JP5097384B2 - X線ct装置及び散乱補正方法 - Google Patents

X線ct装置及び散乱補正方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5097384B2
JP5097384B2 JP2006304074A JP2006304074A JP5097384B2 JP 5097384 B2 JP5097384 B2 JP 5097384B2 JP 2006304074 A JP2006304074 A JP 2006304074A JP 2006304074 A JP2006304074 A JP 2006304074A JP 5097384 B2 JP5097384 B2 JP 5097384B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
scattering
transmitted
subject
projection data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006304074A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008119095A (ja
Inventor
明 萩原
正健 貫井
明彦 西出
誠 郷野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GE Medical Systems Global Technology Co LLC
Original Assignee
GE Medical Systems Global Technology Co LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GE Medical Systems Global Technology Co LLC filed Critical GE Medical Systems Global Technology Co LLC
Priority to JP2006304074A priority Critical patent/JP5097384B2/ja
Publication of JP2008119095A publication Critical patent/JP2008119095A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5097384B2 publication Critical patent/JP5097384B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Description

本発明はX線CT装置及び散乱補正方法に関し、更に詳しくは、被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体をスキャンした投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置及びそのX線散乱補正方法に関する。
X線は被検体を透過する際にあらゆる方向に散乱するが、この散乱線によりX線検出器は透過線(直接線)以外の方向からのX線も観測することになり、このような散乱線はCT画像を劣化させるため、散乱線の影響を除去する必要がある。
従来は、多列検出器の1列毎に順次X線(直接線)が入射するようにコリメータを調整して所定の基準ファントムをスキャンし、得られた投影データに基づき散乱線補正用データを作成すると共に、該補正用データを用いて、被検体のスキャンにより得られた投影データの散乱線補正を行うX線CTシステムが知られている(特許文献1)。
特開2005−46199
しかし、実際上、被検体のサイズ(体格,部位)や内部組織は様々であるため、散乱線の種類、量や方向も被検体毎に様々となる。従って、基準ファントムで求めた散乱線補正係数をそのまま使用する従来方法では、より精度の高い散乱線補正を行えない。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的とする所は、被検体サイス等に応じてより精度の高い散乱補正を効率よく行えるX線CT装置及び散乱補正方法を提供することにある。
本発明の第1の態様によるX線CT装置は、被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体をスキャンした投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置において、前記投影データに基づき透過X線の透過長を求める透過長演算手段と、前記求めた透過長、および前記被検体と前記X線検出器との位置関係に基づき各X線検出面に入射する散乱線の散乱角を求める散乱角演算手段と、前記求めた散乱角により予め散乱角と散乱の微分断面積の関係を規定した情報に基づき各散乱線の微分断面積を求める微分断面積演算手段と、前記求めた微分断面積に基づき透過X線強度に対する散乱線強度の割合を表す散乱係数を求める散乱係数演算手段と、各X線検出面で検出されたX線強度と、各透過X線に対応して求められた散乱係数とに基づき投影データの散乱補正を行う補正手段とを備えるものである。
