以下、本発明の一実施形態を図1〜図20に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、トナー検出器2245及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えば、パソコン)及び公衆回線を介した情報機器(例えば、ファクシミリ装置)との双方向の通信を制御する。そして、通信制御装置2080は、受信した情報をプリンタ制御装置2090に通知する。
プリンタ制御装置2090は、上位装置及び情報機器からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置及び情報機器からの画像情報を光走査装置2010に送る。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
感光体ドラム2030aの表面近傍には、感光体ドラム2030aの回転方向に沿って、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、クリーニングユニット2031aが配置されている。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030bの表面近傍には、感光体ドラム2030bの回転方向に沿って、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、クリーニングユニット2031bが配置されている。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030cの表面近傍には、感光体ドラム2030cの回転方向に沿って、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、クリーニングユニット2031cが配置されている。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030dの表面近傍には、感光体ドラム2030dの回転方向に沿って、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、クリーニングユニット2031dが配置されている。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。ところで、転写ベルト2040上でトナー画像の移動する方向は「副方向」と呼ばれ、該副方向に直交する方向(ここでは、Y軸方向)は「主方向」と呼ばれている。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
トナー検出器2245は、転写ベルト2040の+Z側であって、転写ベルト2040の+X側端部近傍に配置されている。このトナー検出器2245については後述する。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8つの折返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2〜図4では図示省略、図5参照)の所定位置に組み付けられている。
また、カップリングレンズ2201a及びカップリングレンズ2201bの光軸に沿った方向を「w1方向」、カップリングレンズ2201c及びカップリングレンズ2201dの光軸に沿った方向を「w2方向」とする。さらに、Z軸方向及びw1方向のいずれにも直交する方向を「m1方向」、Z軸方向及びw2方向のいずれにも直交する方向を「m2方向」とする。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
ここでは、光源2200a及び光源2200bにおける主走査対応方向は、m1方向であり、光源2200c及び光源2200dにおける主走査対応方向は、「m2方向」である。そして、光源2200a及び光源2200bにおける副走査対応方向、光源2200c及び光源2200dにおける副走査対応方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、光源2200aは光源2200bの−Z側に配置されている。また、光源2200dは光源2200cの−Z側に配置されている。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目の4面鏡及び2段目の4面鏡は、互いに位相が45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
各fθレンズはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
fθレンズ2105a及びfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、fθレンズ2105c及びfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
