JP5161630B2 - 検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は赤外線検出手段と加熱手段とを用いて検査対象物の表面近傍に亀裂等の欠陥が生じているか否かを検査する検査方法に関する。
機器類などの検査対象物の健全性評価のために、染色浸透探傷法(PT)、磁粉探傷法(MT)、渦電流探傷法(ECT)、超音波探傷法(UT)等の検査方法によって、前記検査対象物の検査が行われている。しかし、これらの検査方法は検査対象物に接触して検査をする方法であるため、検査対象物の表面状態(温度、粗さ、形状)等によっては、当該検査対象物の検査への適用が困難な場合がある。
一方、検査対象物の表面温度を赤外線検出装置(検出素子)等で計測することによって、検査対象物の表面近傍の欠陥(亀裂等)を検出する方法も広く知られている。また、赤外線検出装置(検出素子)で検査対象物の表面温度を計測する際に、当該検査対象物の表面を加熱又は冷却することによって検出性能の向上を図る方法も広く知られており、この場合の加熱手段としてはレーザー、ランプ、ヒーター等が知られている。
そして、加熱手段としてレーザーを用いることにより、検査対象物の表面に非接触で欠陥検査を行うことができる、フォトサーマルカメラと呼ばれる検査装置が存在する。この検査装置では赤外線検出装置(検出素子)とレーザービームが検査対象物の表面上を走査する。このときにレーザービームを検査対象物の表面に照射することにより、検査対象物の表面を加熱し、赤外線検出装置(検出素子)ではレーザーよって加熱された検査対象物の表面温度(表面からの輻射熱)を計測する。かくして検査対象物の表面温度データ(温度分布データ)が得られ、この表面温度データに基づいて検査対象物の表面近傍の欠陥(亀裂等)を検出することができる。
そして更には、赤外線検出装置(検出素子)とレーザーの走査を往復させることにより(即ち前進走査と後進走査を行うことにより)、前進走査データである第1の表面温度データと、後進走査データである第2の表面温度データとを得た後、前記第2の表面温度データから前記第1の表面温度データを減算して第3の表面温度データを得ることにより、検査対象物の表面付着物や汚れなどのノイズ要因に起因するノイズ信号を低減させるという工夫もなされている(図3(a)及び図4(a)参照:詳細後述)。
特開平4−331360号公報
しかしながら、上記従来の減算による検査方法では、検査対象物の表面状態(荒さ、汚れ、付着物、濡れ等の状態)によってはノイズ信号を十分に低減することがでずに欠陥検知信号とノイズ信号を明確に区別することが困難な場合があった。この場合には、検査対象物の表面近傍に欠陥(亀裂等)があっても、当該欠陥を確実に検出することが困難である。
従って本発明は上記の事情に鑑み、検査対象物の表面状態によらず、表面温度データに含まれている欠陥検知信号とノイズ信号の区別を明確することでき、確実に欠陥(亀裂等)を検出することができる検査方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する発明の検査方法は、赤外線検出手段と加熱手段とを用いて検査対象物の表面上を走査することにより、前記検査対象物の表面近傍を検査する検査方法において、
前記加熱手段で前記検査対象物の表面を加熱せずに、前記赤外線検出手段で前記検査対象物の表面温度を計測して、加熱前の第1の表面温度データを得る第1の走査を行い、
この第1の表面温度データに応じて、温度の高い走査位置では前記加熱手段の出力を下げ、温度の低い走査位置では前記加熱手段の出力を上げるように前記加熱手段の出力を変化させつつ、前記加熱手段で前記検査対象物の表面を加熱しながら、この検査対象物の表面温度を前記赤外線検出手段で計測して、加熱後の第2の表面温度データを得る第2の走査を行うことを特徴とする。
発明の検査方法によれば、赤外線検出手段と加熱手段とを用いて検査対象物の表面上を走査することにより、前記検査対象物の表面近傍を検査する検査方法において、前記加熱手段で前記検査対象物の表面を加熱せずに、前記赤外線検出手段で前記検査対象物の表面温度を計測して、加熱前の第1の表面温度データを得る第1の走査を行い、この第1の表面温度データに応じて、温度の高い走査位置では前記加熱手段の出力を下げ、温度の低い走査位置では前記加熱手段の出力を上げるように前記加熱手段の出力を変化させつつ、前記加熱手段で前記検査対象物の表面を加熱しながら、この検査対象物の表面温度を前記赤外線検出手段で計測して、加熱後の第2の表面温度データを得る第2の走査を行うことを特徴としているため、検査対象物の表面に欠陥(亀裂等)と、付着物や汚れなどのノイズ要因とがあっても、第2の表面温度データでは、ノイズ信号が十分に低減され、欠陥検知信号とノイズ信号との区別が明確になる。従って、例えば所定の閾値と第2の表面温度データとを比較し、第2の表面温度データに前記閾値以上の信号が含まれているか否かを判定することによって、確実に第2の表面温度データに欠陥(亀裂等)に起因する欠陥検知信号が含まれていると判断することができる。即ち、欠陥(亀裂等)を確実に検出することができる。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
