JP5151539B2 - 衛星信号受信装置、衛星信号受信装置付き計時装置及び衛星信号受信方法 - Google Patents
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Description
るものである。
そして、GPS衛星からの信号を受信する衛星信号受信装置の受信部側等が、GPS衛星の時刻情報を得るには、GPS衛星からの信号のうち、TOW(Time of Week、GPS時刻、週の初めから一週間毎に示される秒単位の情報)信号を受信する必要がある(例えば、特許文献1)。
そして、受信部側等がこの時刻情報を受信するには、地球を周回しているGPS衛星を捕捉する必要がある。さらに、受信部側等はこの捕捉した信号を受信し、相関等を取り、その後演算して時刻データを取得する必要がある。
具体的には、アンテナでGPS信号(GPS衛星からの信号)を受信し、その信号をRF(Radeio Frequency)で中間周波数等に変換した後、ベースバンド部で相関等をとりGPS信号を抽出する。さらに、抽出されたGPS信号を演算部が演算して時刻情報を取り出すこととなる。そして、通常は、複数個の受信チャネルを併設しており、この受信チャネルのうち、測位演算に必要なGPS衛星からの信号を捕捉追尾させる受信チャネルにのみ基準クロックを供給し、他の受信チャネルの電力消費を低減させるようになっている(例えば、特許文献2)。通常、衛星信号受信装置は、複数個の受信チャネルを併設している。衛星信号受信装置は、この受信チャネルのうち測位演算に必要なGPS衛星からの信号を捕捉追尾させる受信チャネルにのみ基準クロックを供給し、他の受信チャネルの電力消費を低減させるようになっている(例えば、特許文献2)。
そして、GPS衛星からの信号である航法メッセージを取得する際には、C/A(coarse/access)コードを経由して取得できるようになっている。
このC/Aコードは、擬似雑音符号(PN符号、pseudo random noise code)と呼ばれる0と1が不規則に交代するデジタル符号となっている。そして、この符号の配列パターンは、複数個のGPS衛星にそれぞれに違う形で割り当てられており、衛星を識別して分離受信することができるようになっている。
通常、衛星信号受信装置は、アンテナでGPS信号を受信し、その信号をRF(Radeio Frequency)で中間周波数等に変換する。その後、ベースバンド部で相関をとる場合には、この相関をとる複数の相関器を同時に動作させるようになっている。
このため、衛星信号受信装置は、受信部が衛星信号を受信する際に相関処理決定部が使用する相関処理部の相関器の数を決定するので、ピーク電力を減少させたい場合においては、容易に減少させることができる。
このように、本発明の構成では、消費される電力の最大値を抑えつつ、GPS衛星等の位置情報衛星から送信される衛星信号を受信することができる衛星信号受信装置を提供することができる。
処理数決定部は、前記環境判断部の判断結果に基づいて、前記相関器の使用する数を決定する構成を有することを特徴とする衛星信号受信装置である。
このため、衛星信号受信装置は、衛星信号からの衛星時刻情報である修正時刻情報に基づいて自己時刻情報を修正して、表示することができる。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明に係る衛星信号受信装置付き計時装置の一例としてのGPS衛星信号受信装置付き腕時計10(以下「GPS付き腕時計10」という)を示す概略図である。図2は、図1のGPS付き腕時計10の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図1に示すように、GPS付き腕時計10は、その表面に文字板12、長針、短針等の針13等が配置されると共に、各種メッセージが表示されるLED等からなるディスプレイ14が形成されている。なお、ディスプレイ14は、LEDの他、LCD、アナログ表示等でも構わない。文字板12、針13等、ディスプレイ14は、時刻表示部の一例となっている。
つまり、本実施形態におけるGPS付き腕時計10の時計機構は、いわゆる電子時計となっている。
以下、図2に示す各構成について説明する。
図2に示すように、GPS付き腕時計10には、バス16が備えられている。バス16には、MPU(Micro Processing Unit)17、RAM(Random Access Memory)18、ROM(Read Only Memory)19等が接続されている。