そして、fθレンズ2105aとfθレンズ2105bはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。また、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dはZ軸方向に積層され、fθレンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、折返しミラー2106a、トロイダルレンズ2107a、及び折返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、fθレンズ2105b、折り返しミラー2106b、トロイダルレンズ2107b、及び折返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、fθレンズ2105c、折り返しミラー2106c、トロイダルレンズ2107c、及び折返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、トロイダルレンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」、「画像形成領域」、あるいは「有効画像領域」などと呼ばれている。
なお、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラムにおける光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
また、シリンドリカルレンズとそれに対応するトロイダルレンズとにより、偏向点とそれに対応する感光体ドラム表面とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系が構成されている。
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー(2106a、2108a)とからKステーションの走査光学系が構成されている。また、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー(2106d、2108d)とからYステーションの走査光学系が構成されている。
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射する。
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射する。
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
走査制御装置は、各光検知センサの出力信号に基づいて対応する感光体ドラムでの走査開始タイミングを検出する。
次に、前記トナー検出器2245について説明する。
このトナー検出器2245は、一例として図6に示されるように、3つの反射型光学センサ(2245a、2245b、2245c)を有している。
そして、一例として図7に示されるように、反射型光学センサ2245aは、転写ベルト2040における+Y側の端部近傍に配置され、反射型光学センサ2245cは、転写ベルト2040における−Y側の端部近傍に配置されている。反射型光学センサ2245cは、主方向に関して、反射型光学センサ2245aと反射型光学センサ2245cの中間位置に配置されている。
ここでは、主方向(Y軸方向)に関して、反射型光学センサ2245aの中心位置をY1、反射型光学センサ2245bの中心位置をY2、反射型光学センサ2245cの中心位置をY3とする。
そして、テストパターンとしてのトナーパターンは、各反射型光学センサに対応する位置に形成される。
3つの反射型光学センサ(2245a、2245b、2245c)は、いずれも同じ構成、同じ構造を有している。そこで、以下では、反射型光学センサ2245aを代表として、反射型光学センサの構成及び構造について説明する。
反射型光学センサ2245aは、一例として図8〜図11に示されるように、12個の発光部(E1〜E12)を含む照射系、12個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE12)を含む照明光学系、12個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD12)を含む受光光学系、12個の受光部(D1〜D12)を含む受光系、及び不図示の処理装置などを備えている。
ここでは、図8におけるL3は1.5mm、L4は5mmである。
12個の発光部(E1〜E12)は、主方向に沿って等しい間隔Leで配置されている。各発光部の形状は、1辺が40μmの正方形状である。各発光部には、LED(Light Emitting Diode)を用いることができる。ここでは、一例として、Le=0.4mmとしている。この場合は、主方向に関して、E1とE12との間の距離は4.4mm(Le×11)である。なお、以下では、便宜上、点灯された発光部を「点灯発光部」と略述する。
12個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE12)は、それぞれ12個の発光部(E1〜E12)に個別に対応している。
各照明用マイクロレンズは、対応する発光部から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。各照明用マイクロレンズでは、レンズ径、レンズの曲率半径、及びレンズ厚は同一である。また、各照明用マイクロレンズの光軸は、対応する発光部の発光面に直交する方向に平行である。
ここでは、説明をわかりやすくするため、各発光部から射出され対応する照明用マイクロレンズを通過した光束のみが、検出用光(S1〜S12)として転写ベルト2040を照射するものとする(図12参照)。そして、各検出用光によって転写ベルト2040の表面に形成される光スポット(以下では、便宜上「検出用光スポット」と略述する)の中心は、副方向に関して、対応する発光部と受光部の中間付近にある。
各検出用光スポットの大きさは、一例として、直径で0.4mmである。この値は、上記12個の発光部の配列ピッチLeと等しい。なお、従来の検出用光スポットの大きさは、通常、直径で2〜3mm程度であった。
