JP6180176B2 - 急硬ポリマーセメントモルタル組成物 - Google Patents

急硬ポリマーセメントモルタル組成物 Download PDF

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Description

本発明は、主に、土木・建築分野において使用される急硬ポリマーセメントモルタル組成物に関する。
コンクリート構造物は、塩害、中性化、凍結融解、及び化学的腐食等の作用により劣化が進行し、表面にひび割れや浮き等が発生する場合がある。その対策として、劣化した部分を打音検査等で確認し、電動ピック、エアピック、ウォータージェット等により取り除き、新たに補修部材で充填し補修する工事が行われている。修復断面が小さい小規模な補修工事では、ポリマーセメントモルタルを練混ぜてコテ塗りで断面修復を行う場合が多い
(特許文献1、2参照)。
さらに、セメント水和物に起因する乾燥収縮の低減と初期強度向上を目的とした急硬性ポリマーセメント組成物も知られている(特許文献3、4参照)。
ポリマーセメントモルタルを用いることでポリマーを含有しないモルタルよりも耐久性や硬化収縮は大幅に改善できるが、硬化しない段階の保水性は改善できないため初期にクラックが入る場合があった。保水性を向上させる目的でセルロースエーテルを添加することも可能であるが、これはモルタルの凝結が遅れるといった課題があった。
通常の急硬性の無いポリマーセメントモルタルは、1回の塗り付け厚みは50mm以下がほとんどであり、塗り付け厚みがそれ以上に大きい場合は1層目モルタルの凝結がある程度進行してから塗り付ける必要があり、通常は1〜2時間、冬場であると4〜5時間後に実施する必要があり、最終的に仕上がるまでに長時間を要するといった課題があった。
そこで、膨張材や乾燥収縮低減剤と凝結促進剤を併用することにより、低温環境下においても凝結が遅延しない補修モルタルが提案されている(特許文献5参照)。
特開2001−322858号公報 特開2003−89565号公報 特開平3−177346号公報 特開平4−321540号公報 特開2005−82434号公報
急硬ポリマーセメントモルタルは、練混ぜてから打設するために、一定の可使時間の確保が必要であり、通常、凝結調整剤として、オキシカルボン酸、又は、その塩、或いはこれらとアルカリ金属炭酸塩類の併用、糖類等が挙げられる。
しかしながら、これら凝結調整剤を、あらかじめ急硬材や急硬セメントと混合しておくと、貯蔵に伴って性能が劣化し、可使時間が変化しやすいという課題があった。
そこで、本発明者は、前記課題を解決すべく、種々の努力を重ねた結果、特定の超速硬性クリンカーからなる急硬材で、貯蔵安定性に優れる急硬ポリマーセメントモルタルが調製できることを知見し、本発明を完成するに至った。
本発明は、製品を長期間貯蔵しても、充分な可使時間を確保できる急硬性ポリマーセメントモルタル組成物を提供する。
本発明は、(1)セメントとポリマー、細骨材、超速硬性クリンカー、石膏、凝結調節剤を含有してなり、超速硬性クリンカーが炭酸成分を含有したCaO-Al系超速硬性クリンカーである急硬ポリマーセメントモルタル組成物、(2)超速硬性クリンカーが、CaOを29.9〜65%、Alを29.9〜70%、炭酸成分をCO換算で0.1〜5%含有してなる(1)の急硬ポリマーセメントモルタル組成物、(3)収縮低減剤を含有してなる(1)又は(2)の急硬ポリマーセメントモルタル組成物、(4)繊維類を含有してなる(1)〜(3)のいずれかの急硬ポリマーセメントモルタル組成物、である。
本発明の急硬ポリマーセメントモルタル組成物は、長期間貯蔵しても充分な可使時間を確保できるなどの効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明で使用する部や%は特に規定のない限り質量基準である。
本発明で使用するセメントとは、特に限定されるものではなく、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱のポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、エコセメント、白色セメント、超速硬セメント、石灰石微粉末等を混合したフィラーセメントなどが挙げられる。