参考例1及び実施の形態例>
図1は本発明の参考例及び実施の形態例に係る検査方法を実施するための検査装置の概要を示す図、図2は前記検査方法の説明図であって、(a)には信号処理内容のイメージ図を示し、(b)には信号処理内容を示す波形図を示す。
図1に示す表面検査装置はフォトサーマルカメラと呼ばれる装置であり、赤外線検出手段としての赤外線検出装置(検出素子)1と、加熱手段としてのレーザー2と、信号処理装置3と、図示しないアクチュエータとを備えている。この表面検査装置のハード的な構成自体は従来のものと同様である。赤外線検出装置(検出素子)1とレーザー2は機器類などの検査対象物4に非接触で対向して配置され、アクチュエータに駆動されて図1中に矢印で示す如く往復移動することにより、検査対象物4の表面4a上を往復走査すること(前進走査Fと後進走査Bとを行うこと)ができるようになっている。図1には検査対象物4の表面4aに欠陥(亀裂等)6が生じている状態を示している。なお、往復走査(前進走査F,後進走査B)を行う際、図示例の如く赤外線検出装置(検出素子)1とレーザー2を直線的に移動させるのではなく、赤外線検出装置(検出素子)1とレーザー2を回動軸回りに回動させる(即ち首振り動作をさせる)ようにしてもよい。
走査時にレーザー2ではレーザービーム2aを出射し、このレーザービーム2aが反射ミラー5a,5bを介して検査対象物4の表面aに照射されることより、当該表面4aが加熱される。走査時に赤外線検出装置(検出素子)1では検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を計測して、表面温度データ(表面温度分布データ)を得る。そして、信号処理装置3では赤外線検出装置(検出素子)1によって得られた表面温度データを処理して、当該表面温度データに含まれる欠陥検知信号とノイズ信号とが明確に区別できるようにして、欠陥6を検出する。
この検査方法を図2に基づいて詳述する。図2(a)及び図2(b)に示すように、第1の走査である前進走査Fを行って、加熱前データである第1の表面温度データD1を得た後、第2の走査である後進走査Bを行って、加熱後データである第2の表面温度データD2を得る。即ち、前進走査Fでは、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱すること(レーザービーム2aを表面4aに照射すること)はせずに、この加熱前の検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱前の第1の表面温度データD1(表面温度分布データ)を得る。後進走査Bでは、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱(レーザービーム2aを表面4aに照射)しながら、この加熱された検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第2の表面温度データD2(表面温度分布データ)を得る。
検査対象物4の表面4aに表面付着物や汚れなどのノイズ要因や欠陥6があっても、加熱前の第1の表面温度データD1には、欠陥6に起因する欠陥検知信号は表れず、ノイズ要因に起因するノイズ信号ND1だけが含まれることになる。一方、検査対象物4の表面4aに表面付着物などのノイズ要因と欠陥6とがある場合、加熱後の第1の表面温度データD2には、欠陥6に起因する欠陥検知信号KD2と、ノイズ要因に起因するノイズ信号ND2とが含まれることになる。
欠陥検知信号KD2が得られる理由は次のとおりである。即ち、図1の後進走査Bにおいてレーザー2で検査対象物4の表面4aを加熱した場合、通常は検査対象物4の表面4aに熱伝導が生じるが、欠陥6の部分では熱伝導が遮断されるために欠陥6の縁部8に熱が蓄積されて当該縁部8の温度(輻射熱)が高くなる。従って、この欠陥6の縁部8の温度が赤外線検出装置(検出素子)1で計測されることによって欠陥検知信号KD2が得られる。なお、同様に、図1の前進走査Fにおいて、レーザー2で検査対象物4の表面4aを加熱した場合には、欠陥6の部分で熱伝導が遮断されるために欠陥6の縁部7に熱が蓄積されて当該縁部7の温度(輻射熱)が高くなるため、この欠陥6の縁部7の温度が赤外線検出装置(検出素子)1で計測されることによって欠陥検知信号が得られる。
そして、信号処理装置3では、加熱後の第2の表面温度データD2から、加熱前の第1の表面温度データD1を減算することにより、第3の表面温度データD3を得る。この第3の表面温度データD3では、前記減算によってノイズ信号ND3が十分に低減されるため、欠陥検知信号KD2に相当する欠陥検知信号KD3と、ノイズ信号ND3との区別が明確になる。従って、例えば所定の閾値S1と第3の表面温度データD3とを比較し、第3の表面温度データD3に閾値S1以上の信号が含まれているか否かを判定することによって、確実に第3の表面温度データD3に欠陥6に起因する欠陥検知信号KD3が含まれていると判断することができる。即ち、欠陥6を確実に検出することができる。
