JP5829577B2 - 芳香族化合物中のハロゲン量低減方法 - Google Patents

芳香族化合物中のハロゲン量低減方法 Download PDF

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本発明は、芳香族化合物中のハロゲンの含有量を低減する方法に関する。
芳香族化合物から製造されるポリマーは、種々の電子材料用ケミカルスとして利用されているが、当該芳香族化合物又はポリマー中にハロゲンが残留している場合は、当該電子材料の性能に悪影響を及ぼすケースが少なくない。したがって、当該芳香族化合物又はポリマー中の残留ハロゲン量がppm又はppbレベルに厳格に規制される場合がある。また、有害なハロゲンを含有する有機材料の使用は、敬遠される傾向が顕著である。
従来から有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化処理は知られており、有機ハロゲン化合物のハロゲン(有機ハロゲン)を無機化して無機ハロゲン(イオン性ハロゲン)とすることにより、有機ハロゲン化合物からハロゲンを除去する方法などがある。例えば、有機ハロゲン化合物を金属ナトリウムで処理する方法(特許文献1)や、パラジウム等の貴金属触媒存在下、水酸化アルカリのアルコール溶液中で処理する方法(特許文献2)などが知られている。
特開2001−294539号公報 特開2007−61108号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、温和な条件下で脱ハロゲン化できるメリットはあるものの、金属ナトリウムを使用することから、脱ハロゲン化処理に用いられる溶媒が非水系溶媒に限定されるという問題点を有していた。また、所定の脱ハロゲン化処理の後に、ナトリウムを水などで分解処理しなければならないという問題点もあった。さらに、特許文献2に記載の方法は、高価な貴金属触媒の使用が必須であるため、経済性に問題があった。そして、特許文献1,2に記載の方法は、高価な試剤や触媒を使用することが必須であるため、特に微量のハロゲンの除去には不向きな方法であった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、芳香族化合物中のハロゲンの含有量を低コスト且つ簡便に低減する方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の態様は、次のような構成からなる。すなわち、本発明の一態様に係る芳香族化合物中のハロゲン量低減方法は、芳香族化合物中に含まれる有機ハロゲン化合物を、触媒存在下でアルカリ化合物と反応させ、前記有機ハロゲン化合物の有する有機ハロゲンを無機ハロゲンとして除去することにより、前記芳香族化合物中のハロゲンの含有量を低減する方法であって、前記触媒を銅、銅(I)化合物又はこれらの混合物とし、前記アルカリ化合物をアンモニア、炭素数4以下の1級若しくは2級アミン、又はアンモニアと前記アミンとの混合物とし、反応温度を100℃以上300℃未満とすることを特徴とする。
この芳香族化合物中のハロゲン量低減方法においては、前記アルカリ化合物をアンモニア水、炭素数4以下の1級若しくは2級アミンの水溶液、又はアンモニア水と前記アミンの水溶液との混合物とすることが好ましい。
また、前記芳香族化合物を芳香族カルボン酸、フェノール類又はこれらの混合物としてもよい。
さらに、上記芳香族化合物中のハロゲン量低減方法は、前記芳香族化合物中のハロゲンの含有量を1ppm以下に低減することができる。
さらに、上記芳香族化合物中のハロゲン量低減方法においては、反応時間を2時間以上30時間以下としてもよい。
本発明に係る芳香族化合物中のハロゲン量低減方法は、芳香族化合物中のハロゲンの含有量を低コスト且つ簡便に低減することができる。
本発明に係る芳香族化合物中のハロゲン量低減方法の実施の形態を、以下に詳細に説明する。
芳香族化合物は例えばポリマーの原料として使用され、芳香族化合物から製造されるポリマーは、例えば電子材料用ケミカルスとして利用されているが、当該芳香族化合物又はポリマー中にハロゲンが残留していると、当該電子材料の性能に悪影響を及ぼすおそれがある。よって、芳香族化合物中に含まれるハロゲンを除去することが好ましい。
芳香族化合物中には有機ハロゲン化合物が含まれている場合があるので、芳香族化合物に脱ハロゲン化処理を施して、当該芳香族化合物中の有機ハロゲン化合物を分解し、当該芳香族化合物中のハロゲン(有機ハロゲン)の含有量を低減する。
本実施形態に係る芳香族化合物中のハロゲン量低減方法は、芳香族化合物中に含まれる有機ハロゲン化合物を、触媒存在下でアルカリ化合物と反応させ、有機ハロゲン化合物の有する有機ハロゲンを無機ハロゲンとして除去することにより、芳香族化合物中のハロゲンの含有量を低減する方法であって、触媒が銅、銅(I)化合物又はこれらの混合物であり、アルカリ化合物がアンモニア、炭素数4以下の1級若しくは2級アミン、又はアンモニアと前記アミンとの混合物であり、反応温度が100℃以上300℃未満である。
アルカリ化合物との反応により有機ハロゲン化合物が脱ハロゲン化され、ハロゲンがOH基(水等に由来する)に置換される。有機ハロゲン化合物から脱離したハロゲンは無機イオン化され、後工程において例えばアルカリ化合物と反応して生成した塩として除去される。その結果、芳香族化合物中のハロゲンの含有量が低減され、例えば1ppm以下に低減することができる。
