JP5947474B2 - イカスミ豆腐ようの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、沖縄の伝統的大豆加工食品である豆腐ように関し、特に栄養価および旨みを増した豆腐ようの製造方法に関するものである。
豆腐ようは琉球王朝時代から伝承される沖縄独特の郷土料理である。典型的な製造方法の概略は、豆腐を麹および泡盛で発酵・熟成させた発酵食品である。琉球王朝時代には高貴な人物のための食品とされ、病後の滋養食として用いられたほど栄養価が高く、一般的な豆腐と比べ、豆腐のタンパク質を麹発酵により分解することで、アミノ酸に変化させ旨みを増し、胃壁の保護やコレステロール合成阻害の効果を持たせた健康食品である。その食感は、チーズ様の舌触りとウニ様の風味と、泡盛の香りのする独特のものであり、他の類似する食材が無いと言っていいほど特徴的である。なお、豆腐ようは「唐芙蓉」と表記されることもあるが、本明細書中では「豆腐よう」と表記する。
豆腐ようは伝統的料理であるが故に、昔ながらの製造方法が堅く守られ、作り手による味の違いこそあれ根本的改良を加える試みはあまり行われてこなかった。麹の種類を変更して無着色の豆腐ようをつくること(特許文献1)、麹では無く植物性乳酸菌を用いて発酵させたもの(特許文献2)、豆腐ように似た風味のみを付加した豆腐(特許文献3)、水分量を低下させた半乾燥豆腐よう(特許文献4)などがあるが、これらはいずれも本来の豆腐ようからかけ離れた風味を持ち、従来の豆腐ようの良い所はそのままに食感だけで無く含まれる栄養素および旨みまで改善すること、はいずれも成功していない。また本発明者はイカスミの栄養価、旨味成分を加えた豆腐を発明し(特許文献5)、一定の成果を得たものの、更なる開発を続けた。
特開平11−137204号公報
特開2009−296947号公報
特開2007−135423号公報
特開2006−180842号公報
特開2013−70695号公報
豆腐ようは、一般的な豆腐と比べ、タンパク質、無機質、ビタミンB1・B2が豊富な沖縄県産島豆腐を乾燥させ、紅麹と泡盛などを用いた漬け汁に長期間漬け込み、発酵・熟成させた発酵食品であり、原料の島豆腐自体の栄養価に加え、島豆腐のタンパク質を紅麹発酵により分解することで、アミノ酸に変化させ旨みを増し、胃壁の保護やコレステロール合成阻害の効果を持たせた栄養価の高い健康食品である。
豆腐ように用いられる豆腐は沖縄県において好まれる「島豆腐」であることが好ましい。「島豆腐」とは、豆乳を粘度の低い状態でにがりを投入し、加重と時間を掛けて含水率を減らした結果、通常の豆腐より堅く栄養価が高い。
伝統的な食材であるが故に、その製造方法は守られ続け、外見は薄紅色の液体にくるまれた乳白色の立方体であり、チーズ様の舌触りとウニ様の風味と泡盛の香りがする点で、ある意味画一化している。また含まれる栄養成分についても、原材料である大豆、麹、泡盛に由来する成分と、麹発酵により加わった成分を含むのみであり、豆腐よう愛好家の舌を満足させつつも、「特別な」豆腐ようが期待されていた。
通常の豆腐ようを製造する過程において、イカスミを含んだ豆腐を麹発酵させることにより、通常の大豆由来の成分、イカスミ由来の成分、およびそれらが麹発酵により生成した成分からなる、栄養価および旨みを増したイカスミ豆腐ようを発明するに至った。
本発明によるイカスミ豆腐ようは、大豆に由来するタンパク質、無機質、ビタミンB1・B2、イカスミに含まれる、アミノ酸、ムコ多糖、およびそれらが麹発酵によって作られた旨み成分が加わり、より栄養価が高く、旨み成分が増した豆腐ようが得られた。また、従来同様の食感はそのままに、通常とは異なりイカスミの着色料に起因する黒みがかった色彩は、従来の豆腐ようとは一線を画し、目で楽しむ新たな豆腐ようとしても期待される。
