JP5185209B2 - 逆入力遮断クラッチ - Google Patents

逆入力遮断クラッチ Download PDF

Info

Publication number
JP5185209B2
JP5185209B2 JP2009138697A JP2009138697A JP5185209B2 JP 5185209 B2 JP5185209 B2 JP 5185209B2 JP 2009138697 A JP2009138697 A JP 2009138697A JP 2009138697 A JP2009138697 A JP 2009138697A JP 5185209 B2 JP5185209 B2 JP 5185209B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input
output
housing
rolling
engagement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009138697A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010286016A (ja
Inventor
俊一 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Origin Electric Co Ltd
Original Assignee
Origin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Origin Electric Co Ltd filed Critical Origin Electric Co Ltd
Priority to JP2009138697A priority Critical patent/JP5185209B2/ja
Priority to CN 201010192037 priority patent/CN101922523B/zh
Publication of JP2010286016A publication Critical patent/JP2010286016A/ja
Priority to HK11103619.2A priority patent/HK1149599A1/xx
Application granted granted Critical
Publication of JP5185209B2 publication Critical patent/JP5185209B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Description

この発明は、入力側からの回転駆動力は出力側に伝達され、出力側からの回転力は入力側に伝達されない逆入力遮断クラッチに関する。
駆動側である入力側からの双方向の駆動力が従動側である出力側に伝達され、出力側からの回転力は入力側に伝達されない逆入力遮断クラッチは既に提案されている。例えば、入力側からの双方向の駆動力が出力側に伝達され、出力側からの外力は入力側に伝達されない逆入力遮断クラッチの例として、出力部材に回転力が与えられると、入力部材がロックされる機構を有し、そのロックする機構によって出力部材が回転できなくなり、出力側からの回転力は入力側に伝達されない逆入力遮断クラッチが提案されている(特許文献1、2参照)。
これらの逆入力遮断クラッチは、出力部材に回転力が与えられると、出力部材とハウジングとの間に位置するローラー又はボールのような転動部材が出力部材とハウジングとに食い込むことによりロック状態になり、出力部材が回転できなくなる。この構造の逆入力遮断クラッチは、応答性を高めると共に確実に動作させるために、バネ部材の各バネ片によってそれぞれのローラー部材にその回転方向に押圧力(与圧)を与えている。一般にバネ体は、逆入力遮断クラッチの小型軽量化及びコストなどの面から、あまり大きくはできず、通常は薄いバネ片を必要数有するものである。
このようなバネ体を用いた逆入力遮断クラッチの場合、潤滑剤が封入されない構造のもの、あるいは潤滑剤が封入されてもその粘度が低い場合には粘着力が弱いので、支障なく確実に動作する。しかし、粘度が比較的高いグリースのような潤滑剤が封入された場合には、その潤滑剤の大きな粘着力がバネ部材の弾力性の方向と逆に作用するために、出力部材に外力が与えられたときには転動部材が食い込むまでの時間を要する。つまり、入出力遮断動作の即応性が悪くなり、特に入力部材に加えられる回転駆動力の逆転の際にスムーズに動作せず、衝撃音や振動が発生するなどの問題が生じる。また、このことは出力部材に結合される負荷の動作に支障を生じたり、入力部材に結合される駆動機構に負担を強いたりする。
特開2007−239891号公報 特開2008−101715号公報
本発明が解決しようとする問題点は、粘度が高いために粘着力が比較的大きなグリースなどの潤滑剤を封入した逆入力遮断クラッチにおいては、潤滑剤の粘着力によってバネ体が転動部材に与える与圧が低減されるために、特に入力部材の回転駆動力が逆転の際に転動部材の食い込み動作に遅れが生じることにある。
本発明は、互いに係合し合う構造の入力部材と出力部材と、転動部材とバネ体とをハウジングに収納してなり、それら入力部材と出力部材との間に位置して、出力部材に外力が加えられるときには転動部材が出力部材とハウジングとの間に食い込んで入出力遮断を行う入出力遮断クラッチであって、入力部材及び出力部材の中心軸線方向の押圧力(与圧)を転動部材に付与する環状のバネ部材を、少なくともハウジングの側壁部と転動部材との間、又はハウジングを閉じる蓋部と転動部材との間に備えることにより、転動部材の食い込み動作に遅れを生じない逆入力遮断クラッチを提供する。
本発明によれば、薄型のバネ体で所望の大きさの押圧力を転動部材に与えることができるので、所望のハウジングの中に粘着力の高い潤滑剤が封入されていても、特に入力部材にかけられる回転駆動力の逆転の際においてもスムーズに動作して衝撃音や振動を生じない小型で経済性に優れた逆入力遮断クラッチを提供できる。更にまた、入力部材と出力部材が互いにしっかりとは結合されていないので、入力部材と出力部材とを別々に取り扱うことができ、容易にハウジングに対して組み込み、又は取り外しを行うことができる。
