな層構造により優れた酸素バリア性を長期間にわたって維持できることである。即ち、層数が少なく、極めてシンプルな層構造であるため、従来公知の成形装置をそのまま使用して本発明の多層構造容器を成形できるのであり、生産コストの増大を有効に回避でき、工業的メリットが極めて大きい。
本発明の多層構造プラスチック容器の層構造を示す概略断面図。
本発明の多層構造プラスチック容器の層構造を示す図1を参照して、この容器(全体として10で示す)は、オレフィン樹脂により形成された内外層1,3を有しており、内外層1,3の間には、接着層5,5を介して酸素吸収バリア層7が形成されている。
<内外層1,3>
本発明において、内外層1,3として使用されるオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)等のポリエチレンや、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)等を挙げることができる。
また、上記のような内外層形成用のオレフィン樹脂は、従来から包装材料の分野で使用されている押出グレード或いは射出グレードのものであってよい。
尚、内層1或いは外層3の内部には、この容器10を成形する際に生じるバリ等のスクラップ樹脂をバージンの内外層形成用オレフィン系樹脂と混合してリグラインド層が形成されていてもよい。この場合、成形性を維持しつつ、資源の再利用化を図るという観点から、スクラップ樹脂の量は、バージンの内外層形成用オレフィン樹脂100重量部当り10乃至60重量部程度の量とするのがよい。
更に内外層1,3中には、必要により、滑剤、改質剤、顔料、紫外線吸収剤等が配合されていてもよい。
上記のような内外層1,3の厚みは、特に制限されるものではなく、内外層1,3に用いるオレフィン樹脂の特性を活かした用途に応じて適宜設定されるが、一般には、各層の厚みの合計値である多層構造のトータル厚みが150〜800μm程度の範囲にあり、このようなトータル厚みの20〜60%程度が内層1及び外層3の合計厚みとなるように設定される。また、内外層1,3中に含まれるリグラインド層の厚みは、リグラインド層を含む内外層1,3の厚みが上記範囲内となることを条件として、一般に、60乃至640μm程度の厚みに設定される。
<接着層5>
接着層5は、内外層1,3を形成するオレフィン樹脂と酸素吸収バリア層7(特に該層中の酸素バリア性樹脂)との接着性が乏しいために設けられる層であり、これにより、デラミネーションなどの不都合を生じることなく酸素吸収バリア層7を設けることができ、酸素吸収バリア層7の酸素に対するバリア性を有効に発揮させることができるというものである。
このような接着層5は、それ自体公知の接着剤樹脂により形成され、例えば、カルボニル基(>C=O)を主鎖若しくは側鎖に1乃至100meq/100g樹脂、特に10乃至100meq/100g樹脂の量で含有する樹脂、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;などが接着性樹脂として使用される。このような接着層5の厚みは、適宜の接着力が得られる程度でよく、一般的には、それぞれ0.5乃至20μm、好適には1乃至8μm程度である。
<酸素吸収バリア層7>
本発明において、酸素吸収バリア層7は、酸素吸収剤が酸素バリア性樹脂に分散された酸素吸収バリア性樹脂組成物により形成される。
酸素吸収剤;
上記の酸素吸収剤は、通常、酸化性有機成分からなるものであり、必要に応じて遷移金属触媒成分が併用される。即ち、酸化性有機成分が酸素を吸収して酸化されることにより酸素を遮断する機能(酸素吸収能)を示し、遷移金属触媒成分は、酸化性有機成分の酸化を促進するために適宜配合されるものである。このような酸化性有機成分及び遷移金属成分としては、公知のものが使用される。
例えば、酸化性有機成分としては、酸化性エチレン系不飽和基含有重合体を挙げることができる。この重合体は、炭素−炭素二重結合を有しており、この二重結合部分が酸素により容易に酸化され、これにより酸素の吸収捕捉が行なわれることとなる。
このようなエチレン系不飽和基含有重合体は、例えば、ポリエンを単量体として誘導されるものであり、その単量体として使用されるポリエンの適当な例としては、これに限定されるものではないが、以下のものを例示することができる。
ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;
