添付図面を参照しながら、非限定的な、また、非網羅的な実施形態が説明される。様々な図面において、特に言及しない限り、類似の部分または類似の機能は同一の参照符号が用いられる。
図1は、スキャニング顕微鏡および/または他のスキャニング装置のイメージングシステム5の概略図であり、本稿で説明されるシステムの様々な実施形態による、ディジタル病理学サンプルスキャニングおよびイメージングに使用される様々な要素装置を含むことができる。イメージングシステム5は、フォーカスシステム10を備えるイメージング装置、スライドステージシステム20、スライドキャッシュシステム30、照明システム40、他の部品システム50、を含むことができ、これらは本稿でさらに詳細に説明される。本稿で説明されるシステムは、画像の取得、結合、および拡大のための、顕微鏡スライドスキャニング機器の構造および技術に使用することができ、「Digital Microscope Slide Scanning System and Methods」との表題のDietzらによる米国特許出願公開第2008/0240613A1号に説明されているように、正確さを実質的に失わせず画像を拡大して再構成し、再構成した画像を表示または保存する。かかる特許文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
図2は、光学スキャニング顕微鏡および/または他の適切なイメージングシステムのイメージング装置100を示す概略図であり、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、組織サンプル101および/またはスライド上に配置される他の対象のフォーカス画像を取得するためのフォーカスシステムの要素を含む。本稿で説明されるフォーカスシステムは、スナップショットが取得されるときに各スナップショットのためのベストフォーカスを決定することを提供し、これは「オンザフライフォーカス」と言及されることがある。本稿で提供される装置および技術は、病理学スライド内の領域のディジタル画像を形成するために必要とされる時間の優位な低減を導く。本稿で説明されるシステムは、従来のシステムの2ステップアプローチのステップを統合し、予備フォーカスのために必要とされる時間を実質的に取り除く。本稿で説明されるシステムは、スナップショットを取得するのにオンザフライ処理を使用して顕微鏡スライド上の標本のディジタル画像を形成することを提供し、全てのスナップショットを取得するための総時間は、スナップショットを取得する前に各スナップショットのフォーカスポイントを予め決定するステップを使用する方法により必要とされる時間よりも短い。
イメージング装置100は、電荷結合素子(CCD)および/または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサのようなイメージングセンサ110を含むことができ、これはディジタル病理学画像を取得するカメラ111の一部とすることができる。イメージングセンサ110は、顕微鏡対物レンズ120から伝播された光を受け取り、光はチューブレンズ112、ビームスプリッタ114、および、コンデンサ116および光源118および/または他の適切な光学部品119のような透過光顕微鏡の他の部品を介して伝播する。顕微鏡対物レンズ120は、無限に補正することができる。一実施形態において、ビームスプリッタ114は、光ビーム源の約70%をイメージセンサ110に導き、残りの約30%をディザフォーカスステージ150およびフォーカスセンサ160の経路に沿って導く。画像取得される組織サンプル101は、XY移動ステージ130上に配置することができ、これはX方向およびY方向に移動させることができ、本稿でさらに議論されるように制御することができる。イメージセンサ110で取得される組織101の画像にフォーカスするために、フォーカスステージ140は、顕微鏡対物レンズ120のZ方向の運動を制御することができる。フォーカスステージ140は、顕微鏡対物レンズ120を移動させるためのモーターおよび/または他の適切な装置を含むことができる。ディザフォーカスステージ150およびフォーカスセンサ160は、本稿で説明されるシステムによるオンザフライフォーカスのための精細なフォーカス制御を提供するために使用される。様々な実施形態において、フォーカスセンサ160はCCDおよび/またはCMOSセンサとすることができる。
ディザフォーカスステージ150およびフォーカスセンサ160は、各画像スナップが取得されるときにそれらのためのベストフォーカスを得るために、イメージングプロセスの間に迅速に計算される鮮鋭度値および/または他のメトリックにしたがって、オンザフライフォーカスを提供する。本稿でさらに議論されるように、ディザフォーカスステージ150は、所定の周波数でたとえばシヌソイド運動で運動でき、この周波数の運動は、顕微鏡対物レンズ120のより遅い運動に適用可能な運動周波数から独立であり且つこれを超える。ディザフォーカスステージ150の運動の範囲にわたる組織の観察のためのフォーカス情報に関して、複数の測定がフォーカスセンサ160によりなされる。フォーカス電子機器および制御システム170は、フォーカスセンサおよびディザフォーカスステージ150を制御するための電子機器、マスタークロック、スローフォーカスステージ140(Z方向)を制御するための電子機器、XY移動ステージ130、および本稿の技術によるシステムの実施形態の他の要素を含むことができる。フォーカス電子機器および制御システム170は、ディザフォーカスステージ150およびフォーカスセンサ160からの情報を用いて鮮鋭度計算を実行するために使用することができる。鮮鋭度値は、ディザ運動により画定されるシヌソイドカーブの少なくとも一部にわたって計算することができる。フォーカス電子機器および制御システム170は、組織のベストフォーカス画像のための位置を決定するためにこの情報を使用し、イメージング処理中にベストフォーカス画像を取得するために顕微鏡対物レンズ120が所望の位置(図示のようにZ軸にそって)に移動するようにスローフォーカスステージ140に命令する。また、制御システム170は、XY移動ステージ130のスピード、たとえば、ステージ130のY方向における運動スピードを制御するためにこの情報を使用することができる。一実施形態において、鮮鋭度値は、隣接するピクセルのコントラスト値を引き算し、2乗し、これらの値を合計して1つのスコアを形成することで計算することができる。鮮鋭度値を決定する様々なアルゴリズムが本稿でさらに議論される。
本稿で説明されるシステムの様々な実施形態において、また、本稿で議論される要素に関して、顕微鏡スライド上の標本のディジタル画像を形成するための装置は、無限に補正される顕微鏡対物レンズと、ビームスプリッタと、カメラフォーカスレンズと、高分解能カメラと、センサフォーカスレンズ群と、ディザフォーカスステージと、フォーカスセンサと、フォーカスコース(スロー)ステージと、フォーカス電子機器と、を含む。本装置は、対物レンズをフォーカスさせ、スナップショットを取得する前に全てのスナップショットのフォーカスポイントを予め決定する必要なく、カメラを通じて各スナップショットを取得することを可能にし、全てのスナップショットを取得するための総時間は、スナップショットを取得する前に各スナップショットのフォーカスポイントを予め決定するステップを必要とするシステムに必要とされる時間よりも短い。本システムは、コンピュータを含むことができ、このコンピュータは以下を制御し、i)コースフォーカスステージをz範囲の全体を通して移動させ、鮮鋭度値を監視することで、名目フォーカス平面を確立させるために、組織上の第1フォーカスポイントを決定する、ii)関心領域の角部において開始するために、組織をxおよびyに位置決めする、iii)ディザ精細フォーカスステージを移動させるように設定する、ここで、ディザフォーカスステージは、マスタークロックに同期され、マスタークロックは、XYステージの速度を制御する、コンピュータはさらに、iv)ステージに、フレームから隣接するフレームに移動するように命令し、および/または、v)イメージ上のフレームを取得し、パルス光を形成するように光源をトリガするために、トリガ信号を生成する。
さらに、他の実施形態において、本稿で説明されるシステムは、顕微鏡スライド上の標本のディジタル画像を形成するための、コンピュータに実装される方法を提供することができる。本方法は、標本の少なくとも一部を含む顕微鏡スライドの領域を有するスキャン領域を決定することを含むことができる。スキャン領域は、複数のスナップショットに分割することができる。スナップショットは、顕微鏡対物レンズおよびカメラを使用して取得することができ、対物レンズおよび顕微鏡のフォーカシング、およびカメラによる各スナップショットの取得は、スナップショットを取得する前に全てのスナップショットのフォーカスポイントを予め決定する必要なく、行うことができる。全てのスナップショットを取得する総時間は、スナップショットを取得する前に各スナップショットのフォーカスポイントを予め決定するステップを必要とする方法により必要とされる時間よりも少ない。
図3Aは、フォーカス電子機器および制御システム170の実施形態の概略図であり、フォーカス電子機器161、マスタークロック163、およびステージ制御電子機器165を含む。図3Bは、フォーカス電子機器161の実施形態を示す概略図である。図示の実施形態において、フォーカス電子機器161は、適切な電子機器を含むことができ、適当な速度のA/D変換器171、および鮮鋭度計算を行うのに使用できるマイクロプロセッサ173を備えるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)172を含むことができる。A/D変換器171は、フォーカスセンサ160から情報を受け取ることができ、これはFPGA172およびマイクロプロセッサ173に連結され、また、鮮鋭度情報を出力するために使用される。システム170に含まれるマスタークロックは、フォーカス電子機器161、ステージ制御電子機器165、およびシステムの他の要素にマスタークロック信号を供給することができる。ステージ制御電子機器165は、本稿でさらに議論されるように、スローフォーカスステージ140、XY移動ステージ130、ディザフォーカスステージ150、および/または他の制御信号および情報を制御するために使用される制御信号を生成することができる。FPGA172は、フォーカスセンサ160に、クロック信号および他の情報を供給することができる。実験室における測定は、640x32ピクセルの鮮鋭度計算が18ミリ秒で行うことができることを示し、本稿で説明されるシステムの適切な動作に十分な速さである。一実施形態において、フォーカスセンサ160は、640x32ストリップの窓を備える単色CCDカメラを含むことができ、これは本稿でさらに議論される。
スキャニング顕微鏡は、本稿でさらに議論されるように、コントラスト情報、および/またはRGBまたは他の色空間の強度情報を含むピクセルアレイの1Dまたは2Dを取得することができる。システムは、大きな視野上の、たとえば、25mm×50mmのガラススライド上のベストフォーカスポイントを見つける。多くの市販のシステムは、CCDアレイを備える20倍、0.75NA顕微鏡対物レンズにより生成される場面をサンプル取得する。対物レンズのNAおよび0.75のコンデンサ、および500nmの波長が与えられると、光学系の横方向の分解能は約0.5ミクロンである。4Mピクセルカメラ(たとえば、Dalsa Falcon 4M30/60)に関して、30fpsで動作し、7.4ミクロンのピクセルサイズで、物体からイメージングカメラへの拡大は7.4/0.25=30倍である。それゆえ、2352×1728の1フレームは、物体において0.588mm×0.432mmの領域をカバーし、15mm×15mmの領域として画定される典型的な組織区域に対して約910フレームに相当する。本稿で説明されるシステムは、フォーカス寸法における組織の空間変動が物体におけるフレームサイズよりも十分に小さい場合に望ましく使用される。実際、フォーカスの変動は、より大きな距離で生じ、多くのフォーカス調整は傾きを補正するためになされる。これらの傾きは、一般に物体におけるフレーム寸法ごとに0.5〜1ミクロンの範囲である。
現行のスキャニングシステム(たとえば、BioImagene iScan Coreo system)で結果を得る時間は、20倍、15mm×15mm視野の予備スキャンおよびスキャンで約3.5分であり、また、40倍、15mm×15mm視野で約15分である。15mm×15mm視野は、35フレームの26パス走査によりスキャンされる。スキャンは、1秒の戻り時間で一方向に行うことができる。本稿で説明される技術を用いるスキャンの時間は、名目フォーカス平面を見つけるのに約5秒となり得、1パスあたり1.17秒(25パス)であり、全体として5+25×(1.17+1)=59.25秒(約1分)である。これは、従来のアプローチに対してかなりの時間節約である。本稿で説明されるシステムの他の実施形態は、より速いフォーカス時間を可能にすることができるが、連続スキャンの運動ぼけを避けるために、短い照射時間のために必要とされる光の量に制限を与え得る。本稿でさらに議論されるLED光源とすることができる、高ピーク照明を可能にする光源118のパルス化またはストロボ化は、この問題を軽減することができる。一実施形態において、光源118のパルス化は、フォーカス電子機器および制御システム170により制御することができる。さらに、システムを双方向に動作させることで、約25秒の戻り時間を節約し、20倍スキャンで35秒のスキャン時間とすることができる。
フォーカス電子機器および制御システム170に使用される要素は、より一般的に、本稿で説明される技術の実施形態の様々な異なる機能を実行するのに用いられる電気要素と言及されことがあることに注意されたい。
図4は、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、ディザフォーカスステージ150をより詳細に示す概略図である。ディザフォーカスステージ150は、ディザフォーカスレンズ151を含むことができ、これは、ボイスコイルアクチュエータのような1つ以上のアクチュエータ152a、bにより移動させることができ、また、剛体ハウジング153内に取り付けることができる。一実施形態において、レンズは、市販されているもののような50mmの焦点距離を備える色消しレンズとすることができ、たとえば、Edmund Scientific, NT32-323を参照されたい。代替的に、ディザフォーカスレンズ151は、レンズの重量が低減されるようにプラスチックから非球面に形成することができる(ごく低質量)。屈曲構造部154は、剛体ハウジング153に取り付けることができ、また、剛体グラウンドポイントに取り付けることができ、たとえば、約600−1000ミクロンの小さな距離だけのディザフォーカスレンズ151の並進運動のみを可能にするようにすることができる。一実施形態において、屈曲構造部154は、曲げ方向に約0.010インチの厚さの適切なステンレス鋼シートから形成することができ、また、4バーリンケージを形成する。屈曲構造154は、疲労限界から遠い(5のファクター以下)作動応力において、多くのサイクルにわたって動作するように、好適なスプリング鋼から設計することができる。
ディザフォーカスレンズ151および屈曲構造154の移動質量は、約60Hz以上の第1機械共振周波数を提供するように設計することができる。移動質量は、容量センサまたは渦電流センサのような好適な高バンド幅(たとえば>1kHz)の位置センサ155で監視することができ、制御システム170(図2参照)にフィードバックを提供する。たとえば、KLA Tencor’s ADE divisionは、1kHzバンド幅の5mm2805プローブ、1mm測定範囲、77ナノメートル分解能の容量センサを製造しており、本用途に好適である。機能的に含まれるシステム170で示されるもののような、ディザフォーカスおよび制御システムは、ディザフォーカスレンズ151の振幅を指示されるフォーカス範囲に維持することができる。ディザフォーカスおよび制御システムは、周知のゲインコントロールオシレータ回路に基づくものとすることができる。共振周波数で動作するとき、ディザフォーカスレンズ151は、ボイスコイル巻き部において低消費の低電流で駆動できる。たとえば、BEI Kimco LAO8-10(Winding A)アクチュエータを使用すると、平均電流は、180mAより小さく、電力消費は0.1Wより小さくなり得る。
他のタイプのディザレンズおよび他のタイプのアクチュエータ152a、bは、本稿で説明されるシステムの様々な実施形態に使用することができる。たとえば、ピエゾ電気アクチュエータは、アクチュエータ152a、bとして使用することができる。さらに、ディザフォーカスレンズの運動は、顕微鏡対物レンズ120の運動から独立を維持する他の共振周波数での運動とすることができる。
本稿の技術による実施形態に含まれ得る上述の容量センサのようなセンサ155は、ディザフォーカスレンズがどこに位置決めされているか(たとえば、対応するレンズの運動に対応するサイン波またはサイクルに対する位置)についてフィードバックを提供することができる。本稿で説明されるように、フォーカスセンサを使用してどの取得されるイメージフレームがベスト鮮鋭度値を生成するかを決定することができる。このフレームに関して、ディザフォーカスレンズの位置は、センサ155により示されるようにサイン波の位置に対して決定することができる。センサ155により示される位置は、フォーカスステージ140の適切な調整を決定するために、制御電子機器170により使用することができる。たとえば、一実施形態において、顕微鏡対物レンズ120の運動は、スローフォーカスステージ140のスローステッパモータにより制御することができる。センサ155により示される位置は、顕微鏡対物レンズ120をZ方向のベストフォーカス位置に位置決めするために、対応する移動量(および対応する制御信号)を決定するのに使用することができる。制御信号は、スローフォーカスステージ140のステッパモータに伝達され、顕微鏡対物レンズ120をベストフォーカス位置に再位置決めさせることができる。
