JP5001863B2 - イオン発生素子 - Google Patents

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Description

この発明はイオン発生素子に関する。
従来、イオンを発生させる方法としては、水に衝撃を与えることによってイオンを発生させるレナード効果を利用する方法と、電極に高電圧を印加することによって電気的にイオンを発生させる方法とがある。このようにして生成されたイオンは、除電を行ったり、細菌やウイルスの不活性化処理を行ったり、あるいは、イオンによって快適性を増加させたりするために用いられる。また、イオン発生時の放電エネルギーによって空気を浄化したり、空気中のイオンを移動させることによって空気の流れを発生させたりすることができる。
電極に高電圧を印加することによって放電させ、空気中の分子を解離させてイオンを発生させる方法では、針状電極や細線電極と対向電極との間に高電圧を印加することによって、イオンを発生させることができる。この方法を用いるイオン発生素子は、素子構造が比較的単純であるので、一般的に用いられている。
電極に高電圧を印加することによってイオンを発生させる方法では、一般に、一定量のイオンを発生させるために必要な電圧は、安全性、高電圧発生回路の小型化、省電力という観点から、できるだけ低電圧であることが望ましい。そこで、電極に高電圧を印加することによってイオンを発生させるイオン発生素子のイオン発生電極としては、針電極や、鋭角に形成された部分を有する板状の電極が用いられる。
例えば、特開2005−63827号公報(特許文献1)には、放電電極として100μm以下の極細線が用いられるイオン発生装置が記載されている。
また、実開平6−31099号公報(特許文献2)と特開平6−109274号公報(特許文献3)には、先端が45°以下に形成されている鋸歯を有する板状のイオン発生用電極が記載されている。
特開2004−4334号公報(特許文献4)には、複数の針状突起を有する金属電極を有するコロナ放電装置が記載されている。
一方、特開2001−80908号公報(特許文献5)に記載のイオン風発生装置では、針状電極の交換やクリーニングによる取り外しによって針状電極と外側電極との設置間隔を厳重に管理するために、針状電極と外側電極が一体化されている。
また、特開昭64−2075号公報(特許文献6)には、誘電体層を挟んで形成した電極間に電圧を印加する沿面放電方式の固体放電装置が記載されている。この固体放電装置においては、電極間に誘電体を介しているため、空気中の電極間に電圧を印加する方法と比較して、一般的に低電圧でイオンを発生させることができる。
特開2005−63827号公報 実開平6−31099号公報 特開平6−109274号公報 特開2004−4334号公報 特開2001−80908号公報 特開昭64−2075号公報
しかしながら、レナード効果によってイオンを発生させる方法では、マイナスイオンのみが発生し、プラスイオンを発生させることができないという問題がある。また、水を用いるため、空気が加湿されたり、装置が大型になったりするという問題もある。
特開2005−63827号公報(特許文献1)に記載のイオン発生装置のように、極細線の電極を針状の放電電極として用いる場合や、特開2004−4334号公報(特許文献4)に記載されている針状突起を有する金属電極を用いる場合、特開2001−80908号公報(特許文献5)に記載されている針状電極を用いる場合には、針状の電極の先端径を小さくするために電極の先端を高精度で加工する必要があり、加工が困難になるとともに加工費が高価になるという問題がある。
実開平6−31099号公報(特許文献2)と特開平6−109274号公報(特許文献3)に記載されている鋸歯を有する板状のイオン発生用電極を用いる場合にも同様に、電極の先端径を小さくするためには、電極の先端を高精度で加工する必要があり、加工が困難になるとともに加工費が高価になるという問題がある。
一方、特開昭64−2075号公報(特許文献6)に記載されている固体放電装置では、印刷法で形成された電極上で発生したイオンが電極近傍に留まるため、イオンを送出するためには電極上に送風が必要となる。そのため、送風を起こすファンを含めると、イオン発生に必要な消費電力が大きくなるという問題がある。
そこで、この発明の目的は、効率よくイオンを発生させることが可能であって、容易に作製することが可能なイオン発生素子を提供することである。
この発明に従ったイオン発生素子は、基板と、膜状の導電体によって基板上に形成される二つの誘導電極と、膜状の導電体によって基板上に形成され、高電圧を印加してイオンを発生させるためのイオン発生電極とを備え、イオン発生電極は、尖端を有する放電部を含み、放電部の尖端は、基板上において基板の端面からの距離が0.6mm以下の位置に配置されている。この発明に従ったイオン発生素子において、二つの誘導電極は、放電部の尖端の左右方向の一方側と他方側に互いに間隔を開けて、尖端が指す方向に離れて配置されている。