そして、本発明の実施の形態例に係る検査方法では、図示は省略するが、上記のような減算方法の代わりに、第2の走査(後進走査B)において、第1の走査(前進走査F)で得られた第1の表面温度データD1に応じて、レーザー1の出力をレーザー出力調整手段で調整する。この場合、第2の走査(後進走査B)では、第1の表面温度データD1に応じてレーザー2の出力を変化させつつ、レーザー2で検査対象物4の表面4aを加熱しながら、この検査対象物4の表面4aの温度を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第2の表面温度データを得る。具体的には、第1の表面温度データD1に応じて、温度の高い走査位置(検査対象物4の表面4a上の位置)ではレーザー2の出力を下げ、温度の低い走査位置ではレーザー2の出力を上げる。
この場合の第2の表面温度データでも、上記減算方法による第3の表面温度データD3の場合と同様、ノイズ信号が十分に低減されるため、欠陥検知信号とノイズ信号との区別が明確になる。従って、この場合も、例えば上記と同様に所定の閾値と第2の表面温度データとを比較し、第2の表面温度データに前記閾値以上の信号が含まれているか否かを判定することによって、確実に第2の表面温度データに欠陥6に起因する欠陥検知信号が含まれていると判断することができる。即ち、欠陥6を確実に検出することができる。
以上のように、本参考例の検査方法によれば、赤外線検出装置(検出素子)1とレーザー2とを用いて検査対象物4の表面a上を走査することにより、検査対象物4の表面4a近傍(表面4a近傍に欠陥6(亀裂等)生じているか否か)を検査する検査方法において、レーザー6で検査対象物4の表面4aを加熱せずに、赤外線検出装置(検出素子)1で検査対象物4の表面温度を計測して、加熱前の第1の表面温度データD1を得る第1の走査(前進走査F)と、レーザー2で検査対象物4の表面4aを加熱しながら、この検査対象物4の表面温度を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第2の表面温度データD2を得る第2の走査(後進走査B)とを行い、第2の表面温度データD2から、第1の表面温度データD1を減算することにより、第3の表面温度データD3を得ることを特徴としているため、第2の表面温度データD2に欠陥検知信号KD2とノイズ信号ND2が含まれていても、第3の表面温度データD3では、前記減算によってノイズ信号ND3が十分に低減されて、欠陥検知信号KD3とノイズ信号ND3との区別が明確になる。このため、確実に第3の表面温度データD3に欠陥6に起因する欠陥検知信号KD3が含まれていると判断することができ、欠陥6を確実に検出することができる。
また、本実施の形態例の検査方法によれば、赤外線検出装置(検出素子)1とレーザー2とを用いて検査対象物4の表面4a上を走査することにより、検査対象物4の表面4a近傍(表面4a近傍に欠陥6(亀裂等)生じているか否か)を検査する検査方法において、レーザー2で検査対象物4の表面4aを加熱せずに、赤外線検出装置(検出素子)1で検査対象物4の表面温度を計測して、加熱前の第1の表面温度データD1を得る第1の走査(前進走査F)を行い、この第1の表面温度データD2に応じてレーザー2の出力を変化させつつ、レーザー2で検査対象物4の表面aを加熱しながら、この検査対象物4の表面温度を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第2の表面温度データを得る第2の走査(後進走査B)を行うことを特徴としているため、検査対象物4の表面4aに欠陥6(亀裂)と、付着物や汚れなどのノイズ要因とがあっても、第2の表面温度データでは、ノイズ信号が十分に低減されて、欠陥検知信号とノイズ信号との区別が明確になる。このため、確実に第2の表面温度データに欠陥6に起因する欠陥検知信号が含まれていると判断することができ、欠陥6を確実に検出することができる。
参考例2>
図3(a)は従来の検査方法であって欠陥(亀裂等)が比較的浅い場合の説明図、図3(b)は本発明の参考例2に係る検査方法であって欠陥(亀裂等)が比較的浅い場合の説明図である。また、図4(a)は従来の検査方法であって欠陥(亀裂等)が比較的深い場合の説明図、図4(b)は本発明の参考例2に係る検査方法であって欠陥(亀裂等)が比較的深い場合の説明図である。
なお、本参考例2においても、表面検査装置の構成については上記参考例1及び実施の形態1と同様であるため、図1を参照することとし、ここでの図示及び詳細な説明は省略する。
まず、図3(a)及び図4(a)に基づき、図1に示す表面検査装置を用いて従来の検査方法を行う場合について説明する。
