JP5990972B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、混合冷媒を用いた空気調和機に関するものである。
現在、空気調和機には冷媒としてR410AやR407Cが主に使われている。これらの冷媒はオゾン破壊係数(ODP)が0であるが地球温暖化係数(=GWP)が高く(R410AのGWP=2090、R407CのGWP=1770)、地球温暖化防止の観点からGWPの低い冷媒への置き換えが検討されている。GWPの低い冷媒の候補として挙げられている冷媒としては、HFC系ではR32(GWP=675)やR1234yf(GWP=4)、自然系冷媒ではプロパン(GWP=3)などがある。
このうちR1234yfは、圧力が低く定置用空調機用途では性能が悪いために製品の大型化が必要になり、従来機器と同仕様の製品設計は難しい。また、自然系冷媒は冷媒としての性能は良いが、強燃性のために製品に封入できる冷媒量がIEC規格により制限されており、一部の小型の空気調和機にしか適用できない。
一方、R32は、R410Aの50wt%を占める成分で冷媒の性能としてはR410Aよりも良い。また微燃性冷媒だが、機器側で所定の防爆対応を行なえば適用できる可能性がある。しかし、R410Aに比べ同一凝縮温度での圧力が若干高く、また吐出温度が上がりやすい特性を持つ。そのため従来のR410A用機器に単独で適用しようとすると設計圧力の変更や吐出温度上昇への対応など、若干の設計変更が必要になる。
このように、低GWP冷媒の候補のうち、単一の冷媒で従来のR410A機器の置き換えとなりうるものが存在しないことから、いくつかの冷媒を適当な割合で混合してそれぞれの問題を解決する方法が提案されている。例えば、性能は良いが同一凝縮温度での圧力の高いR32と性能は劣るが同一凝縮温度での圧力の低いR1234yf、または、これと圧力−温度特性の似たR134aの組み合わせなどが知られている。しかし、R32とR1234yfまたはR134aは沸点が大きく異なるため(R32:−51.7℃、R1234yf:−29.5℃、R134a:−26.1℃)、これらの冷媒を混合すると温度勾配が発生し、制御しづらい、性能が出にくいなどの問題がある。
こうした混合冷媒を用いた空気調和機に関して、本発明者は既に特願2011−105556および特願2011−105557に示される空気調和機を提案している。図3に示すように、この空気調和機の冷凍サイクル回路は、圧縮機12と、凝縮器(室外機)14と、減圧手段16と、蒸発器(室内機)18と、四方弁20とからなる。作動冷媒としては、R32とR134aのみ、または、R32とR1234yfのみからなる混合冷媒を用いる。
圧縮機12からの混合冷媒は、配管26を通って第一凝縮器14aに入り、気液分離器22で気液に分離される。気液分離器22に溜まったR134a(またはR1234yf)リッチな液冷媒は、流量調整弁24を通って配管32で圧縮機12にインジェクションされる。一方、気液分離器22で分離された飽和蒸気冷媒は第二凝縮器14bから配管28および減圧手段16を通って蒸発器18に入る。この蒸発器18に入る冷媒としてはR32の割合が多くなる。蒸発器18からの冷媒は配管30を通じて圧縮機12に送られる。
ここで、気液分離器22が凝縮器14の容積比A%:(100−A)%となる位置に取り付けてあり、これにより凝縮器14は凝縮器全体に対する容積割合がA%の第一凝縮器14aと(100−A)%の第二凝縮器14bとで構成されることになる。気液分離器22の取り付け位置としては、想定される運転条件下で冷媒が二相域にある位置を選定する必要がある。R32とR134aのみからなる混合冷媒でR32の混合割合が80wt%の場合を例とする。凝縮温度68℃で運転するときに吐出温度が従来冷媒のR410Aを使った機器と同じ90℃になるように液インジェクションを制御し、また凝縮器出口での過冷却度が一般的な冷凍サイクルと同じ5degになるように冷凍サイクル全体を制御すると、図4に示すように、凝縮器で冷媒が放出するエネルギーの割合はガス域:24%、二相域:69%、過冷却域:7%となる。凝縮器の単位容積あたりの熱交換量は概ね一様とみなせるので、上述した熱交換器の容積割合よりAを決めるとAの値は24〜93%の範囲になる。
