JP6158583B2 - セラミックデバイス及びその動作方法 - Google Patents

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Description

本発明は、センサや音響源等として動作するセラミック素子を備えたセラミックデバイス及びその動作方法に関する。
従来、セラミック素子は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等を含む薄板の誘電体セラミックを2枚の電極で挟んだ構造であり、電極間に電圧を印加することにより変形する圧電性を利用してブザー等に応用されている。例えばセラミック素子に音の周波数に応じ変調した電圧を印加することにより、任意の振動をセラミック素子に与えて音を発することができる。
またセラミック素子は、温度により誘電体セラミックの誘電率が変化することが知られており、これを利用した温度センサとしてセラミック素子を用いる場合もある。この場合、温度により定まる誘電率に応じたセラミック素子の容量を、セラミック素子に矩形波電圧を印加する時の充電時間により測定して温度を求める。
特開2008-27961号公報 特開2008−15777号公報
しかしながら、薄板の誘電体セラミックの両側に電極を配置した構造のセラミック素子は、強度が小さくなることから、場合によっては誘電体セラミックに小さなクラックを生じる事がある。このクラックが内在した状態でセラミック素子を使用すると、印加電圧と大気中の湿度の相乗作用によって銀等の電極金属からマイグレーション(イオンマイグレーション)が発生し、電流リーク(電流が漏洩する現象)による動作不良に至る場合がある。
マイグレーションは、湿度雰囲気下での直流電圧の印加による電界の作用により、プラス側の電極金属となる例えば銀がイオン化し、マイナス電極側に移動していくことにより、マイナス電極で金属分子として堆積していき、次第に樹状にマイナス電極からプラス電極に向かって架橋が進む現象である。この樹状の架橋をデンドライトと呼ぶ。最終的にはプラス電極とマイナス電極はデンドライトにより接続され、絶縁抵抗が減少し、セラミック素子は機能不全に至る。
本発明は、セラミック素子にマイグレーションによる電流リークが発生するまでの期間を延ばすことを可能とするセラミックデバイス及びその動作方法を提供することを目的とする。
センサ周期毎に転極するセンサ装置)
本発明は、誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより温度センサとして動作するセラミックデバイスに於いて、
セラミック素子に所定のタイミングで所定のセンサ動作電圧を印加することにより、所定のセンサ情報に応じた当該セラミック素子の誘電率変化を検知するセンサ動作手段と、
セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、所定のタイミングで反転する転極手段と、
センサ動作電圧を印加するタイミング、及びセンサ動作電圧の極性を反転するタイミングを制御すると共に、セラミック素子の誘電率変化に基づき、センサ情報検知信号を出力する制御手段と、
を備え、制御手段の制御により、
センサ動作手段は、セラミック素子にセンサ動作電圧を所定のセンサ周期毎に間欠的に印加し、
転極手段は、セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、センサ周期毎に繰り返し反転することを特徴とする。ここで、転極とは、極性を反転することを意味する。
(異なる周期数毎に転極するセンサ装置
本発明は、誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより温度センサとして動作するセラミックデバイスに於いて、
セラミック素子に所定のタイミングで所定のセンサ動作電圧を印加することにより、所定のセンサ情報に応じた当該セラミック素子の誘電率変化を検知するセンサ動作手段と、
セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、所定のタイミングで反転する転極手段と、
センサ動作電圧を印加するタイミング、及びセンサ動作電圧の極性を反転するタイミングを制御すると共に、セラミック素子の誘電率変化に基づき、センサ情報検知信号を出力する制御手段と、
を備え、制御手段の制御により、
センサ動作手段は、セラミック素子にセンサ動作電圧を所定のセンサ周期毎に間欠的に印加し、
転極手段は、セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、センサ周期の所定回数に亘り維持した後に反転してセンサ周期の他の所定回数に亘り維持し、これを繰り返すことを特徴とする
(複数周期毎に転極して一定時間継続するセンサ装置
本発明は、誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより温度センサとして動作するセラミックデバイスに於いて、
セラミック素子に所定のタイミングで所定のセンサ動作電圧を印加することにより、所定のセンサ情報に応じた当該セラミック素子の誘電率変化を検知するセンサ動作手段と、
セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、所定のタイミングで反転する転極手段と、
センサ動作電圧を印加するタイミング、及びセンサ動作電圧の極性を反転するタイミングを制御すると共に、セラミック素子の誘電率変化に基づき、センサ情報検知信号を出力する制御手段と、
を備え、制御手段の制御により、
センサ動作手段は、セラミック素子にセンサ動作電圧を所定のセンサ周期で所定回数に亘り間欠的に印加した後に所定時間に亘り継続的に印加して、これを繰り返し、
