JP5046345B2 - 通信装置、及び通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の通信装置が電力線を介した情報の送受信を実現する通信システムに関し、特に、安定した高速通信を実現することができる通信装置、及び通信システムに関する。
近年では、複数の通信装置を接続し、各通信装置に夫々機能を割り振って相互にデータを交換し、連携して多様な処理を行なわせるシステムが各分野で利用されている。例えば、車両に配される車載LAN(Local Area Network)の分野では、通信装置としてECU(電子制御装置;Electronic Control Unit)を用い、各ECUに夫々特化させた処理を
行なわせて相互にデータを交換することにより、システムとして多様な機能を実現させている。
通信システムに含まれる各通信装置の機能の特化、また各通信装置により実現される機能の増加に伴い、通信装置の数及び種別は増加する。通信装置間を接続する通信線の数も増加する。また、通信システムで送受信されるデータ量の増加に伴い、より高速に大量のデータを送受信することが必要とされている。
これに対し、既存の電力線に通信用の搬送波を重畳して通信を実現するPLC(Power Line Communication)が注目されており、車載LANへの適用も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2においては、直流電力線を介した複数のデバイス間での通信を可能とし、複数の周波数チャネルを通じた高速且つ効率的な信号の送受信を行うための新規な変調方式を用いるシグナリング方法が提案されている。このシグナリング方法では、BPSK(Binary Phase-Shift Keying、二位相偏移変調)、QPSK(Quaternary Phase-Shift Keying、四位相偏移変調)、AM(Amplitude Modulation、振幅変調)、FM(Frequency Modulation、周波数変調)又はCDMA(Code Division Multiple Access)等の方式で搬送波を変調し、この搬送波を位相シフト、振幅シフト又は周波数シフト等の方式で修正する。
一方、共有線(通信線又は電力線のいずれであってもよい)を介して複数の通信装置がデータの送受信を行う場合、複数の通信装置によるデータ送信が競合することがないように調停(アービトレーション)を行う必要がある。例えばCANの規格では、共有の通信線に接続されている複数の通信装置のうちの一の通信装置のみがデータを送信することができ、他の通信装置は一の通信装置がデータの送信を終了するまで待機するように制御される。よって、複数の通信装置が同時的にデータの送信を試みた場合にはデータの送信が競合するため、各通信装置は他の通信装置とのアービトレーションを行った上でデータの送信を行う。
CANの規格における送信データには、データに含まれる各種情報の種類を判別するため、各種情報それぞれに割り当てられたID(IDentifier)が含まれており、データ送信の調停は優先度を表す情報としてこのIDを用いることで行われ、データ中のIDを含むフィールドをアービトレーションフィールドと呼称している。例えば車両のエンジンの状態に係る情報などの重要度の高い情報にはIDに小さい数値が割り当てられ、重要度の低い情報ほどIDに大きな数値が割り当てられる。
CANの規格では2線式のバスにより作動信号が送受信され、バスの値はデータ”0”に対応するドミナントと、データ”1”に対応するレセシブの2値である。複数の通信装置がCANのバスにデータを出力したとき、一の通信装置がドミナントを出力した場合には、バスの値はドミナントとなる。データ送信の際に各通信装置は、自らが出力したデータのアービトレーションフィールドの値と、バスの値とを送信データのビット単位で比較し、データ”1”に対応するレセシブを出力した際に通信線がデータ”0”に対応するドミナントであった場合には、データの送信を中止して受信動作を行う。これにより、IDの値が小さいデータが優先して送信され、複数の通信装置によるデータの送信が調停される。
特開2006−67421号公報 特開2003−124902号公報
電力線に通信用の搬送波を重畳させる場合、電力線の伝送周波数特性にディップと呼ばれる特定の周波数での伝送量の落ち込みが生じる。ディップが生じる周波数帯を通信に用いる場合、符号誤りが発生するなどの問題が起こる。
ディップが生じる原因は、複数の通信装置及び該通信装置からの情報を受ける各種負荷間を接続する電力線の物理条件及び回路構成による。特に、電力線を介した通信に特有の原因としては、以下に説明するように、電力線の随所途中に分岐及びスイッチが含まれることが挙げられる。電力線が分岐して各通信装置及び負荷へと接続され、各通信装置及び負荷への電力の供給のオンオフを切り替えるスイッチを各所に含む場合、スイッチがオフの場合は端点がオープン端を形成する。スイッチがオフの場合に通信用の搬送波が前記オープン端へ達し、オープン端からの反射により特定の周波数の伝送波が減衰する。
減衰する周波数帯、特にディップが生じる周波数帯(以下、ディップ周波数という)は、電力線に接続される各種負荷、並びに、電力線に分布する抵抗、インダクタンス、及び伝送線路の容量等を含む電力線の回路構成によって定まる。特に、ディップ周波数は分岐点からオープン端までの分岐線の長さによって大きく変動するという知見を発明者は得た。
以下に、電力線の回路構成、特に分岐線の長さによりディップ周波数の変動についての測定結果を説明する。図15は、ディップ周波数の測定時の構成を示す説明図であり、図16A〜Cは、各条件における伝送周波数特性のグラフである。図15に示すように、電力線を介した通信を実現する送信器と受信器との間を接続する電力線が分岐を有し、分岐の先にオープン端を形成している回路構成にて伝送周波数特性の測定を行なった。
送信器は入力された情報を搬送波に重畳させて電力線へ送出し、受信器は電力線を介して送信される情報を受信し、外部へ出力する。送信器と受信器との間は電力線で接続されており、電力線は送信器と受信器との間で分岐している。分岐先には何も接続されておらず、オープン端を形成している。送信器と分岐点との間の距離は1m、分岐点と受信器との間の距離は2mとし、分岐点からの分岐線の長さを変えた構成で周波数特性の測定を行なった。分岐線の長さは2m、1.5m、1mの3通りとした。
図16Aは、図15に示した構成の伝送線路で分岐線の長さが2mである場合、図16Bは分岐線の長さが1.5mである場合、図16Cは分岐線の長さが1mである場合の夫々の電力線の伝送周波数特性を示している。図16A〜図16Cのいずれの伝送周波数特性を示すグラフ図でも、特定の周波数でディップが生じている。そして、ディップ周波数は分岐線の長さに応じて大きく変動している。したがって、電力線を介した通信用の搬送波の周波数を固定とした場合、通信装置がどのような回路構成の電力線に接続されたときでも良好な通信環境を実現することは困難である。
このように、ディップ周波数が特に分岐線の長さに応じて大きく変化し、更に、図8A〜図8Cに示したように分岐線の長さが短いほどディップ周波数が高くなるという測定結果が得られた。発明者は、この測定結果に基づき、電力線を介して情報を通信する際の電力線の物理条件及び回路構成、特に分岐線の長さに上限を設けることによって、ディップ周波数が所定の周波数以上の範囲に特定されるという知見を得た。
更に、PLCにより複数の通信装置が通信を行う構成とした場合、1つの電力線に複数の通信装置が接続されることからデータの送信が競合する可能性があるため、やはりアービトレーションを行う必要がある。車両に搭載する従来の通信装置はCANの通信機能を備えている場合が多く、これらの通信装置にPLCの通信機能を備える場合には、開発コストなどの観点から、PLCによる通信方式をCANと同様の方式とすることが望ましく、PLCでのアービトレーションについてもCANと同様の方式とすることが望ましい。
また、近年ではCANによる通信の速度は500kbps程度であるため、PLCによる通信の速度も同程度の物が望まれる。500kbpsの通信速度を実現する信号の周波数は、AMラジオ放送の信号周波数(600kHz〜2MHz)に近く、ラジオ放送に対する雑音となる虞があるため、電力線に対して直接的に重畳させることはできないという問題がある。よって、電力線に重畳する信号は、変調処理によって周波数を変更する必要がある。しかしながら、各電子機器が信号の変調/復調処理を行うことで、処理に伴う遅延が発生し、高速な通信が困難化するという問題がある。
本発明は斯かる知見に基づいてなされたものであり、電力線を介した通信における伝送特性にてディップが生じる周波数を避け、電力線を介して安定した高速通信を実現することができる通信装置、及び通信システムを提供することを目的とする。
また本発明は、CANと同様のアービトレーションにより電力線を介したデータの送受信を複数の装置間で行うことができる通信装置を提供することを目的とする。
また本発明は、電力線を介した高速な通信の実現を可能とする通信装置を提供することを目的とする。
本発明は更に、電力線を介したデータの送受信を行うに際し、デジタル回路を用いて装置のコンパクト化及び省コスト化を図ることができる通信装置を提供することを目的とする。
