JP5411169B2 - 光拡散フィルム及びそれを備えた装置 - Google Patents

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Description

本発明は、透過光を等方的又は異方的に拡散する光拡散フィルム、及びこの光拡散フィルムを備えた面光源装置並びに表示装置(液晶表示装置など)に関する。
表示パネル(液晶表示モジュールなど)を裏面から照明するバックライト型表示装置(又は液晶表示装置など)においては、表示パネルの裏面に面光源ユニット(又はバックライトユニット)が配設されている。また、表示パネルに対する照射光を面光源として均一化し、かつ液晶表示装置の正面の輝度を上げるため、拡散シートやプリズムシート、輝度向上シート(反射型偏光板ほか)などが使用されている。また、液晶表示装置において、液晶セルの構成部材として、偏光板、位相差板やカラーフィルターなども使用されている。
より具体的には、例えば、画像表示領域がフラット(平面)な面型表示装置(平面型表示装置)として、図1に示されるように、面型表示ユニット(透過型液晶表示ユニットなど)5と、このユニットを背面側から照明するための面光源ユニットとを備えた装置が知られている。この面光源ユニットは、1又は複数の蛍光放電管(冷陰極管)1を有しており、前記蛍光放電管1の背面側には光を反射するための反射板2が配設され、蛍光放電管1と表示ユニット5との間には光を拡散して表示ユニット5を均一に照明するための拡散板3が配設され、この拡散板3の表示ユニット側にはプリズムシート4が積層されている。前記面型表示ユニット5は、液晶表示ユニットの場合、第1の偏光フィルム6a,第1のガラス基板7a,このガラス基板に形成された第1の電極8a,この電極上に積層された第1の配向膜9a,液晶層10,第2の配向膜9b,第2の電極8b,カラーフィルター11,第2のガラス基板7b,及び第2の偏光フィルム6bを順次積層することにより形成されている。このような表示装置では、内蔵された蛍光放電管(冷陰極管)1により表示ユニットを背面から直接照明できる。
このような棒状(管状)光源(ランプ)を使用したバックライト方式は、近年の液晶テレビの大型化に伴い、液晶表示装置におけるウエイトが非常に高くなってきている。また、近年、このような面光源装置では、光源の高輝度化及び装置の薄肉化される傾向があるが、このような構造を有する面光源装置では、ランプイメージ(光源であるランプの形状に起因した像であり、ランプの存在がぼんやりとわかるイメージ)がより残存し易い。
また、バックライト方式では、棒状光源の軸方向と、この軸方向に対して直交する方向での輝度分布が異なり、表示ユニットの均一な照明が困難であるため、視野角の拡大が困難である。そのため、拡散シートとして、光学的に異方的散乱特性を有する異方性光拡散シートを用い、異方的散乱特性を利用して輝度を均一化している。例えば、異方性光拡散シートの分散相の長軸方向を管状光源の軸方向に向けて配置することにより、長軸方向と短軸方向での輝度分布が異なる光源を用いても、異方的散乱特性を利用して透過光の輝度を均一化できる方法などが知られている。しかし、このような異方的散乱特性を有する光拡散シートを用いても、ランプイメージの消去は充分でない。
さらに、バックライト方式では、棒状光源が表示ユニットに近接しているため、表示ユニットが加熱され、拡散シートにも耐熱性が要求される。なお、耐熱性及び透明性の高い樹脂としてポリカーボネート系樹脂が知られている。しかし、ポリカーボネート系樹脂は溶融流動性が低いため、溶融押し出し成形などの溶融成形法により光拡散フィルムを工業的に効率よく製造することが困難である。また、ポリカーボネート系樹脂は分散相の成分との親和性もさほど高くないため、分散相との界面でボイドが生成しやすく、分散相を均一に形成することも困難である。
バックライト方式に利用される光拡散シートとして、特許第4115113号公報(特許文献1)には、管状光源と、この管状光源からの光を側面から入射して平坦な出射面から出射させて表示ユニットを照明するための導光部材と、前記導光部材と前記表示ユニットとの間に配設され、かつ前記管状光源からの光により前記表示ユニットを均一に照明するための複数の異方性光散乱フィルムとを備えている面光源ユニットであって、前記異方性光散乱フィルムが、異方性光散乱層の両面に透明樹脂層が積層された積層フィルムで構成され、前記異方性光散乱層が、樹脂で構成された連続相と、この連続相に平均アスペクト比5〜1000の形状で分散し、かつ前記連続相の樹脂と屈折率が異なる樹脂で構成された分散相とで構成されているとともに、プロピレン系樹脂とスチレン系樹脂との組み合わせ、又はプロピレン系樹脂とポリカーボネート樹脂との組み合わせで構成され、前記透明樹脂層が、前記連続相と同一の樹脂であって、ガラス転移温度又は融点が130〜280℃の透明樹脂で構成され、前記導光部材と前記表示ユニットとの間に、複数の異方性光散乱フィルムが光散乱の方向性を互いに異にして配設されている面光源ユニットが開示されている。
しかし、この面光源ユニットでも、近年の高輝度化及び薄肉化されたバックライト型表示装置では、表示面での輝度の均一化が不十分であるため、高い透過率で光抜けが発生し、ランプイメージが残存する。特に、ポリカーボネート系樹脂などの透明性の高い樹脂を用いた場合には、この傾向が顕著となる。また、耐熱性も充分でなく、高温下で長期間に亘り使用すると、光拡散性が変化する。さらに、ポリカーボネート系樹脂を使用する場合、ポリカーボネート系樹脂は溶融流動性が低いため、溶融押し出し成形などの溶融成形法により光拡散フィルムを工業的に効率よく製造することが困難である。
特許第4115113号公報(請求項1)
従って、本発明の目的は、高い透過率であっても光抜けを抑制でき、ランプイメージ(ランプ像)を発現させることなく、バックライト型液晶表示装置などの面光源装置を薄型化かつ高輝度化できる光拡散フィルム及びそれを備えた装置(面光源装置、又は液晶表示装置などの表示装置)を提供することにある。
本発明の他の目的は、高温下で使用しても光拡散特性の変化を抑制できる光拡散フィルム及びそれを備えた装置(面光源装置、又は液晶表示装置などの表示装置)を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、流動性及び透明樹脂に対する親和性の低いポリカーボネート系樹脂を用いても、均一な分散相を有するフィルムを容易に成形できる光拡散フィルム及びそれを備えた装置(面光源装置、又は液晶表示装置などの表示装置)を提供することにある。
本発明の別の目的は、大型の液晶表示装置であっても、装置の薄型化に対応でき、簡便に装置を製造できる光拡散フィルム及びそれを備えた液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、マトリックス相(連続相)をポリカーボネート系樹脂で構成し、分散相を前記ポリカーボネート系樹脂に対して所定の屈折率差を有する透明樹脂で構成した結果、高い透過率であっても光抜けを抑制でき、ランプイメージ(ランプ像)を発現させることなく、バックライト型液晶表示装置などの面光源装置を薄型化かつ高輝度化できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の光拡散フィルムは、ポリカーボネート系樹脂で構成された連続相と、この連続相に分散し、かつ前記ポリカーボネート系樹脂に対する屈折率差の絶対値が0.045〜0.085の樹脂で構成された分散相とで形成された光拡散層を含む。前記連続相は粘度平均分子量15000〜25000のポリカーボネート系樹脂で構成されていてもよく、ポリカーボネート系樹脂のメルトフローレート(MFR)が、ISO1133に準拠して300℃、1.2kg荷重の条件で5〜30cm/10分程度であってもよい。さらに、前記分散相は環状オレフィン系樹脂で構成されていてもよく、環状オレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が、ISO1133に準拠して、260℃、2.16kg荷重の条件で10〜100cm/10分程度であってもよい。さらに、ポリカーボネート系樹脂の前記MFRと環状オレフィン系樹脂の前記MFRとの比率が、前者/後者=2/1〜1/10程度であってもよい。前記光拡散層は、さらに滑剤及び酸化防止剤から選択された少なくとも一方を含んでいてもよい。前記連続相と前記分散相との割合は、連続相/分散相=99/1〜50/50(重量比)程度であってもよい。
本発明の光拡散フィルムは、前記分散相が、1より大きい平均アスペクト比を有し、かつ長軸方向がフィルムの一定の方向に配向している粒子状分散相を含んでいてもよい。前記粒子状分散相の短軸の平均長さは0.01〜10μm程度であり、粒子状分散相の平均アスペクト比は3〜100程度である。
本発明の光拡散フィルムは、前記光拡散層の少なくとも一方の面に積層された透明層を含んでいてもよい。前記透明層は紫外線吸収剤及び光安定剤から選択された少なくとも一方を含む樹脂層であってもよい。前記光拡散層の厚みは3〜500μm程度であり、フィルムの全光線透過率が60%以上であってもよい。
本発明には、前記光拡散フィルムを備えた面光源装置及び表示装置(液晶表示装置など)も含まれる。
なお、本明細書において、「フィルム」とは厚みの如何を問わず、シートを含む意味に用いる。
