JP6011303B2 - 舗装補強用シート - Google Patents

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Description

本発明は、舗装補強用シートに関する。
既設の舗装道路に発生したリフレクションクラックの補修方法として、金属製金網の両面にアスファルト層を付着させてシート状に成形したマットを使用する工法が知られている。しかし、掘り返した舗装材を切削機に投入して再利用する工法においては、舗装材に金属製金網が含まれていると切削機による舗装材の切削が不可能となる。また、舗装材を再利用するために金属製金網を分離することも困難である。そこで、近年では、例えば特許文献1記載のように、金属製金網に代えてガラス繊維糸を用いた網目構造を有する織物を芯材とし、この芯材の両面にアスファルト層を付着させたリフレクションクラック防止用のマットが検討されている。ガラス繊維糸を用いたリフレクションクラック防止マットによれば、金属製金網を用いたマットと同様のリフレクションクラック防止効果が得られることが特許文献1で示されている。
特開2000−27109号公報
しかしながら、舗装補強用シートの芯材としてガラス繊維糸を用いる場合、切削機による切削時にガラス繊維糸が切削機に絡みつき、作業性が低下するという問題が発生している。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、リフレクションクラック防止効果を維持しつつ、切削時にガラス繊維糸の切削機への絡みつきが抑制された舗装補強用シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る舗装補強用シートは、アスファルト系材料と、該アスファルト系材料に内包されてガラス繊維糸を経糸と緯糸とに用いて製織された目抜き構造を有するガラス繊維織物と、を含んで構成される舗装補強用シートであって、ガラス繊維糸は、該ガラス繊維糸の全質量を基準として、SiOの含有量が57.0〜66.0質量%、Alの含有量が19.0〜26.0質量%であり、且つ、MgOの含有量が9.0〜15.0質量%である組成を有すると共に、糸番手が500〜2000texであり、ガラス繊維織物における1辺25mmの正方形当たりの目抜き孔の数が64個以下であり、ガラス繊維織物の厚さは、0.3〜0.9mmであり、ガラス繊維織物の割合は、舗装補強用シートの全質量に対して10〜50質量%であることを特徴とする。
上記の舗装補強用シートによれば、アスファルト系材料に内包された目抜き構造を有するガラス繊維織物のガラス繊維糸の組成を上記の範囲とすることで、十分なリフレクションクラック防止効果が得られ、さらに、従来の舗装補強用シートよりも薄いガラス繊維織物であっても、従来の舗装用補強シートと同様の強度を実現し、リフレクションクラック防止効果を維持することができる。一方、従来の舗装用補強シートにおけるガラス繊維織物よりも薄くすることにより、切削時の破砕を好適に行うことができ、ガラス繊維糸の切削機への絡みつきを抑制することができる。
ここで、ガラス繊維織物は目止め処理されていない態様とすることができる。
上記のように、ガラス繊維織物に対する目止め処理を行わずに経糸及び緯糸が分散可能な状況とすることで、経糸及び緯糸を構成するガラス繊維がそれぞれ束として纏まった状態で固定されずにアスファルト系材料内に分散するため、切削時のガラス繊維糸の破砕が容易となり、ガラス繊維糸の切削機への絡みつきの抑制効果を向上させることができる。
また、経糸及び緯糸の少なくとも一方は複数本のガラス繊維から構成され、経糸と緯糸との交点においては、複数本のガラス繊維の間にアスファルト系材料が介在して固定されている態様とすることができる。