転極手段は、セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、センサ周期の所定回数に亘り維持した後に反転して所定時間に亘り継続的に維持し、これを繰り返すことを特徴とする
(正極性と負極性の電圧印加時間を一致)
転極手段は、センサ動作電圧をセンサ周期の所定回数に亘り一方の極性で間欠的に印加した場合の合計時間と、センサ動作電圧を他の極性に反転して継続して印加した所定時間と略等しくなるように、センサ動作電圧を印加するタイミング、及びセンサ動作電圧の極性を反転するタイミングを制御する。
時間積分値を一致させる音響源
本発明は、誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより音響源として動作するセラミックデバイスに於いて、
セラミック素子に所定の音響駆動電圧を印加した後に所定の直流電圧に切り替えて印加する音響駆動手段
セラミック素子に印加される電圧の極性を反転する転極手段と、
音響駆動電圧の印加後にセラミック素子に印加される電圧の極性を反転して直流電圧の印加に切り替えるタイミング、及び音響駆動電圧の時間積分値と、直流電圧の時間積分値が略等しくなるように直流電圧を印加する時間を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
(音響駆動電圧と同じ電圧を転極印加する音響源
本発明は、誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより音響源として動作するセラミックデバイスに於いて、
セラミック素子に所定の音響駆動電圧を印加した後に、当該音響駆動電圧と同じ駆動電圧を印加する音響駆動手段と、
セラミック素子に印加される電圧の極性を反転する転極手段と、
音響駆動電圧の印加後にセラミック素子に印加される電圧の極性を反転して当該音響駆動電圧と同じ駆動電圧の印加に切り替えるタイミングを制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
センサとして動作させる方法)
本発明は、誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより温度センサとして動作するセラミックデバイスの動作方法に於いて、
センサ動作手段により、セラミック素子に所定のタイミングで所定のセンサ動作電圧を印加することにより、所定のセンサ情報に応じた当該セラミック素子の誘電率変化を検知し、
転極手段により、セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、所定のタイミングで反転し、
制御手段により、センサ動作電圧を印加するタイミング、及びセンサ動作電圧の極性を反転するタイミングを制御すると共に、セラミック素子の誘電率変化に基づき、センサ情報検知信号を出力し、
制御手段の制御により、
センサ動作手段が、セラミック素子にセンサ動作電圧を所定のセンサ周期毎に間欠的に印加し、
転極手段が、セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、センサ周期毎に繰り返し反転することを特徴とする。
(音響源として動作させる方法)
本発明は、誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより音響源として動作するセラミックデバイスの動作方法に於いて、
音響駆動手段により、セラミック素子に音響駆動電圧を印加した後に所定の直流電圧に切り替えて印加し、
転極手段により、セラミック素子に印加される電圧の極性を反転し、
制御手段により、音響駆動電圧の印加後にセラミック素子に印加される電圧の極性を反転して直流電圧の印加に切り替えるタイミング、及び音響駆動電圧の時間積分値と、直流電圧の時間積分値が略等しくなるように直流電圧を印加する時間を制御することを特徴とする。
本発明は、誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、セラミック素子に所定の動作電圧を印加することによりセンサ又は音響源等として動作するセラミックデバイスに於いて、セラミック素子に印加する動作電圧の極性を、所定のタイミング、例えば定期的に極性を反転する転極手段を設けるようにしたため、セラミック素子に駆動電圧が印加されると、誘電体セラミックにクラック等が入っていた場合、プラス電極から遊離した金属イオンがマイナス電極へ移動して堆積することでデンドライト(樹状架橋)ができ始めるが、次のタイミングでは、セラミック素子に印加される駆動電圧の極性の反転により電極に加わる電圧方向が逆転し、それまでのプラス電極から遊離した金属イオンは、極性の反転によりマイナスに切り替わった電極に戻り、これが繰り返されることにより、デンドライトが対極に向かって伸びていく度合いが大幅に抑制され、マイグレーションによるデンドライトの成長により電極間ショートし、電流リークにより機能不全となるまでの時間を、実質的にセラミックデバイスの寿命に影響しない程に長くすることが可能となる。
また、セラミック素子に正方向の極性の動作電圧を印加する電圧と時間の積分値と、極性の反転により逆方向の極性の動作電圧を印加する電圧と時間の積分値を略等しくなるようにすることで、両極に堆積するデンドライトの成長度合を同等に抑制可能とし、マイグレーションより電流リークにより機能不全となるまでの時間を更に長くすることを可能とする。