すなわち、バス16には、アンテナ11や受信した信号を中間周波数(I/F)等とするRF部20、さらに、RF部20から取得した信号を復調処理する相関器34を有するベースバンド(BB)部21が接続されている。
図1のGPS衛星15から受信した信号は、アンテナ11からRF(Radio Frequency)部20を介してBB(Base Band)部21でGPS信号として取り出され、RAM18に格納される構成となっている。
このように、RF部20及びBB部21等は、衛星信号を受信する受信部の一例となっている。以下では、受信部側等ともいう。
また、RAM18に格納されたGPS信号はMPU17で演算され、後述するGPS衛星のメッセージデータ、例えば、GPS時刻情報(Zカウント)として取り出されることになる。GPS衛星15から受信する信号についての詳細は、後述する。
このように、MPU17等はZカウント等の衛星時刻情報を取得する衛星信号演算部の一例となっている。
このように、バス16は、すべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部バスである。RAM18等は、所定のプログラムの処理を行う他、バス16に接続されたROM19等を制御している。ROM19は、各種プログラムや各種情報等を格納している。
図3に示すように、GPS付き腕時計10は、制御部26を有している。制御部26は、GPS衛星からの信号を処理する各種プログラムやその他時刻修正のための各種プログラム等が格納されている各種プログラム格納部40内の各種プログラム、及び各種データ格納部50内の各種データを処理する構成となっている。つまり、制御部26は、GPS付き腕時計10を制御する構成となっている。
また、図3には、各種プログラム格納部40と各種データ格納部50とを分けて示してあるが、実際にこのようにデータが分けて格納されているわけではなく、説明上の便宜のために分けて記載したものである。
GPS衛星15の衛星信号を受信して時刻情報等のデータを取得するためには、図4のアンテナ11からRF部20を介して、GPS衛星からの信号を受信して、BB部21で処理することが必要である。
ここで、RF部20は、GPS衛星15からの衛星信号の受信からデジタル化までを行うようになっている。また、BB部21は、受信した衛星信号の相関判定を行うようになっている。
この衛星信号は、送信側であるGPS衛星15で擬似雑音符号(PN符号、pseudo random noise code)と呼ばれる符号(又は、コードデータともいう)の一例となっているC/Aコードにより変調されており、GPS時刻情報(Zカウント等)やGPS衛星の軌道情報(エフェメリス情報、アルマナック情報など)がデータとして含まれている。
このGPS時刻情報(Zカウント等)やGPS衛星の軌道情報(エフェメリス情報、アルマナック情報など)などのデータは、航法メッセージと呼ばれている。
ここで、GPS衛星15から送信される衛星信号である航法メッセージについて以下に説明する。図22は、衛星信号を示す概略説明図である。
GPS衛星15からは、図22(a)に示すように、1フレーム(30秒)単位で信号が送信されて来る。この1フレームは、5個のサブフレーム(1サブフレームは6秒)を有している。各サブフレームは、10ワード(1ワードは0.6秒)を有している。
また、各サブフレームの先頭のワードは、TLM(Telemetry word)データが格納されたTLMワードとなっており、このTLMワード内には、図22(b)に示すように、その先頭にプリアンブルデータが格納されている。
また、TLMに続くワードは、HOW(hand over word)データが格納されたHOWワードとなり、その先頭にはTOW(Time of week)というGPS衛星15のGPS時刻情報(Zカウント)が格納されている。
このZカウントは、次に続くサブフレームのTLMの開始部分の時刻が格納されている。
GPS時刻は毎週日曜日の0時から経過時間が秒で表示され、翌週の日曜日の0時に0に戻るようになっている。このように、サブフレームの二つ目のワードである、HOWワードを参照すれば、GPS時刻情報であるZカウントを取得することができる。
本実施形態では、GPS時刻情報等を取得して、時刻修正を行うようになっている。
そして、受信部側等で、GPS衛星15から衛星信号を受信するには、GPS衛星15に特有のC/Aコードと同じコードを受信部側等で生成して同期させる必要がある。