本発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチの外観を示す図面である。 本発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチのハウジングを示す図面である。 本発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチの入力部材を示す図面である。 本発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチの入力部材を示す図面である。 本発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチの入力部材の一部分を示す図面である。 本発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチの出力部材を示す図面である。 本発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチの出力部材を示す図面である。 本発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチを説明するための図面である。 本発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチに用いられるバネ部材を説明するための図面である。 発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチの構造を説明するための図面である。 発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチの動作を説明するための図面である。 発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチの動作を説明するための図面である。 発明の実施形態1に係る逆入力遮断クラッチの動作を説明するための図面である。
本発明に係る逆入力遮断クラッチは、入力部材及び出力部材の中心軸線と同方向の押圧力(与圧)を転動部材に付与する環状のバネ部材を、少なくともハウジングの側壁部と転動部材との間、又はハウジングを閉じる蓋部と転動部材との間に備えることによって、比較的粘度の高い潤滑剤がハウジング内に封入されていても、潤滑剤の粘着力に影響されることなく、入力部材に加えられる回転駆動力の逆転時においてもスムーズに動作することが特徴である。
[実施形態1]
図1ないし図13によって本発明に係る実施形態1の逆入力遮断クラッチを説明する。
この逆入力遮断クラッチは、主に図1と図2とに示すようなハウジング1、図3〜図5などに示されているような入力部材3、図6、図7などに示されているような出力部材5、図8、図10〜図13などに示されているローラー部材又はボール部材(以下では総称して転動部材7と言う。)、及び図9などに例示されているバネ部材9とからなる。
先ず、図1及び図2によってハウジング1を説明する。図1は本発明の逆入力遮断クラッチの基本的な外観の一例を示す図である。図2(A)はハウジング1を左側から見た図を示し、図2(B)はハウジングの断面を示す。ハウジング1はハウジング部材11とハウジング部材11を閉じる蓋部12とからなる。ハウジング部材11は、円筒状内壁面13を有する円筒状部14と、円筒状部14の一端を閉じる底部の働きを行う側壁部15とからなる。側壁部15は中央に貫通孔16を有するとともに、貫通孔16を囲む短円筒状の導出部17とを備える。この導出部17には、図10で示すように、必要に応じて焼結金属にオイルを滲み込ませた含油メタル、あるいは小型のボールベアリング又はローラベアリングのような回転促進部材20が備えられる。なお、ハウジング1は種々の金属材料、又はエンジニアリングプラスチック材料などからなり、特に材料は限定しない。
以上ではハウジング1の基本的な構造について説明したが、ハウジング部材11は2重構造であってもよい(不図示)。後述するが、図12に示すように、転動部材7が円筒状部14の円筒状内壁面13と出力部材5との間に食い込む動作があるために、耐摩擦力の大きな材料からなる第1のハウジング部材とこれを覆う第2のハウジング部材とからなってもよい。また、円筒状部14の円筒状内壁面13と転動部材7との摩擦力の均一化を図るために、円筒状内壁面13に狭い円環状の溝を一つ以上備えてもよい。また、ハウジング1の形状は、取付けられる機器の要求にしたがって任意に変更できる。
次に、入力部材3を図3〜図5によって説明する。図3は入力部材3の斜視図である。図4(A)は入力部材の正面図、図4(B)は入力部材の断面図、図4(C)は入力部材の裏面図をそれぞれ示す。図5は入力部材3の一部分を拡大して示す図である。入力部材3は、ハウジング1におけるハウジング部材11の側壁部15の貫通孔16を挿通し、その貫通孔の径よりも若干小さい直径を有する円柱状の入力軸部31、及び入力軸部31の一端に固定された又は入力軸部31と一体的に形成されている入力係合部32を備える。入力係合部32は、入力軸部31の先端を中央部として放射の外方向に広がる正5角形状の入力共通部33と五つの入力係合片34、35、36、37、38とからなる。入力係合片34〜38は、正5角形状の入力共通部33の各角部から等間隔で、入力軸部31の中心を通ってその軸方向に延びる中心軸線Z1の方向に延びて所定の厚みを有すると共に、中心軸線Z1に対して外方向(放射方向)に延びる。
また、入力係合片34、35、36、37、38はそれぞれ円弧状外壁面A(図3など)と、円弧状内壁面B(図4など)と、円弧状外壁面Aと円弧状外壁面Aとの間の凹状外壁面Cとを有する。五つの円弧状内壁面Bを結ぶ仮想の円の直径は、後述する出力部材5の五つの出力係合片の大きさによって決まり、円弧状内壁面Bが五つの出力係合片に接触せずに所定の間隔が存在するような大きさになっている。したがって、図3に示す入力係合片34〜38の五つの円弧状内壁面Bなどは、後述する出力部5の出力係合部52を受け入れるのに適した空間を形成する。
