JP5666830B2 - 詰め綿、その製造方法及びこれを用いた製品 - Google Patents

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本発明は、繊維をループ状に固定した詰め綿とその製造方法及びこれを用いた製品に関する。
羽毛布団、羽毛ジャケットなどの羽毛製品に充填される羽毛は、一般的には水鳥の羽毛が使用されている。水鳥としてはグース(ガチョウ)、ダック(アヒル)、北極圏の海岸線に生息するアイダー(野生の鴨)などである。羽毛には、胸毛にあたるダウンと、羽根と呼ばれるフェザーがあり、ともに羽毛製品に使われている。羽毛の産地はポーランド、ハンガリーなどの中欧、スカンジナビア半島を含む北欧、中国などである。羽毛は、嵩高性に優れ、暖かく、掛け布団や羽毛ジャケットの羽毛製品として高級素材の地位を占めている。
しかし、天然の羽毛は水鳥に依存しており、その供給量には限度がある上、自然条件や厄病(例えば鳥ウィルス)の影響によって供給量も変動するという問題がある。あるいは自然保護の観点から、野生の鳥を補足することには限度がある。その上、天然の羽毛は、洗いが不充分であると悪臭の原因となるため、事前に悪臭の原因となる汚物を除去し、羽毛の洗浄の程度を見る清浄度と酸素計数を一定のレベルに保つ管理が必要である。加えて、羽毛布団、羽毛ジャケットなどの羽毛製品の洗濯は容易ではないという問題がある。
そこで、従来から詰め綿は多くの提案がある。特許文献1には短繊維をループ状に屈曲させ、集中点を固着することが提案されている。特許文献2にはエアーノズルを用いて芯繊維とループ繊維とを空気交絡させた後に融着することが提案されている。特許文献3にはポリエステル繊維を加熱処理により収縮させて捲縮を発現させ、嵩高と弾力性を持たせることが提案されている。特許文献4には無撚の短繊維を低融点繊維で結束し、融着させることが提案されている。本出願人らは特許文献5において芯糸と花糸から構成され、芯糸を融着させる詰め綿を提案している。
しかし、特許文献1,4のように短繊維を花糸に使用した例では、嵩はへたり易く、嵩の耐久性に問題があった。また、特許文献2のように、単に空気交絡をさせ融着する方法では十分な嵩高性が得られなかった。特許文献3のように繊維自体の捲縮だけで嵩高性を発現させた例でも、やはりへたり易く、嵩の耐久性に問題があった。そのため、現在に至るまで実用化されているのはカード開繊綿であるという問題があった。また、特許文献5に提案の詰め綿は柔らかいが、さらに高い嵩及び耐洗濯性向上が要求されていた。
特開昭55−158366号公報 特開昭58−146385号公報 特開平6−93513号公報 WO2006/104010A1 特開2009−52183号公報
本発明は、前記特許文献5に記載の詰め綿を改良するため、ループ状繊維として融着繊維を使用し、嵩高性の向上と耐洗濯性を向上した詰め綿とその製造方法及びこれを用いた製品を提供する。
本発明の詰め綿は、花糸を芯糸で一体化した詰め綿であって、前記花糸は融着繊維で構成され、開繊されてループ状繊維を形成し、前記ループ状繊維同士が融着されている部分を含み、前記芯糸は、融着繊維を含み、前記融着繊維が熱融着して前記ループ状繊維を一体化しており、前記花糸及び前記芯糸の融着繊維は、融点が異なる2以上のポリマーで構成される複合繊維であることを特徴とする。
本発明の詰め綿の製造方法は、花糸を芯糸で撚り、かつ一体化した詰め綿の製造方法であって、前記花糸をウエストゲージに回転又は糸振りさせて供給し、前記花糸の少なくとも一部を挟み込むように前記ウエストゲージに供給し、前記花糸と芯糸をまとめて撚りを掛け、ループヤーンを形成する工程と、前記花糸のループ状繊維を開繊する工程と、加熱して前記花糸の少なくとも一部のループ状繊維同士を融着し、かつ前記芯糸の融着繊維を熱融着させて前記ループ状繊維を一体化する工程を含み、前記の詰め綿を製造することを特徴とする。