センサ装置として動作するセラミックデバイスの機能構成の概略を示したブロック図。 セラミック素子の実施形態を示した説明図 転極によりデンドライトの成長を抑制する様子を模式的に示した説明図 センサ装置として動作するセラミックデバイスの実施形態を示した回路図 センサ周期毎に転極を繰り返す場合の温度測定動作を示したタイムチャート センサ周期の5回に1回転極する場合の温度測定動作を示したタイムチャート 複数のセンサ周期毎に、センサ周期を超える時間に亘り転極する場合の温度測定動作を示したタイムチャート 音響装置として動作するセラミックデバイスの機能構成の概略を示したブロック図 音響装置として動作するセラミックデバイスの実施形態を示した回路図 音響装置で転極前と後で電圧・時間積分値を同一する転極動作を示したタイムチャート 音響装置で転極前と後で電圧・時間積分値を同一とする他の転極動作を示したタイムチャート 転極前の音響駆動電圧を転極後に逆極性で印加する転極動作を示したタイムチャート
[センサ装置]
(センサ装置の概要)
図1はセンサ装置として動作するセラミックデバイスの機能構成の概略を示したブロック図である。
図1に示すように、センサ装置10は、セラミック素子12、センサ動作手段として機能するセンサ動作部16、転極手段として機能する転極部14及び制御部18を備える。
セラミック素子12は、誘電体セラミックの両側に電極を配置した構造であり、本実施形態にあっては、温度センサとして動作する。
センサ動作部16は、セラミック素子12の誘電率が周囲温度に応じて変化する特性を利用し、所定のセンサ周期毎に、セラミック素子12にセンサ動作電圧を印加し、誘電体セラミック20の温度変化に応じた誘電率変化を電気信号として制御部18へ出力する。
転極部14は、セラミック素子12に印加するセンサ動作電圧の極性を、センサ周期に対応して転極する。
例えば転極部14は、セラミック素子12に印加するセンサ動作電圧を、センサ周期毎に繰り返し転極する。この転極部14によりデンドライトが対極に向かって伸びていく度合いが大幅に抑制され、マイグレーションによるデンドライトの成長で電極間ショートし、電流リークにより機能不全となるまでの時間を大幅に延ばすことを可能とする。
制御部18は、センサ動作部16から出力された誘電体セラミック20の温度変化に応じた誘電率変化を示す電気信号に基づき、例えば温度を検知して温度検知信号を外部に出力する。また、制御部18は、転極部14に制御信号を出力して転極動作を行わせる。
(セラミック素子の構造)
図2はセラミック素子の実施形態を示した説明図であり、図2(A)は側面を示し、図2(B)は平面を示す。
図2に示すように、セラミック素子12は、誘電体セラミック20、第1の電極22、第2の電極24、保護板26、リード線28,30を備えている。
誘電体セラミック20は、外部から電圧が加わると、電気分極する物体であり、略円板状体として形成されており、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、又は亜鉛ニオブ酸鉛(PZN)とチタンジルコン酸鉛とを組み合わせたものを含むセラミック等の比較的高い誘電率、例えば比誘電率が2000程度を有する材料にて形成されている。また、誘電体セラミック20は、例えば、熱応答性を高めるために、薄板状に形成されている。例えば、誘電体セラミック20の直径=30mmとした場合に、厚さ=50μm程度に設定される。
第1の電極22及び第2の電極24は、図1に示したセンサ動作部16の回路とをリード線28,30で電気的に接続することにより、誘電体セラミック20の温度変化に応じた誘電率変化を電気信号として外部へ取り出す。
また、第1の電極22及び第2の電極24は、例えば銀、白金、銅等の導電性材料にて形成された略円板状体であり、誘電体セラミック20における図示で上下となる面の一方と他方に設けられている。ここで、第1の電極22及び第2の電極24の形成方法は任意であるが、例えば誘電体セラミック20の上下となる面に対してスクリーン印刷することによって形成される方法が該当する。また、第1の電極22の平面形状は、誘電体セラミック20の平面形状よりも小さくし、また第2の電極24の平面形状は、誘電体セラミック20の平面形状と略同一としている。
第2の電極24の外側の面には誘電体セラミック20を補強する保護板26を接着固定している。保護板26は、例えば、ニッケルと鉄とを組み合わせた合金や真鍮等の金属材料にて形成された略円板状体であり、第2の電極24の全体を覆うように接着され、この場合、第2の電極24の外側の面には、製造時の誤差等によって、多数の突起部分が存在するため、保護板26は間に接着層があっても、第2の電極24の外側の面の突起部分が保護板26に多点接触することで、電気的に接続されている。
第2の電極24と保護板26とを固着する接着材としては、例えば、ウレタン系接着剤等の比較的低い誘電率、例えば、誘電体セラミック20の比誘電率が2000程度の場合に、比誘電率が5程度の非導電性接着剤を使用している。
また、保護板26の厚さについては、その熱膨張係数がセラミックに近いものから材料選択し、強度確保の観点と熱応答の観点からバランスを考慮して決定する。
第1の電極22にはリード線28がハンダ28aにより接続され、また、保護板26にはリード線30がハンダ30aにより接続され、リード線30は保護板26を介して第2の電極24と電気的に接続されている。
(検査部の機能)
図3は、転極によりデンドライトの成長を抑制する様子を模式的に示した説明図である。
図3(A)に示すように、誘電体セラミック20に微小なクラック32が存在すると、図1のセンサ動作部16から転極部14を介して第1の電極22側をプラスとするセンサ動作電圧+Vsが第1の電極22と第2の電極24間に印加された場合、マイグレーションによりプラス側となる第1の電極22の電極金属となる例えば銀がイオン化して金属イオン34となり、遊離した金属イオン34がクラック32を通って第2の電極24側に移動を始める。
次のタイミングでは、転極部14の転極により第2の電極24側をプラスとするセンサ動作電圧−Vsが第1の電極22と第2の電極24間に印加され、この場合はマイグレーションによりプラス側となる第2の電極24の電極金属となる銀がイオン化して金属イオン34となり、金属イオン34がクラック32を通って第1の電極22側に移動を始める。この場合、転極前のタイミングで第1の電極22から遊離して第2の電極24に向っていた金属イオン34は、転極により遊離した第1の電極22がマイナス側となるため、マイナスとなった第1の電極22に引き戻される。
