JP5625756B2 - 走査光学装置の製造方法および走査光学装置の製造時に使用する調整量演算装置 - Google Patents

走査光学装置の製造方法および走査光学装置の製造時に使用する調整量演算装置 Download PDF

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Description

本発明は、走査光学装置の製造方法および走査光学装置の製造時に使用する調整量演算装置に関する。
光源と、当該光源から出射した光を光束に変換するカップリングレンズと、カップリングレンズを通過した光束を主走査方向に偏向する偏向器と、偏向器から出射した光束を主走査方向および副走査方向に収束または屈折させて被走査面上に結像する走査レンズを備える走査光学装置が知られている。
走査光学装置は、光束を被走査面において微細な点に結像する必要があるため、各光学部品自体の精度が要求されるとともに、各光学部品を、良好な結像状態を実現するように正確に配置する必要がある。例えば、特許文献1においては、調整がおおよそ済んでいる光源ユニット(半導体レーザとカップリングレンズを有するユニット)を調整対象の光源ユニットを使用する光学ユニット(走査光学装置)に搭載して像面付近の結像状態を観察し、その結果に基づいて調整対象の光源ユニットの調整基準を算出し、当該調整対象の光源ユニットの半導体レーザとカップリングレンズとの間隔を調整している。
特開2005−189260号公報
しかしながら、従来技術においては個々の光学部品の検査で取得したデータを使用してはおらず、検査で合格品となった光学部品を組合せ、その組合せでの結像状態を観察(測定)して光源ユニットの調整を行っており、非効率的であった。
そこで、本発明は、光学部品の検査で取得したデータを利用することで、効率的な走査光学装置の組み立てを実現する、走査光学装置の製造方法および走査光学装置の製造時に使用する調整量演算装置を提供することを目的とする。
前記した目的を達成するため、本発明は、光源と、前記光源から出射した光を光束に変換するカップリングレンズと、前記カップリングレンズを通過した光束を主走査方向に偏向する偏向器と、前記偏向器から出射した光束を主走査方向および副走査方向に収束または屈折させて被走査面上に結像する1つの走査レンズと、これらの各光学部品を支持する筐体とを備える走査光学装置の製造方法であって、
前記走査レンズを検査して、当該走査レンズの主走査方向および副走査方向についての焦点深度端を取得する検査工程と、
前記検査工程で取得した焦点深度端から、
Zml=(MDF_l+C1)/Mm
Zmu=(MDF_u−C1)/Mm
Zsl=(SDF_l+C2)/Ms
Zsu=(SDF_u−C2)/Ms
但し、
Mm:主走査方向の縦倍率
Ms:副走査方向の縦倍率
C1,C2:正の定数
MDF_l:主走査方向の焦点深度端のうち小さい方の値
MDF_u:主走査方向の焦点深度端のうち大きい方の値
SDF_l:副走査方向の焦点深度端のうち小さい方の値
SDF_u:副走査方向の焦点深度端のうち大きい方の値
を算出する調整可能量演算工程と、
Zml<Zmu
Zsl<Zsu
max{Zml,Zsl}<min{Zmu,Zsu}
のすべてを満たす場合に、max{Zml,Zsl}〜min{Zmu,Zsu}の範囲で前記カップリングレンズの光軸方向の調整量Scpを決定する調整量決定工程と、
前記筐体に前記検査工程で検査した前記走査レンズを組み付けるとともに、前記調整量決定工程により決定された調整量Scpに従い、前記カップリングレンズの光軸方向の位置を決めて前記カップリングレンズを前記筐体に組み付ける組付工程とを有することを特徴とする。なお、縦倍率は正の値とし、縦倍率を負の値で代入する場合には、上記のZml,Zmu,Zsl,Zsuを算出する式の右辺には、−1を乗じる。
このように、検査工程において測定した、走査レンズの主走査方向の焦点深度端と、副走査方向の焦点深度端を利用して、調整可能量演算工程で、カップリングレンズの移動(調整)可能な量を計算し、さらに、調整量決定工程で、カップリングレンズの光軸方向の調整量Scpを算出するので、組付工程においては、この調整量Scpにしたがってカップリングレンズの位置を調整してカップリングレンズを筐体に組み付ければ、所望の光学性能を有する走査光学装置を得ることができる。すなわち、走査レンズの検査結果を利用して、効率的に走査光学装置を組み立てることができる。