本発明においては、被検体の投影データに基づき透過X線の透過長を求める構成により、被検体サイズや内部組織を反映した透過長が得られる。また、被検体を反映した透過長、および前記被検体と前記X線検出器との位置関係に基づき各X線検出面に入射する散乱線の散乱角を求める構成により、実際の投影に即した散乱角(散乱線)を抽出できる。また、この散乱角で散乱の微分断面積(散乱係数)を求める構成により、被検体サイズ(体格,部位)や内部組織に応じてより精度の高い散乱線を抽出でき、きめ細かい散乱補正を行える。
本発明の第2の態様によるX線CT装置は、被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体をスキャンした投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置において、前記投影データに基づき透過X線の透過長を求める透過長演算手段と、前記求めた透過長、および前記被検体と前記X線検出器との位置関係に基づき各X線検出面に入射する散乱線の散乱角を求める散乱角演算手段と、前記求めた散乱角により予め散乱角と散乱の微分断面積の関係を散乱のタイプ別に規定した情報に基づき各散乱線のタイプ別微分断面積を求める微分断面積演算手段と、前記求めた透過長により予めX線透過長と当該区間を透過するX線の光子エネルギーの関係を規定した情報に基づき透過X線の光子エネルギーを求める光子エネルギー演算手段と、前記求めた光子エネルギーにより予め光子エネルギーと散乱断面積の関係を散乱のタイプ別に規定した情報に基づき当該透過で生じるタイプ別散乱断面積の割合を求める散乱割合演算手段と、前記求めたタイプ別微分断面積を前記求めたタイプ別散乱断面積の割合で合成した微分断面積に基づき透過X線強度に対する散乱線強度の割合を表す散乱係数を求める散乱係数演算手段と、各X線検出面で検出されたX線強度と、各透過X線に対応して求められた散乱係数とに基づき投影データの散乱補正を行う補正手段とを備えるものである。
本発明においては、求めた散乱角により散乱のタイプ別微分断面積を求める構成によい、干渉性(レーリー)散乱や非干渉性(コンプトン)散乱等の散乱の性質をタイプ別に抽出できる。また、実際のスキャンに即した透過X線の光子エネルギーに基づき求めたタイプ別散乱断面積の割合で、タイプ別微分断面積を合成する構成により、実際の散乱の状況(性質)をより忠実に反映した散乱係数を求めることができる。
本発明の第3の態様では、補正手段は、被検体体軸方向に並ぶ各X線検出列で検出されたX線強度と、体軸方向に並ぶ各透過X線に対応して求められた各散乱係数とに基づきX線検出列方向の投影データの散乱補正を行う。本発明は、被検体体軸方向の散乱補正に適用して好適である。
本発明の第4の態様では、補正手段は、チャネル方向に並ぶ各X線検出面で検出されたX線強度と、チャネル方向に並ぶ各透過X線に対応して求められた各散乱係数とに基づきチャネル方向の投影データの散乱補正を行う。本発明は、X線検出器のチャネル方向の散乱補正に適用して好適である。
本発明の第5の態様による散乱補正方法は、被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体をスキャンした投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置の散乱補正方法であって、前記投影データに基づき透過X線の透過長を求めるステップと、前記求めた透過長、および前記被検体と前記X線検出器との位置関係に基づき各X線検出面に入射する散乱線の散乱角を求めるステップと、前記求めた散乱角により予め散乱角と散乱の微分断面積の関係を規定した情報に基づき各散乱線の微分断面積を求めるステップと、前記求めた微分断面積に基づき透過X線強度に対する散乱線強度の割合を表す散乱係数を求めるステップと、各X線検出面で検出されたX線強度と、各透過X線に対応して求められた散乱係数とに基づき投影データの散乱補正を行う補正ステップとを備えるものである。
本発明の第6の態様による散乱補正方法は、被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体をスキャンした投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置の散乱補正方法であって、前記投影データに基づき透過X線の透過長を求めるステップと、前記求めた透過長、および前記被検体と前記X線検出器との位置関係に基づき各X線検出面に入射する散乱線の散乱角を求めるステップと、前記求めた散乱角により予め散乱角と散乱の微分断面積の関係を散乱のタイプ別に規定した情報に基づき各散乱線のタイプ別微分断面積を求めるステップと、前記求めた透過長により予めX線透過長と当該区間を透過するX線の光子エネルギーの関係を規定した情報に基づき透過X線の光子エネルギーを求めるステップと、前記求めた光子エネルギーにより予め光子エネルギーと散乱断面積の関係を散乱のタイプ別に規定した情報に基づき当該透過で生じるタイプ別散乱断面積の割合を求めるステップと、前記求めたタイプ別微分断面積を前記求めたタイプ別散乱断面積の割合で合成した微分断面積に基づき透過X線強度に対する散乱線強度の割合を表す散乱係数を求めるステップと、各X線検出面で検出されたX線強度と、各透過X線に対応して求められた散乱係数とに基づき投影データの散乱補正を行う補正ステップとを備えるものである。