このようにセラミック素子12に印加するセンサ動作電圧の極性の転極が繰り返されると、図3(B)に示すように、プラス側となった第1の電極22と第2の電極24から交互に遊離した金属イオン34は、引き戻されてマイナス方向に動くことができず、図3(C)に示すように、引き戻された第1の電極22及び第2の電極24付近で横に広がって堆積し、デンドライトの対極方向への成長が大幅に抑制される。
そのため図3(D)に示すように、マイグレーションにより、デンドライト36が電極間ショートとなるまでの期間は、セラミック素子12に印加する電圧の極性を変えずに一定極性としていた場合に比べ、大幅に延ばす事ができる。
(センサ装置の実施形態)
図4は、センサ装置として動作するセラミックデバイスの実施形態を示した回路図である。
図4に示すように、センサ装置10は、図1の概略構成に示したように、セラミック素子12、転極部14、センサ動作部16及び制御部18を備える。
センサ動作部16は、トランジスタ等のスイッチ手段38と抵抗40をセラミック素子12に直列接続して充電回路を構成し、またセラミック素子12と並列に抵抗42とスイッチ手段44の直列回路を接続して放電回路を構成する。
また、セラミック素子12の両端電圧(充電電圧)Vsは転極部14を介してコンパレータ50のマイナス入力端子に入力され、コンパレータ50のプラス端子には抵抗46,48の分圧電圧が閾値電圧Vthとして入力され、コンパレータ50はセラミック素子12の両端電圧Vsが閾値電圧Vth未満の場合はLレベル出力を生じ、セラミック両端電圧Vsが基準電圧Vthに達するとHレベル出力を生ずる。
転極部14は、トランジスタ回路などで実現される転極スイッチ手段52,54,56を備える。転極スイッチ手段52は、抵抗40を介して印加されるセンサ動作電圧となる充電電圧を、セラミック素子12の第1の電極22側又は第2の電極24に印加する。転極スイッチ手段54は、セラミック素子12の第1の電極22側を、放電用の抵抗42とスイッチ手段44の直列回路の抵抗42側又はスイッチ手段44側(アース側)に、選択的に接続する。転極スイッチ手段56は、セラミック素子12の第2電極24側を、放電用の抵抗42とスイッチ手段44の直列回路の抵抗42側又はスイッチ手段44側(アース側)に、選択的に接続する。
転極スイッチ手段52,54,56は制御部18からの転極制御信号により連動して動作し、1のセンサ周期で図示のようにa側に閉じ、スイッチ手段38のオンでセラミック素子12に第1の電極22側をプラスとする充電電圧の印加を可能とし、また、セラミック素子12の充電により変化する両端電圧(充電電圧)Vsをコンパレータ50に入力可能とし、更にスイッチ手段44のオンによるセラミック素子12の放電を可能とする。
また、転極スイッチ手段52,54,56は、次のセンサ周期では、制御部18からの転極制御信号により連動して動作しa側から点線で示すb側に閉じ、セラミック素子12に第2の電極24側をプラスとする逆極性に転極した充電電圧の印加を可能とし、また、逆極性の充電電圧の印加で変化するセラミック素子12の両端電圧Vsをコンパレータ50に入力可能とし、更にスイッチ手段44のオンによるセラミック素子12の放電を可能とする。
制御部18は、CPU、メモリ、各種入出力ポートを備えたコンピュータ回路等であり、所定のセンサ周期毎に、スイッチ手段38のオンとスイッチ手段44のオフによるセラミック素子12の充電と、スイッチ手段44のオンとスイッチ手段38のオフによるセラミック素子12の放電を繰り返す制御を行う。
また、制御部18は、センサ周期毎に、転極スイッチ手段52,54,56に転極制御信号を出力し、センサ周期毎に切り替える転極制御を行わせる。
(センサ周期毎に転極する動作)
図5は図4における転極制御の実施形態を示したタイムチャートであり、セラミック素子12に印加する充電電圧の極性を、センサ周期毎に転極するようにしたことを特徴とする。ここで、図5(A)は周囲温度を示し、図5(B)はセラミック素子に充電電圧を印加するための充電トリガ信号を示し、図5(C)は転極制御信号を示し、図5(D)はコンパレータに入力する充電波形を示し、図5(E)はコンパレータ出力を示す。
図5に示すように、図4の制御部18は、転極スイッチ手段52,54,56にHレベルとなる転極制御信号を出力してa側に切り替えた状態で、センサ周期のオン期間(Hレベル期間)に、センサ動作部16のスイッチ手段38に矩形パルスによる充電トリガ信号を与えてオンし、抵抗40を介してセラミック素子12の第1の電極22側をプラスとする充電電圧を印加することで電流を流し、セラミック素子12を充電する。このときスイッチ手段44はオフしている。
続いて、制御部18は、矩形パルスのオン期間(Hレベル期間)に続くオフ期間(Lレベル期間)に、センサ動作部16のスイッチ手段38をオフすると共にスイッチ手段44のベース端子に矩形パルスの放電トリガ信号(図示せず)を与えてオンし、セラミック素子12の電荷を抵抗42及びスイッチ手段44を介して放電する。
スイッチ手段38のオンによるセラミック素子12の充電により、コンパレータ50に入力するセラミック両端電圧(充電電圧)Vsが上昇し、閾値電圧Vthに達した場合に、コンパレータ50の出力がHレベルになる。
制御部18は、セラミック素子12の充電開始からコンパレータ50の出力がHレベルになった時点までの経過時間を、セラミック素子12の充電時間Tとして測定する。このセラミック素子12の充電時間Tは、セラミック素子12の誘電率にほぼ一意に対応しており、さらにこの誘電率はセラミック素子12の温度にほぼ一意に対応しているため、セラミック素子12の充電時間Tに基づいて温度を測定できる。