五つの入力係合片34〜38は同一形状であって、大きさが等しく、隣り合う入力係合片と入力係合片との間の間隙は全部ほぼ同じである。したがって、以下の説明では、代表して入力係合片34について説明するが、他の入力係合片35〜38も同様であるものとする。図5に示すように、一例として入力係合片34が左右双方の側壁面に、入力部材3の回転方向に対して所定の角度を有する傾斜接触面34Gを備え、傾斜接触面34Gが破線で示す転動部材7に押し当てられるときに内方向、つまり転動部材7の中心点Oに向うベクトルをもつ押圧力を与える。なお、凹状外壁面Cはハウジング部材11の円筒状内壁面13と入力係合片34との接触面積を小さくすると共に、グリースのような潤滑剤が収容される潤滑剤溜りを形成する。
ここで、ハウジング1内で入力部材3が安定に回転動作を行えるように、入力係合片34〜38の五つの円弧状外壁面Aが形成する仮想円の直径は、ハウジング部材11における円筒状部14の円筒状内壁面13の直径よりも若干小さいのが好ましい。また、図3、図4では入力係合片34〜38の五つの円弧状外壁面Aが形成する仮想円の直径が正5角形状の入力共通部33の外径よりも大きくなっているが、同等か又は逆に小さくてもよい。例えば、入力共通部33の外形が円形であって、その円の直径が入力係合片34〜38の五つの円弧状外壁面Aが形成する仮想円の直径とほぼ同じか、あるいはその直径よりも大きくてもよい。この場合には、入力共通部33の外径はハウジング1内で入力部材3が問題なく回転動作を行うように、入力共通部33の最大径はハウジング部材11における円筒状部14の円筒状内壁面13の直径よりも小さい。なお、正5角形状の入力共通部33として説明したが、正6角形状など他の多角形又は円形状であって、互いに一定間隔で位置する入力係合片を備えても勿論よい。
次に、出力部材5を図6及び図7により説明する。図6は出力部材5の斜視図である。図7(A)は出力部材5を側面から見た図であり、図7(B)は出力部材5を正面から見た図である。図6、図7に示すように、出力部材5は、図1に示したハウジング1における蓋部12の不図示の貫通孔を挿通する外径を有する出力軸部51、及び出力軸部51の一端に出力軸部51と一体的に形成された又は螺合などにより固定された出力係合部52を備える。出力軸部51の中心点を通ってその軸方向に延びる中心軸線Z2は、入力部材3の前述した中心軸線Z1と同軸である。出力係合部52は、出力軸部51の先端における出力共通部53とその出力共通部53から放射方向に等間隔で延びる五つの出力係合片54、55、56、57、58を有する。出力係合片54〜58は、中心軸線Z2の方向に延びて所定の厚みを有すると共に、中心軸線Z2に対して放射方向、つまり外方向に延びる。五つの出力係合片54〜58は同一形状であって、大きさが等しい。
出力係合部52は入力係合片34〜38で形成される空間に配置される。図8に示すように、ハウジング部材11内において五つの出力係合片54〜58はそれぞれ隣り合う入力係合片34〜38の側面との間に任意の間隔で位置する。出力係合片54の先端面54a(図7)は緩やかに湾曲しているか、あるいは平坦状になっており、出力部材5が回転すると、円筒状内壁面13と先端面54aとの距離が小さくなり、転動部材7が食い込む。先端面54aは図7に鎖線で示す転動部材7を支持する。出力部材5に回転力がかかっていない状態では、転動部材7は先端面54aのほぼ中央に位置し、転動部材7とハウジング部材11の円筒状内壁面13との間には微小な空隙が存在する。したがって、転動部材7はフリーの状態にある。しかし、出力部材5が左右いずれかに僅かに回転すると、先端面54aが傾くことにより、転動部材7がハウジング部材11の円筒状内壁面13と出力係合片54の先端面54aとの間に食い込む。他の出力係合片55、56、57、58のそれぞれの先端面も出力係合片54の先端面54aと同様である。また、図1とは逆に、出力部材5がハウジング1における底部側で、入力部材3が蓋部12側に位置しても勿論よい。なお、この実施例では転動部材7としてローラー部材を用いているが、必要とされるトルクが小さい場合などではボールを用いてもよい。
次に、前述したような入力部材3と出力部材5と転動部材7とをハウジング1内へ組み込んだ状態について説明する。図8は、ハウジング1の底側から見た図であり、ハウジング部材11の底部である側壁部15を除去した状態における円筒状部14を示している。図8の手前がハウジング部材11の底部であり、図1に示したように入力軸部31をハウジング部材11の側壁部15に形成されている貫通孔16(図2)を通して導出する。次に、出力部材5の出力係合部52をハウジング部材11の円筒状部14に挿入し、出力係合部52の五つの出力係合片54、55、56、57、58がそれぞれ入力係合部32の入力係合片34、35、36、37、38の隣り合うものの間のほぼ真ん中に位置するように配置され、五つの出力係合片54〜58のそれぞれの先端面(例えば54a)と円筒状部14の円筒状内壁面13との間に転動部材7がそれぞれ配置される。なお、図8においてはバネ部材9を図示していない。
次に、図9及び図10によってバネ部材9について説明する。図示しないが、従来のバネ部材は各バネ片によって各転動部材に対して、それらの回転方向及びその回転方向と逆向きの与圧を与えていた(例えば特許文献1、2)。本発明では、図8に示したそれぞれの転動部材7が転動するその転動の中心、つまり前述した入力部材3の中心軸線Z1及び出力部材5の中心軸線Z2と同軸の中心軸線Z3の方向に、バネ部材9が押圧力をそれぞれの転動部材7に付与するところに特徴がある。このようなバネ部材9は簡単な構造で所望の大きさの押圧力を転動部材7に与えることができ、しかも簡単に逆入力遮断クラッチに組み込むができ、低コストである。
一例として、バネ部材9は円環状又は多角形状の第1、第2の環状板91、92とこれらに挟まれた円環状又は多角形状の環状弾性部材93とからなる。第1、第2の環状板91、92は比較的耐摩耗性の高い材料、例えば金属材料からなるワッシャのようなものである。環状弾性部材93は板バネの一種であるウエーブバネ又はゴム材料などで構成されるリングからなる。第1、第2の環状板91、92は、入力軸部31又は出力軸部51の外径よりも幾分大きな中央穴94を備えている。環状弾性部材93も中央穴94と同程度かそれよりも大きな中央穴を備えている。また、第1、第2の環状板91、92及び環状弾性部材93は、ハウジング部材11の円筒状内壁面13に納まる外径を有する。第1、第2の環状板91、92及び環状弾性部材93がハウジング部材11内で安定に動作するように、それらの最大の外径は、少なくともハウジング部材11における円筒状部14の円筒状内壁面13よりも幾分小さいのが好ましい。