発明に係る通信装置は、電力線を介してデジタルデータを送受信する通信装置において、入力されるデジタルデータのビット列に対応して、前記電力線の回路構成で定まるディップ周波数よりも低い周波数を有する搬送波の出力/非出力を切り替えることにより、前記デジタルデータを変調した送信信号を生成する変調手段と、該変調手段が生成した送信信号を前記電力線へ送信する送信部と、前記電力線に送信されている信号を受信する受信部と、前記送信部による送信信号の送信中に、前記受信部により受信した信号が前記送信信号と一致するかを判定し、一致しない場合に前記送信部による送信信号の送信を中断して他の装置と送信権を調停する調停手段と、前記受信部が受信した信号に基づき、前記搬送波の有無に応じた受信データに変換する復調手段とを備えることを特徴とする。
発明に係る通信装置は、前記送信部は、送信信号の先頭から所定期間に対応する搬送波の振幅を強調する振幅強調手段を更に備えることを特徴とする。
発明に係る通信装置は、送信する前記デジタルデータの各ビットに対応する送信信号は、前記搬送波の複数周期分の信号にて構成され、前記振幅強調手段は、前記搬送波生成手段が生成した搬送波の所定周期の信号について振幅を強調するようにしてあることを特徴とする。
発明に係る通信装置は、前記振幅強調手段は、前記搬送波生成手段が生成した搬送波と同様の周期及び位相の信号を前記搬送波に重畳することにより、前記搬送波の振幅を強調するようにしてあることを特徴とする。
発明に係る通信システムは、電力線により接続されている複数の通信装置を含み、各通信装置が前記電力線を介してデジタルデータを送受信する通信システムにおいて、各通信装置は、入力されるデジタルデータのビット列に対応して、前記電力線の回路構成で定まるディップ周波数よりも低い周波数を有する搬送波の出力/非出力を切り替えることにより、前記デジタルデータを変調した送信信号を生成する変調手段と、該変調手段が生成した送信信号を前記電力線へ送信する送信部と、前記電力線に送信されている信号を受信する受信部と、前記送信部による送信信号の送信中に、前記受信部により受信した信号が前記送信信号と一致するかを判定し、一致しない場合に前記送信部による送信信号の送信を中断して他の装置と送信権を調停する調停手段と、前記受信部が受信した信号に基づき、前記搬送波の有無に応じた受信データに変換する復調手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、ディップ周波数よりも低い周波数である搬送波を生成し、送信データのデジタル値(0/1)に応じて搬送波の出力/非出力を切り替えることによって、送信データの変調を行い、変調信号を電力線に重畳して送信する。この変調は、所謂オンオフ変調(OOK(On Off Keying)変調)であり、例えば送信データが0の場合に搬送波を出力し、送信データが1の場合に搬送波を出力しない構成とすることができる。これにより、複数の通信装置が同時的に信号を送信したとき、少なくとも1つの通信装置がデータ0に対応する搬送波を出力した場合には、他の全ての通信装置にて搬送波が検出されるため、CANと同様のデータ0に優位性を持たせた通信を行うことができ、CANと同様のアービトレーションを行うことが可能となる。OOK変調は、振幅偏移変調(ASK(Amplitude-Shift Keying)変調)の一種であり、変調方式が簡単であることから、小規模なハードウェアで容易且つ低コストに実現できるという利点がある。
よって、通信装置は、変調した送信信号を電力線に重畳して出力した後、電力線上の信号をチェックし、信号値に変化が生じている場合には他の装置が信号を送信しており、且つ、他の装置が送信する情報の優先度が高いことが判断できるため、自らの信号の送信を停止して他の装置からの送信信号を受信する。
他の装置から送信された信号を受信した通信装置は、搬送波の有無に応じて受信信号をデータ0/1のデジタルデータに復調することができる。
このように、本発明の通信装置は、通信線用の通信線を介してCANの規格に従ったデータの送受信を行う場合と同様の手順にて、電力線を介したデータの送受信を行うことができる。
また、本発明では、送信データの各ビットについて、上述の方法で変調された送信信号の先頭から所定期間の信号振幅を強調して出力する。これにより、この送信信号を受信する側の車載電力線通信装置では、送信信号の到着をより早いタイミングで検出することができるため、通信を高速化することができる。また送信信号の全てを強調するのではなく、先頭から所定期間のみを強調する構成であるため、消費電力の増大及びノイズの増大等を抑制することができる。
また、本発明では、例えば車載電力線通信装置が送信データを500kbpsで送信するときに、2MHz〜20MHz程度の搬送波を用いて送信データを変調する構成の場合、送信データの1ビットに対して数十以上の周期分の搬送波が含まれることとなる。このような場合に、車載電力線通信装置は、送信データの各ビットについて先頭から数周期分程度の搬送波の信号振幅を強調する。これにより、車載電力線通信装置は、送信信号の所定期間についてのみ強調を行うことができる。
また、本発明では、数周期分程度の搬送波の強調を行う場合、車載電力線通信装置は、基本となる搬送波に対して、この搬送波と同じ周期且つ同じ位相の信号を重畳する。これにより、周期及び位相等を変化させることなく搬送波の振幅を強調することができ、搬送波の立ち上がりを高速化することができる。よって、この搬送波により変調された送信信号の立ち上がりを高速化することができ、受信側の車載電力線通信装置がより早いタイミングで送信信号の到着を検出することができる。
また、本発明による場合、送信するデータのデジタル値に応じて搬送波の出力/非出力を切り替えることで送信データを変調し、変調した信号を電力線に重畳して出力し、出力した信号の変化の有無に応じてアービトレーションを行う構成とすることにより、通信装置は、CANと同様の手順にて電力線を介したデータの送受信を高速に行なうことができる。搬送波の有無で電力線に送信中の信号を容易に判定できるから、アービトレーションにおける遅延時間も短くすむ。
これにより、CANの規格による通信機能を搭載した従来の通信装置を基に、本発明の線通信装置を容易に開発することができる。また従来の通信装置に本発明の方式による電力線通信の機能を例えばオプションとして追加することも容易である。
また、送信データの各ビットに対応する送信信号の先頭から所定期間の信号振幅を強調する構成とすることにより、受信側の通信装置は信号の到達をより早いタイミングで検出することができるため、高速通信を実現することができる。
よって、本発明においては、CANと同様の方法で電力線を介した高速通信を行なう通信装置の開発を容易化でき、本発明の通信装置を搭載することで車両に配設する通信線の数を削減し、ワイヤハーネスの軽量化、車両全体の軽量化を効果的に図ることができる。
実施の形態1における通信システムの構成を模式的に示すブロック図である。 実施の形態1における通信システムを構成するECUの内部構成を示すブロック図である。 実施の形態1におけるECU間で送受信されるデータのフォーマットを示す説明図である。 実施の形態1におけるECU間で送受信されるデータのフォーマットを示す説明図である。 実施の形態1におけるECUの制御部が第2送信回路により送信する属性データの内容例を表にして示す説明図である。 実施の形態1におけるECUの制御部が第1送信回路及び第2送信回路を用いてデータを送信する処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2におけるECU間で送受信されるデータのフォーマットを示す説明図である。 実施の形態2におけるECU間で送受信されるデータのフォーマットを示す説明図である。 実施の形態3の通信システムにおけるECUの内部構成を示すブロック図である。 送信処理におけるアービトレーションを説明するための模式図である。 送信処理におけるアービトレーションを説明するための模式図である。 ECUの通信部の信号送信に係る回路の構成を模式的に示す模式図である。 振幅強調部による振幅強調の効果を説明するための模式図である。 振幅強調部による振幅強調の効果を説明するための模式図である。 実施の形態4における通信装置の構成を示すブロック図である。 変形例における通信部の送信回路及び受信回路を示すブロック図である。 ディップ周波数の測定時の構成を示す説明図である。 各条件における伝送周波数特性のグラフである。 各条件における伝送周波数特性のグラフである。 各条件における伝送周波数特性のグラフである。
1,1,… ECU
1a,1b ECU
10 制御部
15 第1送信回路
16 第2送信回路
17 クロック回路
2 アクチュエータ(負荷)
3 電力線
7 ECU
70 制御部
72 クロック回路
751 復調部
761 搬送波生成部
762 変調部
763 振幅強調部
80 ECU
8 電力線通信IC
81 搬送波生成部
82 変調部
83 振幅強調部
86 復調部
9 通信部
101 搬送波生成部
102 変調部
201 復調部
202 2値化回路
203 1クロック遅延回路
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、以下に説明する実施の形態では、本発明に係る通信装置を、車両に配される通信システムに含まれる複数のECUに適用した例を示す。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における通信システムの構成を模式的に示すブロック図である。通信システムは、複数のECU1,1,…と、ECU1,1,…から送信される制御データにより作動するアクチュエータ2,2,…と、ECU1,1,…及びアクチュエータ2,2,…夫々に電力を供給するための電力線3,3,…と、電力線3,3,…を介して各装置へ電力を供給するバッテリ4と、電力線3,3,…の分岐及び中継のためのジャンクションボックス5とを備えて構成される。