また、走査レンズの焦点深度端の測定により、規定の焦点深度規格を満たさない走査レンズは、従来、規格外として破棄していたが、本発明によれば、カップリングレンズの光軸方向の位置調整をすることで、可能な範囲で利用することができるようになった。
また、本発明は、光源と、前記光源から出射した光を光束に変換するカップリングレンズと、前記カップリングレンズを通過した光束を主走査方向に偏向する偏向器と、前記偏向器から出射した光束を主走査方向および副走査方向に収束または屈折させて被走査面上に結像する1つの走査レンズと、これらの各光学部品を支持する筐体とを備える走査光学装置の製造時に、前記光源に対する前記カップリングレンズの光軸方向の位置の調整量Scpを算出する調整量演算装置として構成することができる。
この調整量演算装置は、前記走査レンズの性能を検査することで得られる、当該走査レンズの主走査方向および副走査方向についての焦点深度端を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された焦点深度端から、
Zml=(MDF_l+C1)/Mm
Zmu=(MDF_u−C1)/Mm
Zsl=(SDF_l+C2)/Ms
Zsu=(SDF_u−C2)/Ms
但し、
Mm:主走査方向の縦倍率
Ms:副走査方向の縦倍率
C1,C2:正の定数
MDF_l:主走査方向の焦点深度端のうち小さい方の値
MDF_u:主走査方向の焦点深度端のうち大きい方の値
SDF_l:副走査方向の焦点深度端のうち小さい方の値
SDF_u:副走査方向の焦点深度端のうち大きい方の値
を算出する調整可能量演算手段と、
Zml<Zmu
Zsl<Zsu
max{Zml,Zsl}<min{Zmu,Zsu}
のすべてを満たす場合に、max{Zml,Zsl}〜min{Zmu,Zsu}の範囲で前記カップリングレンズの光軸方向の調整量Scpを決定する調整量決定手段と、
前記調整量決定手段が決定した調整量Scpを出力する出力手段とを備える。
このような装置によれば、走査レンズの焦点深度端に基づいてカップリングレンズの調整量Scpを出力するので、組立工程において、この調整量Scpを取得して、効率的に走査光学装置の組立をすることができる。
本発明によれば、走査レンズの検査結果を利用して、効率的に走査光学装置を組み立てることができる。
一実施形態に係る走査光学装置の主走査断面図である。 主走査方向と副走査方向を説明する斜視図である。 走査光学装置の製造工程を説明するフローチャートである。 走査光学装置の製造工程を説明するフローチャートである。 スルーフォーカス曲線を説明する図である。 主走査方向のスルーフォーカス曲線の一例を示すグラフである。 副走査方向のスルーフォーカス曲線の一例を示すグラフである。 調整可能範囲と調整量Scpの関係を説明する図である。
次に、本発明の一実施形態の製造方法について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、一実施形態の製造方法で対象となる走査光学装置10は、光源ユニット14、開口絞り3、シリンドリカルレンズ4、偏向器の一例としてのポリゴンミラー5、走査レンズの一例としてのfθレンズ6を有し、これらにより、光源ユニット14から出射されたレーザ光を感光体ドラム9の被走査面9Aにスポット状に集光し、走査するように構成されている。これらの各光学部品は、筐体20に固定されている。
光源ユニット14は、光源の一例としての半導体レーザ1と、カップリングレンズの一例としてのコリメートレンズ2とを備えて構成されている。半導体レーザ1およびコリメートレンズ2は、光源支持体14Aに固定(支持)されている。
半導体レーザ1は、一または複数の発光素子を有し、複数の発光素子を有する場合には、副走査方向(主走査方向に直交する方向。図1では紙面奥行き方向。図2も参照。)に複数の発光素子が並んで配置されている(図示せず)。なお、副走査方向にずれて配置される複数の発光素子は、必要に応じ、主走査方向にも多少ずらして配置することができる。