本発明の第7の態様では、補正ステップは、被検体体軸方向に並ぶ各X線検出列で検出されたX線強度と、体軸方向に並ぶ各透過X線に対応して求められた各散乱係数とに基づきX線検出列方向の投影データの散乱補正を行う。
本発明の第8の態様では、補正ステップは、チャネル方向に並ぶ各X線検出面で検出されたX線強度と、チャネル方向に並ぶ各透過X線に対応して求められた各散乱係数とに基づきチャネル方向の投影データの散乱補正を行う。
以上述べた如く本発明によれば、被検体に応じてより精度の高い散乱線補正を行うことが可能となり、X線CT撮影の性能及び信頼性向上に寄与するところが極めて大きい。
以下、添付図面に従って本発明に好適なる実施の形態を詳細に説明する。なお、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。図1は実施の形態によるX線CT装置200の構成図で、このX線CT装置は、被検体を載せて体(z)軸方向に移動させる撮影テーブル10と、X線コーンビームによる被検体のアキシャル/ヘリカルスキャンによるデータ収集を行う走査ガントリ20と、撮影テーブル10及び走査ガントリ20の遠隔制御を行うと共に、操作者が各種の設定操作を行う操作コンソール1と備える。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、本発明による散乱補正処理及び画像再構成処理等を行う中央処理装置(CPU)3と、走査ガントリ20で取得した投影データを収集するデータ収集バッファ5と、投影データに基づき再構成したCT断層像を表示するモニタ6と、本装置の機能を実現するための各種プログラム、データやX線CT画像を記憶する記憶装置7とを備える。また、撮影テーブル10は、被検体を乗せて走査ガントリ20のボア(空洞部)内に入れ出しする駆動機構部及び天板(クレードル)12を備える。
更に、走査ガントリ20は、X線管21と、X線管21の管電圧・管電流等を制御するX線コントローラ22と、X線ビームのz軸方向の厚さ(スライス厚)を制御するコリメータ23と、複数列分のX線投影データを同時に取得可能な多列検出器24と、各列の投影データを収集するデータ収集装置DAS(Data Acquisition System)25と、X線管21や多列検出器24等を被検体体軸の回りに回転自在に支持する回転部15と、その制御を行う回転部コントローラ26と、操作コンソール1や撮影テーブル10との間で制御信号のやり取りを行う制御コントローラ29とを備えている。
図2は実施の形態によるX線撮影系を説明する外観斜視図である。X線管21と多列検出器24とが相対向して設けられ、これらは被検体体軸(z軸)の回りに回転自在に支持されている。多列検出器24はチャネル(x軸)方向に1000程度のX線検出素子を備え、これらが列R(z軸)方向に複数列(図の例では8列)併設されている。
係る構成による投影データの収集は次のように行われる 被検体を走査ガントリ20の空洞部内に位置させた状態で、X線管21からのX線ビームを被検体に照射する。この状態で、X線管21からのX線ビームは被検体を透過して多列検出器24の各検出器列に一
斉に入射する。データ収集部25は多列検出器24の各検出器列に対応する投影データを生成し、これらをデータ収集バッファ5に格納する。更に、ガントリ15が僅かに回転した各ビュー角iで上記同様のX線投影を行い、こうしてガントリ1回転分の投影データを収集・蓄積する。また同時に、アキシャル/ヘリカルスキャン方式に従って撮影テーブル10を体軸方向に間欠的/連続的に移動させ、こうして被検体の所要撮影領域についての全投影データを収集・蓄積する。そして、CPU3は、上記全スキャンの終了後、又はスキャンと並行して得られた投影データに基づき後述の散乱補正を行って被検体のCT断層像を再構成し、これをモニタ6に表示する。
