JP5108327B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、前輪及び後輪の少なくとも一方の舵角を制御する車両制御装置に関する。
従来、様々な車両用舵角制御方法が提案されている。特許文献1には、フィードバック制御される後輪転舵用のアクチュエータを備えた車両用後輪舵角制御装置が開示されている。具体的には、特許文献1には、後輪舵角目標値、アクチュエータの動作速度を予想する後輪舵角目標微分値及びアクチュエータの動作加速度を予想する後輪舵角目標微分値2階微分値を用いて、アクチュエータの応答遅れ及びふらつきを抑えるように後輪舵角目標値を補償するフィードフォワード補償を加えてアクチュエータ駆動出力を決定することが記載されている。
また、特許文献2には、アクチュエータの動特性を考慮しながら目標値への実転舵角の追従に実用上無視できる遅れを許容して演算する技術が開示されている。また、特許文献3には、ハンドル操舵時に前輪又は後輪を補助転舵する場合に、アクチュエータの動特性をパルス伝達関数で表現し、更に舵角実際値が舵角目標値に対して所定の遅れをもって追従することにより、補助転舵される車輪の舵角実際値を十分に舵角目標値に近づける技術が開示されている。
特許第2587449号公報 特開平3−31070号公報 特開平3−125669号公報
しかしながら、特許文献1から3のいずれのフィルタの構成は、アクチュエータであるモータの2次特性に基づくものであり、車両特性に基づく1次遅れの特性とは異なる。このため、車両の操縦性、安定性について何ら考慮されていなかった。さらに、特許文献1から3のいずれにおいても、目標特性の決め方とコントローラゲインの関係についても言及されていない。
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、所望の操縦性及び安定性を得ることができる車両制御装置を提供することを目的とする。
本発明の車両制御装置は、操舵角を検出する操舵角検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記操舵角検出手段により検出された操舵角と、前記車速検出手段により検出された車速に応じて演算される、操舵角に対する第1のゲインと、に基づいて前輪の第1の制御量を演算する第1の制御量演算手段と、前記操舵角検出手段により検出された操舵角に対して、前記車速検出手段により検出された車速に応じて定まる時定数 及び操舵角に対する第2のゲイン 110 を有し、かつ、ラプラス演算子sを用いたフィルタ処理を含む伝達関数(=C 110 *s/(1+T *s))により、前輪の第2の制御量を演算する第2の制御量演算手段と、前記操舵角検出手段により検出された操舵角と、前記車速検出手段により検出された車速に応じて演算される、操舵角に対する第3のゲインと、に基づいて後輪の第1の制御量を演算する第3の制御量演算手段と、前記操舵角検出手段により検出された操舵角に対して、前記車速検出手段により検出された車速に応じて定まる時定数T 及び操舵角に対する第4のゲインC 210 を有し、かつ、ラプラス演算子sを用いたフィルタ処理を含む伝達関数(=C 210 *s/(1+T *s))により、後輪の第2の制御量を演算する第4の制御量演算手段と、前記第1及び前記第2の制御量演算手段により演算された第1及び第2の制御量を加算することにより、前輪の目標操舵角を演算する第1の加算手段と、前記第3及び前記第4の制御量演算手段により演算された第1及び第2の制御量を加算することにより、後輪の目標操舵角を演算する第2の加算手段と、前記第1の加算手段により演算された目標操舵角になるように前輪の操舵角を制御し、前記第2の加算手段により演算された目標操舵角になるように後輪の操舵角を制御する操舵角制御手段と、を備えている。
第1の制御量演算手段は、操舵角と車速に応じて演算される操舵角に対する第1のゲインとに基づいて前輪の第1の制御量を演算する。第2の制御量演算手段は、操舵角に対して、車速に応じて定まる時定数 及び操舵角に対する第2のゲイン 110 を有し、かつ、ラプラス演算子sを用いたフィルタ処理を含む伝達関数(=C 110 *s/(1+T *s))により、前輪の第2の制御量を演算する。第3の制御量演算手段は、操舵角と車速に応じて演算される、操舵角に対する第3のゲインと、に基づいて後輪の第1の制御量を演算する。第4の制御量演算手段は、操舵角に対して、車速に応じて定まる時定数T 及び操舵角に対する第4のゲインC 210 を有し、かつ、ラプラス演算子sを用いたフィルタ処理を含む伝達関数(=C 210 *s/(1+T *s))により、後輪の第2の制御量を演算する。第1の加算手段は、前輪の第1及び第2の制御量を加算することで前輪の目標操舵角を演算する。第2の加算手段は、後輪の第1及び第2の制御量を加算することで後輪の目標操舵角を演算する。そして、操舵角制御手段は、前輪の目標操舵角になるように前輪を制御し、後輪の目標操舵角になるように後輪の操舵角を制御する。