欠陥6が比較的浅い場合について説明すると、図3(a)に示すように、第1の走査である前進走査Fを行って、前進走査データである第1の表面温度データD11を得た後、第2の走査である後進走査Bを行って、後進走査データである第2の表面温度データD12を得る。即ち、前進走査Fでは、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱(レーザービーム2aを表面4aに照射)しながら、この加熱された検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第1の表面温度データD11(表面温度分布データ)を得る。後進走査Bでも、同様に、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱(レーザービーム2aを表面4aに照射)しながら、この加熱された検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第2の表面温度データD12(表面温度分布データ)を得る。
検査対象物4の表面4aに表面付着物や汚れなどのノイズ要因と欠陥6とがある場合、第1の表面温度データD11には、欠陥6に起因する欠陥検知信号KD11と、ノイズ要因に起因するノイズ信号ND11とが含まれることになり、第2の表面温度データD12にも、欠陥6に起因する欠陥検知信号KD12と、ノイズ要因に起因するノイズ信号ND12とが含まれることになる。
そして、信号処理装置3では、第1の表面温度データD11から、第2の表面温度データD12を減算することにより、第3の表面温度データD13を得る。この第3の表面温度データD13では、前記減算によってノイズ信号ND13が十分に低減される一方、多少の欠陥検知信号KD13が残る。これは前進走査時のノイズ信号ND11と後進走査時のノイズ信号ND12の発生位置は一致する一方、前進走査時の欠陥検知信号KD11と後進走査時のKD12の発生位置は、図1に示すように前進走査時と後進走査時とで蓄熱位置(縁部7,8)が異なることにより、多少ずれるためである。しかしながら、かかる減算を行っても、前述のとおり検査対象物4の表面状態によってはノイズ信号ND13が十分に低減されないことがあり、また、欠陥検知信号KD13も小さなものであるため、欠陥検知信号KD13とノイズ信号ND13を明確に区別することが困難な場合があった。
欠陥6が比較的深い場合ついて説明すると、図4(a)に示すように、第1の走査である前進走査Fを行って、前進走査データである第1の表面温度データD21を得た後、第2の走査である後進走査Bを行って、後進走査データである第2の表面温度データD22を得る。即ち、前進走査Fでは、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱(レーザービーム2aを表面4aに照射)しながら、この加熱された検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第1の表面温度データD21(表面温度分布データ)を得る。後進走査Bでも、同様に、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱(レーザービーム2aを表面4aに照射)しながら、この加熱された検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第2の表面温度データD22(表面温度分布データ)を得る。
検査対象物4の表面4aに表面付着物や汚れなどのノイズ要因と欠陥6とがある場合、第1の表面温度データD21には、欠陥6に起因する欠陥検知信号KD21と、ノイズ要因に起因するノイズ信号ND21とが含まれることになり、第2の表面温度データD22にも、欠陥6に起因する欠陥検知信号KD22と、ノイズ要因に起因するノイズ信号ND22とが含まれることになる。欠陥6が深い場合には、欠陥検知信号KD21は、前進走査方向の上流側で大きく増加し下流側で大きく減少するような信号となり、欠陥検知信号KD22は、後進走査方向の上流側で大きく増加し下流側で大きく減少するような信号となる。このため、前進走査時の欠陥検知信号KD21と後進走査時の欠陥検知信号KD22は、増加位置と減少位置が逆の関係になる。一方、前進走査時のノイズ信号ND21と後進走査時のノイズ信号ND22は何れも増加しており、発生位置も一致する。
そして、信号処理装置3では、第1の表面温度データD21において所定の第1の基準値K1よりも大きなデータを正、第1の基準値K1よりも小さなデータを負とし、且つ、第2の表面温度データD22において所定の第2の基準値K2よりも大きなデータを正、第2の基準値K2よりも小さなデータを負とした後、第1の表面温度データD21から、第2の表面温度データD22を減算することにより、第3の表面温度データD23を得る。なお、基準値K1,K2は前進走査時の検査対象物4の表面温度の平均値と、後進走査時の検査対象物4の表面温度の平均値であり、例えば第1の表面温度データD21の平均値と第2の表面温度データD22の平均値であってもよく、予め実験や解析などを行って推定した前進走査時の検査対象物4の表面温度の平均値と、後進走査時の検査対象物4の表面温度の平均値であってもよい。
