JP6024335B2 - 周期表第13属金属窒化物半導体基板の製造方法 - Google Patents
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Description
窒化ガリウムや窒化アルミニウム等窒化物の単結晶は、アモノサーマル法などを利用し、結晶を成長させることで得ることができる。アモノサーマル法は、超臨界状態及び/又は亜臨界状態にあるアンモニアなどの窒素を含有する溶媒を用いて、原材料の溶解−析出反応を利用して所望の材料を製造する方法である。結晶成長へ適用するときは、アンモニアなどの溶媒への原料溶解度の温度依存性を利用して温度差により過飽和状態を発生させて結晶を析出させる方法である。
特許文献1では、得られた成長結晶の側面がA面とC面であり、成長結晶の主面は横方向成長により得られるM面のみから構成されている。特許文献2および3においても同様に、主面をM面として結晶成長を行うことのみが記載されている。なお、特許文献3では、結晶成長時に用いる鉱化剤として、アルカリ鉱化剤が好ましく用いられている。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2]前記板状結晶作製工程の後に、前記板状結晶上に、少なくともM面および半極性面を成長面として、アモノサーマル法によって第2の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる第2成長工程をさらに含む[1]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[3]前記下地基板の主面の面積をPとし、前記板状結晶の主面の面積をQとしたときに、Q/Pは1.05〜10である[1]または[2]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[4]前記板状結晶は、m軸方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなるM面成長領域と、m軸からc軸方向に10°〜80°の角度で傾斜した方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなる半極性面成長領域とを含み、前記板状結晶の主面全体の面積において、前記M面成長領域のM面面積が占める割合は、50%以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[5]前記板状結晶の主面おいて、前記M面成長領域のM面面積は、前記下地基板の主面のM面面積よりも大きい[4]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[6]前記第1成長工程は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む鉱化剤を反応させる工程を含む[1]〜[5]のいずれかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[7]前記第2成長工程は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む鉱化剤を反応させる工程を含む[2]〜[6]のいずれかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[8]前記鉱化剤は、フッ素およびヨウ素を含む鉱化剤である[6]または[7]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[9]前記鉱化剤に含まれるフッ素の濃度をFとし、前記鉱化剤に含まれるヨウ素の濃度をIとしたときに、I/Fは、0.5〜10である[8]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[10]前記板状結晶作製工程は、前記第1の周期表第13族金属窒化物結晶層をスライスする工程を含む[1]〜[9]のいずれかに記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[11]前記スライスする工程は、前記第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の厚さに対して45%以下の範囲内のいずれかの深さの位置でスライスする工程である[10]に記載の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