1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン;
2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のトリエン、クロロプレン;
即ち、上記ポリエンの単独重合体、或いは上記ポリエンを2種以上組み合わせ若しくは他の単量体と組み合わせてのランダム共重合体、ブロック共重合体等を酸化性重合体として用いることができる。
また、上記ポリエンと共重合させる他の単量体としては、例えば、炭素数が2乃至20のα−オレフィン、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセン等を例示することができ、また、これら以外にも、スチレン、ビニルトリエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルアクリレートなどを用いることもできる。
酸化性有機成分としては、上述したポリエンから誘導される重合体の中でも、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等が好適であるが、勿論、これらに限定されない。また、そのヨウ素価は、100以上、特に120〜196程度であるのがよい。
上述した酸化性重合体やその共重合体は、成形性の観点から、40℃での粘度が1乃至200Pa・sの範囲にあることが好適である。
更に上述したポリエンから誘導された重合体を酸触媒の存在下で環化反応して得られた酸化性重合体環化物を酸化性有機成分として用いることもできる。
環化反応に用いる酸触媒としては、従来公知のものが使用でき、例えば、硫酸、フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、これらの無水物又はアルキルエステル等の有機スルホン酸化合物等を用いることができる。
上述した酸化性重合体環化物としては、ポリブタジエン環化物、ポリイソプレン環化物、天然ゴム環化物等が好適であるが、勿論、これらに限定されない。
また、成形性の観点から、重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算で1万乃至50万の範囲であることが好適である。
また、適宜使用される遷移金属触媒は、先にも述べたように、酸化性有機成分の酸化を促進するために使用されるものであり、後述するペレット酸素吸収能が所定の範囲内となるような量(一般的には酸化性有機成分当り遷移金属換算で0〜10000ppmの量)で適宜使用され、遷移金属の低価数の無機塩、有機塩或いは錯塩の形で使用される。
かかる遷移金属触媒において、遷移金属としては、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族金属が好適であるが、他に銅、銀等の第I族金属、錫、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属、バナジウム等の第V族金属、クロム等の第VI族金属、マンガン等の第VII族金属等であってもよい。これらの中でも特にコバルトは、酸素吸収性(酸化性有機成分の酸化)を著しく促進させるため、特に好適である。
また、上記遷移金属の無機塩としては、塩化物などのハライド、硫酸塩等のイオウのオキシ塩、硝酸塩などの窒素のオキシ酸塩、リン酸塩などのリンオキシ塩、ケイ酸塩等が挙げられる。
遷移金属の有機塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩などが挙げられるが、本発明の目的にはカルボン酸塩が好適である。その具体例としては、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ギ酸、シュウ酸、スルファミン酸、ナフテン酸等の遷移金属塩を挙げることができる。
遷移金属の錯体としては、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとの錯体が挙げられる。β−ジケトンやβ−ケト酸エステルとしては、以下のものを例示することができる。
アセチルアセトン、
アセト酢酸エチル、
1,3−シクロヘキサジオン、
メチレンビス−1,3−シクロヘキサジオン、
2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、
アセチルテトラロン、
パルミトイルテトラロン、
ステアロイルテトラロン、
ベンゾイルテトラロン、
2−アセチルシクロヘキサノン、