図5A−5Eは、本稿で説明されるシステムによる、フォーカス動作の相互作用を示す概略図である。同図は、イメージセンサ110、フォーカスセンサ160、ディザレンズを備えるディザフォーカスステージ150、および顕微鏡対物レンズ120を示す。組織101は、フォーカス動作が実行されるときに、XY移動ステージ130上でY軸に移動するように示される。一実施形態において、ディザフォーカスステージ150は、ディザレンズを60Hz以上(たとえば80Hz、100Hz)などの所望の周波数で運動させることができるが、他の実施形態において、本稿で説明されるシステムは、用途の状況によりより低い周波数(たとえば50Hz)でディザレンズを運動させてもよい。XY移動ステージ130は、たとえばY方向に、フレームから隣接するフレームに移動させるように命令できる。たとえば、ステージ130は、13mm/秒の定速で移動するように命令でき、これは、20倍の対物レンズに関して、約30フレーム/秒の取得速度に対応する。ディザフォーカスステージ150およびXY移動ステージ130は、フェーズロックすることができるので、ディザフォーカスステージ150およびセンサ160は、1秒あたりに60回のフォーカス計算をすることができ、または双方向に機能して(サイン波の上方および下方の運動のときに読む)1秒あたりに120フォーカスポイントまたは1フレーム当たりに4フォーカスポイントを計算する。1728ピクセルのフレーム高さに関して、これは、432ピクセルの全てフォーカスポイントに相当し、または、20倍の対物レンズの108ミクロンの全てに相当する。XY移動ステージ130が移動しているので、フォーカスポイントは、場面の変動を最小限にするために、非常に短い時間期間、たとえば330μ秒(またはそれ以下)、で取得すべきである。
様々な実施形態において、本稿でさらに議論されるように、このデータは記憶することができ、また、次のフレームのフォーカス位置に外挿するために使用することができ、または、代替的に、外挿はされずに、最新のフォーカスポイントをアクティブなフレームのフォーカス位置として使用することができる。60Hzのディザ周波数および1秒あたりに30フレームのフレーム速度で、フォーカスポイントは、スナップされるフレームの中心から1/4より小さい位置で取得される。一般に、組織の高さはフレームの1/4では、このフォーカスポイントが不正確になるほどは変化しない。
第1フォーカスポイントは、名目フォーカス平面または参照平面101´を確立するために組織上で見つけることができる。たとえば、参照平面101´は、顕微鏡対物レンズ120を最初に移動させ、スローフォーカスステージ140を用いて、Z範囲の全体+1/−1mmの範囲で移動させて鮮鋭度値を監視することで決定することができる。参照平面101´が見つかると、組織101は、角部で開始するために関心領域のX、Yおよび/または他の特定の位置に位置決めされ、ディザフォーカスステージ150は移動するように設定され、および/またはディザフォーカスステージ150の他の運動が監視され続け、図5Aにおいて開始される。
ディザフォーカスステージ150は、制御システム170(図2参照)のマスタークロックに同期させることができ、これは、XY移動ステージ130の速度を制御するのにも使用することができる。たとえば、ディザフォーカスステージ150が0.6ミリメートルのp−v(ピークから谷)で60ヘルツのシヌソイド運動を通じて移動する場合、シヌソイドのより線形の範囲を使用するために32%のデューティーサイクルを想定し、2.7ミリ秒の期間でフォーカス範囲を通して8ポイントを収集することができる。図5B−5Dにおいて、ディザフォーカスステージ150は、ディザレンズをシヌソイド運動で移動させ、フォーカスサンプルは、シヌソイドカーブの少なくとも一部を通して取得される。それゆえ、フォーカスサンプルは、330マイクロ秒ごとに、または3kHzのレートで取得される。物体とフォーカスセンサ160との間の5.5倍の拡大率で、0.6mm p−vのディザレンズの運動は、対物レンズの20ミクロンのp−vの運動に相当する。この情報は、最も大きい鮮鋭度が計算された位置、すなわちベストフォーカス位置を、スローフォーカスステージの140スローステッパモータに伝達するために使用される。図5Eに示されるように、スローフォーカスステージ140は、画像センサ110が適時に組織101の関心領域のベストフォーカス画像110´を取得するために、顕微鏡対物レンズ120をベストフォーカス位置に移動させる(移動範囲120´により示される)ように命令される。一実施形態において、ディザレンズ運動の特定の数のサイクルの後に画像をスナップショットするために、イメージセンサ110が、たとえば制御システム170によりトリガされる。XY移動ステージ130は次のフレームに移動し、ディザフォーカスステージ内のディザレンズのサイクル運動は継続し、図5A−5Eのフォーカス動作が繰り返される。鮮鋭度は、プロセスのボトルネックとならない速度、たとえば3kHzで計算することができる。
図6Aは、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、ディザフォーカス光学系の命令波形および鮮鋭度決定を示すプロット200の概略図である。一実施形態において、図5A−5Eの例に関して議論される時間に基づく。
T = 16.67 msec /レンズが60Hzで共振する場合のディザレンズのシヌソイドの周期
F = 300μm /フォーカス値の正の範囲
N = 8 /期間Eにおいて取得されるフォーカスポイントの数
Δt = 330μsec /330μsecごとに取得されるフォーカスポイントサンプル
E = 2.67msec /Nフォーカスポイントが取得される期間
Δf = 1.06μm フォーカス移動の中心において /フォーカスカーブのステップサイズ
それゆえ、32%のデューティサイクルにより、フォーカス処理を通じて8.84μm(8×1.06μm=8.48μm)がサンプル取得される。
図6Bは、プロット210に示されるディザレンズのサイン
図6Bは、プロット210に示されるディザレンズのサイン波運動の一部の計算された鮮鋭度(Zs)値のプロット210を示す概略図である。各ポイントiの関数としてサンプル取得された各フォーカス平面の位置(z)は、式1により与えらえる。
CCDカメラをウインドーイングすることは、本稿で説明されるシステムに好適な高フレームレートを提供し得る。たとえば、Ontario, CanadaにあるWaterlooのDalsa社は、Genie M640-1/3 640×480 Monochrome cameraを製造している。Genie M640-1/3は、640×32のフレームサイズで3000フレーム/秒で動作し得る。CCDアレイ上のピクセルサイズは7.4ミクロンである。物体とフォーカス平面との間における5.5倍において、1つのフォーカスピクセルは物体において約1.3ミクロンに相当する。フォーカスピクセル毎の約16物体ピクセル(4×4)のいくらかの平均化が生じるが、良いフォーカス情報を得るために十分な高空間周波数コントラスト変化が保護される。一実施形態において、ベストフォーカス位置は、鮮鋭度計算プロット210のピーク値により決定することができる。追加的な実施形態において、本稿でさらに議論されるコントラストメトリックを含む、他のメトリックによりベストフォーカスを決定するために他のフォーカス計算および技術を使用できることに注意されたい。
図7Aおよび7Bは、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、フォーカス決定および標本(組織)の調整を示す概略図である。図7Aにおいて、図柄250は、本稿で議論されるXY移動ステージ130の運動によるY軸に沿った標本の移動に関する概略イメージフレームにおける標本の図である。Y軸に沿った標本の移動(たとえばXYステージ130の運動による)に関する、標本上の1横断または1通過は、符号250に示されている。図示250´は、図示250の一部の拡大図である。図示250´の1フレームは、指定されたdtpであり、標本の明確な組織ポイント(definite tissue point)を参照する。図示250´の例において、標本境界が示され、スキャン中に、本稿で説明されるシステムにより複数回のフォーカス計算が行われる。例として、フレーム251において、標本のイメージングに関して4回のフォーカス計算(フォーカス位置1、2、3、0*として示される)が実行された後に、ベストフォーカス決定がなされるが、本稿で説明されるシステムに関してより多くのフォーカス計算が行われるようにしてもよい。図7Bは、検査される標本のY軸位置に対する顕微鏡対物レンズのZ軸位置のプロットを示す概略図260を示す。図示の位置261は、本稿で説明されるシステムの一実施形態によるベストフォーカスを達成するための顕微鏡対物レンズ120の調整のために決定されたZ軸に沿う位置を示す。
本稿で説明されるシステムは、米国特許第7576307号明細書、第7518642号明細書に開示されているもののような従来のシステムに対して優位な効果を提供する。これらの文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、顕微鏡対物レンズの全体はシヌソイドまたは三角形のパターンでフォーカスを通じて移動される。本稿で提供されるシステムは有利であり、重く(特に他の対物レンズがタレットを介して追加される場合)、ディザ光学系を使用して説明される高い周波数で移動させることができない、顕微鏡対物レンズおよび付随するステージとの使用に好適である。本稿で説明されるディザレンズは、調整されるマス(たとえば、ガラスより軽量に形成される)を備えることができ、フォーカスセンサへのイメージング要求は、顕微鏡対物レンズに必要とされるものよりも小さい。フォーカスデータは、鮮鋭度を計算するときに場面の変化を最小にするために、本稿で説明されるように高レートで取得することができる。場面の変化を最小化することで、本稿で説明されるシステムは、システムがフォーカス内外へ移動し、組織が顕微鏡対物レンズの下で移動するときに、鮮鋭度メトリックにおける不連続性を小さくする。従来のシステムにおいて、そのような不連続性はベストフォーカス計算にノイズを与える。
図8は、フォーカス位置を通る移動から生成される鮮鋭度プロファイルの一例を示す概略図であり、鮮鋭度カーブおよび本稿で説明されるシステムの実施形態によるディザフォーカス光学系によりサンプル取得される複数のポイントにおける各鮮鋭度応答のコントラスト比を含む。プロット310は、ディザレンズの振幅をマイクロメートルでx軸に示し、Y軸に沿って鮮鋭度単位を示す。図示のように、ディザレンズ運動は、代表されるポイントA、B、C、D、Eにおいて中心決めされる。しかし、本稿で説明される計算は、鮮鋭度カーブ上の各ポイントに適用することができることに注意されたい。ディザレンズの各ポイントA、B、C、D、Eにおいて中心決めされるときに、ディザレンズのシヌソイドの半サイクルに関してフォーカスセンサ160から生成される鮮鋭度応答がそれぞれプロット310a−eに示されている。これらにもとづき、ポイントA−Eの対応する1つを備える鮮鋭度応答の各々のコントラスト比が、コントラスト関数=(最大値−最小値)/(最大値+最小値)で計算される。ポイントA−E(たとえばディザレンズ運動が中心決めされるポイント)の1つのために決定されるコントラスト関数および対応する鮮鋭度応答カーブ310a−eの1つに関して、最大値は、鮮鋭度応答カーブから得られる最大の鮮鋭度応答値を示し、最小値は、鮮鋭度応答カーブから得られる最小の鮮鋭度値を示す。結果として得られるコントラスト関数プロット320は、鮮鋭度カーブプロット310の下に示されており、ディザレンズ振幅によるディザレンズの運動に対応するコントラスト比値をプロットしている。プロット320におけるコントラスト関数の最小値は、ベストフォーカス位置である。コントラスト関数およびベストフォーカス位置の決定に基づき、制御信号を生成することができ、イメージセンサ110が画像110´を取得する前に、顕微鏡対物レンズ120をベストフォーカス位置に移動させるように、制御信号はスローフォーカスステージ140を制御するために使用される。
図9は、機能制御ループブロックダイアグラム350を示し、スローフォーカスステージ140を制御するための制御信号を生成するコントラスト関数を示している。Udは、フォーカス制御ループに対する外乱と考えることができ、また、たとえば、スライドの傾きまたは組織の表面高さの変化を示すものとすることができる。機能ブロック352は、鮮鋭度ベクトル情報の生成を示し、これは、フォーカスセンサ160により生成され、また、フォーカス電子機器および制御システム170に連絡される。機能ブロック354は、ディザレンズがフォーカスをサンプリングしているポイントにおけるコントラスト数(たとえば、コントラスト関数の値)の生成を示す。このコントラスト数は、ベストフォーカスが予め確立された場所で最初のステップにおいて生成される、セットポイントまたは参照値(Ref)と比較される。適切な適用されるゲインK1(機能ブロック356)との比較から生成されるエラー信号は、スローフォーカスモータを補正し、場面をフォーカス状態に維持するように機能する(機能ブロック358)。一実施形態は、移動量の最小値または閾値にしたがって顕微鏡対物レンズ120の位置を調整することができることに注意されたい。したがって、そのような実施形態は、閾値よりも小さい調整をすることを避けることができる。
図10は、本稿で説明される実施形態による、フォーカス処理に関して複数の領域に分割されるフォーカスウィンドウ402を示す概略図である。図示の実施形態において、フォーカスウィンドウは8この領域(402´)に分割されるが、本稿で説明されるシステムに8個より少ないまたは多い領域を使用することができる。領域の第1サブセットはスナップショットn内に、領域の第2サブセットはスナップショットn+1内にすることができる。たとえば、領域2、3、4、5は、時間t1においてスナップ撮りされるイメージフレーム404内にある。領域6、7は、XY移動ステージ130が図の下から上に移動するときにスナップ撮りされる次のイメージフレーム内に完全に入るようにし、および/または、領域0、1は、ステージ130が図の上から下へ移動するときにスナップ撮りされる次のイメージフレーム内に完全に入るようにすることができる。フォーカス位置0、1、2、3は、位置0*における次のスナップ撮りされるフレームのためにベストフォーカス位置を外挿するために使用することができる。たとえば、関心領域の全てを曲がりくねったパターンで横断するように実行することで、組織の適用範囲を確立することができる。
イメージセンサの矩形ウィンドウ404は、イメージングが矩形フォーカス窓402に整合しているときに取得されるフレームの列のように、ステージ130の移動方向に向き決めすることができる。イメージフレーム406、たとえばDalsa 4M30/60 CCDカメラ、内の物体のサイズは、30倍のチューブレンズを使用して0.588mm×0.432mmである。アレイサイズは、(2352×7.4ミクロン/30)×(1720×7.4ミクロン/30)とすることができる。イメージフレーム406の広い方の寸法(0.588mm)は、フォーカスウィンドウ402に対して垂直に向き決めすることができ、組織セクションにわたって横断する列の最小の数を可能にする。矩形フォーカスウィンドウ402は、(32×7.4ミクロン/5.0)×(640×7.4ミクロン/5.0)とすることができる。それゆえ、フォーカスセンサのフレーム402は、イメージセンサのフレーム404より約2.2倍高く、本稿でさらに議論されるように複数領域を含む先読みフォーカス技術に有利に使用することができる。本稿で説明されるシステムの実施形態によれば、1秒当たり120のベストフォーカス決定をすることができ、333μ秒毎に鮮鋭度計算を行い、2.67ミリ秒で8個の鮮鋭度計算を生じさせ、8.3ミリ秒のディザレンズ運動の半分のディザ期間で約32%のデューティサイクルに相当する。
各領域の鮮鋭度眼トリックを計算し、記憶することができる。複数の領域を使用して単一のフォーカスポイントの鮮鋭度メトリックを計算するとき、鮮鋭度メトリックは各領域について決定されて、たとえば、単一のポイントと考えられる全ての鮮鋭度メトリックを合計することにより結合することができる。領域ごとの鮮鋭度計算の例は、式2に示されている(たとえば、640×32ストリップのウィンドウのカメラの使用に基づく)。行iに関して、次元nは32まであり、列jに関して次元mは640/zまであり、ここでzは、鮮鋭度か計算される領域の数であり、領域の鮮鋭度は式2で表される。
ここでkは、1から5までの整数である。本稿で説明されるシステムに他の鮮鋭度メトリックおよびアルゴリズムを使用することができる。XY移動ステージ130がY軸にそって移動しているとき、システムはフォーカスウィンドウ402における領域0−7の全ての鮮鋭度情報を取得する。ステージ130が移動しているとき、組織セクションの高さがどのように変化しているかを知ることが望ましい。フォーカス高さを変化させて鮮鋭度カーブを計算することで(最大鮮鋭度がベストフォーカスである)、たとえば、領域6、7は、次のベストフォーカス平面が位置決めされる次のフレームに移動する前に情報を提供することができる。この先読みにより大きなフォーカス変化が予期された場合、ステージ130は遅くされ、高さ遷移をより正確に追跡するためにより緊密なポイントを提供する。
スキャニングプロセスの間、本システムが白空間(組織無し)から黒空間(組織)へ遷移しているかどうかを決定することは有利となり得る。領域6、7において鮮鋭度を計算することにより、この遷移が生じているかどうかを予測することが可能である。列をスキャンしながら、領域6、7が鮮鋭度の増加を示す場合、XY移動ステージ130は、組織の境界上でより緊密な間隔でフォーカスポイントを形成するようにスピードを落とすように命令することができる。一方、高鮮鋭度から低鮮鋭度へ移動が検出される場合、スキャナの視野が白空間に入っていることを決定することができ、組織境界上でより緊密な間隔でフォーカスポイントを形成するために、ステージ130のスピードを落とすことが望まれる。これらの遷移が生じていない領域において、ステージ130は、スライドスキャンの全体のスループットを高めるために、より速い一定のスピードで移動させるように命令することができる。この方法は、有利に組織を迅速にスキャンすることを可能にし得る。本稿で説明されるシステムによれば、スナップショットは、フォーカスデータが収集されるときに取得することができる。さらに、全てのフォーカスデータは、第1スキャンにおいて収集および記憶することができ、スナップショットは、後続のスキャンの間にベストフォーカスで取得することができる。一実施形態は、フォーカスの変化を検出するために鮮鋭度値に関して本稿で説明されたのと類似の手法でコントラスト関数値を使用することができ、組織を含む領域または白空間へ出入りする遷移を決定する。