なお凝縮器を通過する混合冷媒は、沸点の高い冷媒の方が先に液化する。ここで図5は、図4における二相域の冷媒内の液相冷媒の組成を示すものであり、二相域のうち凝縮器の入口側に近い方が、高沸点冷媒の割合が多くなることを示している。よって、二相域にあるB区間(図4参照)の液を取り出す際には、上記Aを凝縮器の入口側に配置することが望ましい。
このように、二相域から先に液化しやすいR134a(またはR1234yf)の液冷媒を予め分離することで、蒸発器18に回る冷媒のうちR32の割合がより大きくなり、蒸発器18での温度勾配を小さくすることができる。
一方、圧縮機12にインジェクションされた冷媒は液状態のため、それが気化する熱により最終的に吐出される冷媒の温度を抑制することができる。さらにこの液冷媒はR32に比べて断熱圧縮指数の小さいR134a(またはR1234yf)の割合が大きいので、R134a(またはR1234yf)の割合が小さい液冷媒をインジェクションするよりも大きな吐出温度抑制効果を持つ。このため、非共沸混合冷媒の持つ短所の影響を小さくすると同時に、その主成分であるR32に起因する短所の影響も小さくすることができる。
ところで、上記の従来の混合冷媒を用いた空気調和機において、温度勾配による蒸発器の性能低下と運転中の吐出温度過昇とを防止するとともに、冷房・暖房ともに使用することが可能な運転温度範囲の広い空気調和機の開発が望まれていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、混合冷媒を用いた空気調和機において、温度勾配による蒸発器の性能低下と運転中の吐出温度過昇とを防止するとともに、冷房・暖房ともに使用することが可能な運転温度範囲の広い空気調和機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る空気調和機は、圧縮機、第一熱交換器、減圧手段、第二熱交換器を冷媒配管で接続して形成した冷媒回路に、第一の冷媒であるR32を第二の冷媒であるR134aまたはR1234yfより大きい混合比で混合した2種混合冷媒を流通させ、冷房運転と暖房運転とに切換可能な空気調和機であって、前記冷媒回路は、冷房運転時において、凝縮器として機能する前記第一熱交換器の前記第二の冷媒が液リッチである位置から分岐した前記2種混合冷媒から気液分離器を介して分離した液冷媒を、前記圧縮機の中間圧にインジェクションする一方、暖房運転時において、凝縮器として機能する前記第二熱交換器と前記減圧手段との間に前記気液分離器が接続配置されるように回路を切り換える切換え弁を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る空気調和機は、上述した請求項1において、前記第一の冷媒の混合比は80〜90wt%であることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る空気調和機は、上述した請求項1または2において、冷房運転時において、凝縮器として機能する前記第一熱交換器内の冷媒が気液二相状態となる位置から前記液冷媒を分離することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る空気調和機は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、冷房運転時において、前記気液分離器の使用/不使用を切り換える切換え弁を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る空気調和機は、上述した請求項1〜4のいずれか一つにおいて、暖房運転時において、前記気液分離器の容器内の圧力を凝縮圧と蒸発圧の間の任意の値に制御するための絞り機構を、前記気液分離器の容器と凝縮器として機能する前記第二熱交換器との間に設けたことを特徴とする。