したがって、本発明の車両制御装置は、操舵角と車速に応じた第1のゲインとに基づく第1の制御量と、操舵角に対して所定の時定数及び第2のゲインを有する伝達関数により表されるフィルタ処理を行った第2の制御量と、を加算して目標操舵角を演算し、目標操舵角になるように前輪及び後輪の少なくとも1つの操舵角を制御することにより、所望の操縦性及び安定性を得ることができる。
本発明に係る車両制御装置は、所望の操縦性及び安定性を得ることができる。
本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[発明の原理]
以下、本発明の原理について説明する。
(制御目的)
これまで実車やドライビングシミュレータなどを用いて、様々の運転条件においてドライバが望む理想的な車両運動の解明への取り組みが進められている。その中では車両のヨーレート、横加速度の動特性の重要性が示されており、低速ではヨーレート、高速では横加速度の特性が重要と指摘されている。
特に低速でのヨーレートゲインと操舵に対するヨーレートの速応性(ドライバが感じる操舵に対するヨーレートの線形性)、高速での操舵に対する横加速度の微分(横ジャーク)の立ち上がり特性と関係する安定感は、車両の操安性評価に対して寄与が大きな要素と考えられる。
また、旋回中の車体スリップ角は、車両の安定感や回頭性の評価に寄与すると考えられている。現状ではこれらの理想的な特性が定量的に示されるには至っていない。しかし、少なくとも車両運動を司るコントローラの設計には車速に応じてヨーレートや横加速度の動特性や車体スリップ角の大きさが調整できることが要求される。
以上から、本発明は、以下の4点の要求を満たすようになっている。
(1)ハンドル角に対するヨーレートの定常ゲインが調整可能であること
(2)ハンドル角に対するヨーレートの応答(位相)が調整可能であること
(3)ハンドル角に対する車体スリップ角の定常ゲインが調整可能であること
(4)ハンドル角に対して横ジャークの立ち上がり特性が調整可能であること
(車両モデルの設定)
制御対象である前後輪ステアを有する車両の線形2輪モデルを(1)式に示す。βは車体スリップ角、γはヨーレート、δ,δはそれぞれ前輪及び後輪の舵角である。また、Iは車両のヨー慣性、K,Kは前後輪のコーナリングスティフネス、mは車両重量、lはホイールベース、l,lは車両重心から前後輪軸までの距離、vは車速である。
Figure 0005108327
なお、(1)式の上段の式は並進方向の運動方程式を示し、下段の式はヨー方向の運動方程式を示す。(1)式をラプラス変換して整理すると(2)式が得られる。ここで、sはラプラス演算子、Δ(s)は(3)式で表されるシステムの特性方程式、N〜Nはシステムの分子多項式で、(4)から(7)式のように書ける。
Figure 0005108327
なお、(6)式は、前輪の操舵角からヨーレートまでの伝達関数の分子を示す。(7)式は、後輪の操舵角からヨーレートまでの伝達関数の分子を示す。よって、(2)〜(7)式によると、車速に応じた伝達関数の分母を車両特性の一部(N、N)としている。
ここで、次の(8)、(9)式の形式で記述される目標車体スリップ角β、目標ヨーレートγを実現するための前後及び後輪の舵角の導出を考える。
Figure 0005108327
この時、車体スリップ角、ヨーレートの目標定常ゲインβ ,γ は次の(10)、(11)式のようにかける。
Figure 0005108327
(制御方式の選択)
上述した制御目的のうち、定常特性に関する要求は、FF(フィードフォワード)コントローラの定常ゲインを一意に決めるものであるが、動特性に関する要求に対しては、いくつかの手法が考えられる。
図1は、一般的な乗用車のハンドル角からヨーレートへの伝達関数のボード線図である。車速が上がるに従って、共振点の周波数は下がり、ピークのゲインは大きく振動的になる。また、共振周波数よりも低い周波数の領域では、低速では位相遅れ、高速では位相は進む。このような特性を持つ車両に対して、ヨーレートの即応性と安定性を向上させるための常套手段の1つとして、システムの極を修正する手法がある。この手法では、FFコントローラ(CPolePlace)を(12)式のように与える。
Figure 0005108327
すなわち、制御対象の極をFFコントローラの零点で相殺して、FFコントローラの極によってシステムの共振周波数をより高い値(ω)に、ダンピングをより大きな値(ζ)に修正する方法である。ただし、C0PolePlaceは、コントローラの定常ゲインである。しかしながら、このようなコントローラは分母及び分子が2次多項式であり、図2に示すように、ゲイン特性にピークを持ち、その近傍で位相特性が大きく変化する。