続いて制御部18は、次のセンサ周期の開始タイミングで、Lレベルとなる転極制御信号を転極スイッチ手段52,54,56に出力してa側からb側に切り替える転極制御を行う。
また制御部18は、転極制御を行うと共に、矩形パルスの1周期となるオン期間(Hレベル期間)に、センサ動作部16のスイッチ手段38に矩形パルスによる充電トリガ信号を与えてオンし、抵抗40を介してセラミック素子12の第2の電極24側をプラスとする逆極性の充電電圧を印加することで電流を流し、セラミック素子12を逆極性に充電する。このときスイッチ手段44はオフしている。
続いて、制御部18は、矩形パルスのオン期間(Hレベル期間)に続くオフ期間(Lレベル期間)に、センサ動作部16のスイッチ手段38をオフすると共にスイッチ手段44に矩形パルスの放電トリガ信号(図示せず)を与えてオンし、セラミック素子12の電荷を抵抗42及びスイッチ手段44を介して放電する。
スイッチ手段38のオンによるセラミック素子12の充電により、コンパレータ50に入力するセラミック両端電圧(充電電圧)Vsが上昇し、閾値電圧Vthに達した場合に、コンパレータ50の出力がHレベルになる。以下、これを繰り返す。
このようなセンサ周期毎にセラミック素子12に印加する電圧の極性を転極することで、デンドライトが対極に向かって伸びていく度合いが大幅に抑制され、マイグレーションによるデンドライトの成長により電極間ショートし、電流リークにより機能不全となるまでの時間を長くすることを可能とする。
(異なる周期数毎に転極する動作
図6は図4における転極制御の他の実施形態を示したタイムチャートであり、セラミック素子12に印加する充電電圧の極性を、センサ周期の5回に1回の割合で転極するようにしたことを特徴とする。ここで、図6(A)は周囲温度を示し、図6(B)はセラミック素子に充電電圧を印加するための充電トリガ信号を示し、図6(C)は転極制御信号を示し、図6(D)はコンパレータに入力する充電波形を示し、図6(E)はコンパレータ出力を示す。
図6に示すように、図4の制御部18は、センサ周期の4周期の間、転極スイッチ手段52,54,56にHレベルとなる転極制御信号を出力してa側に切り替え、セラミック素子12に第1の電極22をプラス側とする充電電圧を印加し、続いて、センサ周期の1周期の間、転極スイッチ手段52,54,56にLレベルとなる転極制御信号を出力してb側に切り替え、セラミック素子12に第2の電極24をプラス側とする充電電圧を逆極性で印加し、これを繰り返している。
なお、各センサ周期におけるスイッチ手段38によるセラミック素子12の充電、スイッチ手段44によるセラミック素子12の放電、及びセラミック素子12の充電と放電に伴うコンパレータ50の入出力動作は、図5の動作と基本的に同じになる。
この転極制御により、センサ周期の4回に1回、セラミック素子12に印加する電圧の極性を転極することで、デンドライトが対極に向かって伸びていく度合いが抑制され、マイグレーションによるデンドライトの成長により電極間ショートし、電流リークにより機能不全となるまでの時間を長くすることを可能とする。
また、セラミック素子12に印加する充電電圧を転極する周期の回数は任意であり、センサ周期の任意のm回に1回転極してもよいし、任意のm回に任意のn回、転極するようにしても良く、更に、m=nであっても良い。
(複数周期毎に転極して一定時間継続する動作)
図7は図4における転極制御の他の実施形態を示したタイムチャートであり、セラミック素子に、充電電圧をセンサ周期の所定回数に亘り間欠的に印加した後に、転極して所定時間に亘り充電電圧を継続的に印加し、更に、センサ周期の所定回数で間欠的に印加する充電電圧の合計時間と、転極して充電電圧を継続的に印加する定時間とを等しくしたことを特徴とする。
ここで、図7(A)は周囲温度を示し、図7(B)はセラミック素子に充電電圧を印加するための充電トリガ信号を示し、図7(C)は転極制御信号を示し、図7(D)はコンパレータに入力する充電波形を示し、図7(E)はコンパレータ出力を示す。
図7に示すように、図4の制御部18は、センサ周期の4周期の間、転極スイッチ手段52,54,56にHレベルとなる転極制御信号を出力してa側に切り替え、この4周期の間、制御部18はセンサ周期に同期してスイッチ手段38に充電トリガ信号を出力してセラミック素子12を充電し、続いてスイッチ手段44に放電トリガ信号(図示せず)を出力してセラミック素子12を放電し、これに伴うコンパレータ50の出力からセラミック素子12の充電時間Tを測定する動作を繰り返している。
続いて制御部18は、所定時間T2の間、転極スイッチ手段52,54,56にLレベルとなる転極制御信号を出力してb側に切り替え、セラミック素子12に第2の電極24をプラス側とする充電電圧を逆極性で継続的に印加する。ここで所定時間T2は、センサ周期における充電電圧の印加時間をT1とすると、概ね
T2=4×T1
となるように設定し、セラミック素子12に対する転極前と転極後の電圧印加時間を等しくなるようにしている。
この転極制御により、デンドライトが対極に向かって伸びていく度合いが抑制され、マイグレーションによるデンドライトの成長により電極間ショートし、電流リークにより機能不全となるまでの時間を長くすることを可能とする。
また、セラミック素子12に印加する充電電圧を転極するまでのセンサ周期の回数mは任意であり、センサ周期のm回毎に、T2=(m×T1)時間に亘り転極する制御を繰り返すようにすれば良い。
なお、充電電圧を継続的に印加する所定時間T2の間は、セラミック素子12の充電時間Tの測定が停止することから、所定時間T2は充電時間Tに基づく温度測定に影響を及ぼすことのない短めの時間とすることが望ましい。
[音響装置]
(音響装置の概要)
図8は音響装置として動作するセラミックデバイスの機能構成の概略を示したブロック図である。