本発明によれば、圧縮機、第一熱交換器、減圧手段、第二熱交換器を冷媒配管で接続して形成した冷媒回路に、第一の冷媒であるR32を第二の冷媒であるR134aまたはR1234yfより大きい混合比で混合した2種混合冷媒を流通させ、冷房運転と暖房運転とに切換可能な空気調和機であって、前記冷媒回路は、冷房運転時において、凝縮器として機能する前記第一熱交換器の前記第二の冷媒が液リッチである位置から分岐した前記2種混合冷媒から気液分離器を介して分離した液冷媒を、前記圧縮機の中間圧にインジェクションする一方、暖房運転時において、凝縮器として機能する前記第二熱交換器と前記減圧手段との間に前記気液分離器が接続配置されるように回路を切り換える切換え弁を有する。
このため、冷房運転時においては、二相域から先に液化しやすいR134a(またはR1234yf)リッチの液冷媒を予め分離することで、蒸発器として機能する第二熱交換器に回る冷媒のうちR32の割合が大きくなり、蒸発器での温度勾配を小さくすることができる。また、圧縮機にインジェクションされた冷媒は液状態のため、それが気化する熱により最終的に吐出される冷媒の温度を抑制することができる。さらにこの液冷媒はR32に比べて吐出温度が低い物性を持つR134a(またはR1234yf)を多く含むので、封入時の組成割合の液冷媒をインジェクションするよりも大きな吐出温度抑制効果を持つ。
また、切換え弁の切り換えにより、第二熱交換器と減圧手段との間に気液分離器を接続配置することで、この空気調和機は暖房運転も行うことができる。したがって、温度勾配による蒸発器の性能低下と運転中の吐出温度過昇とを防止するとともに、冷房・暖房ともに使用することが可能な運転温度範囲の広い空気調和機を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る空気調和機の冷房運転時の冷媒回路図である。 図2は、本発明に係る空気調和機の暖房運転時の冷媒回路図である。 図3は、従来の空気調和機の冷房運転時の冷媒回路図である。 図4は、図1および図3の回路に関するp−h線図である。 図5は、凝縮温度68℃を想定した場合の、凝縮器内の二相域における液冷媒(液相)の組成を示す図である。
以下に、本発明に係る空気調和機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る空気調和機では、R32にR134a、または、R32にR1234yfを混合した二成分の混合冷媒を用いる。このとき、R32の混合割合は熱帯地域での冷房運転を想定し、凝縮温度65〜68℃での圧力がR410Aの設計圧力(4.15MPaG)未満となるように80〜90wt%とする。以下の説明では、例としてR32とR134aをそれぞれ80wt%、20wt%の割合で混合した冷媒を、蒸発温度15℃/凝縮温度68℃の条件で運転した場合を想定する。ここで、混合冷媒の二つの成分は沸点が異なるために凝縮および蒸発過程において温度勾配が発生する。蒸発器における温度勾配は2.5度となる。
また、R32の混合割合が80wt%以上の場合、温度勾配はR134aの混合比が少なくなると小さくなるため、蒸発器に流入する冷媒はR134aの割合が少ない方が望ましい。一方で、凝縮器での冷媒が凝縮する際には沸点の高いR134aの方が先に凝縮する。すなわち、混合冷媒が凝縮している間(全体の乾き度が0〜1の間)の液冷媒成分には冷媒サイクル回路に封入時の冷媒組成の組成比より多い割合のR134a成分が含まれる(図5を参照)。凝縮器の途中から液冷媒の一部を分離することにより、蒸発器に流入する冷媒R134aの割合を少なくできる。
R32はR410Aに比べて吐出温度が高い傾向を持つ。例えば、R32だけを冷媒とする冷凍サイクルで蒸発温度15℃/凝縮温度68℃の条件で運転した場合を想定すると、吐出温度は104℃を越える(R410Aの場合は約90℃)。R134aを20wt%含んだ混合冷媒でも同じ条件での吐出温度は100℃を越えるため、R410Aを用いる空気調和機と同じ設計の冷媒サイクルでこの混合冷媒を使用するためには吐出温度を10度ほど下げる必要がある。