これにより、複数本のガラス繊維糸の隙間にアスファルト系材料が入り込むことで、アスファルト系材料が複数本のガラス繊維糸の移動を抑制し、ガラス繊維織物内部での目崩れ等の発生を抑制することができる。さらに、舗装補強用シートの内部において、複数本のガラス繊維糸は適度に分散した状態でアスファルト系材料によって固められることから、舗装補強用シートの補強効果を高めると同時に、切削時には破砕が容易となり、ガラス繊維束が切削機に絡みつくことの抑制を実現することができる。
本発明によれば、リフレクションクラック防止効果を維持しつつ、切削時にガラス繊維糸の切削機への絡みつきが抑制された舗装補強用シートが提供される。
本実施形態に係る舗装補強用シートの構成を説明する概略斜視図である。 (A)は目抜き平織りの織り組織の説明図である、(B)は目抜き平織りにおける経糸の屈曲の説明図である。 舗装補強用シートにおけるガラス繊維糸の分散について説明する図であって、(A)は目止め処理を施した場合を示す図であり、(B)は目止め処理を施さなかった場合を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る舗道補強用シートの構成を説明する概略斜視図である。図1に示すように、舗道補強用シート1は、アスファルト系材料2と、アスファルト系材料2に内包されたガラス繊維織物3と、を含んで構成される。ガラス繊維織物3は、その表面側と裏面側とをアスファルト系材料2によって挟まれると共に、ガラス繊維織物3の網目(後述の目抜き孔33)を通して両側のアスファルト系材料2が一体化された構造を有している。
アスファルト系材料2としては、当業者各種アスファルト及び改質アスファルトを挙げることができるが、アスファルト原料をベースとしてゴム系、熱可塑性エラストマー、樹脂系等の改良材を加えて得られる改質アスファルトが好ましい。改良材としては、一般的に当業者において用いられている材料を適宜選択することができる。また、改良材の添加量は、アスファルト系材料2の総量に対して2〜20質量%であることが好ましい。なお、アスファルト系材料2には、通常用いられているフィラー、細骨材、等を含有させることができる。
ガラス繊維織物3は、ガラス繊維糸である経糸31と緯糸32とを用いて製織され目抜き孔33を有する目抜き構造を有する織物である。図1では、平織りのガラス繊維織物について示しているが、製織方法は特に限定されない。この点については後述する。
ガラス繊維織物3を構成する経糸31及び緯糸32は、ガラス繊維糸の全質量を基準として、SiOの含有量が57.0〜66.0質量%、Alの含有量が19.0〜26.0質量%であり、且つ、MgOの含有量が9.0〜15.0質量%である組成を有している。この組成を有するガラス繊維糸の引張弾性率を測定すると、一般的なEガラスと比較して高弾性であった。高い弾性率を有するガラス繊維糸を用いてガラス繊維織物3を作成することにより、従来のEガラスを用いたガラス繊維織物と比較して、より細いガラス繊維糸であっても、同様の強度を保つことができる。すなわち、より細いガラス繊維糸を使用して作成したガラス繊維織物を使用した場合であっても、舗装補強用シートとしてのリフレクションクラック抑制効果を保つことができる。また、低い弾性率を有するガラス繊維糸は粘りがあるために好適に切断できない場合があるが、高い弾性率を有するガラス繊維糸の場合は、粘りが少なく良好な切断を行うことができる。そして、高い弾性率を有するガラス繊維糸を利用して、ガラス繊維織物としての強度を維持しつつ従来と比較して細いガラス繊維糸を舗装補強用シートのガラス繊維織物として使用することで、切削時にはガラス繊維織物の破砕をより効果的に行うことができ、ガラス繊維糸の切削機への絡みつきを抑制することができる。また、高弾性のガラス繊維糸を用いることで、ガラス繊維織物としての扱いも容易になり、舗装補強用シート製造時の作業性の向上にもつながる。