本実施形態に係る芳香族化合物中のハロゲン量低減方法は、触媒として安価な銅系触媒を使用するため、低コストである。また、アルカリ化合物として使用するアンモニアや前記アミンも安価である。さらに、アルカリ化合物としてアンモニアや前記アミンを使用するので、金属ナトリウムを使用する場合のような煩雑な後処理が不要であり、脱ハロゲン化処理が簡便である。
芳香族化合物の種類は特に限定されるものではないが、例えば、芳香族カルボン酸、フェノール類等の水溶性有機化合物があげられる。芳香族カルボン酸の具体例としては、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸があげられ、フェノール類の具体例としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルがあげられる。なお、芳香族化合物は、単一種の化合物でもよいし、2種以上の化合物の混合物でもよい。
また、芳香族化合物中に含まれる有機ハロゲン化合物の種類は特に限定されるものではないが、例えば、ハロゲン化された芳香族カルボン酸やハロゲン化されたフェノール類があげられ、具体例としては、芳香族化合物の具体例として前記した芳香族カルボン酸やフェノール類のハロゲン化物があげられる。有機ハロゲン化合物が有するハロゲン原子の数は特に限定されず、1個でもよいし複数個でもよい。また、ハロゲンの種類も特に限定されず、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等があげられる。なお、芳香族化合物中には、1種の有機ハロゲン化合物が含まれていてもよいし、2種以上の有機ハロゲン化合物が含まれていてもよい。
さらに、触媒として使用される銅(I)化合物の種類は特に限定されるものではないが、例えば、酸化銅(I)や、塩化銅(I)などのハロゲン化銅(I)が好適である。なお、触媒として金属銅(例えば銅粉)を使用する場合は、脱ハロゲン化処理後に反応液から金属銅を濾過等により分離して、繰り返し再利用することができる。
本実施形態に係る芳香族化合物中のハロゲン量低減方法においては、溶媒を使用することができ、反応を溶媒中で行うことができる。溶媒の種類は特に限定されるものではないが、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、エチレングリコール等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、脂肪酸(酢酸、プロピオン酸等)、又はこれらのうち2種以上の混合物があげられる。ただし、有機ハロゲン化合物の分解の効率、経済性、環境負荷などを考慮すると、水が最も好ましい。
本実施形態に係る芳香族化合物中のハロゲン量低減方法においては、アルカリ化合物として、アンモニア、炭素数4以下の1級若しくは2級アミン、又はアンモニアと前記アミンとの混合物を使用することができる。アミンについては、2種以上のアミンを併用してもよい。例えば、炭素数の異なる複数種の1級アミン(2級アミンでもよい)を併用してもよいし、炭素数が同一の(炭素数が異なっていてもよい)1級アミンと2級アミンとを併用してもよい。
炭素数4以下の1級アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミンがあげられる。また、炭素数4以下の2級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジt−ブチルアミンがあげられる。
1級アミン及び2級アミンの炭素数を4以下とする理由は、経済性(価格)、入手容易性、及び脱ハロゲン効果が優れているからである。
また、アルカリ化合物は水溶液の形態で用いることが好ましい。すなわち、アルカリ化合物として、アンモニア水、前記アミンの水溶液、又はアンモニアと前記アミンとを含有する水溶液を用いることが好ましい。アンモニア水中のアンモニア濃度とアミンの水溶液中のアミン濃度はいずれも、1質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
さらに、反応温度は、100℃以上300℃未満が好ましく、150℃以上200℃以下がより好ましい。反応温度を上記の範囲とする理由は、100℃未満では脱ハロゲン化が極めて進行しにくく、一方、300℃以上になると芳香族化合物の分解・重質化が顕著になるからである。
また、反応時間は、2時間以上30時間以下が好ましく、5時間以上20時間以下がより好ましい。反応時間を上記の範囲とする理由は、短時間では脱ハロゲン化が完全に進行せず、一方、長時間になると芳香族化合物の分解・重質化が顕著になるからである。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
容量100mlのSUS製オートクレーブに、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル5g、銅粉0.5g、酸化銅(I)0.1g、及び濃度28質量%のアンモニア水20gを仕込んで、180℃に昇温し、撹拌しながら同温度で20時間反応させた。なお、使用した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルは、微量の有機臭素化合物(4,4’−ジブロモジフェニルエーテル)を含んでおり、有機臭素の含有量は135ppmである。
この反応により、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル中の有機臭素化合物はアンモニアで分解され、有機臭素化合物が有する臭素が、アンモニア水の水に由来するOH基に置換される。そして、有機臭素化合物から脱離した臭素は無機イオン化され、アンモニアと反応して塩(臭化アンモニウム)となる。
