JP6194749B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光触媒層が形成された便器ボウル面の撥水化を抑制し、光触媒層の機能を低下させることのない、衛生洗浄装置に関する。より詳しくは、この便器ボウル面に、衛生洗浄装置を構成する部品に由来する撥水化成分が付着するのを抑制または防止することにより、光触媒層の機能を良好に維持可能な、衛生洗浄装置に関する。
便器の清潔状態を維持するために、便器ボウル面に光触媒層を形成した便器が提案されている。例えば、特開2006−316607号公報(特許文献1)には、洋風便器本体の便鉢の鉢面に、光触媒を含む防汚層が設けられ、この防汚層に紫外線を照射する防汚装置が提案されている。鉢面に付着した臭気成分や汚れ成分を光触媒が分解し、防汚効果を長期に亘って発揮する。また、光励起により光触媒が親水化し、この親水性により汚れが付着し難くなり、清潔な状態を維持出来る。
また、吐水口から洗浄水を噴射して使用者の身体を洗浄する洗浄ノズルを備えてなる衛生洗浄装置付きの便器が広く知られている。この衛生洗浄装置内の通水配管のうち、洗浄ノズルに給水する配管には、洗浄ノズルが使用に応じて進出運動するため可撓性が求められる。従って、従来、この配管には可撓性に優れたシリコーンチューブが使用されている。また、この衛生洗浄装置は通常便器の後部上部に設置されるため、その限られたスペース内で通水配管を無理なく配置する必要がある。この意味からも可撓性に優れたシリコーンチューブが好んで用いられている。
特開2006−316607号公報
本発明者らが、使用者の身体を洗浄する洗浄ノズルを備えてなる衛生洗浄装置と、ボウル面に光触媒層が形成された便器とを組み合わせて使用し、便器ボウル面を詳細に観察したところ、便器ボウル面が時間の経過とともに撥水化する現象が観察された。設置直後、または酸等による洗浄直後は光触媒層の作用により親水化しているボウル面であるが、定期的にボウル面に紫外線を照射しているにも係らず、時間の経過と共に光触媒層の作用が十分に発現せずに、その表面がむしろ撥水化してしまう現象である。このような撥水化が生じると、親水性による防汚効果が期待できなくなり、さらに光触媒による分解作用も低下してしまう。
本発明者らは、今般、この撥水化がシリコーン、特に低分子シリコーンに起因するものであり、かつその出所が主に吐水口から洗浄水を噴射して使用者の身体を洗浄する洗浄ノズルを備えてなる衛生洗浄装置内の通水配管であるとの知見を得た。そして、この通水配管を構成する材料としてシリコーンを溶出しない材料を選択することで上記のような撥水化が有効に防止できるとの知見を得た。本発明は以上の知見に基づくものである。
従って、本発明は、光触媒層が形成された便器ボウル面の撥水化を抑制し、光触媒層の機能を良好に維持可能な、衛生洗浄装置の提供をその目的としている。
そして、本発明による衛生洗浄装置は、ボウル面に光触媒層が形成された便器に設置されて用いられる、吐水口から洗浄水を噴射して使用者の身体を洗浄する洗浄ノズルを備えてなる衛生洗浄装置であって、その内部に設けられた通水配管が、シリコーンを溶出しない材料で構成されてなることを特徴とするものである。
本発明の一つの態様によれば、本発明による衛生洗浄装置は、前記洗浄ノズルの吐水口から洗浄水が噴射された後、光触媒層が形成された便器ボウル面に水滴として付着した前記洗浄水が乾燥する前に、前記便器ボウル面を洗浄する便器洗浄手段をさらに有してなる。
本発明の別の態様によれば、前記衛生洗浄装置は、水道水から殺菌水を生成する殺菌水生成ユニットと、前記殺菌水が通る通水配管と、便器洗浄後に便器ボウル面に前記殺菌水を噴霧する噴霧ノズルとをさらに備えてなり、前記噴霧ノズルが、前記便器洗浄手段動作後、便器ボウル面に残った水が乾燥する前に、前記殺菌水を噴霧するものである。
本発明による衛生洗浄装置の構成図および通水配管図である。 酸性水またはアルミニウムイオン含有酸性水を生成するユニットをさらに備えてなる、本発明による衛生洗浄装置の構成図および通水配管図である。 便器の使用者がトイレに入室してから退室後所定の時間までの、本発明による衛生洗浄装置およびこれが設置されて用いられる便器における動作仕様を示す概略図である。
定義