本発明で使用するポリマーとは、例えば、JIS A 6203で規定されているセメント混和用のポリマーであり、水の中にポリマーの微粒子が分散しているポリマーディスパージョンや、ゴムラテックス及び樹脂エマルションに安定剤などを加えたものを乾燥して得られる再乳化形粉末樹脂などを称するものであり、中性化、塩害、凍害等の耐久性を向上させ、モルタルの付着強度、曲げ強度、引張強度等の強度特性を改善する目的で使用する。
例えば、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、及び天然ゴム等のゴムラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、酢酸ビニルビニルバーサテート系共重合体、及びスチレン・アクリル酸エステル共重合体やアクリロニトリル・アクリル酸エステルに代表されるアクリル酸エステル系共重合体、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂に代表される液状ポリマー等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用できる。
本発明のポリマーの使用量は、セメントと超速硬クリンカーと石膏からなる結合材100部に対して、固形分換算で1〜20部が好ましく、3〜10部がより好ましい。1部未満では耐久性の向上効果が小さく、20部を超えると強度発現性に影響する場合がある。
本発明の超速硬性クリンカーは、基材としてカルシウムアルミネートを使用し、炭酸ガスと反応させて合成する。クリンカーは、通常、5〜30mm位の大きさの塊であり、粉砕して使用されるが、本発明の云うクリンカーとは、塊状、粉状などを総称するものである。
基材に用いるカルシウムアルミネートとは、カルシアを含む原料と、アルミナを含む原料とを混合して、キルンでの焼成や、電気炉での溶融等の熱処理をして得られる、CaOとAlとを主たる成分とし、水和活性を有する物質の総称であり、CaO及び/又はAlの一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等と置換した化合物、あるいは、CaOとAlとを主成分とするものに、これらが少量固溶した物質である。鉱物形態としては結晶質、非晶質いずれであってもよい。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲でCaO、Al3、CO以外のその他の成分を含有しても構わない。その他の成分としては、SiO、Fe、MgO、TiO、ZrO、MnO、P、NaO、KO、LiO、硫黄、フッ素、塩素や水分等の強熱減量成分等が挙げられる。その他の成分の含有量は、通常、0〜10%の範囲である。
本発明の超速硬クリンカーの化学成分は、CaOが29.9〜65%、Alが29.9〜70%、炭酸成分がCO換算で0.1〜5%であることが好ましい。この成分範囲にないと、貯蔵した際に充分な可使時間を確保することが難しい場合がある。。
超速硬性クリンカーを急硬ポリマーセメントモルタル組成物に使用する場合、ブレーン比表面積で4000〜9000cm/gに調製することが好ましい。カルシウムアルミネートの粉末度が、ブレーン比表面積で4000cm/g以下では、十分な超速硬性が得られない場合や、低温での強度発現性が十分でない場合がある。また、9000cm/gを超えても更なる効果の増進が期待できない。
超速硬性クリンカーの基材であるカルシウムアルミネートの炭酸ガスでの処理方法は特に限定されるものではなく、カルシウムアルミネートを炭酸ガスに接触させることで合成できるが、特に200〜800℃の高温雰囲気で炭酸ガスと接触させることが、貯蔵安定性の観点から好ましい。また、カルシウムアルミネートの炭酸化は、クリンカーを粉砕してから行うことが好ましい。
本発明で使用する炭酸化処理容器は、特に限定されるものではなく、クリンカーと炭酸ガスを接触させ反応させることが出来ればよく、電気炉でも良いし、流動層式加熱炉でも良いし、超速硬クリンカーを粉砕するミルでも良い。
本発明の超速硬性クリンカーに含まれる炭酸成分(CO)は、無機炭素分析法によって測定することができる。超速硬クリンカーに塩酸をかけ、発生するCOを吸収液に吸収させ、滴定法によって定量することができる。具体的な装置としては、日本アンス株式会社製「クーロメーター」などを用いることができる。
本発明で使用する石膏は、いずれの石膏も使用できる。これらの中では、強度発現性の点で、無水石膏が好ましく、II型無水石膏が好ましい。