2−ベンゾイルシクロヘキサノン、
2−アセチル−1,3−シクロヘキサジオン、
ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、
ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、
ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、
ベンゾイルアセトン、
トリベンゾイルメタン、
ジアセチルベンゾイルメタン、
ステアロイルベンゾイルメタン、
パルミトイルベンゾイルメタン、
ラウロイルベンゾイルメタン、
ジベンゾイルメタン、
ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、
ベンゾイルアセチルフェニルメタン、
ステアロイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、
ブタノイルアセトン、
ジステアロイルメタン、
ステアロイルアセトン、
ビス(シクロヘキサノイル)メタン、
ジピバロイルメタンなど。
酸素バリア性樹脂;
酸素バリア性樹脂は、酸素吸収バリア層7のマトリックスとなるものであり、この酸素バリア性樹脂中に上述した酸素吸収剤が分散される。即ち、この酸素バリア性樹脂は、これ自体で酸素の通過を物理的に遮断するとともに、酸素吸収剤と酸素との接触を可及的に少なくし、酸素との反応による酸素吸収剤の消耗を抑制し、酸素吸収剤の寿命を長くするために使用される。
このような酸素バリア性樹脂としては、例えば23℃−0%RHにおける酸素透過係数が10(20μm;cc/m・day・atm)以下の樹脂、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアミドが代表的である。
上記のエチレン−ビニルアルコール共重合体としては、具体的には、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96%以上、特に99%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が好適に使用される。このエチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物)は、フィルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般に、フェノール/水の重量比が85/15の混合溶媒中、30℃で測定して0.01dl/g以上、特に0.05dl/g以上の固有粘度を有している。
また、ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6/6・6共重合体、メタキシリレンジアジパミド(MXD6)、ナイロン6・10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13等のポリアミドを挙げることができる。これらのポリアミドの中でも、炭素数100個当りのアミド基の数が5乃至50個、特に6乃至20個の範囲にあるものが、高い酸素バリア性を有しているという点で好適である。これらのポリアミドもフィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、例えば、濃硫酸(濃度1.0g/dl)中、30℃で測定した相対粘度が1.1以上、特に1.5以上であることが望ましい。
本発明においては、特にエチレン−ビニルアルコール共重合体が酸素バリア性樹脂として最も好適に使用される。
酸素吸収バリア性樹脂組成物;
酸素吸収バリア層7は、上述した酸素吸収剤と酸素バリア性樹脂とを含む酸素吸収バリア性樹脂組成物により形成されるものであるが、この樹脂組成物は、ペレット酸素吸収能が0.05〜1.2cc/g・day、好ましくは0.1〜0.8cc/g・dayの範囲内であることが必要である。このペレット酸素吸収能は、該樹脂組成物のペレットを所定の容積の容器内に1日(24時間)保管したときの容器内酸素量の変化から算出することができる(詳細な条件は実施例参照)。
