JP6024335B2 - 周期表第13属金属窒化物半導体基板の製造方法 - Google Patents

周期表第13属金属窒化物半導体基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、周期表第13属金属窒化物半導体結晶の製造方法に関する。具体的には、M面を主面とする下地基板上に、少なくともM面および半極性面を成長面として、アモノサーマル法によって周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる工程を含み、さらに前記下地基板の主面よりも大面積のM面を主面とする板状結晶を得る工程を含む周期表第13属金属窒化物半導体結晶の製造方法に関する。
従来から、窒化ガリウム(GaN)系化合物などの周期表第13属金属窒化物は、周期表第13族金属窒化物半導体基板の半導体材料として用いられており、周期表第13属金属窒化物半導体基板は発光デバイスなどの様々なデバイスに使用されている。近年は、周期表第13属金属窒化物半導体基板は、発光デバイス用途に加え、電力用半導体素子(パワーデバイス)にも用いられるようになっている。このため、高圧力、大電流に耐え得る周期表第13属金属窒化物半導体基板の開発が進められている。
窒化ガリウムや窒化アルミニウム等窒化物の単結晶は、アモノサーマル法などを利用し、結晶を成長させることで得ることができる。アモノサーマル法は、超臨界状態及び/又は亜臨界状態にあるアンモニアなどの窒素を含有する溶媒を用いて、原材料の溶解−析出反応を利用して所望の材料を製造する方法である。結晶成長へ適用するときは、アンモニアなどの溶媒への原料溶解度の温度依存性を利用して温度差により過飽和状態を発生させて結晶を析出させる方法である。
従来は、周期表第13属金属窒化物半導体基板は、極性面であるC面を主面としたものが多く用いられていた。しかし、この場合、GaNなどの第13族窒化物結晶の固有特性により、ピエゾ電界の影響が大きくなり、発光素子の効率が低下するという問題があった。また、C面を主面とした半導体基板では、貫通転位といった結晶欠陥が発生する場合があり、転位密度が高くなることがあった。
これらの問題を解決するために、C面以外の非極性面や半極性面を主面とした基板を用いて発光デバイスを作製することが検討されている。そのため、デバイスを作製し得る大型の非極性面や半極性面を主面とした基板を製造することが求められている。例えば、特許文献1〜3には、M面を成長主面とした種結晶を用いて、結晶成長を行うことが開示されている。
特許文献1では、得られた成長結晶の側面がA面とC面であり、成長結晶の主面は横方向成長により得られるM面のみから構成されている。特許文献2および3においても同様に、主面をM面として結晶成長を行うことのみが記載されている。なお、特許文献3では、結晶成長時に用いる鉱化剤として、アルカリ鉱化剤が好ましく用いられている。
国際公開2010/005914号パンフレット 特表2011−521878号公報 特表2009−541997号公報
M面を主面とする周期表第13属金属窒化物半導体基板(以下、第13族窒化物半導体基板ともいう)を効率的に得る場合、M面を成長主面とした第13族窒化物結晶を成長させる必要がある。しかしながら、M面を成長面としたm軸方向の結晶成長の速度は遅く、M面を主面とした半導体基板のサイズを大きくすることは困難であった。さらに、M面を主面とした半導体基板はサイズが小さい上に、結晶成長速度が遅いため、単位面積当たりの製造コストが非常に高くなるという問題があった。
また、M面を成長主面とした第13族窒化物結晶を成長させる従来の方法では、C面を成長面として厚膜成長を行って形成した一次ウエハから窒化物半導体バーを切り出して、M面が上面となるように配列した基板の上に窒化物半導体を再成長させることがなされていた。すなわち、基板の製造条件と同じ条件で基板上にM面を主面とした結晶を成長させることができないという問題があった。このため、効率よくM面を主面とした第13族窒化物結晶を得ることができないという問題があった。
そこで本願発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、M面を主面とした第13族窒化物結晶であって、主面の面積が大きく、高品質の結晶からなり、かつ製造コストが抑制された第13族窒化物結晶を製造する方法を提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本願発明者らは、周期表第13族金属窒化物半導体から構成され、M面を主面とする下地基板上に、少なくともM面および半極性面を成長面として、アモノサーマル法によって周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させることにより、M面を主面とする板状基板であって、下地基板の面積よりも大きな板状基板を得ることができることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1]周期表第13族金属窒化物半導体からなり、M面を主面とする下地基板上に、少なくともM面および半極性面を成長面として、アモノサーマル法によって第1の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる第1成長工程と、前記第1成長工程の後に、前記第1の周期表第13族金属窒化物結晶層から、前記下地基板の主面よりも大面積のM面を主面とする板状結晶を得る板状結晶作製工程を含むことを特徴とする周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[2]前記板状結晶作製工程の後に、前記板状結晶上に、少なくともM面および半極性面を成長面として、アモノサーマル法によって第2の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる第2成長工程をさらに含む[1]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[3]前記下地基板の主面の面積をPとし、前記板状結晶の主面の面積をQとしたときに、Q/Pは1.05〜10である[1]または[2]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[4]前記板状結晶は、m軸方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなるM面成長領域と、m軸からc軸方向に10°〜80°の角度で傾斜した方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなる半極性面成長領域とを含み、前記板状結晶の主面全体の面積において、前記M面成長領域のM面面積が占める割合は、50%以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[5]前記板状結晶の主面おいて、前記M面成長領域のM面面積は、前記下地基板の主面のM面面積よりも大きい[4]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[6]前記第1成長工程は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む鉱化剤を反応させる工程を含む[1]〜[5]のいずれかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[7]前記第2成長工程は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む鉱化剤を反応させる工程を含む[2]〜[6]のいずれかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[8]前記鉱化剤は、フッ素およびヨウ素を含む鉱化剤である[6]または[7]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[9]前記鉱化剤に含まれるフッ素の濃度をFとし、前記鉱化剤に含まれるヨウ素の濃度をIとしたときに、I/Fは、0.5〜10である[8]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[10]前記板状結晶作製工程は、前記第1の周期表第13族金属窒化物結晶層をスライスする工程を含む[1]〜[9]のいずれかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[11]前記スライスする工程は、前記第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の厚さに対して45%以下の範囲内のいずれかの深さの位置でスライスする工程である[10]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[12][1]〜[11]のいずれかに記載の製造方法により製造した周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
本発明によれば、M面を主面とした第13族窒化物結晶であって、主面の面積が大きい第13族窒化物結晶を効率良く製造することができる。さらに、本発明によれば、下地基板よりもM面の面積が大きな第13族窒化物結晶からなる板状基板を効率良く製造することができる。加えて、高品質の結晶からなる高品質領域を、結晶主面中に広い割合で確保できる。