本発明では、マトリックス相(連続相)をポリカーボネート系樹脂で構成し、分散相を特定の屈折率差を有する樹脂で構成しているため、高い透過率であっても光抜けを抑制でき、ランプイメージ(ランプ像)を発現させることなく、バックライト型液晶表示装置などの面光源装置を薄型化かつ高輝度化できる。また、耐熱性が高く、高温下で使用しても光拡散特性の変化を長期間に亘り抑制できる。また、流動性及び透明樹脂に対する親和性の低いポリカーボネート系樹脂を用いても、均一な分散相を有するフィルムを容易に成形できる。さらに、大型の液晶表示装置であっても、装置の薄型化に対応でき、簡便に装置を製造できる。
図1は面光源装置及び透過型液晶表示装置を示す概略断面図である。 図2は光拡散フィルムの一例を示す概略断面図である。 図3は光拡散フィルムの他の例を示す概略断面図である。 図4は光拡散フィルムの異方的散乱を説明するための概念図である。 図5は光散乱特性の測定方法を説明するための概略図である。 図6は、光抜けのある光拡散フィルムにおける散乱角に対する散乱光強度のグラフである。 図7は、光抜けのない光拡散フィルムにおける散乱角に対する散乱光強度のグラフである。
[光拡散フィルム]
本発明の光拡散フィルムは、連続相及び分散相で構成された光拡散層を含んでいる。前記連続相は、優れた光学特性と高い耐熱性とを両立する点から、ポリカーボネート系樹脂で構成されている。
(ポリカーボネート系樹脂)
ポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノール類をベースとする芳香族ポリカーボネートなどが含まれる。ビスフェノール類としては、例えば、ジヒドロキシビフェニルなどのビフェノール類、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールAD)などのビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類、ビス(4−ヒドロキシトリル)アルカン、ビス(4−ヒドロキシキシリル)アルカンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類[例えば、ビス(ヒドロキシアリール)C1−10アルカン類、好ましくはビス(ヒドロキシアリール)C1−6アルカン類]、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類[例えば、ビス(ヒドロキシアリール)C3−12シクロアルカン類、好ましくはビス(ヒドロキシアリール)C4−10シクロアルカン類]、4,4′−ジ(ヒドロキシフェニル)エーテルなどのジ(ヒドロキシフェニル)エーテル類、4,4′−ジ(ヒドロキシフェニル)ケトンなどのジ(ヒドロキシフェニル)ケトン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノールS)などのジ(ヒドロキシフェニル)スルホン類、ビスフェノールフルオレン類[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなど]などが挙げられる。これらのビスフェノール類は、C2−4アルキレンオキサイド付加体であってもよい。これらのビスフェノール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリカーボネート系樹脂はジカルボン酸成分(脂肪族、脂環族又は芳香族ジカルボン酸又はその酸ハライドなど)を共重合したポリエステルカーボネート系樹脂であってもよい。これらのポリカーボネート系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいポリカーボネート系樹脂は、ビス(ヒドロキシフェニル)C1−6アルカン類をベースとする樹脂、例えば、ビスフェノールA型ポリカーボネート系樹脂である。
ポリカーボネート系樹脂の分子量は、粘度平均分子量(塩化メチレンを用いて20℃で測定した粘度に基づいて、極限粘度と平均分子量との相関関係から、一点測定法で求められる平均分子量)が10000〜200000(例えば、15000〜100000)程度の範囲から選択でき、高分子量のポリカーボネート系樹脂であってもよいが、分散相の均一性の点から、例えば、15000〜25000、好ましくは17000〜25000、さらに好ましくは18000〜22000程度である。ポリカーボネート系樹脂の分子量が小さすぎるとフィルムの強度が低下し、分子量が大きすぎると溶融流動性及び分散相の均一分散性が低下しやすい。
ポリカーボネート系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、ISO1133(300℃、1.2kg荷重(11.8N))に準拠して、例えば、3〜30cm/10分程度の範囲から選択でき、例えば、5〜30cm/10分、好ましくは6〜25cm/10分(例えば、7〜20cm/10分)、さらに好ましくは8〜15cm/10分程度である。
ポリカーボネート系樹脂の融点又はガラス転移温度は、例えば、130〜280℃程度、好ましくは140〜270℃程度、さらに好ましくは150〜260℃程度である。
このようなポリカーボネート系樹脂は、製品カタログにおいて「中粘度品」「低粘度品」「ハイフロー」グレードとして分類されている場合が多い。
(分散相)
前記分散相は、前記連続相を構成するポリカーボネート系樹脂に対して、非相溶であり、かつ所定の屈折率差を有する樹脂であれば特に限定されない。なお、ポリカーボネート系樹脂の屈折率(n)は、1.50〜1.65程度であってもよく、一般的なビスフェノールA型ポリカーボネートの屈折率(n)は、1.59である。
屈折率差は、絶対値で、0.045〜0.085の範囲にある必要があり、好ましくは0.045〜0.08(例えば、0.045〜0.075)、さらに好ましくは0.05〜0.07(特に0.055〜0.065)程度である。さらに、両樹脂の屈折率は、いずれの樹脂が大きくてもよいが、連続相を構成する樹脂の方が大きい屈折率を有するのが好ましい。このような屈折率差を有する樹脂をポリカーボネート系樹脂と組み合わせると、光散乱特性が向上し、広い角度に亘って、連続的な強度の分布で光が散乱する。このような光散乱特性を有する光拡散フィルムを用いると、表示面での輝度が均一化し、光抜けを抑制できるため、ランプイメージの残存を抑制できる。
分散相は、通常、透明樹脂で構成される。分散相を構成する透明樹脂には、オレフィン系樹脂(ポリエチレンなど)、環状オレフィン系樹脂、ビニル系有樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドンなど)、アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルクロロアクリレート、ポリシクロヘキシルブロモアクリレート、ポリクロロエチルクロロアクリレート、ポリブチルチオメタクリレート、ポリフルフリルメタクリレート、ポリN−メチルメタクリルアミドなど)、アクリロニトリル系樹脂(ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体など)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610など)、セルロース誘導体(ニトロセルロースなど)、合成ゴム(ポリブタジエン、ポリイソプレンなど)、天然ゴムなどが含まれる。分散相を構成する透明樹脂は、前記屈折率差を有する限り、前記例示の樹脂に限定されず、例えば、共重合成分の導入により、屈折率を制御した樹脂であってもよい。従って、分散相を構成する透明樹脂は、前記連続相と屈折率の異なるポリカーボネート系樹脂であってもよい。これらの透明樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの透明樹脂のうち、光拡散特性の点から、環状オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂(例えば、ポリビニルピロリドンなど)、スチレン系樹脂(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体など)、ポリアミド系樹脂(例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610など)が好ましく、光拡散特性及び耐熱性を有する点から、環状オレフィン系樹脂が特に好ましい。
(環状オレフィン系樹脂)
環状オレフィン系樹脂は、環内にエチレン性二重結合を有する重合性の環状オレフィンを少なくとも重合成分とする樹脂であればよい。環状オレフィンは、単環式オレフィンであってもよいが、多環式オレフィンが好ましい。
代表的な多環式オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、置換基を有するノルボルネン(2−ノルボルネン)、シクロペンタジエンの多量体、置換基を有するシクロペンタジエンの多量体などが例示できる。前記置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、アミド基、ハロゲン原子などが例示できる。