このようなペレット酸素吸収能は、酸素吸収剤として用いる酸化性有機成分の種類に応じて、遷移金属成分の量や酸素バリア性樹脂の量を調整することにより、上記範囲内に設定される。例えば、遷移金属成分の使用量を増大させるにしたがい、ペレット酸素吸収能は大きくなり、その使用量が少なくなるにしたがい、ペレット酸素吸収能は小さな値となる。また、酸素バリア性樹脂の量が多くなるほどペレット酸素吸収能は小さくなり、その使用量が少なくなるにしたがい、ペレット酸素吸収能は大きな値となる。従って、酸化性有機成分の種類に応じて、遷移金属成分の量や酸素バリア性樹脂の量を調整することにより、ペレット酸素吸収能を上記範囲内に設定することが可能となる。
本発明においては、ペレット酸素吸収能が上記範囲内にある樹脂組成物により酸素吸収バリア層7が形成されていることにより、内外層1,3を形成するオレフィン樹脂による容器特性を損なうことなく、優れた酸素バリア性を長期にわたって(例えば4か月以上)維持することが可能となる。
例えば、ペレット酸素吸収能が上記範囲よりも小さい樹脂組成物を用いて酸素吸収バリア層7を形成した場合には、当然、優れた酸素バリア性を発現させることができない。また、注目すべきは、ペレット酸素吸収能が上記範囲よりも大きな樹脂組成物を用いた場合には、優れた酸素バリア性を発現させることができたとしても、これを長期間にわたって維持させることができなくなってしまうという点にある。即ち、形成される酸素吸収バリア層7の酸素吸収能が大きすぎるため、短期間で酸素吸収剤の酸素吸収能が消耗してしまい、例えば4か月以上にわたって優れた酸素バリア性を維持させることができなくなってしまうわけである。勿論、形成される酸素吸収バリア層7の厚みをかなり厚くすれば、長期の酸素バリア性を確保することは可能となるが、この場合には、酸素吸収バリア層7の厚みが必要以上に厚くなってしまうため、内外層1,3を形成するオレフィン樹脂の柔軟性や可撓性などに由来する容器特性、例えば落下強度などが損なわれてしまうこととなる。従来公知の技術では、酸素吸収能を大きくすることについて多くの検討がなされており、本発明のように、酸素吸収能をある程度制限するような検討はなされていなかったといってよい。
また、本発明においては、上述した酸素吸収バリア性樹脂組成物により形成される酸素吸収バリア層7の厚みtが、15〜40μm、特に20〜30μmの範囲内にあることも重要である。即ち、本発明では、酸素吸収バリア性樹脂組成物のペレット酸素吸収能が制限されているため、上記範囲よりも厚みtが薄いと、優れた酸素バリア性を発揮できないか、仮に発揮できたとしても、酸素吸収バリア層7中の酸素吸収剤の酸素吸収能が短期間で消耗してしまい、例えば4か月以上もの長期にわたって優れた酸素バリア性を確保することができなくなってしまう。また、厚みtが上記範囲よりも厚いときには、先にも述べたが、内外層1,3を形成するオレフィン樹脂による落下強度等の容器特性が損なわれてしまう。
本発明においては、さらに、酸素吸収バリア層7の位置が容器壁の厚み方向中心よりも外面側にシフトしているものとし、且つ酸素吸収バリア層7の外面と外層3の表面との間隔dが、10〜150μm、特に15〜100μmの範囲とする。即ち、上記間隔dが上記範囲よりも小さいと、オレフィン樹脂より形成される外層3の強度等が損なわれてしまい、外圧により外層3の破損などを生じ易くなってしまい、また間隔dが上記範囲よりも大きいと、上述した厚みtで形成されている酸素吸収バリア層7の位置が容器内面に近くなるため、酸素吸収バリア層7内の酸素吸収剤(酸化性有機成分)と酸素との反応により発生する低分子化合物(例えばアルデヒド)によって、容器内容物のフレーバーが低下するおそれがある。
上述した層構造を有する本発明の多層構造容器は、上述した層構造に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、内外層1,3の内部には、前記したようにリグラインド層を設けることができるし、また、内層1には、リグラインド層も含めて、臭気捕捉剤を配合しておくことが好適である。このような臭気捕捉剤としては、ケイ酸塩を主成分とする多孔性無機物、例えばゼオライトや、モンモリロナイト等のスメクタイト粘土鉱物を酸処理して得られる活性白土の粉末が好適であり、特にNa−ZSM5型結晶であるハイシリカゼオライト(シリカ/アルミナ比が100以上)が所謂プラスチック特有のポリ臭や酸化副生成物捕捉性能に優れる。このような臭気捕捉剤は、一般に、内層中に0.5乃至10重量%の量で配合される。
また、場合によっては、上述した酸素吸収バリア層7の内層側にも、これとは別個の酸素吸収バリア層や酸素吸収剤が配合されていない酸素バリア性樹脂層を設けることも可能であるが、本発明においても、図1に示されているようなシンプルな層構造、即ち、