また、本発明によれば、M面を主面とした第13族窒化物結晶の製造効率を高めることができ、製造コストを抑制することができる。
図1は、第13族窒化物半導体の結晶構造のユニットセルを表した模式図である。 図2は、結晶成長に用いる下地基板(種結晶)の一態様を示す模式図である。 図3は、M面を主面とする本発明で用いる第13族窒化物半導体結晶塊の一例の概略図である。 図4は、本発明で用いる第13族窒化物半導体結晶塊の断面概略図である。 図5は、本発明で用いる第13族窒化物半導体結晶塊の断面概略図である。 図6は、本発明で用いることができる結晶製造装置の模式図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明に係る第13族窒化物結晶の材料となる第13族窒化物系化合物は、図1に示すように、六方晶系の結晶構造を有している。本明細書において「主面」とは、結晶における最も広い面であって、通常は結晶成長を行うべき面を指す。なお、「側面」とは主面に交差する面を意味し、主面と隣接していても隣接していなくてもよい。
本明細書において「C面」とは、六方晶構造(ウルツ鋼型結晶構造)における{0001}面と等価な面であり、極性面である。例えば、図1に示す(0001)面とその反対面である(000−1)面を指し、それぞれ+C面、−C面と称することがある。第13族窒化物結晶では、+C面は周期表13族面で−C面は窒素面であり、窒化ガリウムではそれぞれGa面又はN面に相当する。
また、本明細書において「M面」とは、{1−100}面、{01−10}面、{−1010}面、{−1100}面、{0−110}面、{10−10}面として包括的に表される非極性面であり、具体的には(1−100)面や、(01−10)面、(−1010)面、(−1100)面、(0−110)面、(10−10)面を意味する。さらに、本明細書において「A面」とは、{2−1−10}面、{−12−10}面、{−1−120}面、{−2110}面、{1−210}面、{11−20}面として包括的に表される非極性面である。具体的には(11−20)面や、(2−1−10)面、(−12−10)面、(−1−120)面、(−2110)面、(1−210)面を意味する。本明細書において「c軸」「m軸」「a軸」とは、それぞれC面、M面、A面に垂直な軸を意味する。
本明細書において「非極性面」とは、表面に第13族元素と窒素元素の両方が存在しており、かつその存在比が1:1である面を意味する。具体的には、M面やA面を挙げることができる。なお、本明細書において極性面や非極性面を称する場合には、±0.01°以内の精度で計測される各結晶軸から10°未満のオフ角を有する範囲内の面を含む。好ましくはオフ角が5°以内であり、より好ましくは3°以内である。c軸、m軸、a軸についても同様に、オフ角を有する範囲内の軸方向を含む。
本明細書において「半極性面」とは、例えば、周期表13族窒化物が六方晶であってその主面が(hklm)で表される場合、{0001}面以外で、m=0ではない面をいう。すなわち(0001)面に対して傾いた面で、かつ非極性面ではない面をいう。表面に周期表13族元素と窒素元素の両方あるいはC面のように片方のみが存在する場合で、かつその存在比が1:1でない面を意味する。h、k、l、mはそれぞれ独立に−5〜5のいずれかの整数であることが好ましく、−2〜2のいずれかの整数であることがより好ましく、低指数面であることが好ましい。
なお、本明細書においては、半極性面をS面と表記する場合がある。また、半極性面に垂直な軸を「s軸」と表記する場合がある。よって、m軸からc軸方向に10°〜80°の角度で傾斜した方向はs軸方向と一致する。
(第13族窒化物結晶の製造方法)
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法は、M面を主面とする下地基板上に第1の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる第1成長工程と、第1成長工程の後に、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層から、下地基板の主面よりも大面積のM面を主面とする板状結晶を得る板状結晶作製工程を含む。第1の周期表第13族金属窒化物結晶層は、周期表第13族金属窒化物半導体から形成され、M面を主面とする下地基板上に、少なくともM面および半極性面を成長面として、アモノサーマル法で結晶成長を行うことによって形成される。アモノサーマル法は、超臨界状態及び/又は亜臨界状態にあるアンモニアなどの窒素を含有する溶媒を用いて、原材料の溶解−析出反応を利用して所望の材料を製造する方法である。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、周期表第13族金属窒化物結晶層を含み、下地基板を含んでいても、含んでいなくてもよい。周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、塊状の半導体結晶であっても良く、板状の半導体結晶であってもよい。本明細書においては、下地基板上に周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させたアズグロウン結晶を周期表第13族金属窒化物結晶塊(第13族窒化物結晶塊)と称するが、該第13族窒化物結晶塊の主面が下地基板の主面よりも大面積のM面である場合には、該第13族窒化物結晶塊そのものを本発明の第13族窒化物結晶としてもよい。
第1成長工程は、M面を主面とする下地基板上に、結晶を成長させ、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層を得る工程である。第1成長工程では、少なくともM面および半極性面を成長面として、結晶を成長させる。結晶成長にはアモノサーマル法が用いられる。第1成長工程において、少なくともM面および半極性面を成長面として結晶を成長させることにより、得られる結晶層のM面のサイズを大きくすることができる。
下地基板は種結晶として機能する。ここでいう主面とは、結晶を構成する面のうち最大面積を有する面を意味し、下地基板の主面はM面である。
図2に示すように、下地基板40は、表側の主面41と裏側の主面を有する板状の第13族窒化物の種結晶である。この下地基板上に、第13族窒化物半導体結晶を成長させて、M(10−10)面を表側の主面として有する成長結晶塊を得ることができる。なお、下地基板の面方位は上記の態様に限定されるものではないが、M(10−10)±15°であることが好ましい。
下地基板は、六方晶系の結晶構造を有する。第13族窒化物の種結晶としては、成長結晶として成長させる窒化物の単結晶が用いられる。前記第13族窒化物の種結晶の具体例としては、例えば窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)またはこれらの混晶等の窒化物単結晶が挙げられる。
下地基板は、成長結晶との格子整合性などを考慮して決定することができる。例えば、種結晶としては、サファイア等の異種基板上にエピタキシャル成長させた後に剥離させて得た単結晶、Gaなどの金属からNaやLi、Biをフラックスとして結晶成長させて得た単結晶、液相エピタキシ法(LPE法)を用いて得たホモ/ヘテロエピタキシャル成長させた単結晶、溶液成長法に基づき作製された単結晶及びそれらを切断した結晶などを用いることができる。エピタキシャル成長の具体的な方法については特に制限されず、例えば、ハイドライド気相成長法(HVPE)法、有機金属化学気相堆積法(MOCVD法)、液相法、アモノサーマル法などを採用することができる。
本発明に用いられる下地基板は表側の主面と裏側の主面を有する板状の第13族窒化物の種結晶であれば特に制限はないが、表側の主面と裏側の主面が略平行であることが好ましい。表側の主面と裏側の主面がいずれもM面であることがより好ましい。
種結晶としては、形状は特に限定されないが、大面積の成長結晶を効率よく得ることができるので主面の外形が長方形や楕円形などのように長手方向と短手方向を有する形状であることが好ましく、長手方向に伸びる直線と短手方向に伸びる直線とが略垂直に交わることがより好ましい。種結晶の側面は平面でも曲面であってもよい。種結晶の形状としては例えば、直方体、三角板状、五角板状、六角板状、円板状、三角柱、五角柱、六角柱、円柱などが挙げられる。その中でも、本発明に用いられる下地基板は、板状の直方体の種結晶であることがより好ましい。
本発明に用いられる下地基板の厚さ(M面を主面とする場合にはm軸方向の寸法)は、取り扱い性の観点から0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上が更に好ましい。また、種結晶の厚さが厚すぎる場合、成長後の結晶に占める種結晶の割合が大きくなり製造コストの上昇およびコストの上昇に繋がるため、前記種結晶の厚さは、2mm以下が好ましく、1mm以下が更に好ましい。
本発明に用いられる下地基板は、下地基板の表側の主面の寸法に制限はないが、種結晶のサイズとして、下地基板の表側の主面の縦方向であるc軸方向の寸法が200mm以下であることが好ましく、150mm以下であることがより好ましく、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましい。一方、下地基板の表側の主面の横方向であるa軸方向の寸法が300mm以下であることが好ましく、200mm以下であることがより好ましく、10mm以上であることが好ましく、15mm以上であることがより好ましい。