つまり、上述したように、この衛星信号は、送信側であるGPS衛星15で、擬似雑音符号(PN符号、pseudo random noise code)と呼ばれる一例となっているC/Aコードにより変調されている。従って、受信部側等で、このC/Aコードと同一のコード(レプリカ信号、単にレプリカともいう)を生成して受信した信号と相関を取ると、この衛星信号のGPS時刻情報(Zカウント等)やGPS衛星15の軌道情報(エフェメリス情報、アルマナック情報など)をデータとして取得することができる。
具体的には、図4のアンテナ11から入力された衛星信号を図4のRF部20に入力する。図4のRF部20は、図示しない中間周波数に変換するための周波数変換部であるフィルタを有している。そして、この中間周波数に変換された信号は、図示しないA/D変換部に入力され、デジタル信号に変換される。
従って、アンテナ11を介して入力される衛星信号は、RF部20でフィルタにより中間周波数に変換された後、A/D変換部に入力され、デジタル信号に変換される。そして、このデジタル信号のサンプリングが行われ、このサンププリングデータが図4のサンプルメモリ31に一旦格納されるようになっている。
そして、図4のサンプルメモリ31に一旦、格納されたサンプリングデータをベースバンド再生部32で再生し、再生ベースバンド信号として相関器34に入力される。
また、図4のコード生成部33では、GPS衛星15のC/Aコードのパターンと同一のパターン、つまり、GPS衛星15のC/Aコードのレプリカ信号が生成されるようになっている。そして、このレプリカ信号も相関器34に入力される。
BB部21とGPS衛星15からの衛星信号との相関を効率よく行うためには、コード生成部33で複数の信号を生成し、複数の相関器34を同時に動作させて行うことにより、1回の動作で相関を取ることが可能となる。
この場合BB部21は相関判定を1回行えば良いので時間を短縮することができるが、その際に消費されるピーク電力量は大きくなってしまう。そこで、本実施形態では、必要に応じて動作する相関器34の数を調整して、ピーク電力量を下げることができるようになっている。(図15、図16参照)
図15において、横軸はサーチ時間(sec)、縦軸は消費電流(mA)を示している。そして、図16は、最大の相関器34の数をmとして、m個の相関器34を全て同時に動作した際の消費電流(消費電力)をx、その他の回路部の合計の消費電流(消費電力)をy、相関器34の数がmの場合の捕捉時間をzとする。動作する相関器34の数をm、m/2、m/4、m/8としていくと、消費電流(消費電力)のうち相関器34の消費分が、それぞれ、x、x/2、x/4、x/8となる。そして、それに伴い、捕捉時間(サーチ時間)は、z、z×2、z×4、z×8となる。従って、動作する相関器34の数を調整することで、衛星のサーチの際の消費電流(消費電力)であるピーク電力量は、低減させることができる。最低動作電圧は、ここでは仮に3.0Vとしているが、これは、例えば、その他の回路部が動作する際に必要な電力を得るための値となっている。
そして、この相関器数制御部30は、電圧検出部35の判断結果に基づいて相関器34の動作する数を決定するようになっている。そして、電圧検出部35は、電源電圧閾値判断プログラムを有している。この電源電圧閾値判断プログラムは、図5の電源電圧閾値データ500と図5の電源電圧データ54を比較して、電源電圧データ54は電源電圧閾値データ500以上であるかを判断するようになっている。この電源電圧閾値データ500は、例えば、全ての相関器34とその他の回路部で消費される電力を供給できる程度の値となっており、例えば、4.0〜4.2V程度である。
ここで、図5の電源電圧データ54は、図示していない電圧制御回路の電圧確認プログラムが図2の電源部25の電圧等を確認して、電源電圧データ54に記憶していくようになっている。
そして、この電源電圧閾値判断プログラムは、その判断結果を図4の相関器数制御部30に送るようになっている。すると、相関器数制御部30では、相関器調整プログラムがこの判断結果に基づいて図5の相関器割合データ58の電圧関連データ58aを参照するようになっている。相関器割合データ58の電圧関連データ58aは、例えば、図17に示す概略イメージ図のような関係になっている。つまり、電源の電圧である図5の電源電圧データ54が3.0Vより大きく3.3V以下の場合は、動作する相関器34の数は、m/8である。また、電源電圧データ54が3.3Vより大きく3.6V以下の場合は、動作する相関器34の数は、m/4である。そして、電源電圧データ54が3.6Vより大きく3.9V以下の場合は、m/2である。さらに、電源電圧データ54が3.9Vより大きく4.2V以下の場合は、mである。