なお、ガラス繊維織物3を構成する経糸31及び緯糸32の組成は、全質量を基準として、SiOの含有量が57.0〜63.0質量%、Alの含有量が19.0〜23.0質量%であり、MgOの含有量が10.0〜15.0質量%であり、且つ、SiO、Al、MgO及びCaOの合計含有量が99.5質量%以上である組成を有していることが好ましい。
なお、経糸31及び緯糸32として、1本のガラス繊維糸を用いることもできるが、複数本のガラス繊維糸を束ねた合糸を1本の経糸31(又は緯糸32)としてもよい。例えば、所望の引張強度を得るために、ガラスロービング糸のように太い糸を用いることとしてもよいし、ガラスヤーンのような細い人を複数本組み合わせてもよい。
経糸31及び緯糸32のそれぞれの糸番手は、500〜2000texであることが好ましい。ここでの経糸31及び緯糸32の糸番手とは、1本の経糸31又は緯糸32の太さのことを言い、複数本のガラス繊維糸を束ねて得られた合糸を1本の経糸31又は緯糸32として用いる場合には、その合糸の太さを指す。経糸31及び緯糸32のそれぞれの糸番手が500tex未満であると、ガラス繊維織物としての強度が舗道補強用シートの補強効果を上昇させるためには不十分となる。一方、糸番手が2000texより大きい場合には、切削時にガラス繊維糸を折ることが困難となる。なお、経糸31及び緯糸32のそれぞれの糸番手は、800〜1500texであることがより好ましく、900〜1200texがさらに好ましい。
また、ガラス繊維織物3には、隣接する2本の経糸31及び隣接する2本の緯糸32によって形成された目抜き孔33(バスケットホールともいう)が設けられる。ガラス繊維織物3において25×25mm当たりの目抜き孔33の数は64個以下であることが好ましい。25×25mm当たりの目抜き孔33の数が64個を超える場合、目抜き孔33が小さくなり、目抜き孔33内にアスファルト系材料2が入り込まず、ガラス繊維織物3によるシートの補強効果が低下する。ガラス繊維織物3において25×25mm当たりの目抜き孔33の数は、36個以下がより好ましく、25個以下がさらに好ましい。また、25×25mm当たりの目抜き孔33の数は、6×6のように辺毎に同数ではなく、5×6のように異なっていてもよい。
ここで、25×25mm当たりの目抜き孔33の数が同数であったとしても、目抜き孔33の大きさは経糸31及び緯糸32の糸番手によって変動する。例えば、経糸31及び緯糸32の糸番手がそれぞれ1000texであって、25×25mm当たりの目抜き孔33の数が64個である場合には、目抜き孔33の大きさはそれぞれ約3×3mmとなる。また、同様の糸番手の経糸31及び緯糸32を使用した場合に、25×25mm当たりの目抜き孔33の数が9個である場合には、目抜き孔33の大きさはそれぞれ約8×8mmとなる。
なお、経糸31と緯糸32とは単位幅あたりの打ち込み本数は違っていてもよいが、同数であるほうが撚れを防止することができるため、好ましい。
上記のガラス繊維織物3に対して、アスファルト系材料2となる材料が含まれる処理液をその両面に付着させて乾燥させることで、舗装補強用シート1が得られる。舗装補強用シート1の全体におけるガラス繊維織物3の配合割合は、10〜50質量%が好ましい。舗装補強用シート1の全体におけるガラス繊維織物3の配合割合が10質量%未満の場合には、ガラス繊維織物3によるシートの補強効果が不十分であり、50質量%を超えると、シートの切削を好適に行うことが困難となることが考えられる。舗装補強用シート1の全体におけるガラス繊維織物3の配合割合は、15〜30質量%がより好ましく、15〜25質量%がさらに好ましい。
また、舗装補強用シート1におけるガラス繊維織物3の厚さは、0.3〜0.9mmであることが好ましい。ガラス繊維織物3の厚さが0.3mm未満の場合には、ガラス繊維織物3によるシートの補強効果が不十分であり、0.9mmを超えると、シートの切削を好適に行うことが困難となることが考えられる。ガラス繊維織物3の厚さは0.4〜0.8mmであることがより好ましい。