また、本発明に用いられる下地基板は、表側の主面の寸法と裏側の主面の寸法が略同一であることが好ましく、本発明に用いられる下地基板の裏側の主面の寸法の好ましい範囲は表側の主面の寸法の好ましい範囲と同様である。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法は、第1成長工程の後に、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層から、M面を主面とする板状結晶を得る板状結晶作製工程をさらに含む。板状結晶作製工程は、第1成長工程で得られた第1の周期表第13族金属窒化物結晶層から板状結晶を得る工程である。板状結晶は、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の成長に用いられた下地基板の主面の面積よりも大きな面積を有する。すなわち板状結晶のM面面積は下地基板のM面面積よりも大きくなる。
板状結晶作製工程で得られる板状結晶は、その主面となる結晶表面の少なくとも一つが第1の周期表第13族金属窒化物結晶層からなる面であればよく、板状結晶全体が第1の周期表第13族金属窒化物結晶層のみからなる必要はない。よって、板状結晶中に下地基板を含んでいてもよい。
板状結晶は、第1成長工程で得られた第1の周期表第13族金属窒化物結晶層そのものであってもよく、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の一部分であってもよい。板状結晶が第1の周期表第13族金属窒化物結晶層そのものである場合、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層を下地基板から取り外して、板状結晶とすることができる。この場合は、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層は板状であることが好ましく、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の主面の面積が下地基板の主面の面積よりも大きいことが好ましい。
板状結晶が第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の一部分である場合、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層を板状にスライスしたものを板状結晶とすることが好ましい。この場合、板状結晶作製工程は、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層をスライスする工程を含む。第1の周期表第13族金属窒化物結晶層をスライスする工程では、板状結晶の主面がM面となるようにスライスする。
板状結晶の主面の面積は、下地基板の主面の面積よりも大きい。第1の周期表第13族金属窒化物結晶層は少なくともM面および半極性面を成長面として、成長させることによって得られる。このため、周期表第13族金属窒化物結晶層は、下地基板の主面の面積よりも大きいか、もしくは、下地基板の主面の面積よりも大きい層部分を有する。板状結晶としては、下地基板の主面の面積よりも大きい周期表第13族金属窒化物結晶層を用いることが好ましい。
下地基板の主面の面積をPとし、板状結晶の主面の面積をQとしたときに、Q/Pは1.05〜10であることが好ましい。Q/Pは1.05以上であれば良く、1.1以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい、また、Q/Pは10以下であれば良く、9以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。Q/Pを上記範囲内とすることにより、結晶層の面積が大きい第13族窒化物結晶を製造することができる。また、Q/Pを上記範囲内とすることにより、より製造効率を高めることができる。
下地基板の主面の面積と板状結晶の主面の面積が上述したような関係となるように第1の周期表第13族金属窒化物結晶層をスライスする工程では、スライスする位置を調整することができる。スライスする工程では、下地基板よりも大きな面積を有する板状結晶を得ることができる位置で結晶をスライスすることが好ましい。このため、スライスする位置は結晶の形状によって大きく異なる。
例えば、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の断面積が下地基板よりも大きくなるような形状で成長した場合、スライスする工程では、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の厚さに対して下地基板から90%以下の範囲内のいずれかの深さの位置でスライスすることが好ましい。スライスする位置は、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の表面から、結晶層の厚さに対して下地基板から90%以下の範囲内の深さの位置でスライスすれば良く、下地基板から60%以下の範囲内であることが好ましく、下地基板から45%以下の範囲内であることがより好ましい。
また、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の断面積が下地基板よりも小さくなるような形状で成長した場合、スライスする位置は、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の表面から、結晶層の厚さに対して下地基板から45%以下の範囲内のいずれかの深さの位置でスライスすることが好ましい。
例えば、下地基板上に第1の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させて得られる第13族窒化物結晶塊(成長結晶塊)の形状が図5(a)のような場合は、下地基板から45.9%以下の位置でスライスすれば、切出した板状結晶は下地基板よりも大面積となる。図5(b)の場合では、下地基板から58%以下の位置でスライスすれば、切出した板状結晶は下地基板よりも大面積となる。図5 (c)〜(e)の場合は、どこでスライスしても板状結晶は下地基板よりも大面積となる。
スライスする工程では、結晶層を複数回スライスすることとしてもよい。スライスする回数は、板状結晶に必要な厚さに応じて適宜決定することができる。このように、板状結晶作製工程が第1の周期表第13族金属窒化物結晶層をスライスする工程を含むことにより、下地基板の主面の面積よりも大きい主面を有する板状基板を得ることができる。
第1成長工程において少なくともM面および半極性面を成長面として、第13族窒化物結晶層を成長させると、得られる第13族窒化物結晶塊は、m軸方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなるM面成長領域とm軸からc軸方向に10°〜80°の角度で傾斜した方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなる半極性面成長領域を有することとなる。
よって、本発明の板状結晶も、m軸方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなるM面成長領域とm軸からc軸方向に10°〜80°の角度で傾斜した方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなる半極性面成長領域を含むことが好ましい。半極性面成長領域は、M面成長領域を挟むように対向する領域に形成されることが好ましい。すなわち、M面成長領域は、半極性面成長領域で挟まれた領域であり、半極性面成長領域は2つ以上形成されることが好ましい。
半極性面成長領域は、半極性面を成長面として成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなる。板状結晶の半極性面成長領域の露出領域の一部に半極性面が含まれていてもよい。ここで、露出領域とは、板状結晶の半極性面成長領域の表面領域であって、縁の一部を含む領域のことを指す。半極性面成長領域が半極性面を成長面として成長し、該半極性面を含むようにM面を主面とする板状結晶を得ることによって、板状結晶のM面面積をより大きくすることができる。
なお、板状結晶の外周を削り落としたり、研磨することによって、半極性面成長領域の露出領域に半極性面が含まれないようにすることもできる。
成長面となる半極性面は、[10−11]面および[10−1−1]面のうち少なくとも一方の面を含むことが好ましい。半極性面がこれらの面を含むことにより、製造効率をより高めることができ、板状結晶の主面の面積を大きくすることができる。
板状結晶の主面にあらわれる半極性面成長領域の主面はM面であり、これらのM面は、M面成長領域のM面と連続してM面を主面とする1連の平面となる。これにより、M面を主面とした板状結晶の面積を大きくすることができる。