ここで、相関器数制御部30は、相関処理数決定部の一例となっている。また、相関器34は複数の相関器の一例となっており、相関処理部の一例ともなっている。電圧検出部35は、電力閾値判断部の一例となっている。また、このGPS付き腕時計10は、位置情報衛星の一例であるGPS衛星からの衛星信号を受信して、表示時刻情報を取得する構成を備えている。そして、この時刻情報を利用して表示時刻情報を修正する機能も備えるものとなっている。
以下、図6のフローチャートにしたがって本実施形態に係るGPS付き腕時計10の動作等を説明しつつ、その関連で図4及び図5の各種プログラムや各種データを説明する。
本実施形態では、図1のGPS付き腕時計10が例えば、1日1回、すなわち、24時間に1回、RTC22の時刻修正を自動的に実行する場合を例に説明する。先ず、図6のST10に示すように、図5の受信開始データ51を参照し、受信を開始する際、例えば、24時間経過した際には受信部の一例である図2のRF部20、BB部21が動作してGPS衛星15からの衛星信号の受信を開始する。 本実施形態は、アルマナック情報を持っていないコールドスタートの状態であるので、受信部は、GPS衛星15のサーチを開始する。
次に、ST11に進み、電源電圧が閾値以上であるかを判断する。ここでは、上述したように、図4の電圧検出部35の電源電圧閾値判断プログラムを有している。この電源電圧閾値判断プログラムは、図5の電源電圧閾値データ500と図5の電源電圧データ54を比較して、電源電圧データ54は電源電圧閾値データ500以上であるかを判断する。
ST12では、全ての相関器34で相関処理を行うようになっている。
つまり、図4の相関器34は図23に示すように複数ある。本実施形態のGPS付き腕時計10がGPS衛星15をサーチして衛星信号を受信する際には、上述したように、コード生成部33で複数の信号を生成し、複数の相関器34を同時に動作させて、1回の動作で、相関を取ることが可能となる。この場合は、サーチに要する時間が短時間ですむこととなる。ここで、相関器34は、実際にハードウエア的に複数あっても、ソフトウエア的に複数あってもよい。
ST18では、電源電圧によって参照する割合データを決定する。具体的には、上述したように、図4の相関器数制御部30の相関器調整プログラムが、この判断結果である図5の電源電圧データ54に基づいて、図5の相関器割合データ58の電圧関連データ58aを参照する。
上述した一例を挙げると、図17に示すように、図5の電源電圧データ54が、3.0Vより大きく3.3V以下の場合は、電圧関連データ58aによって動作する相関器34の数は、m/8となる。
従って、本構成のGPS付き腕時計10は、一度に大きなピーク電力がかかりシステムダウンすることが無い。
そして、ST15に進み、ベースバンドの処理を終了する。次に、ST16に進み、時刻情報を取得する。具体的には、図2のROM19、RAM18に記憶されている時刻修正情報取得プログラムが、相関処理結果データ52からGPS衛星15の衛星信号の時刻情報を取得して、図5の時刻修正用データ57に記憶する。
次にST17に進み、表示時刻情報を修正する。具体的には、時刻修正プログラムが、図2のRTC22の時刻情報である図5の時刻情報データ56を図5の時刻修正用データ57に基づいて修正し、図1、図2のディスプレイ14や文字板12の針13などの表示時刻を修正するようになっている。ここで、時刻修正用データ57は修正時刻情報の一例となっている。
第1の実施形態は、以上のようになっている。
第1の実施形態によれば、GPS付き腕時計10の受信部がGPS衛星15からの信号を受信する際に、相関器数制御部30(相関処理決定部の一例)が使用する相関器34(複数の相関器を有する相関処理部の一例)の数を決定する。このため、ピーク電力を減少させたい場合において容易に減少させることができる。そして、この修正時刻情報の一例である時刻修正用データ57に基づいて、自己時刻情報の一例である時刻情報データ56を修正することができる構成も備えるものとなっている。このため、本実施形態のGPS付き腕時計10は、消費される電力の最大値を抑えることができる。しかも、GPS衛星等の位置情報衛星から時刻情報を取得して、自己の時刻情報を修正することが
できる。
図7及び図8は、本発明の第2の実施形態にかかるGPS付き腕時計100(図1参照)の主な構成を示す機能ブロック図及び概略ブロック図であり、図9は、本実施形態にかかるGPS付き腕時計100の概略フローチャートである。