図8に示すように、音響装置100は、セラミック素子102、転極手段として機能する転極部104、音響駆動作手段として機能する音響駆動部106及び制御部108を備える。
セラミック素子102は、誘電体セラミックの両側に電極を配置した構造であり、図2に示したと同じ構造となるが、保護板26については、その熱膨張係数がセラミックに近いものから材料選択し、強度確保の観点と音響特性の観点からバランスを考慮して決定する。
音響駆動部106は、セラミック素子102を例えばブザーとして使用する場合は、外部から入力した所定時間に亘るブザー信号を増幅してブザー駆動電圧を印加する。このセラミック素子102をブザーとして使用する場合のブザー信号は発振回路を設けて発振信号を入力すれば良い。
転極部104は、音響駆動部106からセラミック素子102にブザー駆動電圧を印加した後に、極性を転極した所定の直流電圧に切り替えて所定時間に亘り印加する。この場合、転極部104は、ブザー駆動電圧の時間積分値と、直流電圧の時間積分値を略等しくする。
(音響装置の実施形態)
図9は、音響装置として動作するセラミックデバイスの実施形態を示した回路図である。
図9に示すように、音響装置100は、図8の概略構成に示したように、セラミック素子102、転極部104、音響駆動部106及び制御部108を備える。
音響駆動部106は、入力スイッチ手段110と音響増幅器112を備え、入力スイッチ手段110は制御部108からの制御信号により通常は図示のa側に切り替わっており、外部の発振回路等から入力したブザー信号を音響増幅器112に入力する。また入力スイッチ手段110はブザー信号を入力した後に制御部108からの制御信号によりb側に切り替えられ、定電圧源114から所定の直流電圧を音響増幅器112に入力する。音響増幅器112は入力スイッチ手段110からに入力したブザー駆動信号又は直流電圧を増幅して駆動電圧を出力する。
転極部104は、トランジスタ回路などで実現される転極スイッチ116,118を備える。転極スイッチ手段116は、セラミック素子102の第1の電極22を音響増幅器112の出力又はアース側に選択的に接続し、転極スイッチ手段118は、セラミック素子102の第2の電極24をアース側又は音響増幅器112の出力に選択的に接続し、セラミック素子102に印加する駆動電圧の極性を転極可能とする。
制御部108は、CPU、メモリ、各種入出力ポートを備えたコンピュータ回路等であり、入力スイッチ手段110及び転極スイッチ手段116,118を制御信号により連動して切り替える。即ち、制御部108は、通常は入力スイッチ手段110及び転極スイッチ手段116,118を図示のa側に切り替えており、外部から入力したブザー信号の入力が終了すると、これを検出して入力スイッチ手段110及び転極スイッチ手段116,118をb側に所定時間に亘り切り替える。
(音響装置の動作)
図10は図9の音響装置の動作によりセラミック素子に印加される駆動電圧を示したタイムチャートである。
図9の入力スイッチ手段110及び転極スイッチ手段116,118がa側に切り替わっている状態で、外部からブザー音響信号が入力すると、音響増幅器112から図10に示すブザー駆動電圧が出力され、転極スイッチ手段116,118を介して、セラミック素子102に第1の電極22をプラス側とし、第2の電極24をマイナス側とする極性でT0時間に亘り印加され、ブザー音が出力される。
このブザー信号の入力が終了すると、これを制御部108で検出し、入力スイッチ手段110及び転極スイッチ手段116,118をb側に切り替える。このため定電圧源114からの直流定電圧が音響増幅器112で増幅され、転極スイッチ手段116,118を介して、セラミック素子102に第2の電極24をプラス側とし、第1の電極22をマイナス側とする逆極性でT1時間に亘りの直流電圧V1が印加される。
ここで制御部108はT0時間に亘りセラミック素子102に印加される駆動電圧に対応するブザー音響信号の時間積分値を検出しており、この時間積分値を定電圧源114の直流電圧V1で割って転極時間T1を決定し、転極時間T1に亘り入力スイッチ手段110及び転極スイッチ手段116,118をb側に切り替え、直流電圧V1を逆極性でセラミック素子102に印加する。
その結果、制御部108は、ブザー駆動電圧の時間積分値と直流電圧の時間積分値を等しくするように転極部104の転極スイッチ手段116,118を制御することになる。
このような転極制御により、図10のT0時間に亘るブザー駆動電圧の印加により、プラス側となった第1の電極22から遊離して第2の電極24へ向う銀イオンは、次のT1時間に亘る逆極性となる直流電圧V1の印加により引き戻され、引き戻された第1の電極22付近で横に広がって堆積し、デンドライトの対極方向への成長が大幅に抑制される。
そのためマイグレーションにより、デンドライトが電極間ショートとなるまでの期間は、セラミック素子102に印加する電圧の極性を替えずに一定極性としていた場合に比べ、大幅に延ばす事を可能とする。
なお、転極によりセラミック素子102に直流電圧V1を逆極性で印加した場合、直流電圧V1の立ち上がりと立下りでセラミック素子102から音が出る場合があることから、音響増幅器112の出力側にローパスフィルタを設けて立ち上がりと立下りを緩やかな変化とし、これにより音が出ることを防止しても良い。
図11は図9の音響装置の動作によりセラミック素子に印加される駆動電圧の他の例を示したタイムチャートであり、転極した場合の直流電圧の印加は、ブザー駆動電圧の時間積分値と直流電圧の時間積分値を等しくすれば良いことから、例えば図10のV1の直流電圧に対し、それより大きい直流電圧V2を印加する場合、
V1・T1=V2・T2
の関係が維持できればよいことから、転極後に直流電圧V2の印加するT2時間を短い時間としている。