そこで、コントローラがこのようなゲイン特性のピークを持たず、かつシステムの応答性を改善させることができるコントローラの構造として、システムの分子多項式をコントローラの分母に持つコントローラ設計を適用する。これは、制御対象の零点をコントローラの極で相殺して、新たにコントローラの零点でシステムの零点を修正するという方法である。しかし、(4)−(7)式で表したように、制御対象の零点は1つ(分子多項式は1次)であるため、コントローラの分母多項式も1次となり、コントローラのゲイン特性はピークを持たない。そのため、前述の自励振動は発生しにくいと期待できる。さらには、後述するが、コントローラの構造は比例項と微分項の和で表され、パラメータチューニングも容易である。そこで、この方法を用いたコントローラを設計する。
(前後輪ステアコントローラの設計)
ハンドル角を入力とし、前後輪の目標舵角を出力するコントローラをそれぞれC(s),C(s)とする。ここで、C(s),C(s)は(14)、(15)式に示すように、比例項C10,C20と制御対象の分子多項式N(s)、N(s)を分母に持つ微分項C11(s)、C21(s)からなる。
Figure 0005108327
すなわち、C10,C20、C110,C210は定数ゲインであり、この4つのゲインを決めることによってコントローラを設計する。これらのゲインは、最終的には車速などの情報に応じたマップになる。微分フィルタは前後輪それぞれ、s/N(s),s/N(s)の値を持ち、システムの分子多項式を一時遅れの係数として持つ微分フィルタを構成する。
次に、(2)式に(14)、(15)式を代入し、(8)、(9)式で与えるβ,γを実現することを考える。ここで、N:(*=1...4)を(16)式のように書くと、(2)式は(17)から(20)式のように分解できる。
Figure 0005108327
ここで、(18)式は車体スリップ角とヨーレートの定常ゲイン(β ,γ )に相当する項であり、次の(21)式のように書ける。
Figure 0005108327
(21)式を解くと、コントローラの比例ゲインC10,C20が(22)、(23)式のように求められる。
Figure 0005108327
次に、(17)式のヨーレートに関する成分(2行目)に注目する。ヨーレートの目標値を(9)式に従って次式のように置く。
Figure 0005108327
さらにγ を(24)式のように置く。
Figure 0005108327
ここで、γ12wsは制御無しの時のヨーレートの微分項のゲインで(25)式で与えられる。
Figure 0005108327
すなわち、ここではγ は制御無しの時のΔγ倍として与えた。これは、制御無しの状態からの変化量を指定することにより、車両のベース性能を意識しながら制御量を調整するためである。しかし、γ の与え方はこれに限らず、絶対値で与えても良いし、他の特性から算出しても良い。
既に求めたC10,C20とγ ,γ を用いて(17)式のヨーレートに関する成分を整理すると、(27)式が得られ、これを解くことにより(C110+C210)が求まる。
Figure 0005108327
ただしγ(s)/Δ(s)は(19)式のヨーレートに関する項である。
最後に横加速度の立ち上がり特性について考える。(17)式から車体スリップ角の成分を取り出し、同様に(19)式の車体スリップ角の項をβp0≡N’C10+N’C20として整理すると、(30)式が得られる。
Figure 0005108327
(30)式はスリップ角の微分、すなわち横加速度に関する式である。ここで、N(s)はいずれも1次式であるから、(30)式の分母は2次、分子は分母より1次多い3次となり、分子の最高次の項が横加速度の微分、すなわち横ジャークの直達項となり、立ち上がりの特性を決める。(30)式右辺分子の最高次の項Jは、(31)式になる。
Figure 0005108327
(6)式からN(s)は正、(7)式からN(s)は負であることから、(30)式右辺分母は負となる。よって、(31)式が小さいほど横ジャークの直達項は大きくなり、立ち上がりは早くなるといえる。既にC10,C20は(22)、(23)式で与えられており、横ジャークの立ち上がりを早くするためには、(I110−l210)を大きくとればよい。所望の横ジャークが得られるように(I110−l210)を決めれば、既にγ を指定することによって(C110+C210)は一意に求まっているので、C110,C210が求まる。
(まとめ)
