JP5038029B2 - ロボット - Google Patents
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Description
上述したように作動軸の他端部から作動軸の外に導出された配管等は、空中をアームに向けて延び、アームの中に挿入されている。
このため、本発明に係るロボットによれば、接続部材が損傷することがないようにしながら、接続部材の一部を作動軸と一体に回動または軸線方向へ移動させることができるから、接続部材が作動軸に摺接することはなく、摩耗粉が生じることもない。
したがって、本発明によれば、作動軸の中空部に接続部材が挿通する構造を採りながら、クリーンルームでも使用可能なロボットを提供することができる。
また、本発明においては、余裕部をねじりコイルばねを構成するように形成して作動軸と同一軸線上に位置付けたから、作動軸がアームに対して回動することにより、接続部材のコイル状部分が捩られ、作動軸の回る方向に対応してコイル状部分の径が増大または減少する。このため、作動軸が回動したときに接続部材が捩れて破損するのを防ぐことができる。
前記コイル状部分は、一端部が作動軸に支持されるとともに他端部が支持部材によって作動軸の回転方向において支持されており、また、コイル状部分から基台側に延びる部分も保持部材によってアームに保持されているから、作動軸の他端部から導出された接続部材は、アームが急速に揺動したとしても大きく振られるようなことはなく、アームと一体に揺動する。
したがって、この発明によれば、前記接続部材と前記カバーとの間に必要なクリアランスを狭く形成することができ、このカバーをコンパクトに形成することができる。このため、作動軸を貫通する接続部材が作動軸の回動により損傷するのを防ぐ構成を採りながら、設置スペースが狭くてよいロボットを提供することができる。
前記コイル状部分は、柱状部材にこれが貫通する状態で保持されているから、アームが急速に揺動したとしても大きく振られるようなことはない。
図1〜図3は本発明に係るロボットを示す図で、図1(a)は平面図、図1(b)は側面図、図2(a)は正面図、図2(b)は背面図、図3は斜視図である。図4は本発明に係るロボットの構成を示す側面図である。
また、前記チューブ取付部材31の内部には、フレキシブルチューブ14内の空間34(図13参照)と基台2内の空間35(図4参照)とを連通するように空気通路36が形成され、前記チューブ取付部材32の内部には、フレキシブルチューブ14内の空間34と第2のアーム4内の空間37(図5参照)とを連通するように空気通路38が形成されている。
前記3個のヘッド用継手41は、前記ヘッド8に設けられている3個のユーザ配管用継手44(たとえば図3参照)にそれぞれ前記空気パイプ15(たとえば図5参照)によって接続されている。これらの3個のヘッド用継手41は、図示していない空気圧制御装置の空気パイプを着脱可能に取付けることができるように構成されている。
前記2個の信号線ユニット17,18は、それぞれ内部に13本のケーブル57を備えている。
このカバー9は、図1〜図3、図6、図9および図11に示すように、前記2本の支柱62,63を第2のアーム4の揺動基部側から覆うように形成された後側カバー64と、この後側カバー64の開口部分を閉塞する前側カバー65とから構成されており、第2のアーム4の上に設けられた支持用プレート66(図5参照)に上方から取付けられている。前記前側カバー65によって、本発明でいうカバーにおける少なくとも前記余裕部と対向する部分が構成されている。
前記モータ55は、第2のアーム4に固定されたモータケース72と、このモータケース72に軸受73によって回転自在に支持された円筒状の回転軸74と、この回転軸74に設けられたロータ75と、このロータ75の外周面に対向し、モータケース72の内側に固定されるステータ(図示せず)および回転検出用レゾルバ(図示せず)などによって構成されている。この実施例によるモータ55の上端部は、第2のアーム4の上に設けられている支持用プレート66の開口66aを通して前記カバー9内に突出している。
前記筒状出力軸78の下端部と前記ヘッド8との間には、図5に示すように、ゴム材料によって蛇腹状に形成された作動軸カバー81が取付けられている。
前記モータ56は、軸線方向が上下方向を指向するように第2のアーム4に支持、固定されている。この実施例によるモータ56の下端部は、第2のアーム4から下方に突出している。この突出部は、図5に示すように、第2のアーム4の下端部に取付けられたモータカバー85によって覆われている。
前記連結部材84は、図8および図9に示すように、金属材料によって第2のアーム4の長手方向に長い板状に形成されている。この連結部材84の一端部は、前記ボールねじナット83の軸心部分が貫通する状態でボールねじナット83が連結固定されて一体化されている。