また、図示しないが、バネ部材9は入力軸部31又は出力軸部51が挿通する穴を有する円環状部又は多角形状部と、中心軸線Z3に対して外方向に延びるバネ片とからなる1枚の板状のバネ体だけから構成されてもよい。この場合には、弾性に富んだ比較的厚い金属板をプレスなどによって打ち抜いてバネ部材9となるバネ体を形成し、そのバネ体の各バネ片の先端部を中心軸線Z3の方向になる向きに折り曲げて、バネ力の大きなバネ片を造ることができる。バネ片は転動体7の個数に相当する数だけ前記円環状部又は多角形状部に備えられる。図8を利用して説明すると、各バネ片は出力係合片54、55、56、57、58の回転方向の幅とほぼ同程度か、あるいは幾分小さい幅を有し、各バネ片は、図9に示した中心軸線Z3の方向に押圧力をそれぞれの転動部材7に付与する。本発明による構成では、十分に薄型のバネ部材であっても従来に比べて大幅に大きな押圧力を転動部材7に与えることが容易である。
したがって、このような構成のバネ部材は、図8において転動部材7の側面が入力係合片34〜38の側面よりも突出せずに引っ込んでいても、また、出力係合片54〜58の側面と同程度か、あるいはこれらよりも引っ込んでいても、所望の押圧力を転動部材7の側面に与えることができる。なお、前記側面は図9に示した中心軸線Z3の方向に位置する各部材の面を指す。このバネ体は転動部材7がボールからなる場合などでも有用である。また、バネ部材9はウエーブ形式のバネであってもよい。この場合には、そのウエーブの突出した部分が各転動部材7の側面を押圧する構造となる。また、必要に応じてこのようなバネ部材9を入力係合片34〜38の側面又は出力係合片54〜58の側面に固定してもよい。この場合、バネ体を固定した後では、そのバネ体は入力部材3と出力部材5と転動部材7とがバラバラになるのを防ぐ働きも行う。
図10(A)は、本発明に係る逆入力遮断クラッチの一部分の断面、出力係合片54に関連した一部分の断面を示している。図10(A)で示すように、バネ部材9はハウジング部材11の側壁部15と各転動部材7の一方の側面との間に配置され、バネ部材9の反対側、つまり蓋部12と各転動部材7の他の側面との間にワッシャのような環状の金属板100を配置する。したがって、バネ部材9は各転動部材7の一方の側面に入力軸部31及び出力軸部51の中心軸線Z1、Z2方向の押圧力を与えて、各転動部材7の他方の側面を環状の金属部材100に押し付ける。
又は、本発明に係る逆入力遮断クラッチの一部分の断面図である図10(B)に示すように、バネ部材9を蓋部12と各転動部材7の他方の側面との間に配置し、バネ部材9の反対側、つまりハウジング部材11の側壁部15と各転動部材7の一方の側面との間に環状の金属部材100を配置してもよい。この場合には、バネ部材9はと各転動部材7の他方の側面に入力軸部31及び出力軸部51の心軸線Z1、Z2方向の押圧力を与えて、各転動部材7の一方の側壁を環状の金属板100に押し付ける。環状の金属板100は、入力軸部31又は出力軸部51の径よりも幾分大きな内径の穴を有すると共に、ハウジング部材11の円筒状内壁面13に納まる円形状又は多角形状の外形を有する。なお、図10(A)及び図10(B)において環状の金属板100をバネ部材9に代えてもよいし、あるいは省略してもよい。
図10(A)に示すように、バネ部材9がハウジング部材11の側壁部15と各転動部材7の一方の側壁との間に配置される場合には、第1、第2の環状板91、92及び環状弾性部材93の中央穴94を出力軸部51が挿通し、環状の金属板100の穴を入力軸部31が挿通している。他方、図10(B)に示すように、バネ部材9が蓋部12と各転動部材7の他方の側壁との間に配置される場合には、中央穴94を入力軸部31が挿通し、環状の金属板100の穴を出力軸部51が挿通している。
図10(A)、(B)では一部分を示しているだけであるが、図3などに示した入力部材3の入力係合片34〜38と図6などに示した出力部材5の出力係合片54〜58との間には図12などに示した適当な空間が存在するように、ハウジング1内に比較的粘度の高い潤滑剤110を充填している。この潤滑剤110は、入力部材3に回転駆動力が加えられて、ハウジング1内で各部材が動作しているときに生じる摩擦と騒音の双方を低減することを主な目的としている。後で説明するが、バネ部材9が各転動部材7を押し付ける力は、比較的粘度の高い潤滑剤110の粘着力によってもそれぞれの転動部材7の動作(動き)が悪影響を受けないように作用する。したがって、バネ部材9がそれぞれの転動部材7に与える押圧力、つまりバネ部材9のバネ力は少なくとも潤滑剤110の粘着力よりも大きくなければならない。
[粘度の高い潤滑剤110を充填しないときの基本的な動作]
先ずは図11〜図13を用いて、この逆入力遮断クラッチの基本的な動作について説明する。図11〜図13において、ハウジング1内に潤滑剤110が充填されていないものとする。例えば、入力部材3に反時計方向(左方向)の回転駆動力がかかって反時計方向に回転すると、図11において入力係合片34、38が左方向に動き、入力係合片34の左側面Xaが出力係合片54の右側面Ya及び転動部材7に押し当てられて左方向に押す。このとき、転動部材7は入力係合片34の傾斜接触面34Gに押されて出力係合片54の先端面54aのほぼ中央に位置し、転動部材7とハウジング部材11の円筒状内壁面13との間には微小な空隙が存在する。したがって、前述したように、転動部材7が出力係合片54の先端面54aとハウジング部材11の円筒状部14の円筒状内壁面13との間に食い込むことはない。つまり、ロックされない。他の転動部材7も同様である。したがって、入力係合片34〜38が出力係合片54〜58と転動部材7とを押す形で反時計方向に回転し、出力部材5と転動部材7は入力部材3と一緒にハウジング1に対して自由に反時計方向に回転することができる。時計方向の回転についても全く同様である。このようにして入力部材3に加えられる回転駆動力は出力部材5に伝達される。
次に、図12に示すように、入力部材3及び出力部材5に回転力がかかっていない状態から、出力部材5だけに反時計方向の回転力が加えられるものとすると、出力係合片54は図面左方向に動く。このとき、転動部材7は実質的に動かないか、あるいは動いても僅かだけである。したがって、出力係合片54が図12において左方向に動くのに伴い、転動部材7は出力係合片54の先端面54aの図面右方向に位置するようになり、出力係合片54の先端面54aの右端側とハウジング部材11の円筒状内壁面13との間隙が狭くなる。