前後輪アクティブステアによる操安性向上を目的にコントローラの設計手法を示した。提案したコントローラは、目的であるヨーレートの定常ゲインと応答性、定常車体スリップ角、横ジャークの立ち上がり特性を調整できる十分な自由度を持つ。さらに舵角比例と微分ステアに帰着できるシンプルな構造は、車両運動からの直感的なゲインチューニングが可能であり、車両特性の作りこみの容易さからも有効な手法である。
[具体的な実施形態]
図3は、本発明の実施形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。車両制御装置は、操舵角δMAを検出する操舵角センサ11と、車速を検出する車速センサ12と、前輪操舵角及び後輪操舵角を演算する電子制御ユニット(ECU)20と、前輪を転舵する前輪転舵アクチュエータ31と、後輪を転舵する後輪転舵アクチュエータ32と、を備えている。
図4は、ECU20の構成を示すブロック図である。ECU20は、ゲインC10を演算して操舵角δMAにゲインC10を乗ずるゲイン演算回路21と、操舵角δMAに対してフィルタ処理を行う微分フィルタ22と、ゲインC110を演算してフィルタ出力にゲインC110を乗ずるゲイン演算回路23と、ゲイン演算回路21、23の出力を加算して前輪操舵角δを出力する加算器24と、を備えている。
ゲイン演算回路21は、車速センサ12で検出された車速vを用いて、上述した(22)式に従ってゲインC10を演算する。なお、(22)式において、β は車体スリップ角の定常ゲインであり、γ はヨーレートの定常ゲインである。そして、ゲイン演算回路21は、操舵角センサ11により検出された操舵角δMAに上記のゲインC10を乗じて、C10・δMAを出力する。
微分フィルタ22は、s/N(s)の特性を有し、操舵角δMAに対して1次微分フィルタ処理を行うことにより、δMA・s/N(s)を出力する。sはラプラス演算素子であり、N(s)は上述した(6)式を示す。なお、s/N(s)をs/(1+Ts)の形に変形すると、Tは微分フィルタ22の時定数を表す。
ゲイン演算回路23は、ゲインC110を演算する。なお、ゲインC110は、(27)式及び上述した(l110−l210)の関係から求められる。そして、ゲイン演算回路21は、微分フィルタ22から出力されたδMA・s/N(s)に上記のゲインC110を乗じて、C110・δMA・s/N(s)を出力する。
加算器24は、ゲイン演算回路21から出力されたC10・δMAと、ゲイン演算回路23から出力されたC110・δMA・s/N(s)と、を加算して、(32)式に示すように、目標となる前輪操舵角δを出力する。
Figure 0005108327
また、ECU20は、図2に示すように、ゲインC20を演算して操舵角δMAにゲインC20を乗ずるゲイン演算回路26と、操舵角δMAに対してフィルタ処理を行う微分フィルタ27と、ゲインC210を演算してフィルタ出力にゲインC210を乗ずるゲイン演算回路28と、ゲイン演算回路26、28の出力を加算して後輪操舵角δを出力する加算器29と、を備えている。
ゲイン演算回路26は、車速センサ12で検出された車速vを用いて、上述した(23)式に従ってゲインC20を演算する。そして、ゲイン演算回路26は、操舵角センサ11により検出された操舵角δMAに上記のゲインC20を乗じて、C20・δMAを出力する。
微分フィルタ27は、s/N(s)の特性を有し、操舵角δMAに対して1次微分フィルタ処理を行うことにより、δMA・s/N(s)を出力する。sはラプラス演算素子であり、N(s)は上述した(7)式を示す。なお、s/N(s)をs/(1+Ts)の形に変形すると、Tは微分フィルタ27の時定数を表す。
ゲイン演算回路28は、ゲインC210を演算する。なお、ゲインC210は、(27)式及び上述した(l110−l210)の関係から求められる。そして、ゲイン演算回路28は、微分フィルタ27から出力されたδMA・s/N(s)に上記のゲインC210を乗じて、C210・δMA・s/N(s)を出力する。
加算器29は、ゲイン演算回路26から出力されたC20・δMAと、ゲイン演算回路28から出力されたC210・δMA・s/N(s)と、を加算して、(33)式に示すように、目標となる後輪操舵角δを出力する。
Figure 0005108327
そして、図1に示す前輪転舵アクチュエータ31は、実際の前輪の操舵角が前輪操舵角δになるように前輪を転舵する。また、後輪転舵アクチュエータ32は、実際の後輪の操舵角が後輪操舵角δになるように後輪を転舵する。