バッテリ4は、エンジンからの動力を得て発電する図示しないオルタネータにより蓄電される。バッテリ4は一端(マイナス端子)が接地されており、他端(プラス端子)は電力線3を介してジャンクションボックス5に接続されている。バッテリ4は、例えば12Vの駆動電圧を各装置へ供給する。
ジャンクションボックス5は、電力線3の分岐及び中継回路を備える。ジャンクションボックス5からは複数の電力線3,3,…に分岐し、複数の電力線3,3,…は各ECU1,1,…及びアクチュエータ2,2,…へ夫々接続される。ジャンクションボックス5は、バッテリ4から供給される電力を車両内に配置されるECU1,1,…及びアクチュエータ2,2,…へ分配する。
ジャンクションボックス5から分岐する複数の電力線3,3,…の内の一の電力線3は一のECU1であるECU1aに接続されている。これにより、ECU1aはバッテリ4からの電力の供給を受けることができる。電力線3は、他の一のECU1であるECU1bにも接続され、ECU1bへ電力を供給する。ECU1a及びECU1bの間を接続している電力線3は分岐し、スイッチ6を介してアクチュエータ2に接続されている。スイッチ6がオンの場合にはアクチュエータ2へバッテリ4からの電力がアクチュエータ2へ供給され、アクチュエータ2が作動するように構成されている。
なお、ECU1,1,…及びアクチュエータ2,2,…はいずれも、接続されている電力線3が自身に含まれる各構成部及び負荷を介してボディーアースへ接続(接地)されるように構成されている。
そして実施の形態1における通信システムでは、各ECU1,1,…は電力線3,3,…を介してバッテリ4からの電力の供給を受けて動作するのみならず、各ECU1,1,…間を接続する電力線3,3,…に電力を供給するための電波に通信用の搬送波を重畳してデータを送受信することができるPLC(Power Line Communication)を実現する。これにより、各ECU1,1,…は、走行制御に用いるデータ、又は映像データ等を送受信するための通信用の信号線を別途配設する必要がなく、車両に配されるハーネスを軽量化することができる。
次に、各ECU1,1,…で電力線3を介したPLCを実現するための構成について説明する。図2は、ECU1aの内部構成を示すブロック図である。ECU1b及び他のECU1,1,…の内部構成はECU1aの内部構成と同様であるので詳細な説明を省略する。
ECU1aは、制御部10と、電源回路11と、通信部12と、電力線接続部13とを備える。
制御部10はマイクロコンピュータを用い、電源回路11を介して電力の供給を受け、通信部12によるデータの送受信、又は図示しない他の構成部の動作を制御する。
電力線接続部13は、電力線3を介して供給される電力を電源回路11へ分配するためのフィルタ回路と、電力線3を介して送受信されるデータを通信部12へ分配するためのフィルタ回路(いずれも図示せず)とを含む。
電源回路11は、制御部10、通信部12、及び図示しない他の構成部に接続されており、各構成部に電力を供給する。例えば電源回路11は、電力線接続部13及び電力線3を介してバッテリ4から受ける例えば12Vの駆動電圧を、構成部夫々に必要な電圧へ適宜調整して供給するようにしてある。
通信部12はネットワークコントローラを用い、他のECU1,1,…及びアクチュエータ2,2,…とのデータの送受信を実現する。通信部12による他の装置とのデータの送受信は基本的にCSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式に基づく。つまり、同一の電力線3に接続されている他のECU1bがデータを送信している場合には、ECU1aは自身からデータを送信できずに受信処理を行ない、他のECU1bがデータを送信していない間にデータを送信することができる。通信部12は、受信回路14と、第1送信回路15と、第2送信回路16と、クロック回路17とを含む。
第1送信回路15及び第2送信回路16は夫々、制御部10から入力されるデータを表わすデータ信号に基づき、ASK(Amplitude Shift Keying)、FSK(Frequency Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)等の変調を行なうことにより、電力線3及び電力線接続部13を介して他のECU1,1,…及びアクチュエータ2,2,…へデータを送信する。ただし、変調の方式は上述の方式に限られない。なお、第1送信回路15及び第2送信回路16には、クロック回路17から出力される所定の周波数のクロック信号が入力される。第1送信回路15及び第2送信回路16は、クロック信号に基づき夫々異なる周波数f1 ,f2 の搬送波にデータを重畳させて送信する。
ここで、第1送信回路15及び第2送信回路16が利用する搬送波の周波数f1 ,f2 (f1 >f2 )は、約2〜20MHzとする。2〜20MHzの周波数とする根拠は以下である。まず、AMラジオ周波数(0.53〜1.6MHz)、FMラジオ周波数(76〜80MHz)、及び地上デジタルテレビジョン用の周波数(470〜770MHz)を避ける。車両内に設置されているラジオアンプを含むオーディオ機器、車載TV等のエンターテインメント系の装置への影響を回避するためである。
更に、ECU1aとECU1bとの間を接続している電力線3は、途中で分岐してスイッチ6に接続されており、スイッチ6がオフである場合に分岐点からスイッチ6の端点までの分岐線が1/4波長オープン端を形成する。電力線3を介したPLCを実現する場合、1/4波長オープン端の形成により伝送周波数特性におけるディップ周波数が問題となる。
ディップ周波数は、図15及び図16A〜Cに示したように、電力線3に含まれる分岐線の長さに応じて変動するという測定結果を得た。図15の回路構成においては、図16A〜Cに示したように分岐線が2mの場合はディップ周波数が約30MHz、分岐線が1.5mの場合は約40MHz、分岐線が1mの場合は約60MHzとなることが示されている。この測定結果と、車両に配される複数のECUの配置、及び、同一の電力線に接続されるECUの数を考慮して、分岐線の長さの上限を約4mとする。分岐線が4mであるという物理条件でのディップ周波数は、測定に基づき約19MHzであるとの知見を得ている。そして、分岐線が4mよりも短い場合には、ディップ周波数は19MHzよりも高周波となる。実施の形態1における電力線3の構成でも、スイッチ6をオフにしたとしても分岐線の長さは4mを超えないように構成されるので、ディップ周波数は約19MHz以上の範囲に特定される。
そこで、実施の形態1におけるECU1,1,…間の情報の送受信に用いる周波数f1 ,f2 として、上述のAMラジオ周波数及びディップ周波数を回避し、且つ映像データ等の大容量のデータの送受信を実現できるように約2〜20MHzの周波数とする。そして、第1送信回路15における搬送波の周波数f1 を第2送信回路16における搬送波の周波数f2 の整数倍とする。第1送信回路15は、クロック信号に基づき逓倍波を生成し、搬送波としてデータを送信すればよい。例えば、第1送信回路15は周波数f1 が18MHzの搬送波にてデータを送信し、第2送信回路16は周波数f2 が9MHzの搬送波にてデータを送信する。周波数f1 を周波数f2 の2倍とすることにより、第1及び第2送信回路15,16は、同一のクロック回路17から出力される同一のクロック信号を兼用して搬送波を生成し、データを送信することができる。
受信回路14は、第1送信回路15及び第2送信回路16にて2つの異なる周波数の搬送波にてデータを送信することに対応し、2つの異なる周波数f1 ,f2 (18MHz、9MHz)の搬送波にて送信されるデータを夫々区別して受信する。詳細には、受信回路14は夫々の周波数の搬送波f1 ,f2 を取り出すフィルタ回路を含む。受信回路14は、電力線3を介してデータを受信したことを検知した場合、受信したデータを制御部10へ出力する。制御部10はデータを受け付けて制御に用いる。
このように構成されるECU1aは、制御部10の制御により、第1送信回路15又は第2送信回路16のいずれかによりデータを送信する。ECU1,1,…は夫々の機能に応じて車両の走行制御に関するデータ、又は映像データなどを電力線3を介して送受信する。制御部10は、このようなデータを送信する場合には第1送信回路15を用いる。これにより、より高周波である周波数f1 の搬送波で映像データなどの大容量のデータを送信することが可能である。そして、制御部10は、走行制御データ又は映像データなど、いかなる内容のデータを送信するかを示す属性データを送信する場合に、第2送信回路16を用いる。これにより、ディップ周波数が20MHz付近である回路構成で周波数f1 が18MHzの搬送波によるデータの送受信に影響を与える場合であっても、属性データの送受信は影響を受ける可能性が低く、安定的に実現される。
図3A,3Bは、実施の形態1におけるECU1,1,…間で送受信されるデータのフォーマットを示す説明図である。図3A,3Bは、属性データの内容例を示し、図3Bは走行制御データ又は映像データ等のデータの内容例を示す。図3A,3Bのいずれの場合も、図中の左側がデータの先頭である。