石膏の粒度は、ブレーン比表面積で4000cm/g以上が好ましく、5000〜7000cm/gがより好ましい。4000cm/g未満では初期強度発現性が低下する場合がある。
石膏の使用量は、超速硬性クリンカー100部に対して25〜200部が好ましく、50〜150部がより好ましく、75〜125部が最も好ましい。これらの範囲外では強度発現性が低下する場合がある。
超速硬性クリンカーと石膏からなる急硬成分の使用量は、セメント、超速硬性クリンカー及び石膏の合計100部中、10〜35部が好ましく、15〜25部がより好ましい。10部未満では初期強度発現性が小さい場合があり、35部を超えると大きな効果がなく、長期強度が低下する場合がある。
本発明の凝結調整剤は、施工時の作業時間を確保することを可能とするものであり、通常は粉末状で使用する。凝結調整剤の種類としては、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、リンゴ酸等のオキシカルボン酸類とこれらの金属塩類、トリポリリン酸塩、第一リン酸ナトリウム等のリン酸塩、ショ糖、果糖等の糖類、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、ケイフッ化マグネシウム等のケイフッ化物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の併用も可能である。また、これらの凝結調整剤に炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩等を組み合わせたものを使用することも可能である。
凝結調整剤の使用量は、用途と施工の作業時間、凝結調整剤の組成等により幅があり、一義的には決定することは難しい。本発明では、30〜90分の作業時間にあわせて急硬ポリマーセメントモルタル組成物が硬化するように使用量を調整する。
本発明の凝結調整剤の使用量は、セメントと急硬成分からなる結合材100 部に対して0 .05〜2部が好ましく、0.1〜1部がより好ましい。0.05部未満では、凝結を遅延させることが難しく、2部を超えると強度発現性を阻害する場合がある。
本発明で使用する収縮低減剤は、未反応の水分の逸散を防止しセメント水和物の乾燥収縮を抑制するもので、具体的には、アルコール系、低級アルコールアルキレンオキシド誘導体系、グリコール系、グリコールエーテル・アミノアルコール誘導体系、及びポリエーテル系等の界面活性作用を有する有機系化合物を使用することができる。
収縮低減剤の使用量は、セメントと急硬成分からなる結合材100部に対して、1〜8部が好ましい。1部未満では収縮低減効果が充分でない場合があり、8部を超えるとコストアップになるばかりかフレッシュ時の流動性が低下したり、凝結遅延や強度低下を生じる場合がある。
本発明で使用する繊維類は、ひび割れ抵抗性や曲げ耐力を向上させるものである。
繊維類としては、ビニロン繊維やプロピレン繊維、ナイロン繊維等の高分子繊維類、鋼繊維、ガラス繊維、及び炭素繊維に代表される無機繊維類が挙げられ、特に限定されるものではない。
繊維類の使用量は、急硬ポリマーセメントモルタル組成物100部に対して0.05〜0.7部が好ましく、0.08〜0.5部がより好ましい。0.05部未満では曲げ耐力を向上させる効果が発揮されない場合があり、0.7部を超えるとモルタルの流動性に悪影響を与える場合がある。繊維の長さはコテ仕上げ面の美観の点で15mm以下が好ましい。
本発明では減水剤を使用することができる。その種類は特に限定させるものでなく、セメントに対する分散作用や空気連行作用を有し、流動性改善や強度増進するものの総称であり、具体的には、ナフタレンスルホン酸系減水剤、メラミンスルホン酸系減水剤、リグニンスルホン酸系減水剤、及びポリカルボン酸系減水剤が使用でき、減水剤の使用形態は、液体、粉体のいずれも使用可能であるが、プレミックス製品として使用する際には粉体が好ましい。
減水剤の使用量は、特に限定されるものではない。減水剤の種類により減水率に差があり適正量はそれぞれ異なるが、通常、セメントと急硬成分からなる結合材100部に対して、固形分換算で0.05〜1.0部が好ましい。0.1部未満では流動性が充分でなくなる場合があり、1.0部を超えると左官施工時にダレを起こす場合がある。
