JP6079603B2 - 異方性光拡散シートおよび光拡散方法 - Google Patents
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Description
特許文献2の照明装置は、直線状に配列された複数の点光源の光を集光レンズにより点光源の配列方向と直交する方向に集光させ、更に集光させた光のうち所望の照射範囲外へ照射される光を遮蔽手段によって遮る照明装置である。
更に、遮光手段を光吸収材料で構成した場合は、光の利用効率が低下する問題があり、遮光手段を光反射材料で構成した場合でも、明るさに斑が生じてしまう問題がある。
本発明は、長方形状や楕円状の範囲を斑なく照射する照明装置や表示装置に適した光拡散手段を得ることを目的としている。
[1] シートの片面に、一方向Yに沿って波状の凹凸が繰り返されることによって形成された第1凹凸パターンを有すると共に、第1凹凸パターンの表面に、前記方向Yに沿って波状の凹凸が繰り返されることによって形成された第2凹凸パターンを有し、前記第1および第2凹凸パターンが表面から見た場合に蛇行していることを特徴とする異方性拡散シートであって、前記異方性拡散シートの第1および第2凹凸パターンを有する面から光を入射し、前記第1凹凸パターンおよび第2凹凸パターンを有する面と反対の面から出射する時の1/10値角度が前記方向Yにおいて80°を超え、前記方向Yと直交するX方向において5〜15°であることを特徴とする異方性光拡散シート。
[2] 前記第1凹凸パターンの配向度が0.2〜0.5、且つ、前記第2凹凸パターンの配向度が0.2〜0.5である[1]に記載の異方性光拡散シート。
[3] 前記第1凹凸パターンの配向方向と前記第2凹凸パターンの配向方向との差が5°以内である[1]または[2]のいずれかに記載の異方性光拡散シート。
[4] 前記第1凹凸パターンの最頻ピッチが3〜20μm、前記第2凹凸パターンの最頻ピッチが0.3〜2.0μmである[1]〜[3]のいずれかに記載の異方性光拡散シート。
[5] 略平行光を[1]〜[4]のいずれかに記載の異方性光拡散シートの前記第1凹凸パターンが形成された面に入射し、前記第1凹凸パターンが形成されていない面から出射する光拡散方法。
[6] 前記異方性光拡散シートの面と前記略平行光の光軸の成す角度が、60〜90度の範囲となるように配置されている[5]に記載の光拡散方法。
本発明の異方性光拡散シートの一実施形態について説明する。
図1および図2に、本実施形態の異方性光拡散シートを示す。本実施形態の異方性光拡散シート1は、その少なくとも片面に凹凸パターン10を有する。ここで、凹凸パターン10は、第1の凹凸パターン11と、第1の凹凸パターン11の表面に形成された第2の凹凸パターン12とを有する。
また、「隣り合う突条部」とは、Y方向において、任意の突条部11aと、そのすぐ横に配置されている突条部11aのことを指す。
また、第2の凹凸パターン12は、第1の凹凸パターン11の表面に複数の突条が、Y方向に対して配列することによって形成されている。以下、第2の凹凸パターン12の突条部の1つを「突条部12a」として、任意の隣り合う突条部12a間の凹部の谷底部分を「凹部12b」として説明する。
また、突条部11aの稜線は、図4の電子顕微鏡写真において、白く見えるラインのことを指す。また、突条部12aの稜線は、図3の電子顕微鏡写真において、第1の凹凸パターン11の突条部11aの表面に、白く見えるラインのことを指す。
ここで、「フリンジパターン」とは、規則性のある凹凸パターンを有する光拡散シートを光が透過する際に発生する縞状のパターンを意味する。
ここで、「隣り合う2つの突条部11aの稜線の間隔」とは、Y方向に沿って隣り合う2つの突条部11aの、頂部と頂部の間隔(距離)のことを意味する。
図3に示すように、第2の凹凸パターン12は、第1の凹凸パターン11の表面に、複数の突条部12aが配列することによって形成されている。
複数の突条部12aの稜線の間隔は、Y方向において不規則に変化している。また、隣り合う2つの突条部12aの稜線の間隔は、X方向において不規則に、かつ連続的に変化していることが好ましい。ただし、Y方向、及びX方向において、突条部12aの稜線の間隔が変化しない部分を含んでいてもよい。また、突条部12aの稜線は、その途中で任意の他の突条部12aの稜線に枝分かれしていてもよく、複数の突条部12aの稜線が重なっていてもよい。
最頻ピッチP1=1/E1 ・・・(1)