[12][1]〜[11]のいずれかに記載の製造方法により製造した周期表第13族金属窒化物半導体結晶。
また、本発明によれば、M面を主面とした第13族窒化物結晶の製造効率を高めることができ、製造コストを抑制することができる。
本明細書において「C面」とは、六方晶構造(ウルツ鋼型結晶構造)における{0001}面と等価な面であり、極性面である。例えば、図1に示す(0001)面とその反対面である(000−1)面を指し、それぞれ+C面、−C面と称することがある。第13族窒化物結晶では、+C面は周期表13族面で−C面は窒素面であり、窒化ガリウムではそれぞれGa面又はN面に相当する。
また、本明細書において「M面」とは、{1−100}面、{01−10}面、{−1010}面、{−1100}面、{0−110}面、{10−10}面として包括的に表される非極性面であり、具体的には(1−100)面や、(01−10)面、(−1010)面、(−1100)面、(0−110)面、(10−10)面を意味する。さらに、本明細書において「A面」とは、{2−1−10}面、{−12−10}面、{−1−120}面、{−2110}面、{1−210}面、{11−20}面として包括的に表される非極性面である。具体的には(11−20)面や、(2−1−10)面、(−12−10)面、(−1−120)面、(−2110)面、(1−210)面を意味する。本明細書において「c軸」「m軸」「a軸」とは、それぞれC面、M面、A面に垂直な軸を意味する。
本明細書において「非極性面」とは、表面に第13族元素と窒素元素の両方が存在しており、かつその存在比が1:1である面を意味する。具体的には、M面やA面を挙げることができる。なお、本明細書において極性面や非極性面を称する場合には、±0.01°以内の精度で計測される各結晶軸から10°未満のオフ角を有する範囲内の面を含む。好ましくはオフ角が5°以内であり、より好ましくは3°以内である。c軸、m軸、a軸についても同様に、オフ角を有する範囲内の軸方向を含む。
なお、本明細書においては、半極性面をS面と表記する場合がある。また、半極性面に垂直な軸を「s軸」と表記する場合がある。よって、m軸からc軸方向に10°〜80°の角度で傾斜した方向はs軸方向と一致する。
本発明の周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法は、M面を主面とする下地基板上に第1の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる第1成長工程と、第1成長工程の後に、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層から、下地基板の主面よりも大面積のM面を主面とする板状結晶を得る板状結晶作製工程を含む。第1の周期表第13族金属窒化物結晶層は、周期表第13族金属窒化物半導体から形成され、M面を主面とする下地基板上に、少なくともM面および半極性面を成長面として、アモノサーマル法で結晶成長を行うことによって形成される。アモノサーマル法は、超臨界状態及び/又は亜臨界状態にあるアンモニアなどの窒素を含有する溶媒を用いて、原材料の溶解−析出反応を利用して所望の材料を製造する方法である。
図2に示すように、下地基板40は、表側の主面41と裏側の主面を有する板状の第13族窒化物の種結晶である。この下地基板上に、第13族窒化物半導体結晶を成長させて、M(10−10)面を表側の主面として有する成長結晶塊を得ることができる。なお、下地基板の面方位は上記の態様に限定されるものではないが、M(10−10)±15°であることが好ましい。
下地基板は、成長結晶との格子整合性などを考慮して決定することができる。例えば、種結晶としては、サファイア等の異種基板上にエピタキシャル成長させた後に剥離させて得た単結晶、Gaなどの金属からNaやLi、Biをフラックスとして結晶成長させて得た単結晶、液相エピタキシ法(LPE法)を用いて得たホモ/ヘテロエピタキシャル成長させた単結晶、溶液成長法に基づき作製された単結晶及びそれらを切断した結晶などを用いることができる。エピタキシャル成長の具体的な方法については特に制限されず、例えば、ハイドライド気相成長法(HVPE)法、有機金属化学気相堆積法(MOCVD法)、液相法、アモノサーマル法などを採用することができる。