外層3/接着層5/酸素吸収バリア層7/接着層5/内層1
の3種5層構造とすることが最も好適である。
即ち、本発明では、上記のようなシンプルな層構造であっても、オレフィン樹脂による容器特性を損なうことなく、優れた酸素バリア性を長期間にわたって維持することができ、例えば、レトルト殺菌処理のような過酷な高温での熱処理が行われた場合にも、酸素吸収剤(酸化性有機成分)の消耗を有効に抑制でき、長期間にわたって優れた酸素バリア性を示す。しかも、このようなシンプルな層構造では、その製造も容易であり、製造コストの増大も回避でき、工業的に極めて有利となる。
尚、上述した本発明の多層容器10は、フィルム乃至シートを貼り合せた袋状の形態を有していてもよいし、ボトルやカップ状の形状を有していてもよく、それ自体公知の方法により製造される。例えば、層の数に応じた数の押出機や射出機を用いて、共押出、共射出などによりフィルム乃至シートを成形し、これを貼り合せて袋状の容器(パウチ)とすることができるし、或いはフィルムやシートではなく容器用プリフォームの形状に成形し、プリフォームの形態に応じて、二次成形、例えばブロー成形、プラグアシスト成形を行い、ボトル或いはカップ状容器に成形される。
このような本発明の多層構造容器10は、ポリオレフィン系樹脂が有する優れた柔軟性や耐湿性などに加え、優れた酸素バリア性が長期間にわたって維持されるため、このような特性を利用して、ビール、ワイン、フルーツジュース、炭酸ソフトドリンク等の飲料や、果物、ナッツ、野菜、肉製品、幼児食品、コーヒー、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、佃煮類、乳製品、その他医薬品、化粧品、ガソリン等、酸素の存在で劣化を生じる種々の内容物を充填するための容器として好適に使用される。
また、本発明の多層構造容器10は透明性にも優れているため、透明性の要求される包装用途にも好適に使用できる。
本発明を次の実験例によりさらに説明するが、本発明はこれらの実験例に規制されるものではない。
尚、以下の実験例で行った各種の測定は、以下の方法により行った。
(ペレット酸素吸収能)
実施例、比較例に用いたバリア層用樹脂ペレットを液体窒素中に入れ凍結粉砕した後、容量80mlのハイレトカップに0.5gを入れ、さらに水2.0mlを入れ、このカップの開口部をアルミ箔で熱密封した後、30℃×1日間(24時間)保管した。
次いで、ハイレトカップ内(RHは100%)のヘッドスペースをガスクロマトグラフィ(GC)で酸素濃度を測定し、ペレット1g、1日あたりの酸素吸収量を算出し、ペレット酸素吸収能とした。
(酸素バリア性)
実施例、比較例で得られたボトルに窒素ガスを充填しキャップで密封したのち、未処理(熱処理なし)ボトルを30℃、80%RH雰囲気に保管した。充填直後の容器内酸素濃度(%)と、2ヶ月保管後及び4か月保管後の容器内酸素濃度(%)を測定し、各水準とも5本のボトルを測定し、その平均を求め、ボトル当たりの容器内酸素濃度の増加量(%)を下記式により算出した。
容器内酸素濃度増加量(%)=B−A
Aは、窒素ガス充填直後の容器内酸素濃度(%)であり、
Bは、2ヶ月保管後或いは4か月保管後の容器内酸素濃度(%)である。
上記で算出される容器内酸素濃度の増加量(%)に基づいて、以下の基準で酸素バリア性を評価した。
◎:増加量が0.2%未満である。
○:増加量が0.2%以上0.5%未満である。
△:増加量が0.5%以上1.0%未満である。
×:増加量が1.0%以上である。
(落下強度)
得られたボトルに180gの水を充填し、5℃の環境下で24時間保存し、5℃の温度で高さ100cmから縦落下後横落下の順で交互に5回落下させた。n数は各10本とした。次のように評点にした。○、△を許容範囲内とした。
〇:破損なし
△:破損が1本である
×:破損が2本以上である
(フレーバー性)
得られたボトルに80℃に熱した和光純薬工業製HPLC用蒸留水を180ml充填し、キャップで密栓し、30℃−80%RHにて1週間保管したのち、サンプルを室温に調温し、内容液の味覚(フレーバー)を次の評点で官能評価した。パネラーは6名とした。
(1点=無味、2点=わずかに味がする、3点=味がする、4点=かなり味がする)
◎:平均評点が2.0未満である。
○:平均評点が2.0以上2.5未満である
△:平均評点が2.5以上3.0未満である
×:平均評点が3.0以上である
以下の実施例及び比較例において、内外層及び接着層の形成には、以下の樹脂を用いた。
(内外層形成用オレフィン樹脂)