次に、オートクレーブから反応液を取り出し、硫酸酸性にすることにより4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを遊離させた。遊離した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを反応液から分離し、常法にしたがって脱塩処理して無機臭素(塩)を取り除いた後に、灰化処理を行った。そして、得られた灰中の臭素量をイオンクロマトグラフィーにて分析し、遊離した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル中の有機臭素の含有量に換算したところ、663ppbであった。
(実施例2)
容量100mlのSUS製オートクレーブに、4,4’−ビフェニルジカルボン酸5g、銅粉0.5g、酸化銅(I)0.05g、及び濃度28質量%のアンモニア水20gを仕込んで、190℃に昇温し、撹拌しながら同温度で20時間反応させた。なお、使用した4,4’−ビフェニルジカルボン酸は、微量の有機臭素化合物(4,4’−ジブロモビフェニル)を含んでおり、有機臭素の含有量は50ppmである。
この反応により、4,4’−ビフェニルジカルボン酸中の有機臭素化合物はアンモニアで分解され、有機臭素化合物が有する臭素が、アンモニア水の水に由来するOH基に置換される。そして、有機臭素化合物から脱離した臭素は無機イオン化され、アンモニアと反応して塩(臭化アンモニウム)となる。
次に、オートクレーブから反応液を取り出し、硫酸酸性にすることにより4,4’−ビフェニルジカルボン酸を析出させた。析出した4,4’−ビフェニルジカルボン酸を反応液から分離し、常法にしたがって脱塩処理して無機臭素(塩)を取り除いた後に、灰化処理を行った。そして、得られた灰中の臭素量をイオンクロマトグラフィーにて分析し、析出した4,4’−ビフェニルジカルボン酸中の有機臭素の含有量に換算したところ、443ppbであった。
(実施例3)
容量100mlのSUS製オートクレーブに、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸5g、銅粉0.5g、及び濃度28質量%のアンモニア水20gを仕込んで、190℃に昇温し、撹拌しながら同温度で10時間反応させた。なお、使用した3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸は、微量の有機臭素化合物(4−ブロモフタル酸)を含んでおり、有機臭素の含有量は16ppmである。
この反応により、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸中の有機臭素化合物はアンモニアで分解され、有機臭素化合物が有する臭素が、アンモニア水の水に由来するOH基に置換される。そして、有機臭素化合物から脱離した臭素は無機イオン化され、アンモニアと反応して塩(臭化アンモニウム)となる。
次に、オートクレーブから反応液を取り出し、硫酸酸性にすることにより3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸を析出させた。析出した3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸を反応液から分離し、常法にしたがって脱塩処理して無機臭素(塩)を取り除いた後に、灰化処理を行った。そして、得られた灰中の臭素量をイオンクロマトグラフィーにて分析し、析出した3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸中の有機臭素の含有量に換算したところ、860ppbであった。
(実施例4)
容量100mlのSUS製オートクレーブに、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル5g、銅粉0.5g、及び濃度28質量%のアンモニア水20gを仕込んで、190℃に昇温し、撹拌しながら同温度で20時間反応させた。なお、使用した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルは、微量の有機臭素化合物(4,4’−ブロモジフェニルエーテル)を含んでおり、有機臭素の含有量は135ppmである。
この反応により、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル中の有機臭素化合物はアンモニアで分解され、有機臭素化合物が有する臭素が、アンモニア水の水に由来するOH基に置換される。そして、有機臭素化合物から脱離した臭素は無機イオン化され、アンモニアと反応して塩(臭化アンモニウム)となる。
次に、オートクレーブから反応液を取り出し、硫酸酸性にすることにより4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを遊離させた。遊離した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを反応液から分離し、常法にしたがって脱塩処理して無機臭素(塩)を取り除いた後に、灰化処理を行った。そして、得られた灰中の臭素量をイオンクロマトグラフィーにて分析し、遊離した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル中の有機臭素の含有量に換算したところ、580ppbであった。