種結晶としては、形状は特に限定されないが、大面積の成長結晶を効率よく得ることができるので主面の外形が長方形や楕円形などのように長手方向と短手方向を有する形状であることが好ましく、長手方向に伸びる直線と短手方向に伸びる直線とが略垂直に交わることがより好ましい。種結晶の側面は平面でも曲面であってもよい。種結晶の形状としては例えば、直方体、三角板状、五角板状、六角板状、円板状、三角柱、五角柱、六角柱、円柱などが挙げられる。その中でも、本発明に用いられる下地基板は、板状の直方体の種結晶であることがより好ましい。
また、本発明に用いられる下地基板は、表側の主面の寸法と裏側の主面の寸法が略同一であることが好ましく、本発明に用いられる下地基板の裏側の主面の寸法の好ましい範囲は表側の主面の寸法の好ましい範囲と同様である。
板状結晶作製工程で得られる板状結晶は、その主面となる結晶表面の少なくとも一つが第1の周期表第13族金属窒化物結晶層からなる面であればよく、板状結晶全体が第1の周期表第13族金属窒化物結晶層のみからなる必要はない。よって、板状結晶中に下地基板を含んでいてもよい。
例えば、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の断面積が下地基板よりも大きくなるような形状で成長した場合、スライスする工程では、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の厚さに対して下地基板から90%以下の範囲内のいずれかの深さの位置でスライスすることが好ましい。スライスする位置は、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の表面から、結晶層の厚さに対して下地基板から90%以下の範囲内の深さの位置でスライスすれば良く、下地基板から60%以下の範囲内であることが好ましく、下地基板から45%以下の範囲内であることがより好ましい。
また、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の断面積が下地基板よりも小さくなるような形状で成長した場合、スライスする位置は、第1の周期表第13族金属窒化物結晶層の表面から、結晶層の厚さに対して下地基板から45%以下の範囲内のいずれかの深さの位置でスライスすることが好ましい。
例えば、下地基板上に第1の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させて得られる第13族窒化物結晶塊(成長結晶塊)の形状が図5(a)のような場合は、下地基板から45.9%以下の位置でスライスすれば、切出した板状結晶は下地基板よりも大面積となる。図5(b)の場合では、下地基板から58%以下の位置でスライスすれば、切出した板状結晶は下地基板よりも大面積となる。図5 (c)〜(e)の場合は、どこでスライスしても板状結晶は下地基板よりも大面積となる。
よって、本発明の板状結晶も、m軸方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなるM面成長領域とm軸からc軸方向に10°〜80°の角度で傾斜した方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなる半極性面成長領域を含むことが好ましい。半極性面成長領域は、M面成長領域を挟むように対向する領域に形成されることが好ましい。すなわち、M面成長領域は、半極性面成長領域で挟まれた領域であり、半極性面成長領域は2つ以上形成されることが好ましい。
半極性面成長領域は、半極性面を成長面として成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなる。板状結晶の半極性面成長領域の露出領域の一部に半極性面が含まれていてもよい。ここで、露出領域とは、板状結晶の半極性面成長領域の表面領域であって、縁の一部を含む領域のことを指す。半極性面成長領域が半極性面を成長面として成長し、該半極性面を含むようにM面を主面とする板状結晶を得ることによって、板状結晶のM面面積をより大きくすることができる。
なお、板状結晶の外周を削り落としたり、研磨することによって、半極性面成長領域の露出領域に半極性面が含まれないようにすることもできる。
本発明は、上述した製造方法を用いて結晶を成長させて得られる周期表第13族金属窒化物半導体結晶に関する。上述した製造方法を用いて結晶を成長させた周期表第13族金属窒化物半導体結晶は、M面を主面とし、さらに、M面成長領域および半極性面成長領域を含む。
半導体結晶塊は、下地基板上に形成された第13族窒化物半導体結晶層(成長結晶)を有する。周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊は、種結晶と同種の第13族窒化物半導体結晶層を成長させることで得られる。