第3の表面温度データD13では、前記減算によってノイズ信号ND23が十分に低減される一方、大きな欠陥検知信号KD23が残るため、欠陥検知信号KD23とノイズ信号ND23との区別が明確になる。従って、例えば所定の閾値と第3の表面温度データD23とを比較し、第3の表面温度データD23に閾値以上の信号が含まれているか否かを判定することによって、第3の表面温度データD23に欠陥6に起因する欠陥検知信号KD23が含まれていると判断することができる。しかしながら、かかる減算を行っても、前述のとおり検査対象物4の表面状態によってはノイズ信号ND23が十分に低減されないことがあり、欠陥検知信号KD23とノイズ信号ND23を明確に区別することが困難な場合があった。
次に、図3(b)及び図4(b)に基づき、図1に示す表面検査装置を用いて本参考例2の検査方法を行う場合について説明する。
欠陥6が比較的浅い場合ついて説明すると、図3(b)に示すように、第1の走査である前進走査Fを行って、前進走査データである第1の表面温度データD14を得た後、第2の走査である後進走査Bを行って、後進走査データである第2の表面温度データD15を得る。即ち、前進走査Fでは、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱(レーザービーム2aを表面4aに照射)しながら、この加熱された検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第1の表面温度データD14(表面温度分布データ)を得る。後進走査Bでも、同様に、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱(レーザービーム2aを表面4aに照射)しながら、この加熱された検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第2の表面温度データD15(表面温度分布データ)を得る。
検査対象物4の表面4aに表面付着物などのノイズ要因と欠陥6とがある場合、第1の表面温度データD14には、欠陥6に起因する欠陥検知信号KD14と、ノイズ要因に起因するノイズ信号ND14とが含まれることになり、第2の表面温度データD15にも、欠陥6に起因する欠陥検知信号KD15と、ノイズ要因に起因するノイズ信号ND15とが含まれることになる。
そして、信号処理装置3では、第1の表面温度データD14と、第2の表面温度データD15とを乗算することにより、第3の表面温度データD16を得る。ノイズ信号ND14,15に比べて、蓄熱量の大きな欠陥6の縁部7,8に起因する欠陥検知信号KD14,15の方が大きな値となるため、第3の表面温度データD16では、比較的小さなノイズ信号ND14,16同士の乗算結果として得られるノイズ信号ND16比べて、比較的大きな欠陥検知信号KD14,16同士の乗算結果として得られる欠陥検知信号KD16の方が非常に大きな値となる。このため、第3の表面温度データD16では、欠陥検知信号KD16とノイズ信号ND16との区別が明確になる。従って、例えば所定の閾値S2と第3の表面温度データD16とを比較し、第3の表面温度データD16に閾値S2以上の信号が含まれているか否かを判定することによって、確実に第3の表面温度データD16に欠陥6に起因する欠陥検知信号KD16が含まれていると判断することができる。即ち、欠陥6を確実に検出することができる。
欠陥6が比較的深い場合ついて説明すると、図4(b)に示すように、第1の走査である前進走査Fを行って、前進走査データである第1の表面温度データD24を得た後、第2の走査である後進走査Bを行って、後進走査データである第2の表面温度データD25を得る。即ち、前進走査Fでは、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱(レーザービーム2aを表面4aに照射)しながら、この加熱された検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第1の表面温度データD24(表面温度分布データ)を得る。後進走査Bでも、同様に、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱(レーザービーム2aを表面4aに照射)しながら、この加熱された検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第2の表面温度データD25(表面温度分布データ)を得る。
検査対象物4の表面4aに表面付着物や汚れなどのノイズ要因と欠陥6とがある場合、第1の表面温度データD24には、欠陥6に起因する欠陥検知信号KD24と、ノイズ要因に起因するノイズ信号ND24とが含まれることになり、第2の表面温度データD25にも、欠陥6に起因する欠陥検知信号KD25と、ノイズ要因に起因するノイズ信号ND25とが含まれることになる。前述のとおり、欠陥6が深い場合、欠陥検知信号KD24は前進走査方向の上流側で大きく増加し下流側で大きく減少するような信号となり、欠陥検知信号KD25は後進走査方向の上流側で大きく増加し下流側で大きく減少するような信号となる。このため、前進走査時の欠陥検知信号KD24と後進走査時の欠陥検知信号KD25は、増加位置と減少位置が逆の関係になる。一方、前進走査時のノイズ信号ND24と後進走査時のノイズ信号ND25は何れも増加しており、発生位置も一致する。