コリメートレンズ2は、半導体レーザ1から出射したレーザ光を光束に変換するレンズである。この光束は、平行光、収束光および発散光のいずれでもよい。
開口絞り3は、コリメートレンズ2で作られた光束の径を規定する開口を有する部材である。
シリンドリカルレンズ4は、コリメートレンズ2および開口絞り3を通過した光束をポリゴンミラー5のミラー面5A上において、主走査方向に長手の線状に結像させるレンズである。
ポリゴンミラー5は、複数のミラー面5Aが、回転軸5Bから等距離に配置された部材であり、図1では、6つミラー面5Aを有するものを例示している。ポリゴンミラー5は、回転軸5Bを中心に一定速度で回転され、シリンドリカルレンズ4を通過した光束を主走査方向に偏向する。なお、この光束が偏向される方向が主走査方向である(図2も参照)。
fθレンズ6は、走査光学装置10に1つのみ設けられている。fθレンズ6は、ポリゴンミラー5で反射されることで偏向された光束を主走査方向および副走査方向に収束または屈折させることで被走査面9A上にスポット状に結像させ、かつ、ポリゴンミラー5のミラー面5Aの面倒れを補正している。fθレンズ6は、ポリゴンミラー5により等角速度で偏向された光束を、被走査面9A上に等速で走査するようなfθ特性を有している。fθレンズ6は、対向する一対の入射側(ポリゴンミラー5側)のレンズ面L1と出射側(被走査面9A側)のレンズ面L2を有している。これらのレンズ面L1,L2は、一例として主走査面内において非球面形状で、共にトーリック面である。そして、レンズ面L1,L2の副走査面(主走査方向に直交する断面)内の曲率は、有効部内において光軸A1の軸上から主走査方向の外側に向って連続的に変化している。
fθレンズ6は、上述のように、1つのみで主走査方向の高精度なfθ変換と副走査方向の面倒れ補正を行うため、上述した各光学部品の中で最も複雑な光束の変換を行うものである。そのため、被走査面9A上に正確に光束の焦点を合わせるには、光学部品の中でfθレンズ6の光学性能の精度(形状精度)が最も重要であり、筐体20に各光学部品を組み付ける際には、fθレンズ6の特性に応じて他の光学部品の位置調整を行うことが望ましい。本実施形態では、fθレンズ6の特性に応じて、半導体レーザ1に対するコリメートレンズ2の位置を調整することで、被走査面9A上での結像状態を調整する。
具体的に、図3、図4のフローチャートを参照しながら、本実施形態の走査光学装置の製造方法を説明する。
図3に示すように、本実施形態の製造方法では、fθレンズ6を検査して、主走査方向および副走査方向のそれぞれについての焦点深度端を取得する(ステップS1、検査工程)。この検査には、fθレンズ6以外の光学部品として、十分な精度を有するものを、正確な位置に組み付けたマスターの走査光学装置を用意し、このマスターの走査光学装置に検査対象とするfθレンズ6を組み付ける。そして、複数の像高位置で結像させた光束の断面形状(光強度分布)を測定して後述するスルーフォーカス曲線を取得する。
焦点深度端は、被走査面9Aから光軸A1の方向にずれた量(デフォーカス位置、といい、本実施形態では光源から遠い側を正の値とし、近い側を負の値とする)と光束の直径の関係を測定したとき、所望の光束の直径となるときの光源から遠い側のデフォーカス位置と光源に近い側のデフォーカス位置の2つの値である。光束の直径は、主走査方向の大きさと副走査方向の大きさを測定することで、主走査方向についての焦点深度端2つと、副走査方向についての焦点深度端2つが得られる。
具体的には、焦点深度端は、fθレンズ6のスルーフォーカス曲線を見ることでよく理解することができる。図5に示すように、各像高位置(図5では、−105mm,0mm,105mmの3点を例示。像高について図1も参照。)で、デフォーカス位置と光束径の関係をプロットすると、各像高位置での測定において、所定のデフォーカス位置で最も光束径が小さくなり、その最も光束径が小さくなるデフォーカス位置から離れる程、光束径が大きくなるようなU字形の曲線(「デフォーカス曲線」という。)が得られる。これらの複数のデフォーカス曲線のうち、最も大きな光束径を示すデフォーカス曲線を選択して繋いだ曲線がスルーフォーカス曲線である(図5の太線)。走査光学装置10において保証する像の大きさ(被走査面9A上で許す最大の光束径)を基準光束径と呼ぶとすると、スルーフォーカス曲線が基準光束径を取る2つのデフォーカス位置が2つの焦点深度端である。