具体的に、環状オレフィンとしては、例えば、2−ノルボルネン;5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネンなどのアルキル基を有するノルボルネン類;5−エチリデン−2−ノルボルネンなどのアルケニル基を有するノルボルネン類;5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネンなどのアルコキシカルボニル基を有するノルボルネン類;5−シアノ−2−ノルボルネンなどのシアノ基を有するノルボルネン類;5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネンなどのアリール基を有するノルボルネン類;ジシクロペンタジエン;2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン、メタノオクタヒドロフルオレン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノシクロペンタジエノナフタレン、メタノオクタヒドロシクロペンタジエノナフタレンなどの誘導体;6−エチル−オクタヒドロナフタレンなどの置換基を有する誘導体;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、シクロペンタジエンの3〜4量体などが例示できる。これらの単量体は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの環状オレフィンは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの環状オレフィンのうち、ノルボルネン類などの多環式オレフィンが好ましい。
環状オレフィン系樹脂は、付加重合により得られた樹脂であってもよく、開環重合(開環メタセシス重合など)により得られた樹脂であってもよい。また、環状オレフィン系樹脂(例えば、開環メタセシス重合により得られた樹脂など)は、水素添加された水添樹脂であってもよい。また、環状オレフィン系樹脂は、結晶性又は非晶性樹脂であってもよく、通常、非晶性樹脂であってもよい。なお、環状オレフィン系樹脂は、慣用の重合方法(例えば、チーグラー型触媒を用いた付加重合、メタロセン系触媒を用いた付加重合、メタセシス重合触媒を用いた開環メタセシス重合など)により調製してもよい。
さらに、環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンの単独又は共重合体であってもよく、環状オレフィンと共重合性単量体との共重合体であってもよい。環状オレフィン系樹脂の成形性を向上し、屈折率を適宜調整できる点から、環状オレフィンと共重合性単量体との共重合体が好ましい。
共重合性単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの鎖状C2−10オレフィン類;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどの環状C4−12シクロオレフィン類;ビニルエステル系単量体(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど);ジエン系単量体(例えば、ブタジエン、イソプレンなど);(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸、又はこれらの誘導体((メタ)アクリル酸エステルなど)など)などが例示できる。これらの共重合性単量体は単独で又は二種以上組み合わせてもよい。好ましい共重合性単量体は、α−鎖状C2−8オレフィン類、特にエチレンなどのα−鎖状C2−4オレフィン類である。
環状ポリオレフィン系樹脂(共重合体)において、環状オレフィンと共重合性単量体(例えば、エチレンなどのα−オレフィン類)との割合(モル比)は、例えば、前者/後者=100/0〜1/99の範囲から選択でき、例えば、前者/後者=99/1〜5/95、好ましくは90/10〜10/90、さらに好ましくは80/20〜10/90(特に70/30〜15/85)程度である。特に、共重合性単量体がエチレンである場合、光学特性の点から、環状オレフィンとエチレンとの割合(モル比)は、前者/後者=65/35〜20/80、好ましくは60/40〜30/70程度であってもよい。
環状オレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、ISO1133(260℃、2.16kg荷重(21.2N))に準拠して、例えば、10〜100cm/10分程度の範囲から選択でき、例えば、20〜80cm/10分、好ましくは30〜70cm/10分、さらに好ましくは40〜60cm/10分程度である。
連続相を構成するポリカーボネート系樹脂のMFRとの比率は、例えば、ポリカーボネート系樹脂のMFR(300℃、1.2kg荷重)/環状オレフィン系樹脂のMFR(260℃、2.16kg荷重)=2/1〜1/10、好ましくは1/1〜1/8、さらに好ましくは1/2〜1/7(特に1/3〜1/6)程度である。両者のMFRの比率がこのような範囲にあると、両樹脂が充分に混合されて、連続相中に適度な大きさを有する分散層を均一に形成できる。
環状オレフィン系樹脂の軟化点又はガラス転移温度は、例えば、80〜250℃、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは110〜200℃(特に120〜180℃)程度である。なお、軟化点又はガラス転移温度は、共重合成分の割合、分子量などを調整して制御することができる。
環状オレフィン系樹脂の数平均分子量は、例えば、15000〜200000、好ましくは20000〜100000、さらに好ましくは30000〜80000(特に40000〜70000)程度である。
環状オレフィン系樹脂は、商品名「TOPAS」(ポリプラスチックス(株)製)、商品名「ZEONOR」「ZEONEX」(日本ゼオン(株)製)、商品名「ARTON」(JSR(株)製)、商品名「アペル」(三井化学(株)製)などとして容易に入手できる。
光拡散層において、連続相と分散相との割合は、樹脂の種類や流動性、光拡散性などに応じて、例えば、前者/後者(重量比)=99/1〜30/70程度の範囲から選択でき、例えば、99/1〜50/50、好ましくは97/3〜60/40、さらに好ましくは95/5〜70/30(特に90/10〜80/20)程度であってもよい。
(任意成分)
光拡散層は、必要に応じて滑剤を含有してもよい。特に、分散相を構成する樹脂として環状オレフィン系樹脂を用いた場合に、滑剤を配合すると、一軸延伸温度などの配向処理温度で分散相が容易に変形し、透過光を異方的に拡散するフィルムが容易に得られる。しかも、押出成形工程でのドロー比や一軸延伸などの配向処理により分散相粒子のアスペクト比をコントロールでき、アスペクト比の大きな分散相も容易に形成できる。
滑剤には、低分子量の炭化水素骨格を有する化合物、例えば、ワックス類や脂質類などが含まれる。
ワックス類としては、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス(ポリエチレンワックス、エチレン共重合体ワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリC2−4オレフィン系ワックス、パラフィン系ワックス、マイクロクリスタリンワックスなど)、植物性又は動物性ワックス(カルナウバワックス、ミツロウ、セラックワックス、モンタンワックスなど)などが挙げられる。これらのワックス類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
脂質類としては、例えば、高級脂肪酸(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などのC8−35飽和脂肪酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸などのC10−35不飽和脂肪酸など)、高級脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどのC8−35脂肪酸金属塩など)、高級脂肪酸エステル(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどのC8−35脂肪酸エステルなど)、高級脂肪酸アミド(例えば、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドなどのC8−35脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドなどのアルキレンビス脂肪酸アミドなど)などが挙げられる。
これらの滑剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの滑剤のうち、脂質類、特に、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などのC8−35飽和脂肪酸、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸マグネシウムなどのC8−35飽和脂肪酸金属塩、ペンタエリスリトールステアリン酸エステルなどの多価アルコールC8−35飽和脂肪酸エステル、エチレンビスステアリン酸アミドやエチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドなどのアルキレンビス脂肪酸アミドなどが好ましい。
滑剤の割合は、光拡散層を構成する樹脂成分100重量部に対して、例えば、0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜3重量部、さらに好ましくは0.03〜2重量部(特に0.05〜1重量部)程度である。