ランダム共重合ポリプロピレン
(接着樹脂)
酸変性ポリプロピレン
酸素バリア性樹脂、酸素吸収剤及びCo触媒としては以下のものを用意した。
(酸素バリア性樹脂)
エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOHと略す)
エチレン含量:32mol%
酸素透過係数:0.3(20μm;cc/m・day・atm)
メタキシリレンジアジパミド(MXD6と略す)
酸素透過係数:3.0(20μm;cc/m・day・atm)
(酸素吸収剤A:酸化性有機成分A)
ポリイソプレン環化物
(酸素吸収剤B:酸化性有機成分B)
ポリブタジエン
(Co触媒:遷移金属触媒)
ステアリン酸コバルト
<実施例1>
上記の酸素バリア性樹脂(EVOH)と酸素吸収剤A(酸化性有機成分A)を溶融混合して、酸素吸収剤濃度が30重量%(wt%)の酸素吸収バリア性樹脂組成物のペレットを調製した。この樹脂組成物のペレット酸素吸収能を測定したところ、0.3cc/g・dayであった。
上記の酸素吸収バリア性樹脂組成物のペレットと、前述した内外層形成用オレフィン樹脂及び接着樹脂を用いての押出し成形により、容器用のプリフォーム(パリソン)を成形し、ダイレクトブロー成形により、容量が200mlの多層構造ボトルを成形した。
このボトル胴部の層構造及び胴壁各層の厚みは以下のとおりである。
外層(45μm)/接着層(5μm)/酸素吸収バリア層(25μm)/接着層(5μm)/内層(420μm)
この容器について、酸素バリア性、落下強度及びフレーバー性の評価を行い、酸素吸収バリア層仕様、d寸法(酸素吸収バリア層外面と外層表面との間隔)と共に、その結果を表1に示した。
<実施例2>
酸素バリア性樹脂(EVOH)と酸素吸収剤Aとコバルト触媒(Co触媒)を溶融混合して、酸素吸収剤濃度30重量%でコバルト触媒250ppmの酸素吸収バリア性樹脂組成物ペレットを調製した以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例3>
酸素バリア性樹脂(EVOH)と酸素吸収剤Aとコバルト触媒を溶融混合して、酸素吸収剤濃度30重量%でコバルト触媒150ppmの酸素吸収バリア性樹脂組成物ペレットを調製した以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例4>
酸素バリア性樹脂(EVOH)と酸素吸収剤Aを溶融混合して、酸素吸収剤濃度10重量%の酸素吸収バリア性樹脂組成物ペレットを調製した以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例5>
酸素バリア性樹脂(EVOH)と酸素吸収剤Aを溶融混合して、酸素吸収剤濃度5重量%の酸素吸収バリア性樹脂組成物ペレットを調製した以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例6>
ボトル胴壁各層の厚みを次のようにした以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
外層(45μm)/接着層(5μm)/酸素吸収バリア層(40μm)/接着層(5μm)/内層(405μm)
<実施例7>
ボトル胴壁各層の厚みを次のようにした以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
外層(45μm)/接着層(5μm)/酸素吸収バリア層(30μm)/接着層(5μm)/内層(415μm)
<実施例8>
ボトル胴壁各層の厚みを次のようにした以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
外層(45μm)/接着層(5μm)/酸素吸収バリア層(20μm)/接着層(5μm)/内層(425μm)
<実施例9>
ボトル胴壁各層の厚みを次のようにした以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
外層(45μm)/接着層(5μm)/酸素吸収バリア層(15μm)/接着層(5μm)/内層(430μm)
<実施例10>
ボトル胴壁各層の厚みを次のようにした以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
外層(145μm)/接着層(5μm)/酸素吸収バリア層(25μm)/接着層(5μm)/内層(320μm)
<実施例11>