具体的に、最頻ピッチP1は異方性光拡散シートの電子顕微鏡画像より求めることができる。以下に、電子顕微鏡を用いた最頻ピッチの算出方法について説明する。
まず、異方性光拡散シート1の凹凸パターン10が形成されている面を、法線方向から電子顕微鏡で観察する。観察条件は、加速電圧15〜20kV、ワーキングディスタンス5〜15mm程度で行うことが好ましい。電子顕微鏡観察における観察倍率は、第1の凹凸パターン11の突条部11aの配列数が、20〜50列となるように適宜調整することが好ましい。
続いて、観察条件はそのままで、第2の凹凸パターン12の電子顕微鏡観察を行う。観察倍率は、Y方向における突条部12aの配列数が、20〜50列になるように適宜変更する。得られた電子顕微鏡写真(図3参照)を、2次元フーリエ変換してフーリエ変換画像(図6)を得る。ここで、得られた電子顕微鏡写真がJPEG等の圧縮画像である場合は、TIFF画像等のグレースケール画像に変換してから、2次元フーリエ変換を行うことが好ましい。
突条部11aの平均高さB1は次のようにして求める。すなわち、異方性光拡散シート1の凹凸パターン10が形成された面を、法線方向から電子顕微鏡により観察し、その観察像からY方向に沿って切断した断面図(図2参照)を得る。ここで、電子顕微鏡の観察条件は、前述の最頻ピッチP1を求める際に用いた条件と同じであってもよい。
一方、第1の凹凸パターン11の配向度C1は0.50以下であることが好ましく、0.45以下であることがより好ましく、0.40以下であることがさらに好ましい。配向度C1が前記上限値以下、すなわち、0.50以下であれば、光がX方向に比べてY方向に強く拡散する異方性光拡散特性が得られる。すなわち、第1の凹凸パターン11の配向度C1は、0.20〜0.50であることが好ましく、0.30〜0.40であることがより好ましい。
まず、最頻ピッチP1を求める際に得た図5のフーリエ変換像を利用し、突条部11aのピッチの最大頻度D1が、X軸上を通るように、フーリエ変換像の中心部を軸として回転させたフーリエ変換像を作成する(図8)。ここで、「X軸」とは、フーリエ変換像の中心部を通り、画像に対して水平な線のことを指す。次いで、最大頻度D1を通り、Y方向に平行な補助線M1を引き、補助線M1上の周期の頻度を縦軸に、最大頻度D1からの距離を横軸にとってグラフを作成する(図9)。図9のグラフから、得られたピークの半減値V1(補助線M1上の周期の頻度の値が、最大頻度D1の半分になる位置でのピークの幅)を求める。得られた値を以下の式(2)に当てはめて、配向度C1を求める。
配向度C1=V1/E1 ・・・(2)
第1の凹凸パターン11の突条部11aと凹部11bを含む波状の凹凸が正弦波状であると、光拡散性に優れたシートが得られるため好ましい。
最頻ピッチP2=1/E2 ・・・(3)
具体的に、最頻ピッチP2は異方性光拡散シートの電子顕微鏡画像より求めることができる。最頻ピッチP2は、図6のフーリエ変換画像を用いて、第1の凹凸パターン11の最頻ピッチP1の算出方法と同様の方法にて、求めることができる。
突条部12aの平均高さB2は次のようにして求める。すなわち、異方性光拡散シート1の凹凸パターン10が形成された面を、法線方向から電子顕微鏡により観察し、その観察像からY方向に沿って切断した断面図(図2参照)を得る。ここで、電子顕微鏡の観察条件は、前述の最頻ピッチP1を求める際に用いた条件と同じであってもよい。
まず、上述の最頻ピッチP1を求める際に得られた電子顕微鏡画像図3、及び図4において、これら画像に共通する突条の稜線方向を一致させる。
図4のフーリエ変換像である図5において、フーリエ変換像の中心部以外で、突条部11aのピッチの最大頻度を示す位置D1から、フーリエ変換像の中心部に引いた線L1と、X軸から構成される角度θ1を、第1の凹凸パターン11の配向方向とする(図10参照)。
次に、図3のフーリエ変換像である図6において、フーリエ変換像の中心部以外で、突条部12aのピッチの最大頻度を示す位置D2から、フーリエ変換像の中心部に引いた線L2と、X軸から構成される角度θ2を、第2の凹凸パターン12の配向方向とする。
得られたθ1とθ2との差、すなわち、θ1−θ2で表される角度から配向方向の差を求めることができる。
まず、ゴニオメーター(型式:GENESIA Gonio/FFP、ジェネシア社製)を用いて透過散乱光を測定することにより、照度曲線を得る。具体的には、異方性光拡散シートから垂直に出射する光(この光の出光角度を0°とする。)の照度を1とした際の相対照度を、X方向またはY方向に沿って出光角度−90°から90°までの相対照度を1°間隔で測定して、照度曲線を得る。ここで、照度曲線とは、図11に示すような、横軸を出光角度とし、縦軸を相対照度として、プロットとした曲線である。