本発明による衛生洗浄装置の内部に設けられた各部品および通水配管を通る液体を以下のとおり定義する。すなわち、本明細書において、「水道水」とは、通常に供給される水道水(上水)を意味するものとする。また、「殺菌水」とは、本発明による衛生洗浄装置が具備してなる電解槽で、塩化物イオンを含む水道水から電解によって生成される次亜塩素酸を含んでなる水溶液を意味する。また、「洗浄水」とは、本発明による衛生洗浄装置が具備してなる、洗浄ノズルの吐水口から噴射されて使用者の身体を洗浄する水道水を意味するものとする。また、「酸性水」とは、本発明による衛生洗浄装置が具備してなる電解槽で電解によって生成される水溶液であって、好ましくは所望のpHに調整されてなる酸性の水溶液を意味するものとする。さらに、この酸性水に、場合により、本発明による衛生洗浄装置が具備してなる金属イオン添加槽で金属イオンを添加した水溶液も「酸性水」に包含されるものとする。また、「アルカリ水」とは、上記酸性水とともに生成され、排水として処理される水溶液を意味するものとする。また、本発明による衛生洗浄装置の通水配管を通る、上記した水道水、殺菌水、洗浄水、酸性水、およびアルカリ水を総称して「通水液」とよぶものとする。なお、「便器洗浄水」とは、通常に供給される水道水(上水または中水)を意味するものとする。
衛生洗浄装置
本発明による衛生洗浄装置は、ボウル面に光触媒層が形成された便器に設置されて用いられる、吐水口から洗浄水を噴射して使用者の身体を洗浄する洗浄ノズルを備えてなる衛生洗浄装置であって、その内部に設けられた通水配管が、シリコーンを溶出しない材料で構成されてなるものである。上記のとおり、この通水配管は従来シリコーンチューブにより構成されていた。設置直後、または酸等による洗浄直後は光触媒層の作用により親水化しているボウル面が、定期的にボウル面に紫外線を照射しているにも係らず、時間の経過と共に光触媒層の作用を十分に発現せずに、その表面がむしろ撥水化してしまう主な原因は、この衛生洗浄装置内部に設けられた通水配管から溶出し、この通水配管を通る通水液に含まれるシリコーン、特に低分子シリコーンであった。このシリコーンが便器ボウル面に形成された光触媒層の作用を阻害し、ボウル面表面を撥水化させていた。本発明による衛生洗浄装置によれば、便器ボウル面を撥水化させてしまう原因であるシリコーンが、通水配管から通水液に溶出しない材料により構成される。これにより光触媒層の表面が撥水化することを抑止することができる。その結果、長期に亘り、光触媒の機能を維持可能な衛生洗浄装置が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、便器ボウル面の撥水化を抑制可能な、便器ボウル面に接触する通水液に含まれるシリコーンの量は725ppb以下である。シリコーンの量がこの値を下回る限りにおいて、長期間にわたり撥水化が抑制された。よって、本発明において、「シリコーンを溶出しない材料」とは、シリコーンを含んでいない材料を意味し、さらにその材料がシリコーンを含んでいる場合であっても、その溶出が、便器ボウル面に対して1回に接触する通水液に含まれるシリコーン量として725ppb以下となるものである限りにおいて、「シリコーンを溶出しない材料」に包含される。
本発明において、シリコーンを溶出しない材料としては、シリコーンが溶出せず、好ましくは可撓性を有し、摺動抵抗が低く、削れにくいものが挙げられる。具体例としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、合成ゴム等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、ナイロン、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、ポリブテン、架橋ポリエチレン、熱可塑性エラストマ(例えば、ポリプロピレン(PP)と、無架橋エチレンプロピレンゴム、部分または完全架橋エチレンプロピレンジエンゴムとからなるオレフィン系エラストマ(TPO)、またはリアクター型TPOなどのオレフィン系エラストマ、ポリスチレン(PS)と、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレンとからなるスチレン系エラストマ)等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂の具体例としてはウレタン樹脂が挙げられる。また、合成ゴムの具体例としては、ポリメチレン型の飽和主鎖を有するもの(例えば、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム))、主鎖に不飽和炭素結合を有するもの(例えば、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム))、その他のもの(例えば、フッ素ゴム)等が挙げられる。