たとえば、15mm×15mmの20倍のスキャンで、0.588×0.432mmのイメージフレームサイズにおいて、26列のデータがあり、各列は35フレームを備える。30fpsのイメージング速度において、各列は1.2秒で横断され、またはスキャン時間は約30秒である。フォーカスセンサ160は1秒当たりに120(またはそれ以上)のフォーカスポイントを計算するので、本稿で説明されるシステムは、フレームごとに4フォーカスを計算することができる(120フォーカス/秒 割る30fps)。
他の実施形態において、フォーカスセンサ160としてカラーカメラを使用することができ、および、鮮鋭度コントラストメトリックに代替的におよび/または追加的に、彩度メトリックを決定することができる。この実施形態によれば、たとえば、640×480Genie cameraのDalsa color versionをフォーカスセンサ160として好適に使用することができる。彩度メトリックは、照射された白色に類似の輝度に関する色彩性として説明することができる。数式(式3Aおよび式3B)において、彩度(C)は、R、G、Bの色測定値の線形結合とすることができる。
CB=-37.797×R-74.203×G+112×B 式3A
CR=112×R-93.786×G-18.214×B 式3B
R=G=Bの場合、CB=CR=0である。総彩度を表す値Cは、CBおよびCRに基づいて決定することができる(たとえば、CBおよびCRを合計することにより)。
XY移動ステージ130がy軸に沿って移動しているとき、フォーカスセンサ160は、明視野顕微鏡におけるように、カラー情報(R、G、B)を取得することができる。ステージが移動しているときに組織セクションの高さがどのように変化しているのかを知ることが望ましい。RGBカラー情報は、コントラスト技術と同様に、システムが白空間(組織無し)から色彩空間(組織)へ遷移しているかどうかを決定するのに使用することができる。たとえば領域6、7の彩度を計算することで、この遷移が生じようとしているのかを予測することができる。たとえば、ほとんど彩度が検出されない場合、C=0であり、組織境界が近づいていないことを認識することができる。しかし、フォーカス列をスキャンしているとき、領域6および領域7が彩度の増加を示す場合、組織境界上でより緊密な間隔でフォーカスポイントを形成するために、ステージ130に速度を落とすように命令することができる。一方、高彩度から低彩度への移動が検出される場合、スキャナが白空間に入ろうとしていることが決定され、組織境界上でより緊密なフォーカスポイントを形成するために、ステージ130の速度を落とすことが望まれる。これらの遷移が生じない場所において、ステージ130は、スライドスキャニングの全体のスループットを増加させるために、より速い一定のスピードで動くように命令することができる。
視野または近づいているフレームが組織のあるスライド領域に入ろうとしているまたは出ようとしているときを決定するために、鮮鋭度値、コントラスト比、および/または彩度値の使用に関して、処理の変形をすることができる。たとえば、白空間から組織のある領域に入るとき、Y方向の運動を減少させ、取得されるフォーカスポイントの数を増加させることができる。白空間または組織の間の領域を見ているとき、Y方向の運動を増加させ、組織を含む領域に移動するまで、より少ない決定されるフォーカスポイントを検出するようにすることができる(たとえば、彩度および/または鮮鋭度値の増加などにより)。
図11は、本稿の技術による実施形態における、異なる時間ポイントにおいて取得される異なる鮮鋭度値を示すグラフ図である。上部462は、ディザレンズ運動のサイン波の半サイクル(たとえば、単一のピークからピークのサイクルまたは周期の半分)に対応するカーブ452を含む。X軸は、このサイクルの間のディザレンズの振幅値に対応し、Y軸は、鮮鋭度値に対応する。ポイント462aなどの各ポイントは、フォーカスセンサを使用して取得されるフレームのポイントを示し、各フレームは、このポイントのX軸の値により示されるディザレンズ振幅において取得され、このポイントのY軸の値により示される鮮鋭度値を備える。下部464の要素465は、図示のデータポイントで上部462に示されるように取得される鮮鋭度値のセットでフィッティングされたカーブを示す。
図13は、本稿で説明されるシステムの一実施形態による検査のもとで、標本のスキャン中のオンザフライフォーカス処理を示す、フローダイアグラム500である。ステップ502において、検査される標本のために、名目フォーカス平面または参照平面が決定される。ステップ502の後、処理はステップ504に進み、本稿で説明されるシステムによれば、ここで、ディザレンズは、特定の共振周波数で動作するようにセットされる。ステップ504の後、処理はステップ506に進み、ここで、XY移動ステージは、特定のスピードで移動するように命令される。ステップ504およびステップ506の順番は、ここで議論される処理の他のステップと同様に、本稿で説明されるシステムに応じて適切に修正することができることに注意されたい。ステップ506の後、処理はステップ508に進み、ここで、本稿で説明されるシステムによるディザレンズの運動に関して、検査される標本に対するフォーカスポイントにおける鮮鋭度計算が行われる。鮮鋭度計算は、コントラスト、彩度、および/または、本稿でさらに議論されるような他の適切な測定値の利用を含むことができる。
ステップ508の後、処置はステップ510に進み、ここで、本稿で説明されるシステムにより画像を取得するためのイメージセンサに関して使用される顕微鏡対物レンズの位置のためにベストフォーカス位置が決定される。ステップ510の後、処理はステップ512に進み、ここで、ベストフォーカス位置に関する制御信号が、顕微鏡対物レンズの位置(Z軸)を制御するスローフォーカスステージに送られる。ステップ512は、対物レンズの下の標本部分の画像を取得するために、カメラにトリガ信号を送ることを含むことができる。トリガ信号は、たとえば、(たとえばディザレンズ運動に関する)特定のサイクル数の後にイメージセンサによる画像の取得を生じさせる制御信号とすることができる。ステップ512の後、処理はテストステップ514に進み、ここで、スキャンの下で標本を保持するXY移動ステージのスピードを調整すべきかどうかが決定される。一実施形態において、この決定は、フォーカスされた視野の鮮鋭度および/または他の情報を使用して、先読み処理技術により行うことができ、これは本稿でさらに詳細に議論される。テストステップ514において、XYステージのスピードが調整されるべきと決定されたら、処理はステップ516に進み、ここで、XY移動ステージのスピードが調整される。ステップ516の後、処理はステップ508に戻る。テストステップ514において、XY移動ステージのスピードの調整を行わないことが決定されると、処理はテストステップ518に進み、ここで、フォーカス処理を続けるかどうかが決定される。処理が続けられるならば、処理はステップ508に戻る。一方、処理が続けられない場合(たとえば、現在の標本のスキャンが完了した場合)、フォーカス処理は終了し、処理が完了する。
図13は、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、スローフォーカスステージにおける処理を示すフローダイアグラム530である。ステップ532において、顕微鏡対物レンズの位置を(たとえばZ軸に沿って)制御するスローフォーカスステージは、標本を検査する顕微鏡対物レンズの位置を調整するための情報を備える制御信号を受け取る。ステップ532の後、処理はステップ534に進み、ここで、スローフォーカスステージは、本稿で説明されるシステムによる顕微鏡対物レンズの位置を調整する。ステップ534の後、処理は待ちステップ536に進み、ここで、スローフォーカスステージはさらなる制御信号を受け取るのを待つ。ステップ536の後、処理はステップ532に戻る。
図14は、本稿で説明されるシステムの一実施形態による画像取得処理を示すフローダイアグラムである。ステップ552において、カメラのイメージセンサは、顕微鏡検査のもとで標本の画像を取得する処理を開始するトリガ信号および/または他の命令を受け取る。様々な実施形態において、トリガ信号は、制御システムから受け取ることができ、制御システムは、本稿で説明されるシステムによるフォーカス処理に用いられるディザレンズの運動サイクルの一定数の後に、イメージセンサの画像取得処理を開始するように制御する。代替的に、トリガ信号は、XY移動ステージ上の位置センサに基づいて提供することができる。一実施形態において、位置センサは、Renishaw Linear Encoder Model No.T1000-10Aとすることができる。ステップ552の後、処理はステップ554に進み、ここで、イメージセンサは画像を取得する。本稿で詳細に議論されるように、イメージセンサにより取得された画像は、本稿で説明されるシステムによるフォーカスシステムの動作に関してフォーカスされている。取得された画像は、本稿で参照される他の技術に関連して互いに結び付けることができる。ステップ554の後、処理はステップ556に進み、ここで、イメージセンサは次のトリガ信号の受信を待つ。ステップ556の後、処置はステップ552に戻る。
図15は、本稿で説明されるシステムの一実施形態によるフォーカス処理の代替構成を示す概略図600である。ウィンドウかけされたフォーカスセンサはフレーム視野(FOV)602を備え、FOV604は傾斜しており、または、イメージセンサのFOV604の幅に実質的に等しい帯で斜めにスキャンするように他のように位置決めされる。本稿で説明されるように、ウィンドウは進行方向に対して傾斜するようにすることができる。たとえば、傾斜したフォーカスセンサのフレームFOV602は、45°回転させるようにすることができ、物体(組織)において、0.94×0.707の有効幅を備える。イメージセンサのフレームFOV604は、0.588mmの有効幅を備え、それゆえ、組織を保持するXY移動ステージが対物レンズの下で移動するとき、傾斜するフォーカスセンサのフレーム602は、イメージセンサにより観察される帯のエッジを見る。視野において、傾斜するフォーカスセンサの複数のフレームは、時間0、1、2、3における中間位置で、イメージセンサのフレームFOV604上で重ねられるように示される。フォーカスポイントは、フォーカ列における隣接するフレームの中心の間の3つの位置において取得することができる。フォーカス位置0、1、2、3は、位置0*における次のスナップされるフレームのためにベストフォーカス位置を外挿するために用いられる。この方法のスキャン時間は、本稿の他の箇所で説明された方法と類似する。傾斜フォーカスセンサのフレーム602がより短い先読みを備え、この場合、0.707×(0.94−0.432)/2=0.18mmまたは傾斜フォーカスセンサは、取得される次のフレーム内に42%侵入し、イメージセンサのフレームFOV604に対して傾斜する傾斜フォーカスセンサのフレームFOV602は、スキャンする帯のエッジ上の組織を見て、ある場合は有利となりえる、エッジのフォーカス情報を提供する。
図16は、本稿で説明されるシステムの他の一実施形態によるフォーカス処理の代替構成を示す概略図650である。図示650のように、傾斜フォーカスセンサのフレームFOV653およびイメージセンサのフレームFOV654が示されている。傾斜フォーカスセンサのフレームFOV652は、組織にわたる前方経路上でフォーカス情報を取得するために使用することができる。前方経路のフォーカスデータを使用してフォーカスステージを調整し、一方で、後方経路において、イメージセンサは、フレームをスナップ取得する。前述の方法における中間位置0、1、2、3をスキップして、全てのイメージフレームにおけるフォーカスデータを取得したい場合、XY移動ステージは、高速のフォーカスポイント取得の前方経路において4倍のスピードで移動することができる。たとえば、20倍で15mm×15mmでは、列のデータは35フレームである。フォーカスデータは1秒あたり120ポイント取得されるので、前方経路は、0.3秒(35フレーム/1秒当たり120フォーカスポイント)で実行できる。この例の列の数は26であり、それゆえ、フォーカスポイントは、26×0.3または7.6秒で行うことができる。30fpsにおける画像取得は約32秒である。したがって、総スキャン時間のフォーカス部分は20%だけであり、これは効率的である。さらに、フォーカスが1フレームごとにスキップすることが可能である場合、スキャン時間のフォーカス部分は実質的にさらに小さくなる。
他の実施形態において、本稿で説明されるシステムに使用することができる追加の先読み情報を提供するために隣接する列のデータをサンプル取得するように、フォーカスセンサのフォーカスストリップは、視野内の他の位置、および他の向きに位置決めすることがでることに注意されたい。
スライドを移動させるXY移動ステージは、後方工程上で生成されるものに対して、前方工程上で生成されるベストフォーカスポイントを繰り返すことができる。20倍で0.75NA、0.9ミクロンのフォーカス深さの対物レンズにおいて、約0.1ミクロンで繰り返すことが望ましい。ステージは、0.1ミクロンの前方/後方の反復性に適合するように構築され、したがって、この要求は、本稿でさらに議論するように技術的に実行可能である。
一実施形態において、本稿で説明されるシステムにより検査されるガラススライド上の組織または少量の物質は、スライドの全体をカバーすることができ、または、約25mm×50mmの領域をカバーすることができる。分解能は対物レンズの開口数(NA)、スライドへのカップリング媒体、コンデンサのNA、および光の波長に依存する。たとえば、60倍で0.9NAの顕微鏡対物レンズ、プランアポクロマート(Plan apochromat, Plan APO)、空気中で緑の光(532nm)において、顕微鏡の横方向解像度は、約0.2umであり、0.5umのフォーカス深さである。
本稿で説明されるシステムの動作に関して、ディジタル画像は、関心領域上を、ラインスキャナセンサまたはCCDを介して、限定された視野を移動させ、限定された視野またはフレームまたはタイルをザイクを作成するように互いに結合させることで取得することができる。観察者が画像の全体を観察するときに、視認できる結合部、または、フォーカスまたは明度の変動がない繋ぎ目のないモザイクとなるようにすることが望まれる。
図17は、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、スライド上の組織のモザイク画像を取得する処理を示すフローダイアグラムである。ステップ702において、スライドのサムネイル画像を取得することができる。サムネイル画像は、1倍または2倍の拡大率のオーダーで低解像度とすることができる。スライドラベルにバーコードが存在する場合、バーコードは解読され、このステップにおいてスライドイメージに添付される。ステップ702の後、処理はステップ704に進み、ここで、標準的な画像処理ツールを用いてスライド上で組織が発見される。スキャン領域を与えられる関心領域へと狭くするために、組織を境界付けることができる。ステップ704の後、処理はステップ706に進み、ここで、組織の平面に対してXY座標系を付与することができる。ステップ706の後、処理はステップ708に進み、ここで、組織の規則的なXY間隔で、1つ以上のフォーカスポイントが生成され、本稿で議論した1つ以上のオンフライフォーカス技術のようなフォーカス技術を用いてベストフォーカスが決定される。ステップ708の後、処理はステップ710に進み、ここで、望ましいフォーカスポイントの座標および/または他の適切な情報が保存され、また、アンカーポイントとして参照される。フレームがアンカーポイントの間に位置する場合、フォーカスポイントを外挿することができることに注意されたい。
ステップ710の後、処理はステップ712に進み、ここで、顕微鏡対物レンズは、本稿で議論される技術によりベストフォーカス位置に位置決めされる。ステップ712の後、処理はステップ714に進み、ここで画像が収集される。ステップ714の後、処理はテストステップ716に進み、ここで、関心領域の全体がスキャンされ画像取得されたかどうかが決定される。まだであったら、処理はステップ718に進み、ここでXYステージは、本稿で議論される技術により、組織をX方向および/またはY方向に移動させる。ステップ718の後、処理はステップ708に戻る。テストステップ716において、関心領域の全体がスキャンされ、画像取得されたことを決定されると、処理はステップ720に進み、ここで収集された画像フレームは互いに結び付けられ、または他の方法で結合され、本稿で説明されたシステムおよび本稿で議論される技術(たとえば、米国特許出願第2008/0240613号などを参照)を用いて、モザイク画像を形成する。ステップ720の後、処理は完了する。1つまたはそれ以上のモザイク画像を取得するために、本稿で説明されるシステムに他の適切な手順を採用することもできることに注意されたい。
本稿で説明されるシステムの有利な動作に関して、z位置の再現性は、対物レンズのフォーカス深さの端数まで再現できるようにすることができる。フォーカスモーターによるz位置の戻るときの小さなエラーは、タイルシステム(2D CCDまたはCMOS)およびラインスキャンシステムの隣接列で容易に観察できる。上述した60倍での分解能に関し、150ナノメートルまたはそれ以下のオーダーでのzピーク再現性が望ましく、そのような再現性は、4倍、20倍、および/または40倍の対物レンズなどの他の対物レンズにも好適である。
本稿で説明されるさらなるシステムによれば、本稿で説明されるディジタル病理学イメージングの特徴および技術に使用できる病理学顕微鏡用途のために、XYステージを含むスライドステージシステムの様々な実施形態が提供され、たとえば、オンザフライフォーカス技術に関して本稿で議論したXY移動ステージ130のように機能するものを含む。一実施形態によれば、本稿でさらに詳細に議論されるように、XYステージは、剛性ベースブロックを含むことができる。ベースブロックは、盛り上がったボス上に支持される、ガラスの平坦なブロックを含むことができ、また、盛り上がったボス上に支持される、三角形の断面を備えるガラスの第2ブロックを含むことができる。