また、ここでは、転写ベルト2040の表面は滑らかであり、転写ベルト2040の表面に照射された検出用光のほとんどは正反射される。
12個の受光部(D1〜D12)は、それぞれ発光部(E1〜E12)に個別に対応している。各受光部の形状は、直径が300μmの円形状である。
各受光部は、対応する発光部から射出され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。そして、12個の受光部の配列ピッチは、12個の発光部の配列ピッチLeと等しい。
各受光部には、PD(フォトダイオード)を用いることができる。そして、各受光部は、受光量に応じた信号を出力する。
12個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD12)は、それぞれ12個の受光部(D1〜D12)に個別し、転写ベルト2040あるいはトナーパターンによって反射された検出用光を集光する。この場合には、各受光部の受光量を増加させることが可能となる。すなわち、検出感度を向上させることができる。各受光用マイクロレンズでは、レンズ径、レンズの曲率半径、及びレンズ厚は同一である。
各マイクロレンズには、主方向及び副方向に関して集光機能を有する球面レンズや、副方向に関して正のパワーを持つシリンドリカルレンズ、主方向に関するパワーと副方向に関するパワーとが互いに異なるアナモフィックレンズなどを用いることができる。
ここでは、一例として、各マイクロレンズは球面レンズである。そして、各照明用マイクロレンズでは、入射側の光学面は集光パワーを有し、射出側の光学面は集光パワーを有していない。また、各受光用マイクロレンズでは、射出側の光学面は集光パワーを有し、入射側の光学面は集光パワーを有していない。
12個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE12)と12個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD12)は、一体化され、マイクロレンズアレイとなっている。これにより、各マイクロレンズを反射型光学センサに組み付ける際の作業性を向上させることができる。また、複数のマイクロレンズにおけるレンズ面間の位置精度を高めることができる。なお、各レンズ面は、フォトリソグラフィやモールド成形などの加工法を用いてガラス基板や樹脂基板上に形成することができる。
なお、以下では、発光部を特定する必要がない場合には、発光部Eiと表示する。そして、発光部Eiに対応する照明用マイクロレンズを照明用マイクロレンズLEiと表示する。また、発光部Eiから射出され照明用マイクロレンズLEiを通過した光束を、検出用光Siと表示する。また、発光部Eiに対応する受光部を受光部Diと表示する。さらに、受光部Diに対応する受光用マイクロレンズを受光用マイクロレンズLDiと表示する。
次に、上記テストパターンとしてのトナーパターンについて説明する。
ここでは、一例として図13に示されるように、転写ベルト2040における+Y側の端部近傍に形成されるトナーパターンをPattA、転写ベルト2040における主方向(Y軸方向)の中央部に形成されるトナーパターンをPattB、転写ベルト2040における−Y側の端部近傍に形成されるトナーパターンをPattCとする。
各トナーパターンは、濃度検出用パターンであり、一例として図14に示されるように、いずれも4種類のパターン(DP1、DP2、DP3、DP4)を有している。
濃度検出用パターンDP1はイエロートナーで形成され、濃度検出用パターンDP2はマゼンタトナーで形成される。また、濃度検出用パターンDP3はシアントナーで形成され、濃度検出用パターンDP4はブラックトナーで形成される。
ここでは、濃度検出用パターンDP1の−Y側に濃度検出用パターンDP2が配置され、濃度検出用パターンDP2の−Y側に濃度検出用パターンDP3が配置され、濃度検出用パターンDP3の−Y側に濃度検出用パターンDP4が配置されている。なお、以下では、濃度検出用パターンDP1〜DP4を区別する必要がない場合には、総称して「濃度検出用パターンDP」ともいう。
各濃度検出用パターンは、一例として図15に示されるように、4個の四角形状のパターン(p1〜p4、以下では、便宜上「矩形パターン」という)を有している。各矩形パターンは、副方向に沿って1列に並んでおり、それぞれ全体としてみたときにトナー濃度の階調が異なっている。ここでは、トナー濃度の低い矩形パターンから、p1、p2、p3、p4とする。すなわち、矩形パターンp1のトナー濃度が最も低く、矩形パターンp4のトナー濃度が最も高い。
各矩形パターンは、同じ形状であり、Y軸方向の長さL1は450μmである。すなわち、L1は、間隔Leよりも大きくなるように設定されている。また、Y軸方向に関して、互いに隣接する2つの矩形パターンの中心間距離L2は800μmである。
この場合は、主方向に関して、発光部E1と発光部E12との間の距離は4.4mm(Le×11)であり、4つの矩形パターンが含まれる領域の長さである2.85mm(L2×3+L1)よりも長い。これにより、矩形パターンに検出用光が照射されないことを防止できる。なお、主方向に関して、複数の発光部が含まれる領域の長さを、転写ベルトの主方向の位置ずれや、矩形パターンが形成されたときの主方向の位置ずれのマージンも考慮した分だけ、主方向に並んだ複数の矩形パターンが含まれる領域の長さより長くしても良い。これにより、反射型光学センサの主方向の大きさを過不足なく設定することができる。