ここで、C10、C20は、それぞれ操舵角に対するヨーレートの定常ゲインである。(C110+C210)は、(27)式から明らかなように、操舵角に対するヨーレートの応答(位相)を示している。さらに、(30)式は操舵角に対する車体スリップ角の定常ゲインを示し、(31)式は操舵角に対する横ジャークの立ち上がり特性を示している。これらは、それぞれ所定のパラメータの値を変更することにより、調整可能になっている。すなわち、本実施形態では、(制御目的)で説明した4つの要求がすべて満たされている。換言すると、ヨーレートの定常ゲイン、ヨーレートの位相進み、車体スリップ角の定常ゲイン、横ジャークの立ち上がり特性の要求に応じて、C10、C110、微分フィルタ22、27の時定数、微分ゲインであるC110、C210がそれぞれ決められる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る車両制御装置は、操舵角及び車速を検出し、これらの検出結果を用いて、操舵性に関わる指標(操舵角に対するヨーレートのゲイン及び位相)と安定感に関わる指標(操舵に対する横加速度の立ち上がり)をそれぞれ独立の所望の値に設定できるので、操舵性能を向上させることができる。また、本実施の形態に係る車両制御装置は、周波数ピークを有しない伝達関数を有するコントローラを用いて制御しているので、操舵系の自励振動の誘発を回避することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で設計上の変更をされたものにも適用可能であるのは勿論である。
一般的な乗用車のハンドル角からヨーレートへの伝達関数のボード線図である。 システムの共振周波数やダンピングを修正するFFコントローラの伝達関数を示す図である。 本発明の実施形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。 ECU20の構成を示すブロック図である。
符号の説明
11 操舵角センサ
12 車速センサ
20 ECU
21、23、26、28 ゲイン演算回路
22、27 微分フィルタ
24、29 加算器

Claims (4)

  1. 操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    前記操舵角検出手段により検出された操舵角と、前記車速検出手段により検出された車速に応じて演算される、操舵角に対する第1のゲインと、に基づいて前輪の第1の制御量を演算する第1の制御量演算手段と、
    前記操舵角検出手段により検出された操舵角に対して、前記車速検出手段により検出された車速に応じて定まる時定数 及び操舵角に対する第2のゲイン 110 を有し、かつ、ラプラス演算子sを用いたフィルタ処理を含む伝達関数(=C 110 *s/(1+T *s))により、前輪の第2の制御量を演算する第2の制御量演算手段と、
    前記操舵角検出手段により検出された操舵角と、前記車速検出手段により検出された車速に応じて演算される、操舵角に対する第3のゲインと、に基づいて後輪の第1の制御量を演算する第3の制御量演算手段と、
    前記操舵角検出手段により検出された操舵角に対して、前記車速検出手段により検出された車速に応じて定まる時定数T 及び操舵角に対する第4のゲインC 210 を有し、かつ、ラプラス演算子sを用いたフィルタ処理を含む伝達関数(=C 210 *s/(1+T *s))により、後輪の第2の制御量を演算する第4の制御量演算手段と、
    前記第1及び前記第2の制御量演算手段により演算された第1及び第2の制御量を加算することにより、前輪の目標操舵角を演算する第1の加算手段と、
    前記第3及び前記第4の制御量演算手段により演算された第1及び第2の制御量を加算することにより、後輪の目標操舵角を演算する第2の加算手段と、
    前記第1の加算手段により演算された目標操舵角になるように前輪の操舵角を制御し、前記第2の加算手段により演算された目標操舵角になるように後輪の操舵角を制御する操舵角制御手段と、
    を備えた車両制御装置。
  2. 前記第2の制御量演算手段は、車速が高くなるに従って大きくなる時定数を演算する
    請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記第2の制御量演算手段は、車速に比例する時定数を演算する
    請求項1に記載の車両制御装置。
  4. 制御対象となる車両についての車両特性が、車速が上がるに従って共振周波数が下がると共にピークゲインが振動的になり、共振周波数よりも低い周波数では車速が上がるに従って位相が進み、共振周波数よりも高い周波数では位相が遅れるような、操舵角からヨーレートへの伝達特性で表され、
    前記操舵角検出手段により検出される操舵角から前記加算手段により演算される目標操舵角までの制御系の極は、前記車両特性の零点を有する
    請求項1に記載の車両制御装置。
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