板状結晶の主面全体の面積において、M面成長領域のM面面積が占める割合は、50%以上であることが好ましい。M面成長領域のM面面積は、板状結晶の主面全体の面積に対して50%以上であれば良く、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。また、95%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましい。M面成長領域のM面面積が占める割合を上記範囲内とすることにより、M面を主面とした板状結晶の面積を大きくすることができ、かつ加工等の外的応力に対して高い強度を有し、結晶性が良好な高品質領域であるM面成長領域の占める割合が高くなるため、板状結晶のハンドリングを容易にすることができるため好ましい。
板状結晶の主面において、M面成長領域のM面面積は、下地基板の主面のM面面積よりも大きいことが好ましい。M面成長領域のM面面積を下地基板の主面のM面面積よりも大きくすることにより、高品質領域であるM面成長領域をより広く得ることができるうえ、M面を主面とした板状結晶の面積を大きくすることができる。また、板状結晶上に成長した結晶についても、M面成長する領域が広くなり、該結晶をウエハとして用いたデバイス作製時の歩留まりも良くなる。
板状結晶は、板状の結晶であれば良く、板状結晶の形状には特に制限はないが、直方体、三角板状、五角板状、六角板状、円板状、三角柱、五角柱、六角柱、円柱などとすることができる。中でも、板状結晶の形状を板状の直方体の結晶とすることが好ましい。
板状結晶の厚さは、設計により適宜決定することができる。例えば、板状結晶の厚みは100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることがより好ましく、250μm以上であることがさらに好ましい。また、700μm以下であることが好ましく、650μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法は、板状結晶作製工程の後に、該板状結晶上に第2の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる第2成長工程をさらに含むことが好ましい。この第2成長工程では、板状結晶作製工程で得られた板状結晶上に、少なくともM面および半極性面を成長面として、結晶を成長させる。結晶成長にはアモノサーマル法が用いられる。第1成長工程に加えて第2成長工程においても、少なくともM面および半極性面を成長面として結晶を成長させることにより、得られる結晶層のサイズをより大きくすることができる。
第1成長工程は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む鉱化剤を反応させる工程を含むことが好ましい。さらに、第2成長工程においても、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む鉱化剤を反応させる工程を含むことが好ましい。本発明では、第1成長工程および/または第2成長工程において、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む鉱化剤を反応させる工程を含むことにより、下地基板および/または板状結晶の上に、M面および半極性面を成長面として、結晶を成長させることができる。これにより、得られる結晶層のサイズを大きくすることができる。
第1成長工程および/または第2成長工程で用いられる鉱化剤は、フッ素およびヨウ素を含むものであることが好ましい。鉱化剤にフッ素およびヨウ素が含まれることにより、M面および半極性面を成長面として、結晶を効率よく成長させることができる。また、ヨウ素およびフッ素を鉱化剤として使用した場合、ヨウ素およびフッ素は結晶内に取り込まれにくく、結晶品質に影響を与えないため好適である。とくに、フッ素を単独で用いる場合よりもヨウ素およびフッ素を併用した場合の方が、結晶中への取り込みが抑制されるため好ましい。
鉱化剤に含まれるフッ素の濃度をFとし、鉱化剤に含まれるヨウ素の濃度をIとしたときに、I/Fは、0.5〜10であることが好ましい。I/Fは、0.5以上であれば良く、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。また、I/Fは、10以下であれば良く、9以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。I/Fを上記範囲内とすることにより、M面および半極性面を成長面として、結晶を効率よく成長させることができる。これにより、得られる結晶層のサイズをより大きくすることができる。
(第13族窒化物結晶)
本発明は、上述した製造方法を用いて結晶を成長させて得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶に関する。上述した製造方法を用いて結晶を成長させた周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、M面を主面とし、さらに、M面成長領域および半極性面成長領域を含む。
図3に示すように、種結晶である下地基板40上に、結晶を成長させて、周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊100を得ることができる。下地基板40の表側の主面41上に形成された、周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊の主面51はM(10−10)面となる。
半導体結晶塊は、下地基板上に形成された第13族窒化物半導体結晶層(成長結晶)を有する。周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊は、種結晶と同種の第13族窒化物半導体結晶層を成長させることで得られる。
ここで、種結晶として本発明の板状結晶を用い、第2の第13族窒化物半導体結晶層を成長させた場合であっても、図3に示すような周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得ることが好ましい。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶層は、六方晶系の結晶構造を有するものであれば特に限定されないが、第13族窒化物結晶としては、例えば、GaNやAlNに代表される周期表第13族金属窒化物の結晶が挙げられる。周期表第13族金属窒化物としては、GaNの他に、AlN、InN、またはこれらの混晶などを挙げることができる。混晶としては、AlGaN、InGaN、AlInN、AlInGaNなどを挙げることができる。好ましいのはGaNおよびGaを含む混晶であり、より好ましいのはGaNである。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶層の酸素濃度は、1×1020atoms/cm3以下であることが好ましく、5×1019atoms/cm3以下であることがより好ましく、1×1019atoms/cm3以下であることがさらに好ましい。第13族窒化物結晶層の酸素濃度を上記範囲とすることにより、第13族窒化物結晶に含まれるM面成長領域と半極性面成長領域の割合をより好ましい割合とすることができる。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶層の金属およびアルカリ金属の濃度は、1×1016atoms/cm3以下であることが好ましく、1×1015atoms/cm3以下であることがより好ましい。ここで、上記濃度は、金属およびアルカリ金属の濃度の合計の濃度のことを指す。第13族窒化物結晶層の金属およびアルカリ金属の濃度を上記範囲とすることにより、第13族窒化物結晶に含まれるM面成長領域と半極性面成長領域の割合をより好ましい割合とすることができる。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶の転位密度は、1×107cm-3以下であることが好ましく、1×106-3以下であることがより好ましく、1×103cm-3以下であることがさらに好ましい。転位密度は、上記範囲内であれば、0であってもよい。
図4には、図3で示した周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊の断面図が示されている。さらに、図5には、様々な態様の周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊の例の断面図が示されている。これらの断面図からもわかるように、周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊では、下地基板の全ての表面が成長結晶で覆われている。
本発明に係る第13族窒化物半導体結晶は、上述した成長結晶塊をスライス、研削や研磨などの加工を施すことで得ることができる。例えば、図5に示すように点線Aで示したスライス線でスライスして、板状結晶を得ることができる
本発明に係る周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊(以下、成長結晶塊と称する場合がある)は、結晶表面が少なくとも{10−11}または{10−1−1}面を含む。周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊は、このような{10−11}または{10−1−1}面が形成されるように、半極性面(Semi−Polar面)が表面になるように制御して成長されてなる。半極性面は、複数の結晶面が集合した面であってもよい。