ボトル胴壁各層の厚みを次のようにした以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
外層(95μm)/接着層(5μm)/酸素吸収バリア層(25μm)/接着層(5μm)/内層(370μm)
<実施例12>
ボトル胴壁各層の厚みを次のようにした以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
外層(10μm)/接着層(5μm)/酸素吸収バリア層(25μm)/接着層(5μm)/内層(455μm)
<実施例13>
ボトル胴壁各層の厚みを次のようにした以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
外層(5μm)/接着層(5μm)/酸素吸収バリア層(25μm)/接着層(5μm)/内層(460μm)
<実施例14>
酸素バリア性樹脂をMXD6にした以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例15>
酸素バリア性樹脂(EVOH)と酸素吸収剤Bとコバルト触媒を溶融混合して、酸素吸収剤濃度5重量%でコバルト触媒250ppmの酸素吸収バリア性樹脂組成物ペレットを調製した以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例16>
酸素バリア性樹脂(EVOH)と酸素吸収剤Bとコバルト触媒を溶融混合して、酸素吸収剤濃度10重量%でコバルト触媒250ppmの酸素吸収バリア性樹脂組成物ペレットを調製した以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
<実施例17>
酸素バリア性樹脂(EVOH)と酸素吸収剤Bとコバルト触媒を溶融混合して、酸素吸収剤濃度5重量%でコバルト触媒100ppmの酸素吸収バリア性樹脂組成物ペレットを調製した以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
<比較例1>
酸素バリア性樹脂(EVOH)と酸素吸収剤Aを溶融混合して、酸素吸収剤濃度3重量%の酸素吸収バリア性樹脂組成物ペレットを調製した以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
<比較例2>
酸素バリア性樹脂(EVOH)と酸素吸収剤Aとコバルト触媒を溶融混合して、酸素吸収剤濃度30重量%でコバルト触媒300ppmの酸素吸収バリア性樹脂組成物ペレットを調製した以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
<比較例3>
ボトル胴壁各層の厚みを次のようにした以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
外層(45μm)/接着層(5μm)/酸素吸収バリア層(10μm)/接着層(5μm)/内層(435μm)
<比較例4>
ボトル胴壁各層の厚みを次のようにした以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
外層(45μm)/接着層(5μm)/酸素吸収バリア層(45μm)/接着層(5μm)/内層(400μm)
<比較例5>
酸素吸収剤を使用しない以外は実施例1と同様にして多層構造ボトルを成形し、評価を行った。評価結果を表1に示した。
Figure 0006205963
1:内層
3:外層
5:接着層
7:酸素吸収バリア層
10:多層構造容器

Claims (1)

  1. オレフィン樹脂製の内外層と、接着層を介して該内外層の間に設けられた酸素吸収バリア層とからなる多層構造を有するプラスチック容器において、
    前記酸素吸収バリア層は、酸素吸収剤が酸素バリア性樹脂に分散された酸素吸収バリア性樹脂組成物から形成され、且つ、15〜40μmの厚みを有しており、
    前記酸素吸収バリア性樹脂組成物は、0.05〜1.2cc/g・dayのペレット酸素吸収能を有していると共に、
    前記酸素吸収バリア層が、容器壁の厚み方向中心よりも外面側にシフトしていることを条件として、前記酸素吸収バリア層の外面と外層表面との間隔が、10〜150μmの範囲にあり、且つ前記酸素吸収バリア層を含む多層構造のトータル厚みが150〜800μmの範囲にあることを特徴とする多層構造プラスチック容器。
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