本実施形態にかかるGPS付き腕時計100の構成等は、上述の第1の実施形態に係るGPS付き腕時計10の構成等と多くが共通しているため、共通の構成は同一符号等として説明を省略し、以下に相違点を中心に説明する。
第1の実施形態と異なる点は、図7の相関器数制御部30は、経過年数カウント部36の判断結果が反映されるようになっている点である。従って、その関係で、図8の各種データ格納部50には、相関器割合データ58の年数関連データ58bと、使用経過年数データ501が記憶されるようになっている。また、図9の概略フローチャートはST10からST11に至るまでの間に経過年数を確認する工程ST30等が追加されている点が異なる。
以下、相違点を中心に説明していく。
そして、次にST30に進む。この点は、第1の実施形態と異なる点である。
第2の実施形態では、GPS付き腕時計100の電源供給部である電池等の電源部25(図2参照)の使用年数が確認されるようになっている。つまり、図7の経過年数カウント部36の経過年数カウントプログラムが、機器(主に電池等の電源供給部である電源部25)の使用年数をカウントして、図8の使用経過年数データ501に記録するようになっている。そして、経過年数カウント部36の経過年数確認プログラムが、図8の使用経過年数データ501を確認して、相関器数制御部30に、その結果を入力するようになっている。
具体的には、相関器数制御部30は、その経過年数カウント部36の判断結果である、使用経過年数データ501に基づいて、使用する相関器34の数を決定する。つまり、図8の相関器割合データ58の年数関連データ58bを参照するようになっている。相関器割合データ58の年数関連データ58bには、経過年数と、使用して動作させる相関器34(図7参照)の数の最大の数とが関係して記憶されている。
年数関連データ58bの一例の概略イメージを図18に示す。年数関連データ58bは、経過年数(年)を横軸として、相関器使用数を縦軸として、経過年数に従って相関器使用数の数を決定するようになっている。
例えば、機器、特に電源部25(図2参照)の使用耐用年数を10年とした場合に、使用開始から3年目までは相関器34(図7参照)の数をフルに使用しても、電源の電力が充分であればシステムダウン等の恐れは少ないので、最大の使用許可数はフルの例えば、mとしている。しかし、使用開始から3年経過6年程度までは、使用できる相関器34の数は、m/2に限定される。そして、6年経過して、8年程度までは、使用できる相関器34の数はm/4個となっている。そして、8年経過して10年過ぎると、動作させる最大の相関器34の数はm/8個となる。
このため、ST31では、相関器数制御部30(図7参照)が、使用経過年数データ501に基づいて年数関連データ58bから最大の使用可能な相関器34(図7参照)の数を決定して、相関器34の使用数を決定するようになっている。
つまり、ST31で相関処理した後に、ST11で電源電圧が閾値以上であるかを判断する工程以下、表示時刻情報を修正するST17までの工程と、ST18、ST19の各工程は、第1の実施形態と同様となっているのでここでは説明を省略する。
ここで、経過年数カウント部36(図7参照)は経年カウント部の一例となっている。第2の実施形態にかかるGPS付き腕時計100は、この経過年数カウント部36のカウントした経過年数に基づいて、複数の相関器を有する相関処理部の一例である相関器34を使用して動作する数を制限する構成となっている。
このため、経過年数が長い場合は、電源部25の電力の供給能力が衰えていた場合においても相関処理部の動作する数を制限することにより、受信部の消費する電力の量を制限することができる。そして、電力の供給の不足により、GPS付き腕時計100などのシステムがダウンしてしまうことを低減できるようになっている。
図10及び図11は、本発明の第3の実施形態にかかるGPS付き腕時計10a(図1参照)の主な構成を示す機能ブロック図及び概略ブロック図であり、図12は、本実施形態にかかるGPS付き腕時計10aの概略フローチャートである。
本実施形態にかかるGPS付き腕時計10aの構成等は、上述の第1の実施形態に係るGPS付き腕時計10の構成等と多くが共通しているため、共通の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