図12は図9の音響装置の動作によりセラミック素子に印加される駆動電圧の他の例を示したタイムチャートであり、この場合は、ブザー駆動電圧と同じ駆動電圧を転極して印加するようにしたことを特徴とする。
図12に示すように、T0時間に亘りブザー駆動電圧をセラミック素子102に印加して駆動し、これを制御部108に読み込んで記憶し、ブザー駆動電圧の印加終了を検出した場合、制御部108から記憶したブザー駆動電圧を再生出力し、転極部104の転極によりセラミック素子102に逆極性で、ブザー駆動電圧と同じ波形の駆動電圧をT0時間に亘り印加する。
このための音響装置100の構成は、図9に示した定電圧源114は取り除き、入力スイッチ手段110のb側を制御部108に接続して記憶したブザー駆動電圧を出力する構成とすれば良い。
この場合にも、図10のT0時間に亘るブザー駆動電圧の印加により、プラス側となった第1の電極22から遊離して第2の電極24へ向う銀イオンは、次の同じT0時間に亘る逆極性となるブザー駆動電圧の印加により引き戻され、引き戻された第1の電極22付近で横に広がって堆積し、デンドライトの対極方向への成長が大幅に抑制され、マイグレーションによりデンドライトが電極間ショートとなるまでの期間は、セラミック素子102に印加する電圧の極性を替えずに一定極性としていた場合に比べ、大幅に延ばす事ができる。
なお、図12における2回の同じ波形のブザー駆動電圧の発生は、外部の発振回路から2回続けて同じブザー信号を出力し、1回目のブザー信号の出力終了を検出して転極するようにしても良い。このときには、逆極性で駆動した間も、同一の音が発生することになり、繰り返しの警報音を発する場合等に応用できる。

〔本発明の変形例〕
上記の実施形態は、センサ装置及び音響装置として動作するセラミックデバイスを例にとるものであったが、セラミック素子に構造が似ている電子デバイスにあっては、同様にマイグレーションによる絶縁不良が起きることがあり、本発明はそれらへの適用も可能である。
例えば積層の誘電体セラミックを用いたセラミックコンデンサや圧電アクチュエータの駆動回路、セラミック素子を応用した焦電素子、セラミック素子の圧電性を応用した振動センサ、加速度センサ、圧力センサ等のセンサ素子及びMEMSセンサについて、同様に、転極部を設けてセラミック素子に印加する駆動電圧の極性を転極することで、マイグレーションにより電極ショートに至るまでの期間を長くすることができる。
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:センサ装置
12,102:セラミック素子
14,104:転極部
16:センサ動作部
18,108:制御部
20:誘電体セラミック
22:第1の電極
24:第2の電極
26:保護板
28,30:リード線
32:クラック
34: 金属イオン
36:デンドライト
38,44:スイッチ手段
50:コンパレータ
52,54,56,116,118:転極スイッチ手段
106:音響駆動部
100:音響装置
110:入力スイッチ手段
112:音響増幅器
114:定電圧源

Claims (8)

  1. 誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、前記セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより温度センサとして動作するセラミックデバイスに於いて、
    前記セラミック素子に所定のタイミングで所定のセンサ動作電圧を印加することにより、所定のセンサ情報に応じた当該セラミック素子の誘電率変化を検知するセンサ動作手段と、
    前記セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、所定のタイミングで反転する転極手段と、
    前記センサ動作電圧を印加するタイミング、及び前記センサ動作電圧の極性を反転するタイミングを制御すると共に、前記セラミック素子の誘電率変化に基づき、センサ情報検知信号を出力する制御手段と、
    を備え、前記制御手段の制御により、
    前記センサ動作手段は、前記セラミック素子に前記センサ動作電圧を所定のセンサ周期毎に間欠的に印加し、
    前記転極手段は、前記セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、前記センサ周期毎に繰り返し反転することを特徴とするセラミックデバイス。
  2. 誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、前記セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより温度センサとして動作するセラミックデバイスに於いて
    前記セラミック素子に所定のタイミングで所定のセンサ動作電圧を印加することにより、所定のセンサ情報に応じた当該セラミック素子の誘電率変化を検知するセンサ動作手段と、
    前記セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、所定のタイミングで反転する転極手段と、
    前記センサ動作電圧を印加するタイミング、及び前記センサ動作電圧の極性を反転するタイミングを制御すると共に、前記セラミック素子の誘電率変化に基づき、センサ情報検知信号を出力する制御手段と、
    を備え、前記制御手段の制御により、
    前記センサ動作手段は、前記セラミック素子に前記センサ動作電圧を所定のセンサ周期毎に間欠的に印加し、
    前記転極手段は、前記セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、前記センサ周期の所定回数に亘り維持した後に反転して前記センサ周期の他の所定回数に亘り維持し、これを繰り返すことを特徴とするセラミックデバイス。