ステップS1で測定する焦点深度端は、主走査方向と副走査方向の両方についてであるので、例えば、主走査方向については、図6の実線のようなスルーフォーカス曲線により、基準光束径Dm(例えば75μm)の光束径を取るデフォーカス位置として、大きい方の焦点深度端MDF_u(+8mm)と小さい方の焦点深度端MDF_l(−2mm)を得ることができる。また、副走査方向については、図7の実線のようなスルーフォーカス曲線により、基準光束径Ds(例えば95μm)の光束径を取るデフォーカス位置として、大きい方の焦点深度端SDF_u(+6.5mm)と小さい方の焦点深度端SDF_l(−5.4mm)を得ることができる。
このように決定された焦点深度端は、大きい方の値と小さい方の値の間のデフォーカス位置の範囲では、所望の(保証する)小ささの像を得ることができることを意味する値で、いわば、フォーカス位置のずれの許容範囲の端部を意味する。走査光学装置10を構成するすべての部品の誤差および組付誤差を考慮しても、フォーカスのずれ量(デフォーカス量)が大きい方と小さい方の焦点深度端の間にあるのであれば、他の光学部品とともに、fθレンズ6を設計通りの位置で(設計した称呼寸法から所定の公差範囲内で)筐体20に固定すれば、被走査面9Aにおいて所望の小ささの像を得ることができる。
そこで、ここでは一例として、走査光学装置10を構成するすべての部品の誤差および組付誤差を考慮して、fθレンズ6として必要とされる(光学部品を位置調整することなく筐体20に組み付けても、所望の小ささの像が得られる程度に許容される、の意味)デフォーカス量が、主走査方向および副走査方向について、例えば、共に−4mm〜+4mmであるとする。すなわち、主走査方向の必要とする焦点深度の半分の値C1が4(mm)であり、副走査方向の必要とする焦点深度の半分の値C2が4(mm)であるとする。
このようにC1,C2を設定したとき、
ステップS2において、
MDF_l<−C1(=−4)・・・(1)
MDF_u>C1(=4) ・・・(2)
SDF_l<−C2(=−4)・・・(3)
SDF_u>C2(=4) ・・・(4)
のすべてを満たすかどうかを判定する。
これらの不等式をすべて満たす場合(S2,Yes)、各光学部品の位置調整をしなくても、所望の小ささの像を得ることができるので、コリメートレンズ2の光軸方向の調整量Scpを0として、fθレンズ6を設計通りの位置で筐体20に組み付けるとともに、コリメートレンズ2を位置調整せずに設計通りの位置で光源支持体14Aに組み付け、光源ユニット14として筐体20に組み付ける(S3)。
一方、ステップS2で、不等式を1つでも満たさない場合(S2,No)、従来は、fθレンズ6を使用しないで破棄していたのであるが、本実施形態においては、ステップS4以降で、可能な限りコリメートレンズ2の調整量Scpを算出して、組立時にコリメートレンズ2の位置調整をすることで、そのfθレンズ6を使用するようにしている。
一例として、図6、図7のスルーフォーカス曲線においては、副走査方向の焦点深度端SDF_lが−4より小さく、SDF_mが4より大きいことで上記の(3)、(4)式を満たす。主走査方向の焦点深度端は、MDF_uは4より大きく(2)式を満たすが、MDF_lは−4より大きく、(1)式を満たさない。なお、図6、図7における破線は、コリメートレンズ2を移動させることにより、焦点位置を移動させた場合のスルーフォーカス曲線である。
ステップS4においては、次式により、まず、調整可能量Zml,Zmu,Zsl,Zsuを算出する(S4、調整可能量演算工程)。
Zml=(MDF_l+4)/Mm ・・・(5)
Zmu=(MDF_u−4)/Mm ・・・(6)
Zsl=(SDF_l+4)/Ms ・・・(7)
Zsu=(SDF_u−4)/Ms ・・・(8)