前記ストッパ側歯付きプーリ91の外径は、前記作動軸側歯付きプーリ87の外径の約2倍に形成されている。このストッパ側歯付きプーリ91は、前記連結部材84の下端部に突設された支軸92に軸受93によって回転自在に支持されている。
このストッパ側歯付きプーリ91の外周部の上には、図6、図7、図9および図11に示すように、ボルトからなる移動規制用のピン94が立設されている。このピン94は、ストッパ側歯付きプーリ91が回転することによって、ボールねじナット83の下端部に取付けられたプラスチック製のリング95(図8および図11参照)に当接するように構成されている。このピン94が前記リング95に当接することによって、ストッパ側歯付きプーリ91の回転が規制され、これに伴って作動軸5の回転が規制される。
前記3本の空気パイプ15は、それぞれ合成樹脂によって形成されている。これらの空気パイプ15における前記第2のアーム4内に位置する部分と、前記ヘッド8の近傍に位置する部分との間の部分は、互いに溶着されており、1本の空気用集合パイプ101(図8参照)として形成されている。
これらの下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とは、このスカラロボット1に装着される以前に所定のコイル状に成形されている。すなわち、これらのコイル状部分は、空気用集合パイプ101およびケーブル用集合パイプ103を型(図示せず)にコイル状に巻き付けて加熱することにより熱変形させ、その後冷却することによってコイルの形状を維持するように形成されている。
前記支持棒123は、図7に示すように、水平方向から見てL字状に形成されており、固定用ボルト130によって下部円板122に固定されている。
前記第1の支柱側コイル状部分145と第1の支柱62との間と、第2の支柱側コイル状部分146と第2の支柱63との間とには、これらのコイル状部分145,146のパイプ101,103が支柱62,63に対して容易に移動することができるように、作動軸5が最高位置まで上昇しコイル状部分145,146が最大に伸長した状態において、隙間が設けられている。
一方、第1の支柱側コイル状部分145の上端部と、第2の支柱側コイル状部分1466の上端部とは、作動軸5と一体に昇降するようにそれぞれ水平に延び、前記パイプ支持部116b,116cに結束用バンド134で保持される前記下側コイル状部分113、前記上側コイル状部分114に連なり一体化されている。すなわち、第1、第2の支柱側コイル状部分145,146は、作動軸5が図4に示した上昇位置から下がることによって圧縮され、作動軸5が上昇することによって伸長する。
第2の支柱側コイル状部分146を形成したケーブル用集合パイプ103は、図示してはいないが、第2のアーム4の内部に上方から挿入され、第2のアーム4内でケーブル58が導出されている。
空気用集合パイプ101とケーブル58とは、前記上部支持部材116と基台2との間で前記支柱62,63、チューブ取付部材32、フレキシブルチューブ14およびチューブ取付部材31によって保持されている。この実施例においては、前記支柱62,63、チューブ取付部材31,32およびフレキシブルチューブ14などによって本発明でいう保持部材が構成されている。
また、このスカラロボット1は、基台2上部内部や第2のアーム4の前後の各下部内部の空気を吸引することで、各関節部分を構成する減速機13,46,47内部で生じる粉塵などの異物を空気とともに吸引するようにしている。
前記第1の支柱側コイル状部分145と第2の支柱側コイル状部分146とは、柱状部材にこれが貫通する状態で保持されているから、アームが急速に揺動したとしても大きく振られるようなことはない。
したがって、この実施例によれば、作動軸5の中空部に配管等104が挿通する構造を採りながら、クリーンルームでも使用可能なスカラロボットを製造することができる。
この実施例においては、配管等104を通す通路の少なくとも一部が第2のアーム4の内部空間37によって形成されているから、配管等104を通すための空間を形成するに当たって第2のアーム4を利用できる。このため、第2のアーム4に沿って延びるダクト(図示せず)に配管等を挿通する構成を採る場合に較べてコストダウンを図ることができる。
前記第1の支柱側コイル状部分145と第2の支柱側コイル状部分146とは、第1、第2の支柱62,63にこれが貫通する状態で保持されているから、第2のアーム4が急速に揺動したとしても大きく振られるようなことはない。
実際のロボットを用いた作業では、工具のワークに対する回転方向の角度を一定に保持させながら、第2のアーム4を旋回させるような場合がある。このような場合、作動軸5は360°以上回転する必要がある。この実施例によるスカラロボット1によれば、このような動作が可能である。