従来は、各矩形パターンは副方向に沿って1列に並んでおり、その大きさも主方向で10mm程度、副方向で15mm程度であった。そこで、本実施形態では、トナーパターンの全体の大きさを従来よりも小さくすることができる。これにより、現像及び転写に関係する部材の特性が変化したときの、矩形パターンへの影響(特に副方向での濃度むら)を小さくすることが可能となる。
トナー濃度の階調は、光源から射出される光束のパワーの調整、光源に供給される駆動パルスにおけるデューティの調整、帯電バイアス及び現像バイアスの調整によって変えることができる。また、網点の面積率を変えることによっても、トナー濃度の階調を変化させることができる。
ところで、転写ベルト2040の表面は滑らかであり、転写ベルト2040の表面に照射された検出用光のほとんどは正反射される(図16参照)が、矩形パターンの表面に照射された検出用光は、正反射及び拡散反射される(図17参照)。なお、以下では、便宜上、正反射した光を「正反射光」、拡散反射した光を「拡散反射光」ともいう。
次に、トナー検出器2245を用いて行われる濃度検出処理について説明する。この濃度検出処理は、所定のタイミング毎に、及び操作者の要求によって行われる。
例えば、(1)電源投入直後、(2)感光体ドラムの停止時間が6時間以上のとき、(3)装置内の温度が10℃以上変化しているとき、及び(4)装置内の相対湿度が50%以上変化しているときなど、使用環境が変化しているときに、濃度検出処理が実行される。
また、印刷時は、(A)プリント枚数が所定の枚数に達したとき、(B)現像ローラの回転回数が所定の回数に達したとき、(C)転写ベルトの走行距離が所定の距離に達したときなど、現像及び転写に関係する部材の特性が変化したと予想されるときに、濃度検出処理が実行される。
本実施形態では、濃度検出処理は、プリンタ制御装置2090によって行われる。以下、プリンタ制御装置2090によって行われる濃度検出処理について説明する。
1.先ず、プリンタ制御装置2090は、走査制御装置に対して濃度検出用パターンの形成を指示する。
そして、走査制御装置は、感光体ドラム2030dにおける位置Y1、位置Y2及び位置Y3に、濃度検出用パターンDP1が形成されるようにYステーションを制御する。
また、走査制御装置は、感光体ドラム2030cにおける位置Y1、位置Y2及び位置Y3に、濃度検出用パターンDP2が形成されるようにMステーションを制御する。
また、走査制御装置は、感光体ドラム2030bにおける位置Y1、位置Y2及び位置Y3に、濃度検出用パターンDP3が形成されるようにCステーションを制御する。
さらに、走査制御装置は、感光体ドラム2030aにおける位置Y1、位置Y2及び位置Y3に、濃度検出用パターンDP4が形成されるようにKステーションを制御する。
そして、各ステーションによって形成された濃度検出用パターンは、それぞれ所定のタイミングで転写ベルト2040に転写される。
これによって、転写ベルト2040における位置Y1にPattAが形成され、位置Y2にPattBが形成され、位置Y3にPattCが形成されることとなる。
2.次に、プリンタ制御装置2090は、転写ベルト2040に検出用光を照射して「基準受光量」を取得する。この基準受光量を取得する処理(以下では、「基準受光量取得処理」という)について、図18のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートは、プリンタ制御装置2090によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。なお、この基準受光量取得処理は、最初の矩形パターンが反射型光学センサの前方に搬送される前に行われる。
最初のステップS401では、発光部を特定するための変数iに初期値1をセットする。
次のステップS403では、発光部Eiを点灯させる。
次のステップS405では、各受光部の出力信号を取得する。
次のステップS407では、受光部毎に、取得した出力信号から受光量を求めて「基準受光量」とし、発光部Eiと関連付けて不図示のメモリに保存する。
次のステップS409では、発光部Eiを消灯させる。
次のステップS411では、変数iの値を+1する。
次のステップS413では、変数iの値が発光部の数(本実施形態では、11)を超えているか否かを判断する。ここでは、i=1なので、ここでの判断は否定され、上記ステップS403に戻る。
以降、ステップS413での判断が肯定されるまで、ステップS403〜ステップS413の処理を繰り返し行う。
そして、変数iの値が発光部の数を超えると、ステップS413での判断が肯定され、基準受光量を求める処理を終了する。
3.次に、プリンタ制御装置2090は、各矩形パターンに検出用光を照射して「検出受光量」を取得する。この検出受光量を取得する処理(以下では、「検出受光量取得処理」という)について、図19のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートは、プリンタ制御装置2090によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。なお、反射型光学センサとトナーパターンの位置関係の一例が図20に示されている。
最初のステップS501では、点灯・消灯が一巡する間に受光部の受光量を保存した回数を示すカウンタk、一つ前の一巡で受光部の受光量を保存した回数を示す変数j、及び検出した副方向の矩形パターン数を示すカウンタcに初期値「0」をセットする。
次のステップS503では、発光部を特定するための変数iに初期値1をセットする。