図3,図4は実施の形態による各種テーブルを説明する図(1),(2)で、後述のX線散乱補正で使用する各種テーブルの物理的な関係が示されている。図3(A)は被検体(例えば水で代表)を透過するX線の光子エネルギーと散乱断面積(光子が散乱する確率の面積表示)σの関係を示している。医療用X線は0.1〜数MeV程度のエネルギー分布を有する多色X線であるが、そのエネルギー分布が分かれれば、それに対応して生じる各タイプの散乱の確率(断面積)が算出される。このエネルギー領域で観察される主な散乱には、光電効果(光電吸収)と、レーリー散乱(干渉性散乱)と、コンプトン散乱(非干渉性散乱)とがある。一般に、0.1MeV以下の低エネルギー光子に対しては光電吸収の断面積が支配的であり、これは透過X線の減弱と、線質硬化に深く関係する。また、この低エネルギー光子に対しては干渉性散乱が支配的であると共に、エネルギーが上昇するにつれて干渉性散乱は急速に低下する。その後のエネルギー領域(0.1<hν<1MeV)では非干渉性のコンプトン散乱が支配的となり、該散乱はエネルギーの上昇につれて緩やかに減じていく。
本実施の形態では、事前に多数の散乱実験を行い、又は公知の豊富な実験データを利用し、これらを統計的に処理することで、予め光子エネルギーと各タイプの散乱断面積との関係を規定した光子エネルギー−散乱断面積のテーブルを作成すると共に、光子エネルギーで本テーブルを参照することによりタイプ別の散乱断面積σを求めることが可能である。
また、本実施の形態では、上記同様にして、予め透過長−光子エネルギーのテーブルを作成すると共に、被検体を透過したX線の透過長で本テーブルを参照することにより、当該区間における散乱のタイプと割合を特徴付ける光子エネルギーを求めることが可能である。
図4は被検体を透過するX線の散乱角と微分断面積(散乱角当たりの散乱の確率)の関係を散乱のタイプ別に示している。なお、本実施の形態における散乱角は、透過線(直接線)の進行方向に対する散乱線の角度θを表す。一般に、散乱角が小さいエリアではレーリー等の干渉性散乱の微分断面積が支配的であり、散乱角が大きくなるエリアではコンプトン等の非干渉性散乱の微分断面積が支配的である。なお、図は各タイプの散乱につき最大の微分断面積を1に正規化して示しているため、実際の散乱補正では、光子エネルギーにより図3(A)の特性からタイプ別散乱の割合を求めることで、各微分断面積をこの割合で合成することになる。本実施の形態では、上記同様にして、予め散乱角−微分断面積のテーブルを作成すると共に、X線の散乱角で本テーブルを参照することによりタイプ別の微分断面積を求めることが可能である。
図5は実施の形態によるX線CT撮影処理のフローチャートで、被検体をスキャンして得た投影データに後述の散乱補正を行って画像再構成する場合を示している。好ましくは
、事前に被検体のスカウトスキャンを行った後、この処理に入る。ステップS11では、被検体のアキシャル/ヘリカルスキャンのための各種スキャンパラメータを設定する。コリメータ23のスキャン幅はX線の全検出器列R1〜R8に透過線(直接線)が入射するように設定される。ステップS12では設定確認(CONFIRM)の入力を待つ。やがて、入力されると、ステップS13で被検体のスキャンを行う。ステップS14では投影データを収集し、メモリに蓄積する。ステップS15では所要撮影領域についての全スキャンを完了したか否かを判別し、完了でない場合はステップS13に戻る。
こうして、やがて全スキャンを完了すると、ステップS16では投影データに対する前処理を行う。この前処理にはリファレンス補正、チャネル感度補正等が含まれる。ステップS17では前処理後の投影データに基づき後述のX線透過長推定処理を行い、被検体のサイズ(体格)等に応じた各透過X線の透過長を求める。ステップS18ではX線の透過長データに基づき後述のX線散乱係数演算処理を行い、被検体サイズに応じたX線の散乱係数を求める。ステップS19では求めた散乱係数を使用して各投影データに含まれる散乱成分を補正する。
例えば、検出器列R1のチャネルjに入射する散乱線の強度scatR1(j)は、他の検出器列R2〜R8に入射した各X線強度p(R2,j)〜p(R8,j)を、検出列間の関係を特定する散乱係数αでそれぞれ重み付けした値の和によって求められる。即ち、各検出器列R1〜R8のチャネルjに入射する散乱線量scatR1(j)〜scatR8(j)は次式によって求められる。
ここで、p(R1,j)は第1の検出列R1のチャネルjに入射したX線強度(投影データ)、散乱係数αR12(R1,j)は、第1列検出器のチャネルjに入射した透過線(直接線)により引き起こされた散乱線が第2列検出器のチャネルjに入射する割合を表す。他も同様である。そして、例えば検出器列R1の投影データp(R1, j)から散乱線の強度scatR1(j)を減算することにより散乱線補償された投影データp’(
R1,j)を得る。他の検出器列R2〜R8についても同様である。
テップS20では散乱補正後の投影データを使用して逆投影処理を行い、CT断層像を再構成する。ステップS21では得られたCT断層像を画面に表示する。