図3Aに示すように属性データには、データの内容を識別するためのID(Identification Data)、データ長、データの再送の有無を示す情報、データに付加されるパリティの種別、及びデータの送信開始時間が含まれる。データの再送の有無を示す情報、パリティの種別、及び送信開始時間の内のいずれかは省略されてもよい。
IDは、例えば車載LANに用いられるCAN(Controller Area Network)IDのように、予め各データに付与されており、各ECU1,1,…はIDによりデータの内容を識別できる。IDは例えば1バイト(8ビット)で表わされる。なおIDは、データの送信先のECU1,1,…を識別するアドレス情報として解釈されてもよい。各ECU1,1,…は受信した属性データの先頭に含まれているIDにより、いかなるデータが送信されるかを認識することができる。
データ長は、例えばバイト単位でデータのサイズを示す。データ長は、例えば2バイトで表わされる。なお、より重要なデータほど、小さい数値がIDとして予め割り振られる構成とすることにより、各ECU1,1,…はデータの重要度を判断することも可能である。
データの再送の有無を示す情報は、以下のように用いられる。ECU1,1,…の制御部10は、属性データを受信回路14を介して受信し、その後データが送信されたにも拘わらずデータの受信に失敗した場合に、受信した属性データに含まれる再送の有無の情報に基づき、当該データの再送の有無を認識することができる。例えば制御部10は、再送の有無の情報が無を示す場合に、再送要求の要否を判断することができる。データの再送の有無を示す情報は、例えば1ビットで表わされる。制御部10は、属性データを受信した後に対応するデータの受信に失敗したと判断した場合、再送の有無の情報が無を示すときには再送要求を送信することも可能である。これにより、より確実にデータを取得することができる。なお、ECU1aの制御部10は、再送要求を受けた場合には、再度属性データを送信し、対応するデータを送信する。
パリティ種別は、例えばCRC(Cyclic Redundancy Check),又はハミング符号等に
よるビットパリティのいずれの種別の誤り検出符号を付加しているかを示す。例えばパリティ種別が「1」である場合にはCRC等による高精度な誤り検出符号を付加していることを示し、「2」である場合にはハミング符号等による簡易な誤り検出符号を付加している。パリティ種別は、例えば2ビットで表わされる。
送信開始時間は、属性データに対応するデータの送信が開始される時間を示す。例えば、送信開始時間は10ミリ秒後、1秒後等を示す。属性データを受信したECU1の制御部10は、属性データに対応するデータの受信が、IDに基づき自身に必要であると判断できる場合には、送信開始時間に示される時間からデータの受信を開始する。そしてデータ長及びパリティ種別の情報に基づき、受信すべきデータ量を受信する。これにより、各ECU1,1,…は所望のデータを適切に受信することができる。なお、この場合、各ECU1,1,…は夫々、計時手段を備えて送信開始時間に到達したと判断することができるように構成されることが望ましい。送信開始時間は、例えば1ミリ秒単位により表わされ、2バイトを用いる。
図3Bに示すように、データにはパリティが付加されて送信される。属性データに含まれる再送の有無の情報が有を示している場合、データの送信元のECU1からはデータが連続して複数回送信される。この場合、データには毎回パリティが付加されて送信される。なお、データにパリティが付加されること、及び同一のデータが複数回連続して送信されることは必須ではない。しかしながら、安定的にデータを通信するためには、パリティ等の誤り検出情報の付加及び複数回の送信が実行されることが望ましい。
図4は、実施の形態1におけるECU1aの制御部10が第2送信回路16により送信する属性データの内容例を示す説明図である。図中の丸印は、データの内容に応じて適宜具体的内容が異なるが、データの重要度によらず必ず含まれることを示す。図3Aに示したように、属性データには、ID、データ長、パリティ種別、及び再送の有無を示す情報が含まれる。これらの各情報の内容及び再送の有無の設定は、その後に送信されるデータの内容、特に重要度によって制御部10により変えられる。走行制御に用いられるような比較的重要なデータに対応する属性データは、例えば車輪速に関する情報であることを示すID及びデータ長を含み、更に、高精度な誤り検出符号が付加されることを示すパリティ種別、及び、再送有を示す再送の有無の情報が含まれて送信される。一方、走行制御に用いられるようなデータほど重要度が高くない映像データなどのデータに対応する属性データは、例えば映像データであることを示すID及びデータ長を含む。そして、このようなデータに対応する属性データは、ハミング符号などの簡易な誤り検出符号が付加されていることを示すパリティ種別、及び再送無を示す再送の有無の情報が含まれて送信される。なお、再送されないデータに対応する属性データでは、再送の有無を示す情報を省略するようにしてもよい。
制御部10は、データの重要度を各データに予め付与されているIDに基づいて判断する。例えば8ビットで表わされるIDが、所定値以下の数値を表わす場合には当該IDで識別されるデータは重要であると判断する。逆に、IDが所定値超過の数値を表わす場合には当該IDで識別されるデータは非重要であると判断する。
このようにして、ディップ周波数の影響を回避し、より安定的に送受信される低周波数にて第2送信回路16での属性データの送信が行なわれる。これにより、各ECU1,1,…はデータの受信の際に、データの内容、データ長、パリティ種別、及び再送の有無を認識することができるので、制御部10は効率的にデータを受信して処理を行なうことができる。
図5は、実施の形態1におけるECU1aの制御部10が第1送信回路15及び第2送信回路16を用いてデータを送信する処理手順の一例を示すフローチャートである。
制御部10は、あるデータの送信に際し、送信するデータに対応する属性データを生成し(ステップS1)、電力線3による送信が可能か否かを判断する(ステップS2)。制御部10は、送信が不可であると判断した場合(S2:NO)、処理をステップS2へ戻す。制御部10は、送信が可能であると判断した場合(S2:YES)、生成した属性データを第2送信回路16により周波数f2 (9MHz)にて送信する(ステップS3)。
次に制御部10は、ステップS1にて生成した属性データに含まれる送信開始時間となったか否かを内蔵クロックに基づいて判断する(ステップS4)。制御部10は、送信開始時間でないと判断した場合(S4:NO)、処理をステップS4へ戻す。制御部10は、送信開始時間であると判断した場合(S4:YES)、データを第1送信回路15により周波数f1 (18MHz)にて送信する(ステップS5)。制御部10は、連続して再送の要否を判断し(ステップS6)、不要であると判断した場合(S6:NO)、そのまま処理を終了する。
制御部10は、再送が必要であると判断した場合(S6:YES)、処理をステップS5へ戻し、再度データを第1送信回路15により周波数f1 (18MHz)にて送信し(S5)、更なる再送は不要であると判断した場合(S6:NO)、処理を終了する。
このように、ディップ周波数とは異なる2つの周波数f1 ,f2 の搬送波にてデータを夫々送信することが可能な構成とすることにより、データ量が少なく確実に送信されることが求められるデータ(属性データ)については、ディップ周波数の影響が少ない周波数f2 の搬送波にて送信することができ、データ量が多いデータを、ディップ周波数の影響が少なく且つ比較的高周波である周波数f1 にて効率的に送信することができる。
なお、第1送信回路15及び第2送信回路16による周波数f1 ,f2 は、ディップ周波数よりもいずれも低い。上述のように、車両に配される通信システムにおいてECU1a及びECU1b間を接続する電力線3の分岐線の長さの限界を4mとした場合には、ディップ周波数の下限が19MHz程度であることが実測により得られている。分岐線の長さが3.5m、3m、2.5m、…と短くなるほど、ディップ周波数は高周波となる。電力線3の回路構成に分岐線の上限として4mの制限を設け、電力線3を介したデータの送受信を実現する場合、ディップ周波数は約19MHz以上で変動する。したがって、第1送信回路15及び第2送信回路16による周波数f1 ,f2 をディップ周波数よりもいずれも低い値とし、電力線3を介してPLCによる通信を実現する場合に問題となるディップ周波数による影響を回避することができる。
更に、第1送信回路15によるデータの送信に用いる周波数f1 を、第2送信回路16によるデータの送信に用いる周波数f2 の2倍としたことにより、クロック回路17を第1送信回路15及び第2送信回路16で兼用することができ、ECU1,1,…の小型化、軽量化を実現することができる。なお、2倍のみならず、ディップ周波数を避けた2〜20MHzの範囲内で3倍又は4倍等の整数倍となる逓倍波を利用することが可能な構成としてもよい。
また、実施の形態1では、クロック回路17は通信部12内に別途含まれる構成として説明した。しかしながら、クロック回路17は通信部12外にECU1,1,…の制御部10等の各構成部が共通して用いる回路として構成してもよい。この場合、回路の小型化が更に実現できる。そしてこのとき、周波数f1 ,f2 は動作クロック周波数の分周又は逓倍の周波数を用いればよい。
(実施の形態2)