光拡散層は、光散乱性を損なわない範囲で、さらに慣用の添加剤、例えば、安定剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤のうち、フィルムの外観を損なうゲルの発生を防止する観点から、安定剤を配合するのが好ましい。安定剤には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤などが含まれる。
安定剤のうち、酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ヒドロキノン系酸化防止剤、キノリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが例示できる。フェノール系酸化防止剤には、ヒンダードフェノール類、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのアルキルフェノール系酸化防止剤;n−オクタデシル[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのC10−35アルキル[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのC2−10アルカンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのポリオキシC2−4アルカンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];グリセリントリス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのC3−8アルキレントリオール−トリス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのC4−8アルカンテトラオールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマミド)などのN,N’−C2−10アルキレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマミド)などが好ましい。
アミン系酸化防止剤には、ヒンダードアミン類、例えば、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタン、フェニルナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−シクロヘキシル−1,4−フェニレンジアミンなどが含まれる。
ヒドロキノン系酸化防止剤には、例えば、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンなどが含まれ、キノリン系酸化防止剤には、例えば、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどが含まれる。また、イオウ系酸化防止剤には、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどが含まれる。
紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのサリチル酸エステル系紫外線吸収剤;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、オクチル−3−[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシランとの反応生成物、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン)と2−エチルヘキシルグリシド酸エステルとの反応生成物、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンなどのヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤などが例示できる。
光安定剤(HALS)としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン骨格、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン骨格を有する化合物、例えば、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジニルオキシ)エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、これらのジカルボン酸エステルに対応するC4-20アルカン−ジカルボン酸エステル(マロネート、アジペートなど)やアレーンジカルボン酸エステル(テレフタレートなど)などが例示できる。
熱安定剤としては、例えば、ホスファイト系安定剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのトリス(分岐アルキルフェニル)ホスファイト、ビス(アルキルアリール)ペンタエリスリトールジホスファイトなど)などのリン系安定剤(又はリン酸エステル)、イオウ系熱安定剤、ヒドロキシルアミン系熱安定剤などが挙げられる。
これらの安定剤(例えば、光安定剤など)は低分量タイプであってもよく高分子量タイプであってもよい。また、安定剤は単独で使用してもよく、二種以上の成分の組み合わせ(例えば、酸化防止剤と紫外線吸収剤との組み合わせ、紫外線吸収剤と光安定剤との組み合わせ、酸化防止剤と紫外線吸収剤と光安定剤との組み合わせなど)で使用してもよい。
各安定剤の使用量は、光拡散層を構成する樹脂成分100重量部に対して0.01〜2.5重量部、好ましくは0.03〜2重量部(例えば、0.05〜1.5重量部)、さらに好ましくは0.07〜1重量部(例えば、0.1〜0.7重量部)程度である。
より具体的には、酸化防止剤は、樹脂成分100重量部に対して0.05〜1重量部(例えば、0.08〜0.3重量部)程度、紫外線吸収剤は、樹脂成分100重量部に対して0.1〜2重量部(例えば、0.2〜0.7重量部)程度、光安定剤は、樹脂成分100重量部に対して0.03〜0.5重量部(例えば、0.05〜0.25重量部)程度である。
なお、前記安定剤の総量は、樹脂成分100重量部に対して0.05〜3重量部(例えば、0.1〜2重量部)、好ましくは0.1〜1重量部程度であってもよい。さらに、複数種の安定剤を併用する場合、第1の安定剤(例えば、酸化防止剤)と第2の安定剤(例えば、紫外線吸収剤)との割合は、前者/後者(重量比)=95/5〜10/90(例えば、90/10〜30/70)程度の範囲から選択できる。
なお、ポリカーボネート系樹脂と環状オレフィン系樹脂などの透明樹脂とを組み合わせたアロイ系を溶融押出成形又はコンパウンド化すると、ダイリップ(特にダイリップの開口部に隣接する壁部)に押出物の一部が目やに状に次第に堆積し、この堆積物が成長してダイリップから押し出される溶融フィルムと接触し、不均一なフィルムを形成する。そのため、均一なフィルムを連続的に製造することができなくなる。このような場合、前記安定剤(例えば、酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤)を含有させると、前記堆積物の生成とその成長を顕著に防止でき、均一なフィルムを連続的に製造できる。なお、光拡散層は、通常、酸化防止剤を含む場合が多い。
光拡散層において、分散相の形態は、長軸の平均長さLと短軸の平均長さWとの比(平均アスペクト比、L/W)が1〜1.25程度の球体状であってもよく、フットボール型形状(回転楕円体などの楕円体)、偏平体、直方体状、繊維状又は糸状体などであってもよい。
異方的な光散乱性を高めるためには、分散相粒子のアスペクト比が大きい方が好ましい。特に、本発明では、高い透過率であっても高度に光り抜けを抑制でき、かつ連続相との間にボイドなどの発生なく、連続相中で均一に分散させるのが好ましい。分散相の平均アスペクト比は、通常、1より大きく(例えば、1.01〜20000)、例えば、1.5〜10000(例えば、2〜5000)程度の範囲から選択できるが、例えば、3〜3000、好ましくは4〜2000、さらに好ましくは5〜1000程度である。なお、生産性などの点から、3〜100程度であってもよく、好ましくは3.5〜50、さらに好ましくは4〜30(特に5〜20)程度であってもよい。
透過光を異方的に光拡散する光拡散層において、分散相の長軸方向がフィルムの所定の方向、すなわちX軸方向(引き取り方向又は機械方向)に配向して粒子状分散相を形成している。このような異方的な光拡散層は、管状(棒状)光源を備えたバックライト型液晶表示装置であっても、表示装置の輝度を有効に向上できる。
特に、棒状光源の場合、分散相の軸方向を光源の軸方向に対して平行して配向させることにより、光源のランプイメージの残存を抑制できるが、本願発明では、連続相のポリカーボネート系樹脂に対して分散相を構成する樹脂の屈折率差を前記範囲に調整することにより、高い透過率であっても、光の散乱効果を低下させることなく、光抜けを抑制でき、高度にランプイメージの残存を抑制できる。
なお、分散相の長軸の平均長さLは、例えば、0.1〜1000μm(例えば、0.5〜500μm)、好ましくは1〜100μm(例えば、2〜50μm)、さらに好ましくは3〜30μm(特に5〜10μm)程度である。さらに、異方性を高める場合には、例えば、5〜800μm(特に5〜500μm)程度であってもよい。また、分散相の短軸の平均長さWは、例えば、0.01〜10μm(例えば、0.02〜5μm)、好ましくは0.03〜5μm(例えば、0.05〜3μm)、さらに好ましくは0.07〜1μm(例えば、0.1〜1μm)程度である。