但し、
Mm:主走査方向の縦倍率
Ms:副走査方向の縦倍率
縦倍率は、コリメートレンズ2を光軸方向に動かしたときの、(焦点位置の移動量/コリメートレンズの移動量)に相当する値である。前記したように、縦倍率は本発明において正の値として前記式(5)〜(8)を定義しており、縦倍率を負の値で扱う場合には、(5)〜(8)式の右辺は−1を乗じた形式となる。調整可能量は、例えばZmlについて見れば、MDF_lと−4の差を主走査方向の縦倍率Mmで割ったものなので、光束の直径が基準光束径Dmとなる光束断面を−4mmの位置まで移動させると仮定したときの、コリメートレンズ2を移動させる量(方向付きの量)である。Zmu,Zsl,Zsuも同様である。
そして、図4に示すように、ステップS5において、これらの調整可能量Zml,Zmu,Zsl,Zsuの大きさの関係を比較して、コリメートレンズ2の位置調整により、所望の小ささの光束径が得られるかを判定する。具体的には、
Zml<Zmu ・・・(9)
Zsl<Zsu ・・・(10)
max{Zml,Zsl}<min{Zmu,Zsu} ・・・(11)
を満たすかを判定する。なお、max{a1,a2,a3,・・・}は、{a1,a2,a3,・・・}の集合のうち、最も大きい値を選択することを意味し、min{a1,a2,a3,・・・}は、{a1,a2,a3,・・・}の集合のうち、最も小さい値を選択することを意味する。上記の式において(9)式は、主走査方向の2つの焦点深度端の一方が−4mm〜4mm内にある場合に、その一方を−4mm〜4mm外に移動させることで他方が−4mm〜4mm内に入ることがないか確認するもので、(10)式は、副走査方向の2つの焦点深度端の一方が−4mm〜4mm内にある場合に、その一方を−4mm〜4mm外に移動させることで他方が−4mm〜4mm内に入ることがないかを確認するものである。また(11)式は、主走査方向の焦点深度端と副走査方向の焦点深度端の互いの関係において同様の確認をするもので、4つの焦点深度端のうち1つの焦点深度端を−4mm〜4mmの範囲外に移動させることで、他の焦点深度端が−4mm〜4mmの範囲内に入ることがないかを確認するものである。
これを、図8を参照して説明すると、調整量Scpとして、一つの値を選択するのであるが、主走査方向についてなら調整できる範囲(取り得るScpの値)と、副走査方向についてなら調整できる範囲(取り得るScpの値)に重なりがあれば、調整量Scpが設定できるということである。図8では、この重なりの範囲をRSで示している。
(9)〜(11)式のうち、一つでも満たさない場合(S5,No)、コリメートレンズ2の位置を調整しても、すべての像高においては光束径を所定の大きさより小さくできないので(S10)、そのfθレンズ6を組立に使用するのを断念する。
(9)〜(11)式のすべてを満たす場合(S5,Yes)、コリメートレンズ2の調整量Scpを下記式(12)により算出する(S6、調整量決定工程)。
Scp=(max{Zml,Zsl}+min{Zmu,Zsu})/2・・・(12)
すなわち、取り得る調整量Scpの値の範囲(図8のRSの範囲)のうち、中央の値を選択するということである。このようにして、取り得る調整量Scpの値の範囲のうち、中央値を用いることで、光束が所望の径より大きくならないよう、できるだけ大きなマージンをとることができる。
調整量Scpを決定したら、fθレンズ6を設計通りの位置で筐体20に組み付ける(S7、組付工程)。そして、光源支持体14Aに半導体レーザ1およびコリメートレンズ2を組み付けて光源ユニット14を作成する。この際、調整量Scpに従い半導体レーザ1に対するコリメートレンズ2の光軸方向の位置を調整する(S8、組付工程)。さらに、作成した光源ユニット14とその他の光学部品を、筐体20に、設計通りの位置で組み付ける(S9、組付工程)。