本発明の詰め綿製品は、前記の詰め綿を生地内に充填したものである。ここで詰め綿製品とは、布団、毛布、寝袋、枕、クッション、マット、ぬいぐるみ、ひざ掛け、ジャケット、ベスト、コート、羽毛服、ネックウォーマーなどをいう。
本発明は、花糸は融着繊維で構成され、開繊されてループ状繊維を形成し、ループ状繊維同士が融着されている部分を含むことにより、嵩高性の向上と耐洗濯性を向上した詰め綿とその製造方法及びこれを用いた製品を提供できる。
図1は、本発明の一実施例における製造工程を示す説明図である。 図2は、本発明の一実施例における撚糸工程の概略説明図である。 図3は同、撚糸工程におけるループヤーンの拡大側面図である。 図4は同、揉み・開繊工程でループ繊維が開繊された状態のループヤーンの概略側面図である。 図5は同、得られた詰め綿の概略側面図である。
本発明の詰め綿は、複数のループ状繊維(花糸ともいう。)と芯糸で構成される。ループ状繊維は長繊維であるマルチフィラメント繊維で構成され、開繊され、ループ状繊維同士を融着させる。ループ状繊維同士が融着されることにより、嵩高性の向上と耐洗濯性を向上できる。すなわち、開繊させたループ状繊維同士を融着させることにより、固定点が多くなるため、風合いは硬めとなりへたりにくくなる。
花糸及び芯糸の融着繊維は、融点が異なる2以上のポリマーで構成される複合繊維とする。この複合繊維は、高融点ポリマーが芯、低融点ポリマーが鞘である芯鞘構造の繊維が好ましい。低融点ポリマーを融着させるためである。このような芯鞘構造の複合繊維は、例えばKBセーレン社製“ベルカップル”、ユニチカ社製“メルセット”、ウンジンケミカル社製“EZBON”などがある。これらの複合繊維は、芯がポリエチレンテレフタレート(PET)であり、鞘が低融点ポリエステル共重合体で構成されている。ループ状繊維及び芯糸の融着繊維は、ポリエステルマルチフィラメント融着繊維であることが好ましい。ポリエステルはへたりにくいからである。また、融着繊維の融着温度が160〜190℃であることが好ましい。この範囲であれば、加工しやすい。
芯糸にはさらに非融着繊維を含んでもよい。非融着繊維としてはポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等の合成繊維が好ましい。前記芯糸の融着繊維と非融着繊維の割合は、前記芯糸を100重量%としたとき融着繊維が20〜100重量%、非融着繊維が0〜80重量%が好ましい。
ループ状繊維のループの平均長さは1〜200mmの範囲が好ましく、更に平均長さは5〜50mmの範囲が好ましく、とくに10〜40mmの範囲が好ましい。ループ繊維が前記の範囲であれば、風合いと嵩高性と嵩耐久性を更に高めることができる。
ループ状繊維の単繊維繊度が0.1〜300dtex、かつトータル繊度が10〜600dtex(dtexはdeci texを示す。)の範囲が好ましい。更に好ましくは単繊維繊度が1.0〜50dtex、かつトータル繊度が20〜250dtexの範囲であり、特に好ましくは単繊維繊度が2.0〜25dtex、かつトータル繊度が30〜100dtexの範囲である。繊度が前記の範囲であれば、へたりにくく、かつ風合いも良好である。
芯糸は、融点が異なる2以上のポリマーで構成される複合繊維を含む構成でもよい。融点が異なる2以上のポリマーで構成される複合繊維としては、融点の異なるポリマーを芯鞘状などに複合したコンジュゲート繊維などが例示され、具体的には、高融点ポリマーがポリプロピレンポリマーであり、低融点ポリマーが、ポリエチレンポリマーまたは低融点ポリプロピレンポリマーから成る芯鞘繊維等が挙げられる。融点が異なる2以上のポリマーで構成される複合繊維は、単独で芯糸を構成してもよく、また他の芯糸と組み合わせて、芯糸を構成してもよい。ループ状繊維をより確実に一体化する観点から、芯鞘繊維を低融点熱接着繊維糸と組み合わせて用いるのが好ましい。