そして、得られた照度曲線から光の1/10値角度(図11中のW2)を求める。
異方性光拡散シート1が、後述する異方性光拡散シートの製造方法により得られたシートそのものである場合には、通常、断面から見た場合に蛇行変形した硬質層と表面が硬質層の変形に追従して変形した基材層の2層で構成される。また、複製シートである場合には、通常、表面に凹凸が転写された樹脂からなる1層または、表面に凹凸が一方の面に転写された凹凸形成層と前記凹凸形成層の凹凸が転写されていない面に積層された平坦な基材層の2層で構成される。
また、本発明の異方性光拡散シートは、その表面形状を転写して異方性光拡散シートを製造するための原版シートとして使用することもできる。
次に、異方性光拡散シート1の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の異方性光拡散シート1の製造方法は、積層フィルム形成工程と加熱収縮工程とを有する。
本実施形態における積層フィルム形成工程は、加熱収縮性樹脂フィルムの片面に、表面が平滑で2種の樹脂からなる硬質層(以下、「表面平滑硬質層」という。)を少なくとも1層積層させて積層フィルムを得る工程である。ここで、表面平滑硬質層とは、JIS B0601に記載の方法により測定される中心線平均粗さが0.1μm以下の層であって、加熱収縮性樹脂フィルムを収縮させる温度条件下で軟化しない層である。また、軟化しないとは、表面平滑層のヤング率が100MPa以上であることを意味する。
また、加熱収縮性樹脂フィルムは、1.1〜15倍の延伸倍率で延伸されていることが好ましく、1.3〜10倍で延伸されていることがより好ましい。
上述のようなガラス転移温度Tg1、及びヤング率を有する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、及びポリ塩化ビニル系樹脂から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
表面平滑硬質層の厚さは連続的に変化していても構わない。表面平滑硬質層の厚さが連続的に変化している場合には、圧縮後、すなわち、加熱収縮工程後に形成される第1の凹凸パターン11の突条部11aのピッチおよび高さが連続的に変化するようになる。
加熱収縮性樹脂フィルムへの樹脂溶液の乾燥塗工量は、1〜10g/m2にすることが好ましい。樹脂溶液の乾燥塗工量が1〜10g/m2であれば、表面平滑硬質層の厚みを上述の好ましい範囲とすることができ、前記表面平滑硬質層に凹凸パターン10が形成されやすいため好ましい。
加熱収縮工程は、上記積層フィルムを加熱して加熱収縮性樹脂フィルムを収縮させることにより、前記表面平滑硬質層を折り畳むように変形させて、加熱収縮性樹脂フィルムの表面に凹凸パターン10を形成する工程である。
上記製造方法の条件を調整することによって、Y方向およびX方向の1/10値角度、第1の凹凸パターン11の最頻ピッチP1、突条部11aのアスペクト比A1、および配向度C1、第2の凹凸パターン12の最頻ピッチP2、突条部12aのアスペクト比A2、および配向度C2、第1の凹凸パターン11の配向方向と第2の凹凸パターン12の配向方向の差を調整することができる。
上記の製造方法は、表面平滑硬質層が2種の樹脂から構成されたが、これに限定されるものではない。
また、異方性光拡散シートは、上記製造方法により得たものを原版シートとして用い、以下に示すような方法で他の素材に転写させることにより、製造することもできる。
原版シートには、異方性光拡散シート1を支持するための樹脂製または金属製の支持体が取り付けられてもよい。
(a)原版シートの凹凸パターンが形成された面に、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂を塗工する工程と、活性エネルギー線を照射して前記硬化性樹脂を硬化させた後、硬化した塗膜を原版シートから剥離する工程とを有する方法。ここで、活性エネルギー線とは、通常、紫外線または電子線のことであるが、本発明では、可視光線、X線、イオン線等も含む。
2次工程用成形物を用いる具体的な方法としては、下記(d)〜(f)の方法が挙げられる。