次に、同じ冷媒で暖房運転も行う場合を考える。寒冷地での暖房運転を想定して蒸発温度−25℃/凝縮温度37℃とすると、R32とR134aのみからなる混合冷媒でR32の混合割合が80wt%の場合、理論上の吐出温度は約86℃となる(R410Aの場合は約67℃)。但し、これは圧縮機内での損失を無視した値であり、実際の運転状態では吐出温度が100℃を超える可能性もある。したがって、この冷媒を暖房運転に使う場合も、冷房と同様に吐出温度を下げる工夫が必要になる。
そこで、本発明に係る空気調和機の冷凍サイクル回路を、図1の冷房運転時の回路と、図2の暖房運転時の回路とに切り換え可能に構成する。以下、本発明の空気調和機を冷房運転時、暖房運転時とに分けて説明する。
[冷房運転時]
図1の冷媒回路図および図4のp−h線図に示すように、本発明に係る空気調和機10は、圧縮機12と、第一熱交換器14と、減圧手段16と、第二熱交換器18と、四方弁20と、気液分離器22と、切換え弁44、46、36、38とからなる。冷房運転時においては、第一熱交換器14は凝縮器(室外機)として機能し、第二熱交換器18は蒸発器(室内機)として機能する。
ここで、吐出温度の抑制のために、凝縮器(第一熱交換器14)から分離した液冷媒を用いる。具体的には圧縮機12の中間圧力部分に液冷媒を注入する。R134aはR410Aに比べて吐出温度が低い傾向を持つ。したがって、R134aを多く含むR134aリッチな液冷媒を圧縮機12の中間圧に注入することにより、最終的な吐出温度を抑制することができる。
なお、従来技術として液冷媒を圧縮機に注入することが知られているが、それらの技術では冷媒の凝縮が完了し過冷却のとれた状態(凝縮器(第一熱交換器14)出口〜減圧手段16の手前)の冷媒を分離して注入している。しかし、本発明では、混合冷媒の成分が全て凝縮(全体の乾き度が0以下)してしまうとR32とR134aの組成比は冷媒サイクル回路に封入時の冷媒組成の組成比と同じになり、蒸発器(第二熱交換器18)へ流入する冷媒の組成比を変えられない。したがって、圧縮機12に注入するための液冷媒の分離は凝縮器(第一熱交換器14)の二相域から行なう。気液分離器22を用いて飽和液冷媒を取り出すことにより沸点の高い冷媒(R134a)をより多く液インジェクションにまわすことができる。
より具体的には、気液分離器22が凝縮器(第一熱交換器14)の容積比A%:(100−A)%となる位置に配管40、42を介して取り付けてあり、これにより凝縮器(第一熱交換器14)は凝縮器全体に対する容積割合がA%の第一凝縮器14aと(100−A)%の第二凝縮器14bとで構成されることになる。気液分離器22の取り付け位置としては、想定される運転条件下で冷媒が二相域にある位置を選定する必要がある。
R32とR134aのみからなる混合冷媒でR32の混合割合が80wt%の場合、凝縮温度68℃で運転するときに吐出温度が従来冷媒のR410Aを使った機器と同じ90℃になるように液インジェクションを制御し、また、凝縮器出口での過冷却度が一般的な冷凍サイクルと同じ5度になるように冷凍サイクル全体を制御すると、図4に示すように、凝縮器で冷媒が放出するエネルギーの割合はガス域:24%、二相域:69%、過冷却域:7%となる。凝縮器の単位容積あたりの熱交換量は概ね一様とみなせるので、上記放熱量の割合よりAを決めるとAの値は24〜93%の範囲になる。なお混合比によって冷媒の物性(上記放熱量の割合)が変わるため混合比に応じた位置を選定することが望ましい。
なお、凝縮器(第一熱交換器14)を通過する混合冷媒は、沸点の高い冷媒の方が先に液化する。ここで図5は、図4における二相域の冷媒内の液相冷媒の組成を示すものであり、二相域のうち凝縮器の入口側に近い方が、高沸点冷媒の割合が多くなることを示している。よって、二相域にあるB区間(図4参照)の液を取り出す際には、上記Aを凝縮器の入口側に配置することが望ましい。