前記融点が異なる少なくとも2種類の芯糸又は融点が異なる2以上のポリマーの融点差は、10〜200℃あることが好ましい。
複数のループ状繊維と芯糸の重量比は、ループ状繊維と芯糸を母数にしたとき、ループ状繊維の割合は51〜99wt%の範囲が好ましい。更に好ましくは80〜98wt%の範囲、特に好ましくは85〜97wt%の範囲である。前記範囲であれば、芯糸による固定一体化はしっかりしたものとなり、かつ風合いも良好となる。
本発明の詰め綿の連続状であるか又は1個あたりの平均重量は、0.1〜1000mgの範囲が好ましく、更に好ましくは1〜100mgであり、特に好ましくは2〜50mgの範囲である。なお、平均重量が前記の範囲であれば、取り扱い性がよく、詰物などの羽毛製品にしたときに良好な風合いを発揮できる。なお、本発明における1個あたりの平均重量の算出は、まず30g分の詰め綿を採取し、当該30gに含まれる付詰め綿の個数を計測する。その後、1個あたりの平均重量(mg)を計算により算出する。
本発明の詰め綿には、さらにシリコーン処理剤が熱固定されていることが好ましい。シリコーン処理剤の好ましい付着量は、ループ繊維(花糸)と芯糸の合計量に対して0.1〜10wt%の範囲である。さらに、硬さ調整のためアクリル樹脂、ウレタン樹脂等を固定しても良い。
本発明の詰め綿の一実施例の製造方法について、以下図面を用いて説明する。各図面において、同一符号は同一部分を示す。図1は、本発明の一例の製造工程を示す説明図、図2は撚糸工程の概略説明図である。図1に示すように、花糸1と芯糸2をウエストゲージ3に供給し、撚糸工程4で撚糸する。次に、揉み・開繊工程5で花糸のループ状繊維を開繊した後、第一熱処理工程6で加熱して花糸の少なくとも一部のループ状繊維同士を融着し、かつ芯糸の融着繊維を熱融着させてループ状繊維を一体化する。次に、シリコーン樹脂散布工程7で柔軟剤かつ平滑剤であるシリコーン樹脂を散布し、第二熱処理工程8でキュアリングする。ついでカット工程9で所定の長さにカットし詰め綿10を得る。
図2は本発明の一例の撚糸工程の概略説明図である。図2に示すように、花糸11をウエストゲージ13に回転又は糸振りさせて供給し、一種類の花糸又は少なくとも2種類の芯糸12a,12bは、花糸11の少なくとも一部を挟み込むようにウエストゲージ13に供給する。ここでウエストゲージとは、漏斗状の器具であり、上部が大きく開放され、ここに糸を落とすことができ、下部出口は狭くなっていて、糸を一時的に貯めることができる器具をいう。次いで、花糸11と芯糸12a,12bをまとめて撚りを掛け、ループヤーン14を形成する。ループヤーン14は撚糸機20によって実撚りを掛けて形成される。すなわち、モーター15、ベルト16を介してボビン17が回転され、この周りのリング18にトラベラー19が組み込まれ、ボビン17の回転より遅れて回転することにより、トラベラー19を通過するループヤーン14には実撚りが掛けられる。好ましい撚り数は150〜350回/mである。得られたループヤーン14の拡大図を図3に示す。花糸11はループを形成し、芯糸12a,12bは撚り掛けされて、全体をまとめている。
このようにして得られたループヤーン14は、図1に示す揉み・開繊工程5で開繊処理される。この工程では、ゴム、織物、不織布、樹脂シート等を2枚擦り合わせることにより、間に入れたループヤーン21は揉まれ、図4に示すループ繊維24のように開繊される。このような開繊処理を行うことで、40mm以上の嵩高性を得ることができる。また、花糸として前記中空状や高強力ポリエステル繊維を選択し開繊処理を組合せたり、30dtex以下のポリエステルモノフィラメント繊維をマルチフィラメント繊維に加え開繊処理を組合せることにより、50mm以上150mm程度の嵩高性を発現させることが可能となる。