上記のガラス繊維織物3に対して、アスファルト系材料2を付着させる方法としては、加熱した溶融アスファルトにガラス繊維織物をディッピングする方法、加熱により溶融したアスファルトをガラス繊維構造物にロールコーティングする方法等が挙げられるが、アスファルトをガラス繊維織物に対して均一にコーティングできる方法であれば、特に限定されない。
例えば、改質アスファルトを用いる場合には、以下の方法を用いることができる。まず、改質アスファルトを120℃〜200℃の軟化点以上の温度に加熱して溶融アスファルトを調整した後に、溶融アスファルトをガラス繊維織物の一方の面上に塗布する。次に、塗布層に対して改質アスファルトの軟化点以上に加熱した加熱ロールを通過させた後に、40℃〜70℃の冷却ロールを、厚みを抑制しながら通過させることで、ガラス繊維織物が層内に埋め込まれたアスファルト層を得ることができる。なお、ガラス繊維織物の両面に対してロールコート処理を行ってもよい。
得られる舗装断面用シート1の形状は特に限定されず、搬送の容易性や施工時の取り扱い性に応じて適宜変更される。
なお、アスファルトが高い軟化点を有する場合には、アスファルト系材料の滲み出し(フラッシュ)の防止や施工時の機械への付着の防止という観点で有利である。また、舗装補強用シートに成形した際にアスファルト系材料が弾性を有している場合には、低温下での施工の際のシートの破損を抑制することができるため好ましい。
ここで、本実施形態に係る舗装補強用シート1におけるガラス繊維織物3についてさらに詳細に説明する。
ガラス繊維織物3の製織方法は特に限定されず、例えば、目抜き平織り、目抜き絡み織り等の公知の製織方法を用いることができる。また、本実施形態に係る舗装補強用シート1に適用することができる製織方法としては、目抜き平織りの変形例である目抜き平織り(3本纏め)を好適に用いることができる。
目抜き平織りのガラス繊維織物を舗装補強用シート1として使用する場合、並列に配置された経糸同士及び緯糸同士は離間しているため、交点における拘束力が高くない。また、目抜き平織りでは、経糸及び緯糸の屈曲が少ないため、ガラス繊維織物の強度を維持しつつ経糸と緯糸の交点部分の厚さを小さくすることができる。
また、目抜き絡み織りのガラス繊維織物を舗装補強用シート1として使用する場合、経糸と緯糸との交点における拘束力が高められるため、目抜き平織りの場合と比較して目崩れ等の発生が抑制される。ただし、目抜き絡み織りにおける経糸と緯糸との交点部分の厚さを小さく制御することが困難である。
上記をふまえて、図2に目抜き平織り(3本纏め)の構造を示す。図2(A)は、目抜き平織り(3本纏め)の織り組織を説明する図であり、図2(B)は、図2(A)中のIIB−IIB線における断面図であって、目抜き平織り(3本纏め)における経糸の屈曲を説明する図である。目抜き平織り(3本纏め)は、3本の並行配列されたガラス繊維糸31A〜31Cが1本の経糸31として纏められ、且つ、隣接するガラス繊維糸同士が交互に1本の緯糸32と交錯し、さらに、3本のガラス繊維糸31A〜31Cからなる経糸31と緯糸32とをそれぞれ1本ずつ目抜き孔33を形成するように離間させながら交錯させて織る方法である。
目抜き平織り(3本纏め)のガラス繊維織物では、隣接するガラス繊維糸同士で交互に緯糸32に交錯するため、3本のガラス繊維糸31A〜31Cからなる経糸31と緯糸32との交点では1本のガラス繊維糸による経糸31を用いた目抜き平織りと比較して拘束力が高められ、布目曲がり及び目崩れ等の発生が抑制される。また、目抜き平織り(3本纏め)では、目抜き絡み織りと比べると繊維糸の屈曲率が抑えられ、ガラス繊維織物の厚さを薄くすることができるので、リフレクションクラック防止効果を好適に得ることが出来ると共に、切削時の切削機へのガラス繊維糸の絡みを抑制することができる。