上記構成の動作を説明する。
圧縮機12からの混合冷媒は、配管26を通って第一凝縮器14aに入り、気液分離器22で気液に分離される。気液分離器22に溜まったR134aリッチな液冷媒は、流量調整弁24を通って配管32で圧縮機12にインジェクションされる。この流量調整弁24は、前述したとおり、圧縮機12より吐出される冷媒の温度に応じて制御され、これにより液インジェクション制御される。一方、気液分離器22で分離された飽和蒸気冷媒は第二凝縮器14bから減圧手段16および配管54、28を通って蒸発器(第二熱交換器18)に入る。この蒸発器に入る冷媒としてはR32の割合が多くなる。蒸発器からの冷媒は配管30を通じて圧縮機12に送られる。
このように、二相域から先に液化しやすいR134aの液冷媒を予め分離することで、蒸発器(第二熱交換器18)に回る冷媒のうちR32の割合がより大きくなり、蒸発器での温度勾配を小さくすることができる。
一方、圧縮機12にインジェクションされた冷媒は液状態のため、それが気化する熱により最終的に吐出される冷媒の温度を抑制することができる。さらにこの液冷媒はR32に比べて断熱圧縮指数の小さいR134aを多く含むので、R134aを多く含まない液冷媒をインジェクションするよりも大きな吐出温度抑制効果を持つ。このため、本発明の空気調和機10によれば、非共沸混合冷媒の持つ短所の影響を小さくすると同時に、その主成分であるR32に起因する短所の影響も小さくすることができる。
ここで、気液分離器22に流入する冷媒(二相)のうち、飽和蒸気冷媒は気液分離器から流出していくが、飽和液冷媒は外気温度が冷媒温度より低いためにガス化しない。したがって冷媒循環量が一定の状態では時間とともに気液分離器22内に飽和液冷媒が蓄積されていくことになる。この場合、気液分離器22の容器22a内の液面の高さが増し、飽和蒸気状態の冷媒が取り出せなくなると凝縮性能が低下してしまうため、この液面高さは容器22a内に挿入された出口管の下端部より低い位置を保つように制御する必要がある。
そこで、図1に示すように、凝縮器14と気液分離器22を接続する冷媒回路上にバイパス34と切換え弁36、38を設けるとともに、容器22a内に長さの異なる配管40、42を挿入し、空気調和機の運転中に必要に応じて気液分離器22の使用/不使用を切換えられるようにしておく。この切換えの条件としては、例えば短い配管42の下端の連通口42aより低い位置に図示しない液面検知センサを設け、このセンサで検知される容器22a内の液面が所定の高さを上回るか否かによって定めてもよい。
この場合、検知液面が所定の高さを下回る通常時においては、液冷媒の貯留量は許容範囲内であるので、切換え弁36、38の状態を、第一凝縮器14aと配管40、第二凝縮器14bと配管42をそれぞれ連通し、バイパス34を遮断するようにしておく。これにより、気液分離器22は使用状態となり、第一凝縮器14aからの二相冷媒は配管40を介して気液分離器22に流入し、容器22aに溜まった冷媒は配管32を通じて液インジェクションに使われる。
一方、検知液面が所定の高さを上回った時には、液冷媒の貯留量は過剰であることから、第一凝縮器14aとバイパス34と第二凝縮器14bとを連通し、第一凝縮器14aと配管40、第二凝縮器14bと配管42の連通をそれぞれ遮断するように切換え弁36、38を切り換える。これにより、気液分離器22は不使用状態とされ、第一凝縮器14aからの二相冷媒は気液分離器22に流入しないでそのままバイパスを通り第二凝縮器14bへ流入する。これにより、第二凝縮器14bに液冷媒のみが流通することがなくなるので、この場合に比べ凝縮器14全体としての凝縮能力の低下を避けることができる。なお、上記の液面検知センサの検知に基づく切換え弁36、38の切り換え制御は、図示しない制御手段により行うことができる。
[暖房運転時]