図18は、本稿で説明されるシステムの一実施形態に使用することができるXYステージの精密ステージ800(たとえばYステージ部分)の実施形態を示す概略図である。たとえば、精密ステージ800は、25mm×50mmの領域にわたって、150ナノメートルまたはそれ以下のオーダーでzピークの再現性を達成することができる。本稿でさらに議論されるように、精密ステージ800は、本稿で議論される特徴および技術とともに使用することができ、たとえば、オンザフライフォーカス技術に関して議論したXY移動ステージ130の機能を含むことができる。精密ステージ800は、剛性ベースブロック810を含むことができ、ガラスの平坦なブロック812が盛り上がったボス上に支持される。これらのボスの間隔は、精密ステージ800の重量により、単純な支持部上のガラスブロックの沈降が最小化されるようにされる。三角形の断面を備えるガラス814の第2ブロックは、盛り上がったボス上に支持される。ガラスブロック812、814は、ガラスブロックを曲げない半剛性エポキシによりベースブロック810に接着式に結合することができる。ガラスブロック812、814はまっすぐなものとすることができ、また、500nmの光の1つまたは2つの波長分に研磨される。Zerodur(登録商標)のような低熱膨張の材料を、ガラスブロック812、814の材料として採用することができる。他の適切なガラスのタイプを本稿で説明されるシステムに使用することもできる。カットアウト部816は、顕微鏡コンデンサからの光がスライド上の組織を照らすことを可能にする。
2つのガラスブロック812、814は、滑らかなまっすぐなレールとして、または移動ステージブロック820のガイドの道として使用することができる。移動ステージブロック820は、硬質プラスチックの球形に形成されたボタン(たとえば5つのボタン)を含むことができ、これは位置821a−eに示されるようにガラスブロックに接触する。これらのプラスチックボタンは球形であり、接触表面は、プラスチックの弾性係数により決定される非常に小さな領域<<0.5mmに制限されるようにすることができる。たとえば、PTFE、または、英国のGGB Bearing Technology社からの他の熱可塑性プラスチックおよび他の潤滑添加剤を使用することができ、また、約3mm直径の接触ボタンの形状に型入れすることができる。一実施形態において、プラスチックボタンと磨きガラスとの間の摩擦係数はできるだけ小さくなるようにすべきであるが、装置のメンテナンスを節約するために液体潤滑材の使用は避けることが望ましい。一実施形態において、0.1から0.15の間の摩擦係数は、乾燥使用で容易に達成することができる。
図19A、19Bは、本稿で説明されるシステムの一実施形態に使用できる移動ステージブロック820のより詳細な図であり、位置821a−eにおいてガラスブロック810、812に接触する球形上ボタン822a−eを示している。ボタンは、駆動方向(Y)以外のすべての方向に剛性となる位置に配置することができる。たとえば、2つのプラスチックボタンは、互いに向かい合い、三角形状のガラスブロック814の側部に接触し、一方のプラスチックボタン822aは平坦なガラスブロック812に接触するように位置決めされる。移動ステージブロック820は、1つまたはそれ以上の穴824を含むことができ、軽量化し、および、プラスチック支持ボタン822a−eの位置により形成される三角形の中心に重心がくるように形状つける。このようにして、三角形828の角部におけるプラスチックボタン822a−eの各々は、ステージ800の運動中のあらゆるときに等しい重量を備えるようにすることができる。
図18に戻り、スライドは、スライドネスト832におけるバネ付勢アーム830を介してクランプされる。スライド801は、ネスト832内に手動で配置することができ、および/または補助的な機構によりロボット式にネスト832内に配置することができる。剛性のカンチレバーアーム840は、小径屈曲ロッド842の端部を支持および固くクランプし、ロッド842は高疲労強度鋼で形成することができる。一例において、この直径は0.7mmとすることができる。ロッド屈曲部842の他方の端部は、移動ステージ820上の重心位置826に取り付けることができる。カンチレバーアーム840は、ベアリングブロック850に取り付けることができ、ベアリングブロックは硬質化鋼レール852上の再循環ベアリング設計を介して移動することができる。リードスクリューアセンブリ854は、ステッパモーター856により回転させることができる。上述した要素の好適な部品は、日本のTHK社などいくつかの会社から入手可能である。リードスクリューアセンブリ854は、レール852上でベアリングブロック850を駆動し、これはロッド屈曲部842を介して移動ステージブロック820を押し引きする。
ロッド屈曲部842の曲げ剛性は、6000xより大きく、プラスチックパッド上の移動ステージブロック820の剛性よりも小さい(z方向における移動ステージの平面に直交する力に対抗する剛性である)。これは、ベアリングノイズにより生成されるベアリングブロック850/カンチレバーアーム840の上下運動からステージブロック820を効率的に分離する。
本稿で説明される精密ステージ800の設計における注意深い質量バランスおよび配置への注意は、小さな揺れ運動を生成し得る、移動ステージブロック820のモーメントを最小化する。さらに、移動ステージブロック820は磨きガラス上を移動するので、移動ステージブロック820は、150ナノメートルピークより小さいz位置再現性を備え、これは60倍の拡大でのスキャンに十分である。60倍の条件は、もっとも厳しく、20倍および40倍の高NA対物レンズのようなより低い倍率は、60倍の条件で得られる性能に類似の好適な性能を示す。
図20は、本稿で議論される精密ステージによるXY複合ステージ900の全体の実施例を示し、これは、Yステージ920、Xステージ940、およびベースプレート960を含み、これは本稿で説明されるシステムの実施形態に使用することができる。この場合、Yステージ920のベースブロックは、X方向の移動ステージであるXステージ940になる。Xステージ940のベースブロックは、地上に固定することができるベースプレート960である。本稿で説明されるシステムによれば、XY複合ステージ900は、Z方向において150ナノメートルのオーダーの再現性を提供し、X方向およびY方向において1−2ミクロン(またはそれ以下)のオーダーの再現性を提供する。本稿で説明されるシステムによれば、ステージが英国のGloucestershireのRenishawにより製造されるもののようなテープスケールを介してフィードバック位置を含む場合、サブミクロンの正確さを達成可能である。
本稿で説明されるシステムによるステージ設計は、本稿で説明されるシステムによるXYステージが、非球形ボールベアリングまたは非円筒形クロスローラーベアリングによる再現性エラーを受けないという点で、球形ベアリングに支持される移動ステージよりも優れたものとすることができる。さらに、再循環ベアリング設計において、異なるサイズのボールの新しいボール要素は、繰り返し不可の運動を生じさせることがある。本稿で説明される実施形態のさらなる利点は、ステージのコストである。ガラス要素は、標準的なラップ仕上げおよび磨き技術を使用し、過度に高価ではない。ベアリングブロックおよびリードスクリューアセンブリは、ロッド屈曲部が移動ステージをベアリングブロックから脱連結させるという点で特別に高品質である必要はない。
本稿で説明されるさらなるシステムによれば、ディジタル病理学スライドのスキャン中に、スキャン時間を減少および/または最小化することは有利である。臨床用の設定において、望ましいワークフローは、ロボットスライドスキャン顕微鏡にスライドのラックを配置し、ドアを閉め、システムにスライドをスキャンするように命令することである。全てのスライドがスキャンされるまで、ユーザーの介入が不要であることが望ましい。バッチサイズは複数のスライド(たとえば160のスライド)を含むことができ、全てのスライドをスキャンする時間はバッチタイムと称される。スライドのスループットは、処理時間あたりのスライド数である。サイクルタイムは、観察のための準備ができた利用可能となる各スライド画像の間の時間である。
サイクルタイムは、画像を取得する以下のステップにより影響を受けることがあり、それらのステップは、(a)ロボット式にスライドをピックアップするステップ、(b)スライド組織領域のサムネイル画像または、概観画像を形成し、ラベル付けするステップ、(c)スライド組織を境界付ける関心領域を計算するステップ、(d)組織上のベストフォーカスポイントの規則的なアレイを探すために境界付けられた組織領域を予備スキャンするステップ、(e)ステージおよび/またはセンサの移動により組織をスキャンするステップ、(f)観察の準備のための圧縮出力画像を形成するステップ、(g)次のスライドのために、スライドを配置するステップ、である。ステップ(d)は、本稿で説明されるシステムによるダイナミックフォーカスまたは「オンザフライ」フォーカスが実行される場合、必要でないことがあることに注意されたい。また、スキャン時間/画像取得時間は、オンザフライフォーカス技術の利用により低減されることがあることに注意されたい。
本稿で説明されるシステムは、さらに、ステップ(a)、(b)、(c)、(g)を実行する時間を取り除く、または優位に短くすることを含むことができる。本稿で説明されるシステムの様々な実施形態によれば、これらのゲインは、たとえば、キャッシュコンセプトを使用することで達成することができ、ここで、1つのスライドのための上述のステップ(a)、(b)、(c)、(g)は、他のスライドのためのステップ(d)、(e)、(f)の時間に重ねられ、これは本明細書でさらに詳しく議論される。様々な実施形態において、1つのスライドのためのステップ(a)、(b)、(c)を、他のスライドのためのステップ(d)、(e)、(f)に重ねることは、1つのスライドのためのステップ(a)、(b)、(c)が他のスライドのためのステップ(d)、(e)、(f)に重ねられないシステムに比べて、10%、25%、または50%のゲインを提供することができる。
図21は、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、スライドキャッシュ装置1000を示す概略図である。スライドピックアップヘッド1002は、スライド1001をピックアップするように位置決めすることができる。ピックアップヘッド1002は、スライド1001をピックアップするための機械装置および/または真空装置を使用することができる。スライド1001は、バッチ内の、たとえば、160個のスライドのバッチ内のスライドの集合の内の1つとすることができる。スライドの集合は、スライドラック1003内に配置することができる。ピックアップヘッド1002は、鋼鉄レール1005上を移動するベアリングカーまたはブロック1004に取り付けることができる。ベアリングブロック1004は、回転リードスクリュー1006により移動される。モーターカウントは、ロータリーエンコーダ1007により検出され、スライド位置をY方向に制御するために線形行程に変換される。要素1002−1007は、スライドローダー/アンローダー1008と言及される移動アセンブリを含むことができる。スライドローダー/アンローダー1008は、レール1010上のモーター駆動のベアリングカーまたはブロック1009上でX方向に移動することができ、スライドローダー/アンローダー1008がX方向およびY方向の両方に移動することを可能にする。
動作において、ピックアップヘッド1002に保持されているスライドは、スライド組織領域のサムネイル画像または概観画像を得てラベル付けするために(たとえば上述のステップ(b))、低解像度カメラ1011の下に位置決めすることができる。この動作が完了すると、ステップ(c)が実行され、また、スライドは、スライドバッファ1012上にの位置に配置される。スライドバッファ1012は、2つ(またはそれ以上)のバッファスロットまたは位置1018a、1018bを含むことができ、バッファ位置1018aに位置するスライド1017を含むように示されている。
一実施形態において、複合XYステージ1013は、Y方向に移動するステージプレート1014を含むことができ、これはX方向に移動するプレート1015に搭載される。XYステージ1013は、本稿で議論されるものと類似の特徴および機能を備えることができ、たとえば、本稿で議論される複合XYステージ900の特徴を含むことができる。ステージプレート1014は、さらに、追加のスライドピックアップヘッド1016を含むことができる。ピックアップヘッド1016は、上述したピックアップヘッド1002に類似のものとすることができる。ピックアップ1016は、スライドをピックアップするために機械装置および/または真空装置を使用することができる。
複合XYステージ1013のピックアップヘッド1016は、バッファ位置1018aに移動することができ、スライド1017をピックアップする。スライド1017は、ここで、上述のステップの1つまたはそれ以上を継続することができ、(d)予備スキャン、(e)スキャン、(f)出力イメージの形成、のステップを含む。この処理が実行されている間、スライドローダー/アンローダー1008は、他のスライド(たとえばスライド1001)をピックアップすることができ、カメラ1011を用いてスライド1001のサムネイル画像を取得し、スライド1001を、スライドバッファ1012内の空の位置1018bに配置し、これは破線1001´により概略的に示されている。先行するスライド(スライド1017)のスキャンが完了すると、XY複合ステージ1013のスライドピックアップヘッド1016は、スライド1017をバッファ位置1018内に配置し、スキャンのためにバッファ位置1018bから次のスライド(スライド1001)をピックアップする。複合XYステージ1013は、高解像度光学系の顕微鏡光学系およびカメラ1019の下で、規則的な前後のスキャンパターンで移動することができ、本稿で議論される特徴および技術により、生物学的組織の高解像度画像を取得する。XYステージ1013および/またはスライドローダー/アンローダー1008の運動およびスライド選択は、制御システム内の1つまたはそれ以上のプロセッサにより制御することができる。
スライドローダー/アンローダー1008は、バッファ位置1018aに移動することができ、スライド1017をピックアップし、スライド1017をスライドラック1003内に配置することができる。このスライド1017は、上述したステップの全てが完了している。スライドローダー/アンローダー1008は、その後、スライドバッファ1012内の他のスライドのピックアップおよびロードを継続することができ、最終的に、スライド1001をピックアップしてスライドラック1003に戻す。上述したような処理は、スライドラック1003内にある全てのスライドがスキャンされるまで継続されようにすることができる。
本稿で説明されるスライドキャッシュ技術は、有利な時間節約を提供する。たとえば、20倍で15mm×15mmの視野のシステムにおいて、ピックアップ時間は約25秒であり、サムネイル取得は約10秒であり、予備スキャン時間は約30秒であり、スキャン時間は90秒である。出力ファイルの生成は、スキャン処理と同時になされ、約5秒が追加され得る。スライドの配置は約20秒である。これらの全ての時間を合計すると180秒のサイクルタイムとなる。XY複合ステージは、スキャンされたスライドをピックアップして配置する時間が必要であり、これは約10秒かかる。したがって、スキャン時間の低減は、約1−(180−55+10)/180=25%である。本稿で説明されるオンザフライフォーカスのようなダイナミックフォーカス技術を使用するシステムでは、予備スキャン時間は排除され、高データレートカメラではピックアップおよび配置に関連しない時間は20−30秒低減され得る。この場合においてスライドキャッシュを使用するスキャン時間の低減は、約1−(75−55+10)/75=50%となり得る。
図22Aは、本稿で説明される一実施形態による、第1スライドに関してスライドキャッシュ処理を示すフローダイアグラムである。ステップ1102において、第1スライドは、スライドラックからピックアップされる。ステップ1102に後、処理はステップ1104に進み、ここで、第1スライドに対して、サムネイル画像が取得され、および/または他のサムネイル処理が行われ、これはスライド上の組織の関心領域を決定することを含む。ステップ1104の後、処理はステップ1106に進み、第1スライドはスライドバッファ内に配置される。ステップ1106の後、処理はステップ1108に進み、ここで、第1スライドはスライドバッファからピックアップされる。ステップ1108の後、処理はステップ1110に進み、ここで第1スライドは、本稿でさらに説明されるような技術によりスキャンされて画像化される。様々な実施形態において、スキャン技術およびイメージング技術は、予備スキャンフォーカスステップ、および/またはオンザフライフォーカス技術のようなダイナミックフォーカス技術の使用を含むことができることに注意されたい。ステップ1110の後、処理はステップ1112に進み、ここで、第1スライドはスライドバッファ内に配置される。ステップ1112の後、処理はステップ1114に進み、ここで、第1スライドはスライドバッファからピックアップされる。ステップ1114の後、処理はステップ1116に進み、ここで、第1スライドはスライドラック内に配置される。ステップ1116の後、処理は第1スライドに関して完了する。
図22Bは、本稿で説明される一実施形態による、第2スライドに関するスライドキャッシュ処理を示すフローダイアグラム1120である。本稿で議論されるように、フローダイアグラム1120の様々なステップは、フローダイアグラム1100のステップと並行に実行することができる。ステップ1122において、第2スライドはスライドラックからピックアップされる。ステップ1122の後、処理はステップ1124に進み、ここで、第2スライドに関して、サムネイル画像が取得され、および/または、他のサムネイル処理がなされ、これはスライド上の組織の関心領域を決定することを含む。ステップ1124の後、処理はステップ1126に進み、ここで、第2スライドはスライドバッファ内に配置される。ステップ1126の後、処理はステップ1128に進み、ここで第2スライドはスライドバッファからピックアップされる。ステップ1128の後、処理はステップ1130に進み、ここで、第2スライドは、本稿でさらに議論されるような技術によりスキャンされて画像化される。様々な実施形態において、スキャン技術およびイメージング技術は、予備スキャンフォーカスステップ、および/またはオンザフライフォーカス技術のようなダイナミックフォーカス技術の使用を含むことができることに注意されたい。ステップ1130の後、処理はステップ1132に進み、ここで、第2スライドはスライドバッファに配置される。ステップ1132の後、処理はステップ1134に進み、ここで第2スライドは、スライドバッファからピックアップされる。ステップ1134の後、処理はステップ1136に進み、ここで、第2スライドはスライドラック内に配置される。ステップ1136の後、第2スライドに関する処理は完了する。