本発明に係る周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊は、図3〜図5に示すように主面51としてM(10−10)面を有し、側面としてS(10−1−1)面とS(10−11)面を少なくとも出現させながら成長してなり、アズグロウンの状態で主面としてM(10−10)面を有し、側面としてS(10−1−1)面とS(10−11)面を少なくとも含むことが好ましい。さらに、(0001)面及び(000−1)面の少なくとも一つを出現させながら成長してなり、アズグロウンの状態で(0001)面及び(000−1)面の少なくとも一つを有していてもよい。好ましくはアズグロウンの状態で(0001)面を有することである。図3〜図5において、53、54はM(10−10)面、61、63、64、はS(10−1−1)面、71〜76はS(10−11)面である。
周期表第13族金属窒化物半導体結晶の結晶表面がM面と{10−11}または{10−1−1}面を少なくとも含むようにするためには、鉱化剤として、少なくともフッ素元素と、塩素、臭素、ヨウ素から構成される他のハロゲン元素から選ばれる少なくとも一つとを含む鉱化剤を用いることが好ましい。鉱化剤としては、特にフッ素元素とヨウ素とを含むものが好ましい。このように鉱化剤としてフッ素元素とヨウ素を含むものを用いると、結晶表面が{10−11}または{10−1−1}面を少なくとも含み、大型の主面を有する結晶を得やすい。
M面成長領域および半極性面成長領域は、周期表第13族金属窒化物結晶中にフッ素原子を含む。M面成長領域を構成する周期表第13族金属窒化物結晶中に含まれるフッ素原子の濃度は1×1015atoms/cm3以上であることが好ましい。フッ素濃度は、1×1015atoms/cm3であれば良く、1×1016atoms/cm3以上であることがより好ましい。また、フッ素濃度は、1×1020atoms/cm3以下であることが好ましく、1×1019atoms/cm3以下であることがより好ましい。半極性面成長領域を構成する周期表第13族金属窒化物結晶中に含まれるフッ素原子の濃度は、1×1016atoms/cm3以上であることが好ましい。また、フッ素濃度は、1×1020atoms/cm3以下であることが好ましい。周期表第13族金属窒化物結晶中のフッ素濃度を上記範囲内とすることにより、板状結晶の主面全体の面積に対してM面成長領域のM面面積が占める割合を50%以上とすることができる。
また、成長させる周期表第13族金属窒化物結晶層(成長結晶)中の不純物の濃度を低減することで成長面を半極性面とする成長を促すことができる。この際、不純物濃度としては酸素濃度やアルカリ金属、Ni等の遷移金属等の濃度を基準とすることができる。例えば、成長結晶中の酸素濃度を1020atoms/cm3未満とすることで成長面を半極性面とする成長を促すことができる。その結果、成長結晶塊の表面に現れる半極性面は狭くなり、M面が広くなるため、本発明の第13族窒化物基板中の高品質領域を広くとることができるため好ましい。成長結晶における不純物原子として酸素原子を含有する場合の酸素原子濃度は、1×1020atoms/cm3以下であることが好ましく、5×1019atoms/cm3以下であることがより好ましく、1×1019atoms/cm3以下であることがさらに好ましい。
また、種結晶の形状、加工方法などを適宜選択することによっても、成長面をM面と半極性面を含む面とする成長を促すことができる。
(アモノサーマル法による結晶成長)
本発明の製造方法の第1成長工程および第2成長工程では、結晶成長にアモノサーマル法を用いる。
以下に本発明におけるアモノサーマル法に用いることのできる、鉱化剤、溶媒、原料について説明する。
(鉱化剤)
本発明におけるアモノサーマル法による窒化物結晶の成長に際しては、鉱化剤を用いることが好ましい。アンモニアなどの窒素を含有する溶媒に対する結晶原料の溶解度が高くないために、溶解度を向上させるために鉱化剤を用いる。
鉱化剤として、フッ素元素と、塩素、臭素、ヨウ素から構成される他のハロゲン元素から選ばれる少なくとも一つを含む鉱化剤を用いることが好ましい。
鉱化剤に含まれるハロゲン元素の組み合わせは、塩素とフッ素、臭素とフッ素、ヨウ素とフッ素といった2元素の組み合わせであってもよいし、塩素と臭素とフッ素、塩素とヨウ素とフッ素、臭素とヨウ素とフッ素といった3元素の組み合わせであってもよいし、塩素と臭素とヨウ素とフッ素といった4元素の組み合わせであってもよい。好ましいのは、上述のようにa軸方向に発現する面を半極性面に制御する観点から、ヨウ素とフッ素を少なくとも含む組み合わせである。本発明で用いる鉱化剤に含まれるハロゲン元素の組み合わせと濃度比(モル濃度比)は、成長させようとしている窒化物結晶の種類や形状やサイズ、種結晶の種類や形状やサイズ、使用する反応装置、採用する温度条件や圧力条件などにより、適宜決定することができる。
例えば、ヨウ素(I)とフッ素(F)を含む鉱化剤の場合、フッ素濃度に対するヨウ素濃度、すなわちI/Fを0.5以上にすることが好ましく、0.7以上にすることがより好ましく、1以上にすることがさらに好ましい。また、I/Fを10以下にすることが好ましく、8以下にすることがより好ましく、5以下にすることがさらに好ましい。
一般に鉱化剤のフッ素濃度を高くすると、窒化物結晶のm軸方向の成長速度が速くなる傾向にあり、相対的にc軸方向の成長と半極性面に垂直な方向の成長が遅くなる傾向にある。この意味することは鉱化剤濃度を変化させることで面方位による成長速度の違いを制御することができる。成長結晶においては、成長速度が遅い方向に現れる結晶面の面積が大きくなる傾向なる。よって、半極性面に垂直な方向の成長(半極性面を成長面とする成長)が遅い場合には、得られる第13族窒化物結晶塊の表面に現れる半極性面が比較的大きくなる。このように、成長速度の速い面方位の出現面積が狭くなり、相対的に成長速度の遅い面方位の出現面積が広くなるようにコントロールすることができると、板状結晶の主面をより広く取ることや本発明の第13族窒化物半導体結晶に含まれる高品質領域を広くとることができるため好ましい。
ハロゲン元素を含む鉱化剤の例としては、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化水素、アンモニウムヘキサハロシリケート、及びヒドロカルビルアンモニウムフルオリドや、ハロゲン化テトラメチルアンモニウム、ハロゲン化テトラエチルアンモニウム、ハロゲン化ベンジルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化ジプロピルアンモニウム、及びハロゲン化イソプロピルアンモニウムなどのアルキルアンモニウム塩、フッ化アルキルナトリウムのようなハロゲン化アルキル金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、ハロゲン化金属等が例示される。このうち、好ましくはハロゲン化アルカリ、アルカリ土類金属のハロゲン化物、金属のハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化水素であり、さらに好ましくはハロゲン化アルカリ、ハロゲン化アンモニウム、周期表13族金属のハロゲン化物、ハロゲン化水素であり、特に好ましくはハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化ガリウム、ハロゲン化水素である。
製造工程においては、ハロゲン元素を含む鉱化剤とともに、ハロゲン元素を含まない鉱化剤を用いることも可能であり、例えばNaNH2やKNH2やLiNH2などのアルカリ金属アミドと組み合わせて用いることもできる。ハロゲン化アンモニウムなどのハロゲン元素含有鉱化剤とアルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素を含む鉱化剤とを組み合わせて用いる場合は、ハロゲン元素含有鉱化剤の使用量を多くすることが好ましい。具体的には、ハロゲン元素含有鉱化剤100質量部に対して、アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素を含む鉱化剤を50〜0.01質量部とすることが好ましく、20〜0.1質量部とすることがより好ましく、5〜0.2質量部とすることがさらに好ましい。アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素を含む鉱化剤を添加することによって、c軸方向の結晶成長速度に対するm軸の結晶成長速度の比(m軸/c軸)を一段と大きくすることも可能である。
また、鉱化剤濃度を変化させることのほかにも、ドーパントにより成長速度を変化させることが可能である。製造工程において、成長させる窒化物結晶に不純物が混入するのを防ぐために、必要に応じて鉱化剤は精製、乾燥してから使用することができる。鉱化剤の純度は、通常は95%以上、好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.99%以上である。
鉱化剤に含まれる水や酸素の量はできるだけ少ないことが望ましく、これらの含有量は1000ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、1.0ppm以下であることがさらに好ましい。これらの範囲で酸素濃度をコントロールすることで、酸素が高濃度になるほど半極性面に垂直な方向の成長速度が低下する、すなわち半極性面の面積が大きくなる傾向にある。一方、酸素濃度が低いほど半極性面に垂直な方向の成長速度が向上する、すなわち半極性面の面積が小さくなる傾向にある。