図6は実施の形態によるX線透過長推定処理のフローチャートで、被検体をスキャンして投影データから直接に透過X線の透過長を求める場合を示している。図7にX線透過長推定処理のイメージを示す。この図は、ビュー角i(θ=0°),i45(θ=45°)及びi90(θ=90°)につき、ある検出列のチャネル方向jの投影データを示している。ステップS31ではあるビュー角の対応に被検体の投影データを読み出す。ステップS32では所定閾値THを超える部分の投影データI(j=1〜m)を抽出する。ここで、jは所定閾値THを超えた部分の投影データに付した相対チャネル番号を表す。好ましくは、ステップS33で複数チャネル分の投影データを平均化し、ノイズ成分による影響を軽減する。ステップS34では上記平均化した投影データに基づき各チャネルの対応に透過X線の透過長tを求め、メモリに格納する。
即ち、一般に、被検体のj番目の投影データIは次式、
ここで、
:X線の射出強度(リファレンスデータ)
μ:被検体を代表するX線減弱計数
:X線の透過長
で表される。この式をX線の透過長tについて解くと、次式、
が得られる。なお、被検体を代表するX線減弱計数μについては、アクリルなどと同様のデフォルト値を使用するが、被検体の外形サイズや、撮影部位に応じて、予め操作者が
設定するように構成しても良い。
図7に各ビュー角におけるX線透過長のプロフィールを示す。ビュー角0°の場合は、X線が被検体をその表面から裏面の比較的短い距離を透過するため、その透過長は相対的に短くなっている。一方、ビュー角90°の場合は、X線が被検体をその左側面から右側面の比較的長い距離を透過するため、その透過長は相対的に長くなっている。ビュー角45°の場合は、これらの中間である。
ステップS35では被検体の全投影データについての透過長を求めたか否かを判別し、NOの場合はステップS31に戻り、YESの場合はこの処理を抜ける。こうして、被検体のサイズ(体格)等を反映した全透過長が得られる。
図8は実施の形態によるX線散乱係数演算処理のフローチャートで、被検体のX線透過長とX線検出器との位置関係に基づき、実際の散乱状態に忠実な、より精密なX線散乱係数を求める場合を示している。図9にX線散乱係数演算処理のイメージを示す。ステップS41では、あるビュー角の対応に被検体の透過長データを読み出す。ステップS42では透過長データで透過長−光子エネルギーテーブルを参照し、当該透過長における散乱を特徴付けるような光子エネルギーを求める。
ステップ43では前記求めた光子エネルギーで光子エネルギー−散乱断面積テーブルを参照し、当該光子エネルギーで発生する干渉性散乱と非干渉性散乱の割合を求める。図3(A)において、透過する光エネルギー(平均の光子エネルギー)が大きい場合には、非干渉性(コンプトン)散乱が支配的であるが、透過する光エネルギー(平均の光子エネルギー)が小さくなると、干渉性(レーリー)散乱の割合が大きくなる。
ステップS44では被検体の搭載位置(天板の高さ等)やサイズ(体格)の情報に基づき、各X線検出列R1〜R8の対応に散乱線の散乱角データを求める。図9(a)はビュー角iについて、X線が被検体を表面から背面に透過する場合の側断面図を示している。散乱の中心(起点)は例えば被検体体軸CLbの上に設定できる。被検体の体軸CLbはスキャン開始前のパラメータ設定により、又は上記スキャン後に求めた各X線の透過長に基づいて自動的に設定可能である。今、X線の検出器列R1に直接線が入射した状態を想定すると、体軸CLb上の起点から各検出列R2〜R8の検出面に向けてこの透過区間tR1における全散乱を代表するような各散乱線が発生する。これらの幾何学的寸法については被検体の搬送位置やX線検出器の位置等からCPU3において既知であるから、各散乱角データθR12〜θR18が演算により求まる。なお、被検体サイズが大きい場合は、体軸CLbがCLb’野位置に移動するが、これに応じて適切な散乱角データを求めることが可能である。ビュー角i45,i90についても同様である。
ステップS45では上記求めた散乱角データで散乱角−微分断面積テーブルを参照し、各散乱角θR12〜θR18に対応する散乱の微分断面積を散乱尾タイプ別に求める。ステップS46では前記求めた各微分断面積を上記ステップS43で求めたタイプの割合で合成し、散乱係数αR12〜αR18を求める。ステップS47では全散乱係数を求めたか否かを判別し、NOならステップS41に戻る。またYESの場合はこの処理を抜ける。これらの散乱係数は上記ステップS19の散乱補正処理で使用される。
なお、上記実施の形態では被検体体軸(z軸)方向の散乱線補正処理を述べたが、これに限らない。本発明はX線検出器のチャネル方向の散乱線補正にも適用できることは明らかである。
また、上記実施の形態では被検体をスキャンした投影データに基づき透過X線の透過長(被検体サイズ)を求めたが、これに限らない。例えば、予め被検体を少なくとも直交する2方向(例えばビュー角i,i90)からスカウトスキャンし、得られた投影データに基づき被検体の大まかなサイズ(X線透過長)を求めても、本発明を実現できる。
また、上記実施の形態では、本発明を具体的数値を伴って説明したが、本発明はこれらの数値に限定されない。
また、上記本発明に好適なる実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、制御、処理及びこれらの組み合わせの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