通常の豆腐ようの製造に準じ以下の工程で製造する。
(a)大豆を水に浸漬する
(b)水と共に摩砕する
(c)おからと豆乳とに分離させる
(d)豆乳を煮沸させる
(e)にがりおよびイカスミを投入する
(f)混合する
(g)分離が確認できるまで静かに待つ
(h)綿の布を敷いた木型にて成型する
(i)直方体に切断する
(j)塩を振って陰干しする
(k)泡盛で洗浄する
(l)麹を泡盛に漬けて作った漬け汁に漬け込む
(m)熟成させる
(a)浸漬、(b)摩砕、(c)分離、(d)煮沸工程については、通常の豆腐製造と同様であり、当業者が適宜に設定する条件で行うことが出来る。
(e)にがりおよびイカスミ投入工程において、にがりには通常は粗製海水塩化マグネシウム製剤が用いられるが、それ以外の同等の効果を奏する材料についても、通常の豆腐製造と同様に選択することが出来る。
(e)にがりおよびイカスミ投入工程において、イカスミとはイカが水中に排出する黒褐色の液体であり、タコスミも同様に用いることが出来るが、アミノ酸の含有量が多い点で、イカスミを用いることが好ましい。通常のイカスミ料理に用いられることから、比較的容易に入手出来る。またその投入量は、豆乳100重量部に対してイカスミ0.3〜0.6重量部であることが好ましい
(e)にがりおよびイカスミ投入工程において、投入の順序は適宜選択可能で有り、製品の味を決定する製造者の裁量に任される。すなわち、にがり投入の後イカスミを投入、イカスミを投入の後にがりを投入、にがりとイカスミを同時に投入、のいずれかから任意に選択される。
(f)混合、(g)静置、(h)成型工程については、通常の豆腐製造と同様であり、当業者が適宜に設定する条件で行うことが出来る。
(i)切断工程について、切断の大きさ、形については、後の陰干し、乾燥、麹発酵、製品にした時の形状を考えて適宜選択出来るが、通常は1〜3cm角程度に切断することが好ましい。
(j)陰干し工程は、通常2〜3日程度が好ましい。
(k)洗浄工程は、通常2〜3回程度が好ましい。
(k)洗浄、(l)漬け込み工程において、使用する泡盛の種類の選択は任意であり、その後の豆腐ようにも泡盛の漬け汁自体が含まれることも含めて、製品の味を決定する製造者の裁量に任される。
漬け込み(l)工程において、用いられる麹は、通常食品に用いられる麹で有れば良く、米麹であれば好ましく、紅麹および/または黄麹であればより好ましい。
漬け込み(l)工程において、用いられる漬け汁は麹を泡盛に漬け込んだものであり、つけ込みの期間は2〜4週間程度が好ましい。
熟成(m)工程において、その期間は通常3〜6か月程度であるが、製品としての味の仕上がりや生産に要するスピードを勘案し、製造者が適宜設定することが出来る。ただし、酒類における古酒のような特別な付加価値を付けることを目的とし、更に長期間熟成させることも選択可能である。
なお、上記行程は、イカスミが豆腐の内部に均一に分散する好ましい態様であるが、イカスミの投入が(m)熟成の前である態様も、イカスミの麹発酵と共に豆腐の表面の麹発酵が可能であるため、(i)切断工程で細かく切断した豆腐を用いる時などに採用可能な実施形態である。
以下の工程でイカスミ豆腐ようを得た。
大豆を水に浸漬し、水と共に摩砕し、おからと豆乳とに分離した。豆乳を煮て、沸騰したら火を消し、にがり(粗製海水塩化マグネシウム製剤)を入れて混ぜ、その後にイカスミを入れて軽く混ぜ合わせた。分離が確認できるまで静かに待ち、綿の布を敷いた木型にて成型した。出来上がったイカスミ豆腐を3cm角に切断し、塩を振って3日間陰干しし、泡盛で3回洗浄した。米麹(紅麹および黄麹)を泡盛に漬けて作った漬け汁に漬け込み、6か月熟成させた。