この実施例によるスカラロボット1は、第1のアーム3と第2のアーム4とを備えているが、作動軸5を支持するためのアームの数は、たとえば1本でもよいし、3本以上でもよい。
この実施例では、空気パイプ15とケーブル58との両方が作動軸5を貫通する例を示したが、空気パイプ15とケーブル58のうち何れか一方のみを作動軸5内に挿通させることができる。また、ケーブル58としては、電力供給用ケーブルあるいは通信用ケーブルのうち少なくとも何れか一方を使用することができる。
この実施例では、ヘッド8にユーザ配管用継手44とユーザ配線用コネクタ49との両方を設ける例を示したが、ヘッド8には、作動軸5内に空気パイプ15のみが挿通される場合は、ユーザ配管用継手44のみを設け、作動軸5内にケーブル58のみが挿通される場合には、ユーザ配線用コネクタ49のみを設けることができる。
この実施例では、カバー9内や各減速機13,46,47の近傍の空気を吸引する例を示したが、クリーンルームで使用しない場合は空気を吸引しなくてもよい。また、この実施例によるスカラロボット1によれば、第2のアーム4の上に位置する部品の略全てがカバー9で覆われているから、カバー9内の空気を吸引しなくても摩耗粉がカバー9の外に飛散し難くなる。
Claims (7)
- 作業部材を取付ける取付座が一端部に設けられた中空な作動軸と、
この作動軸を回動と軸線方向への移動とのうち少なくともいずれか一方が可能となるように支持する揺動式アームと、
前記アームを支持する基台とを備え、
前記作動軸の中空部に、前記作業部材に接続される接続部材が挿通されているロボットにおいて、
前記接続部材は、空気配管、電力供給用あるいは通信用のケーブルのうち少なくとも一つによって構成され、
前記接続部材における前記作動軸の他端部から導出された部位には、この接続部材をコイル状に巻回させることによって弾性変形可能な余裕部が形成され、
この余裕部の一端部は、前記作動軸に連動するように支持され、他端部は、前記作動軸とは連動することがないように前記アームに支持され、
前記アームは、前記作動軸と前記余裕部とを覆うカバーを備え、
このカバーの内部は、前記基台まで延びる通路に連通され、
前記接続部材は、前記通路を通して基台に導かれ、
前記接続部材の余裕部は、ねじりコイルばねを構成するようにコイル状に形成され、
このコイル状部分は、前記アームに設けられた支持部材によって前記作動軸と同一軸線上に位置するように保持され、
このコイル状部分の一端部は、前記作動軸に一体に回動するように支持され、
このコイル状部分の他端部は、前記支持部材によって作動軸と一体に回動することがないように作動軸の回転方向において支持され、
前記コイル状部分の他端部と前記アームとの間で接続部材を保持する保持部材を備え、
前記コイル状部分の数は偶数とされ、半分のコイル状部分と、他の半分のコイル状部分とで接続部材の巻回する方向が逆方向とされていることを特徴とするロボット。 - 請求項1記載のロボットにおいて、前記カバーは、少なくとも前記余裕部と対向する部分を有する複数のカバー構成部分に分割形成され、
これらのカバー構成部分は、互いに着脱可能に取付けられていることを特徴とするロボット。 - 請求項1記載のロボットにおいて、前記通路は負圧源に接続され、前記カバー内は、前記通路を介して空気が吸引されることを特徴とするロボット。
- 請求項1記載のロボットにおいて、前記通路の少なくとも一部は、前記アームの内部空間によって形成されていることを特徴とするロボット。
- 請求項1記載のロボットにおいて、前記通路における前記アームと基台との接続部分は、一端部が前記アームに接続されかつ他端部が前記基台に接続されたフレキシブルチューブによって形成されていることを特徴とするロボット。
- 請求項1記載のロボットにおいて、前記作動軸を駆動するアクチュエータのケーブルと、前記アームを回動させるアクチュエータのケーブルとは、前記通路の少なくとも一部に挿通されていることを特徴とするロボット。
- 請求項1記載のロボットにおいて、
前記アームには、前記作動軸に沿って延びる柱状部材が立設され、
前記接続部材の余裕部は、コイル状に形成されて前記柱状部材が中心部を貫通する状態で前記柱状部材に保持され、
このコイル状部分は、所定の曲げ弾性を有するもので形成され、
前記コイル状部分における前記柱状部材の基端側に位置する一端部は、前記アームに対して移動することがないように前記アームに支持され、
前記コイル状部分の他端部は、前記作動軸と一体に移動するように前記作動軸に接続されていることを特徴とするロボット。
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