本発明では更に消泡剤を使用することができる。消泡剤とは、適度な空気連行性を調整する目的で使用することができる。消泡剤の種類としては、高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物、グリコールのエチレンオキサイド付加物等のポリエーテル系消泡剤、ジメチルシリコーン等のシリコーン系消泡剤、トリブチルホスフェート等のトリアルキルホスフェート系消泡剤等がある。
消泡剤の使用量は、セメントと急硬成分からなる結合材100部に対して、0.001〜0.5部が好ましく、0.003〜0.1部がより好ましい。0.001部未満では消泡効果は少なく、0.5部を超えても消泡効果が頭打ちとなり不経済となる場合がある。
本発明で使用する細骨材は、通常使われている川砂、海砂、砕砂、珪砂、軽量骨材などが挙げられ、それらのうち1種又は2種以上を混合して使用することが可能であり、プレミックス製品として使用する際にはそれらの乾燥砂が好ましい。
細骨材の最大粒度は、2mm以下が好ましい。それ以上では、コテ仕上げ時の作業性が損なわれたり、仕上げ面が荒々しい感じとなる場合がある。
細骨材の使用量は、セメントと急硬成分からなる結合材100部に対して、50〜250部が好ましく、250部を超えると強度不足が発生したり、作業性が損なわれたりする場合がある。
本発明で使用する練混ぜ水量は特に限定されるものではないが、通常、水/結合材比で25〜50%が好ましく、30〜45%がより好ましい。この範囲外では、練混ぜが困難であったり、材料分離や強度低下を起こしたりする場合がある。
さらに、添加材(剤)として、増粘剤、防錆剤、防凍剤、気泡剤、ベントナイト等の粘土鉱物、ゼオライト等のイオン交換体、シリカ質微粉末、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムのうち1種又は2種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
「実験例1」
表1に示した各種の超速硬クリンカーを使用し、セメント80部、超速硬クリンカー10部及び無水石膏10部からなる結合材100部に対して、凝結調整剤0.3部、骨材200部、ポリマー7部をV型ブレンダーにて均一に混合して急硬ポリマーセメントモルタル組成物を調製した。その後、20℃の室内で、結合材100部に対して水を42部加えモルタルミキサーで練混ぜてモルタルとし、流動性、可使時間、圧縮強度の測定を行った。結果を表1に示す。
さらに、促進貯蔵試験した急硬ポリマーセメントモルタル組成物についても同様な実験を行った。
(使用材料)
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
超速硬クリンカーA:CaO63.6%、Al34.4%、CO0%、その他2.0%。1450℃焼成後粉砕してブレーン比表面積5000cm/gとした。
超速硬クリンカーB:超速硬クリンカーA(粉砕品)を600℃雰囲気で炭酸ガス処理したもの。CaO62.7%、Al33.8%、CO1.5%、その他2.0%。ブレーン比表面積5000cm/g。
超速硬クリンカーC:CaO49.5%、Al47.5%、CO0%、その他3.0%、1450℃焼成後粉砕してブレーン比表面積5000cm/gとした。
超速硬クリンカーD:超速硬クリンカーC(粉砕品)を600℃雰囲気で炭酸ガス処理したもの。CaO49.0%、Al47.2%、CO0.8%、その他3.0%、ブレーン比表面積5000cm/g。
超速硬クリンカーE:CaO36.0%、Al60.1%、CO0%、その他3.9%、1450℃焼成後粉砕してブレーン比表面積5000cm/gとした。
超速硬クリンカーF:超速硬クリンカーE(粉砕品)を600℃雰囲気で炭酸ガス処理したもの。CaO36.3%、Alが60.5%、CO0.2%、その他3.0%。ブレーン比表面積5000cm/g。
超速硬クリンカーG:超速硬クリンカーC(粉砕品)を200℃雰囲気で炭酸ガス処理したもの。CaO49.4%、Al47.4%、CO0.2%、その他3.0%、ブレーン比表面積5000cm/g。
超速硬クリンカーH:超速硬クリンカーC(粉砕品)を400℃雰囲気で炭酸ガス処理したもの。CaO49.2%、Al47.2%、CO0.6%、その他3.0%、ブレーン比表面積5000cm/g。
超速硬クリンカーI:超速硬クリンカーC(粉砕品)を800℃雰囲気で炭酸ガス処理したもの。CaO49.0%、Al47.0%、CO1.0%、その他3.0%、ブレーン比表面積5000cm/g。