開繊するには揉み手段のほか、叩いたり、ブラッシング処理等を採用することもできる。機械的揉み機の揉み部材としては、ゴム(ネオプレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等)発泡体(ウレタンフォーム、シリコーンゴムフォーム、エチレン−ビニルアルコール(EVA)系発泡体、セルロース系発泡体等)、不織布、人工皮革等がある。また、ブラシの場合は、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン、塩化ビニル、アクリル、アラミド、フッ素樹脂等の合成繊維;羊毛、馬毛、鹿毛、豚毛等の獣毛繊維、金属線等のブラシがある。
揉み・開繊工程で開繊処理されたループヤーンは、ボビンから解舒し、図1に示す第一熱処理工程6で熱処理する。熱処理温度は、ループヤーンの融着ポリマーが融着する例えば70〜220℃、特に140〜210℃、熱処理時間は1秒〜20分程度が好ましい。さらに、1kg/cm2以上の圧力を加えるとより好ましい。この第一熱処理により、開繊されたループ状繊維同士の接触部は融着される。芯の部分にもループ状繊維は集中するので融着される。得られたループヤーン21の概略断面図を図4に示す。22は芯糸、23は開繊されたループ状繊維である。
次にシリコーン樹脂散布工程において、シリコーン樹脂が散布される。シリコーン樹脂としては、分子末端がハイドロジェン基(−OH)、ビニル基(−CH=CH2)等を有する反応性シリコーン処理剤を使用するのが好ましい。例えば、松本油脂製薬社製“TERON E 530”バルキーシリコン、“TERON E 731”、“TERON E 722”等のソフトシリコーンを使用できる。散布量は、乾燥重量で詰め綿に対し0.1〜10wt%散布するのが好ましい。
次に第二熱処理工程において、例えば120〜200℃で1秒〜20分程度熱処理し、シリコーン樹脂をキュアリングする。次にカット工程で所定の長さにカットされる。好ましいカット長は20〜50mmである。このようにして得られた詰め綿10は、図5に示すように開繊されたループ状繊維23と芯糸が熱融着している芯部25とからなる。24はループ状繊維23同士の融着部である。
本発明の詰め綿は、布団、毛布、寝袋、枕、クッション、マット、ぬいぐるみ、ひざ掛け、ジャケット、ベスト、コート、羽毛服、ネックウォーマーなどに好適である。
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示す花糸11として、ウンジンケミカル社製商品名“EZBON”(芯がPET、鞘がポリエステル共重合体からなる複合マルチフィラメント繊維、トータル繊度78 dtex,フィラメント数24本、ストレート糸)を1本使用し、ウェストケージ13に回転又は糸振りさせて供給した。一例として、糸振りの場合は往復距離が約40mm、回転の場合はループの中央部で摘み上げたときの片側のループが約20mmとなるようにした。
芯糸12a,12bとして、花糸11と同一の糸を各1本、合計2本使用し、ウェストケージ13に供給した。このとき、芯糸12a,12bにより、花糸11のループを挟み込むように供給した。ついで、花糸11と芯糸12a,12bをまとめて撚りを掛け、ループヤーン14を形成した。ループヤーン14は撚糸機20によって実撚りを掛けた。撚り数は250回/mであった。得られたループヤーン14は図3に示す。
このようにして得られたループヤーン14はボビン17から解舒し、図1に示す揉み・開繊工程5で開繊処理した。揉み・開繊工程では、ゴム、織物、不織布、樹脂シート等を2枚擦り合わせることにより、間に入れたループヤーン21は揉まれ、図4に示すループ繊維23のように開繊された。
次に図1に示す第一熱処理工程6で熱処理した。熱処理温度は、140〜210℃、熱処理時間は10秒〜10分とした。この第一熱処理により、花糸11及び芯糸12a,12bの鞘部分のポリマーが融着され、ループ繊維の接触点は融着された。また芯の部分も融着された。