  3. 誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、前記セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより温度センサとして動作するセラミックデバイスに於いて
    前記セラミック素子に所定のタイミングで所定のセンサ動作電圧を印加することにより、所定のセンサ情報に応じた当該セラミック素子の誘電率変化を検知するセンサ動作手段と、
    前記セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、所定のタイミングで反転する転極手段と、
    前記センサ動作電圧を印加するタイミング、及び前記センサ動作電圧の極性を反転するタイミングを制御すると共に、前記セラミック素子の誘電率変化に基づき、センサ情報検知信号を出力する制御手段と、
    を備え、前記制御手段の制御により、
    前記センサ動作手段は、前記セラミック素子に前記センサ動作電圧を所定のセンサ周期で所定回数に亘り間欠的に印加した後に所定時間に亘り継続的に印加して、これを繰り返し、
    前記転極手段は、前記セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、前記センサ周期の所定回数に亘り維持した後に反転して前記所定時間に亘り維持し、これを繰り返すことを特徴とするセラミックデバイス。
  4. 請求項記載のセラミックデバイスに於いて、前記制御手段は、前記センサ動作電圧を前記センサ周期の所定回数に亘り一方の極性で間欠的に印加した場合の合計時間と、前記センサ動作電圧を他の極性に反転して継続して印加した前記所定時間と略等しくなるように、前記センサ動作電圧を印加するタイミング、及び前記センサ動作電圧の極性を反転するタイミングを制御することを特徴とするセラミックデバイス。
  5. 誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、前記セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより音響源として動作するセラミックデバイスに於いて
    前記セラミック素子に所定の音響駆動電圧を印加した後に所定の直流電圧に切り替えて印加する音響駆動手段
    前記セラミック素子に印加される電圧の極性を反転する転極手段と、
    前記音響駆動電圧の印加後に前記セラミック素子に印加される電圧の極性を反転して前記直流電圧の印加に切り替えるタイミング、及び前記音響駆動電圧の時間積分値と、前記直流電圧の時間積分値が略等しくなるように前記直流電圧を印加する時間を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするセラミックデバイス。
  6. 誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、前記セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより音響源として動作するセラミックデバイスに於いて
    前記セラミック素子に所定の音響駆動電圧を印加した後に、当該音響駆動電圧と同じ駆動電圧を印加する音響駆動手段と、
    前記セラミック素子に印加される電圧の極性を反転する転極手段と、
    前記音響駆動電圧の印加後に前記セラミック素子に印加される電圧の極性を反転して当該音響駆動電圧と同じ駆動電圧の印加に切り替えるタイミングを制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするセラミックデバイス。
  7. 誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、前記セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより温度センサとして動作するセラミックデバイスの動作方法に於いて、
    センサ動作手段により、前記セラミック素子に所定のタイミングで所定のセンサ動作電圧を印加することにより、所定のセンサ情報に応じた当該セラミック素子の誘電率変化を検知し、
    転極手段により、前記セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、所定のタイミングで反転し、
    制御手段により、前記センサ動作電圧を印加するタイミング、及び前記センサ動作電圧の極性を反転するタイミングを制御すると共に、前記セラミック素子の誘電率変化に基づき、センサ情報検知信号を出力し、
    前記制御手段の制御により、
    前記センサ動作手段が、前記セラミック素子に前記センサ動作電圧を所定のセンサ周期毎に間欠的に印加し、
    前記転極手段が、前記セラミック素子に印加されるセンサ動作電圧の極性を、前記センサ周期毎に繰り返し反転することを特徴とするセラミックデバイスの動作方法。
  8. 誘電体セラミックの両側に電極を配置したセラミック素子を備え、前記セラミック素子に所定の動作電圧を印加することにより音響源として動作するセラミックデバイスの動作方法に於いて
    音響駆動手段により、前記セラミック素子に音響駆動電圧を印加した後に所定の直流電圧に切り替えて印加し
    転極手段により、前記セラミック素子に印加される電圧の極性を反転し、
    制御手段により、前記音響駆動電圧の印加後に前記セラミック素子に印加される電圧の極性を反転して前記直流電圧の印加に切り替えるタイミング、及び前記音響駆動電圧の時間積分値と、前記直流電圧の時間積分値が略等しくなるように前記直流電圧を印加する時間を制御することを特徴とするセラミックデバイスの動作方法。
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