JP5347724B2

JP5347724B2 - チャイルドシート

Info

Publication number: JP5347724B2
Application number: JP2009132187A
Authority: JP
Inventors: 松人横橋
Original assignee: Takata Corp
Current assignee: Takata Corp
Priority date: 2009-06-01
Filing date: 2009-06-01
Publication date: 2013-11-20
Anticipated expiration: 2029-06-01
Also published as: KR20120023648A; CN102448768A; EP2439101A4; CN102448768B; WO2010140421A1; EP2439101A1; EP2439101B1; KR101685028B1; JP2010274884A

Description

本発明は自動車の座席に設置されるチャイルドシートに係り、特に股ベルトにカバーを装着したチャイルドシートに関する。

チャイルドシートの概略的な構成について第１０図を参照して説明する。

チャイルドシート３０の座部３２の前部中央に股ベルト３４の基端が固定され、この股ベルト３４の先端にバックル３６が取り付けられている。このチャイルドシート３０に座った子供の右半身に掛けられる右ウェビング３８と、左半身に掛けられる左ウェビング４０にそれぞれタング４２、４４が装着され、このタング４２、４４がバックル３６に挿入されて係止されている。

ウェビング３８、４０の後端側は、チャイルドシート３０の背当部４５の呑込口４６、４８からチャイルドシート３０の背当部４５の内部に引き込まれ、該背当部４５内において締付ウェビング５０の基端部に連結されている。

締付ウェビング５０の先端５０ａは、座部３２内を通ってチャイルドシート３０の前面の引出口５２からチャイルドシート３０外に引き出されている。チャイルドシート３０の座部３２内には、この締付ウェビング５０をロックするためのウェブアジャスタ５４が設けられている。

特開２００１−１５１０７５の第０００２段落には、股ベルトにウレタン製クッション材や剛性材等を裏当てし、股ベルトを立設させることが記載されている。

特開２００１−１５１０７５

上記特開２００１−１５１０７５のように股ベルトが常に直立した状態となっていると、子供を座部に載せたり座部から抱き上げたりするときに股ベルトが邪魔になることがある。例えば、幼児の体重が大きいときには、幼児を高く持ち上げて股ベルトの奥に腰掛けさせるのに要する労力が大きくなる。股ベルトが自立しないタイプのものであるときには、股ベルトが子供の尻の下敷きになり易く、バックルの装着に不便である。

本発明は、このような問題点を解決し、子供の乗降を容易に行うことができるチャイルドシートを提供することを目的とする。

請求項１のチャイルドシートは、子供が座る座部と、該座部に座った子供の身体に掛けられるウェビングと、該ウェビングの先端側に設けられたタングと、該座部の前部中央に基端側が連結された股ベルトと、該股ベルトの先端側に設けられた、該タングが係止されるバックルと、該股ベルトに設けられたカバーとを有するチャイルドシートにおいて、該カバーは、該バックルに該タングが係止されていない状態にあっては、該股ベルトをチャイルドシート前方側へ傾いた姿勢で自立させ、且つ該バックルに該タングが係止された状態にあっては、該股ベルトが前記ウェビングからの張力によりチャイルドシート後方側へ傾動することを許容するように構成されていることを特徴とするものである。

請求項２のチャイルドシートは、請求項１において、前記カバーは前記股ベルトを通すための縦孔を有した筒状であり、該カバーの下端面は、筒軸心方向に対し、チャイルドシート前方側ほど上位となるように傾斜した斜面となっていることを特徴とするものである。

請求項３のチャイルドシートは、請求項２において、前記のカバーの下端部且つチャイルドシート後方部には、後方に向って延出した延出部が設けられていることを特徴とするものである。

請求項４のチャイルドシートは、請求項３において、前記延出部の底面は、前記斜面と面一状となっていることを特徴とするものである。

請求項５のチャイルドシートは、請求項２ないし４のいずれか１項において、前記カバーのチャイルドシート前面側に、下端から上方に向って切り込まれた形状の切欠部が設けられていることを特徴とするものである。

請求項６のチャイルドシートは、請求項２ないし５のいずれか１項において、前記カバーには、前記バックルに連なるハーネスを通すためのハーネス挿通孔が上下方向に貫設されていることを特徴とするものである。