本発明の別の好ましい態様によれば、本発明による衛生洗浄装置は、水道水から殺菌水を生成する殺菌水生成ユニットと、殺菌水が通る通水配管と、便器洗浄後に便器ボウル面に殺菌水を噴霧する噴霧ノズルとを少なくともさらに備えてなる。この噴霧ノズルは、便器を使用した後、便器を洗浄し、便器洗浄水が乾燥する前に、便器ボウル面に殺菌水を噴霧するものであり、また、便器を使用する前に、便器ボウル面に水道水または殺菌水を噴霧するものである。
図1は、本発明による衛生洗浄装置の構成図および通水配管図である。図1において、水道水は通水配管11からバルブを介して熱交換器に至る。この熱交換器において、水道水は加温され、加温された水道水は流路12を介して、電解槽に至る。
この電解槽では、一つの態様として、塩素を含む水道水を電気分解して次亜塩素酸を含む殺菌水を生成する。つまり、電解槽が、殺菌水生成ユニットになる。電解槽で生成された殺菌水は、好ましくはバルブ機能付きストレーナを通して固形分を除き、電磁ポンプに導かれる。電磁ポンプにより加圧された殺菌水は、流量調整器でその圧力が調整されて、ノズル自体の洗浄用のための洗浄水として通水配管15を介してノズルに供給される。また、この殺菌水は、おしり洗浄のための洗浄水として通水配管13を介し、またビデ用洗浄水として通水配管14を介して、ノズルに供給されてもよい。
さらに、上記殺菌水は、後述するように、便器を使用した後、便器を洗浄し、便器洗浄水が乾燥する前に噴霧し、あるいは便器を長期間(例えば8時間以上)使用しないときに噴霧し、便器ボウル面を除菌し、清潔状態を維持するための通水液として、通水配管16を介して噴霧ノズルに至ることもできる。
別の態様として、電解槽に至った水道水は、電解槽で通電を行わず、そのままストレーナを通り電磁ポンプに導かれる。電磁ポンプにより加圧された水道水は、流量調整器で圧力が調整されて、おしり洗浄のための洗浄水として通水配管13を介し、またビデ用洗浄水として通水配管14を介して、ノズルに供給される。また、この水道水は、ノズル自体の洗浄用のための洗浄水として通水配管15を介してノズルに供給されてもよい。
さらに別の態様として、上記水道水は、後述するように、便器使用前に便器ボウル面に噴霧し、便器ボウル面を濡らして汚れが付着しにくくするための通水液として、通水配管16を介して噴霧ノズルに至ることもできる。
本発明にあっては、上記通水配管11〜16の全てをシリコーンを溶出しない材料により構成する。さらに、バルブ、熱交換器、電解槽、ストレーナ、電磁ポンプ、流量調整器内の通水配管(図示せず)、およびこれらをつなぐ水道水、洗浄水、殺菌水が通る通水配管も、シリコーンを溶出しない材料により構成する。
また、本発明の好ましい態様によれば、電解槽に至る前の水道水が通る通水配管、電解槽で生成された殺菌水が通る通水配管、通電を行わない電解槽を通過した水道水が通る通水配管を、熱可塑性エラストマから構成することが好ましい。この態様によれば、一般的にABS樹脂で作成される洗浄ノズルに、配管成分が溶出したとしてもその影響が少なく、洗浄ノズルの強度が低下する等の問題も生じないことから好ましい。熱可塑性エラストマの具体例としては、オレフィン系熱可塑性エラストマ、スチレン系熱可塑性エラストマ等が挙げられる。
本発明による衛生洗浄装置が設置されて用いられる便器の表面には、光触媒層(光触媒を含んでなる層)が設けられている。この光触媒層は、光励起によって分解作用および/または親水化作用を有するものとなる。このような作用を有する光触媒は公知であり、また便器の表面に光触媒層を形成する方法も公知である。従って、光触媒層は、これら公知の光触媒および方法に従って設けることができる層を意味し、また今後当業者に光触媒層として理解される層をも意味する。さらに、光触媒に加えてその活性を改善あるいは改良するために他の成分が添加された層も、本発明において光触媒層という。光触媒層を形成する公知の方法としては、特開平9−78665号公報、WO96/29375号公報に記載の方法などが挙げられる。