スライドキャッシュに関して本稿で説明されるシステムの実施形態により、第1スライドに関するフローダイアグラム1100のステップ(たとえば、スライドラックから第2スライドをピックアップすることに関するステップ、サムネイル画商の処理に関するステップ、第2スライドをスライドバッファ内に配置することに関するステップ)は、サイクル時間を低減するために、第2スライドに関するフローダイアグラム1120のステップと並行して、スライドキャッシュ装置により実行することができる。たとえば、第2スライドのフローダイアグラム1120のステップ1122、1124、1126は、第1スライドに関するフローダイアグラム1100のステップ1108、1110、1112(たとえば、スライドバッファから第1スライドをピックアップすることに関するステップ、第1スライドをスキャンし画像化することに関するステップ、第1スライドをスライドバッファに配置することに関するステップ)に重ねるようにすることができる。さらに、ステップ1134およびステップ1136(たとえば第2スライドをスライドバッファからピックアップすることに関するステップ、スライドラック内にスライドを配置することに関するステップ)は、第1スライドのスキャンステップに重ねることができる。本稿で説明されるシステムによる並行スライド処理技術によれば、一度に1つのスライドを処理するシステムに比べて、50%までの時間ゲインを得ることができ、また、本稿で説明されるシステムおよび技術の他の側面を使用して追加のゲインも可能となり得る。
図23Aおよび23Bは、本稿で説明されるシステムの実施形態による、スライドキャッシュ技術を使用するタイミングダイアグラムを示し、また、本稿で説明されるシステムの様々な実施形態による時間節約を示す。
図23Aは、予備スキャンが使用されるシナリオでのタイミングダイアグラムを示している。タイミングダイアグラムは、スライドキャッシュを使用するスライド処理ステップの実行に関して約300秒の期間にわたる3個のスライド(スライド1、2、3)のタイミングを示し、これは、スライドラックからスライドをピックアップすること、サムネイル画像の処理、バッファ内にスライドを配置すること、バッファからピックアップすること、予備スキャン、スライドをスキャンしファイルを出力すること、バッファ内に配置すること、スライドラック内に配置すること、を含む。図示のように、一実施形態において、図示の処理のためのサイクルタイムは、約150秒となり得る。
図23Bは、オンザフライフォーカス技術が使用される(予備スキャンなし)シナリオのタイミングダイアグラム1160を示している。タイミングダイアグラムは、スライドキャッシュを使用するスライド移動およびスキャンステップを実行することに関する約150秒の期間にわたる3個のスライド(スライド1、2、3)のタイミングを示し、これは、スライドラックからスライドをピックアップすること、サムネイル画像を処理すること、スライドをバッファに配置すること、バッファからピックアップすること、スライドをスキャンしファイルを出力すること、バッファ内に配置し、スライドラック内に配置すること、と含む。図示のように、一実施形態において、図示の処理のためのサイクルタイムは約50秒となり得る。
図24は、本稿で説明されるシステムの他の実施形態による、スライドキャッシュ装置1200の概略図である。図示の実施形態において、バッファは必要とされず、スライドキャッシュ装置1200を使用して、ピックアップ、サムネイル、配置の時間をサイクルタイムから取り除くことができる。スライドキャッシュ装置1200は、独立に動作する2つのXY複合ステージ1210、1220を含むことができる。XY複合ステージ1210、1220の各々は、XY複合ステージ1013に関して本稿で議論したものと類似の特徴を備えることができる。第1スライドラック1211は、ステージ1210の端部に位置決めすることができ、第2スライドラック1221は、ステージ1220の端部に位置決めすることができる。本稿で説明されるシステムの他の実施形態に関して、第1スライドラック1211および第2スライドラック1211は、1つのスライドラックの一部とすることもできることに注意されたい。2つのサムネイルカメラ1212、1222は、XY複合ステージ1210、1220の各々のために使用されるようにすることができる。スライドラック1211、1221の各々は、対応するピックアップヘッドを備えるXY複合ステージ1210、1220に関するスライドのために使用することができる。1つの顕微鏡光学トレイン1230は、XY複合ステージ1210、1220の両方のために使用することができる。たとえば、一方のXY複合ステージ(たとえばステージ1210)がスライドをスキャンしている間、他方のステージ(たとえばステージ1220)は、他のスライドのピックアップ、サムネイル処理、配置の機能を実行する。これらの機能は、スキャン時間に重ねることができる。したがって、本稿で説明されるシステムの図示の実施形態によれば、サイクルタイムは、スライドのスキャン時間により決定されるようにすることができ、ピックアップ、サムネイル処理、および配置の時間は、サイクルタイムから排除される。
図25Aはフローダイアグラム1250であり、スライド処理のための2つのXY複合ステージを備えるスライドキャッシュ装置のために説明されるシステムの一実施形態による、第1スライドに関するスライドキャッシュ処理を示している。ステップ1252において、第1スライドはスライドラックからピックアップされる。ステップ1252の後、処理はステップ1254に進み、ここで第1スライドに対してサムネイル処理が実行される。ステップ1254の後、処理はステップ1256に進み、ここで、本稿でさらに議論されるような技術により第1スライドはスキャンされ画像化される。様々な実施形態において、スキャン技術およびイメージング技術は、予備スキャンフォーカスステップ、および/または、オンザフライフォーカス技術のようなダイナミックフォーカス技術の使用を含むことができることに注意されたい。ステップ1256の後、処理はステップ1258に進み、ここで、第1スライドはスライドラック内に戻される。ステップ1258の後、第1スライドに関する処理は完了する。
図25Bは、スライド処理のための2つのXY複合ステージを備えるスライドキャッシュ装置のために説明されるシステムの一実施形態による、第2スライドに関するスライドキャッシュ処理を示すフローダイアグラム1270である。ステップ1272において、第2スライドはスライドラックからピックアップされる。ステップ1272の後、処理はステップ1274に進み、ここで第2スライドに対してサムネイル処理が実行される。ステップ1274の後、処理はステップ1276に進み、ここで、本稿でさらに議論されるような技術により第2スライドはスキャンされて画像化される。様々な実施形態において、スキャン技術およびイメージング技術は、予備スキャンフォーカスステップ、および/または、オンザフライフォーカス技術のようなダイナミックフォーカス技術の使用を含むことができることに注意されたい。ステップ1276の後、処理はステップ1278に進み、ここで、第2スライドはスライドラックに戻される。ステップ1278の後、第2スライドに関する処理は完了する。
スライドキャッシュを含む、本稿で説明されるシステムの一実施形態によれば、第1スライドに関するフローダイアグラム1250のステップは、サイクルタイムを短くするために、第2スライドに関するフローダイアグラム1270のステップと並行して、スライドキャッシュ装置により実行することができる。たとえば、第2スライドに関するステップ1272、1274、1278(たとえば、ピックアップ、サムネイル処置、配置処理)は、第1スライドのステップ1256(たとえば、第1スライドのスキャン/イメージング)に重ねることができ、その逆も可能であり、ピックアップ、サムネイル処理、配置のための時間がサイクルタイムから排除される。したがって、サイクルタイムは、本稿で説明されるシステムの一実施形態によるスライドのスキャンタイムのよってのみ決定される。
図26は、本稿で説明されるシステムの他の実施形態による、スライドキャッシュ装置1300を示す概略図である。スライドキャッシュ装置1300は、カルーセル1310として構成されるスライドラック、スライドハンドラ1320、バッファ1330、およびXYステージ1340を含むことができる。カルーセル1310は、位置1312、1312´、1312´´を画定する1つまたはそれ以上のスライドホルダ装置(たとえばカセッテ)を含むことができ、これらの位置にスライド1301のようなスライドが、イメージング装置1350により画像化される前および/または後に配置される。イメージング装置1350は、本稿で議論されるような特徴および機能を備えることができる。
位置1312、1312´、1312´´は、ウェッジのアレイ(たとえば8個のウェッジ)として示されており、本稿でさらに議論されるように、カルーセル1310は、複数のスライド位置が図示のウェッジ位置1312、1312´、1312´´の各々の下に延びるような高さを備えることができる。スライドハンドラ1320は、アーム1322を含むことができ、これは、ピックアップヘッドとして機能し、スライドをピックアップするための機械的装置および/または真空装置を含むことができる。スライドハンドラ1320上のアーム1322は、カルーセル1310、バッファ1330、およびXYステージ1340の間でスライドを移動させるために、位置1322a−dの間を移動することができる。
バッファ1330は、複数のバッファ位置1332、1334を含むことができる。1つのバッファ位置1332は、戻りバッファ位置1332として設計することができ、ここで、イメージング装置1350からXYステージ1340を介して戻されるスライドは、スライドハンドラ1320によりカルーセル1310に戻されるように移動される前に位置決めされる。他のバッファ位置1334は、カメラバッファ位置1334として設計することができ、ここで、本稿で議論される技術により、イメージング装置1350に送られることになるスライドのサムネイル画像が取得される。スライドのサムネイル画像がカメラバッファ位置1334で取得された後、スライドは、XYステージ1340上の位置1342に移動させることができ、XYステージ1340は、本稿で議論される技術によるスキャンおよびイメージングのためにイメージング装置1350にスライドを輸送する。
図27は、スライドキャッシュ装置1300の他の図を示す概略図である。スライドキャッシュ装置1300の要素は、様々な運動および複数の運動の自由度で動作する機能を備えることができる。たとえば、カルーセル1310は、方向1311に回転可能とすることができ、複数のスライド(スライド1、2、3、4として示される)を収容するために、各回転位置における複数の高さ位置において複数のスライド位置1312a−dを含むことができる。一実施形態において、各ウェッジ位置1312、1312´、1312´´における複数のスライド位置1312a−dは、たとえば、カルーセル1310の高さ内に等間隔で位置決めされる40個のスライドのための位置を含むことができ、カルーセルの高さは一実施形態において12インチとすることができる。さらに、カルーセル1310は、ユーザートレイ1314を含むことができ、これは1つまたはそれ以上のスライド位置1313a、bを備え、ここに、ユーザーは、カルーセル1310において他のスライドに追加して画像化されるスライドを挿入することができる。ユーザートレイ1314内へのスライドの相互作用は、たとえば、ユーザートレイ1314のカバーを上げ、および/または、スライドをユーザートレイ1314の位置1314a、bの一つ内に挿入することで、バイパスモードを開始することができ、ここで、カルーセル1310のウェッジ位置からの次のスライドに代わってユーザートレイ1314からのスライドが処理される。
スライドハンドラ1320のアーム1322は、少なくとも3の自由度で運動するように示されている。たとえば、アーム1322は、カルーセル1310、バッファ1330、およびXYステージ1340の各々に係合するため、方向1321aに回転することができる。さらに、アーム1322は、カルーセル1310の異なる高さ位置1312a−dに対応する方向1321bに調整可能とすることができる。さらに、カルーセル1310、バッファ1330、およびXYステージ1340からのスライドのロードおよびアンロードに際して、アーム1322は方向1321cに延長することができる。以下でさらに議論されるように、スライドキャッシュ装置1300のデッドタイムを最小化するために、一実施形態において、アーム1322が回転する弧の距離を最小化することは有利であり、および/または、アーム1322および/またはスライドハンドラ1320により移動する他の距離を最小化することは有利である。様々な実施形態において、カルーセル1310、スライドハンドラ1320、およびXYステージ1340の運動は、本稿で議論されるような制御システムにより制御することができる。また、一実施形態において、バッファ1330およびXYステージ1340は、同一の高さとすることができる。
スライドは異なるタイプの生物学的サンプルを保持することができる。生物学的サンプルは、対象植物から取り除いた組織サンプル(たとえば、任意の細胞の収集物)とすることができる。いくつかの実施形態において、生物学的サンプルは、限定するわけではないが、組織の一部、器官、腫瘍部分、塗抹、凍結部分、細胞学標本、または細胞ラインを含む。切開バイオプシー、コアバイオプシー、摘出バイオプシー、針吸引バイオプシー、コア針バイオプシー、定位バイオプシー、オープンバイオプシー、または外科的バイオプシーをサンプル取得に用いることができる。いくつかの実施形態において、サンプルは植物、植物組織培養などとすることができる。
スライドは、たとえば顕微鏡または他の光学装置のような光学機器などの機器を用いて試験するために、サンプルを保持することができる、概ね平坦で透明な基板とすることができる。たとえば、図26のスライド1301は、サンプルを支持する正面部を備える透明材料の概ね矩形のピースとすることができる。顕微鏡スライド1301は、ガラスまたは他の透明材料から形成される標準的な顕微鏡スライドの形状とすることができる。いくつかの実施形態において、スライド1301は、約3インチ(75mm)の長さを備え、約1インチ(25mm)の幅を備え、約1mmの厚さを備える。
スライド1301は、ラベルを含むことができる。ラベルは、コード化された命令、対象情報、追跡情報などを備える、機械読取可能なコード(1次元または多次元バーコードまたはインフォグリフ、RFIDタグ、ブラッグ回折格子、磁気ストリップ、またはナノバーコードなど)を含むことができる。ラベルは、スライドキャッシュ装置1300内の異なる場所に配置される読み取り機により解析することができる。
スライドは、サンプルを保護するカバースリップを含むことができる。スライド1301が標準的な顕微鏡スライドであるなら、カバースリップは約0.5インチ(13mm)から約3インチ(76mm)の範囲の長さ、約0.5インチ(13mm)から約1インチ(25.5mm)の範囲の幅、約0.02インチ(0.5mm)から約0.08インチ(2mm)の範囲の厚さを備えることができる。いくつかの実施形態において、約50mmの長さ、約24mmの幅、約0.2mmの厚さの標準カバースリップが使用される。必要であれば、または所望であれば、他の寸法も可能である。カバースリップは、全体または一部において、ポリマー、プラスチック、複合材、ガラス、これらの組み合わせ、または概ね剛体または半剛体、またはたわみ性の他の好適な材料から形成することができる。
図28A−28Jは、図26および図27のスライドキャッシュ装置の、本稿で説明されるシステムの一実施形態によるスライドキャッシュ操作を示す概略図である。一実施形態によれば、本稿で議論されるスライド操作はシステムのデッドタイム、すなわち、スライドピックアップ、およびスライドスキャンおよびイメージング操作に重ならない移送操作の間の時間、を最小化する。デッドタイムは、たとえば、スライドハンドラ1320がスライドをピックアップすることを可能にする位置にXYステージ1340が移動するところでの停止時間を含むことができる。デッドタイムへの他の貢献は、スライドをバッファ1330の戻り位置に移動させること、XYステージ1340にスライドを再ロードすることを含むことができる。
図28Aは、図示のシーケンスの始まりであり、ここでスライド2は、イメージング装置1350において現在スキャンされて画像化されている。スライド1、3、4は、スキャンおよび画像化されるのをカルーセル1310内で待機しており、スライドハンドラ1320は、XYステージ1340にスライド2を輸送した位置にある。図28Bは、スキャンおよび画像化される次のスライド(スライド3)をロードするために、スライドハンドラ1320が回転および下降し、一方で、スライド2がスキャンおよび画像化され続けているところを示している。図28Cは、スライド3のサムネイル画像を取得するために、スライドハンドラ1320がスライド3を、バッファ1330のカメラバッファ位置1334に輸送するところを示している。図28Dは、スライド2のスキャンが完了した後にイメージング装置1350から戻っているXYステージ1340からスライド2をアンロードするために、スライドハンドラ1320が位置決めされるところを示している。XYステージ1340がアンロードされる位置に移動ときの時間はスラックタイムの一例であることに注意されたい。XYステージ1340が、スライド2をアンロードするための位置にあり、アンロードされるのを待機し、スライド3がXYステージ1340上にロードされるのを待機している時間は、停止時間の一例である。