なお、結晶成長を行う際には、反応容器にハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化リン、ハロゲン化シリコン、ハロゲン化ゲルマニウム、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化ヒ素、ハロゲン化スズ、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化ビスマスなどを存在させておいてもよい。
鉱化剤に含まれるハロゲン元素の溶媒に対するモル濃度は0.1mol%以上とすることが好ましく、0.3mol%以上とすることがより好ましく、0.5mol%以上とすることがさらに好ましい。また、鉱化剤に含まれるハロゲン元素の溶媒に対するモル濃度は30mol%以下とすることが好ましく、20mol%以下とすることがより好ましく、10mol%以下とすることがさらに好ましい。濃度が低すぎる場合、溶解度が低下し成長速度が低下する傾向がある。一方濃度が濃すぎる場合、溶解度が高くなりすぎて自発核発生が増加したり、過飽和度が大きくなりすぎるため制御が困難になるなどの傾向がある。
(溶媒)
アモノサーマル法に用いられる溶媒としては、窒素を含有する溶媒を用いることができる。窒素を含有する溶媒としては、成長させる窒化物単結晶の安定性を損なうことのない溶媒が挙げられる。溶媒としては、例えば、アンモニア、ヒドラジン、尿素、アミン類(例えば、メチルアミンのような第1級アミン、ジメチルアミンのような第二級アミン、トリメチルアミンのような第三級アミン、エチレンジアミンのようなジアミン)、メラミン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
溶媒に含まれる水や酸素の量はできるだけ少ないことが望ましく、これらの含有量は1000ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、0.1ppm以下であることがさらに好ましい。アンモニアを溶媒として用いる場合、その純度は通常99.9%以上であり、好ましくは99.99%以上であり、さらに好ましくは99.999%以上であり、特に好ましくは99.9999%以上である。
(原料)
製造工程においては、種結晶上に成長結晶として成長させようとしている窒化物結晶を構成する元素を含む原料を用いる。例えば、周期表13族金属の窒化物結晶を成長させようとする場合は、周期表13族金属を含む原料を用いる。好ましくは13族窒化物結晶の多結晶原料及び/又は13族金属であり、より好ましくは窒化ガリウム及び/又は金属ガリウムである。多結晶原料は、完全な窒化物である必要はなく、条件によっては13族元素がメタルの状態(ゼロ価)である金属成分を含有してもよく、例えば、結晶が窒化ガリウムである場合には、窒化ガリウムと金属ガリウムの混合物が挙げられる。
多結晶原料の製造方法は、特に制限されない。例えば、アンモニアガスを流通させた反応容器内で、金属又はその酸化物もしくは水酸化物をアンモニアと反応させることにより生成した窒化物多結晶を用いることができる。また、より反応性の高い金属化合物原料として、ハロゲン化物、アミド化合物、イミド化合物、ガラザンなどの共有結合性M−N結合を有する化合物などを用いることができる。さらに、Gaなどの金属を高温高圧で窒素と反応させて作製した窒化物多結晶を用いることもできる。
本発明において原料として用いる多結晶原料に含まれる水や酸素の量は、少ないことが好ましい。多結晶原料中の酸素含有量は、通常10000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、特に好ましくは1ppm以下である。多結晶原料への酸素の混入のしやすさは、水分との反応性又は吸収能と関係がある。多結晶原料の結晶性が悪いほど表面にNH基などの活性基が多く存在し、それが水と反応して一部酸化物や水酸化物が生成する可能性がある。このため、多結晶原料としては、通常、できるだけ結晶性が高い物を使用することが好ましい。結晶性は粉末X線回折の半値幅で見積もることができ、(100)の回折線(ヘキサゴナル型窒化ガリウムでは2θ=約32.5°)の半値幅が、通常0.25°以下、好ましくは0.20°以下、さらに好ましくは0.17°以下である。
(製造装置)
本発明の窒化物結晶の製造方法に用いることのできる結晶製造装置の具体例を図6に示す。本発明で用いる結晶製造装置は反応容器を含む。図6は、本発明で用いることができる結晶製造装置の模式図である。図6に示される結晶製造装置において、結晶成長は、オートクレーブ1(耐圧性容器)中に反応容器として装填されるカプセル(内筒)20中で行われる。カプセル20は、原料を溶解するための原料充填領域9と結晶を成長させるための結晶成長領域6から構成されている。原料充填領域9には原料8とともに溶媒や鉱化剤を入れることができる。結晶成長領域6には種結晶7をワイヤー4で吊すなどして設置することができる。原料充填領域9と結晶成長領域6の間には、2つの領域を区画バッフル板5が設置されている。バッフル板5の開孔率は2〜60%であるものが好ましく、3〜40%であるものがより好ましい。バッフル板の表面の材質は、反応容器であるカプセル20の材料と同一であることが好ましい。また、より耐食性を持たせ、成長させる結晶を高純度化するために、バッフル板の表面は、Ni、Ta、Ti、W、Mo、Ru、Nb、Pd、Pt、Au、Ir、pBNであることが好ましく、W、Mo、Ti、Pd、Pt、Au、Ir、pBNであることがより好ましく、Pt、Mo、Tiであることが特に好ましい。
図6に示される結晶製造装置では、オートクレーブ1の内壁とカプセル20の間の空隙には、第2溶媒を充填することができるようになっている。ここには、バルブ10を介して窒素ボンベ13から窒素ガスを充填したり、アンモニアボンベ12からマスフローメーター14で流量を確認したりしながら第2溶媒としてアンモニアを充填することができる。また、真空ポンプ11により必要な減圧を行うこともできる。なお、本発明の窒化物結晶の製造方法を実施する際に用いる結晶製造装置には、バルブ、マスフローメーター等は必ずしも設置されていなくてもよい。
オートクレーブにより耐食性を持たせるためにライニングを使用することもできる。ライニングする材料として、Pt、Ir、Ag、Pd、Rh、Cu、Au及びCのうち少なくとも一種類以上の金属又は元素、もしくは、少なくとも一種類以上の金属を含む合金又は化合物であることが好ましく、より好ましくは、ライニングがしやすいという理由でPt、Ag、Cu及びCのうち少なくとも一種類以上の金属又は元素、もしくは、少なくとも一種類以上の金属を含む合金又は化合物である。例えば、Pt単体、Pt−Ir合金、Ag単体、Cu単体やグラファイトなどが挙げられる。
(製造工程)
本発明の窒化物結晶の製造方法の一例について説明する。本発明の窒化物結晶の製造方法を実施する際には、まず、反応容器内に、種結晶、窒素を含有する溶媒、原料、及び鉱化剤を入れて封止する。ここで、種結晶としては、C面を主面として成長させた窒化物結晶を所望の方向に切り出すことによって、主面が非極性面又は半極性面となる基板を得ることができる。これによって、M面などの非極性面、(10−11)、(20−21)などの半極性面を有する種結晶を得ることができる。
本発明の製造工程においては、材料を反応容器内に導入するのに先だって、ドーパント源隔離工程をさらに設けてもよい。ドーパント源隔離工程とは、反応容器中に存在する酸素、酸化物又は水蒸気を除去する工程をいう。また、ドーパント源隔離工程には、反応容器や反応容器内に設置される各種の部材のうち酸素、酸化物又は水蒸気を含有する部材の表面をコーティングまたはライニングする工程が含まれる。部材の表面をコーティングまたはライニングすることによって、ドーパントが露出し、窒化物結晶に取り込まれることを防ぐことができる。
反応容器中に存在する酸素、酸化物又は水蒸気を除去するには、反応容器中に窒化物結晶原料を充填した後に、反応容器中を真空状態とすることや、反応容器中に不活性化ガスを満たす方法を採用することができる。また、反応容器や反応容器に包含される各種の部材を乾燥させることによっても酸素、酸化物又は水蒸気を除去することができる。
材料の導入時には、窒素ガスなどの不活性ガスを流通させてもよい。通常は、反応容器内への種結晶の設置は、原料及び鉱化剤を充填する際に同時又は充填後に行う。種結晶は、反応容器内表面を構成する貴金属と同様の貴金属製の治具に固定することが好ましい。種結晶の設置後には、必要に応じて加熱脱気をしてもよい。
図6に示す製造装置を用いる場合は、反応容器であるカプセル20内に種結晶7、窒素を含有する溶媒、原料、及び鉱化剤を入れて封止した後に、カプセル20をオートクレーブ(耐圧性容器)1内に装填し、好ましくは耐圧性容器と該反応容器の間の空隙に第2溶媒を充填して耐圧性容器を密閉する。
その後、全体を加熱して反応容器内を超臨界状態又は亜臨界状態とする。超臨界状態では一般的には、物質の粘度が低く、液体よりも容易に拡散されるが、液体と同様の溶媒和力を有する。亜臨界状態とは、臨界温度近傍で臨界密度とほぼ等しい密度を有する液体の状態を意味する。例えば、原料充填部では、超臨界状態として原料を溶解し、結晶成長部では亜臨界状態となるように温度を変化させて超臨界状態と亜臨界状態の原料の溶解度差を利用した結晶成長も可能である。