洗浄水乾燥前の便器洗浄
本発明の一つの態様によれば、本発明による衛生洗浄装置は、洗浄水が洗浄ノズルの吐水口から噴射された後、光触媒層が形成されてなる便器ボウル面に水滴として付着した洗浄水が乾燥する前に、便器ボウル面を洗浄する便器洗浄手段をさらに有してなることが好ましい。この便器ボウル面の洗浄は、汚物を流す洗浄操作として行われてもよく、それとは別に、汚物を流すには十分ではないが、便器ボウル面を均一に濡らすに十分な量の水を供給することにより行われてもよい。また、より好ましくは、使用者の身体を洗浄する洗浄ノズルから洗浄水が噴射された後、直ちに、便器ボウル面の洗浄が行われることが好ましい。
水道水にも僅かながらシリコーンが含まれている。また、衛生洗浄装置を構成する部材以外にも便器ボウル面に接触する水にシリコーンを溶出させる部材が存在する場合がある。通水液に含まれる、このような僅かな量のシリコーンではあるが、これがボウル面に水滴として付着して残り乾燥すると、その部分が撥水化してしまうおそれがある。このような水滴を本態様の便器洗浄手段により洗い流すことが出来る。そして、便器ボウル面全体に形成される水膜には、その後、便器ボウル面の上部外側より徐々に下方に落ちて、最終的には封水に取り込まれる、水引きと呼ばれる現象が生じる。これにより洗浄液に含まれていたシリコーンは、便器ボウル面上に残らず、封水中に移動させることができる。その結果、洗浄水に含まれるシリコーンに起因する光触媒層の撥水化を抑制することができる。従って、ここで便器洗浄手段により便器ボウル面を洗浄する水は通常の水道水であってよい。
便器洗浄後、便器洗浄水乾燥前の殺菌水噴霧
本発明の別の好ましい態様によれば、本発明による衛生洗浄装置は、水道水から殺菌水を生成する殺菌水生成ユニットと、殺菌水が通る通水配管と、便器洗浄後に便器ボウル面に殺菌水を噴霧する噴霧ノズルとをさらに備えてなり、噴霧ノズルが、便器洗浄後、便器洗浄水が乾燥する前に、殺菌水を噴霧するものとされる。この構成が付加された本発明による衛生洗浄装置は、図1を用いて説明したとおりである。
水垢除去のための酸性水噴霧
本発明のさらに別の好ましい態様によれば、本発明による衛生洗浄装置は、酸性水またはアルミニウムイオン含有酸性水を生成するユニットをさらに備えてなり、好ましくは、噴霧ノズルが、便器洗浄後、便器洗浄水が乾燥する前に、酸性水またはアルミニウムイオン含有酸性水を噴霧するものとされる。この構成が付加された本発明による衛生洗浄装置を、図2を用いて説明する。
図2は、本発明のさらに別の態様の衛生洗浄装置を表わしたものであり、図1に示した衛生洗浄装置が、酸性水を生成するための電解槽と、好ましくは生成した酸性水に金属イオン(たとえば、アルミニウムイオン)を添加するための金属イオン添加槽(たとえば、アルミ槽)とをさらに備えた衛生洗浄装置である。図1と同一の名称を付した各構成については両者は同一のものであり、図1と共通する通水配管についてはその符号を省略した。本態様での噴霧ノズルからの酸性水またはアルミニウムイオン含有酸性水噴霧について説明する。水道水は通水配管11からバルブを介して熱交換器に至る。この熱交換器において、水道水は加温され、加温された水道水は通水配管12を介して、電解槽に至る。この電解槽には通電が行われず、水道水は、そのままストレーナを通り電磁ポンプに導かれる。電磁ポンプにより加圧された水道水は、流量調整器で圧力が調整されて、通水配管21を介して第二の電解槽に至る。この第二の電解槽によって、たとえば塩素を含む水道水を電気分解して次亜塩素酸を含む殺菌水を生成し、好ましくは所望のpHに調整して、酸性水を生成することができる。これにより、例えばより殺菌力のある殺菌水が得られる。所望のpHに調整された酸性水は流路22を介して流路切替ユニットに至り、次いで流路24を介してアルミ槽に至る。アルミ槽では、前記所望のpHに調整された酸性水にアルミニウムイオンが添加される。これにより、ケイ酸重合を抑制し、水垢を容易に除去可能なものとする(特願2012−029015号参照)。アルミニウムイオン含有酸性水は、流路25を介して噴霧ノズルに至り、たとえば便器洗浄後、便器洗浄水が乾燥する前に、噴霧される。なお、電解槽で所望のpHに調整された酸性水とともに生成されたアルカリ水は流路23を介して流路切替ユニットに至り、排水として処理される。