実施の形態によるX線CT装置の構成図である。 実施の形態によるX線撮影系を説明する図である。 実施の形態による各種テーブルを説明する図(1)である。 実施の形態による各種テーブルを説明する図(2)である。 実施の形態によるX線CT撮影処理のフローチャートである。 実施の形態によるX線透過長推定処理のフローチャートである。 実施の形態によるX線透過長推定処理のイメージ図である。 実施の形態によるX線散乱係数演算処理のフローチャートである。 実施の形態によるX線散乱係数演算処理のイメージ図である。
符号の説明
1 操作コンソール
2 入力装置
3 中央処理装置(CPU)
5 データ収集バッファ
6 モニタ
7 記憶装置
10 撮影テーブル
12 天板(クレードル)
15 回転部
20 走査ガントリ
21 X線管
23 コリメータ
24 多列検出器
25 データ収集装置

Claims (8)

  1. 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体をスキャンした投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置において、
    前記投影データに基づき透過X線の透過長を求める透過長演算手段と、
    前記求めた透過長、および前記被検体と前記X線検出器との位置関係に基づき各X線検出面に入射する散乱線の散乱角を求める散乱角演算手段と、
    前記求めた散乱角により予め散乱角と散乱の微分断面積の関係を規定した情報に基づき各散乱線の微分断面積を求める微分断面積演算手段と、
    前記求めた微分断面積に基づき透過X線強度に対する散乱線強度の割合を表す散乱係数を求める散乱係数演算手段と、
    各X線検出面で検出されたX線強度と、各透過X線に対応して求められた散乱係数とに基づき投影データの散乱補正を行う補正手段とを備えることを特徴とするX線CT装置。
  2. 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体をスキャンした投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置において、
    前記投影データに基づき透過X線の透過長を求める透過長演算手段と、
    前記求めた透過長、および前記被検体と前記X線検出器との位置関係に基づき各X線検出面に入射する散乱線の散乱角を求める散乱角演算手段と、
    前記求めた散乱角により予め散乱角と散乱の微分断面積の関係を散乱のタイプ別に規定した情報に基づき各散乱線のタイプ別微分断面積を求める微分断面積演算手段と、
    前記求めた透過長により予めX線透過長と当該区間を透過するX線の光子エネルギーの関係を規定した情報に基づき透過X線の光子エネルギーを求める光子エネルギー演算手段と、
    前記求めた光子エネルギーにより予め光子エネルギーと散乱断面積の関係を散乱のタイプ別に規定した情報に基づき当該透過で生じるタイプ別散乱断面積の割合を求める散乱割合演算手段と、
    前記求めたタイプ別微分断面積を前記求めたタイプ別散乱断面積の割合で合成した微分断面積に基づき透過X線強度に対する散乱線強度の割合を表す散乱係数を求める散乱係数演算手段と、
    各X線検出面で検出されたX線強度と、各透過X線に対応して求められた散乱係数とに基づき投影データの散乱補正を行う補正手段とを備えることを特徴とするX線CT装置。
  3. 補正手段は、被検体体軸方向に並ぶ各X線検出列で検出されたX線強度と、体軸方向に並ぶ各透過X線に対応して求められた各散乱係数とに基づきX線検出列方向の投影データの散乱補正を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のX線CT装置。
  4. 補正手段は、チャネル方向に並ぶ各X線検出面で検出されたX線強度と、チャネル方向に並ぶ各透過X線に対応して求められた各散乱係数とに基づきチャネル方向の投影データの散乱補正を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のX線CT装置。
  5. 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体をスキャンした投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置の散乱補正方法であって、
    前記投影データに基づき透過X線の透過長を求めるステップと、
    前記求めた透過長および、前記被検体と前記X線検出器との位置関係に基づき各X線検出面に入射する散乱線の散乱角を求めるステップと、
    前記求めた散乱角により予め散乱角と散乱の微分断面積の関係を規定した情報に基づき各散乱線の微分断面積を求めるステップと、
    前記求めた微分断面積に基づき透過X線強度に対する散乱線強度の割合を表す散乱係数を求めるステップと、