実施の形態2では、ECU1,1,…間で送受信されるデータのフォーマットが実施の形態1と異なる。通信システムの構成等は実施の形態1における構成と同様であるので同一の符号を付して詳細な説明を省略し、以下に通信部12によって送受信されるデータのフォーマットについて説明する。
図6A,6Bは、実施の形態2におけるECU1,1,…間で送受信されるデータのフォーマットを示す説明図である。図6Aは、属性データの内容例を示し、図6Bはデータの内容例を示す。図6A,6Bのいずれの場合も、図中の左側がデータの先頭である。
図6Aに示すように属性データには、データの内容を識別するためのID、データ長、データの再送の有無を示す情報、及びパリティの種別が含まれる。実施の形態1における図3Aに示した属性データとは、送信開始時間の有無が異なる。また、実施の形態2ではIDの定義が実施の形態1と異なる構成とする。データ長、データの再送の有無を示す情報、及びパリティの種別については実施の形態1におけるデータフォーマットと同様であるので詳細な説明を省略する。
実施の形態1では、例えばIDは8ビットにて定義されるとした。これに対し実施の形態2では、IDの後半5ビット分と、データ毎に異なる3ビットで表わす番号とで8ビットを構成する。IDの後半5ビット分で十分に識別可能な場合が多いからである。
そして、図6Bに示すように実施の形態2では、データの先頭に3ビットで表わされる番号が付加されて送信される。この番号は、対応する属性データの先頭に含まれる番号と一致するように構成されている。
実施の形態2におけるECU1aの制御部10は、データを送信するに際し、対応する属性データの先頭の5ビットでIDの後半5ビット分を表わし、続く3ビットで任意の8種類の番号を表わすようにして属性データを生成し、第2送信回路16により、周波数9MHzにて送信する。制御部10は、その後にデータを送信する場合には、対応する属性データの先頭部分に含まれる3ビットの番号と同一の番号を付加し、第1送信回路15により周波数f1 (18MHz)にてデータを送信する。受信側では、属性データに含まれる番号と同一の番号が先頭に付加されているデータは、先に受信した属性データに含まれるIDで識別される内容のデータであると認識することができる。3ビットの番号は任意の番号とする。8種類あるので、偶然的に同一の番号とならない限り、他のECU1,1,…から送信されるデータに付加される番号と重複せず、各ECU1,1,…はIDで認識した内容のデータを受信することができる。
実施の形態1では、各ECU1,1,…は属性データに含まれる送信開始時間が示す時間から受信できるデータは、既に属性データに含まれていたIDで認識した内容のデータであるとして用いる構成とした。しかしながら、各ECU1,1,…は属性データに含めた送信開始時間に必ず送信を成功させることができるとは限らない。この点で、実施の形態2では、属性データに含まれる番号と、データに付加されている番号との同一性により、属性データの送信後直ちにデータを受信できない場合でも、後に送信されるデータの内容を認識することができる。
なお、ECU1,1,…で送受信されるデータのフォーマットは実施の形態1及び2に示したものに限られない。例えば、制御部10はデータを送信する場合にも先頭にIDを付加して送信する構成としてもよい。その他、第1送信回路15により送信するデータと、第2送信回路16により送信する属性データとの関連付けを受信側で認識することができる情報を、データ及び属性データの両者、又はどちらか一方に含める。
実施の形態1及び2では、データは第1送信回路15により送信し、データに対応する属性データは第2送信回路16により送信する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限らず、制御用のデータについても、内容に応じて第2送信回路16から送信する構成としてもよい。例えばデータ量が少なく且つ重要なデータであって符号誤りが許されないデータである場合には、制御部10がこれを判別して第2送信回路16から送信する。
また、実施の形態1及び2では、いずれもマイクロコンピュータを用いた制御部10が内蔵するROMに記憶されているプログラムにより、第1送信回路15又は第2送信回路16のいずれかによりデータを送信するかを制御する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限らず、実施の形態1及び2で制御部10が行なうとした判断処理を夫々実現する処理回路にて構成されるASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用い、ハードウェア的に各処理を行なうECUを構成してもよい。
実施の形態1及び2では、異なる周波数f1 ,f2 の搬送波に夫々データを重畳させて送信する構成とした。しかしながら一方の周波数f1 の搬送波のみでデータを重畳させて送信しても良いことは勿論である。周波数f1 を、AMラジオ周波数及びディップ周波数を回避することにより、情報の送受信を比較的安定して実現することが可能となる。
また、実施の形態1及び2では、通信システムを構成する電力線3の分岐線の長さがECUの配置、及びECUの数を考慮して4mを超えないように構成し、この場合ディップ周波数は約19MHz以上の範囲に特定されることから、当該回路構成でディップ周波数を回避するためにデータの送受信に用いる搬送波の周波数を20MHzまでの範囲とした。これは逆に、搬送波の周波数を決定して通信システムを構成する電力線3の分岐線の長さの上限を決めることと同意である。したがって、データを送受信するための搬送波の周波数を決定し、当該搬送波の周波数とディップ周波数とが十分に離れるように電力線3の構成に上限を定めるとしてもよい。つまり、搬送波の周波数をAMラジオ周波数及びFMラジオ周波数を避け、且つ、通信を含む各動作に用いられるクロック周波数24MHzの信号を兼用できるように、例えば12MHzと決定する。この場合、ディップ周波数が十分に離れるように、1/4波長オープン端を形成する分岐線の長さが4m以下となるように電力線3が構成されるように上限を定めたワイヤハーネスを用いる。
搬送波の周波数が通信システムの他の要素、例えば変調方式、通信プロトコルで決まる場合、搬送波の周波数に応じて電力線3の長さ、構成、分岐の数、ECUの配置、接続数が定まるとすることが、設計上望ましい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、送受信するデータをCAN規格に準じるようにし、各ECUが備える既存のCANの通信機能(CANコントローラ)を用いて通信を行なえるようにする。また、実施の形態1及び2では、第1送信回路15及び第2送信回路16による搬送波の変調方式は特に限定しないとしたが、実施の形態3ではASK方式とする。また、実施の形態1及び2では、2つの異なる周波数f1 ,f2 の搬送波を使い分けて送信する構成であったが、実施の形態3では、2つの異なる周波数f1 ,f2 の搬送波を特に使い分けずに好ましい2〜20MHzの内、12MHzの搬送波にてデータを送信する構成とする。勿論、以下に説明する実施の形態3でも、異なる周波数の搬送波を2つ用いて送信するデータの種類に応じて使い分ける構成としても良い。
なお、変調方式をASKと限定する根拠は以下である。電力線通信(PLC)では、省線化のために通信線としてツイストペア線を用いる代わりに電力線3にて通信を行ない、更に通信のプロトコルは高速CAN通信に順ずる。その場合、送受信するデータの通信速度は500Kbpsである。500Kbpsのレートは、上述したようにAMラジオ周波数に近いから、直接的にベースバンドを電力線3に重畳させることはできない。そのため、上述に根拠を示したように、AMラジオ周波数及びディップ周波数を回避して2MHz以上の搬送波を用いて変復調する。また、通信部によるデータの送受信はCANプロトコルで行なう。このとき、12MHzの搬送波にて変調してから送信するとしても各ECU間の通信では、CSMA/CAのアービトレーション機能が実現される必要がある。つまり、通信部は、自身が送信した信号と電力線3にて搬送されている信号とが一致するかを常時判定し、信号が一致して自身が送信権を獲得した場合には送信を継続するという調停を行ないながら通信を行なう。通信部は1ビット分ずつ、自身が送信した信号が搬送されているかを判定する。500Kbpsの高速CAN通信の場合、1ビット分は約2μ秒であり、その70%である1.4μ秒の期間で搬送されている信号はビット0なのかビット1なのかを判定しなければならない。したがって、通信部が送信した変調後の信号が1.4μ秒以内に受信できる必要があり、片道0.7μ秒の遅延時間が許される。したがって、ビット0なのかビット1なのかを容易に判定できる変調方式が好ましい。この点、送信するデータのデジタル値(0/1)に応じて搬送波の出力/非出力を切り替えるASK方式が好ましい。特に、所謂オンオフ変調(OOK(On Off Keying))が好ましい。この場合、信号がロー(0)のときは搬送波が電力線3に出力され、ハイ(1)のときは搬送波が出力されないから、送信されている信号がCAN規格におけるドミナントなのかレセッシブなのかの判定が容易である。これにより、遅延を極力少なくすることができ、小規模なハードウェアで容易に且つ低コストで電力線通信を実現できる。このようなことから、変調方式はASKとする。