この態様による本発明による衛生洗浄装置にあっては、上記した便器洗浄手段動作後に、便器ボウル面に残った水が乾燥する前に、殺菌水を噴霧する。噴霧された殺菌水のミストは、それが噴霧される前に行われる便器洗浄により便器ボウル面全体に形成された水膜に対して濡れ広がる。これにより殺菌水は便器ボウル面全体に行き渡ることができ、殺菌水はその効果を、少ない流量で発揮することができるため好ましい。この態様においても、水引きの現象が生じるため、水道水に由来し、殺菌水に含まれる可能性あるシリコーンに起因した光触媒層の撥水化を抑制することができる。本態様によれば、殺菌水の噴霧は便器ボウル面の便器洗浄水の水引きが始まる前に好ましくは開始されるが、その具体的な開始時間は、便器の形状、便器表面の材質、並びに便器洗浄水の流れ方および量などに応じて適宜決定されてよい。例えば、便器洗浄後2分30秒以内に噴霧を開始することが好ましい。
また、この態様にあっては、第二の電解槽で生成された酸性水もしくはアルミニウムイオン含有酸性水又はアルカリ水が通る通水配管を、熱可塑性樹脂または合成ゴムから構成することが好ましい。より好ましい態様によれば、上記酸性水又はアルカリ水が通る通水配管を、オレフィン系エラストマまたはエチレンプロピレンゴムから構成する。
便器使用前の水道水または殺菌水噴霧
また、本発明のさらに別の好ましい態様によれば、本発明による衛生洗浄装置は、便器使用前に便器ボウル面に水道水または前記した殺菌水を供給または噴霧する手段を備えることができる。使用前に便器ボウル面に水膜が形成されることにより汚れが付着しにくいとの効果を本発明による衛生洗浄装置において享受することができる。また、このための水道水または殺菌水の供給ノズルは、前記した殺菌水または酸性水を噴霧するノズルと兼ねて構成してもよい。
本発明を以下の例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例
図2に記載の衛生洗浄装置を備え、かつボウル面に光触媒層を有する便器を用いて以下の試験を行った。運転動作は図3に記載の通りとした。すなわち、使用者がトイレに入室した後、便器を使用する前に、便器ボウル面に水道水または前記した殺菌水を前記した噴霧ノズルから噴霧した(プレミスト)。噴霧は4秒以内で行った。次いで、使用者が着座し、便器を使用した後、本発明による衛生洗浄装置の洗浄ノズルの吐水口から洗浄水を噴射して使用者の身体を洗浄した(おしり洗浄)。便器使用後、使用者が離座した後、便器ボウル面に水滴として付着した前記洗浄水が乾燥する前に、便器ボウル面を洗浄する便器洗浄手段を動作させた。便器洗浄を行った後、便器洗浄水が乾燥する前に、前記した殺菌水を前記噴霧ノズルから噴霧した(アフターミスト)。噴霧は便器洗浄を行ってから2分30秒以内に開始し、7秒以内で行った。
図2の衛生洗浄装置を備えた便器において、衛生洗浄装置内の通水配管にシリコーンチューブを用いた場合、便器ボウル面に水に濡れにくい撥水化した領域が観察された。この領域における光触媒活性をメチレンブルー分解活性指数で評価したところ初期10を超えていたものが4日後の時点で1程度まで低下した。親水性を維持する部分については大きな低下は見られなかった。
次に、図2の装置において衛生洗浄装置内のすべてのシリコーンチューブを塩化ビニル製チューブまたはフッ素系樹脂製チューブに取り換えた。その結果、3.5カ月経過後も撥水化した領域が便器ボウル面において観察されなかった。
試験例1
試験タイル
光触媒層を釉薬層上に形成したハイドロタイル(TOTO株式会社製)を用いた。なお、このタイルの光触媒層は、室温22.6℃、湿度28.2%RHにおいて、UV照射強度が300μW/cmであるとき、メチレンブルー光触媒活性値が10〜15のものである。
評価方法
シリコーンチューブ(超音波洗浄を行っていない。)に水を充填し、4日間放置した。次いで、この充填水を4段階で希釈し(1倍、2倍、4倍および5倍)、シリコーン濃度の異なる4種類の希釈溶液を用意した。加熱脱着ガスクロマトグラフ質量分析計(TDS−GC/MS)を用いてシリコーン量を測定したところ、それぞれのシリコーン量は約3600ppb、約1800ppb、約900ppb、約725ppb、であった。各希釈充填水(200μl)を上記試験タイル上に滴下した。次いで、自然乾燥させ、2時間後、タイルに蒸留水を垂らして接触角を測定した。