    各X線検出面で検出されたX線強度と、各透過X線に対応して求められた散乱係数とに基づき投影データの散乱補正を行う補正ステップとを備えることを特徴とする散乱補正方法。
  6. 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体をスキャンした投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置の散乱補正方法であって、
    前記投影データに基づき透過X線の透過長を求めるステップと、
    前記求めた透過長および、前記被検体と前記X線検出器との位置関係に基づき各X線検出面に入射する散乱線の散乱角を求めるステップと、
    前記求めた散乱角により予め散乱角と散乱の微分断面積の関係を散乱のタイプ別に規定した情報に基づき各散乱線のタイプ別微分断面積を求めるステップと、
    前記求めた透過長により予めX線透過長と当該区間を透過するX線の光子エネルギーの関係を規定した情報に基づき透過X線の光子エネルギーを求めるステップと、
    前記求めた光子エネルギーにより予め光子エネルギーと散乱断面積の関係を散乱のタイプ別に規定した情報に基づき当該透過で生じるタイプ別散乱断面積の割合を求めるステップと、
    前記求めたタイプ別微分断面積を前記求めたタイプ別散乱断面積の割合で合成した微分断面積に基づき透過X線強度に対する散乱線強度の割合を表す散乱係数を求めるステップと、
    各X線検出面で検出されたX線強度と、各透過X線に対応して求められた散乱係数とに基づき投影データの散乱補正を行う補正ステップとを備えることを特徴とする散乱補正方法。
  7. 補正ステップは、被検体体軸方向に並ぶ各X線検出列で検出されたX線強度と、体軸方向に並ぶ各透過X線に対応して求められた各散乱係数とに基づきX線検出列方向の投影データの散乱補正を行うことを特徴とする請求項5又は6記載の散乱補正方法。
  8. 補正ステップは、チャネル方向に並ぶ各X線検出面で検出されたX線強度と、チャネル方向に並ぶ各透過X線に対応して求められた各散乱係数とに基づきチャネル方向の投影データの散乱補正を行うことを特徴とする請求項5又は6記載の散乱補正方法。
JP2006304074A 2006-11-09 2006-11-09 X線ct装置及び散乱補正方法 Active JP5097384B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006304074A JP5097384B2 (ja) 2006-11-09 2006-11-09 X線ct装置及び散乱補正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006304074A JP5097384B2 (ja) 2006-11-09 2006-11-09 X線ct装置及び散乱補正方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008119095A JP2008119095A (ja) 2008-05-29
JP5097384B2 true JP5097384B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=39504508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006304074A Active JP5097384B2 (ja) 2006-11-09 2006-11-09 X線ct装置及び散乱補正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5097384B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113551601B (zh) * 2019-08-30 2022-11-25 佛山市顺德区美的饮水机制造有限公司 用于测量物体的物理尺寸的装置
CN113237903B (zh) * 2021-06-15 2022-06-10 清华大学 基于双层平板探测器锥束ct的散射校正方法及装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08131431A (ja) * 1994-11-08 1996-05-28 Hitachi Medical Corp X線ct装置
JP3942178B2 (ja) * 2003-07-29 2007-07-11 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー X線ctシステム
JP4316335B2 (ja) * 2003-09-25 2009-08-19 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー X線散乱線成分の補正方法及びそのプログラム並びにx線ct装置