図2に示すように、同じ空気調和機10で暖房運転を行う場合、第一熱交換器14は蒸発器(室外機)として機能し、第二熱交換器18は凝縮器(室内機)として機能する。蒸発過程の途中に気液分離器が存在すると、冷房時と同様に気液分離が行なわれるが、容器内の冷媒温度が周囲温度よりも低いために、分離された液の一部は容器内で蒸発する。一方、気液分離されてガスだけが蒸発器を流れる状態になると、性能が著しく低下するために容器から液冷媒を取り出したいが、冷媒循環量一定の条件で液冷媒だけを下流の蒸発器に流そうとすると時間と共に気液分離器内の飽和液冷媒は減少してしまう。したがって、暖房運転中は蒸発器(第一熱交換器14)と気液分離器22の間を前述の切換え弁36、38により遮断し、冷媒は常にバイパス34を通るようにする。
ここで、この気液分離器22が暖房運転時の過冷却域(第二熱交換器18出口と減圧手段16の間)に挿入されるように冷凍サイクル回路を構成しておく。これにより、凝縮器(第二熱交換器18)を出た液冷媒を従来と同様にして気液分離器22の容器22aに溜めて液インジェクションに使うことができる。但し、この部分を接続する回路(凝縮器(第二熱交換器18)〜気液分離器22〜減圧手段16)は冷房運転時には冷媒が通らないようにする必要があるため、切換え弁44、46により冷房運転時と暖房運転時とで冷媒回路を切り換える。
このとき、冷凍サイクル全体の減圧手段16の他に凝縮器(第二熱交換器18)と気液分離器22の間に開度可変の絞り機構48を設けておく。これら二つの減圧手段16、絞り機構48の組み合わせにより気液分離器22の容器22a内の圧力を蒸発圧〜凝縮圧の間で調節することができる。容器22a内の液冷媒の割合は気液分離器22内の圧力が高い時に多く、圧力が低い時に少なくなる。したがって、気液分離器22内の圧力を調節することにより、結果として冷凍サイクル全体の冷媒分布を制御できる。
上記構成の動作を説明する。
圧縮機12からの混合冷媒は、配管30を通って凝縮器(第二熱交換器18)に入り、配管28、50、絞り機構48を介して配管42から気液分離器22に入って気液に分離される。気液分離器22に溜まった液冷媒は、流量調整弁24を通って配管32で圧縮機12にインジェクションされる一方で、配管40、52、減圧手段16を通って蒸発器(第一熱交換器14)に入り、その内部のバイパス34を通過して配管26を介して圧縮機12に送られる。
ここで、気液分離器22内の圧力の調節は、凝縮器(第二熱交換器18)出口での過冷却度、および蒸発器(第一熱交換器14)出口での過熱度を所定の値に保つことを目指すものである。最適な過冷却度および過熱度は、運転条件(空気温度や出そうとする能力)によって異なるために、運転条件に応じた目標過冷却度となるように上記絞り機構48の開度を調節し、また、運転条件に応じた目標過熱度になるように減圧手段16の開度を調節する。
また、容器22a内で気液分離させることにより液相の冷媒は沸点の高い冷媒(R134a)が若干多い組成となるため、吐出温度を抑制する効果の高い冷媒が圧縮機12にインジェクションされることになる。なお、気液分離器22から蒸発器(第一熱交換器14)に入る冷媒も液相から取り出されることになりR134aが若干多い組成となるが、液インジェクションで冷媒循環量を増やすことにより暖房能力(凝縮熱量)の低下を抑えることができる。このように、本発明によれば、同じ気液分離器22を冷房運転だけでなく暖房運転にも使用することで、運転温度範囲の広い空気調和機を提供することができる。
以上説明したように、本発明に係る空気調和機によれば、圧縮機、第一熱交換器、減圧手段、第二熱交換器を冷媒配管で接続して形成した冷媒回路に、第一の冷媒であるR32を第二の冷媒であるR134aまたはR1234yfより大きい混合比で混合した2種混合冷媒を流通させ、冷房運転と暖房運転とに切換可能な空気調和機であって、前記冷媒回路は、冷房運転時において、凝縮器として機能する前記第一熱交換器の前記第二の冷媒が液リッチである位置から分岐した前記2種混合冷媒から気液分離器を介して分離した液冷媒を、前記圧縮機の中間圧にインジェクションする一方、暖房運転時において、凝縮器として機能する前記第二熱交換器と前記減圧手段との間に前記気液分離器が接続配置されるように回路を切り換える切換え弁を有する。