凝結調整剤:試薬1級のクエン酸
無水石膏:II型無水セッコウ、ブレーン比表面積5000cm/g
細骨材:石灰石砕砂、最大粒径1.2mm
ポリマー:アクリル−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル系共重合体、市販品
(測定方法)
流動性:JIS R5201のフロー試験に準じて測定した。
可使時間:可使時間は練り上がり温度から1℃上昇した時点とした。
圧縮強度:JIS A1171に準じ4時間の圧縮強度を測定した。
促進貯蔵試験:急硬ポリマーセメントモルタル組成物25kgを3重クラフト紙の内装に20μm厚の高密度ポリエチレンシートを貼り付けた梱包材内に25kg梱包、シールして35℃、90%RH室内で1ヶ月間存置した。
Figure 0006180176
表1によれば、本発明の急硬ポリマーセメントモルタル組成物を使用することにより、貯蔵後もブレンド直後と同様に、良好な流動性、作業時間を確保していることが分かる。
「実験例2」
超速硬クリンカーDを用い、表2に示す収縮低減剤の量を結合材100部に対して配合したこと以外は実験例1と同様に行い、長さ変化率と付着強度を測定した。結果を表2に示す。
(使用材料)
収縮低減剤:ポリオキシアルキレン誘導体、市販品
(試験方法)
長さ変化率:JIS A 1171 ポリマーセメントモルタルの試験方法に準じ材齢28日までの長さ変化率を測定した。
付着強度:横30×縦30×厚さ6cmのサンドブラストしたコンクリート板にプライマー(エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン)を150g/mとなるように刷毛で塗り、補修モルタルを2cm厚みとなるように塗り付け、表面のコテ仕上げを行い試験体とした。材齢28日後にコアリングにより高速カッターで下地のコンクリート部まで切断し削孔し、専用の引抜き治具を取り付け建研式付着力試験機で測定した。
Figure 0006180176
表2によれば、収縮低減剤を用いることにより、長さ変化率が小さくなり、収縮低減効果を奏するのが分かる。さらに、付着強度も十分で、躯体と一体化していることが分かる。
「実験例3」
クリンカーDを用い表2に示す繊維類の量を実験No.1-7の急硬ポリマーセメントモルタル組成物100部に対して配合したこと以外は実験例1と同様に行い、モルタルの曲げタフネスと、実験例2と同様に付着強度を測定した。結果を表6に示す。
(使用材料)
繊維類:ビニロン繊維、繊維長さ6mm、繊維径0.027mm、収束タイプ、市販品
曲げタフネス:JSCE G552に準拠した。養生方法は温度20℃、湿度60%の部屋で気中養生した。測定材齢は28日とした。
Figure 0006180176
表3によれば、繊維類を加えることにより、曲げタフネスが向上しているのが分かる。
本発明の急硬ポリマーセメントモルタル組成物を採用することにより、長期間保管しても、製造直後とほぼ同等なモルタル物性を示し、製品価値を損なうことが無い等の優れた効果を奏するため、土木・建築分野に好適である。

Claims (4)

  1. セメントとポリマー、細骨材、超速硬性クリンカー、石膏、凝結調節剤を含有してなり、超速硬性クリンカーが、CaOを29.9〜65質量%、Al 2 3 を29.9〜70質量%、炭酸カルシウムをCO 2 換算で0.1〜5質量%含有する、急硬ポリマーセメントモルタル組成物。
  2. 収縮低減剤を含有してなる請求項1に記載の急硬ポリマーセメントモルタル組成物。
  3. 繊維類を含有してなる請求項1又は2に記載の急硬ポリマーセメントモルタル組成物。
  4. 超速硬性クリンカーを粉砕するステップと、
    粉砕した超速硬性クリンカーを、200〜800℃の雰囲気で炭酸ガスと接触させることで炭酸化処理し、炭酸カルシウムをCO 2 換算で0.1〜5質量%含有し、かつCaOを29.9〜65質量%およびAl 2 3 を29.9〜70質量%含有するようにするステップと、
    炭酸化処理した超速硬性クリンカーを、セメントおよび石膏と混合して結合材を得るステップと
    を含む、急硬ポリマーセメントモルタル組成物用の結合材の製造方法。
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