製造された豆腐ようを食べた所、通常の豆腐ように比べ、なめらかさ、まろやかさが増しており、増加した旨味により明らかに通常の豆腐ようとは一線を画するものであった。さらに、イカスミの相当量が豆腐部分に内包され、露出したイカスミ成分の量が減少されているため、従来のイカスミ添加食品に比べ、食後に口の中が着色されるようなことが少なく、食した後の外見を気にする消費者にとっても、安心して食べることが出来るものであった。
(比較例1)
(e)にがりおよびイカスミを投入する工程において、イカスミを投入しなかった以外は、実施例1と同様にして豆腐ようを得た。
製造された豆腐ようは、通常の食べ慣れた豆腐ようそのものであり、新鮮味に欠け、商品価値も従来同等であった。
(比較例2)
(e)にがりおよびイカスミを投入する工程においてはイカスミを投入せず、(m)熟成させる工程の後にイカスミを投入した以外は、実施例1と同様にして豆腐ようを得た。
製造された豆腐ようは、通常のイカスミ料理同様、単に基となる豆腐ようの味にイカスミの味が加わっただけであり、豆腐ようとイカスミの味が分離していること、及び口の中がイカスミでかなり着色される従来のイカスミ料理の持つ欠点をそのまま有していた。
(試験例)
実施例1で製造したイカスミ豆腐ようと、比較例1で製造した通常の豆腐ようの成分を分析した表を示す。
Figure 0005947474
ここで驚くべきことは、たんぱく質の量が通常の豆腐ように比べてイカスミ豆腐ようの方が少ないことである。このことは米麹による発酵の際に、イカスミが同時に存在することにより、原料の大豆由来のたんぱく質がより多く分解され、旨味成分であるアミノ酸の量が多くなっているものと推測でき、通常のイカスミ料理の観点からは予想することが出来なかった相乗効果である。
したがって、本発明のイカスミ豆腐ようは、通常の豆腐ようが有する原料由来の旨味成分と、イカスミ由来の旨味成分に加え、発酵時にイカスミが共存した事により分解されたたんぱく質由来の追加の旨味成分が存在することにより、従来の豆腐ようでは成し得なかった高められた旨味を持つ製品であり、商品価値の高いものを製造することが出来たと結論づけられる。
本発明により、色彩的にも目新しく、旨味の向上した豆腐ようを製造することが出来、従来の豆腐ようを愛好しつつも新鮮味が無いことを認識していた消費者だけでなく、独特の風味により敬遠していた消費者も、高められた旨味により認識を新たにし、沖縄独特の特産品として、豆腐ようの価値を高めることが出来る、イカスミ豆腐ようを提供ることが出来るようになった。

Claims (3)

  1. 豆腐よう製造工程において、大豆を水に浸漬し、水と共に摩砕し、おからと豆乳とに分離させ、豆乳を煮沸させ、にがりとイカスミを前後して又は同時に豆乳に投入し、混合し、分離が確認できるまで静かに待ち、綿の布を敷いた木型にて成型することにより製造されたイカスミ豆腐を、直方体に切断し、塩を振って陰干しし、泡盛で洗浄し、麹を泡盛に漬けて作った漬け汁に漬け込み、熟成させることを特徴とする、イカスミ豆腐ようの製造方法。
  2. 前記請求項1に記載のイカスミ豆腐ようの製造方法において、豆乳100重量部に対してイカスミ0.3〜0.6重量部投入することを特徴とする、イカスミ豆腐ようの製造方法。
  3. 前記請求項1〜2に記載のイカスミ豆腐ようの製造方法において、熟成期間が3〜6か月であることを特徴とする、イカスミ豆腐ようの製造方法。
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