また、本実施形態に係る舗装補強用シート1に用いられるガラス繊維織物3では、経糸31と緯糸32との交点部分における目止め処理がされていないことが好ましい。この点について、図3を用いて説明する。図3(A)は、目止め処理を行っている場合の舗装補強用シートについて説明する図であり、図3(B)は、目止め処理を行っていない場合の舗装補強用シートについて説明する図である。
一般的に、ガラス繊維織物では、布目曲がり及び目崩れが発生しやすいことが知られている。そこで、これらの発生を防止する目的から経糸と緯糸との交点において樹脂等の公知の目止め剤を用いて目止め処理を行うことが多い。目止めを行ったガラス繊維糸織物を用いて製造した舗装補強用シートにおける経糸と緯糸との交点付近の拡大図を図3(A)に示す。目止め処理を行ったガラス繊維織物を用いた舗装補強シート1Aの場合、複数本のガラス繊維糸からなる経糸41と複数本のガラス繊維糸からなる緯糸42との交点の周囲が目止め剤43により固められることで、目崩れ等を防止することが可能となる。また、ガラス繊維織物に対して付着されるアスファルト系材料2は、目止め剤43によって固められた交点付近に対しては入り込まず、経糸41及び緯糸42の周囲に付着する。そして、目抜き孔44がアスファルト系材料2によって埋められる。
目止め処理を行う場合、複数本のガラス繊維糸を目止め剤で一体化することにより、1本の強度が高いガラス繊維糸束として取り扱うことになるので、ガラス繊維織物の強度を高めることも可能となる。一方、目止め剤43によって固められたガラス繊維糸束は切削時に十分に破砕できない可能性があり、切削機にガラス繊維糸の束として絡みつく可能性が高くなる。
次に、目止めを行わないガラス繊維織物を用いて製造した舗装補強用シートにおける経糸と緯糸との交点付近の拡大図を図3(B)に示す。目止め処理を行わないガラス繊維織物を用いた舗装補強シート1Bの場合、複数本のガラス繊維糸からなる経糸41と複数本のガラス繊維糸からなる緯糸42との交点の周囲は、固定されないことから、ガラス繊維糸は移動可能となる。しかし、ガラス繊維織物に対してアスファルト系材料2を付着する際に、複数本のガラス繊維糸の隙間にアスファルト系材料2が入り込むことが可能となる。この場合、アスファルト系材料2が周囲のガラス繊維糸の移動を抑制することになり、実質的に目止め剤としての機能を果たすことができる。
また、アスファルト系材料2を付着させる前にガラス繊維糸の移動を目止め剤によって抑制する場合と比較して、アスファルト系材料2の投入後の成形段階において、図3(B)に示すように複数本のガラス繊維糸は適度に分散した状態でアスファルト系材料2によって固められる。この結果、従来のEガラスより高弾性であるガラス繊維糸によって、舗装補強用シートを好適に補強することができると共に、切削時には舗装補強用シートを好適に破砕することができ、目止め剤で固められたガラス繊維束が切削機に絡みつくことを抑制することも可能となる。
また、目抜き平織り(3本纏め)のガラス繊維織物を舗装補強用シート1に用いた場合、3本の並行配列されたガラス繊維糸31A〜31Cが1本の経糸31として纏められていることで、これらのガラス繊維糸31A〜31C同士が互いに拘束し、特に中央のガラス繊維糸31Bは、両側のガラス繊維糸31A,31Cにより両側からその移動が拘束される。これにより、ガラス繊維糸による拘束によって目止め処理と同様の効果が得られることで、ガラス繊維織物としての取り扱いが容易となる。そして、アスファルト系材料2の投入後の成形段階においては、アスファルト系材料2によってガラス繊維糸がほどよく分散した状態で固定されるため、切削時のガラス繊維糸の絡みつきの抑制も達成される。上記の理由から、ガラス繊維織物の製織方法が目抜き平織り(3本纏め)であることが特に好ましい。