第1の実施形態と異なる点は、図10の相関器数制御部30が温度検出回路部37を有しており、その判断結果が反映されるようになっている点である。従って、その関係で、図11の各種データ格納部50には、周囲温度データ502、閾値温度データ503、温度関連データ58cが記憶されるようになっている。また、図12の概略フローチャートは、ST10、ST11の電源電圧が閾値以上で無い場合に周囲の温度を確認していく工程ST40等を有している。以下、相違点を中心に説明していく。
ST11で電源電圧が閾値以上となっていなかった場合は、ST40に進み、周囲の温度が閾値以上となっているかを確認する。
つまり、ST40では、図10の温度検出回路部37がGPS付き腕時計10aの外部環境の温度を検出して、閾値以上であるかを判断する。
具体的には、図10の温度検出回路部37の温度確認判断プログラムがGPS付き腕時計10aの外部環境の温度を検出して、図11の周囲温度データ502として記憶する。そして、図10の温度検出回路部37の温度確認判断プログラムが、その周囲温度データ502が図11の閾値温度データ503以上であるかを判断するようになっている。
この閾値温度データ503は、使用している機器の電源部25(図2参照)である電池等の性能等にも関係し、例えば25℃である。
一般に、電池等は、その周囲の環境温度が低いと相対的に電圧降下(ドロップ)が大きい。従って、本実施形態のように、外部環境の温度を確認して、その温度が閾値以上であるかを判断するようにしておけば、使用可能なピーク電力等の予想をつけることができる。そして、ピーク電力が不足して、GPS付き腕時計10aなどの機器がシステムダウンしてしまうことを予防することができる。
一方、ST40でGPS付き腕時計10aの外部環境の温度が図11の閾値温度データ503以上でなかった場合は、ST41に進む。
ST41では、周囲の温度によって参照する割合データを決定するようになっている。つまり、図10の相関器数制御部30は、温度検出回路部37で検出され、且つ記憶された図11の周囲温度データ502に基づいて使用する相関器34の数を決定する。
つまり、図10の相関器数制御部30は、図11の相関器割合データ58の温度関連データ58cを参照するようになっている。相関器割合データ58の温度関連データ58cには、周囲温度と、動作させる相関器34の数の最大の数とが関係して記憶されている。
つまり、温度関連データ58cのその概略イメージを図19で示すと次のようになっている。ここで、図19では、周囲温度(℃)を縦軸として、相関器使用数を横軸とする。そして、例えば、周囲の温度が−10℃〜0℃の場合は、動作する最大の相関器34の数はm/8である。また、温度が0℃〜10℃ではm/4、10℃〜25℃ではm/2、25℃の閾値温度データ以上である場合はmである。ここで、mは、衛星信号受信装置であるGPS付き腕時計10aにもともと備わる相関器34の最大の数となっている。
この相関器34(図10参照)の数は、ハードウエア的に変えても良いし、ソフトウエア的に変えてもよい。
このため、ST41では、図10の相関器数制御部30は、図11の周囲温度データ502に基づいて、図11の温度関連データ58cから図10の相関器34の使用可能な最大の数を決定するようになっている。
相関処理を行う方法は、上述の第1の実施形態で説明したように、まず、図10の相関器数制御部30の相関器調整プログラムが、図11の相関器割合データ58の温度関連データ58cを参照する。例えば、この温度関連データ58cによって動作する相関器34の数は、m/8個である。次に、相関器数制御部30は、この温度関連データ58cに基づいての図10の相関器34をm/8個動作させる。そして、図10のBB部21では、m/8個の相関器34を動作して相関処理が行われる。この場合は、一度に使用して動作させる相関器34の数は制御されており、消費されるピークの電力を抑えることができるようになっている。
ここで、図10の温度検出回路部37は、環境判断部の一例であり、温度検出部の一例となっている。そして、相関処理決定部の一例である図10の相関器数制御部30は、温度検出回路部37の判断結果である図11の周囲温度データ502を図11の温度関連データ58cに基づいて、複数の相関器を有する相関処理部の一例である図10の相関器34の動作する数を決定するようになっている。
このため、GPS付き腕時計10a(衛星信号受信装置付き計時装置の一例)の使用環境に応じた相関器34(相関処理部の一例)の使用する数を決定することができる。