EP1846752A2 (en) * 2005-02-01 2007-10-24 Koninklijke Philips Electronics N.V. Apparatus and method for correction or extension of x-ray projections
JP4336661B2 (ja) * 2005-03-01 2009-09-30 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー X線ct装置および散乱測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008119095A (ja) 2008-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8483363B2 (en) Movable wedge for improved image quality in 3D X-ray imaging
US6421411B1 (en) Methods and apparatus for helical image artifact reduction
US8150131B2 (en) Computer tomography method for determining an object region with the aid of projection images
JP2007054372A (ja) X線ct装置
US7920672B2 (en) X-ray detector gain calibration depending on the fraction of scattered radiation
US20190180482A1 (en) Image reconstruction device, x-ray ct device, and image reconstruction method
JP2007181623A (ja) X線ct装置
JP2005312970A (ja) コンピュータ断層撮影における線量低減された部分的スパイラル走査時の投影データセットの再構成方法
KR20070051758A (ko) X선 ct 장치 및 x선 ct 투시 장치
JP2007144134A (ja) コンピュータ断層撮影システムの散乱放射線補正方法およびコンピュータ断層撮影システム
JP2007532221A (ja) コンピュータ断層撮影のための動的線量制御
JP2007105467A (ja) コンピュータ断層撮影システムの散乱放射線補正方法およびコンピュータ断層撮影システム
JP2002345808A (ja) Ctスカウト画像処理のための方法及び装置
US9125286B2 (en) X-ray dose estimation technique
US20170202532A1 (en) Data processing method, data processing device, and x-ray ct apparatus
KR20050028824A (ko) 방사선 계산 단층 촬영 장치 및 단층상 데이터 생성 방법
CN106028938B (zh) X射线ct装置以及拍摄方法
US20230263499A1 (en) Counting response and beam hardening calibration method for a full size photon-counting ct system
JP3908993B2 (ja) X線ct装置
US20070036263A1 (en) Radiation CT method and X-ray CT apparatus
JP4316335B2 (ja) X線散乱線成分の補正方法及びそのプログラム並びにx線ct装置
JP2002034970A (ja) マルチ・スライスct走査の螺旋再構成の方法及び装置
JP5097384B2 (ja) X線ct装置及び散乱補正方法
JP2006239118A (ja) X線ct装置
JP2006102299A (ja) X線線量補正方法およびx線ct装置

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20090818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111011

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120110

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120828

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5097384

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250