請求項７のチャイルドシートは、請求項１ないし６のいずれか１項において、前記カバーはゴム又はエラストマー製であることを特徴とするものである。

請求項８のチャイルドシートは、請求項７において、前記カバーの下端面が前記座部の上面に当接し、カバーの上端が前記バックルに当接していることを特徴とするものである。

本発明のチャイルドシートにあっては、バックルにタングが係止されていない状態にあっては、カバー及びそれに挿通された股ベルトがチャイルドシート前方側へ傾いた姿勢で自立している。従って、子供を座部に乗降させる際に股ベルトが邪魔になりにくく、子供の乗降を楽に行うことが可能となる。また、股ベルトが子供の尻の下敷きになることも防止される。本発明では、バックルにタングが係止された状態にあっては、ウェビングからの張力により股ベルトがチャイルドシート後方側へ傾くため、ウェビングと股ベルトとが子供の身体にフィットするようになる。

なお、バックルにタングが係止されていない状態にあっては、カバー及びそれに挿通された股ベルトが自立しているので、作業者はタングをバックルに容易に接続することができる。さらには、作業者がこのカバーをチャイルドシート後方側へ押して股ベルトを後傾させることにより、タングをバックルに容易に接続することも可能である。

請求項２のように、カバーの下端面をチャイルドシート前方側ほど上位となる斜面とすることにより、カバーを座部上に自立させたときに、該カバーが前傾姿勢となる。

請求項３のように、カバーの下端部且つチャイルドシート後方部に延出部を設けることにより、カバーがチャイルドシート後方側へ倒れにくくなる。

請求項４のように、この延出部の下面をカバー下端面の斜面と面一状とすることによりカバーの自立が安定したものとなる。

請求項５のように、カバーに切欠部を設けておくと、股ベルトをカバーに通し易くなる。また、カバー内に挿通された股ベルトの下端側の座部への連結作業も、この切欠部を介して容易に行うことができる。この切欠部をカバーの前面側に設けた場合、カバーの後面側の剛性が前面側よりも高いものとなるので、カバーがチャイルドシート後方側へ倒れにくくなる。

請求項６のように、カバーにハーネス挿通孔を設けておくと、バックルからのハーネスが股ベルトと干渉することが防止される。

請求項７のように、カバーをゴム又はエラストマー製とすることにより、感触がソフトになる。また、カバーと座部との接触音も小さくなる。

カバーをゴム又はエラストマー製とすると、請求項８のように、カバー下端面を座部に当接させ、上端をバックルに当接させた構成すなわちカバーが座部とバックルとの間に挟持された構成とすることができる。この構成であれば、カバー下端面が座部に押し当てられることによりカバーが自立姿勢を保つようになる。ただし、自立状態のカバーを後方に押すと、カバーを後方へ傾けることができる。

実施の形態に係るチャイルドシートの斜視図である。図１のチャイルドシートの股ベルト付近の分解斜視図である。図１のチャイルドシートの股ベルト部分の断面図である。カバーの正面図である。カバーの側面図である。カバーの上面図である。カバーの上方からの斜視図である。カバーの下方からの斜視図である。チャイルドシートの概略的な側面図であり、（ａ）図はウェビング非装着状態を示し、（ｂ）図はウェビング装着状態を示している。従来例に係るチャイルドシートの斜視図である。

以下、図面を参照して実施の形態について説明する。

第１図の通り、このチャイルドシート１は、チャイルドシート本体１０と、このチャイルドシート本体１０がリクライニング可能に取り付けられたベース２とを有する。チャイルドシート本体１０は、背もたれ部１１及び座部１２を有している。なお、以下の説明において、前方、後方とは、このチャイルドシート本体１０に座った乗員（子供）にとっての前方、後方を表わす。また、左右とはこの乗員にとっての左右を表わす。該背もたれ部１１の前面から、このチャイルドシート本体１０に座った乗員の身体の前面側に掛けられるウェビング１３（第９図）が延出している。ウェビング１３の先端側にはタング１３ａが設けられている。詳しい図示は省略するが、このウェビング１３の構成及びチャイルドシート本体１０への装着構造は、第１０図のウェビング３８、４０と同様である。

第２図及び第３図の通り、座部１２の前部の左右方向中央に股ベルト取付口１４が設けられている。股ベルト取付口１４は、左右方向に長いスリット状である。

股ベルト１６は、その下部に取付金具１７が取り付けられ、上部にバックル１８が取り付けられている。取付金具１７は、左右方向に長い板状であり、左右方向に延在する２個のスリット１７ａを有している。股ベルト１６は一方のスリット１７ａを上から下に挿通され、次いで他方のスリット１７ａを下から上に挿通されることにより取付金具１７と接続されている。