ここで、種結晶として本発明の板状結晶を用い、第2の第13族窒化物半導体結晶層を成長させた場合であっても、図3に示すような周期表第13族金属窒化物半導体結晶を得ることが好ましい。
本発明に係る第13族窒化物半導体結晶は、上述した成長結晶塊をスライス、研削や研磨などの加工を施すことで得ることができる。例えば、図5に示すように点線Aで示したスライス線でスライスして、板状結晶を得ることができる
本発明に係る周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊は、図3〜図5に示すように主面51としてM(10−10)面を有し、側面としてS(10−1−1)面とS(10−11)面を少なくとも出現させながら成長してなり、アズグロウンの状態で主面としてM(10−10)面を有し、側面としてS(10−1−1)面とS(10−11)面を少なくとも含むことが好ましい。さらに、(0001)面及び(000−1)面の少なくとも一つを出現させながら成長してなり、アズグロウンの状態で(0001)面及び(000−1)面の少なくとも一つを有していてもよい。好ましくはアズグロウンの状態で(0001)面を有することである。図3〜図5において、53、54はM(10−10)面、61、63、64、はS(10−1−1)面、71〜76はS(10−11)面である。
本発明の製造方法の第1成長工程および第2成長工程では、結晶成長にアモノサーマル法を用いる。
以下に本発明におけるアモノサーマル法に用いることのできる、鉱化剤、溶媒、原料について説明する。
本発明におけるアモノサーマル法による窒化物結晶の成長に際しては、鉱化剤を用いることが好ましい。アンモニアなどの窒素を含有する溶媒に対する結晶原料の溶解度が高くないために、溶解度を向上させるために鉱化剤を用いる。
鉱化剤として、フッ素元素と、塩素、臭素、ヨウ素から構成される他のハロゲン元素から選ばれる少なくとも一つを含む鉱化剤を用いることが好ましい。
例えば、ヨウ素(I)とフッ素(F)を含む鉱化剤の場合、フッ素濃度に対するヨウ素濃度、すなわちI/Fを0.5以上にすることが好ましく、0.7以上にすることがより好ましく、1以上にすることがさらに好ましい。また、I/Fを10以下にすることが好ましく、8以下にすることがより好ましく、5以下にすることがさらに好ましい。
アモノサーマル法に用いられる溶媒としては、窒素を含有する溶媒を用いることができる。窒素を含有する溶媒としては、成長させる窒化物単結晶の安定性を損なうことのない溶媒が挙げられる。溶媒としては、例えば、アンモニア、ヒドラジン、尿素、アミン類(例えば、メチルアミンのような第1級アミン、ジメチルアミンのような第二級アミン、トリメチルアミンのような第三級アミン、エチレンジアミンのようなジアミン)、メラミン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
製造工程においては、種結晶上に成長結晶として成長させようとしている窒化物結晶を構成する元素を含む原料を用いる。例えば、周期表13族金属の窒化物結晶を成長させようとする場合は、周期表13族金属を含む原料を用いる。好ましくは13族窒化物結晶の多結晶原料及び/又は13族金属であり、より好ましくは窒化ガリウム及び/又は金属ガリウムである。多結晶原料は、完全な窒化物である必要はなく、条件によっては13族元素がメタルの状態(ゼロ価)である金属成分を含有してもよく、例えば、結晶が窒化ガリウムである場合には、窒化ガリウムと金属ガリウムの混合物が挙げられる。
本発明の窒化物結晶の製造方法に用いることのできる結晶製造装置の具体例を図6に示す。本発明で用いる結晶製造装置は反応容器を含む。図6は、本発明で用いることができる結晶製造装置の模式図である。図6に示される結晶製造装置において、結晶成長は、オートクレーブ1(耐圧性容器)中に反応容器として装填されるカプセル(内筒)20中で行われる。カプセル20は、原料を溶解するための原料充填領域9と結晶を成長させるための結晶成長領域6から構成されている。原料充填領域9には原料8とともに溶媒や鉱化剤を入れることができる。結晶成長領域6には種結晶7をワイヤー4で吊すなどして設置することができる。原料充填領域9と結晶成長領域6の間には、2つの領域を区画バッフル板5が設置されている。バッフル板5の開孔率は2〜60%であるものが好ましく、3〜40%であるものがより好ましい。バッフル板の表面の材質は、反応容器であるカプセル20の材料と同一であることが好ましい。また、より耐食性を持たせ、成長させる結晶を高純度化するために、バッフル板の表面は、Ni、Ta、Ti、W、Mo、Ru、Nb、Pd、Pt、Au、Ir、pBNであることが好ましく、W、Mo、Ti、Pd、Pt、Au、Ir、pBNであることがより好ましく、Pt、Mo、Tiであることが特に好ましい。