そして、信号処理装置3では、第1の表面温度データD24において所定の第1の基準値K3よりも大きなデータを正、第1の基準値K3よりも小さなデータを負とし、且つ、第2の表面温度データD25において所定の第2の基準値K4よりも大きなデータを正、第2の基準値K4よりも小さなデータを負とした後、第1の表面温度データD24と、第2の表面温度データD25とを乗算することにより、第3の表面温度データD26を得る。なお、基準値K3,K4は前進走査時の検査対象物4の表面温度の平均値と、後進走査時の検査対象物4の表面温度の平均値であり、例えば第1の表面温度データD24の平均値と第2の表面温度データD25の平均値とであってもよく、予め実験や解析などを行って推定した前進走査時の検査対象物の表面温度の平均値と、後進走査時の検査対象物の表面温度の平均値であってもよい。
第3の表面温度データD13では、ノイズ信号ND26は正のノイズ信号ND24,25同士が乗算された結果として正の値となる一方、欠陥検知信号KD26は欠陥検知信号KD24の正の部分と欠陥検知信号KD25の負の部分が乗算され、且つ、欠陥検知信号KD24の負の部分と欠陥検知信号KD25の正の部分が乗算された結果として負の大きな値となる。このため、第3の表面温度データD26では、欠陥検知信号KD26とノイズ信号ND26との区別が明確になる。従って、例えば所定の閾値S3と第3の表面温度データD26とを比較し、第3の表面温度データD26に閾値S3以下の信号が含まれているか否かを判定することによって、確実に第3の表面温度データD26に欠陥6に起因する欠陥検知信号KD26が含まれていると判断することができる。即ち、欠陥6を確実に検出することができる。
なお、上記の欠陥6が比較的浅い場合においても、この欠陥6が比較的深い場合と同様に、第1の表面温度データD14において所定の第1の基準値よりも大きなデータを正、第1の基準値よりも小さなデータを負とし、且つ、第2の表面温度データD15において所定の第2の基準値よりも大きなデータを正、第2の基準値よりも小さなデータを負とした後、第1の表面温度データD14と、第2の表面温度データD15とを乗算することにより、第3の表面温度データD16を得るようにすることが望ましい。なお、第1の基準値と第2の基準値は前進走査時の検査対象物4の表面温度の平均値と、後進走査時の検査対象物4の表面温度の平均値であり、第1の表面温度データD14の平均値と第2の表面温度データD15の平均値であってもよく、予め実験や解析などを行って推定した前進走査時の検査対象物の表面温度の平均値と、後進走査時の検査対象物の表面温度の平均値であってもよい。
以上のように、本参考例2の検査方法によれば、赤外線検出装置(検出素子)1とレーザー2とを用いて検査対象物4の表面4a上を走査することにより、検査対象物4の表面4a近傍(表面4a近傍に欠陥6(亀裂等)が生じているか否か)を検査する検査方法において、レーザー2で検査対象物4の表面4aを加熱しながら、この検査対象物4の表面温度を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、第1の表面温度データD14を得る第1の走査(前進走査F)と、レーザー2で検査対象物4の表面4aを加熱しながら、この検査対象物4の表面温度を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、第2の表面温度データD15を得る第2の走査(後進走査B)とを行い、第1の表面温度データD1と、第2の表面温度データD15とを乗算することにより、第3の表面温度データD16を得ることを特徴としているため、第1の表面温度データD14及び第2の表面温度データD15に欠陥検知信号KD14,KD15とノイズ信号ND14,ND15が含まれていても、第3の表面温度データD16では、比較的小さなノイズ信号ND14,ND15同士の乗算結果として得られるノイズ信号ND16に比べて、比較的大きな欠陥検知信号KD14,KD15同士の乗算結果として得られる欠陥検知信号KD16の方が非常に大きな値となり、欠陥検知信号KD16とノイズ信号ND16との区別が明確になる。このため、確実に第3の表面温度データに欠陥6に起因する欠陥検知信号KD16が含まれていると判断することができ、欠陥6を確実に検出することができる。