次のステップS505では、発光部Eiを点灯させる。
次のステップS507では、各受光部の出力信号を取得する。
次のステップS509では、受光部Diの出力信号を参照し、その信号レベルが予め設定されている閾値レベル以下であるか否かを判断する。なお、閾値レベルは、検出用光Siが転写ベルト2040を照明したときにその正反射光を受光した受光部Diから出力される信号レベルよりも若干低いレベルである。このとき、受光部Diの信号レベルが閾値レベル以下でなければ、ここでの判断は否定され、ステップS515に移行する。一方、受光部Diの信号レベルが閾値レベル以下であれば、ここでの判断は肯定され、ステップS511に移行する。
このステップS511では、上記ステップS507で取得した各受光部の出力を保存する。
次のステップS513では、カウンタkの値を+1する。
次のステップS515では、発光部Eiを消灯させる。
次のステップS517では、変数iの値を+1する。
次のステップS519では、変数iの値が発光部の数(本実施形態では、11)を超えているか否かを判断する。ここでは、i=1なので、ここでの判断は否定され、上記ステップS505に戻る。
そして、変数iの値が発光部の数を超えると、発光が一巡したとして、ステップS519での判断が肯定され、ステップS521に移行する
このステップS521では、変数j、カウンタkの値を参照し、j=0かつk>jであるか否かを判断する。j=0かつk>jでなければ、主方向に並ぶ矩形パターンの一群をまだ抜けていないとして、ここでの判断は否定され、ステップS525に移行する。一方、j=0かつk>jであれば、主方向に並ぶ矩形パターンの一群を抜けたとして、ここでの判断は肯定され、ステップS523に移行する。
このステップS523では、カウンタcの値を+1する。
次のステップS525では、カウンタkの値を変数jに代入する。
次のステップS527では、カウンタkに「0」をセットする。
次のステップS529では、変数j、カウンタk、カウンタcの値を参照し、j=0、かつ、k=0、かつ、cが副方向の矩形パターン数より大きいか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、未検出の矩形パターンが残っているとして、ステップS503へ戻る。一方、ここでの判断が肯定されると、全ての矩形パターンの検出が完了したとして、検出受光量取得処理を終了する。
以上により取得した受光量情報を矩形パターン毎の情報に分別し、各々平均を取り、これらから矩形パターン毎のトナー濃度が算出できる。矩形パターン毎の情報の分別は、予め決められている矩形パターンの配置情報と、取得した受光量の分布情報から、容易に可能である。また、矩形パターン毎の情報に分別した後、異常値と思われる値を除く処理を加えても良い。これにより、検出精度を更に向上させることができる。
4.次に、プリンタ制御装置2090は、基準受光量を参照し、トナーの色毎に、矩形パターン毎に、各受光部の検出受光量を拡散反射光による受光量と正反射光による受光量とに分離する。
5.次に、プリンタ制御装置2090は、トナーの色毎に、矩形パターン毎に、正反射光による受光量の合計値、及び拡散反射光による受光量の合計値を求める。
6.次に、プリンタ制御装置2090は、トナーの色毎に、矩形パターン毎に、正反射光による受光量の合計値、及び拡散反射光による受光量の合計値の少なくとも一方に基づいて、トナー濃度を求める。
7.最後に、プリンタ制御装置2090は、得られたトナー濃度に基づいて、画像形成条件の補正を行う。
例えば、トナー濃度のずれ量に応じて、対応する画像形成ステーションにおいて、光源から射出される光束のパワー、光源に供給される駆動パルスにおけるデューティ、帯電バイアス、現像バイアス(例えば、特許文献1参照)、及び画像データ(ディザパターン)の少なくともいずれかを調整する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るカラープリンタ2000では、反射型光学センサ2245a、反射型光学センサ2245b及び反射型光学センサ2245cによって、本発明の画像形成装置における反射型光学センサが構成されている。
また、プリンタ制御装置2090によって、本発明の画像形成装置における処理装置、調整装置、及び監視装置が構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)と、各感光体ドラムに対して画像情報に応じて変調された光束を主走査方向に走査し、潜像を形成する光走査装置と、潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)と、トナー画像を転写ベルト2040に転写する転写ローラ2042と、転写ベルト2040に転写されたトナーパターンの濃度を検出するためのトナー検出器2245と、全体を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
トナー検出器2245は、3つの反射型光学センサ(2245a、2245b、2245c)を有している。
そして、各反射型光学センサは、主方向に沿って等間隔(Le)で配置された12個の発光部(E1〜E12)を含む照射系、12個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE12)を含む照明光学系、12個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD12)を含む受光光学系、及び12個の受光部(D1〜D12)を含む受光系などを備えている。