そして、使用環境の温度が低い場合においては、電源部25の供給する電力量が下がるため、使用環境の温度により、使用する相関器34(相関処理部の一例)の数を調整する。これにより、GPS付き腕時計10a(衛星信号受信装置付き計時装置の一例)が電力の供給の不足により、システムダウンしてしまうことを低減できるようになっている。
図13は、本発明の第4の実施形態にかかるGPS付き腕時計10b(図1参照)の主な構成を示す概略ブロック図であり、図14は、本実施形態にかかるGPS付き腕時計10bの概略フローチャートである。
また、第4の実施形態の機能ブロック図は、第1の実施形態の図4と同様であり、異なる点は、第1の実施形態の電圧検出部35に更に後述する電圧ドロップを検出する機能が付加されている点にあるので、図4において電圧検出部305として示している。
本実施形態にかかるGPS付き腕時計10bの構成等は、上述の第1の実施形態に係るGPS付き腕時計10の構成等と多くが共通しているため、共通の構成は同一符号等として説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
第1の実施形態と異なる点は、図4での電圧検出部305に更に、電圧ドロップを検出する機能が付加されている点である。更に、その関係で、図13の各種データ格納部50には、ドロップ関連データ58d、電圧ドロップ閾値データ504が記憶されるようになっている。そして、図14の概略フローチャートはST12からST13の工程の間に、電圧ドロップを確認する工程ST50と、その電圧ドロップにより動作する相関器34の数を調整する工程ST51等を有している点が異なっている。それ以外の工程は、第1の実施形態と同様である。つまり、第3の実施形態では、相関処理中に電圧ドロップを確認して急峻なドロップが確認されると、相関器34の使用する数を減少するようになっている。以下、相違点を中心に説明していく。
そして、ST12に続きST50の工程となる。ST50では、更に電源の電圧ドロップが閾値より上(急峻)であるかを確認する。
つまり、ST50では、図4の電圧検出部305で、更に時間当たりの電圧の降下を検出するようになっている。
具体的には、図4の電圧検出部305のドロップ閾値プログラムが電源の電圧の降下の勾配を検出し、その勾配が図13の電圧ドロップ閾値データ504以上であるかを判断するようになっている。
つまり、図21(a)のラインの降下割合である勾配(a1)と、図21(b)のラインの降下割合である勾配(b1)は、勾配(a1)のほうが大きくなっており、電圧の降下である電圧ドロップが大きいものとなっている。
このため、このように急激に降下すると、装置のシステムダウンの可能性も大きくなるので、この降下割合である勾配をある閾値以上とならないように調整することが好ましい。
ST50で、閾値以上(急峻)でないと判断された場合は、ST13に進む。ST13以下ST17までの工程も第1の実施形態と同様となっている。
ST51では、検出された電圧ドロップにより参照する割合データを決定する。つまり、図4の電圧検出部305で検出された電圧ドロップ(勾配)に基づいて、相関器数制御部30は、使用して動作させる相関器34の数を決定する。
つまり、図13の相関器割合データ58のドロップ関連データ58dを参照するようになっている。相関器割合データ58のドロップ関連データ58dには、電圧ドロップ値[V]と使用して動作させる相関器34(図4参照)の数の最大の数とが関係して記憶されている。
ドロップ関連データ58dのその概略イメージを図20で示す。図20では、縦軸を電圧ドロップ値[V]とし、横軸を相関器34の使用数としている。
例えば、電圧ドロップ値[V]が、0.75V以上の場合は、動作する最大の相関器34の数はm/8となっている。また、0.5V〜0.75Vではm/4、0.3〜0.5Vではm/2、0.3V以下である場合はmとなっている。ここで、mは、装置であるGPS付き腕時計10bにもともと備わる相関器34の最大の数となっている。
この相関器34(図4参照)の数は、ハードウエア的に変えても良いし、ソフトウエア的に変えてもよい。
このため、ST51では、相関器数制御部30は、検出された電圧ドロップに基づいてドロップ関連データ58d(図13参照)から最大の使用可能な相関器34(図4参照)の数を決定する。