配列度としての分散相粒子の配向係数は、例えば、0.34以上(0.34〜1程度)、好ましくは0.4〜1(例えば、0.5〜1)、さらに好ましくは0.7〜1程度であってもよい。分散相粒子の配向係数が高い程、散乱光に高い異方性を付与できる。なお、配向係数は、下記式に基づいて算出できる。
配向係数=(3<cos2θ>−1)/2
(式中、θは粒子状分散相の長軸とフィルムのX軸との間の角度を示し(長軸とX軸とが平行の場合、θ=0°)、<cos2θ>は各分散相粒子について算出したcos2θの平均を示し、下記式で表される)。
<cos2θ>=∫n(θ)・cos2θ・dθ
(式中、n(θ)は、全分散相粒子中の角度θを有する分散相粒子の割合(重率)を示す)。
光拡散フィルムは、拡散光の指向性を有していてもよい。すなわち、指向性を有するとは、異方的拡散光において散乱の強い方向のうち、散乱強度が極大を示す角度があることを意味する。拡散光が指向性を有している場合、後述する図5の測定装置において、拡散光強度Fを拡散角度θに対してプロットしたとき、プロット曲線が、特定の拡散角度θの範囲(θ=0°を除く角度域)で極大又はショルダー(特に、極大などの変曲点)を有している。
光拡散層の厚みは、例えば、3〜500μm(例えば、10〜500μm)、好ましくは30〜450μm(例えば、50〜400μm)、さらに好ましくは80〜350μm(特に100〜350μm)程度であってもよい。
(透明層)
光拡散フィルムは、前記光拡散層単独(例えば、透過光を異方的に光拡散させる異方性光拡散層)の単層フィルムであってもよく、光拡散層(例えば、透過光を異方的に光拡散させる異方性光拡散層)の少なくとも一方の面に積層された透明層とで構成された積層体であってもよく、透明層としては、樹脂層に限らず種々の透明基材(例えば、ガラスなど)を使用できる。透明層は、通常、透明樹脂層で形成する場合が多い。また、積層構造を有する光拡散フィルムでは、光拡散層の一方の面に限らず両面に透明樹脂層を積層してもよい。
透明樹脂層を構成する好ましい樹脂成分には、前記分散相の項で例示された透明樹脂を使用できる。前記樹脂のうち、透明樹脂としては、耐熱性や耐ブロッキング性を高めるため、耐熱性樹脂(ガラス転移温度又は融点が高い樹脂など)、例えば、環状オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが利用できるが、光学特性及び耐熱性の点から、環状オレフィン系樹脂又はポリカーボネート系樹脂が特に好ましい。透明樹脂層を構成する樹脂には、密着性や機械的特性などを損なわない限り、前記光拡散層を構成する連続相及び/又は分散相の樹脂と同一又は異なる樹脂が使用できるが、通常、連続相の樹脂と同一又は共通(又は同系統)の樹脂(ポリカーボネート系樹脂)が好ましい。
さらに、透明樹脂層は、慣用の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤など)、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤などを含有していてもよい。特に、透明層は、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤)、好ましくは紫外線吸収剤及び光安定剤から選択された少なくとも一方の成分(紫外線吸収剤単独、光安定剤単独、紫外線吸収剤及び光安定剤)、特に紫外線吸収剤及び光安定剤を含む樹脂層で構成されているのが好ましい。安定剤としては前記光拡散層と同様の成分が使用でき、透明樹脂層を構成する樹脂成分100重量部に対する各安定剤の使用量及び安定剤の総量は、前記光拡散層を構成する樹脂成分に対する割合と同様の範囲から選択できる。また、紫外線吸収剤と光安定剤とを併用する場合、両者の割合は、前者/後者(重量比)=95/5〜50/50(例えば、90/10〜70/30)程度の範囲から選択できる。
各透明層の厚みは、前記光拡散層と同程度であってもよく、例えば、光拡散層の厚みが3〜500μm程度の場合、各透明層の厚みは3〜150μm程度から選択でき、例えば、5〜100μm、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは15〜40μm程度であってもよい。光拡散層と各透明層との厚みの割合は、例えば、光拡散層/透明層=5/95〜99/1、好ましくは30/70〜99/1、さらに好ましくは40/60〜95/5程度である。積層フィルムの厚みは、例えば、10〜600μm程度、好ましくは50〜500μm程度、さらに好ましくは100〜400μm程度であってもよい。
光拡散フィルム(又は光拡散層)の全光線透過率は、例えば、50%以上(例えば、50〜100%)、好ましくは60%以上(例えば、60〜100%)であり、特に70〜95%(例えば、75〜90%)程度であってもよい。さらに、光拡散フィルム(又は光拡散層)のヘイズ値は、80%以上(例えば、80〜99.9%)、好ましくは90%以上(例えば、90〜99.8%)、さらに好ましくは93〜99.5%、特に95〜99%程度である。全光線透過率が小さいと、輝度が低下しやすく、ヘイズ値が小さいと、光を均一に拡散できず、表示品位を低下させる。
なお、光拡散フィルムの表面には、光学特性を妨げない範囲で、シリコーンオイルなどの離型剤を塗布してもよく、コロナ放電処理してもよい。さらに、光拡散フィルムには、フィルムのX軸方向(分散相の長軸方向)に延びる凹凸部を形成してもよい。このような凹凸部を形成すると、フィルムにより高い異方的光散乱性を付与できる。
図2は光拡散フィルムの一例を示す概略断面図である。単層構造の異方性光拡散フィルム17は、互いに屈折率の異なる複数の樹脂で構成されており、ポリカーボネート系樹脂で構成された連続層17a中に粒子状分散相17bが分散した相分離構造(又は海島構造)を有している。
図3は光拡散フィルムの他の例を示す概略断面図である。この例において、光拡散フィルム28は、光拡散層27と、この光拡散層の少なくとも一方の面に積層された透明樹脂層29とで構成された積層構造を有している。また、光拡散層27は、互いに屈折率の異なる複数の樹脂で構成されており、ポリカーボネート系樹脂で構成された連続層27a中に粒子状分散相27bが分散した相分離構造(又は海島構造)を有している。このような積層構造の異方性光拡散フィルムでは、透明樹脂層29で光拡散層27を保護して分散相粒子の脱落や付着を防止でき、フィルムの耐傷性や製造安定性を向上できるとともに、フィルムの強度や取扱い性を高めることができる。
図4は光拡散の異方性を説明するための概念図である。図4に示すように、異方性光拡散フィルム37は、ポリカーボネート系樹脂で構成された連続相37aと、この連続相中に分散した異方形状の分散相37bとで構成されている。そして、光拡散の異方性は散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す散乱特性F(θ)において、フィルムのX軸方向の散乱特性をFx(θ)、X軸方向と直交するY軸方向の散乱特性をFy(θ)としたとき、散乱特性Fx(θ)及びFy(θ)は、散乱角θが広角度になるにつれ、光強度がなだらかに減衰するパターンを示す。また、散乱角θ=4〜30゜の範囲において、Fy(θ)/Fx(θ)の値は、1.01以上であり、例えば、1.01〜200、好ましくは1.1〜150程度である。さらに、散乱角θ=18°において、Fy(θ)/Fx(θ)の値は、1.1〜400程度の範囲から選択でき、例えば、1.2〜200、好ましくは1.3〜150、さらに好ましくは1.5〜100程度である。なお、Fy(θ)/Fx(θ)の値は、生産性などの点から、例えば、1.2〜50、好ましくは1.3〜30、さらに好ましくは1.5〜20(特に1.8〜10)程度であってもよい。
このような光学特性を有する本発明の光拡散フィルム(特に異方性光拡散フィルム)を用いると、棒状光源の軸方向に対して垂直方向に散乱するよう配置することにより、棒状光源そのものが認識されるランプイメージの消去を輝度の低下を最小限度に抑えて達成することができる。なお、Fy(θ)/Fx(θ)の値及び散乱角θ=18°でのFy(θ)/Fx(θ)の値が大きすぎると、光抜け(ランプイメージの発現)を抑制できるが、輝度の低下が大きく、逆にこれらの値が小さすぎる場合には、輝度の低下は抑制できるが、光抜けが起こる。
このような散乱特性のフィルムを調製するためには、連続相及び分散相を構成する成分(特に樹脂)の選定、成形条件、特に押出温度、成形後のドロー比及び冷却温度が重要であり、後述する種類及び条件でフィルムを作製することにより、本発明の光拡散特性を有するフィルムが得られる。
なお、異方性光拡散フィルム37のX軸方向は、通常、分散相37bの長軸方向である。そのため、異方性光拡散フィルムのX軸方向を、面光源ユニットの管状光源の軸方向(Y軸方向)に対して略平行方向に向けて配設されている。なお、異方性光拡散フィルムのX軸方向は、面光源ユニットの管状光源の軸方向(Y軸方向)に対して、完全に垂直である必要はなく、例えば、角度±15°(例えば、±10°、特に±5°)程度の範囲内で斜め方向に向けて配設してもよい。