以上のように、本実施形態に係る舗装補強用シート1によれば、アスファルト系材料2に内包された目抜き構造を有するガラス繊維織物33のガラス繊維糸の組成を、従来の舗装補強用シートに用いられるガラス繊維糸よりも強度の高いものとすることで、舗装補強用シートに用いられるガラス繊維織物より薄いガラス繊維織物であっても、従来の舗装用補強シートと同様の強度を実現する。これにより、リフレクションクラック防止効果を維持することができる。また、本実施形態に係るガラス繊維織物3の厚さを従来用いられるガラス繊維織物よりも薄くすることにより、切削時の破砕を好適に行うことができ、ガラス繊維糸の切削機への絡みつきを抑制することができる。
なお、本発明に係る舗装補強用シートは上記実施形態に限定されず種々の変更を行うことができる。例えば、ガラス繊維織物3における、経糸31と緯糸32との交点部分における目止め処理を行った場合であっても、舗装補強用シートに用いられるガラス繊維織物において一般的に用いられるガラス繊維糸よりも弾性度が高いガラス繊維糸を用いることで、本発明に係るリフレクションクラック防止効果及び切削時のガラス繊維糸の切削機への絡みつき抑制効果を得ることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1に係る舗装補強用シートを以下の方法で作成した。
(1)ガラス繊維織物
まず、ガラス繊維織物を準備した。ガラス繊維織物に用いられたガラス繊維糸の組成は、SiOの含有量が57.0〜66.0質量%、Alの含有量が19.0〜26.0質量%であり、且つ、MgOの含有量が9.0〜15.0質量%である(表1のA)。ガラス繊維糸の引張弾性率は85Gpであった。
経糸として、繊度575texのガラス繊維2本を用いた。すなわち、経糸の糸番手は、575tex×2本=1150texである。また、緯糸として、繊度1100texのガラス単繊維ガラスを用いた。上記のように経糸と緯糸の目付け量はそろえるようにした。
これらを用いて、図3に示す目抜き絡み織りのガラス繊維織物を作成した。目抜き孔(図3の目抜き孔33)の数は、1辺25mmの正方形当たりで25個とした。また、ガラス繊維織物の厚さは平均0.60mmであった。このガラス繊維織物では目止め処理を行わなかった。
(2)舗装補強用シート
上記のガラス繊維織物に対して、改質アスファルト(スチレンブタジエン共重合体のゴムを12重量%添加したゴムアスファルト)からなるアスファルト系材料を用いてコーティングし、実施例1に係る舗装補強用シートを得た。なお、改質アスファルトの適用量(コーティングゴムアス量)は、1.5kg/cmであった。
(実施例2)
実施例2に係る舗装補強用シートを以下の方法で作成した。
(1)ガラス繊維織物
実施例2に係る舗装補強用シートのためのガラス繊維織物に用いられたガラス繊維糸の組成は、実施例1と同様である(表1のA)。
経糸として、繊度135texのガラス繊維を3本引き揃えることで繊度405texとしたガラス繊維3本を用いた。すなわち、経糸の糸番手は、405tex×3本=1215texである。また、緯糸として、繊度1150texのガラス単繊維ガラスを用いた。上記のように経糸と緯糸の目付け量はそろえるようにした。
これらを用いて、図4に示す目抜き平織り(3本纏め)のガラス繊維織物を作成した。目抜き孔(図4の目抜き孔33)の数は、1辺25mmの正方形当たりで25個とした。また、ガラス繊維織物の厚さは平均0.51mmであった。このガラス繊維織物では目止め処理を行わなかった。そして、得られたガラス繊維織物の引っ張り弾性率は85Gpであった。
(2)舗装補強用シート
上記のガラス繊維織物に対して、実施例1と同様にアスファルト系材料をコーティングし、実施例2に係る舗装補強用シートを得た。
(実施例3)
実施例3に係る舗装補強用シートを以下の方法で作成した。