図28Eは、スライド2が、スライドハンドラ1320により、XYステージ1340からバッファ1330の戻り位置1332へ輸送されることを示している。スライドハンドラ1320は、カメラバッファ入り1332からスライド3をピックアップするための位置に進む。図28Fは、スライド3がカメラバッファ位置1334からピックアップされ、XYステージ1340上にアンロードされることを示している。図28Gは、スライド3が現在スキャンされており、スライド2がスライドハンドラ1320により戻りバッファ位置1332からピックアップされているところを示している。図28Hは、スライド2が、適切な位置に回転および直進移動するスライドハンドラ1320によりカルーセル1310内の位置に戻されることを示している。図28Iは、スライドハンドラ1320が、適切な位置へ直進移動し、スライド1をカルーセル1310からピックアップすることを示している。図28Jは、スライドハンドラ1320はスライド1をカメラバッファ位置に輸送してアンロードすることを示し、ここで、スライド1のサムネイル画像が取得され、スライド3はいまだスキャンされているところである。カルーセル1310の残りのスライド、および/または、任意のユーザースライド、本稿で議論されるバイパスモード動作を開始するためにユーザートレイ1314内にユーザーにより挿入された任意のスライドに対して図示のシーケンスに関して上述したもの類似のさらなる繰り返しを実行することができる。
本稿で説明されるさらなるシステムによれば、本稿で説明されるシステムの様々な技術および特徴に適用可能な顕微鏡の実施形態に使用できる照明システムを使用することができる。顕微鏡は、明視野顕微鏡にケーラー照明を広く使用できることが知られている。ケーラー照明の主な特徴は、開口数および照明領域の両方が調整可能なアイリスを介して制御可能であることであり、様々な倍率、視野、および開口数で顕微鏡対物レンズの広い範囲に調整できる。ケーラー照明は、望ましい結果を生じさせるが、空間を優位に消費する多数の部品を必要とすることがある。したがって、本稿で説明されるシステムの様々な実施形態は、顕微鏡応用の有利に照明のための特徴および技術を提供し、公知のケーラー照明システムのいくつかの欠点を避け、ケーラー照明の有利な点を維持する。
図29は、本稿で説明されるシステムの実施形態に使用することができる、発光ダイオード(LED)照明アセンブリ1402を使用するスライド1401を照明するための照明システム1400を示す概略図である。本稿で説明されるシステムに、他の適切な照明システムを使用することもできることに注意されたい。LED照明アセンブリ1402は、本稿でさらに議論されるように、複数の実施形態による様々な特徴を備えるようにすることができる。LED照明アセンブリ1402からの光は、ミラー1404および/または他の適切な光学部品を介してコンデンサ1406に伝播する。コンデンサ1406は、本稿でさらに議論されるように、XYステージ1408の必要とされる任意の動作距離に対応するために、適切な動作距離(たとえば少なくとも28mm)を備えるコンデンサとすることができる。一実施形態において、コンデンサは、28mmの動作距離を備えるMotic社により製造されるコンデンサSG03.0701とすることができる。コンデンサ1406は、スライド1401上の標本を照射する光の開口数(円錐角度)を制御する調整可能なアイリス絞りを含むことができる。スライド1401は、顕微鏡の対物レンズ1410の下でXYステージ1408上に配置することができる。LED照明アセンブリ1402は、スライド1401上の標本のスキャンおよびイメージングに使用することができ、たとえば、本稿で説明されるシステムの特徴および技術による、スライドキャッシュ、および/またはダイナミックフォーカスのためのXYステージの運動に関する操作を含む。
LED照明アセンブリ1402は、高輝度白色LEDのようなLED1420を含むことができ、また、集光素子として使用できるレンズ1422、スライド1401上の照明領域を制御することができる調整可能なアイリス視野絞り1424を含むことができる。LED1420の発光表面は、レンズ1422により、コンデンサ1406の入口瞳上1406aに写像することができる。入口瞳1406aは、コンデンサ1406のNA調整絞り1406bとともに配置することができる。レンズ1422は、LED1420の出力光の大部分を集光し、LED1420の像を、コンデンサ1406のNA調整絞り1406b上に適切な拡大率でフォーカスするように選択でき、LED1402の像は、コンデンサ1406のNA調整絞り1406bの開口部を満たす。
コンデンサ1406は、NA調整絞り1406bとともにLED1420の光をスライド1401上にフォーカスするために使用することができる。スライド1401上の照明領域は、LED照明アセンブリ1402に設けられる視野絞り1424により制御することができる。視野絞り、および/またはコンデンサ1406と視野絞り1424との間の空間は、LED1420からの光をスライド1401の平面上に写像するために調整することができ、視野絞り1424は、照明されるスライド1401の領域を制御することができる。
イメージセンサは、スライドを収容するYステージが移動しているときにフレームを取得するので、短時間で高輝度化を可能にするために、LED1420をパルス状にオン、オフすることができる(たとえばストロボ化される)。たとえば、約13mm/secで移動しているYステージに関し、0.5ピクセルより小さいぼけを維持するために、LED1420は、10ミリ秒にパルス化することができる。LED光パルスは、本稿でさらに議論されるフォーカスシステムおよび技術による、ディザレンズ共振周波数にロックされるマスタークロックによりトリガされるようにすることができる。
図30は、本稿で説明されるシステムの実施形態に使用することができる、LED照明アセンブリ1402´の実施形態の詳細な側面図を示す概略図であり、LED照明アセンブリ1402に関して説明された特徴に対応する。LED1430、レンズ1432、および視野絞り1434の実装および構成は、他の構造的な支持部および調整可能な部品1436に関して示されている。
図31は、本稿で説明されるシステムの実施形態に使用でき、LED照明アセンブリ1402に関して議論したものと類似の特徴および機能を備える、LED照明アセンブリ1402´´の具体的な実装の分解図を示す概略図である。アダプタ1451、マウント1452、クランプ1453、およびマウント1454は、LED1455を、レンズ1462に対して固定的に位置決めされるように、LED照明アセンブリ1402´´内にしっかりと固定し位置を与えるために使用することができる。LED照明アセンブリ1402´´を固定取り付けするために、さらに、適切なネジおよびワッシャ部品1456−1461を使用することができる。様々な実施形態において、LED1455は、Lexeonにより製造される、4500ルーメンの光学出力、70000時間の寿命を備える高輝度白色LED、および/または好適なLEDである、Luminus, PhatLitght White LED CM-360 Seriesとすることができる。レンズ1462は、MG 9P6mm, 12mm OD(外径)レンズとすることができる。チューブレンズ素子1463、アパーチャ1464、スタックチューブレンズ素子および保持リング1467は、レンズ1462を調整可能な視野絞り素子1465に対して位置決めおよび取り付けるために使用することができる。調整可能な視野絞り素子1465は、Thor LabsによるRing-Activated Iris Diaphragm, pat number SM1D12Dとすることができる。スタックチューブレンズ1466は、Thor LabsによるP3LGスタックチューブレンズとすることができる。チューブレンズ1463は、Thor LabsによるP50DまたはP5LGチューブレンズとすることができる。LED照明アセンブリ1402´´の素子をさらに固定取り付けするのに適切であれば、他のワッシャ1068およびネジ部品1469を使用することができる。
本稿で説明されるさらなるシステムによれば、本稿で説明されるシステムの様々な実施形態によるディジタル病理学応用のための高速スライドスキャンのための装置および技術が提供される。一実施形態において、スライドホルダ 病理学顕微鏡のためのスライドホルダは、(i)ディスク形状のトレイと、(ii)トレイに形成される複数の凹部と、を含むことができ、各凹部はスライドを受け入れるように構成され、また、凹部はトレイに円周方向に配置される。トレイは、中心スピンドル穴および2つのロック穴を含むことができ、ロック穴は、トレイに垂直な軸の周りで高速に回転するようにされた装置上でピックアップするように構成される。凹部は、トレイ内で個別の角度位置においてミル加工された凹部とすることができる。凹部は半円突出部を備えることができ、スライドに接触するが、過度に拘束せず、スライドが実質的にひずみなしとなるようにする。また、凹部は、操作者がスライドを凹部へ配置または取り外すために指でつかむことを可能にするカットアウト部を備えることができる。様々な実施形態において、スライドホルダおよびその操作は、イメージングシステムのために、本稿で議論される特徴および技術に使用することができる。
図32は、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、ディジタル病理学イメージングに使用することができる高速スライドスキャン装置1500の概略図である。スライドホルダ1510は、凹部1514a、b・・・nを備えるトレイ1512を含むことができ、凹部1514a−nは、トレイ1512上で円周方向または円環1515の角度位置に配置され、凹部1514a−nは、それぞれスライド1501を保持するようにサイズが決められる。トレイ1512は、円状のディスクとして示され、所望の数のスライドを保持するように製造することができる。たとえば、16個のスライドを保持するため、トレイ1512は、約13インチの直径を備えることができる。本稿で説明されるシステムに適切であれば、スライドの他の構成およびトレイの他のサイズおよび形状を使用するができ、また、凹部1514a−nの向きや構成は適切に修正できることに注意されたい。スライド1501を凹部1514aに配置するように、スライドはトレイ1512の各凹部1514a−n内に配置することができ、また、トレイ1512は、高速スライドスキャン装置1500内に配置することができる。トレイ1512は、中心スピンドル穴1514cおよび2つのロック穴1516a、1516bを含むことができ、これ回転方向1519の軸1518の周りで高速でスライドホルダ1510を回転させるドライブに係合することができる。トレイ1512は、符号1502で概念表現される低プロファイル引出し部内に配置することができ、これはトレイ1512を装置1500内に引き込むことができる。
図33は、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、高速スライドスキャン装置のトレイ上の凹部1520をより詳細に示す図である。凹部1520は、凹部1514a−nのいずれでもよい。凹部1520は、3つの突出部1522a−cのような複数の半円突出部を含むことができ、スライド1501に接触するが過度にスライド1501を拘束せず、スライド1501が実質的に拘束されないようにすることを可能にする。カットアウト部1523は、操作者により凹部1520へスライド1501を配置および取り外をできるように指で保持できるようにする。スライドホルダ1510/トレイ1512が軸1518の周りで回転するときに生成される、矢印1521により概略的に示される遠心力は、スライド1501を所定位置に維持するようにスライド1501に小さな保持力を与え、一方でイメージングが行われる。保持力は、少なくとも0.1gとなるように設計することができ、トレイ1512を最初に100rpmよりも大きな速度で回転させることで、スライド1501を半円突出部1522a−cに対して維持されるようにすることができるようにする。一旦スライドが保持されと、本稿で議論されたようなシステムのイメージング速度に合わせて回転速を遅くすることができる。低速度において、わずかな保持力が突出部1522a−cに対してスライド1501を安定化させる。
再び図32を参照すると、本稿でより詳細に議論される顕微鏡イメージングシステム1530は、円周リング1515の領域を画像化するために、スライドが配置される回転トレイ1512の上に配置することができる。イメージングシステム1530は、たとえば、大きな動作距離を備える0.75NAの高NA顕微鏡対物レンズ1532、中間レンズ1534、およびCCDまたはCMOS 2Dアレイイメージセンサ1536を含むことができ、これらはイメージセンサ1536に対してスライド1501上の物体を適切に拡大するための適切な距離に配置される。イメージセンサ1536は、100フレーム/秒以上のような高フレームレートを備えることができる。たとえば、イメージセンサ1536は、100フレーム/秒または同等で動作するDalsa Falcon 1.4M100カメラの一部とすることができる。イメージングシステム1530は、2軸モーター駆動ドライブに固く取り付けることができ、2軸モーター駆動ドライブはDCモータまたはステッパモータ、ボーススクリューまたはリードスクリュー、および/または線形ガイドのような部品から構成することができる。1つの軸、半径軸1531aは、イメージングシステム1530を移動させ、または、少なくともその1つの部品を移動させ、たとえば10ミクロンの分解能で1mmステップで半径方向に小さく移動させ、回転するトレイ1512上の1つまたはそれ以上のリングを画像化する。他方の軸、フォーカス軸1531bは、0.1ミクロンの分解能で5−10ミクロンで小さく移動する。フォーカス軸は、高速の移動、たとえば、数ミリ秒での小さな移動を実行するように構成することができる。顕微鏡対物レンズ1534の移動は、制御システムにより制御することができ、また、本稿で議論されるようなダイナミックフォーカス技術に使用することができる。
照明システム1540は、回転トレイ1502の下に配置することができ、また、高輝度白色LEDのような光源1542、ミラー1544およびコンデンサ1546のような1つ以上の光学経路部品を含み、これらは本稿で議論される照明部品に類似している。一実施形態において、コンデンサおよび顕微鏡のイメージング経路は、剛体本体として一体に移動するように接続することができ、照明システム1540の運動方向1541は、イメージングシステム1530の半径方向1531aと同一方向である。高速フォーカス移動を実行するために、イメージングシステム1530の1つ以上の部品がフォーカス方向1531bに独立した運動を含むように、フォーカス方向1531bにおいて、イメージング経路はコンデンサ経路から脱連結することができる。
図34は、奥部1520内のスライド1501上の標本1501´をイメージングするための、スライド1501に対して第1半径位置から開始するイメージング経路を示す概略図である。スライド1501を備える凹部1520は、スライドホルダ1510とともに回転方向1524に回転する。画像は、本稿で議論される画像取得技術により、フレーム(たとえばフレーム1515)について取得される。図示のように、トレイ1512がイメージングシステム1530の下で回転するとき、スライドホルダ1510上の各スライドについて画像はフレームの行(たとえばフレーム1525)について取得される。トレイ1512の1回転の後、各スライドのフレームの他の行の画像を取得するために、イメージングシステム1530の半径位置を増加させる。各フレームは、下の場面を一時的に凍結させる高速度で取得される。高輝度照明は、そのような短時間の露光を放射するのに十分である。これらの露光は、数十マイクロ秒から数百マイクロ秒の時間フレームとすることができる。プロセスは、スライドホルダ1510内の各スライドの関心領域全体が画像化されるまで続く。この実施形態に関して、トレイ1512上で回転する複数のスライド間の複数の行のフレームを適切に相関させるために、収集された画像を関心領域のモザイク画像とする処理は、好適な組織化機構および/またはイメージタグ付けを必要とする。画像タイルの集合のアーク運動は公知の結合ソフトウェアにより実行でき、病理学者が理解でき画像に変換でき、一方で、標準顕微鏡の下で観察できるので、好適なイメージング処理技術は、取得された画像を適切なスライドに相関させるように、画像をタグ付けするために用いることができる。
一例として、6rpmで回転する直径13.2インチのディスク形状のトレイを用いて、NA=0.75の20倍の顕微鏡対物レンズは、約1mm平方の視野を生成する。このアーチ視野は、約10ミリ秒で横断する。15mm平方のアクティブ領域および視野間の25%の重なりを想定する組織セクションに関して、20の視野が半径軸に沿ってインクリメントされる必要がある。フレーム移動が取得時間を制限しない程度の十分に短い場合、20の回転は、ディスク上の16スライドを画像化するのに十分となりえる。これは、6rpmで200秒または12.5秒あたりに1スライドのスループットとなる。
図35A、35Bは、本稿で説明されるシステムの他の実施形態による、回転スライドホルダ上のスライドの代替構成を示す概略図である。図35Aは、凹部1514´を備えるトレイ1512´を示し、スライド1501の長い方が方向1519´に回転するディスク形状のトレイ1512´の半径に沿って向き決めされるように構成されている。この構成において、より多くのスライド(たとえば30個のスライド)をトレイ1512´に嵌合させることができる。図35Bは、上述のように構成される凹部1520´内のスライド1501のイメージング経路を示す概略図である。図示の実施形態において、スライド1501は、方向1521´に示される遠心力および突出部1522a´−c´により、凹部1520´内に維持される。イメージングプロセスが実行される回転方向1524´は、標本1501´のフレームの画像の収集のために示される。各スライドのフレームの連続する行の画像を取得するために、イメージングシステム1530の半径位置はスライドの長さ方向にインクリメントされる。一例において、15mm×15mmのアクティブ領域で視野間の25%の重なりを想定する。20個の視野が半径軸に沿ってインクリメントされる必要があるであろう。6rpmで20の回転が200秒で提供されるが、より効率的なスキャニングシステムでスライドの向きが与えられ、6.67秒あたりに1スライドにスループットが増加する。