散乱特性F(θ)は、例えば、図5に示すような測定装置を用いて測定できる。この装置は、異方性光拡散フィルム37に対してレーザ光を照射するためのレーザ光照射装置(例えば、NIHON KAGAKU ENG NEO-20MS)38と、異方性光拡散フィルム37を透過したレーザ光の強度を測定するための検出器39とを備えている。そして、光拡散フィルム37の面に対して90°の角度で(垂直に)レーザ光を照射し、フィルムにより拡散された光の強度(散乱光強度)Fを散乱角θに対して測定(プロット)することにより光散乱特性を求めることができる。
異方性光拡散フィルムでは、光散乱の異方性が高いと、所定方向における散乱の角度依存性をより少なくでき、そのため、輝度の角度依存性もより少なくできる。前記異方性光拡散フィルムでは、表示面に対して垂直な角度(90°)を0°としたとき、表示面に対する角度20°を越えて、角度40°以上の角度でも輝度の低下を抑制できる。
[光拡散フィルムの製造方法]
光拡散フィルムは、連続相を構成する樹脂中に分散相を構成する樹脂成分を分散させることにより調製でき、異方性光拡散フィルムは、分散相を構成する樹脂成分を変形させて配向させることにより得ることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂と環状オレフィン系樹脂と必要により滑剤などの成分とを、必要に応じて慣用の方法(例えば、溶融ブレンド法、タンブラー法など)でブレンドし、溶融混合し、Tダイやリングダイなどから押出してフィルム成形することにより分散相を分散できる。また、基材(基材フィルムなど)上に、光散乱成分としての粒子状の環状オレフィン系樹脂と、ポリカーボネート系樹脂とで構成された組成物を塗布するコーティング法や、前記組成物をラミネートするラミネート法、キャスティング法、押出成形法などの慣用のフィルム成形法を利用して成形することによっても光拡散フィルムを製造できる。通常、押出成形法によりフィルム成形し、光拡散フィルムを調製する場合が多い。
なお、光拡散層と、この拡散層の少なくとも一方の面に積層された透明層(透明樹脂層)とで構成された積層構造を有する拡散フィルムは、光拡散層に対応する成分で構成された樹脂組成物と、透明層に対応する成分で構成された樹脂組成物とを、共押出成形し、成膜する共押出成形法、予め作製した一方の層に対して他方の層を押し出しラミネートにより積層する方法、それぞれ作製した光拡散層と透明樹脂層とを積層するドライラミネート法などにより形成できる。
等方性光拡散フィルムは、前記押出成形の条件(例えば、小さなドロー比での引き取り、未延伸処理などの温和な条件での押出成形など)、押出成形後のフィルムの加熱処理(押出に伴って分散相に生じた歪みを緩和させるための加熱処理など)により、分散相の形態を球形状に緩和することにより調製してもよい。
異方性光拡散層において、分散相の配向処理は、例えば、(1)押出成形シートをドローしながら製膜する方法、(2)押出成形シートを一軸延伸する方法、(3)前記(1)の方法と(2)の方法とを組み合わせる方法、(4)前記各成分を溶液ブレンドし、流延法により成膜する方法などにより行うことができる。
溶融温度は、分散相を構成する樹脂の種類に応じて選択できるが、例えば、環状オレフィン系樹脂の場合、例えば、150〜300℃、好ましくは200〜290℃、さらに好ましくは230〜280℃(特に240〜270℃)程度であってもよい。
適度な異方性を発現するために、本発明の光拡散フィルムは、溶融製膜において押出成形シートをドローしながら製膜するのが好ましい。所定の異方性光拡散特性を発現させるためには、押出後のドロー比を調整するのが重要である。ドロー比(ドロー倍率)は、押出機のダイの開度、樹脂の種類、層構造などに応じて1.5〜50倍程度の範囲から選択でき、一義的には決定できないが、例えば、2〜30倍程度、好ましくは2.5〜20倍、さらに好ましくは3〜15倍(特に3.5〜10倍)程度の範囲から、前記異方性のパラメータが前記範囲になるように選択できる。
キャストロールなどによる冷却温度は、分散相が環状オレフィン系樹脂の場合、例えば、30〜180℃、好ましくは50〜160℃、さらに好ましくは80〜150℃(特に100〜140℃)程度であってもよい。さらに、本発明の光拡散フィルムは延伸(一軸又は二軸延伸、特に一軸延伸)されていてもよい。光拡散フィルムの延伸倍率は分散相のアスペクト比に応じて選択でき、例えば、一方向での延伸倍率は1.1〜10倍、好ましくは1.2〜5倍、さらに好ましくは1.5〜3倍程度であってもよい。
本発明の光拡散フィルムでは、連続相と分散相との適度な屈折率差により透過光が散乱して拡散する。特に、分散相のアスペクト比が大きくなると、異方的に光拡散できる。そのため、本発明の光拡散フィルムは、種々の光学的用途に利用できる。例えば、等方性光拡散フィルムは、局部的な光源を用いても光源からの透過光を均一な輝度に光拡散できる。特に、異方性光拡散フィルムは、輝度に異方性のある管状光源などを利用しても、光源からの透過光を均一な輝度で光拡散でき、光抜けを防止できるため、面光源装置を薄型化かつ高輝度化してもランプイメージの発現を抑制できる。そのため、液晶表示装置などの表示装置に適用すると、表示面全体を均一に照明できる。従って、本発明の光拡散フィルムは、面光源装置や表示装置(例えば、液晶表示装置などの画像表示領域がフラット(平面)な面型表示装置(平面型表示装置))の構成部材として有用である。前述の図1に基づいて、液晶表示装置を例にとって説明すると、以下の通りである。
[液晶表示装置]
液晶表示装置の概略を示す図1において、前記液晶表示装置は、液晶が封入された液晶セルを備えた被照射体としての面型表示ユニット(透過型液晶表示ユニット又は液晶表示パネルなど)5と、この表示ユニット(又はパネル)の背面側に配設され、前記表示ユニット5を照明するための面光源ユニットとで構成されている。
前記面光源ユニットは、前記表示ユニット5の直下に1又は並列に配設された複数の蛍光放電管(冷陰極管)などの管状光源1と、管状光源1からの光を前方方向(表示ユニット側)に反射して表示ユニット5に導くための反射板2とを備えている。前記管状光源1の前方には、管状光源1の前方に配置された支持板(図示せず)と、この支持板の出射面側(面光源ユニットの出光面側)に位置し、透過光を異方的に光散乱させるための拡散板(例えば、異方性光拡散フィルム)3と、この異方性光拡散フィルム3の表示面側に位置し、頂部が表示面側の方向に向いた断面三角形状の微小プリズムが所定方向に並列に形成されたプリズムシート4(微小プリズムは図示せず)とが順次積層により配設されている。前記管状光源1からの光は、異方性光拡散フィルム3により拡散して均一化するとともに、プリズムシート4により前方へ集光し、輝度を高めて表示ユニット5を照明する。なお、前記支持板は、薄膜である異方性光拡散フィルム3を保護するために形成された透明板である。
なお、前記面型表示ユニット(液晶表示ユニット)5は、第1の偏光フィルム6a,第1のガラス基板7a,このガラス基板に形成された第1の電極8a,この電極上に積層された第1の配向膜9a,液晶層10,第2の配向膜9b,第2の電極8b,カラーフィルター11,第2のガラス基板7b,及び第2の偏光フィルム6bを順次積層することにより形成されている。
このような表示装置では、内蔵された蛍光放電管(冷陰極管)などの管状光源1により表示ユニットを背面から直接照明できる。そのため、管状光源(ランプ)を使用したバックライト式面光源装置は、近年の液晶テレビジョンなどの液晶表示画面の大型化に伴い、液晶表示装置におけるウエイトが非常に高くなってきている。
しかし、一般に、管状光源1からの出射光の輝度分布は均一でなく、管状光源1の軸方向に対して直交する方向の輝度分布が不均一である。特に、表示ユニット(液晶表示ユニット)5の直下に配置された管状光源そのものが表示面側から認識され、表示面ではランプイメージが残存する。そのため、管状光源を用いても、表示面での輝度を均一化する必要がある。特に、異方性光拡散フィルム3が管状光源1に近接しているため、異方性光拡散フィルム3には長期間に亘り安定した光拡散性が要求される。
そして、前記異方性光拡散フィルム3をバックライト型面光源ユニット又は液晶表示装置に用いると、表示面での輝度を均一化できるとともに、ランプイメージの発現を抑制できる。すなわち、分散相の長軸方向を管状光源1の長軸方向に揃えて異方性光拡散フィルム3を配設すると、異方的光散乱性により、管状光源(蛍光管)1からの光を棒状光源の長さ方向に対して垂直方向に散乱させることができ、輝度の低下を最小限度に抑えつつ、出射面の輝度を均一化し表示面を均一に照明できる。特に、異方性光拡散により、拡散光の光抜けを防止できるため、薄肉化と高輝度化が求められているバックライト型ユニットでもランプイメージを消去できる。さらに、大型の液晶表示装置であっても、装置の薄型化に対応でき、簡便に装置を製造できる。すなわち、本発明の光拡散フィルムは厚みが薄くても、大面積の液晶表示装置の表示面を高い輝度で均一に照明できる。特に、連続相及び分散相が所定の樹脂で構成されているため、耐熱性が高く、管状光源1に近接して位置し、高温が作用する直下型面光源ユニットであっても、長期間に亘り所定の光拡散を維持できる。