超臨界状態にする場合、反応混合物は、一般に溶媒の臨界点よりも高い温度に保持される。アンモニア溶媒を用いた場合、臨界点は臨界温度132℃、臨界圧力11.35MPaであるが、反応容器の容積に対する充填率が高ければ、臨界温度以下の温度でも圧力は臨界圧力を遥かに越える。本発明において「超臨界状態」とは、このような臨界圧力を越えた状態を含む。反応混合物は、一定の容積の反応容器内に封入されているので、温度上昇は流体の圧力を増大させる。一般に、T>Tc(1つの溶媒の臨界温度)及びP>Pc(1つの溶媒の臨界圧力)であれば、流体は超臨界状態にある。
超臨界条件では、窒化物結晶の十分な成長速度が得られる。反応時間は、特に鉱化剤の反応性及び熱力学的パラメータ、すなわち温度及び圧力の数値に依存する。窒化物結晶の合成中あるいは成長中、反応容器内の圧力は結晶性および生産性の観点から、30MPa以上にすることが好ましく、60MPa以上にすることがより好ましく、100MPa以上にすることがさらに好ましい。また、反応容器内の圧力は安全性の観点から、700MPa以下にすることが好ましく、500MPa以下にすることがより好ましく、350MPa以下にすることがさらに好ましく、300MPa以下にすることが特に好ましい。圧力は、温度及び反応容器の容積に対する溶媒体積の充填率によって適宜決定される。本来、反応容器内の圧力は、温度と充填率によって一義的に決まるものではあるが、実際には、原料、鉱化剤などの添加物、反応容器内の温度の不均一性、及び自由容積の存在によって多少異なる。
反応容器内の温度範囲は、結晶性および生産性の観点から、下限値が320℃以上であることが好ましく、370℃以上であることがより好ましく、450℃以上であることがさらに好ましい。上限値は、安全性の観点から、700℃以下であることが好ましく、650℃以下であることがより好ましく、630℃以下であることがさらに好ましい。本発明の窒化物結晶の製造方法では、反応容器内における原料充填領域の温度が、結晶成長領域の温度よりも高いことが好ましい。温度差(|ΔT|)は、結晶性および生産性の観点から、5℃以上であることが好ましく、10℃以上であることがより好ましく、100℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましく、80℃以下が特に好ましい。反応容器内の最適な温度や圧力は、結晶成長の際に用いる鉱化剤や添加剤の種類や使用量等によって、適宜決定することができる。
反応容器内の温度範囲、圧力範囲を達成するための反応容器への溶媒の注入割合、すなわち充填率は、反応容器の自由容積、すなわち、反応容器に結晶原料、及び種結晶を用いる場合には、種結晶とそれを設置する構造物の体積を反応容器の容積から差し引いて残存する容積、またバッフル板を設置する場合には、さらにそのバッフル板の体積を反応容器の容積から差し引いて残存する容積の溶媒の沸点における液体密度を基準として、通常20〜95%、好ましくは30〜80%、さらに好ましくは40〜70%とする。反応容器として図6のようなカプセル20を用いる場合には、溶媒の超臨界状態においてカプセル20内外で圧力がバランスするように、溶媒量を適宜調整することが好ましい。
反応容器内での窒化物結晶の成長は、熱電対を有する電気炉などを用いて反応容器を加熱昇温することにより、反応容器内をアンモニア等の溶媒の亜臨界状態又は超臨界状態に保持することにより行われる。加熱の方法、所定の反応温度への昇温速度に付いては特に限定されないが、通常、数時間から数日かけて行われる。必要に応じて、多段の昇温を行ったり、温度域において昇温スピードを変えたりすることもできる。また、部分的に冷却しながら加熱したりすることもできる。
なお、上述したの「反応温度」は、反応容器の外面に接するように設けられた熱電対、及び/又は外表面から一定の深さの穴に差し込まれた熱電対によって測定され、反応容器の内部温度へ換算して推定することができる。これら熱電対で測定された温度の平均値をもって平均温度とする。通常は、原料充填領域の温度と結晶成長領域の温度の平均値を平均温度とする。
本発明の窒化物結晶の製造方法においては、種結晶に前処理を加えておくことができる。前処理としては、例えば、種結晶にメルトバック処理を施したり、種結晶の成長結晶成長面を研磨したり、種結晶を洗浄するなどが挙げられる。
前処理において、結晶成長し得る種結晶の表面を研磨するには、例えば、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)等で行うことができる。種結晶の表面粗さは、例えば、原子間力顕微鏡によって計測した二乗平均平方根粗さ(Rms)が、1.0nm以下であることが好ましく、0.5nmが更に好ましく、0.3nmが特に好ましい。
所定の温度に達した後の反応時間については、窒化物結晶の種類、用いる原料、鉱化剤の種類、製造する結晶の大きさや量によっても異なるが、通常、数時間から数百日とすることができる。反応中、反応温度は一定にしてもよいし、徐々に昇温又は降温させることもできる。所望の結晶を生成させるための反応時間を経た後、反応温度を降温させる。降温方法は特に限定されないが、ヒーターの加熱を停止してそのまま炉内に反応容器を設置したまま放冷してもかまわないし、反応容器を電気炉から取り外して空冷してもかまわない。必要であれば、冷媒を用いて急冷することも好適に用いられる。
反応容器外面の温度、あるいは推定される反応容器内部の温度が所定温度以下になった後、反応容器を開栓する。このときの所定温度は特に限定はなく、通常、−80℃〜200℃、好ましくは−33℃〜100℃である。ここで、反応容器に付属したバルブの配管接続口に配管接続し、水などを満たした容器に通じておき、バルブを開けてもよい。さらに必要に応じて、真空状態にするなどして反応容器内のアンモニア溶媒を十分に除去した後、乾燥し、反応容器の蓋等を開けて生成した窒化物結晶及び未反応の原料や鉱化剤等の添加物を取り出すことができる。
なお、本発明の窒化物結晶の製造方法にしたがって窒化ガリウムを製造する場合、前記以外の材料、製造条件、製造装置、工程の詳細については特開2009−263229号公報を好ましく参照することができる。該公開公報の開示全体を本明細書に引用して援用する。
本発明の窒化物結晶の製造方法においては、種結晶上に窒化物結晶を成長させた後に、後処理を加えてもよい。後処理の種類や目的は特に制限されない。例えば、ピットや転位などの結晶欠陥を容易に観察できるようにするために、育成後の冷却過程で結晶表面をメルトバックしてもよい。
本発明の製造方法により得られた周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、デバイス、即ち発光素子や電子デバイス、パワーデバイスなどの用途に好適に用いられる。本発明の窒化物結晶やウエハが用いられる発光素子としては、発光ダイオード、レーザーダイオード、それらと蛍光体を組み合わせた発光素子などを挙げることができる。また、本発明の窒化物結晶やウエハが用いられる電子デバイスとしては、高周波素子、高耐圧高出力素子などを挙げることができる。高周波素子の例としては、トランジスター(HEMT、HBT)があり、高耐圧高出力素子の例としては、サイリスター(SCR、GTO)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ショットキーバリアダイオード(SBD)がある。本発明のエピタキシャルウエハは、耐圧性に優れるという特徴を有することから、上記のいずれの用途にも適している。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1:第1成長工程)
本実施例では、図6に示す反応装置を用いて窒化物結晶を成長させた。
内寸が直径30mm、長さ450mmのオートクレーブ1を耐圧容器として用い、Pt−Ir製カプセル20を反応容器として結晶成長を行なった。原料8として多結晶GaN粒子130gを秤量し、カプセル下部領域(原料溶解領域9)内に設置した。次に鉱化剤として十分に乾燥した純度99.999%のNH4Fを充填NH3量に対してF濃度が0.5mol%となるよう秤量しカプセル内に投入した。さらに下部の原料溶解領域9と上部の結晶成長領域6の間に白金製のバッフル板5(開口率32%)を設置した。種結晶7としてM面を主面とし、主面が四角形である板状の六方晶系GaN単結晶(c軸方向15mm、a軸方向53mm)を用いた。M面を主面とする種結晶の表面はCMP仕上げされたものを用いた。これら種結晶7を白金ワイヤーにより白金製種子結晶支持枠に吊るし、カプセル上部の結晶成長領域6に設置した。
次にカプセル20の上部にPt−Ir製のキャップを溶接により接続したのち、チューブをHIガスラインに接続し、真空ポンプ11に通ずるようバルブを操作し真空脱気した。その後バルブを窒素ボンベ13に通ずるように操作しカプセル内を窒素ガスにてパージを行った。前記真空脱気、窒素パージを行った後、真空ポンプに繋いだ状態で一晩放置した。
次に、カプセル下部を液体窒素で冷却し、バルブを開け外気に触れることなくHI充填した。流量制御に基づき、HIを充填NH3量に対してI濃度が1.5mol%となるよう充填した後、再びバルブを閉じた。次いで、カプセルをHIラインから外しNH3ガスラインに接続し、ガスラインを真空脱気後、真空ポンプにて真空引きを行った。その後、NH3ラインのバルブを操作し、流量制御に基づき、NH3を先に充填したHIガスと等mol量充填し、バルブを閉じた。次いで、カプセルを液体窒素から取り出し、ドライアイスエタノール溶媒により冷却した。つづいて再びバルブを開け外気に触れることなくNH3を充填した。流量制御に基づき、NH3をカプセルの有効容積の約55%に相当する液体として充填(−33℃のNH3密度で換算)した後、再びバルブを閉じた。その後、キャップ上部のチューブを溶接機により封じ切った。