以下、上述のようにASK方式にてCAN規格に準じたデータの送受信を実現する実施の形態3における通信部の構成について説明する。なお、実施の形態3における通信システムの構成は、通信部内の詳細な構成以外は実施の形態1及び2と同様である。したがって、実施の形態3における説明の内、実施の形態1及び2と共通する構成部については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図7は、実施の形態3の通信システムにおけるECUの内部構成を示すブロック図である。実施の形態3における通信システムは、複数のECU7,7,…を含んで構成される。ECU7,7,…は実施の形態1及び2におけるECU1,1,…同様に、電力線3,3,…に接続されており、電力線3,3,…を介してバッテリ4からの電力の供給を受けて動作すると共に、電力線3を介してPLCを実現する。ECU7,7,…は電力線3,3,…を介して制御データを通信し、電力線3,3,…に接続されているアクチュエータ2,2,…の動作を制御する。
ECU7は、制御部70と、電源回路71と、クロック回路72と、通信部73と、電力線接続部74とを備える。
制御部70、は具体的にはCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等の処理装置を用い、電源回路71を介して電力の供給を受け、通信部73によるデータの送受信、又は図示しない他の構成部の動作を制御する。また、制御部70は、図示しないエンジン又はブレーキ等の車載機器の動作制御に係る処理を行っており、これらの処理の際に他のECU7,7,…との間で情報交換を行う必要がある場合には、通信部73へ送信データを与えることで他のECU7,7,…への情報を送信し、通信部73にて受信した他のECU7,7,…からの情報を受信データとして通信部73から取得することができる。
電力線接続部74は、電力線3を介して供給される電力を電源回路71へ分配するためのフィルタ回路と、電力線3を介して送受信されるデータが搬送される搬送波を通信部73へ与えるためのフィルタ回路(いずれも図示せず)とを含む。
電源回路71は、制御部70、クロック回路72、通信部73、及び図示しない他の構成部に接続されており、各構成部に電力を供給する。例えば電源回路71は、電力線接続部74及び電力線3を介してバッテリ4から受ける例えば12Vの駆動電圧を、構成部夫々に必要な電圧へ適宜調整して供給するようにしてある。
クロック回路72は、水晶振動子等の発振器を用いて24MHzの周波数のクロック信号を出力し、制御部70、通信部73及び図示しない他の構成部へ分配する。制御部70はクロック信号又はクロック信号の逓倍信号、分周信号に同期して処理を行なう。通信部73も、クロック回路72から出力されるクロック信号の分周信号に同期して通信を行なう。
通信部73は、ネットワークコントローラを用い、他のECU7,7,…及びアクチュエータ2,2,…とのデータの送受信を実現する。詳細には、制御部70から与えられたデータを電力線通信により他のECU7,7,…へ送信する処理、及び他のECU7,7,…から電力線通信により送信されたデータを受信して制御部70へ与える処理を行うものである。通信部73は、受信回路75と、送信回路76とを含む。更に、受信回路75は復調部751を含み、送信回路76は、搬送波生成部761、変調部762、振幅強調部763を含んで構成されている。
受信回路75の復調部751は、電力線接続部74から与えられた搬送波の振幅を調べることによって搬送波が出力されたか否かを判定し、判定結果に基づいて受信信号をデジタルの受信データに復調し、復調した受信データを制御部70へ与える。なお、復調部751による受信信号の復調処理は、包絡線検波により行うものであってよい。
送信回路76の搬送波生成部761は、クロック回路72からのクロック信号を分周する分周回路、及び帯域通過フィルタなどのフィルタ回路等により構成されている。実施の形態3における搬送波生成部761は、周波数が12MHzの正弦波信号を生成して搬送波として変調部762へ出力する。
変調部762は、搬送波生成部761が生成した搬送波が与えられており、この搬送波を用いて制御部70から与えられるデジタルの送信データを変調し、変調した信号を送信信号として振幅強調部763へ与える。変調部762は、制御部70からの送信データの値が”0”の場合には搬送波を出力し、送信データの値が”1”の場合には搬送波を出力しないという方法(所謂、OOK変調)で送信データの変調を行う。実施の形態3においては、ECU7は送信データを500kbpsの速度で送信する構成とし、変調部762が変調した送信信号は、制御部70からの送信データ”0”の1ビット分に対して、数十以上の周期分の搬送波が出力される信号となる。
振幅強調部763は、変調部762から与えられた送信信号の振幅を2倍〜3倍程度に強調して出力するものである。ただし、振幅強調部763による送信信号の振幅強調は、送信データ”0”の各ビットについて、出力される搬送波の先頭から数周期分についてのみ行われる。なお、振幅強調部763による搬送波の振幅強調の詳細については後述する。
このような通信部73を備えることによってECU7は電力線3を介して他のECU7,7,…との間でデータの送受信を行うことができる。車両に配策される電力線3はバッテリ4から複数のECU7,7,…へ電力供給を行うためのものであるため、電力線3には複数のECU7,7,…が接続されている。このため、同一の電力線3に接続された複数のECU7,7,…の通信部73が同時的に送信を行った場合、複数の送信信号が電力線3上にて衝突するため、各ECU7,7,…の通信部73は送信処理の衝突を回避する調停処理、即ちアービトレーションを行う必要がある。
図8及び図9は、送信処理におけるアービトレーションを説明するための模式図であり、CANの規格に対応した従来の通信装置が行うアービトレーション(図8)と、本発明の通信装置が行うアービトレーション(図9)とをそれぞれ示してある。CANの規格において、通信線を介して送受信されるデータはフレームと呼ばれ、1つのフレームはスタートオブフレーム、アービトレーションフィールド、コントロールフィールド、データフィールド、CRCフィールド、ACK(ACKnowledgement)フィールド及びエンドオブフレーム等の複数のフィールドから構成されている。これらのうちのアービトレーションフィールドには、送受信するデータの種別に応じて付される11ビットのIDが含まれており、通信装置はIDを優先度として扱うことでアービトレーションを行う。
例えば図8の上段には、2つの通信装置が同時的に送信したデータのIDに係る部分の信号波形を図示してあり、一方の通信装置がID”11001011111”の送信信号Aを通信線に出力し、他方の通信装置がID”11001010011”の送信信号Bを通信線に出力した場合である。CANの規格においては、通信線上におけるデータ”0”に相当する信号レベルはドミナントと呼ばれ、データ”1”に相当する信号レベルはレセシブと呼ばれており、複数の通信装置が通信線に信号を同時的に出力したときに、少なくとも1つの通信装置がドミナントを出力した場合には、通信線上の信号レベルはドミナントとなる。
よって、図8の上段に示すような送信信号A及びBが同時的に通信線に出力された場合、通信線上の信号は図8の下段に示す信号波形となり、これは送信信号Bに等しい。各通信装置は、通信線に信号を出力した後、ビット毎に信号線の信号レベルをチェックしており、自らがデータ”1”に対応するレセシブを出力した際に通信線がデータ”0”に対応するドミナントに変化した場合には、送信処理を停止して受信処理を開始する。自らが出力した信号に変化がない場合には、各通信装置は送信処理を継続して行う。本例では、送信信号Aを出力した通信装置は、IDの第3ビットに対応するレセシブがドミナントに変化したことを検出でき、送信処理を停止して受信処理を行う。送信信号Bを出力した通信装置は、通信線上の信号の信号レベルが送信信号Bから変化していないため、送信処理を行う。これらの処理を各通信装置が行うことによって、CANの規格におけるアービトレーションが実現される。
これに対して、本発明の通信装置であるECU7においては、図9の上段に示すように制御部70から通信部73へ与えられる送信データのデータ形式は、既存のCANの規格に従ったものである。本例では、第1のECU7の制御部70が送信信号Aφで表される送信データを通信部73へ与え、第2のECU7の制御部70が送信信号Bφで表される送信データを通信部73へ与えた場合を示してある。なお、図9の上段に示す送信信号Aφ及びBφは、図8の上段に示した送信信号A及びBと同じものである。
制御部70から送信データを与えられた通信部73は、変調部762にて送信データの変調を行う。図9の中段には、送信信号Aφ及びBφを、各ECU7の変調部762にて夫々変調した送信信号A1及びB1を図示してある。変調部762は、制御部70から与えられた送信データの値に応じて搬送波生成部761が生成した搬送波の出力/非出力を切り替えることで変調を行っており、送信データのデータ”0”に対して搬送波を出力し、データ”1”に対して搬送波を出力しない。
変調部762にて変調された送信信号A1及びB1は、振幅強調部763にて振幅が強調された後、電力線接続部74を介して電力線3に重畳して出力される。図9の下段には、第1のECU7及び第2のECU7から送信信号A1及びB1が夫々同時的に電力線3へ重畳して出力された場合の電力線3上の信号波形を示してある(ただし、振幅の強調については図示を省略し、簡略化した信号波形を示してある)。図示のように、電力線3上の信号は送信信号B1に略等しい。