なお、前記液晶表示装置において、光拡散フィルムは、異方性に限定されず、等方性光拡散フィルムであってもよい。さらに、前記光拡散フィルム(異方性光拡散フィルムなど)は、面光源ユニットの出光面(出射面)から出射する光路内、すなわち面光源ユニットと表示ユニットとの間に介在すればよく、必要により接着剤を用いて出光面(出射面)に積層した積層形態で配設してもよい。より具体的には、光拡散フィルム(異方性光拡散フィルムなど)は、面光源ユニットの出光面(出射面)側又は表示ユニットの入射面側に配設すればよく、面光源ユニットの出射面と表示ユニットとの間に配設してもよい。なお、前記面光源ユニットの出射面に積層する必要はない。また、前記プリズムシートや輝度向上シートと組み合わせて用いる必要はないが、前記プリズムシートは拡散光を集光して表示ユニットを照明するのに有用である。プリズムシートと光拡散フィルムとを組み合わせて使用する場合、通常、プリズムシートは光拡散フィルムよりも光路の下流側に配設してもよい。また、光拡散フィルムは、位相差フィルム、偏光フィルム、カラーフィルタなどと組み合わせて(例えば、積層して)使用してもよい。
さらに、面光源ユニットにおいて、管状光源は表示ユニットの直下に位置する必要はなく、側部に位置させてもよい。この場合、側部の管状光源からの光は、導光板の側部から入射し、この導光板のうち表示ユニットに対向して形成された出射面から出射し、表示ユニットを照明してもよい。また、管状光源の数は特に制限されず、表示面のサイズなどに応じて選択できる。
なお、異方性光拡散フィルムのX軸方向は、通常、分散相の長軸方向である。そのため、異方性光拡散フィルムは、そのX軸方向を、面光源ユニットの管状光源の軸方向(Y軸方向)に対して略並行方向に向けて配設されている。なお、異方性光拡散フィルムのX軸方向は、面光源ユニットの管状光源の軸方向(Y軸方向)に対して、完全に垂直である必要はなく、例えば、角度±15°(例えば、±10°、特に±5°)程度の範囲内で斜め方向に向けて配設してもよい。
本発明の光拡散フィルムは、薄型化かつ高輝度化しても光抜けが抑制されるとともに、耐熱性が高く、高温下で使用しても長期間に亘り光散乱特性の変化を抑制でき、バックライトユニット(面光源ユニット)により表示ユニットを均一に照明できる。そのため、表示装置(液晶表示装置など)やバックライト型光源装置(面光源装置)の部材として有用である。特に、表示ユニットの直下に光源が配設された直下型バックライトユニット(面光源ユニット)では、種々の画面サイズ、特に大画面の表示ユニットを有する表示装置に対応できるため、このような大画面の表示ユニット又はバックライトユニットの構成部材として好適である。表示ユニットの画面サイズは特に制限されず、例えば、20インチ以上(例えば、23〜300インチ、好ましくは30〜200インチ)程度であってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で使用した光拡散フィルム(異方性光拡散フィルム)の特性は、下記の方法に従って評価した。
[全光線透過率TT(%)及びヘイズ(%)]
JIS K 7301に準拠して、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、NDH−500)を用いて、光拡散フィルムの全光線透過率及びヘイズを測定した。
[屈折率]
JIS K 7142に準拠して、屈折率計((株)アタゴ製、NAR−IT)を用いて、光拡散フィルムの屈折率を測定した。
[メルトフローレート(MFR)]
ISO1133に準拠して、ポリカーボネート系樹脂については、300℃、1.2kg荷重の条件で測定し、環状オレフィン系樹脂については、260℃、2.16kg荷重の条件で測定した。
[異方度]
異方性光拡散フィルムの延伸方向をX軸方向、この方向と直交する方向をY軸方向とし、異方性光拡散フィルム面に対して直交する方向からレーザー光を照射し、散乱角θに対する散乱光強度F、すなわちX軸方向での散乱角θに対する散乱光強度Fx(θ)、Y軸方向での散乱角θに対する散乱光強度Fy(θ)を測定した。そして、光散乱の異方性を示す数値として、θ=18°での散乱光強度比Fy(18°)/Fx(18°)を求めた。
[粒子状分散相のアスペクト比]
異方性光拡散フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、分散相粒子の長軸長さと短軸長さを5個の分散相粒子について測定し、加算平均し、平均アスペクト比を算出した。
[光抜け]
レーザー式光散乱装置(ネオアーク(株)製、LSD−101、波長633nm)を用いて異方性光拡散フィルムの光散乱強度分布を測定した。光抜けの評価は、横軸を散乱角とし、縦軸に光散乱強度の対数をとったグラフに基づいて評価した。図6は、光抜けしているサンプルのグラフであり、図7は、光抜けしていないサンプルのグラフである。図6に示すように、光抜けしているサンプルでは、0°付近で不連続に分布強度が変化するため、輝度が不均一となり、光抜けが発生し、ランプイメージが残存する。一方、図7に示すように、光抜けしていないサンプルでは、0°付近であっても連続に分布強度が変化するため、輝度が均一であり、光抜けが防止され、ランプイメージも残存しない。このようなグラフにおける0°付近での連続性について評価した結果を、以下の基準で評価した。
◎:分布強度が連続し、光抜けが全くなく、ランプイメージも残存しない
○:分布強度が0°付近で若干不連続であるが、ランプイメージはほとんど残存しない
△:分布強度が0°付近でやや不連続であり、ランプイメーが少し残存する
×:分布強度が0°付近で不連続であり、ランプイメージが残存する。
実施例1
連続相を構成する樹脂としてのビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、「中粘度品 ユーピロンS−2000」、粘度平均分子量18000〜20000、メルトフローレート9〜12cm/10分)85重量部、分散相を構成する樹脂としての環状オレフィン樹脂(ノルボルネン系モノマーとオレフィン系モノマーとの共重合体、Topas Advanced Polymers GmbH社製、商品名「TOPAS5013」、メルトフローレート48cm/10分)15重量部、滑剤(エチレンビスステアリン酸アミド、クラリアントジャパン(株)製、商品名「E−マイクロパウダー」)0.1重量部、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チバ・ジャパン(株)製、商品名「イルガノックス(IRGANOX)1010」)0.1重量部を混合し、押出成形機を用い、樹脂温度260℃、ダイ開度1.3mmでダイから溶融して押し出し、ドロー比(ドロー倍率)を5倍として、油温調3本キャストロール125℃で冷却し、厚み263μmの異方性光拡散フィルムを作製した。透過型電子顕微鏡(TEM)により断面を観察したところ、この拡散フィルムでは、環状ポリオレフィン樹脂が散乱子(粒子状分散相)を形成しており、粒子状分散相の形状は、楕円体状(又は細長い線状)であり、短軸の平均長さ(厚み)0.8μm及び長軸の平均長さ6.6μm(アスペクト比8.3)であった。
実施例2
二種三層の光拡散フィルム(異方性光拡散層を中間層とし、この中間層の両面に表層としての透明樹脂層が積層された光拡散フィルム)を作製するために、表層用樹脂組成物として、ビスフェノールA型ポリカーボネート系樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、商品名「ユーピロンS−2000」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン(株)製、商品名「チヌビン234」)0.5重量部及び光安定剤(ヒンダードアミン系光安定剤、チバ・ジャパン(株)製、商品名「キマソープ944FD」)0.1重量部を用い、中間層用樹脂組成物として、マトリックス樹脂としてのポリカーボネート系樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、商品名「ユーピロンS−2000」)85重量部、分散相を構成する樹脂としての環状オレフィン樹脂(Topas Advanced Polymers GmbH社製、商品名「TOPAS5013」)15重量部、滑剤(クラリアントジャパン(株)製、商品名「E−マイクロパウダー」)0.1重量部、酸化防止剤(チバ・ジャパン(株)製、商品名「イルガノックス1010」)0.1重量部を混合し、多層押出成形機で、樹脂温度260℃、ダイ開度1.3mmでダイから溶融して共押出し、ドロー比を3.6倍として、油温調3本キャストロール125℃で冷却し、二種三層構造を有し、厚み364μm(厚み割合:表層/中間層/表層=1/10/1)の異方性光拡散フィルムを作製した。この異方性光拡散フィルムでは、中間層において環状ポリオレフィン樹脂が散乱子(粒子状分散相)を形成しており、粒子状分散相の形状は、楕円体状(又は細長い線状)であり、短軸の平均長さ(厚み)0.8μm及び長軸の平均長さ5.3μm(アスペクト比6.5)であった。
実施例3
ドロー比を4.0倍とする以外は実施例2と同様にして、厚み323μm(厚み割合:表層/中間層/表層=1/9/1)の異方性光拡散フィルムを作製した。この異方性光拡散フィルムでは、中間層において環状ポリオレフィン樹脂が散乱子(粒子状分散相)を形成しており、粒子状分散相の形状は、楕円体状(又は細長い線状)であり、短軸の平均長さ(厚み)0.8μm及び長軸の平均長さ6.7μm(アスペクト比8.4)であった。
実施例4
ドロー比を4.8倍とする以外は実施例2と同様にして、厚み273μm(厚み割合:表層/中間層/表層=1/7/1)の異方性光拡散フィルムを作製した。この異方性光拡散フィルムでは、中間層において環状ポリオレフィン樹脂が散乱子(粒子状分散相)を形成しており、粒子状分散相の形状は、楕円体状(又は細長い線状)であり、短軸の平均長さ(厚み)0.6μm及び長軸の平均長さ6.2μm(アスペクト比10.9)であった。