次にシリコーン樹脂散布工程7において、シリコーン樹脂を散布した。シリコーン樹脂としては、松本油脂製薬社製“TERON E 530”バルキーシリコン、“TERON E 731”、“TERON E 722”のソフトシリコンを3種混合水溶液として使用した。散布量は、乾燥重量で詰め綿に対し3.0wt%散布した。次に第二熱処理工程8において、140〜210℃で1〜10分間熱処理し、シリコーン樹脂をキュアリングした。次にカット工程9でカット長20〜30mmにカットした。
このようにして得られた詰め綿10は、図5に示すように開繊されたループ状繊維23同士が融着部24のように融着された部分を含み、芯部25も融着されていた。
詰め綿の嵩高性をJIS L 1903:1998(7.2:かさ高性)に記載される試験法に従って測定した。この試験法は、直径28cmの筒の中に詰め綿30gを入れ、次に荷重120gの中落とし蓋を載せ、中落とし蓋につないだ紐を徐々に延ばして中落とし蓋を下に落とし、落ち切った時点で2分間放置し、その後、中落とし蓋を引き上げて荷重を取り除いたときの詰め綿の高さを測定する方法である。前記得られた詰め綿の嵩高性を測定したところ150mmであった。風合いはやや硬かった。また、30cm角の側地に40gを充填した座布団の初期高さは93mm、5回家庭洗濯後の高さは74mmであった。洗濯後の座布団を観察したところ四隅まで詰め綿が均一に充填されていた。洗濯後は凹凸がなくふっくらとした感じであった。
(実施例2)
実施例1において、芯糸としてウンジンケミカル社製商品名“EZBON”(芯がPET、鞘がポリエステル共重合体からなる複合マルチフィラメント繊維、トータル繊度33 dtex,フィラメント数24本、ストレート糸)を2本と、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント繊維(トータル繊度78 dtex,フィラメント数48本、ストレート糸)を2本使用した以外は、実施例1と同様にして詰め綿を作成した。
得られた詰め綿を実施例1と同様に嵩高性を測定したところ90mmであった。また、30cm角の側地に40gを充填した座布団の初期高さは75mm、5回家庭洗濯後の高さは65mmであった。洗濯後の座布団を観察したところ四隅まで詰め綿が均一に充填されていた。洗濯後は凹凸がなくふっくらとした感じであった。
(比較例1)
花糸として、PETマルチフィラメント繊維(トータル繊度40 dtex,フィラメント数12本、ストレート糸)と、PETマルチフィラメント繊維(トータル繊度22 dtex,フィラメント数12本、ストレート糸)をウェストケージに回転又は糸振りさせて供給した。糸振りの場合は往復距離が約40mm、回転の場合はループの中央部で摘み上げたときの片側のループが約20mmとなるようにした。芯糸12aとして低融点熱接着繊維糸(低融点ナイロン、融点110〜113℃、東レ社製商品名“エルダー”,78 dtex,フィラメント数10本、ストレート糸)と、芯糸12bとしてPETマルチフィラメント繊維(トータル繊度78 dtex,フィラメント数48本、ストレート糸)をウェストケージに供給した。このとき、芯糸12a,12bにより、花糸11のループを挟み込むように供給した。ついで、花糸11と芯糸12a,12bをまとめて撚りを掛け、ループヤーン14を形成した。ループヤーン14は撚糸機20によって実撚りを掛けた。撚り数は250回/mであった。