(実施例5)
容量100mlのSUS製オートクレーブに、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル5g、銅粉0.5g、及び濃度20質量%のメチルアミン水溶液30gを仕込んで、180℃に昇温し、撹拌しながら同温度で20時間反応させた。なお、使用した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルは、微量の有機臭素化合物(4,4’−ブロモジフェニルエーテル)を含んでおり、有機臭素の含有量は135ppmである。
この反応により、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル中の有機臭素化合物はメチルアミンで分解され、有機臭素化合物が有する臭素が、メチルアミン水溶液の水に由来するOH基に置換される。そして、有機臭素化合物から脱離した臭素は無機イオン化され、メチルアミンと反応して塩(メチルアミン臭化水素塩)となる。
次に、オートクレーブから反応液を取り出し、硫酸酸性にすることにより4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを遊離させた。遊離した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを反応液から分離し、常法にしたがって脱塩処理して無機臭素(塩)を取り除いた後に、灰化処理を行った。そして、得られた灰中の臭素量をイオンクロマトグラフィーにて分析し、遊離した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル中の有機臭素の含有量に換算したところ、1ppmであった。
(実施例6)
容量100mlのSUS製オートクレーブに、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル5g、銅粉0.5g、濃度40質量%のメチルアミン水溶液15g、及びエチレングリコール15gを仕込んで、180℃に昇温し、撹拌しながら同温度で20時間反応させた。なお、使用した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルは、微量の有機臭素化合物(4,4’−ブロモジフェニルエーテル)を含んでおり、有機臭素の含有量は135ppmである。
この反応により、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル中の有機臭素化合物はメチルアミンで分解され、有機臭素化合物が有する臭素が、メチルアミン水溶液の水に由来するOH基に置換される。そして、有機臭素化合物から脱離した臭素は無機イオン化され、メチルアミンと反応して塩(メチルアミン臭化水素塩)となる。
次に、オートクレーブから反応液を取り出し、硫酸酸性にすることにより4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを遊離させた。遊離した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを反応液から分離し、常法にしたがって脱塩処理して無機臭素(塩)を取り除いた後に、灰化処理を行った。そして、得られた灰中の臭素量をイオンクロマトグラフィーにて分析し、遊離した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル中の有機臭素の含有量に換算したところ、745ppbであった。
(比較例1)
銅粉及び酸化銅(I)を使用しなかった点を除いては実施例1と同様にして処理を行い、遊離した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル中の有機臭素の含有量を算出したところ、38ppmであった。
(比較例2)
反応温度を80℃とした点を除いては実施例1と同様にして処理を行い、遊離した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル中の有機臭素の含有量を算出したところ、118ppmであった。

Claims (4)

  1. 芳香族化合物中に含まれる有機ハロゲン化合物を、触媒存在下でアルカリ化合物と反応させ、前記有機ハロゲン化合物の有する有機ハロゲンを無機ハロゲンとして除去することにより、前記芳香族化合物中のハロゲンの含有量を低減する方法であって、前記触媒を銅、銅(I)化合物又はこれらの混合物とし、前記アルカリ化合物をアンモニア、炭素数4以下の1級若しくは2級アミンの水溶液、又はアンモニアと前記アミンの水溶液との混合物とし、反応温度を100℃以上300℃未満とすることを特徴とする芳香族化合物中のハロゲン量低減方法。
  2. 前記芳香族化合物が芳香族カルボン酸、フェノール類又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族化合物中のハロゲン量低減方法。
  3. 前記芳香族化合物中のハロゲンの含有量を1ppm以下に低減することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の芳香族化合物中のハロゲン量低減方法。
  4. 反応時間を2時間以上30時間以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の芳香族化合物中のハロゲン量低減方法。
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