また、本参考例2の他の検査方法によれば、赤外線検出装置(検出素子)1とレーザー2とを用いて検査対象物4の表面4a上を走査することにより、検査対象物4の表面4a近傍(表面4a近傍に欠陥6(亀裂等)が生じているか否かを検査する検査方法において、レーザー2で検査対象物4の表面4aを加熱しながら、この検査対象物4の表面温度を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、第1の表面温度データD24を得る第1の走査(前進走査F)と、レーザー2で検査対象物4の表面4aを加熱しながら、この検査対象物4の表面温度を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、第2の表面温度データD25を得る第2の走査(後進走査B)とを行った後、第1の表面温度データD24において第1の基準値K3よりも大きなデータを正、第1の基準値K3よりも小さなデータを負とし、且つ、第2の表面温度データD25において所定の第2の基準値K4よりも大きなデータを正、第2の基準値K4よりも小さなデータを負とし、その後、第1の表面温度データD24と、第2の表面温度データD25とを乗算することにより、第3の表面温度データD26を得ることを特徴としているため、欠陥6(亀裂)が深い場合、第3の表面温度データD26では、欠陥検知信号KD26とノイズ信号ND26が正負に分かれて、欠陥検知信号KD26とノイズ信号ND26との区別が明確になる。また、この検査方法において欠陥6が浅い場合には、前述のとおり第3の表面温度データD16では、欠陥検知信号とノイズ信号の大きさに顕著な差がついて、欠陥検知信号KD26とノイズ信号ND26との区別が明確になる。従って、欠陥6の深さによらず、確実に第3の表面温度データD16,D24に欠陥6に起因する欠陥検知信号KD16,KD26が含まれていると判断することができ、欠陥6を確実に検出することができる。
参考例3>
図5は本発明の参考例3に係る検査方法の説明図であって、(a)にはマーカーの設置状態の図を示し、(b)には波形図を示す。
なお、本参考例3においても、表面検査装置の構成については上記参考例及び実施の形態例1と同様であるため、図1を参照することとし、ここでの図示及び詳細な説明は省略する。
参考例3では、まず、図5(a)に示すように複数(図示例では5つ)のマーカー11を走査前に検査対象物4の表面4aに設ける。マーカー11は検査対象物4と輻射率の異なる材質のもの(図示例では検査対象物4よりも輻射率の大きな材質のもの)であり、例えば長方形状に形成した金属等の部材を検査対象物4の表面4aに貼付し、或いは検査対象物4の表面4aにインク(マジックインキ等)などで描くことなどによって、検査対象物4の表面4aに設けることができる。また、マーカー11は検査対象物4の表面4aの欠陥検査領域(欠陥検査をする範囲)に隣接する領域に、走査方向に沿って等間隔に配列されている。
次に、図5(b)に示すように、第1の走査である前進走査Fを行って、前進走査データである第1の表面温度データD31を得た後、第2の走査である後進走査Bを行って、後進走査データである第2の表面温度データD32を得る。即ち、前進走査Fでは、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱(レーザービーム2aを表面4aに照射)しながら、この加熱された検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第1の表面温度データD31(表面温度分布データ)を得る。後進走査Bでも、同様に、検査対象物4の表面4aをレーザー2で加熱(レーザービーム2aを表面4aに照射)しながら、この加熱された検査対象物4の表面4aの温度(表面4aからの輻射熱)を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、加熱後の第2の表面温度データD32(表面温度分布データ)を得る。
検査対象物4の表面4aに欠陥6がある場合、第1の表面温度データD31には、欠陥6に起因する欠陥検知信号KD31と、マーカー11に起因するマーカー検知信号MD31とが含まれることになり、第2の表面温度データD32にも、欠陥6に起因する欠陥検知信号KD32と、マーカー11に起因するマーカー検知信号MD32とが含まれることになる。
そして、表面検査装置の機械的なずれなどの要因によって、第1の表面温度データD31に含まれているマーカー検知信号MD31の位置と、第2の表面温度データD32に含まれているマーカー検知信号MD32の位置とに走査方向位置の位置ずれIDが生じている場合には、この位置ずれIDに基づいて第2の表面温度データD32の位置を補正(位置ずれID分だけ第1の表面温度データD32を移動)することにより、マーカー検知信号MD32の位置をマーカー検知信号MD31の位置に一致させる。かくして、位置補正後の第2の表面温度データD33を得る。この第2の表面温度データD33において、マーカー検知信号MD33はマーカー検知信号MD32を位置補正した信号、欠陥検知信号KD33は欠陥検知信号KD32を位置補正した信号である。勿論、第2の表面温度データD32にノイズ要因に起因するノイズ信号が含まれている場合には、位置補正後の第2の表面温度データD33では当該ノイズ信号の位置も補正されることになる。
なお、第2の表面温度データD32に限らず、第1の表面温度データD31の位置を、位置ずれIDに基づいて補正してもよい。また、表面検査装置位置のずれ状態などによっては、図示例のようにマーカー検知信号MD31,32が全体的に位置ずれするのではなく、捜査の途中でマーカー検知信号MD31,MD32の一部だけが位置ずれする場合もある。この場合には、当該位置ずれが生じている一部のマーカー検知信号MD31,MD32の位置ずれIDに基づいて、第1の表面温度データ31又は第2の表面温度データD32の位置を補正すればよい。