電圧ドロップ、つまり、電圧の降下割合である勾配は、変化量情報の一例となっている。変化量情報とは、GPS衛星15の衛星信号の受信開始からの時間経過に伴う消費電力の変化である。この電圧ドロップが相対的に大きい場合、つまり、電圧ドロップ閾値データ504より大きい場合において、相関器数制御部30(相関処理数決定部の一例)は、変化量情報である電圧ドロップを小さくするように相関器34(複数の相関器を有する相関処理部の一例)の動作する数を決定する構成となっている。このため、電源の電圧の減少(いわゆる、電圧ドロップともいう)が急激に起こり、衛星信号受信装置の一例としてのGPS付き腕時計10bがシステムダウンしてしまうことを防止できるようになっている。
Claims (8)
- 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信部と、
自己時刻情報を有する計時部と、
少なくとも前記受信部に電力を供給する電力部と、
前記受信部に備えられ、前記衛星信号を受信する際に前記衛星信号との相関を取るための複数の相関器を有する相関処理部と、
前記受信部が前記衛星信号を受信する際に使用する前記相関器の数を決定する為の相関処理数決定部と、を有し、
前記衛星信号の受信開始からの時間経過に伴う前記消費電力量の変化である変化量情報が、相対的に大きい場合において、前記相関処理数決定部は、前記変化量情報を相対的に小さくするように前記相関器の使用する数を決定する構成を有することを特徴とする衛星信号受信装置。 - 前記電力部から供給される電力を消費する消費電力量が閾値以上であるかを判断する電力閾値判断部を有し、
前記相関処理数決定部は、前記電力閾値判断部の判断結果に基づいて、前記衛星信号を受信する際の前記消費電力量が減少するように前記相関器の使用する数を決定する構成を有することを特徴とする請求項1に記載の衛星信号受信装置。 - 前記衛星信号受信装置の経過年数をカウントする経年カウント部を有し、
前記相関処理数決定部は、前記経年カウント部のカウントした経過年数に基づいて、前記相関器の使用する数を制限する構成を有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の衛星信号受信装置。 - 前記衛星信号受信装置の使用環境を判断する環境判断部を有し、
前記相関処理数決定部は、前記環境判断部の判断結果に基づいて、前記相関器の使用する数を決定する構成を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の衛星信号受信装置。 - 前記環境判断部は、前記衛星信号受信装置の使用環境温度を検出する温度検出部となっていることを特徴とする請求項4に記載の衛星信号受信装置。
- 前記衛星信号から少なくとも衛星時刻情報を取得して修正時刻情報として記憶する修正時刻情報記憶部と、
前記修正時刻情報に基づいて前記自己時刻情報を修正して表示する時刻表示部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の衛星信号受信装置。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信部と、
自己時刻情報を有する計時部と、
少なくとも前記受信部に電力を供給する電力部と、
前記受信部に備えられ、前記衛星信号を受信する際に前記衛星信号との相関を取るための複数の相関器を有する相関処理部と、
前記受信部が前記衛星信号を受信する際に使用する前記相関器の数を
決定する為の相関処理数決定部とを有し、
前記衛星信号の受信開始からの時間経過に伴う前記消費電力量の変化である変化量情報が、相対的に大きい場合において、前記相関処理数決定部は、前記変化量情報を相対的に小さくするように前記相関器の使用する数を決定する構成を有することを特徴とする衛星信号受信装置付き計時装置。 - 位置情報衛星から送信される衛星信号を受信する受信部と、
自己時刻情報を有する計時部と、
少なくとも前記受信部に電力を供給する電力部と、
前記受信部に備えられ、前記衛星信号を受信する際に前記衛星信号との相関を取るための複数の相関器を有する相関処理部とを備える衛星信号受信装置の衛星信号受信方法であって、
前記受信部が前記衛星信号を受信する際に使用する前記相関器の数を決定するための相関処理数決定部を備え、
前記相関処理数決定部が前記相関器の使用する数を増減させた前記相関処理部で前記衛星信号との相関を取る工程を有し、
前記衛星信号の受信開始からの時間経過に伴う前記消費電力量の変化である変化量情報が、相対的に大きい場合において、前記相関処理数決定部が、前記変化量情報を相対的に小さくするように前記相関器の使用する数を決定する工程を有することを特徴とする衛星信号受信装置の衛星信号受信方法。
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