以上のようにして、本実施形態の走査光学装置10の製造方法によれば、fθレンズ6の焦点深度端の測定結果を利用して、コリメートレンズ2の位置調整をするべきか否か、また、調整するとしたら、その調整量Scpはいくつにするべきかを算出し、この調整量Scpに基づいてコリメートレンズ2の位置調整をすることで、被走査面9Aにおいて所望の光束径の像を得ることができる。そして、コリメートレンズ2の位置の調整可能範囲を考慮して調整が不可能な場合にのみ、そのfθレンズ6を使用しないので、従来であれば、性能が不十分であるとして使用しなかったfθレンズ6をも組立に使用して、歩留まりを向上させることができる。以上のように、本実施形態の走査光学装置10の製造方法によれば、効率的に走査光学装置10を製造することができる。
なお、本発明は、調整量Scpの演算装置として構成することができる。すなわち、CPU、ROM、RAMなどを有する演算装置に、焦点深度端の情報を入力し、ステップS2,S4〜S6までの処理を行わせて、調整量Scpを出力する構成とすることができる。具体的には、コンピュータに、前記走査レンズの性能を検査することで得られる、当該走査レンズの主走査方向および副走査方向についての焦点深度端を取得する取得手段、取得手段で取得された焦点深度端から、式(5)〜(8)を算出する調整可能量演算手段、式(9)〜(11)の不等式を判断して、これらのすべてを満たす場合に、式(12)によりコリメートレンズ2の光軸方向の調整量Scpを決定する調整量決定手段、調整量決定手段が決定した調整量Scpを出力する出力手段を設ければよい。
取得手段における焦点深度端の取得は、fθレンズ6の検査装置から電気信号により入力させてもよいし、キーボードから人が入力してもよい。また、出力手段は、画面上に調整量Scpを出力して、工程の作業者が、この調整量Scpを確認してもよいし、コリメートレンズ2の組付装置に、調整量Scpを電気信号(データ)として出力してもよい。
以上に本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、適宜変形して実施することができる。例えば、前記実施形態においては、半導体レーザ1とコリメートレンズ2を、光源支持体14Aに共に支持させて光源ユニット14を組み立て、光源ユニット14を筐体20に組み付けることで、コリメートレンズ2を筐体20に組み付けたが、光源ユニット14を作成することなく、コリメートレンズ2を直接筐体20に組み付けてもよい。
また、調整量決定工程または調整量決定手段は、式(12)により、取り得る調整量Scpの値の範囲の中央値を選択していたが、中央値に限らず、max{Zml,Zsl}〜min{Zmu,Zsu}の範囲で自由に調整量Scpを決定することができる。
さらに、組付工程においては、一例として、先にfθレンズ6を筐体20に組み付けて、その後、コリメートレンズ2を組み付けたが、fθレンズ6と、コリメートレンズ2の組付順序は、どちらが先であってもよく、fθレンズより先にコリメートレンズ2を筐体20に組み付けても構わない。
また、偏向器の一例として、ポリゴンミラー5を例示したが、偏向器としてガルバノミラーを採用することもできる。
1 半導体レーザ
2 コリメートレンズ
4 シリンドリカルレンズ
5 ポリゴンミラー
6 fθレンズ
9 感光体ドラム
9A 被走査面
10 走査光学装置
14 光源ユニット
14A 光源支持体
20 筐体

Claims (6)

  1. 光源と、前記光源から出射した光を光束に変換するカップリングレンズと、前記カップリングレンズを通過した光束を主走査方向に偏向する偏向器と、前記偏向器から出射した光束を主走査方向および副走査方向に収束または屈折させて被走査面上に結像する1つの走査レンズと、これらの各光学部品を支持する筐体とを備える走査光学装置の製造方法であって、
    前記走査レンズを検査して、当該走査レンズの主走査方向および副走査方向についての焦点深度端を取得する検査工程と、
    前記検査工程で取得した焦点深度端から、
    Zml=(MDF_l+C1)/Mm
    Zmu=(MDF_u−C1)/Mm
    Zsl=(SDF_l+C2)/Ms
    Zsu=(SDF_u−C2)/Ms
    但し、
    Mm:主走査方向の縦倍率
    Ms:副走査方向の縦倍率
    C1,C2:正の定数
    MDF_l:主走査方向の焦点深度端のうち小さい方の値
    MDF_u:主走査方向の焦点深度端のうち大きい方の値