そして、詳細な説明は省略するが、このような位置ずれ補正を行った後、上記参考例2の乗算処理(図3(b)及び図4(b)参照)を行う。
以上のように、本参考例3の検査方法によれば、赤外線検出装置(検出素子)1とレーザー2とを用いて検査対象物4の表面4a上を走査することにより、検査対象物4の表面4近傍(表面4a近傍に欠陥6(亀裂等)が生じているか否か)を検査する検査方法において、検査対象物4の表面4aに検査対象物4とは輻射率の異なるマーカー11を設け、レーザー2でマーカー11を設けた領域も含めて検査対象物4の表面4aを加熱しながら、この検査対象物4の表面温度を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、第1の表面温度データD31を得る第1の走査(前進走査F)と、レーザー2でマーカー11を設けた領域も含めた検査対象物4の表面4aを加熱しながら、この検査対象物4の表面温度を赤外線検出装置(検出素子)1で計測して、第2の表面温度データD32を得る第2の走査(後進走査B)とを行い、且つ、第1の表面温度データD31に含まれているマーカー検知信号MD31の位置と、第2の表面温度データD32に含まれているマーカー検知信号MD32の位置とに位置ずれIDが生じている場合には、この位置ずれIDに基づいて第1の表面温度データD31又は第2の表面温度データD32の位置を補正した後、上記参考例2の乗算を行うことを特徴としているため、表面検査装置のずれなどによって第1の表面温度データD31と第2の表面温度データD32とに位置ずれIDが生じても、この位置ずれIDが補正されて、より確実に前記乗算を行うことができる。従って、より確実に第3の表面温度データにおける欠陥検知信号とノイズ信号との区別を明確にすることができるため、より確実に欠陥(亀裂等)を検出することができる。
また、本参考例3の検査方法によれば、マーカー11は走査方向に沿って等間隔に複数設けることを特徴としているため、例えば走査の途中で表面検査装置にずれが生じた場合にも、このずれに起因する位置ずれがマーカー検知信号MD31,MD32の一部に生じるため、この一部のマーカー検知信号MD31,MD32の位置ずれに基づいて、第1表面温度データD31又は第2の表面温度データD32の位置を補正することができる。
なお、上記実施の形態例及び参考例1〜3では、第1の走査として前進走査を行った後、第2の走査として後進走査を行う場合について説明したが、必ずしもこれに限定するものではなく、例えば第1の走査として前進走査を行った後、第2の走査として再度前進走査を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態例及び参考例1〜3では、加熱手段としてレーザーを用いているが、必ずしもこれに限定するものではなく、その他の加熱手段(ランプ等)を用いてもよい。
本発明は赤外線検出手段と加熱手段とを用いて検査対象物の表面近傍に亀裂等の欠陥が生じているか否かを検査する検査方法に関するものであり、機器類などの検査対象物の健全性評価を行う場合に適用して有用なものである。
本発明の参考例及び実施の形態例に係る検査方法を実施するための検査装置の概要を示す図である。 前記検査方法の説明図であって、(a)は信号処理内容のイメージ図、(b)は信号処理内容を示す波形図である。 (a)は従来の検査方法であって欠陥(亀裂等)が比較的浅い場合の説明図、(b)は本発明の参考例2に係る検査方法であって欠陥(亀裂等)が比較的浅い場合の説明図である。 (a)は従来の検査方法であって欠陥(亀裂等)が比較的深い場合の説明図、(b)は本発明の参考例2に係る検査方法であって欠陥(亀裂等)が比較的深い場合の説明図である。 本発明の参考例3に係る検査方法の説明図であって、(a)はマーカーの設置状態の図、(b)は波形図である。
1 赤外線検出装置(検出素子)
2 レーザー
2a レーザービーム
3 信号処理装置
4 検査対象物
4a 表面
5a,5b 反射ミラー
6 欠陥(亀裂等)
7,8 欠陥(亀裂等)の縁部

Claims (1)

  1. 赤外線検出手段と加熱手段とを用いて検査対象物の表面上を走査することにより、前記検査対象物の表面近傍を検査する検査方法において、
    前記加熱手段で前記検査対象物の表面を加熱せずに、前記赤外線検出手段で前記検査対象物の表面温度を計測して、加熱前の第1の表面温度データを得る第1の走査を行い、
    この第1の表面温度データに応じて、温度の高い走査位置では前記加熱手段の出力を下げ、温度の低い走査位置では前記加熱手段の出力を上げるように前記加熱手段の出力を変化させつつ、前記加熱手段で前記検査対象物の表面を加熱しながら、この検査対象物の表面温度を前記赤外線検出手段で計測して、加熱後の第2の表面温度データを得る第2の走査を行うことを特徴とする検査方法。
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