原版シートの凹凸パターンが形成された面に、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂を塗工するコーターとしては、Tダイコーター、ロールコーター、バーコーター等が挙げられる。
未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂を紫外線により硬化する場合には、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤を添加することが好ましい。
また、(b)の方法における硬化温度は、原版シートのガラス転移温度より低いことが好ましい。硬化温度が原版シートのガラス転移温度以上であると、硬化時に原版シートの凹凸パターンが変形するおそれがあるからである。
シート状の熱可塑性樹脂を2次工程用成形物に押圧する際の圧力は1〜100MPaであることが好ましい。押圧時の圧力が1MPa以上であれば、凹凸パターン10を高い精度で転写させることができ、100MPa以下であれば、過剰な加圧を防ぐことができる。
加熱後の冷却温度としては、凹凸パターン10を高い精度で転写させることができることから、熱可塑性樹脂のガラス転移温度未満であることが好ましい。
(d)〜(f)の方法では、熱による変形が小さい金属製シートを原版シートとして用いるため、異方性光拡散シート用の材料として、活性エネルギー線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用できる。
本発明の異方性光拡散シートの使用方法について説明する。図12はLED光源が線状に1列配列された照明に集光レンズおよび本発明の異方性光拡散シートを配置した場合の光の広がりを示す概念図である。図12−AはLED光源の配列方向が左右方向になる位置から見た場合の光の広がしを示しており、図12−BはLEDの配列方向が紙面手前−奥方向になる位置から見た場合の光の広がりを示している。
また、異方性光拡散シートに照射される光のフレネル反射を抑えるために、前記略平行光の照射軸と前記異方性光拡散シートの面のなす角度が60°〜90°の範囲となるようにLED光源、集光レンズおよび異方性光拡散シートを配置することが望ましい。
ガラス転移温度128℃のアクリル樹脂(樹脂N)とガラス転移温度139℃のアクリル樹脂(樹脂M)を質量比1:1で混合し、トルエンに希釈して、硬質層形成用塗料(固形分濃度8質量%)を得た。この塗料を、主に一軸方向に収縮する加熱収縮性樹脂フィルム(ポリエチレンテレフタレート系シュリンクフィルム、製品名SC807、東洋紡績社製、厚さ30μm)の片面に、バーコーターにより、乾燥後の厚さが2μmになるように塗工した。次いで、乾燥させることにより、表面平滑硬質層を形成して積層シートを得た。
積層シートのX方向の長さが、加熱前の積層シートの93%(すなわち、収縮率7%)となるように、積層シートに掛かる張力を調整したこと以外は実施例1と同様の操作にて、異方性光拡散シートの2次転写品を得た。
透明PET基材と紫外線硬化性樹脂Aの代わりに、ニッケル電鋳により異方性光拡散シートの凹凸パターンが反転したパターンを有するニッケル電鋳スタンパを作製し、前記ニッケル電鋳スタンパを一次転写品として使用する以外は実施例1と同様の操作にて、異方性光拡散シートの2次転写品を得た。
硬質層形成用塗料を、ガラス転移温度128℃のアクリル樹脂をトルエンに希釈して得たものに変更した以外は実施例1と同様の操作にて、異方性光拡散シートの2次転写品を得た。
硬質層形成用塗料を、ガラス転移温度139℃のアクリル樹脂をトルエンに希釈して得たものに変更した以外は実施例1と同様の操作にて、異方性光拡散シートの2次転写品を得た。
積層シートの加熱温度を150℃に変更し、加熱後の積層シートの1軸収縮方向(=Y方向)の長さが、加熱前の積層シートの主たる収縮方向の長さの65%(すなわち、収縮率35%)となるように、積層シートに掛かる張力を調整したこと以外は実施例1と同様の操作にて、異方性光拡散シートの2次転写品を得た。
積層シートのX方向の長さが、加熱前の積層シートと同一の長さ(すなわち、収縮率0%)となるように、積層シートに掛かる張力を調整したこと以外は実施例1と同様の操作にて、異方性光拡散シートの2次転写品を得た。
積層シートのX方向の長さが、加熱前の積層シートの85%(すなわち、収縮率15%)となるように、積層シートに掛かる張力を調整したこと以外は実施例1と同様の操作にて、異方性光拡散シートの2次転写品を得た。
実施例1〜3および比較例3〜5の異方性光拡散シートを顕微鏡観察したところ、第1の凹凸パターンの表面に第2の凹凸パターンが形成されていることが確認された。