また、テストパターンとして、3つの反射型光学センサに対応する3つのトナーパターン(PattA、PattB、PattC)が形成され、各トナーパターンは、トナーの色毎に、互いにトナー濃度の異なる4個の矩形パターンが4列、すなわち、4×4のマトリックス状に配列された濃度検出用パターンを有している。そして、主方向に関して、各矩形パターンの長さL1は450μmであり、隣接する2つの発光部の間隔Leよりも大きくなるように設定されている。また、主方向に関して、互いに隣接する2つの矩形パターンの中心間距離L2は800μmである。
そして、主方向に関して、トナーパターンは、両端の2つの発光部(E1とE12)間に位置している。
この場合には、主方向に隣接する4つの矩形パターンに検出用光をほぼ同時に照射することができる。また、各発光部の受光量を正反射光による受光量と拡散反射光による受光量とに分離することが容易である。このことから、1つの反射型光学センサで、主方向に隣接する4つの矩形パターンのトナー濃度をほぼ同時に検出することができる。
また、発光部が微小であるため、検出用光のスポットを小さくすることができ、その結果として、矩形パターンの大きさを小さくすることができる。このことは、画像形成に使用されない不寄与トナーの消費量を低減できるメリットもある。
さらに、発光部と受光部とが近接しているため、照射対象物への検出用光の入射角及び反射角を小さくすることができる。その結果、転写ベルトがトナーの影になってしまうファドーファクターや、転写ベルトのばたつき(反射型光学センサと転写ベルトの距離の変動)による検出誤差を低減することができる。
また、濃度検出用パターンは、トナーの色毎に、互いにトナー濃度の異なる4個の矩形パターンが4列に配列されているため、副方向に関するトナーパターンの長さを従来の約1/4とすることができる。これにより、副方向での濃度むらの影響を小さくすることができる。
この場合は、大型化を招くことなく、トナー濃度をほぼリアルタイムで所望のトナー濃度にすることができ、その結果として、環境変化があっても、常に安定した画像濃度を得ることができる。すなわち、大型化及び作業性を低下させることなく、高い画像品質を維持することが可能である。
なお、上記実施形態では、検出受光量取得処理において、発光部E1〜発光部E12を順次、繰り返し点灯・消灯させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、各濃度検出用パターンに対応する発光部のみを順次、繰り返し点灯・消灯させても良い。具体的には、濃度検出用パターンDP1に対応する発光部E4と、濃度検出用パターンDP2に対応する発光部E6と、濃度検出用パターンDP3に対応する発光部E8と、濃度検出用パターンDP4に対応する発光部E10を、順次、繰り返し点灯・消灯させても良い。この場合は、繰り返しの周波数を上げることができる。また、消費電力の低減を図ることができる。
なお、上記実施形態では、各濃度検出用パターンが、副方向からみたときに4列となるように配列される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図21に示されるように、各濃度検出用パターンが、主方向からみたときに4列となるように配列されても良い。
また、矩形パターンの配列の順序についても、上記実施形態の配列に限定されるものではない(図22参照)。
また、上記実施形態において、一例として図23に示されるように、各矩形パターンが、2つの発光部に対応するように形成されても良い。また、一例として図24に示されるように、各矩形パターンが、3つの発光部に対応するように形成されても良い。
この場合に、検出受光量取得処理において、1つの矩形パターンに対して、少なくとも2つの発光部を個別に点灯・消灯させることができる。そして、発光部毎に該矩形パターンのトナー濃度を求め、その平均値を検出結果としても良い。また、その際に、最大値と最小値、あるいは異常値を除いても良い。また、この場合に、発光部毎に得られた受光量の平均値からトナー濃度を求め、そのトナー濃度を検出結果としても良い。これにより、検出精度を向上させることができる。
また、上記実施形態において、一例として図25〜図28に示されるように、4つの濃度検出用パターンが、副方向からみたときに2列となるように配列されても良い。
また、上記実施形態において、前記トナーパターンに代えて、一例として図29に示されるように、主方向(Y軸方向)に平行な4本のライン状パターン(LPY1、LPM1、LPC1、LPK1)と、主方向に対して傾斜した4本のライン状パターン(LPY2、LPM2、LPC2、LPK2)とからなるトナーパターンPLを用いても良い。
ライン状パターンLPY1とLPY2はペアをなし、イエロートナーで形成され、ライン状パターンLPM1とLPM2はペアをなし、マゼンタトナーで形成される。また、ライン状パターンLPC1とLPC2はペアをなし、シアントナーで形成され、ライン状パターンLPK1とLPK2はペアをなし、ブラックトナーで形成される。
各ライン状パターンのペアは、副方向に関して、2本のライン状パターンの間隔が所定の間隔をなすように設定されている。
また、4本のライン状パターン(LPY1、LPM1、LPC1、LPK1)は、主方向に4つの部分領域に分割されている。そして、各部分領域は、互いにトナー濃度が異なっている。
また、主方向に関して、各ライン状パターンの長さLTは、部分領域の数NT(ここでは、4)を用いて、LT≧Le×NT、の関係が満足されている。
さらに、主方向に関して、各部分領域の長さLPは、検出用光スポットのスポット径S(ここでは、直径0.4mm)を用いて、LP≧Le+S、の関係が満足されている。