このようにして得られたループヤーンはボビンから解舒し、熱処理工程で熱処理した。熱処理温度は、“エルダー”糸が融着する140℃、熱処理時間は5秒とした。この熱処理により、“エルダー”糸が融着され、ループ繊維は撚り止め(仮止め)された。次に、撚り止め(仮止め)されたループヤーンは、揉み工程で開繊処理した。揉み工程では、ゴム、織物、不織布、樹脂シート等を2枚擦り合わせることにより、間に入れたループヤーンは揉まれ、ループ繊維は開繊された。揉み工程で開繊処理されたループヤーンは、次にシリコーン樹脂散布工程において、シリコーン樹脂を散布した。シリコーン樹脂としては、松本油脂製薬社製“TERON E 530”バルキーシリコン、“TERON E 731”、“TERON E 722”のソフトシリコンを3種混合水溶液として使用した。散布量は、乾燥重量で詰め綿に対し3.0wt%散布した。
次に第二熱処理工程において、140℃で10分間熱処理し、シリコーン処理剤を詰め綿に熱固定した。次にカット工程7でカット長20〜30mmにカットした。このようにして得られた詰め綿は、開繊されたループ状繊維と芯糸が収縮かつ熱融着している芯部とから形成されていた。
得られた詰め綿を実施例1と同様に嵩高性を測定したところ75mmであった。また、30cm角の側地に40gを充填した座布団の初期高さは63mm、5回家庭洗濯後の高さは56mmであった。洗濯後の座布団を観察したところ四隅には詰め綿がなかった。洗濯後は実施例1〜2の座布団に比較して凹凸した感じであった。
以上から本発明の実施例品は、従来の詰め綿に比較して、嵩高性の向上と耐洗濯性の向上が確認できた。
1,11 花糸
2,12a,12b,22 芯糸
3,13 ウエストゲージ
4 撚糸工程
5 揉み・開繊工程
6 第一熱処理工程
7 シリコーン樹脂散布工程
8 第二熱処理工程
9 カット工程
10 詰め綿
14,21 ループヤーン
15 モーター
16 ベルト
17 ボビン
18 リング
19 トラベラー
20 撚糸機
23 ループ状繊維
24 融着部
25 芯部

Claims (7)

  1. 花糸を芯糸で一体化した詰め綿であって、
    前記花糸は融着繊維で構成され、開繊されてループ状繊維を形成し、前記ループ状繊維同士が融着されている部分を含み、
    前記芯糸は、融着繊維を含み、前記融着繊維が熱融着して前記ループ状繊維を一体化しており、
    前記花糸及び前記芯糸の融着繊維は、融点が異なる2以上のポリマーで構成される複合繊維であることを特徴とする詰め綿。
  2. 前記芯糸は、さらに非融着繊維を含む請求項1に記載の詰め綿。
  3. 前記芯糸の融着繊維と非融着繊維の割合は、前記芯糸を100重量%としたとき融着繊維が20重量%以上100重量%未満、非融着繊維が0重量%を超え〜80重量%以下である請求項2に記載の詰め綿。
  4. 前記ループ状繊維及び前記芯糸の融着繊維は、ポリエステルマルチフィラメント融着繊維である請求項1〜3のいずれか1項に記載の詰め綿。
  5. 前記融着繊維の融着温度が140〜210℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載の詰め綿。
  6. 花糸を芯糸で撚り、かつ一体化した詰め綿の製造方法であって、
    前記花糸をウエストゲージに回転又は糸振りさせて供給し、前記花糸の少なくとも一部を挟み込むように前記ウエストゲージに供給し、前記花糸と芯糸をまとめて撚りを掛け、ループヤーンを形成する工程と、
    前記花糸のループ状繊維を開繊する工程と、
    加熱して前記花糸の少なくとも一部のループ状繊維同士を融着し、かつ前記芯糸の融着繊維を熱融着させて前記ループ状繊維を一体化する工程を含み、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の詰め綿を製造することを特徴とする詰め綿の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の詰め綿を生地内に充填した詰め綿製品。
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