結果
得られた接触角と、シリコーン量とから最小二乗法により30度の接触角を与えるシリコーン量を求めたところ、725ppbであった。従って、シリコーン溶出量が725ppb以下の材料からなる通水配管とすることにより、便器ボウル面の撥水化を抑制することができることが示された。
試験例2
材質の異なる複数のチューブにおけるシリコーン溶出量を測定するために、シリコーンチューブ、通水超音波処理した同チューブ、温水処理(90℃×4時間)した同チューブ、未処理の塩化ビニル系チューブ、通水超音波洗浄した同チューブ、未処理のエラストマーチューブ、温水90℃×4時間処理した同チューブ、通水超音波洗浄した同チューブ、通水超音波洗浄したPFAチューブ、通水超音波洗浄したPTFEチューブ、通水超音波洗浄したフッ素系ポリマーチューブ各チューブに水道水を充填し(50℃×12時間)、加熱脱着ガスクロマトグラフ質量分析計(TDS−GC/MS)を用いてシリコーン量を測定した。その結果、725ppbを超えるシリコーン量の溶出が確認されたのは、シリコーンチューブ(ノズルチューブ)、通水超音波処理又は温水処理(90℃×4時間)したシリコーンチューブであり、他のチューブでは725ppbを大きく下回り、実質的にほとんどシリコーンの溶出は測定されないレベルであった。また、これらは水道水のシリコーン溶出レベルと同等であった。

Claims (10)

  1. ボウル面に光触媒層が形成された便器に設置されて用いられる、吐水口から洗浄水を噴射して使用者の身体を洗浄する洗浄ノズルを備えてなる衛生洗浄装置であって、その内部に設けられた通水配管が、シリコーンを溶出しない材料で構成されてなり、
    前記洗浄ノズルの吐水口から洗浄水が噴射された後、光触媒層が形成されてなる便器ボウル面に水滴として付着した前記洗浄水が乾燥する前に、前記便器ボウル面を洗浄する便器洗浄手段をさらに有してなることを特徴とする、衛生洗浄装置。
  2. ボウル面に光触媒層が形成された便器に設置されて用いられる、吐水口から洗浄水を噴射して使用者の身体を洗浄する洗浄ノズルを備えてなる衛生洗浄装置であって、その内部に設けられた通水配管が、シリコーンを含み、かつ当該シリコーンの溶出量が725ppb以下のものであることを特徴とする、衛生洗浄装置。
  3. 前記洗浄ノズルの吐水口から洗浄水が噴射された後、光触媒層が形成されてなる便器ボウル面に水滴として付着した前記洗浄水が乾燥する前に、前記便器ボウル面を洗浄する便器洗浄手段をさらに有してなる、請求項に記載の衛生洗浄装置。
  4. 水道水から殺菌水を生成する殺菌水生成ユニットと、前記殺菌水が通る通水配管と、便器洗浄後に前記便器ボウル面に前記殺菌水を噴霧する噴霧ノズルとをさらに備えてなり、
    前記噴霧ノズルが、前記便器洗浄手段動作後、前記便器ボウル面に残った水が乾燥する前に前記殺菌水を噴霧するものである、請求項1または3に記載の衛生洗浄装置。
  5. 前記通水配管のうち、前記洗浄水が通る通水配管、水道水が通る通水配管、または前記殺菌水が通る通水配管が、熱可塑性樹脂からなるものである、請求項に記載の衛生洗浄装置。
  6. 前記洗浄水が通る通水配管、前記水道水が通る通水配管、又は前記殺菌水が通る通水配管が、オレフィン系エラストマからなるものである、請求項に記載の衛生洗浄装置。
  7. 前記通水配管のうち、酸性水が通る通水配管、又はアルカリ水が通る通水配管が、合成ゴムからなるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の衛生洗浄装置。
  8. 前記酸性水が通る通水配管、又は前記アルカリ水が通る通水配管が、エチレンプロピレンゴムからなるものである、請求項に記載の衛生洗浄装置。
  9. 前記通水配管のうち、酸性水が通る通水配管、又はアルカリ水が通る通水配管が、熱可塑性樹脂からなるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の衛生洗浄装置。
  10. 前記酸性水が通る通水配管、又は前記アルカリ水が通る通水配管が、オレフィン系エラストマからなるものである、請求項に記載の衛生洗浄装置。
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