この場合は、トナー濃度とともに、トナー画像の位置ずれの検出が可能となる。図30には、反射型光学センサとトナーパターンPLの位置関係の一例が示されている。
プリンタ制御装置2090は、一例として図31に示されるように、4つの検出用光(ここでは、S3、S5、S7、S9)が、ライン状パターンLPY1〜LPK2を順次照射するように、発光部を点灯・消灯制御する。
プリンタ制御装置2090は、上記実施形態と同様にして各部分領域のトナー濃度を求めるとともに、検出用光がライン状パターンLPY1を照射してからライン状パターンLPM1を照射するまでの時間Tym、検出用光がライン状パターンLPM1を照射してからライン状パターンLPC1を照射するまでの時間Tmc、検出用光がライン状パターンLPC1を照射してからライン状パターンLPK1を照射するまでの時間Tckを検出する(図32参照)。なお、ここでは、わかりやすくするため、各受光部の出力信号は、増幅及び反転され、所定の基準値と比較する比較回路を介しているものとする。
また、プリンタ制御装置2090は、検出用光がライン状パターンLPY1を照射してからライン状パターンLPY2を照射するまでの時間Ty、検出用光がライン状パターンLPM1を照射してからライン状パターンLPM2を照射するまでの時間Tm、検出用光がライン状パターンLPC1を照射してからライン状パターンLPC2を照射するまでの時間Tc、検出用光がライン状パターンLPK1を照射してからライン状パターンLPK2を照射するまでの時間Tkを検出する(図32参照)。
そして、例えば、次の(1)式を用いて、イエロートナー画像の主方向に関する位置ずれ量ΔSを求める(図33(A)及び図33(B)参照)。ここで、Vは転写ベルト2040の副方向への移動速度、ΔTは時間Tyと基準時間の差、θはライン状パターンLPY2の主方向に対する傾斜角である。
ΔS=V・ΔT・cotθ ……(1)
そして、プリンタ制御装置2090は、検出した位置ずれ量に応じて、例えば書き込み開始タイミングを調整する。
なお、この場合に、一例として、図34及び図35に示されるように、4本のライン状パターン(LPY2、LPM2、LPC2、LPK2)が、主方向に4つの部分領域に分割されても良い。
また、上記実施形態では、各反射型光学センサが12個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、トナーの色毎に、互いにトナー濃度の異なる4個の矩形パターンが形成される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、トナーの色毎に、互いにトナー濃度の異なる8個の矩形パターンが形成されても良い。
また、上記実施形態では、転写ベルトの表面が滑らかな場合について説明したが、これに限らず、転写ベルトの表面が滑らかでなくても良い。また、転写ベルトの表面の一部が滑らかであっても良い。
また、上記実施形態では、12個の照明用マイクロレンズと12個の受光用マイクロレンズが一体化されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態において、反射型光学センサに処理装置を設け、プリンタ制御装置2090での処理の少なくとも一部を、該処理装置が行っても良い。
また、上記実施形態において、プリンタ制御装置2090での処理の少なくとも一部を、走査制御装置が行っても良い。
なお、上記実施形態では、トナー検出器2245が3つの反射型光学センサを有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。このとき、反射型光学センサの数に応じた数のトナーパターンが作成される。
また、上記実施形態では、トナー検出器2245が、転写ベルト2040上のトナーパターンを検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、感光体ドラム表面のトナーパターンを検出しても良い。
また、上記実施形態では、4色のトナーが用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、トナー検出器2245が、転写ベルト2040上のトナーパターンを検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、感光体ドラム表面のトナーパターンを検出しても良い。
また、上記実施形態において、トナーパターンを記録紙に転写し、該記録紙上のトナーパターンを、トナー検出器2245が検出しても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置として、複数の感光体ドラムを備えたカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限らず、例えば、図36に示されるように、1つの感光体ドラムを備え、単色の画像を形成するレーザプリンタ1000にも適用することができる。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、トナー検出器1045、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。
トナー検出器1045は、前記トナー検出器2245の反射型光学センサと同様な反射型光学センサを有し、感光体ドラム1030表面のトナーパターンを検出する。
また、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機であっても良い。