つまり、出力係合片54の先端面54aの中央に比べて端側では出力係合片54の先端面54aの端側とハウジング部材11の円筒状内壁面13との間隙が転動部材7の直径よりも狭くなろうとするので、転動部材7は出力係合片54の先端面54aとハウジング部材11の円筒状内壁面13との間に食い込み、出力係合片54の左端面Ybが入力係合片38の右端面Xbに接触する前にロック状態となる。他の出力係合片55〜58についても同様である。したがって、出力部材5はそれ以上回転できなくなり、出力部材5の出力係合片54〜58の左端面Ybが入力係合片34〜38右端面Xbに接触することはなく、出力部材5に加えられた回転力は入力部材3に伝達されない。このことは、出力部材5が時計方向に回転する場合にもまったく同様である。
次に、この逆入力遮断クラッチが図示しない機器に組み込まれた状態にあるものとしてその動作について説明する。例えば図示しない機器の一部又は物品による下方向の荷重(以下、負荷と言う。)によって、負荷の大きさは異なるものの、出力部材5に時計方向(右方向)の回転力が加えられているものとする。この状態で、入力部材3に加えられる回転駆動力が除去されると、入力部材3は停止する。しかし、出力部材5に時計方向の回転力が加えられているので、粘度の高い潤滑剤110が充填されていなければ、前述したように直ぐに転動部材7がロック状態に至る。つまり、入力部材3が回転を止めると、出力部材5も直ぐに停止し、その位置に不図示の機器の一部又は物品を保持する。
その後、入力部材3に前記負荷よりも大きい反時計方向(左方向)の回転駆動力がかけられると、図11で説明したのと同様に、入力部材3の入力係合片34〜38が出力部材5の出力係合片54〜58をそれぞれ反時計方向に押す。したがって、前記ロック状態を解除すると共に、入力部材3は負荷に逆らって出力部材5を反時計方向に回転させる。この場合には、前記図示しない機器の一部又は物品は上方向に動く。つまり、入力部材3の回転速度に従って、不図示の機器の一部又は物品は上昇することになる。
そしてある位置、例えば上限の位置で入力部材3にかけられていた回転駆動力が反転されて、出力部材5にかけられている回転力と同方向である時計方向の回転駆動力がかけられるものとする。入力部材3にかけられていた回転駆動力が反転するとき、瞬間的にでも入力部材3は一旦停止するが、出力部材5は時計方向に回転しようとするので、図12に示すように転動部材7は直ぐにロックされ、一旦、出力部材5も停止する。しかし、入力部材3が時計方向に回転を始めることにより、回転を始めている入力部材の入力係合片34〜38の右側面Xbが、図13に示すように出力部材5の出力係合片54〜58の左側面Ybを押すと共に、隣に位置する各出力係合片の右側の傾斜接触面(例えば38G)が転動部材7を時計方向に押すので、前記ロック状態が前記反転直後に解除される。したがって、入力部材3と出力部材5とは図11に示す位置関係で一緒に時計方向に回転し、出力部材5に結合されている不図示の機器の一部又は物品は、入力部材3の回転速度に従って下降することになる。つまり、バネ力が微弱であっても、比較的粘度の高い潤滑剤110がハウジング1内に充填されていない場合には、入力部材3の回転が反転した直後に、出力部材5のロックとロック解除が行われるので、出力部材5に結合されている不図示の機器の一部又は物品は問題のない安定な動作を行う。しかしこの場合には、潤滑剤110が存在しないので、入力部材3の回転時に騒音が発生したり、摩耗などが増える。
[粘度の高い潤滑剤110が充填され、バネ力が微弱なときの動作]
しかし、従来のようにバネ力が微弱なために転動部材7にかけられる押圧力が微弱であって、比較的粘度の高い潤滑剤110がハウジング1内に充填された場合には、入力部材3にかけられていた回転駆動力が出力部材5の回転方向と逆方向から同方向に反転するときに問題が生ずる。したがって、次にこの点について詳しく説明する。一般に粘度の高い潤滑剤は粘度の低い潤滑剤に比べて当然に粘着力が大きい。この実施例では潤滑剤として比較的粘度の高い潤滑剤110を用いているので、その粘着力が比較的大きい。例えば図11を用いて説明すると、同図には詳しく図示していないもの、潤滑剤110はハウジング1内における各部材の表面に付着している。回転駆動力の反転時に転動部材7のロック動作に影響を与えるのは、主に出力係合片54〜58の先端面(例えば54a)と転動部材7との間に付着している潤滑剤110、及び入力部材3の入力係合片34〜38の傾斜接触面(例えば34G)と転動部材7との間に付着している潤滑剤110である。
図11において、反時計方向に回転していた入力部材3が時計方向に反転するとき、入力部材3と出力部材5とは図11に示す位置関係から時計方向に回転を始める。このとき、従来のようにバネ力が微弱なために転動部材7にかけられる押圧力(与圧)が潤滑剤110の粘着力よりも小さいと、主に前述した2箇所に付着している潤滑剤110の粘着力によって、転動部材7は回転駆動力の反転時の位置にとどまることなく、入力係合片34〜38の左側の傾斜接触面(例えば34G)及び出力係合片54〜58の先端面(例えば54a)に接着したまま、図11に示した状態で入力係合片34〜38と出力係合片54〜58と一緒に時計方向に動く。つまり、ある短い期間、転動部材7は出力係合片54〜58の先端面(例えば54a)とハウジング部材11の円筒状内壁面13との間に食い込むことなく、つまりロック状態にならずにフリーな状態で動いてしまう。この状態のときには、出力部材5は入力部材3の回転速度に従って時計方向に回転し、これに伴い出力部材5に結合されている不図示の機器の一部又は物品は短い時間ではあるが降下する。
その後、転動部材7とハウジング部材11の円筒状内壁面13との間の接触抵抗や微弱なバネ力、及び入力部材3と出力部材5との時計方向の速度の違いなどによって、転動部材7が入力係合片34〜38の左側の傾斜接触面(例えば34G)から離れ、出力部材5の時計方向の回転によって、各転動部材7は出力係合片54〜58の先端面(例えば54a)とハウジング部材11の円筒状内壁面13との間に食い込んでロック状態となる(図12)。このとき、出力部材5は一瞬停止する。一例を述べると、入力部材3の回転駆動力が時計方向に反転した後、入力部材3と出力部材5と転動部材7とがほぼ1回転する前後にロック状態に至る。ロック状態になると、当然に出力部材5は停止し、それに結合されている不図示の機器の一部又は物品も停止する。