図6に示される結晶製造装置では、オートクレーブ1の内壁とカプセル20の間の空隙には、第2溶媒を充填することができるようになっている。ここには、バルブ10を介して窒素ボンベ13から窒素ガスを充填したり、アンモニアボンベ12からマスフローメーター14で流量を確認したりしながら第2溶媒としてアンモニアを充填することができる。また、真空ポンプ11により必要な減圧を行うこともできる。なお、本発明の窒化物結晶の製造方法を実施する際に用いる結晶製造装置には、バルブ、マスフローメーター等は必ずしも設置されていなくてもよい。
本発明の窒化物結晶の製造方法の一例について説明する。本発明の窒化物結晶の製造方法を実施する際には、まず、反応容器内に、種結晶、窒素を含有する溶媒、原料、及び鉱化剤を入れて封止する。ここで、種結晶としては、C面を主面として成長させた窒化物結晶を所望の方向に切り出すことによって、主面が非極性面又は半極性面となる基板を得ることができる。これによって、M面などの非極性面、(10−11)、(20−21)などの半極性面を有する種結晶を得ることができる。
図6に示す製造装置を用いる場合は、反応容器であるカプセル20内に種結晶7、窒素を含有する溶媒、原料、及び鉱化剤を入れて封止した後に、カプセル20をオートクレーブ(耐圧性容器)1内に装填し、好ましくは耐圧性容器と該反応容器の間の空隙に第2溶媒を充填して耐圧性容器を密閉する。
なお、上述したの「反応温度」は、反応容器の外面に接するように設けられた熱電対、及び/又は外表面から一定の深さの穴に差し込まれた熱電対によって測定され、反応容器の内部温度へ換算して推定することができる。これら熱電対で測定された温度の平均値をもって平均温度とする。通常は、原料充填領域の温度と結晶成長領域の温度の平均値を平均温度とする。
本実施例では、図6に示す反応装置を用いて窒化物結晶を成長させた。
内寸が直径30mm、長さ450mmのオートクレーブ1を耐圧容器として用い、Pt−Ir製カプセル20を反応容器として結晶成長を行なった。原料8として多結晶GaN粒子130gを秤量し、カプセル下部領域(原料溶解領域9)内に設置した。次に鉱化剤として十分に乾燥した純度99.999%のNH4Fを充填NH3量に対してF濃度が0.5mol%となるよう秤量しカプセル内に投入した。さらに下部の原料溶解領域9と上部の結晶成長領域6の間に白金製のバッフル板5(開口率32%)を設置した。種結晶7としてM面を主面とし、主面が四角形である板状の六方晶系GaN単結晶(c軸方向15mm、a軸方向53mm)を用いた。M面を主面とする種結晶の表面はCMP仕上げされたものを用いた。これら種結晶7を白金ワイヤーにより白金製種子結晶支持枠に吊るし、カプセル上部の結晶成長領域6に設置した。
実施例1と同様の手順で、第一の工程による結晶成長を行い、c軸方向に9.5mm、 a軸方向に25.5mmの種結晶から、c軸方向に12.5mm、a軸方向に29mmのGaN成長結晶塊が得られた。この時のS面に対するM面の成長速度は0.81であった(第1成長工程B)。得られた成長結晶塊の成長厚みに対して、下地基板から10%の位置でM面に平行にスライスし、板状GaN結晶を得た。板状GaN結晶はおおよそ四角形であり、c軸方向に10mm、a軸方向に26mmの大きさであった。
実施例1と同様の手順で、鉱化剤濃度をI:0.75F 0.375%、I:2.0% F:1.0%、I:1.5% F:0.5%として第一の工程による結晶成長を行った(第1成長工程C〜F)。得られた成長結晶塊の成長厚みに対して、下地基板からM面に平行にスライスし、おおよそ四角形の板状GaN結晶を得た。各々の板状GaN結晶のスライス位置およびサイズは表1に示すとおりであった。
実施例1と同様の手順で、第一の工程による結晶成長を行い、c軸方向に8mm、 a軸方向に26mmの種結晶から、c軸方向に13.5mm、a軸方向に32mmのGaN結晶が得られた(第1成長工程G)。得られた成長結晶塊の成長厚みに対して、下地基板から55%の位置でM面に平行にスライスし、板状GaN結晶を得た。板状GaN結晶はおおよそ四角形であり、c軸方向に13.2mm、a軸方向に26.5mmの大きさであった。