図36は、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、イメージングシステム1550を示す概略図であり、スライド1551上の標本1551´を検査するために配置される対物レンズ1552を含む。一実施形態において、フォーカス位置は、画像取得の前にディスクの事前のより遅い回転により予備決定することができる。オートフォーカスのためにスライドごとに20秒を割り当てることは、スライドあたりに30秒以下の全スキャンタイムを実現し、これは、現行のシステムよりも早いレベルである。スライド1551が配置されるトレイ1560は、方向1561に回転し、対物レンズ1552は、本稿で説明されるシステムにより決定されうベストフォーカスに位置決めするように方向1562に精細に動くようにすることができる。明確なオートフォーカス値は、各視野1553のために設定される必要はないが、スライド1551上の明確なより大きな領域に適用し、たとえば、スライドのそりまたは組織の厚さのより大きな空間周波数による、3×3の視野またはサブフレームに適用する。オートフォーカス値は、アーチ経路のカメラの下でスライドが移動する間に、ベストフォーカスを適用するときに挿入することができる。
代替的に、本稿で説明されるオンザフライフォーカス技術のようなダイナミックフォーカス技術は、本稿で提供される高速スキャンシステムに有利に採用することができる。フォーカスポイントを取得する時間は(たとえば1秒あたりに120のフォーカスポイント)、上述した高速回転スキャン技術とともにオンザフライフォーカス技術の使用を可能にすることに注意されたい。さらに、10000分の1内のスピードで回転ディスクを制御することは、制御システムの領域で十分であり、ディスクの回転フィードバックに依存することなく各画像をオープンループサンプリングすることを可能にする。
一般に、低解像度サムネイル画像がスライドに生成される。これは、上述した高解像度顕微鏡と干渉しないように、低解像度カメラをディスクの角度位置に設置することで達成することができる。非常に大きなボリュームの用途に対して、ディスクフォーマットはロボットハンドリングに貸す。300mm(〜12インチ)ディスクを扱う半導体ウェハロボットは、バッファストックから高速スキャン装置にディスクを移動させるのに使用することができる。さらに、多くの技術は、ステップおよび繰り返す運動における線形ステージを通じてスライドを顕微鏡対物レンズの下にスライドを位置決めする。これらの運動は、画像取得時間を優位に占める。本稿で説明される回転運動を使用するシステムは、効率的で高い繰り返し性がある。オートフォーカスおよび画像取得の時間は、本技術分野の現状よりも小さな大きさとなる。
また、多くのシステムは、ステージの停止および動作の運動の間にスライドを所定位置に保持するために、クランプ機構またはスプリング止め具を必要とする。本稿で説明されるシステムは止め具を必要とせず、回転運動が遠心力を形成し、これがスライドをディスク内の凹部の所定位置に圧しつける。これはスライドホルダの構成を単純にし、より信頼性を高める。さらに、スライド止め具は、スライドを曲げまたはひずませ、オートフォーカスプロセスを複雑にし、本稿で説明されるシステムによれば有利に避けることができる。
現行のシステムは、スライドごとに15mmアクティブ領域に対して2−3分のピークスピードである。本稿で提供されるシステムおよび方法は、たとえば上述したように、同一のアクティブ領域が30秒以下でスキャンされることを可能にする。多くの病理学研究所は、一日に100スライドから200スライドを観察する。これらの画像取得の高い速度により、オペレータは、スライドの日々の在庫を1時間で処理でき、これはディスクのロードおよびアンロード、バーコードの読み込み、予備フォーカスなどの追加のステップを含む。これは研究所でのより迅速な時間を可能にし、改善された経済性を提供する。
図37は、フローダイアグラム1600は、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、回転可能なトレイを使用する高速スライドスキャンを示す。ステップ1602において、スライドは回転可能なトレイの凹部内に配置される。ステップ1602の後、処理はステップ1604に進み、ここで回転可能なトレイは、スキャンおよびイメージングシステムに対するスライドスキャン位置に移動される。ステップ1604の後、処理はステップ1606に進み、ここで回転可能なトレイの回転が開始される。上述したように、回転可能なトレイの回転は、スライドに作用する遠心力を生じさせ、スライドを所望のイメージング位置に維持する。ステップ1606の後、処理はステップ1608に進み、ここでイメージングシステムは、本稿で説明されるシステムおよび技術により、画像を取得し、回転可能なトレイの円周リング状の各スライドのフレームの行に対するダイナミックフォーカス技術を含む。ステップ1608の後、処理はテストステップ1610に進み、ここで、回転可能なトレイ上の各スライドの所望の関心領域がスキャンされ画像化されたかどうかを判断する。まだなされていなければ、処理はステップ1612に進み、ここで、イメージングシステムおよび/またはそのいくつかのコンポーネントが、回転可能なトレイの半径方向に1つインクリメントするように移動される。ステップ1612の後、処理はステップ1608に戻る。ステップ1610において、各スライドの関心領域がスキャンされ画像化されたと判断されると、処理はステップ1614に進み、ここで1つまたはそれ以上の各スライドの画像化された関心領域に対応するモザイク画像が形成される。
本稿で説明されるさらなるシステムによれば、光学的な二重装置および技術が提供され、これは本稿で説明されるイメージングシステムに使用することができる。一実施形態において、本稿で説明されるシステムは、20倍、0.75NA Plan Apo 対物レンズにより生成される解像要素をサンプリングすることができる。この分解能は、500nmの波長において約0.5ミクロンである。さらなる解像要素のサンプリングを取得するため、イメージングセンサの前のチューブレンズを変更することができる。与えられた対物レンズに関し、チューブレンズの焦点距離を計算するための近似計算は(f_tube lens=画像センサの前のチューブレンズの焦点距離)、
pix_sensor = CCDまたはCMOS画像センサ上のピクセルサイズ
pix_object = 物体または組織上のピクセルサイズ
f_tube lens = pix_object/pix_sensor × 9 mm
である。
Dalsa Falson 4M30/60(7.4ミクロンのセンサピクセル)で、物体において0.25ミクロンのピクセルサイズを得るために、チューブレンズの焦点距離は約266mmとすべきである。物体において0.125ミクロンのピクセルサイズのために、チューブレンズの焦点距離は約532mmとすべきである。これらの2つの物体ピクセルサイズの間をスイッチすることが望ましく、イメージングセンサの前に移送できるステージに2つ以上のチューブレンズを搭載することで達成できる。新しい焦点距離に関する異なる経路長が与えられると、固定されたイメージセンサの位置のために経路を折りたたむために折りたたみミラーを追加する必要があることがある。
図38は、本稿で説明されるシステムの一実施形態による光学的に二重のイメージングシステム1700を示す概略図を示す。光学二重イメージングシステム1700は、本稿で説明したように、カメラ1711の画像センサ1710、および顕微鏡対物レンズ1720を含むことができる。オンザフライフォーカス技術などの本稿で議論されるシステムおよび技術に関する他の部品を、図示の光学二重イメージシステム1700に使用することもできることに注意されたい。2つ以上の物体ピクセルサイズを達成するために、複数のチューブレンズ、たとえば第1チューブレンズ1740および第2チューブレンズ1750、を本稿で説明されるシステムに提供することができる。ステージ173は、第1チューブレンズ1740および第2チューブレンズ1750をそれぞれイメージセンサの前に輸送することができる。一実施形態において、ステージ1730は、方向1731に移動する線形に駆動されるステージとすることができる。しかし、本稿で説明されるシステムに、他のタイプのステージおよびその運動を使用することもできることに注意されたい。ミラーアセンブリ1752は、第2チューブレンズ1750に関して示されており、第1チューブレンズからイメージセンサ1710に光経路を調整するために、1つ以上の折りたたみミラーを含むことができる。
図39A、39Bは、本稿で説明されるシステムの一実施形態による、第1チューブレンズ1740および第2チューブレンズをイメージセンサの前に輸送することを示す、光学二重イメージシステム1700の概略図である。図39Aは、ステージ1730上の伊眼0時センサ1710の正面に位置決めされる第1チューブレンズ1740の光経路1741を示す。図39Bは、ステージ1730を介してイメージセンサ1710の前に輸送された後の第2チューブレンズの光経路1751を示す。図示のように、光経路1751は、ミラーアセンブリ1752の1つ以上のミラーを使用して増加されている。両方の図において、光学二重イメージシステム1700は、本稿で議論されたもののような他の適切な構造および光学部品1760を含むことができることに注意されたい。
図40は、図1、226に示される部品に概ね類似する多くの部品を備えるイメージングシステム2000を示す。アクセスドア2002は、カセッテをカルーセルにロードするために開放することができる。カセッテは、カバースリップされたスライドを保持することができる。カセッテをロードした後、アクセスドア2002を閉じることができる。コントローラ2003は、イメージングシステム2000を操作するために使用することができる。サンプルをイメージングした後、ドア2002を開け、カセッテを取り除くことができる。有利には、研究室のスループットを高めるために、ユーザーがカルーセルをロードおよびアンロードする間にスライドは画像化される。これは不必要な待ち時間を避け、スライドが常に処理準備状態にあることを保証する。
図40の保護ハウジング2010が図41で取り外されて示されている。図41は、スライドキャッシュ装置2011を示し、9個の上方ドッキングステーションを備え、9個の下方ドッキングステーションを備えるカルーセル2012を含む。各ドッキングステーションは、カセッテまたは他のタイプのスライド保持装置(たとえばラック、マガジンなど)を受け取り、保持することができる。カルーセル2012は、カセッテのロードおよびアンロードの便宜のために、カセッテをシステム2000の前に位置決めするように回転させる。
図41―43を参照すると、スライドは、戻り部2022およびカメラ2024を備えるバッファ202に移動される。XYステージ2026の形態のスライドハンドラは、スライドハンドラ2028によりスライドを供給することができる。イメージング光学系2030は、ステージ2026内にロードされたサンプルのイメージを取得することができる。イメージング光学系2030は、非限定的に、1つ以上のレンズ、カメラ、ミラー、フィルター、光源等を含むことができる。アーム2036に保持されるピックアップ装置またはエンドエフェクタ2034は、様々な部品間でスライドを輸送することができる。
図44はピックアップ装置2034を示し、これは、ラベル2051の縁に接触せずに、また、ラベル2051に隣接する顕微鏡スライドのエッジに接触することなくスライド2050を保持し、ラベル2051を取り付けるのに用いられる露出した残留接着剤があってもこれに接触することを避ける。スライド2050は、接着剤がピックアップ装置2034に貼り付くことにより生じる問題を発生させずに、信頼性をもってまた効率的にスライドを輸送することができる。本稿で使用され「スライド」との語は、カバースリップされた顕微鏡スライドを含み、また、カバースリップの内顕微鏡スライドも含む。図示のスライド2050は、カバースリップを含む。ピックアップ装置2034がスライド搭載装置の一部であるなら、ピックアップ装置2034は、カバースリップ無しで顕微鏡スライドを運ぶことができる。
ピックアップ装置2034は、コネクタユニット2038およびエンドエフェクタ2040を含む。コネクタユニット2038は、ヘッド要素2044を圧力源(たとえばポンプまたは真空引きできる他の装置)に流体的に連結させる。ヘッド要素2044は、スライド2050を真空維持することができる。スライド2050をしっかりと保持するのに十分な真空を維持することができ、ワークステーション間でスライド2050を移動させることができる。スライド2050を解放するため、真空は減少または除去することができる。
コネクタユニット2038は、取り付け本体2055、およびアーム2036に連結可能な取り付けアーム2056a、2056bを含む(図42、43参照)。流体要素2060は、エンドエフェクタ2040に流体連通を提供する。流体要素は、非限定的に、流体ライン(たとえばホース、チューブ、導管など)、バルブ、カプラ(たとえば流体ラインカプラ)、および流体の流れを制御または確立させる他の要素を含む。図44、45において、流体要素2060は、エンドエフェクタ2040に流体的に連結されるフィードライン2062を含む。
コネクタユニット2038は、エンドエフェクタ2040および/または顕微鏡スライド2050が物体に接触することを可能にし、また、エンドエフェクタ2040が偏向しまた元の位置に戻ることを可能にし、エンドエフェクタ2040および/またはスライド2050が損傷するのを禁止、制限、または実質的に防止する。保護ヘッド2058は、破損保護特徴として機能することができる。ヘッド2058は、取り付け本体2055に移動式に連結される。スライド2050またはエンドエフェクタ2040、あるいは両者が物体に接触すると、図46の矢印2059a、2059bにより示されるようにヘッド2058は回転することができ、スライド2050および/またはエンドエフェクタ2040へ損傷を与えることを避け、制限、または防止する。バイアス部材2061は、ヘッド2058を着座位置に付勢することができる。十分な力がエンドエフェクタ2040に与えられると、バイアス部材2061により付与されるバイアス力は乗り越えられ、ヘッド2058は取り付け本体2055に対して移動する。付与された力が十分に小さいまたは実質的に除去されると、バイアス部材2061は、ヘッド2058を着座位置に引く。バイアス部材2061は、非限定的に、1つ以上のスプリング(らせんバネ、コイルばね等)、流体式バイアス部材、またはバイアス力を提供することができる他の要素を含むことができる。
図44、45を参照すると、エンドエフェクタ2040は、プラットフォーム2070、流体ライン2072、およびヘッド要素2044を含む。プラットフォーム2070は、上部表面2074および下部表面2076(図46)を備え、また、全体または一部が剛体材料(たとえば金属、剛体プラスチック等)で形成することができる。図示のプラットフォーム2070は、片持ち梁式にコネクタユニット2038に取り付けられ、ステンレス鋼シートのような金属シートから形成することができる。
図47を参照すると、センサ2089は、顕微鏡スライドを解析するための、比較的に低プロファイルの1つ以上の回路(たとえば可撓性回路)を含むことができる。スライドが存在するかどうかを検出するために、センサ2089は、反射表面を解析することができる光学センサとすることができる。例として、センサ2089は、存在する場合はスライドラベルの反射率を評価することでスライドの存在を検出することができる。センサ2089は、スライドが存在するかどうかを示す信号を送ることができる。信号に基づいて、コントローラ2004は、スライドがピックアップ装置2034により保持されているかどうかを決定することができる。代替的に、センサ2089は、バーコードリーダー、スキャナ、接触センサ、近接センサ、これらの組み合わせ等の形態とすることができる。顕微鏡スライド2050に関する情報を決定するのに任意の数のセンサを使用することができる。
スペーサ2090a−dは、下部表面2076に連結され、顕微鏡スライド2050に物理的に接触することができる。図42に示されるように、スペーサ2090a−dは、実質的に水平な向きで、また実質的にプラットフォーム2070に平行に顕微鏡スライド2050を保持するように協働する。正面スペーサ2090cおよび後スペーサ2090aは、概ねプラットフォーム2070の長手方向軸2118に沿って位置決めされる。側方オフセットスペーサ2090b、2090dは、プラットフォーム2070の長手方向側部2091、2093に近接して位置決めされる。異なるタイプのパターンを画定する任意の数のスペーサを、スライドの所望の相互作用に基づいて、使用することができる。
過度の残留接着剤の接着を避けるため、スペーサ2090は、スペーサ2090a−dが接着剤に接触しない位置に配置されるようにすることができる。スペーサ2090aは、ラベル2051に接触し、また、ラベルのエッジから十分に離れており、スペーサ2090aが残留して露出する接着剤に接触しないことを確保する。代替的に、スペーサ2090aは、ラベル領域の外でピックアップ2044に向かって移動させることができ、そでもスライドに安定性を提供するようにすることができる。スペーサ2090b、2090dは、ラベル2051のエッジから十分に離れた位置で顕微鏡スライドの上部表面に接触するように位置決めされる。
図44−46を再び参照すると、流体ライン2072は、上部表面2074の上に位置決めされ、コネクタユニット2038とヘッド要素2044との間に延びる。エンドエフェクタ2040の剛性を増強するために、流体ライン2072は、全体または一部において、鋼鉄、ニッケル合金、または他の好適な剛性材料の皮下注射チューブを含むことができる。いくつかの実施形態において、皮下注射チューブの外側直径は、約0.3インチより小さくすることができる。皮下注射チューブのゲージは、Stubsニードルゲージに基づいて7ゲージから32ゲージとすることができ、また、所望の真空に基づいて選択することができ、また、ピックアップ装置2034の所望の機械的特性に基づいて選択することができる。他のサイズのチューブを使用することもできる。流体ライン2072のプラットフォーム2070に対する位置は、所望の慣性モーメントおよび全体のプロファイルを達成するように選択することができる。流体ライン2072は、慣性モーメントを増加させることでエンドエフェクタ2040の剛性を増強するために、プラットフォーム2070から離れるように移動させることができる。エンドエフェクタ2040の最高の高さを減少させるために、流体ライン2072は、プラットフォーム2070に近接または接触するように移動させることができる。