しかしながら他方では、そのロック状態に関係なく入力部材3は時計方向に回転駆動されているので、図13に示すように、その入力係合片34〜38の右側面Xbが出力部材5の出力係合片54〜58の左側面Ybを押すと共に、隣に位置する各出力係合片の右側の傾斜接触面(例えば38G)が転動部材7を時計方向に押す。これによって、ロック状態が解除され、各転動部材7はフリーになるので、出力部材5は入力部材3の時計方向の回転駆動力によって正常に時計方向に動き、図示しない機器の一部又は物品の下方向は入力部材3の回転速度による速度で下降することになる。ここで問題となるのは、入力部材3の回転駆動力が反転したとき、瞬時に転動部材7がロック状態にならないということにある。このことは、入力部材3が停止している状態から、出力部材5の回転方向と同方向に回転を開始するときも同様である。
つまり、入力部材3の回転駆動力が反転されてから、正常な動作になるまでに遅れ時間があり、入力部材3が時計方向に動いている途中で出力部材5がロックされて一旦停止し、その直後にロック状態が解除されて出力部材5が回転するので、入力部材3の回転駆動力が反転された直後の出力部材5の動作が不安定になる。この動作の不安定性は、短い時間ではあるが、図示しない機器の一部又は物品が下方向に降下した後に、転動部材7のロック状態によって一旦停止するという好ましくない動作をさせ、また、このとき衝撃音(衝突音)や振動を発生する。
[粘度の高い潤滑剤110が充填され、バネ力が大きなときの動作]
本発明はこのような問題点を解決し得る。図10に関連して詳述したように、バネ部材9が中心軸線Z3(図9)の方向、つまり入力軸部31及び出力軸部51(図1)の方向に所定の大きな押圧力(与圧)をそれぞれの転動部材7に与えているので、入力部材3の回転駆動力が時計方向に反転されたとき、潤滑剤110の粘着力による影響を受けることなく、入力部材3が反転したときの位置に転動部材7をとどまらせる。図11を用いて説明すると、図示の位置で入力部材3の回転駆動力が時計方向に反転し、入力部材3の入力係合片34〜38が時計方向に動いても、バネ部材9の押圧力によって潤滑剤110の粘着力に影響されずに、各転動部材7は図11に示す位置、つまり入力部材3の反転時の位置にとどまる。つまり、バネ部材9が転動部材7に対して与える中心軸線Z3(図9)の方向の押圧力(与圧)は、潤滑剤110の粘性による転動部材7の回転方向の粘着力に勝る。
したがって、前述したこの入出力遮断クラッチの正常な動作と同様に、入力部材3の回転駆動力が時計方向に反転されたとほぼ同時に、出力部材5にかかっている回転力によって、出力部材5の出力係合片54〜58が時計方向に動くから、その動きによって転動部材7は出力係合片54〜58の先端面(例えば54a)とハウジング部材11の円筒状内壁面13との間に食い込んでロック状態となる(図12)。これとほぼ同時に、回転駆動力によって回転を始めている入力部材の入力係合片34〜38の右側面Xbが、図13に示すように出力部材5の出力係合片54〜58の左側面Ybを押すと共に、隣に位置する各出力係合片の右側の傾斜接触面(例えば38G)が転動部材7を時計方向に押すので、前記ロック状態が即座に解除される。したがって、入力部材3の回転駆動力が時計方向に反転されたとほぼ同時に、極めて短い時間で出力部材5のロックとロック状態の解除の双方が行われるので、図示しない機器の一部又は物品の下方向にスムーズに降下し、衝撃音や振動を発生しない。この動作は、入力部材3が停止している状態から、出力部材5の回転方向と同方向に回転を開始するときも同様である。
なお、以上述べた実施形態1では、入力部材3の入力係合片、及び出力部材5の出力係合片をそれぞれ5個として説明してきたが、出力係合片は1個でもよく、この場合には、入力部材3が1個の出力係合片に適合する1個の空間を形成する2個の入力係合片を有し、ハウジングの円筒状内壁面13と入力部材3とにより形成される空間に1個の出力係合片、1個の転動部材、及びこの転動部材に弾性力を与えるバネ部材を備えればよい。つまり、出力部材から入力部材に回転駆動力が与えられたときに1個の転動部材が1個の出力係合片とハウジングの円筒状内壁面13に食い込めばよい。更に、出力係合片は2個ないし4個、あるいは6個以上が等間隔に配置されてもよい。転動部材7がボールの場合であっても前述と同様に動作する。
また、各出力係合片の右側の傾斜接触面(例えば38G)の傾斜は図示とは逆であってもよく、特に傾斜角度を限定するものではない。なお、この入出力遮断クラッチに潤滑剤が充填されていない場合、あるいは粘度の低い潤滑剤が充填されている場合でも前述と同様に動作するので、本発明は潤滑剤が充填されていない逆入力遮断クラッチ、あるいは粘度の低い潤滑剤が充填されている逆入力遮断クラッチにとっても有用である。
プリンタの排紙機構のトレーを上下に移動させる機構、又は出力側である種々の機器側から入力側に力が加えられる可能性のある種々の回転機構などに適用できる。
1・・・ハウジング
11・・・ハウジング部材
12・・・蓋部
13・・・円筒状内壁面
14・・・ハウジング部材11の円筒状部
15・・・ハウジング部材11の側壁部
16・・・側壁部15の貫通孔
17・・・側壁部15の導出部
3・・・入力部材
31・・・入力軸部
32・・・入力係合部
33・・・入力共通部
34〜38・・・入力係合片
34G・・・入力係合片34の傾斜接触面
38G・・・入力係合片38の傾斜接触面
A・・・入力係合片の円弧状外壁面
B・・・入力係合片の円弧状内壁面
C・・・入力係合片の凹状外壁面
5・・・出力部材
51・・・出力軸部
52・・・出力係合部
53・・・出力共通部
54〜58・・・出力係合片
54a・・・出力係合片54の先端面
7・・・転動部材
9・・・バネ部材
91、92・・・第1、第2の環状板
93・・・環状弾性部材
94・・・バネ部材9の穴
100・・・環状の金属板
110・・・潤滑剤
Xa・・・入力係合片の左端面
Xb・・・入力係合片の右端面
Ya・・・出力係合片の右端面