実施例5
ドロー比を6.1倍とする以外は実施例2と同様にして、厚み212μm(厚み割合:表層/中間層/表層=1/5/1)の異方性光拡散フィルムを作製した。この異方性光拡散フィルムでは、中間層において環状ポリオレフィン樹脂が散乱子(粒子状分散相)を形成しており、粒子状分散相の形状は、楕円体状(又は細長い線状)であり、短軸の平均長さ(厚み)0.5μm及び長軸の平均長さ7.9μm(アスペクト比16.1)であった。
なお、実施例1〜5において、異方性光拡散層の滑剤及び酸化防止剤を配合せずに、フィルムを作製したところ、多数のゲルが生成し、不均一なフィルムとなった。
比較例1
二種三層の光拡散フィルム(異方性光拡散相を中間層とし、この中間層の両面に表層としての透明樹脂層が積層された光拡散フィルム)を作製するために、表層用樹脂組成物として、ポリカーボネート系樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、「ユーピロンS−2000」)100重量部、紫外線吸収剤(チバ・ジャパン(株)製、「チヌビン234」)0.5重量部及び光安定剤(ヒンダードアミン系光安定剤、「キマソープ944FD」)0.1重量部を用い、中間層用樹脂組成物として、マトリックス樹脂としてのポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、「ユーピロンS−2000」)84重量部、分散相を構成する樹脂としてのポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ(株)製、「ウィンテックWFW−4」)16重量部及び酸化防止剤(チバ・ジャパン(株)製、「イルガノックス1010」)0.1重量部を用いた。各層を構成する樹脂組成物を混合し、多層押出成形機で、樹脂温度250℃、ダイ開度1.3mmでダイから溶融して共押出し、ドロー比を7.8倍として、油温調3本キャストロール80℃で冷却し、二種三層構造を有し、厚み167μm(厚み割合:表層/中間層/表層=1/3/1)の異方性光拡散フィルムを作製した。この異方性光拡散フィルムでは、中間層においてポリプロピレン系樹脂が散乱子(粒子状分散相)を形成しており、粒子状分散相の形状は、楕円体状(又は細長い線状)であり、短軸の平均長さ0.15μm及び長軸の平均長さ700μm(アスペクト比4700)であった。
比較例2
中間層用樹脂組成物として、マトリックス樹脂としてのポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、「ユーピロンS−2000」)80重量部、分散相を構成する樹脂としてのポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ(株)製、「ウィンテックWFW−4」)20重量部及び酸化防止剤(チバ・ジャパン(株)製、「イルガノックス1010」)0.1重量部を用い、ドロー比を8.3倍とする以外は比較例1と同様にして、二種三層構造を有し、厚み157μm(厚み割合:表層/中間層/表層=1/3/1)の異方性光拡散フィルムを作製した。この異方性光拡散フィルムでは、中間層においてポリプロピレン系樹脂が散乱子(粒子状分散相)を形成しており、粒子状分散相の形状は、楕円体状(又は細長い線状)であり、短軸の平均長さ0.24μm及び長軸の平均長さ94μm(アスペクト比388)であった。
比較例3
中間層用樹脂組成物として、マトリックス樹脂としてのポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、「ユーピロンS−2000」)92重量部、分散相を構成する樹脂としてのポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ(株)製、「ウィンテックWFW−4」)8重量部及び酸化防止剤(チバ・ジャパン(株)製、「イルガノックス1010」)0.1重量部を用いる以外は比較例1と同様にして、二種三層構造を有し、厚み167μm(厚み割合:表層/中間層/表層=1/3/1)の異方性光拡散フィルムを作製した。この異方性光拡散フィルムでは、中間層においてポリプロピレン系樹脂が散乱子(粒子状分散相)を形成しており、粒子状分散相の形状は、楕円体状(又は細長い線状)であった。
実施例6
連続相を構成する樹脂としてのビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、「ユーピロンS−2000」)92重量部、分散相を構成する樹脂としての環状オレフィン系樹脂(Topas Advanced Polymers GmbH社製、商品名「TOPAS5013」)8重量部を、2軸押出機(池貝(株)製、商品名「PCM30」、内径30mmφ、L/D=28.5)を用い、樹脂温度250℃でコンパウンドしペレットを得た。そのペレットを、プレス成形機(東洋精機(株)製、商品名「MINI TEST PRESS 10」)を用い、余熱時間2分・プレス時間2分・プレス圧力10MPaの条件で、厚み280μの単層フィルムを作製した。
実施例7
分散相を構成する樹脂として環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系モノマーとオレフィン系モノマーとの共重合体、三井化学(株)製、商品名「アペル APL6011T」)を用いる以外は実施例6と同様にして、厚み300μmの単層フィルムを作製した。
実施例8
分散相を構成する樹脂として環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系モノマーの開環重合体、日本ゼオン(株)製、商品名「ZEONOR330R」)を用いる以外は実施例6と同様にして、厚み130μmの単層フィルムを作製した。
比較例4
分散相を構成する樹脂としてポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人化成(株)製)を用いる以外は実施例6と同様にして、厚み200μmの単層フィルムを作製した。
比較例5
分散相を構成する樹脂としてポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ(株)製、「ウィンテックWFW−4」)を用いる以外は実施例6と同様にして、厚み70μmの単層フィルムを作製した。
結果を表1に示す。なお、表1中、記号TTは全光線透過率(%)を意味する。
Figure 0005411169
表から明らかなように、実施例の光拡散フィルムを用いると、ランプイメージが残存することなく、高い輝度が得られる。これに対して、比較例のフィルムを用いると、ランプイメージが残存するか、又は著しい輝度の低下が確認される。
1…蛍光放電管(冷陰極管)
2…反射板
3…拡散板
4…プリズムシート
5…面型表示ユニット
6a,6b…偏光フィルム
7a,7b…ガラス基板
8a,8b…電極
9a,9b…配向膜
10…液晶層
11…カラーフィルター
17,28…光拡散フィルム
27,37…異方性光拡散層
17a,27a,37a…連続相
17b,27b,37b…分散相
29…透明樹脂層

Claims (10)

  1. 粘度平均分子量15000〜25000のポリカーボネート系樹脂で構成された連続相と、この連続相に分散し、かつ前記ポリカーボネート系樹脂に対する屈折率差の絶対値が0.045〜0.085の環状オレフィン系樹脂で構成された分散相とで形成された光拡散層を含む光拡散フィルムであって、
    前記ポリカーボネート系樹脂のメルトフローレート(MFR)が、ISO1133に準拠して、300℃、1.2kg荷重の条件で5〜30cm /10分であり、前記環状オレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が、ISO1133に準拠して、260℃、2.16kg荷重の条件で10〜100cm /10分であり、かつ両者の比率が、ポリカーボネート系樹脂のMFR/環状オレフィン系樹脂のMFR=2/1〜1/10である光拡散フィルム
  2. 光拡散層がさらに滑剤及び酸化防止剤から選択された少なくとも一方を含む請求項1記載の光拡散フィルム。
  3. 連続相と分散相との割合が、連続相/分散相=99/1〜50/50(重量比)である請求項1又は2記載の光拡散フィルム。
  4. 分散相が、1より大きい平均アスペクト比を有し、かつ長軸方向がフィルムの一定の方向に配向している粒子状分散相を含む請求項1〜のいずれかに記載の光拡散フィルム。
  5. 粒子状分散相の短軸の平均長さが0.01〜10μmであり、粒子状分散相の平均アスペクト比が3〜100である請求項記載の光拡散フィルム。
  6. 光拡散層の少なくとも一方の面に積層された透明層を含む請求項1〜のいずれかに記載の光拡散フィルム。
  7. 透明層が紫外線吸収剤及び光安定剤から選択された少なくとも一方を含む樹脂層である請求項記載の光拡散フィルム。
  8. 光拡散層の厚みが3〜500μmであり、フィルムの全光線透過率が60%以上である請求項1〜のいずれかに記載の光拡散フィルム。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の光拡散フィルムを備えた面光源装置。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の光拡散フィルムを備えた表示装置。
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