バックル１８は、上面部にタング挿入口１８ａ及びプレスボタン１８ｂを備え、下部にベルト挿通口１８ｃを有している。このベルト挿通口１８ｃに股ベルト１６が挿通されている。バックル１８内には、差し込まれたタング１３ａをラッチするラッチ機構が設けられている。プレスボタン１８ｂはこのラッチを解除するためのものである。バックル１８内には、ラッチされたタング１３ａを検出するタングセンサが設けられている。バックル１８からはこのセンサの信号を伝達するためのハーネス１９（第３図）が引き出されている。

この股ベルト１６にカバー２０が装着されている。カバー２０は、ゴム又はエラストマー等の弾力性を有した材料にて構成された縦長の且つ左右に幅広の略々偏平角筒形状の部材である。このカバー２０は、タング１３ａがバックル１８に装着されていない状態にあっては、後述のように股ベルト１６を前傾姿勢にて自立させることが可能であり、且つタング１３ａがバックル１８に装着された状態にあっては、ウェビング１３からの張力により後方へ傾くように弾性変形しうる程度の剛性を有している。また、このカバー２０は、作業者から後方へ押されたときにも、後方へ傾くように弾性変形可能となっている。このカバー２０の前部側には股ベルト１６の挿通用の縦孔２１が設けられていると共に、後部側にはハーネス１９の挿通孔２２が設けられている。孔２１，２２間には仕切部２３が存在している。

カバー２０の前面部には下縁から上方に向って切り込まれた縦長形状の切欠部２４が設けられている。この切欠部２４は取付金具１７及び股ベルト１６を縦孔２１に挿通させる作業、並びに該取付金具１７を座部１２の股ベルト取付口１４に係合させる作業を容易にするためのものである。

カバー２０の下端面２０ｂは、前方ほど上位となる斜面となっている。カバー２０の下端後縁からは後方に延出部２５が突設されている。この延出部２５の底面はカバー２０の下端面２０ｂと面一状となっている。

股ベルト１６にカバー２０を装着するには、取付金具１７をカバー２０の上方から縦孔２１内に差し込む。そして、切欠部２４から作業者が指又は適宜の引掛用工具を差し込み、取付金具１７を下方に引っ張り、取付金具１７及びそれに連なる股ベルト１６を縦孔２１に引き通す。また、この後、又はこれに先行して、バックル１８からのハーネス１９を挿通孔２２に引き通す。このハーネス１９は取付金具１７の開口１７ａに通す。

この取付金具１７を、板面を座部１２と略垂直にして座部１２の取付口１４に通し、その後、該板面が座部１２の裏側に対面するように回して取付金具１７を開口１４の縁部裏面に当てることにより、第３図の通り股ベルト１６が座部１２に取り付けられた状態となる。この状態では、カバー２０の下端面２０ｂが座部１２の上面に当接し、カバー２０の上端がバックル１８に当接しており、カバー２０は座部１２とバックル１８との間で挟持された状態となっている。なお、この取付金具１７の取付口１４への係合作業は、前記切欠部２４を介して容易に行うことができる。

この状態では、カバー２０の下端面が座部１２の上面に軽く押し付けられており、カバー２０は自立姿勢をとる。カバー２０の下端面２０ｂは、前方ほど上位となる斜面となっているので、カバー２０は、第３図及び第９図（ａ）の通り、該座部１２の上面に対して前傾した姿勢で自立する。この自立したカバー２０を後方に押すと、カバー２０は後方へ倒れるように弾性変形する。なお、カバー２０の下端面２０ｂは、上記のように前方ほど上位となる斜面になっており、しかも延出部２５が後方に張り出し、延出部２５の底面が下端面２０ｂと面一となっており、第３図の通り座部１２の上面に当接しているので、カバー２０は後方へは倒れにくいものとなっている。

このようにして股ベルト１６及びカバー２０を座部１２に取り付けた後、チャイルドシート本体１０の少なくとも背もたれ部１１の前面及び座部１２の上面を覆うようにソフトカバーを被せ、さらに第１０図と同様に子供拘束用ウェビング１３を装着することによりチャイルドシート製品とされる。