Yb・・・出力係合片の左端面
Z1・・・入力軸の中心軸線
Z2・・・出力軸5の中心軸線
Z3・・・バネ部材9の中心軸線

Claims (2)

  1. 入力部材と出力部材と転動部材とこれら部材を収納するハウジングとを備え、
    前記入力部材は、入力軸部と該入力軸部の一端に位置する入力係合部とを有し、
    該入力係合部は、前記入力軸部の中心を通って軸方向に延びる中心軸線に対して放射方向に一定間隔で延びると共に、前記中心軸線の方向に所定の厚みを有する複数の入力係合片を有し、
    前記出力部材は、前記中心軸線と同じ中心軸線をもつ出力軸部と該出力軸部の一端側に位置する出力係合部とを有し、
    該出力係合部は、前記中心軸線に対して放射方向に延びると共に、前記中心軸線の方向に所定の厚みを有する1個以上の出力係合片を有し、
    前記ハウジング内において前記入力係合片と前記出力係合片とが互いに係合され、
    前記転動部材は、前記ハウジングの円筒状内壁面と前記出力係合片の前記放射方向の先端面と前記入力係合片との間に備えられ、
    前記入力部材に回転駆動力が加わるときには、前記入力係合片と前記出力係合片とが直接係合して一緒に回転することによって、前記回転駆動力は前記出力部材に伝達され、また、前記出力部材に外力が加えられるときには前記転動部材が前記ハウジングの前記円筒状内壁面と前記出力係合片の前記先端面との間に食い込むことにより前記外力を前記入力部材に伝達しない逆入力遮断クラッチであって、
    前記中心軸線の方向の押圧力を前記転動部材に付与する環状のバネ部材を、少なくとも前記ハウジングの側壁部と前記転動部材との間、又は前記ハウジングを閉じる蓋部と前記転動部材との間に備え、
    外部から前記出力部材に外力が加えられている状態で、前記入力部材が回転又は停止している状態から、前記入力部材が前記外力によって生じる前記出力部材の回転方向と同方向に回転を開始するとき、前記バネ部材が前記出力部材の回転の開始寸前の位置に前記転動部材をとどめることにより、前記転動部材が時間遅れなく前記ハウジング部材の前記円筒状内壁面と前記出力部材の先端面との間に食い込むロック状態になり、前記入力部材の回転開始に伴い前記ロック状態になった直後にロック状態が解除されて前記入力部材と一緒に前記出力部材が回転することを特徴とする逆入力遮断クラッチ。
  2. 入力部材と出力部材と転動部材とこれら部材を収納するハウジングとを備え、
    前記入力部材は、入力軸部と該入力軸部の一端に位置する入力係合部とを有し、
    該入力係合部は、前記入力軸部の中心を通って軸方向に延びる中心軸線に対して放射方向に一定間隔で延びると共に、前記中心軸線の方向に所定の厚みを有する複数の入力係合片を有し、
    前記出力部材は、前記中心軸線と同じ中心軸線をもつ出力軸部と該出力軸部の一端側に位置する出力係合部とを有し、
    該出力係合部は、前記中心軸線に対して放射方向に延びると共に、前記中心軸線の方向に所定の厚みを有する1個以上の出力係合片を有し、
    前記ハウジング内において前記入力係合片と前記出力係合片とが互いに係合され、
    前記転動部材は、前記ハウジングの円筒状内壁面と前記出力係合片の前記放射方向の先端面と前記入力係合片との間に備えられ、
    前記入力部材に回転駆動力が加わるときには、前記入力係合片と前記出力係合片とが直接係合して一緒に回転することによって、前記回転駆動力は前記出力部材に伝達され、また、前記出力部材に外力が加えられるときには前記転動部材が前記ハウジングの前記円筒状内壁面と前記出力係合片の前記先端面との間に食い込むことにより前記外力を前記入力部材に伝達しない逆入力遮断クラッチであって、
    前記中心軸線の方向の押圧力を前記転動部材に付与する環状のバネ部材を、少なくとも前記ハウジングの側壁部と前記転動部材との間、又は前記ハウジングを閉じる蓋部と前記転動部材との間に備え、
    前記ハウジング部材の内部には、空間が存在するように適度の量の比較的粘度の高い潤滑剤が充填されており、
    前記バネ部材が前記転動部材に付与する前記押圧力は、前記潤滑剤の粘着力によって前記転動部材の動作が影響されない以上の大きさであることを特徴とする逆入力遮断クラッチ。
JP2009138697A 2009-06-09 2009-06-09 逆入力遮断クラッチ Active JP5185209B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009138697A JP5185209B2 (ja) 2009-06-09 2009-06-09 逆入力遮断クラッチ
CN 201010192037 CN101922523B (zh) 2009-06-09 2010-06-03 逆向输入断开离合器
HK11103619.2A HK1149599A1 (en) 2009-06-09 2011-04-11 Reverse input breaking clutch

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009138697A JP5185209B2 (ja) 2009-06-09 2009-06-09 逆入力遮断クラッチ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010286016A JP2010286016A (ja) 2010-12-24
JP5185209B2 true JP5185209B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=43337642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009138697A Active JP5185209B2 (ja) 2009-06-09 2009-06-09 逆入力遮断クラッチ

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP5185209B2 (ja)
CN (1) CN101922523B (ja)
HK (1) HK1149599A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5458118B2 (ja) * 2012-01-11 2014-04-02 オリジン電気株式会社 逆入力遮断クラッチ