比較例1および2の異方性光拡散シートを顕微鏡観察したところ、第1凹凸パターンの表面に第2凹凸パターンが形成されていないことが確認された。
電子顕微鏡:日立ハイテクノロジーズ社製S−3600N
分解能:3.0nm(2次電子像)、4.5nm(反射電子像)、
加速電圧:0.5〜30kV、倍率:12〜300,000
観察条件:加速電圧15kV、ワーキングディスタンス10mm
最頻ピッチ、アスペクト比および配向度、及び配向方向の差の測定結果を表1に示す。
上述した方法に沿って、最頻ピッチP1及びP2を算出した。
上述した方法に沿って、アスペクト比A1及びA2を算出した。
上述した方法に沿って、配向度C1及びC2を算出した。
上述した方法に沿って、配向方向の差を算出した。
ゴニオメーター(型式:GENESIA Gonio/FFP、ジェネシア社製)を用いて透過散乱光を測定することにより、照度曲線を得た。具体的には、異方性光拡散シートの測定光を第1の凹凸パターンを有する方向から入射させ、第1の凹凸パターンを有する面と反対の面から出射させたときの、垂直に出射する光(この光の出光角度を0°とする。)の照度を1とした際の相対照度を、Y方向に沿って出光角度−90°から90°までの相対照度を1°間隔で測定して、照度曲線を得た。ここで、照度曲線とは、図11に示すような、横軸を出光角度とし、縦軸を相対照度として、プロットとした曲線である。
そして、照度曲線における1/10値角度(図11中のW2)を求めた。
1/10値角度の測定結果を表1に示す。
実施例および比較例の異方性光拡散シートの光拡散性の評価方法について説明する。
図13に示すように、LED光源(照射角度: 約120°)の出光部に集光レンズを配置し、集光レンズを通過し略平行光となった光を、異方性光拡散シートの第1の凹凸パターンを有する面から、略平行光の軸と異方性光拡散シート面が90°となるように入射させ、第1の凹凸パターンを有する面と反対の面から出射させ、前記出射光を床面に照射した。
照度測定結果を表1に示す。ここで、表1の照度は、実施例1における位置Gでの照度を100としたときの相対値である。
これに対し、比較例1〜5の異方性光拡散シートを使用した場合は、位置HまたはIのいずれかの相対照度が45より小さくなり、LED光を照射させたいエリアに効率よく拡散させる性能が不十分であった。
10 凹凸パターン
11 第1の凹凸パターン
11a 突条部
11b 凹部
12 第2の凹凸パターン
12a 突条部
12b 凹部
13 LED光源
14 集光レンズ
15 光の広がり
Claims (7)
- シートの片面に、一方向Yに沿って波状の凹凸が繰り返されることによって形成された第1凹凸パターンを有すると共に、第1凹凸パターンの表面に、前記方向Yに沿って波状の凹凸が繰り返されることによって形成された第2凹凸パターンを有し、前記第1および第2凹凸パターンが表面から見た場合に蛇行していることを特徴とする異方性拡散シートであって、前記異方性拡散シートの第1および第2凹凸パターンを有する面から光を入射し、前記第1凹凸パターンおよび第2凹凸パターンを有する面と反対の面から出射する時の1/10値角度が前記方向Yにおいて80°を超え、前記方向Yと直交するX方向において5〜15°であることを特徴とする異方性光拡散シート。
- 前記第1凹凸パターンの配向度が0.2〜0.5、且つ、前記第2凹凸パターンの配向度が0.2〜0.5である請求項1に記載の異方性光拡散シート。
- 前記第1凹凸パターンの配向方向と前記第2凹凸パターンの配向方向との差が5°以内である請求項1または2のいずれかに記載の異方性光拡散シート。
- 前記第1凹凸パターンの最頻ピッチが3〜20μm、前記第2凹凸パターンの最頻ピッチが0.3〜2.0μmである請求項1〜3のいずれかに記載の異方性光拡散シート。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の異方性光拡散シートを含む照明装置又は表示装置。
- 略平行光を請求項1〜4のいずれかに記載の異方性光拡散シートの前記第1凹凸パターンが形成された面に入射し、前記第1凹凸パターンが形成されていない面から出射する光拡散方法。
- 前記異方性光拡散シートの面と前記略平行光の光軸の成す角度が、60〜90度の範囲となるように配置されている請求項6に記載の光拡散方法。
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