(1)ガラス繊維織物
目止め処理としてスチレン−ブタジエン系エマルジョンを6質量%塗布した点以外は実施例1と同様の方法でガラス繊維織物を作成した。
(2)舗装補強用シート
上記のガラス繊維織物に対して、実施例1と同様にアスファルト系材料をコーティングし、実施例3に係る舗装補強用シートを得た。
(比較例1)
比較例1に係る舗装補強用シートを以下の方法で作成した。
(1)ガラス繊維織物
ガラス繊維糸として、表1のBで示す一般的なEガラスの組成を有する材料を用いた点以外は実施例1と同様の方法でガラス繊維織物を作成した。ガラス繊維織物に用いたガラス繊維糸の引張弾性率は70Gpであった。
(2)舗装補強用シート
上記のガラス繊維織物に対して、実施例1と同様にアスファルト系材料をコーティングし、比較例に係る舗装補強用シートを得た。
上記の実施例1〜3及び比較例1で用いられたガラス繊維糸のガラス組成及び引張弾性率を表1に示す
Figure 0006011303
<評価>
上記の実施例1〜3及び比較例1の舗装補強用シートについて、以下の評価を行った。
(1)糸の絡み
実施例1〜3及び比較例1の舗装補強用シートを切削機で切削し、切削機のガラス繊維糸の絡みを目視で評価した。実施例1〜3は、ガラス繊維糸の絡みが少なく、特に実施例1,2は糸の絡みが少なかった。一方、比較例1は、切削機へのガラス繊維糸の絡みが多く発生した。
(2)クラック
幅3mmのクラックに相当する隙間の上に実施例1〜3及び比較例1の舗装補強用シートのそれぞれを埋め込んで舗装した舗装モデルを作成し、その上で、車輪寸法が直径200mm幅50mmであり、輪荷重を1078N(110kgf)とし、接地圧を940kPa(9.6kgf/cm)とし、走行速度を42回/分(21往復)として、繰り返し走行を行い、内部のひび割れが表面にリフレクションクラックとして現れるまでの状況を目視確認した。実施例1〜3は、リフレクションクラックの発生が遅く、特に実施例2の舗装補強用シートはリフレクションクラックの抑制が高いことが確認された。一方、比較例1は、リフレクションクラックが表面に現れるまでの走行量が他の舗装補強用シートよりも少ないことが確認された。
上記の実施例1〜3及び比較例1の舗装補強用シートの構成及び評価結果を表2に示す。
Figure 0006011303
1…舗装補強用シート、2…アスファルト系材料、3…ガラス繊維織物、31…経糸、32…緯糸。

Claims (3)

  1. アスファルト系材料と、該アスファルト系材料に内包されてガラス繊維糸を経糸と緯糸とに用いて製織された目抜き構造を有するガラス繊維織物と、を含んで構成される舗装補強用シートであって、
    前記ガラス繊維糸は、該ガラス繊維糸の全質量を基準として、SiOの含有量が57.0〜66.0質量%、Alの含有量が19.0〜26.0質量%であり、且つ、MgOの含有量が9.0〜15.0質量%である組成を有すると共に、糸番手が500〜2000texであり、
    前記ガラス繊維織物における1辺25mmの正方形当たりの目抜き孔の数が64個以下であり、
    前記ガラス繊維織物の厚さは、0.3〜0.9mmであり、
    前記ガラス繊維織物の割合は、前記舗装補強用シートの全質量に対して10〜50質量%である
    ことを特徴とする舗装補強用シート。
  2. 前記ガラス繊維織物は目止め処理されていないことを特徴とする請求項1記載の舗装補強用シート。
  3. 前記経糸及び前記緯糸の少なくとも一方は複数本のガラス繊維から構成され、
    前記経糸と前記緯糸との交点においては、前記複数本のガラス繊維の間に前記アスファルト系材料が介在して固定されていることを特徴とする請求項2記載の舗装補強用シート。

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