実施例1〜8の第1成長工程の結果を表1にまとめた。
第1成長工程Bで得られた結晶をM面に平行にスライスし、得られた板状GaN結晶のサイズはc軸方向に10mm、a軸方向に26mmの四角形であり、主面であるM面に含まれるS面成長領域は86.4%であった。
上記第1成長工程により得られたM面を主面とする板状GaN結晶を種結晶とし、前述第1成長工程と同様の手順にて結晶成長を行った。育成過程終了後、c軸方向に12.7mm、a軸方向に32mmで、表面にボイドやクラックなど可視的な欠陥のない結晶が得られ、第1成長工程で用いられた下地基板と比較し、M面の面積が1.56倍のGaN結晶が得られた。
実施例2の第2成長工程の結果を表2にまとめた。
第1成長工程C、Dで得られた結晶は、M面成長領域/下地基板主面面積が1より大きいため、第1成長工程で用いた下地基板の主面の面積より大きな主面面積となる位置で、かつ、M面成長領域の占める割合が50%以上となるようにM面に平行にスライスして板状GaN結晶を作製し、これを種結晶として第1成長工程同様の手順で第2成長工程の結晶成長を行った。
結晶成長終了後、表面にボイドやクラックなど可視的な欠陥のない結晶が得られ、第1成長工程で用いられた下地基板の主面の面積と比較し、M面成長領域の大きいGaN結晶が得られた。
4 ワイヤー
5 バッフル板
6 結晶成長領域
7 種結晶
8 原料
9 原料充填領域
10 バルブ
11 真空ポンプ
12 アンモニアボンベ
13 窒素ボンベ
14 マスフローメーター
20 カプセル(内筒)
40 下地基板(種結晶)
41 下地基板のM面
51 成長結晶塊のM面
61 成長結晶塊のS面:{10−1−1}面
71 成長結晶塊のS面:{10−11}面
81 成長結晶塊のC面:{0001}面
53〜54 第13族窒化物結晶塊の側面に含まれるM面
63〜64 第13族窒化物結晶塊の側面に含まれ、−c軸側にある結晶塊の主面に接しないS(10−1−1)面
71〜72 第13族窒化物結晶塊の側面に含まれ、第13族窒化物結晶塊の主面に接するS(10−11)面
73〜76 第13族窒化物結晶塊の側面に含まれ、+c軸側にある第13族窒化物結晶塊の主面に接しないS(10−11)面
100 周期表第13族金属窒化物半導体結晶塊
A スライス線
Claims (8)
- 周期表第13族金属窒化物半導体からなり、M面を主面とする下地基板上に、少なくともM面、{10−11}面および{10−1−1}面を成長面として、フッ素およびヨウ素を含む鉱化剤を用いたアモノサーマル法によって第1の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる第1成長工程を含むことを特徴とする、周期表第13族金属窒化物半導体結晶の製造方法。
- 前記下地基板がGaN結晶からなり、かつ、前記第1の周期表第13族金属窒化物結晶層がGaN層である、請求項1に記載の製造方法。
- 更に、前記第1成長工程で成長させた前記第1の周期表第13族金属窒化物結晶層から、前記下地基板の主面よりも大面積のM面を主面とする板状結晶を得る板状結晶作製工程を含む、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記板状結晶は、m軸方向に成長した周期表第13族金属窒化物結晶からなるM面成長領域を含み、
前記板状結晶の主面において、前記M面成長領域が占める面積の割合が50%以上である、請求項3に記載の製造方法。 - 前記板状結晶の主面にあらわれる前記M面成長領域の面積が、前記下地基板の主面の面積よりも大きい、請求項4に記載の製造方法。
- 更に、前記板状結晶作製工程で得た前記板状結晶上に、少なくともM面および半極性面を成長面として、アモノサーマル法によって第2の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる第2成長工程をさらに含む、請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記第2成長工程においては、少なくともM面、{10−11}面および{10−1−1}を成長面として、フッ素およびヨウ素を含む鉱化剤を用いたアモノサーマル法によって、前記第2の周期表第13族金属窒化物結晶層を成長させる、請求項6に記載の製造方法。
- 前記板状結晶がGaN結晶であり、前記第2の周期表第13族金属窒化物結晶層がGaN層である、請求項6または7に記載の製造方法。
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