このように構成されたチャイルドシート１にあっては、バックル１８にタング１３ａが装着されていない状態にあっては、股ベルト１６に装着されたカバー２０により該股ベルト１６が前傾姿勢にて自立した状態とされているので、子供を座部１２に乗降させる際に股ベルト１６が邪魔になりにくく、子供の乗降を楽に行うことが可能となる。しかも、このカバー２０は、後方へは倒れにくいものとなっているので、子供をチャイルドシートに乗せるときにカバー２０が後倒して子供の尻に敷かれることも防止される。そのため、子供を容易にチャイルドシート１０に乗せることができる。なお、必要に応じ、カバー２０を前方に倒し、該カバー２０及び股ベルト１６を座部１２上に倒伏させた状態で子供の乗降を行うこともできる。バックル１８にタング１３ａを装着する場合には、該股ベルト１６は自立しているので、タング１３ａをバックル１８に容易に装着することができる。また、このカバー２０を後方へ押して後傾させてタング１３ａをバックル１８に装着することも可能である。この際、容易にカバー２０を押して後傾させることができる。バックル１８にタング１３ａを装着した後、ウェビング１３が子供の体にフィットするように該ウェビング１３の長さを調節する（すなわちウェビング１３を締め込む）と、第９図（ｂ）のように、該ウェビング１３からの張力によりカバー２０が後方へ傾くため、ウェビング１３と股ベルト１６とが子供の身体にしっかりとフィットするようになる。

このカバー２０は、ゴム又はエラストマーよりなるため、感触がソフトである。

この実施の形態では、ハーネス１９を股ベルト１６用の縦孔２１とは別の孔２２に挿通しているので、ハーネス１９と股ベルト１６とが擦れてハーネス１９が劣化することが防止される。

この実施の形態では、切欠部２４をカバー２０の前面側に設けている。この切欠部２４を設けたことにより、取付金具１７及び股ベルト１６をカバー２０の縦孔２１に容易に通すことができる。また、股ベルト１６の下端側を座部１２に連結するに際しても、この切欠部２４を介して取付金具１７を取付孔１４に容易に係合させることができる。また、切欠部２４はカバー２０の後面部には存在せず、カバー２０の後面部の剛性が高い。従って、カバー２０は、後方へ傾動しにくいものとなっている。

上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態とされてもよい。例えば、プレスボタン１８ｂはバックル１８の上面ではなく前面や側面に設けられてもよい。また、ハーネス１９は省略されてもよい。

１チャイルドシート
２ベース
１０チャイルドシート本体
１２座部
１３ウェビング
１３ａタング
１４股ベルト取付口
１６股ベルト
１７取付金具
１８バックル
１９ハーネス
２０カバー
２１縦孔
２２ハーネス挿通孔
２５延出部

Claims

子供が座る座部と、
該座部に座った子供の身体に掛けられるウェビングと、
該ウェビングの先端側に設けられたタングと、
該座部の前部中央に基端側が連結された股ベルトと、
該股ベルトの先端側に設けられた、該タングが係止されるバックルと、
該股ベルトに設けられたカバーと
を有するチャイルドシートにおいて、
該カバーは、該バックルに該タングが係止されていない状態にあっては、該股ベルトをチャイルドシート前方側へ傾いた姿勢で自立させ、且つ該バックルに該タングが係止された状態にあっては、該股ベルトが前記ウェビングからの張力によりチャイルドシート後方側へ傾動することを許容するように構成されていることを特徴とするチャイルドシート。
請求項１において、前記カバーは前記股ベルトを通すための縦孔を有した筒状であり、
該カバーの下端面は、筒軸心方向に対し、チャイルドシート前方側ほど上位となるように傾斜した斜面となっていることを特徴とするチャイルドシート。
請求項２において、前記のカバーの下端部且つチャイルドシート後方部には、後方に向って延出した延出部が設けられていることを特徴とするチャイルドシート。
請求項３において、前記延出部の底面は、前記斜面と面一状となっていることを特徴とするチャイルドシート。
請求項２ないし４のいずれか１項において、前記カバーのチャイルドシート前面側に、下端から上方に向って切り込まれた形状の切欠部が設けられていることを特徴とするチャイルドシート。
請求項２ないし５のいずれか１項において、前記カバーには、前記バックルに連なるハーネスを通すためのハーネス挿通孔が上下方向に貫設されていることを特徴とするチャイルドシート。
請求項１ないし６のいずれか１項において、前記カバーはゴム又はエラストマー製であることを特徴とするチャイルドシート。
請求項７において、前記カバーの下端面が前記座部の上面に当接し、カバーの上端が前記バックルに当接していることを特徴とするチャイルドシート。