クランプアセンブリ2077はクランプ本体2078を備え、クランプ本体2078は、流体ライン2072および、クランプアセンブリ2077を開け閉めするための固定具2080a、2080bを保持する。ピックアップ装置2034の部品数を減らすため、流体ライン2072は、プラットフォーム2070に直接的に連結(たとえば接着、のり着け、溶接など)させるようにすることができる。
図48を参照すると、ヘッド要素2044は、コネクタ2100および吸引ヘッド2102を含むことができる。コネクタ2100は、プラットフォーム2070の上側側部に位置決めされ、流体ライン2072に連結される。吸引ヘッド2102は、プラットフォーム2070の下側側部に位置決めされ、カバースリップを備える顕微鏡スライド2050に真空を維持することができる。いくつかの実施形態において、吸引ヘッド2102は、ヘッド2102のリム2103がカバースリップのエッジに重なるときに、気密シールを維持するのに十分なたわみ性を備える材料(たとえばゴム、シリコン、ポリマーなど)から形成することができる。これにより、吸引ヘッド2102がカバースリップと不整合となっても一貫して信頼性のあるピックアップを可能にする。
位置決め具2110がプラットフォーム2070にかぎ留めされ、比較的に長期の使用期間の後でも、ヘッド要素2044がプラットフォーム2070に適切に整合されることを維持するための抗回転特徴として機能することができる。図示の位置決め具2110は、相補的なカットアウト部2112に位置決めされる突出部である。追加的または代替的に、ヘッド要素2044は、1つ以上の糊または接着剤を使用してプラットフォーム2070に連結することができる。他の実施形態において、吸引ヘッド2102をプラットフォーム2070に機械的に連結させるために、機械的な特徴(たとえば、ネジ、ピンなど)を使用することができる。
エンドエフェクタ2040は、比較的に狭い空間にアクセスするために、比較的に低プロファイルとすることができる。図48は、エンドエフェクタ2040の最高高さHを示し、これは約0.15インチから0.19インチの範囲とすることができる。これにより、垂直に離間した棚を備えるスライドホルダを含む広範囲の異なるタイプのスライドホルダに保持される顕微鏡スライドの間にエンドエフェクタ2040を挿入することができる。そのようなスライドホルダは、収納ラック、マガジン、ポータブルカセッテなどの形態とすることができる。エンドエフェクタ2040は、所望の用途に基づいて、異なる構成、サイズ、寸法、部品の配置とすることができる。エンドエフェクタ2040の幅W(図45参照)は、スライド2050の幅と同じかそれ以下とすることができる。図45に示される実施形態を含むいくつかの実施形態において、エンドエフェクタ2040は、スライド2050の幅よりも実質的に狭い幅Wを備える。これにより、スライド2050に対してサイドtoサイドの変形態を可能にする。
図49は、カセッテ2400の形態の顕微鏡スライドホルダを示す。カセッテ2400は、マイン本体2410、および、垂直に離間する棚2414を含む。カバースリップ付きのスライド2422(破線で示される)は、最上部の棚2414aにより支持されている。カセッテ2400がワークステーション間を手動で輸送されるなら、使用者はカセッテ2400を図示のような概ね垂直な向きで保持することができる。スライドは、カセッテ2400が垂直な向きから傾いたとしても、棚2414上に維持されるようにすることができる。カセッテ2400は、ワークステーション間の輸送の便宜のためにポータブルである。キャッチは、カセッテの輸送中(たとえば、研究室の装置の間でカセッテ2400を移動させるとき)に、または、スライドホルダまたはスライドホルダ付近のモーター駆動装置などにより発生する機械的な振動により、スライドがカセッテ2400から滑り落ちるのを防止することを助ける。
図49、50を参照すると、メイン本体2410は、正面開口部2540、上部壁2444、下部壁2446、後壁2448、および側壁2452、2454を含む。上部壁2444は、側壁2452、2454間を延び、アクセス開口部2460を画定する。下部壁2446は、側壁2452、2454間を延びる。ピックアップ装置は、スライドをロードおよびアンロードするために、アクセス開口部2460を通ることができる。下部壁2446は、カセッテ2400を概ね直立した向きに位置するために支持表面上に静置させることができる。ハンドラ2447、2449は、カセッテ2400を把持するために握ることができる。
後壁2448は、換気開口部2470を含み、ここを通じて流体(たとえば空気、取り付け液体など)が通る。図示の開口部2470は、隣接する棚部2414の間のギャップに隣接する。スライドが濡れている場合、空気乾燥または排出または両者のために空気が開口部2470を通る。開口部2470の長さは、スライドが後壁2448を通過することを防止するために、スライドの幅よりも小さくすることができる。追加的または代替的に、換気開口部は他の位置に配置することができ、たとえば側壁2452、2454の一方または両方に沿うように配置することができる。
メイン本体2410は、全体または一部として、プラスチック、ポリマー、金属またはこれらの組み合わせから形成することができ、また、1部品構成または他部品構成とすることができる。非限定的な例示的なプラスチックは、非限定的に、アクリルニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせなどを含む。性能を上げるためにフィラー材を使用することもできる。いくつかの実施形態において、メイン本体2410は、ガラスフィラーを含む(たとえば、体積または重量で30%のガラスフィラーを含む)ABSプラスチックから形成される。棚部2412の表面は、スライドの配置の便宜のために、相対的に低摩擦係数を備えることができる。型成形の実施形態において、型成形された2つの半分は、溶接、接着、または他の方法で連結されてカセッテ2400を形成することができる。任意の数の型成形部品を組み立ておよび連結させることができる。代替的に、機械加工された部品を組み立ててカセッテ2400を形成することができる。機械的な取り付け具、接着剤、溶接などを使用することができる。
図50のカプラ2474はカセッテ2400の後ろに位置決めされる。ワークステーションが磁石(たとえば永久磁石または電磁石)を備える場合、カセッテ2400をワークステーションに固定するのを支援するために、カプラ2474は、全体または一部として、強磁性体材料から形成することができ、または、他の磁石に引き付けられる材料から形成することができる。代替的に、カプラ2474は、ワークステーションの強磁性体部品に連結するために磁石を含むことができる。
図50は、突出かぎ特徴2482のペアを示す。カセッテ2400がドッキングステーションに移動されるとき、かぎ特徴2482、2484は、ドッキングステーションの対応するレシーバ(たとえばスロット、開口部など)に挿入されるようにすることができる。カセッテ2400が逆さまに挿入されようとすると、かぎ特徴2482、2484は、レシーバに受け入れられず、それゆえドッキングが防止される。図示のかぎ特徴2482、2484は、全体としてU形状の平行部材である。かぎ特徴の位置、構成、向きは、カセッテのサイズ、所望のカセッテの向き、ドッキングステーションの設計などに基づいて選択することができる。図49の突起部2485は、機械的装置(たとえば、機械的なインターロック)、またはカセッテ2400が適切に取り付けられたことを示す信号を送るセンサをトリガすることができる。追加的にまたは代替的に、カセッテ2400が適切にロードされたことを決定するために、接触センサ、近接センサ、または他のタイプのセンサを様々な位置(たとえばカルーセル2012内)に配置することができる。
図51、52には、20のスライドのための垂直に離間された20の棚2414を示している。各棚部2414は、側壁2452、2454の間に位置決めされ、カセッテ2044が直立の向きになるときに、顕微鏡スライドが実質的に水平に支持されるように向き決めされる。棚部2414は、互いに等間隔または等間隔ではなく離間させることができる。等間隔に離間される実施形態において、隣接する棚部2414の平均距離は、約0.25インチから約0.38インチの範囲とすることができる。平均距離は、ピックアップヘッドのための所望のクリアランスを達成するように選択することができる。棚部のサイズ、ピッチ、および他の寸法は、スライド保持装置の間の輸送を迅速にするように選択することができる。例として、棚部2414のピッチは、ディップおよびダンクタイプバスケットの棚部またはスロットのピッチに、全体として類似するようにすることができ、スライドを都合よくバスケットからカセッテ2400へ輸送できるようにする。スライドラックからカセッテ2400へスライドが輸送される場合、棚部2414は、ラックの棚部のピッチに概ね対応するピッチを備えることができる。したがって、棚部2414の空間配置は、異なる処理パラメータおよび基準に基づいて選択することができる。
図51を参照すると、開口部はスライドを都合よく探せるようにラベル付けされている。最上部の開口部2490aは、文字「A」がラベル付けされており、最下部の開口部2490tは、文字「T」がラベル付けされている。代替的に、開口部は数字または他の印をラベル付けすることができる。
図51、52は、棚部2414a上に標本を支持するカバースリップ付きスライド2422を示す(破線で示される)。支持部材2500a、2500bのペアは、スライド2422のラベル端部2504を支持する。支持部材2500a、2500bの各々は、棚部2414aから離れるように延びる。一体的な実施形態において、支持部材2500a、2500bは、棚部2414aと一体的に形成される。非一体的な実施形態において、支持部材2500a、2500bは、接着剤、固定具、オス/メス接続部等を使用して棚部2414aに連結される。
支持部材2500a、2500bは、概ね互いに類似するものとすることができ、したがって、特に断らない限り一方への説明は他方にも等しく適用できる。図53、54は、細長い本体2508aおよびキャッチ2510aを含む支持部材2500aを示す。細長い本体2508aは、棚部2414に連結される取り付け端部2516a、キャッチ2510を保持する反対にある自由端部2518a、および中心部分2519aを含む。
キャッチ2510aのショルダ部2522aは、細長い本体2508aから上方に突出し、顕微鏡スライド2422の支持部材2500aに対する運動を制限することができる。ショルダ部2522aは、スライド2422の滑りを妨害する。ショルダ部2522aの高さHsは、取り付け表面およびスライド2422の下部表面により画定される厚さTsよりも小さくすることができる。いくつかの実施形態において、高さHsは、厚さTsの約60%、50%、または40%と同等またはそれ以下である。一実施形態において、ショルダ高さHsは、厚さTsの約半分に等しい。必要または所望であれば他のショルダ高さHsも可能である。キャッチ2510aと後壁2532との間の距離は、スライド2422の長手方向長さに概ね等しいまたはそれよりわずかに大きいものとすることができる。これは、輸送中にスライド2422の運動を最小化することを助けることができる。
当接表面2528aは、長手方向本体2508aの支持表面に概ね垂直とすることができる。他の実施形態において、キャッチ2518は、またはスライド2504の運動を制限(たとえば、禁止または防止する)する、突起部、突出部(たとえば、部分的な球形の突出部、凸部など)、または他の特徴とすることができる。
図55を参照すると、棚部2414は、全体としてH形状のプレートを備える。プレートは、全体として平坦な上方表面を備え、いくつかの実施形態において、顕微鏡スライドのロードおよびアンロードを増強するために、テクスチャ加工、または研磨加工などがなされる。図示の棚部2414は、側壁2452、2454の間を接続し、橋渡しする。他の実施形態において、棚部2414は、カンチレバー式に側壁の1つに取り付けられる。
細長い本体2508aは長手方向軸2540aを備え、これは、支持部材2520bの細長い本体2508bの長手方向軸2540bに実質的に平行である。長手方向軸2540a、2540bは、平面内に位置し、ある場合は約5度より小さい角度を画定する。図示の実施形態は、2つの支持部材を備えるが、追加の支持部材を用いることができ、また任意の数の棚部を用いることもできる。
図56Aおよび56Bは、上部棚部2414上に配置される顕微鏡スライド2422(破線で示される)を示す。ガイド2560a、2560bは、スライド配置のサイドtoサイド変形態を収容するのを助けることができる。図56Aに示されるように、スライド2422は、開口部2490aの左側に位置決めすることができる。スライド2422のエッジ2561は、重力により表面2562aに沿って滑ることができ、スライド2422が所望の位置に落ちることを可能にする。傾斜表面2562a、2562bは、顕微鏡スライドが緩やかに滑り落ち棚部2414a上に静置するように傾斜する。いくつかの実施形態において、表面2562a、2562bの傾斜角度は概ね互いに等しくすることができる。
図40を再び参照すると、イメージングシステム2000を操作するために、ユーザーは、アクセスドア2002を開け、カルーセル2012の18個のドッキングステーション(たとえばスロット)の1つ内にカセッテを挿入する。カルーセル2012は、ロードおよびアンロードのために連続的に回転することができる。有利には、カルーセル2012は、システム2000の全体の占有面積を低減するために、相対的に小型の設計とすることができる。
カセッテがドッキングステーションにロードされると、ノブ2602(図41参照)は、カセッテを所定位置にロックするために反時計回りに回転することができる(たとえば反時計回りに約90°回転する)。さらに、ノブ2602の回転は、センサ2606により解析される対応するフラグ(フラグ2607参照)の回転を生じさせる。フラグの位置は、ノブ2602の位置に対応する。したがって、センサ2606は、ノブが開放位置または閉鎖位置にあるかを決定することができる。
センサ2606は、3つの上方カセッテおよび3つの整合する下方カセッテの位置を解析することができる光学センサとすることができる。
図示の実施形態において、センサ2606は、ノブ2602a−cに接続されたフラグの位置に基づいて、カセッテ2400a−cの存在を決定する。下方か設定2400d−fは、他のセンサにより解析される。有利には、光学センサ/フラグの組み合わせは、カルーセルの中心内の静止ポストが、カセッテが存在しているかどうかを解析することを可能にし、それゆえ、回転する境界をわたるワイヤの必要を除去し、また、複雑なケーブルホルダの使用を除去する。これは、カルーセル2012の信頼性を高めるのを助けることができる。いくつかの実施形態において、突出部2485(図50参照)は、ノブ2602が回転することを可能にし、空のドッキングステーションのノブは回転できないようにする機械的インターロックをトリガするために使用することができる。
再び図42を参照すると、スライドハンドラ2028は、イメージングシステム2000の様々な部品間でスライドを輸送するために、ピックアップ装置2034を移動させる。図52は、矢印2616で示されるように、開口部2490a内に挿入されるように位置決めされる低プロファイルエンドエフェクタ2034を示す。エンドエフェクタ2034が顕微鏡スライド2422上に位置決めされると、エンドエフェクタ2034は、顕微鏡スライド2422の上に配置されるようにすることができる。吸引ヘッド2102と顕微鏡スライドとの間で真空引きがされる。エンドエフェクト2034は、キャッチ2510aを過ぎて垂直にスライド2422を移動させることができる。持ち上げられたスライド2422は、開口部2490aの外に移動される。エンドエフェクタ2034は、接着剤(たとえば、ラベル付けされた顕微鏡スライドの周辺における接着剤または隣接エッジにおける接着剤)に接触することなく所望の位置へスライド2422を運ぶことができ、ピックアップ装置は、スライドを任意の数の処理ステーションへ移動させることができ、これらのステーションは、非限定的に、カルーセル、バッファ、XYステージ、スライドハンドラ、スライドキャッシュ装置、ラック、イメージング装置、ドッキングステーションなどを含む。スライドが画像化された後、スライドは、スライドキャッシュ装置2020aからカセッテの空の棚部に移動されるようにすることができる。カセッテが画像化されたスライドで満たされると、カセッテは、アクセスドア2002を使用する便利な取り外しのために、アクセス領域に回転されるようにすることができる。
本稿で議論された様々な実施形態は、本稿で説明されるシステムにおいて適切な組み合わせで組み合わせることができる。さらに、いくつかの例において、フローチャート、フローダイアグラム、および/または説明されたフロー処理におけるステップの順番は、適切に修正することができる。さらに、本稿で説明されるシステムの様々な側面は、説明される特徴を備え、また、説明された機能を実行する、ソフトウェア、ハードウェア、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、および/またはコンピュータに実装可能なモジュールまたは装置を使用して実現することができる。本稿で説明されるシステムのソフトウェア実装は、コンピュータで読み取り可能な媒体に保存された、または1つ以上のプロセッサにより実行される実行可能なコードを含む。コンピュータで読み取り可能な媒体は、コンピュータハードドライブ、ROM、RAM、フラッシュメモリ、CD−ROM、DVD−ROM,フラッシュドライブなどのポータブルコンピュータ記憶媒体、および/または他のドライブ、たとえば、USBインターフェースを備えるドライブ、および/または任意の他の適切な有形の記憶媒体、または実行可能なコードが記憶されプロセッサにより実行されるコンピュータメモリ、を含む。本稿で説明されるシステムは、任意の適切なオペレーションシステムにおいて使用することができる。
本発明の多の実施形態は、本明細書を塾考し、または、開示された発明を実施することで当業者に明らかになるであろう。明細書および実施例は、単なる例示であり、本発明の真の範囲および趣旨は添付の特許請求の範囲により示される。