各ECU7,7,…の通信部73は、電力線3に信号を出力した後、送信データのビット毎に電力線3上の搬送波の有無をチェックしており、自らが搬送波を出力しないデータ”1”に対応するビットにて、電力線3上にデータ”0”に対応する搬送波が検出された場合、即ち自らが送信した信号に対して電力線3上の信号が変化していた場合には、送信処理を停止して受信処理を開始する。また、自らが送信した信号に対して電力線3上の信号が変化していない場合、通信部73は送信処理を継続して行う。本例では、送信信号A1を送信した第1のECU7は、IDの第3ビットに対応する信号が電力線3上で変化していることを検出でき、送信処理を停止して受信処理を移行する。送信信号B1を送信した第2のECU2は、電力線3上の信号が変化していないため、送信処理を継続する。
これらの処理を各ECU7,7,…の通信部73が行うことによって、CANの規格と同様のアービトレーションが実現される。よって、ECU7の制御部70が通信部73との間で授受する送受信データは、CANの規格に従ったデータ形式のものとすることができる。
電力線3上に出力された信号は、電力線接続部74にて電力線3から分離されて受信信号として復調部751へ与えられる。復調部751は、受信信号に含まれる搬送波の有無を周期的に判定することによって、受信信号をデジタル値の受信データに復調し、制御部70へ与える。なお復調部751は、受信信号に搬送波が含まれているか否かを、受信信号の信号レベルが閾値を超えるか否かにより判定する。
次に、通信部73の振幅強調部763が行なう送信信号の振幅強調について説明する。図10は、ECU7の通信部73の信号送信に係る回路の構成を模式的に示す模式図であり、通信部73の送信回路76の搬送波生成部761、変調部762、振幅強調部763及び電力線接続部74の回路構成を簡略化して図示したものである。なお、図10中では、各構成部を回路記号にて示しているが、アナログ回路にて構成されると限定されるものでない。同等の構成をデジタル回路にて実現し、マイクロコンピュータなどの既存のクロック回路、フィルタ回路、演算回路など用いて回路規模を小さくすることも可能である。
搬送波生成部761は、クロック回路72からの信号を分周回路764にて分周することにより搬送波を生成し、変調部762へ出力する。実施の形態3では、クロック回路72はECU7の各構成部の動作の基準のために24MHzのクロック信号を出力している。分周回路764がこの信号を2分周する構成とすることによって、搬送波生成部761は12MHzの搬送波を出力することができる。なお、搬送波生成部761は、同周波数且つ同位相の2つの搬送波を変調部762へ出力する。
変調部762は、搬送波生成部761から2つの搬送波を与えられ、この搬送波を出力するか否かをスイッチSW1及びSW2にて切り替える。2つのスイッチSW1及びSW2はその開閉が連動しており、スイッチSW1が開状態の場合にはスイッチSW2も開状態となり、スイッチSW1が閉状態の場合にはスイッチSW2も閉状態となる。変調部762は、制御部70から与えられる送信データがデータ”0”の場合にスイッチSW1及びSW2を閉じ、データ”1”の場合にスイッチSW1及びSW2を開くことによって、搬送波の出力/非出力を切り替え、送信データの変調を行う。なお、変調部762は、2つのスイッチSW1及びSW2により変調信号を2つ生成しており、2つの変調信号を振幅強調部763へ出力する。
振幅強調部763は、変調部762から与えられた2つの変調信号を用いて振幅の強調を行い、振幅が強調された1つの変調信号を電力線接続部74へ出力する構成であるため、変調部762からの2つの変調信号が入力される2つの入力端子と、電力線接続部74へ信号を出力する1つの出力端子とを有している。一方の入力端子はスイッチSW3及び抵抗R1を介して出力端子に接続され、他方の入力端子は抵抗R2を介して出力端子に接続されている。また抵抗R1及びR2は、その出力側が抵抗R3を介して接地電位に接続されている。
振幅強調部763は、制御部70から与えられる送信データの各ビットについて、データの開始から所定期間(例えば、搬送波の数周期分の期間)のみスイッチSW3を閉じ、その後の次のデータまでの期間はスイッチSW3を開く。スイッチSW3が開状態の場合、変調部762のスイッチSW2を通して与えられる変調信号のみが振幅強調部763から出力されるため、変調部762から与えられた変調信号が抵抗R2及びR3の抵抗比に応じた振幅に変換されて出力される。これに対してスイッチSW3が閉状態の場合、変調部762のスイッチSW2を通して与えられる変調信号に、スイッチSW1を通して与えられる変調信号が重畳される。これにより、抵抗R1、R2及びR3の抵抗比に応じて変調信号の振幅が強調される。振幅強調部763が出力した信号は、電力線接続部74へ与えられ、電力線接続部74のコンデンサC1を介して電力線3に重畳されて出力される。
図11及び図12は、振幅強調部763による振幅強調の効果を説明するための模式図であり、振幅強調部763により振幅が強調された信号の波形(図中の実線参照)と、振幅強調が行われていない信号の波形(図中の破線参照)とを比較して図示してある。なお、図示の信号レベルは、振幅強調が行われていない信号の信号レベルを基準とした場合の比を示してある。また、図示の例では、振幅強調部763が搬送波の3周期分の期間に亘って、信号レベルを3倍に強調するものとして、信号波形を示してある。また、図12に示す波形は、図11に示した波形において最初(時刻tが0)から搬送波の半周期程度の期間までを拡大して図示したものである。
送信側のECU7の通信部73が、図示のような振幅強調を行った信号を電力線3に重畳して送信した場合、受信側のECU7の通信部73では電力線接続部74にてこの信号が電力線3から分離されて受信され、受信信号として受信回路75の復調部751へ与えられる。復調部751は受信信号の信号レベルが閾値Vtを超えるか否かにより搬送波の有無を判定しており、図示の例では振幅強調されていない信号の振幅の略半分の信号レベルを閾値Vtとしてある(図12の一点鎖線参照)。
ここで、振幅強調されない信号の立ち上がりにおいて、信号レベルが閾値Vtを超えるまでの時間をT0とした場合、振幅強調された信号の信号レベルが閾値Vtを超えるまでの時間T1は、上記の時間T0の約1/3程度の時間に短縮される。即ち、通信部73の復調部751が受信信号を復調する際に行う搬送波の有無の判定を、より早いタイミングで行うことができる。よって、復調部751の復調処理を高速化することができ、通信部73が電力線3を介して行う通信を高速化することができる。
以上の構成の本発明に係る通信装置であるECU7は、搬送波生成部761にて所定周期の搬送波を生成し、制御部70から与えられる送信データの値が”0”の場合に搬送波を出力し、値が”1”の場合に搬送波を出力しないようにする。そして、変調部762が送信データの変調を行い、変調した信号を電力線3に重畳して送信する構成とすることにより、電力線3を介して送受信される信号ではCANの規格と同様にデータ”0”に対応する信号に優位性を持たせることができる。このため、ECU7の通信部73は、複数のECU7,7,…の間で行う送信のアービトレーションに係る処理を、CANの規格と同様の方法で行うことが可能となる。よって、電力線通信の機能を有するECUの開発を容易化できると共に、本発明のECUを搭載することで車両に配設するCANケーブルのような通信線の数を削減することができ、ワイヤハーネスの軽量化を実現できる。
また、通信部73は、送信データの各ビットについて、変調された送信信号の先頭から所定期間の信号振幅を振幅強調部763にて強調し、強調された送信信号を送信回路76から電力線接続部74を介して電力線3に重畳して送信する構成とした。これにより、この信号を受信した他のECU3の受信回路の復調部751は受信信号に含まれる搬送波の有無をより早いタイミングで判定することができるため、電力線3を介した通信を高速化することができる。また送信信号の一部のみを振幅強調する構成であるため、通信に伴う消費電力の増大及びノイズの増大等を抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、搬送波生成部761が生成する搬送波の周波数を12MHzとしたが、一例であってこれに限るものではなく、その他の周波数の搬送波を生成する構成としてもよい。また、搬送波生成部761が生成する搬送波を正弦波としたが、これに限るものではなく、その他の波形の搬送波を生成する構成としてもよい。また、通信部73は、制御部70からの送信データを変調部762にて変調した後に振幅強調部763による振幅強調を行う構成としたが、これに限るものではなく、搬送波生成部761が生成した搬送波を振幅強調部763が振幅強調し、振幅強調された搬送波を用いて変調部762が送信データの変調を行う構成としてもよい。
実施の形態3では、12MHzの周波数の搬送波を1つだけ用いてデータを送信する構成とした。実施の形態1及び2のように、複数の異なる周波数の搬送波を使い分ける構成とする場合は、送信回路76とは別に第2の送信回路を設け、第2の送信回路における分周回路にて、24MHzのクロック信号を4分周して用い、2つの異なる周波数f1 =6MHz、f2 =12MHzの搬送波にてデータ信号をASK方式にて変調して送信する構成とすればよい。
(実施の形態4)