続いて、カプセルをオートクレーブに挿入し、オートクレーブを密封した。オートクレーブに付属したバルブ10を介して導管を真空ポンプ11に通じるように操作し、バルブを開けて真空脱気した。カプセルと同様に窒素ガスパージを複数回行なった。その後、真空状態を維持しながらオートクレーブ1をドライアイスメタノール溶媒によって冷却し、一旦バルブ10を閉じた。次いで導管をNH3ボンベ12に通じるように操作した後、再びバルブ10を開け連続して外気に触れることなくNH3をオートクレーブ1に充填した。流量制御に基づき、NH3をオートクレーブ1の有効容積(オートクレーブ容積−充填物容積)の約56%に相当する液体として充填(−33℃のNH3密度で換算)した後、再びバルブ10を閉じた。
続いてオートクレーブ1を上下に2分割されたヒーターで構成された電気炉内に収納した。オートクレーブ内部の平均温度が600℃、内部の温度差が20℃になるようにオートクレーブ外面温度で制御しながら昇温し、設定温度に達した後、その温度にて14.8日間保持した。オートクレーブ内の圧力は215MPaであった。また保持中のオートクレーブ外面制御温度のバラツキは±0.3℃以下であった。
その後、オートクレーブ1の外面の温度が400℃まで冷却し、オートクレーブに付属したバルブ10を開放し、オートクレーブ内のNH3を取り除いた。この時、オートクレーブとカプセルとの圧力差を利用しカプセルを割り、カプセル内に充填したNH3も取り除いた。
その後、オートクレーブの蓋を開け、カプセル20を取り出した。カプセル内部を確認すると、種結晶上に窒化ガリウム結晶が成長していた。結晶は、M面とS面(10−11)、(10−1−1)、+C面がファセットを形成しており、M面は薄い黄色に着色しており、S面は茶色の着色が観察された。成長結晶塊のサイズは、c軸方向に17mm、a軸方向に55mmであった。また、M面成長した領域はc軸方向に12mm、a軸方向に53mmであった。この結晶のS面成長に対するM面成長速度は0.8であった(第1成長工程A)。得られた成長結晶塊の成長厚みに対して、下地基板から10%の位置でM面に平行にスライスし、板状GaN結晶を得た。板状GaN結晶はおおよそ四角形であり、c軸方向に16mm、a軸方向に54mmの大きさであった。
(実施例2:第1成長工程)
実施例1と同様の手順で、第一の工程による結晶成長を行い、c軸方向に9.5mm、 a軸方向に25.5mmの種結晶から、c軸方向に12.5mm、a軸方向に29mmのGaN成長結晶塊が得られた。この時のS面に対するM面の成長速度は0.81であった(第1成長工程B)。得られた成長結晶塊の成長厚みに対して、下地基板から10%の位置でM面に平行にスライスし、板状GaN結晶を得た。板状GaN結晶はおおよそ四角形であり、c軸方向に10mm、a軸方向に26mmの大きさであった。
(実施例3〜7:第1成長工程)
実施例1と同様の手順で、鉱化剤濃度をI:0.75F 0.375%、I:2.0% F:1.0%、I:1.5% F:0.5%として第一の工程による結晶成長を行った(第1成長工程C〜F)。得られた成長結晶塊の成長厚みに対して、下地基板からM面に平行にスライスし、おおよそ四角形の板状GaN結晶を得た。各々の板状GaN結晶のスライス位置およびサイズは表1に示すとおりであった。
(実施例8:第1成長工程)
実施例1と同様の手順で、第一の工程による結晶成長を行い、c軸方向に8mm、 a軸方向に26mmの種結晶から、c軸方向に13.5mm、a軸方向に32mmのGaN結晶が得られた(第1成長工程G)。得られた成長結晶塊の成長厚みに対して、下地基板から55%の位置でM面に平行にスライスし、板状GaN結晶を得た。板状GaN結晶はおおよそ四角形であり、c軸方向に13.2mm、a軸方向に26.5mmの大きさであった。
実施例1〜8の第1成長工程の結果を表1にまとめた。
Figure 0006024335
(実施例2:第2成長工程)
第1成長工程Bで得られた結晶をM面に平行にスライスし、得られた板状GaN結晶のサイズはc軸方向に10mm、a軸方向に26mmの四角形であり、主面であるM面に含まれるS面成長領域は86.4%であった。
上記第1成長工程により得られたM面を主面とする板状GaN結晶を種結晶とし、前述第1成長工程と同様の手順にて結晶成長を行った。育成過程終了後、c軸方向に12.7mm、a軸方向に32mmで、表面にボイドやクラックなど可視的な欠陥のない結晶が得られ、第1成長工程で用いられた下地基板と比較し、M面の面積が1.56倍のGaN結晶が得られた。
実施例2の第2成長工程の結果を表2にまとめた。
(実施例3、4:第2成長工程)
第1成長工程C、Dで得られた結晶は、M面成長領域/下地基板主面面積が1より大きいため、第1成長工程で用いた下地基板の主面の面積より大きな主面面積となる位置で、かつ、M面成長領域の占める割合が50%以上となるようにM面に平行にスライスして板状GaN結晶を作製し、これを種結晶として第1成長工程同様の手順で第2成長工程の結晶成長を行った。
結晶成長終了後、表面にボイドやクラックなど可視的な欠陥のない結晶が得られ、第1成長工程で用いられた下地基板の主面の面積と比較し、M面成長領域の大きいGaN結晶が得られた。
Figure 0006024335
実施例1〜8の結果から、結晶層の面積が大きい第13族窒化物結晶を効率良く製造できていることがわかる。
本発明によれば、M面を主面とした第13族窒化物結晶であって、結晶層の面積が大きい第13族窒化物結晶を効率良く製造することができる。また、本発明によれば、M面を主面とした第13族窒化物結晶の製造効率を高めることができ、製造コストを抑制することができる。このため、本発明は第13族窒化物結晶の製造に有用であり、産業上の利用可能性が高い。
1 オートクレーブ(耐圧性容器)
4 ワイヤー
5 バッフル板
6 結晶成長領域
7 種結晶
8 原料
9 原料充填領域
10 バルブ
11 真空ポンプ
12 アンモニアボンベ
13 窒素ボンベ
14 マスフローメーター
20 カプセル(内筒)
40 下地基板(種結晶)
41 下地基板のM面
51 成長結晶塊のM面
61 成長結晶塊のS面:{10−1−1}面
71 成長結晶塊のS面:{10−11}面
81 成長結晶塊のC面:{0001}面
53〜54 第13族窒化物結晶塊の側面に含まれるM面
63〜64 第13族窒化物結晶塊の側面に含まれ、−c軸側にある結晶塊の主面に接しないS(10−1−1)面
71〜72 第13族窒化物結晶塊の側面に含まれ、第13族窒化物結晶塊の主面に接するS(10−11)面
73〜76 第13族窒化物結晶塊の側面に含まれ、+c軸側にある第13族窒化物結晶塊の主面に接しないS(10−11)面
100 周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊
A スライス線

Claims (8)

  1. 周期表第13族金属窒化物半導体からなり、M面を主面とする下地基板上に、少なくともM面、{10−11}面および{10−1−1}面を成長面として、フッ素およびヨウ素を含む鉱化剤を用いたアモノサーマル法によって第1の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる第1成長工程を含むことを特徴とする、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
  2. 前記下地基板がGaN結晶からなり、かつ、前記第1の周期表第13族金属窒化物結晶層がGaN層である、請求項に記載の製造方法。
  3. 更に、前記第1成長工程で成長させた前記第1の周期表第13族金属窒化物結晶層から、前記下地基板の主面よりも大面積のM面を主面とする板状結晶を得る板状結晶作製工程を含む、請求項またはに記載の製造方法。
  4. 前記板状結晶は、m軸方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなるM面成長領域を含み、
    前記板状結晶の主面において、前記M面成長領域が占める面積の割合が50%以上である、請求項に記載の製造方法。
  5. 前記板状結晶の主面にあらわれる前記M面成長領域の面積が、前記下地基板の主面の面積よりも大きい、請求項に記載の製造方法。
  6. 更に、前記板状結晶作製工程で得た前記板状結晶上に、少なくともM面および半極性面を成長面として、アモノサーマル法によって第2の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる第2成長工程をさらに含む、請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記第2成長工程においては、少なくともM面、{10−11}面および{10−1−1}を成長面として、フッ素およびヨウ素を含む鉱化剤を用いたアモノサーマル法によって、前記第2の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる、請求項に記載の製造方法。
  8. 前記板状結晶がGaN結晶であり、前記第2の周期表第13族金属窒化物結晶層がGaN層である、請求項またはに記載の製造方法。
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