JP5584240B2 (ja) * 2012-02-27 2014-09-03 オリジン電気株式会社 逆入力遮断クラッチ
JP5706591B2 (ja) * 2012-08-29 2015-04-22 株式会社ミツバ 動力伝達装置及びクラッチ装置及び駆動装置
JP5645900B2 (ja) * 2012-10-16 2014-12-24 オリジン電気株式会社 逆入力遮断クラッチ
JP6030017B2 (ja) * 2013-04-12 2016-11-24 株式会社ミツバ クラッチ機構、およびクラッチ付きモータ
WO2016129587A1 (ja) * 2015-02-12 2016-08-18 並木精密宝石株式会社 ロボットハンド
JP6602070B2 (ja) * 2015-06-26 2019-11-06 キヤノン株式会社 シート給送装置及びこれを備えた読取装置並びに画像形成装置
JP2018204785A (ja) * 2017-01-11 2018-12-27 キヤノン株式会社 クラッチ、駆動伝達装置、および画像形成装置
EP3354924B1 (en) 2017-01-11 2020-07-01 Canon Kabushiki Kaisha Clutch, drive transmission device and image forming apparatus
US11339839B2 (en) * 2017-08-01 2022-05-24 Nsk Ltd. Reverse input shutoff clutch, electric valve timing adjustment device, variable compression ratio device, and electric power steering device
CN112189100B (zh) * 2018-05-07 2022-09-13 日本精工株式会社 逆向输入断开离合器以及促动器

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5939330U (ja) * 1982-09-06 1984-03-13 三菱電機株式会社 オ−バランニングクラツチ
JP2886699B2 (ja) * 1991-02-22 1999-04-26 エヌティエヌ株式会社 回転伝達装置
JP2001107988A (ja) * 1999-10-14 2001-04-17 Koyo Seiko Co Ltd クラッチ装置
JP2001208102A (ja) * 2000-01-21 2001-08-03 Ntn Corp 逆入力防止クラッチおよび全自動洗濯機
EP1239178B1 (en) * 2001-03-08 2004-12-15 Ntn Corporation Reverse input blocking clutch
US6871735B2 (en) * 2001-06-26 2005-03-29 Ntn Corporation Reverse-input shutoff clutch and rotation drive device
JP2004270877A (ja) * 2003-03-11 2004-09-30 Ntn Corp クラッチユニット
JP4621156B2 (ja) * 2006-03-08 2011-01-26 オリジン電気株式会社 逆入力遮断クラッチ
JP4850653B2 (ja) * 2006-10-19 2012-01-11 オリジン電気株式会社 双方向クラッチ
JP2008128329A (ja) * 2006-11-20 2008-06-05 Ntn Corp トルクリミッタ

Also Published As

Publication number Publication date
CN101922523A (zh) 2010-12-22
CN101922523B (zh) 2013-03-06
HK1149599A1 (en) 2011-10-07
JP2010286016A (ja) 2010-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5185209B2 (ja) 逆入力遮断クラッチ
JP6108776B2 (ja) 回転伝達装置
EP2770225B1 (en) Damping device
WO2014119369A1 (ja) 回転伝達装置
EP2615323A1 (en) Electric direct-acting actuator and electric disc brake device
KR20010112650A (ko) 평면 래칫 단방향 클러치
JP2017227302A (ja) 遊星歯車機構を利用したクラッチ
JP2017020612A (ja) 逆入力遮断クラッチ
JP6077870B2 (ja) ハイブリッド変速機
JP5145420B2 (ja) 駆動装置
JP4647203B2 (ja) 逆入力遮断クラッチ
WO2017164400A1 (ja) ブレーキ付モータおよびアクチュエータ
KR101757209B1 (ko) 모터 클러치를 구비한 기어드 모터
JP6356892B1 (ja) 小型構造の逆入力遮断クラッチ
JP2009036341A (ja) プーリユニット
US9709104B2 (en) Mechanically disengaging overrunning clutch
JP2003161352A (ja) 遊星ローラ式変速機
JP3799950B2 (ja) 遊星歯車装置
JP3219909U (ja) 減速機
TWI558932B (zh) Attenuating device
KR20000062508A (ko) 2 방향 차동 클러치
JP2006349066A (ja) 直動装置
JP3166978U (ja) 非可逆装置
JP6182709B2 (ja) 軸力起因型トルク伝達装置
JP2006057802A (ja) 逆入力遮断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5185209

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250