    SDF_l:副走査方向の焦点深度端のうち小さい方の値
    SDF_u:副走査方向の焦点深度端のうち大きい方の値
    を算出する調整可能量演算工程と、
    Zml<Zmu
    Zsl<Zsu
    max{Zml,Zsl}<min{Zmu,Zsu}
    のすべてを満たす場合に、max{Zml,Zsl}〜min{Zmu,Zsu}の範囲で前記カップリングレンズの光軸方向の調整量Scpを決定する調整量決定工程と、
    前記筐体に前記検査工程で検査した前記走査レンズを組み付けるとともに、前記調整量決定工程により決定された調整量Scpに従い、前記カップリングレンズの光軸方向の位置を決めて前記カップリングレンズを前記筐体に組み付ける組付工程とを有することを特徴とする走査光学装置の製造方法。
  2. 前記調整量決定工程は、
    Scp=(max{Zml,Zsl}+min{Zmu,Zsu})/2
    により調整量Scpを決定することを特徴とする請求項1に記載の走査光学装置の製造方法。
  3. 前記検査工程により得られた主走査方向および副走査方向の焦点深度端が、
    MDF_l<−C1
    MDF_u>C1
    SDF_l<−C2
    SDF_u>C2
    のすべてを満たす場合には、前記調整可能量演算工程および前記調整量決定工程を行わずに、調整量Scpを0とし、前記組付工程において、設計通りの位置で前記カップリングレンズを前記筐体に組み付けることを特徴とする請求項1に記載の走査光学装置の製造方法。
  4. 前記組付工程において、光源支持体に前記光源と前記カップリングレンズを共に支持させて光源ユニットを組み立て、当該光源ユニットを前記筐体に組み付けることで、前記カップリングレンズを前記筐体に組み付けることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の走査光学装置の製造方法。
  5. 光源と、前記光源から出射した光を光束に変換するカップリングレンズと、前記カップリングレンズを通過した光束を主走査方向に偏向する偏向器と、前記偏向器から出射した光束を主走査方向および副走査方向に収束または屈折させて被走査面上に結像する1つの走査レンズと、これらの各光学部品を支持する筐体とを備える走査光学装置の製造時に、前記光源に対する前記カップリングレンズの光軸方向の位置の調整量Scpを算出する調整量演算装置であって、
    前記走査レンズの性能を検査することで得られる、当該走査レンズの主走査方向および副走査方向についての焦点深度端を取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得された焦点深度端から、
    Zml=(MDF_l+C1)/Mm
    Zmu=(MDF_u−C1)/Mm
    Zsl=(SDF_l+C2)/Ms
    Zsu=(SDF_u−C2)/Ms
    但し、
    Mm:主走査方向の縦倍率
    Ms:副走査方向の縦倍率
    C1,C2:正の定数
    MDF_l:主走査方向の焦点深度端のうち小さい方の値
    MDF_u:主走査方向の焦点深度端のうち大きい方の値
    SDF_l:副走査方向の焦点深度端のうち小さい方の値
    SDF_u:副走査方向の焦点深度端のうち大きい方の値
    を算出する調整可能量演算手段と、
    Zml<Zmu
    Zsl<Zsu
    max{Zml,Zsl}<min{Zmu,Zsu}
    のすべてを満たす場合に、max{Zml,Zsl}〜min{Zmu,Zsu}の範囲で前記カップリングレンズの光軸方向の調整量Scpを決定する調整量決定手段と、
    前記調整量決定手段が決定した調整量Scpを出力する出力手段とを備えることを特徴とする調整量演算装置。
  6. 前記調整量決定手段は、
    Scp=(max{Zml,Zsl}+min{Zmu,Zsu})/2
    により調整量Scpを決定することを特徴とする請求項5に記載の調整量演算装置。
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