このため、冷房運転時においては、二相域から先に液化しやすいR134a(またはR1234yf)リッチの液冷媒を予め分離することで、蒸発器として機能する第二熱交換器に循環する冷媒に含まれるR32の割合が大きくなり、蒸発器での温度勾配を小さくすることができる。また、圧縮機にインジェクションされた冷媒は液状態のため、それが気化する熱により最終的に吐出される冷媒の温度を抑制することができる。さらにこの液冷媒はR32に比べて断熱圧縮指数の小さい物性を持つR134a(またはR1234yf)を多く含むので、封入時の組成割合の液冷媒をインジェクションするよりも大きな吐出温度抑制効果を持つ。このため、非共沸混合冷媒の持つ短所の影響を小さくすることができると同時に、その主成分であるR32に起因する短所の影響も小さくすることができる。
また、切換え弁の切り換えにより、第二熱交換器と減圧手段との間に気液分離器を接続配置することで、この空気調和機は暖房運転も行うことができる。したがって、温度勾配による蒸発器の性能低下と運転中の吐出温度過昇とを防止するとともに、冷房・暖房ともに使用することが可能な運転温度範囲の広い空気調和機を提供することができるという効果を奏する。
以上のように、本発明に係る空気調和機は、混合冷媒を用いた空気調和機に有用であり、特に、温度勾配による蒸発器の性能低下と運転中の吐出温度過昇とを防止するとともに、冷房・暖房ともに使用することが可能な運転温度範囲の広い空気調和機を提供するのに適している。
10 空気調和機
12 圧縮機
14 第一熱交換器(室外機)
16 減圧手段
18 第二熱交換器(室内機)
20 四方弁
22 気液分離器
22a 容器
24 流量調整弁
26,28,30,32,40,42,50,52,54 配管
34 バイパス
36,38,44,46 切換え弁
48 絞り機構

Claims (5)

  1. 圧縮機、第一熱交換器、減圧手段、第二熱交換器を冷媒配管で接続して形成した冷媒回路に、第一の冷媒であるR32を第二の冷媒であるR134aまたはR1234yfより大きい混合比で混合した2種混合冷媒を流通させ、冷房運転と暖房運転とに切換可能な空気調和機であって、
    前記冷媒回路は、
    冷房運転時において、凝縮器として機能する前記第一熱交換器の前記第二の冷媒が液リッチである位置から分岐した前記2種混合冷媒から気液分離器を介して分離した液冷媒を、前記圧縮機の中間圧にインジェクションする一方、
    暖房運転時において、凝縮器として機能する前記第二熱交換器と前記減圧手段との間に前記気液分離器が接続配置されるように回路を切り換える切換え弁を有することを特徴とする空気調和機。
  2. 前記第一の冷媒の混合比は80〜90wt%であることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 冷房運転時において、凝縮器として機能する前記第一熱交換器内の冷媒が気液二相状態となる位置から前記液冷媒を分離することを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
  4. 冷房運転時において、前記気液分離器の使用/不使用を切り換える切換え弁を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気調和機。
  5. 暖房運転時において、前記気液分離器の容器内の圧力を凝縮圧と蒸発圧の間の任意の値に制御するための絞り機構を、前記気液分離器の容器と凝縮器として機能する前記第二熱交換器との間に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気調和機。
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