上述の実施の形態1乃至3においては、ECU1又はECU7が内部に電力線通信を行う通信部73を備える構成とした。しかしながら本発明は、これに限らず、以下に示すように、電力線通信を行う機能を独立させて単体のIC(Integrated Circuit)にて実現する構成としてもよい。図13は、実施の形態4における通信装置の構成を示すブロック図である。実施の形態4では、本発明に係る通信装置は電力線通信IC8として実現され、CANの規格による通信を行う機能を有するECU80のCAN通信部802と電力線3との間に介在して電力線通信を実現させる。
ECU80は、CANの規格による通信を行うためのCAN通信部802を有している。CAN通信部802は、CANコントローラを用い、CPUなどの制御部800から与えられる送信データをCANの規格に従って送信すると共に、他のECUからCANの規格に従って送信されたデータを受信して制御部800へ与える処理を行う。CAN通信部802は、CANバスなどの通信線に接続されて通信を行うものとして、車載ECUに用いられるマイクロコンピュータに備えられていることが多い。したがって既存の資源を改変することなく使用できる点で有利である。
電力線通信IC8は、搬送波生成部81、変調部82、振幅強調部83、送信部84、受信部85及び復調部86等を備えており、ECU80のCAN通信部802と電力線3との間に介在する。電力線通信IC8の各構成部は、実施の形態3における通信部73内の各構成部に対応する。電力線通信IC8の搬送波生成部81は、内部にクロック回路を備える構成としても良いし、ECU80からクロック信号を受け付ける構成としてもよい。
電力線通信IC8は、ECU80のCAN通信部802が出力する送信データを、搬送波生成部81からの搬送波を用いて変調部82にて変調し、振幅強調部83にて振幅を強調し、送信部84にて電力線3へ信号を重畳して出力する。また電力線通信IC8は、他のECUから電力線3に重畳して送信された信号を受信部85にて受信し、復調部86にて受信信号を復調し、復調した受信データをECU80のCAN通信部802へ与える。
このように、ECU80のCAN通信部802をCANバスなどの通信線に接続せず、電力線通信IC8を介して電力線3に接続する。ECU80は、通信線に接続されているか電力線に接続されているかを意識することなく、従来からのCANの規格に従ったCAN通信部802による通信を行なうことで電力線3を介した電力線通信を実現することができる。このため、CANの規格による通信機能を有する従来からのECU80に、電力線通信IC8によって電力線通信の機能を付加することができる。
なお、送信におけるアービトレーションの処理は、電力線通信IC8が行う構成であってもよく、CAN通信部802が行う構成であってもよい。また電力線通信IC8が動作するための電力は、電力線3から電力線通信IC8が直接的に電力を取得する構成であってもよく、ECU80の電源回路801から電力線通信IC8へ電力供給される構成であってもよい。また、図13を用いた説明では、ECU80は直接的に電力線3に接続されて電力の供給を受ける構成とした。しかしながら、電力線通信IC8は電力線3からデータが搬送される搬送波と電力とを分離する電力線接続部13,74の機能を内部に有する構成としてもよい。この場合、ECU80の電源回路801は電力線通信IC8を介して電力線3から電力の供給を受ける。
(変形例)
実施の形態3で述べたように、電力線通信を実現する通信部はアナログ回路構成とすると回路規模が大きくなる。特に、受信回路では、AMラジオ周波数及びディップ周波数を回避した周波数、例えば12MHz周辺のみを分離するバンドパスフィルタ、整流回路及びローパスフィルタによる包絡線検波回路、振幅の判定回路及びダイオードが必要である。特に、ダイオード、ローパスフィルタの積分回路で用いるコンデンサによって回路規模が大きくなる。
したがって、図14に示すようにデジタル回路、特にECUに含まれるマイクロコンピュータなどに既存の論理回路を用いて構成して実現する。以下に示す例は、実施の形態3における通信部73をデジタル回路を用いた通信部9に置き換える場合として説明する。したがって、通信部9以外の構成は、実施の形態3と同一の符号を付して説明を省略する。
図14は、変形例における通信部9の送信回路91及び受信回路92を示すブロック図である。送信回路91は、搬送波生成部101及び変調部102を含む。電力線接続部、振幅強調部については説明及び図示を省略する。受信回路92は復調部201を含む。クロック回路72は、通信部以外の動作にも用いられるクロック信号を出力するものであり、通信部9とは独立して構成される。
送信回路91では、クロック回路72から出力される24MHzのクロック信号を搬送波生成部101が分周器103にて12MHzの搬送波として変調部102へ出力する。変調部102からは送信データの1/0ビットに応じて搬送波の出力/非出力がSWにより切り替えられて変調された信号が出力される。
受信回路92の復調部201は、2値化回路202、1クロック遅延回路203及びOR回路204を用いる。なお、これらはECU7のハードウェアとして既存の論理回路を用いる。
2値化回路202は、クロック回路72から入力される24MHzのクロック信号に同期して搬送波をサンプリングする。24MHzは搬送波の周波数12MHzの2倍であるから2倍でサンプリングすることになる。2値化回路202からはサンプリングされた結果が2つの信号に分岐されて出力され、一方はサンプリング周波数の1クロック分だけ遅延させる1クロック遅延回路203に入力される。2値化回路202にてサンプリングされた結果として直接出力されるサンプリング信号と、1クロック遅延回路203を介して1サンプリングクロック分ずれたサンプリング信号とがOR回路204に入力されORがとられる。したがってOR回路204により、搬送波にて2回ロー(0)が続いた場合以外はハイ(1)として出力される。
このような構成により、ダイオード、抵抗及びコンデンサを用いる構成よりも回路規模を縮小して検波回路を実現することができる。このようにECUのハードウェアとして既存の論理回路を用いて検波回路を実現できるから、PLC用に特別に通信部をアナログ回路を用いて作成して備える必要はなく、ECUのコンパクト化を図ることができ、省コストな構成でPLCによる通信システムを実現できる点で、優れた効果を奏する。図14に示すような構成であっても、送信回路91から受信回路92にてドミナント又はレセッシブを判定するまでの遅延時間は、アナログ回路による包絡線検波の方式と同等である。更に、デジタル処理により実現するため、後段の制御部70によるデジタル信号処理などに柔軟に対応できる点でも有利である。
実施の形態1乃至4では、車両に配される通信システムを例に説明した。しかしながら、本発明は他に、ファクトリーオートメーション分野など、各種分野において多数の装置で連携して機器制御を行なうシステムに適用することができる。
なお、上述のように開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (5)

  1. 電力線を介してデジタルデータを送受信する通信装置において、
    入力されるデジタルデータのビット列に対応して、前記電力線の回路構成で定まるディップ周波数よりも低い周波数を有する搬送波の出力/非出力を切り替えることにより、前記デジタルデータを変調した送信信号を生成する変調手段と、
    該変調手段が生成した送信信号を前記電力線へ送信する送信部と、
    前記電力線に送信されている信号を受信する受信部と、
    前記送信部による送信信号の送信中に、前記受信部により受信した信号が前記送信信号と一致するかを判定し、一致しない場合に前記送信部による送信信号の送信を中断して他の装置と送信権を調停する調停手段と、
    前記受信部が受信した信号に基づき、前記搬送波の有無に応じた受信データに変換する復調手段と
    を備えることを特徴とする通信装置。
  2. 前記送信部は、送信信号の先頭から所定期間に対応する搬送波の振幅を強調する振幅強調手段を更に備えること
    を特徴とする請求項に記載の通信装置。
  3. 送信する前記デジタルデータの各ビットに対応する送信信号は、前記搬送波の複数周期分の信号にて構成され、
    前記振幅強調手段は、前記搬送波生成手段が生成した搬送波の所定周期の信号について振幅を強調するようにしてあること
    を特徴とする請求項に記載の通信装置。
  4. 前記振幅強調手段は、前記搬送波生成手段が生成した搬送波と同様の周期及び位相の信号を前記搬送波に重畳することにより、前記搬送波の振幅を強調するようにしてあること
    を特徴とする請求項に記載の通信装置。
  5. 電力線により接続されている複数の通信装置を含み、各通信装置が前記電力線を介してデジタルデータを送受信する通信システムにおいて、
    各通信装置は、
    入力されるデジタルデータのビット列に対応して、前記電力線の回路構成で定まるディップ周波数よりも低い周波数を有する搬送波の出力/非出力を切り替えることにより、前記デジタルデータを変調した送信信号を生成する変調手段と、
    該変調手段が生成した送信信号を前記電力線へ送信する送信部と、
    前記電力線に送信されている信号を受信する受信部と、
    前記送信部による送信信号の送信中に、前記受信部により受信した信号が前記送信信号と一致するかを判定し、一致しない場合に前記送信部による送信信号の送信を中断して他の装置と送信権を調停する調停手段と、
    前記受信部が受信した信号に基づき、前記搬送波の有無に応じた受信データに変換する復調手段と
    を備えることを特徴とする通信システム。
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