膜状の導電体で構成されるイオン発生電極は、例えば、スクリーン印刷やエッチング等の技術を用いることによって、膜厚が20μm以下の薄い膜で鋭角なパターンに形成される。このような薄い膜状の導電体によって、先端径が小さなイオン発生電極を容易に形成することができるので、イオン発生電極を低コストで作製することができる。
また、基板上に複数のイオン発生電極を並べて形成することも容易であるため、効率よく、低コストでイオン発生素子を作製することができる。
また、イオン発生電極の放電部の尖端は、基板上において基板の端面からの距離が0.6mm以下の位置に配置されていることによって、効果的にイオンを発生させ、例えば、送風ファンを備えなくても、イオンによる効果を得ることができる。
この発明に従ったイオン発生素子が、膜状の導電体によって基板上に形成される誘導電極をさらに備えていることにより、イオン発生電極と誘導電極の位置関係の精度を高くすることができる。例えば、イオンを電界によって送り出す方式においては、イオン発生電極と誘導電極との相対位置が、イオン発生素子から送出されるイオン量に大きく影響を及ぼす。そこで、このようにイオン発生電極と誘導電極の位置関係の精度を高くすることによって、イオン発生素子のイオン送出量特性のばらつきを低減することができる。
このようにすることにより、効率よくイオンを発生させることが可能であって、容易に作製することが可能なイオン発生素子を提供することができる。
この発明に従ったイオン発生素子においては、イオン発生電極は、金属酸化物を含むことが好ましい。
従来のイオン発生素子では、イオンの発生や、イオンが電極に衝突することによるスパッタリング現象によって、イオン発生電極が消耗するという問題がある。金属酸化物は耐熱性やイオンの衝撃に対する耐久性が高いので、イオン発生電極が金属酸化物を含むことにより、イオン発生による消耗が少なく、長寿命のイオン発生電極を形成することができる。
この発明に従ったイオン発生素子において、イオン発生電極の放電部は、好ましくは、酸化ルテニウムを含む金属酸化物によって形成されている。
以上のように、この発明によれば、効率よくイオンを発生させることが可能であって、容易に作製することが可能なイオン発生素子を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態として、イオン発生素子と電源の全体を示す正面図(A)と、(A)に示すイオン発生素子を右方向から見たときの側面図(B)である。
図1に示すように、イオン発生素子1は、ほぼ正方形の基板10と、基板10上に印刷法によって形成されたイオン発生電極20とから構成されている。イオン発生電極20は、尖端22を有する放電部21と、リード線接続端子24とを含む。
基板10は、96%アルミナ基板である。イオン発生電極20の放電部21は、導電体の金属酸化物として酸化ルテニウム(RuO)材料(DuPont製、品番:QS871)を用いて、基板10上に厚膜印刷し、850℃で10分間焼成する厚膜印刷・焼成法によって形成されている。放電部21の尖端22の先端角度は、23.5°の鋭角に形成されている。放電部21の膜厚は、7〜11μmである。リード線接続端子24は、銀パラジウム(AgPd)導体(DuPont製、品番:#5164N)を用いて、基板10上に印刷・焼成することによって形成されている。放電部21は、予め印刷・焼成されたリード線接続端子24の一部に重なるオーバーラップ部23を形成するようにして印刷された後、焼成される。放電部21の尖端22から基板10の端面12までの距離Aは、0.6mm以下とする。
イオン発生素子1の放電部21には、高圧電源装置40によって高電圧が印加される。高電圧が印加されることによって、放電部21で放電が発生し、放電部21周辺の空気中の分子が解離してイオンが発生する。このようにして発生したイオンは、除電を行ったり、細菌やウイルスの不活性化処理を行ったり、あるいは、イオンによって快適性を増加させたりするために用いられる。また、イオン発生時の放電エネルギーによって空気を浄化したり、空気中のイオンを電界中で移動させることによって空気の流れを発生させたりすることができる。
以上のように、イオン発生素子1は、基板10と、膜状の導電体によって基板10上に形成され、高電圧を印加してイオンを発生させるためのイオン発生電極20とを備え、イオン発生電極20は、尖端22を有する放電部21を含み、放電部21の尖端22は、基板10上において基板10の端面12からの距離が0.6mm以下の位置に配置されている。
膜状の導電体で構成されるイオン発生電極20は、例えば、スクリーン印刷やエッチング等の技術を用いることによって、膜厚が20μm以下の薄い膜で鋭角なパターンに形成される。このような薄い膜状の導電体によって、先端径が小さなイオン発生電極20を容易に形成することができるので、イオン発生電極20を低コストで作製することができる。
また、基板10上に複数のイオン発生電極20を並べて形成することも容易であるため、効率よく、低コストでイオン発生素子1を作製することができる。
また、イオン発生電極20の放電部21の尖端22は、基板10上において基板10の端面12からの距離が0.6mm以下の位置に配置されていることによって、効果的にイオンを発生させ、例えば、送風ファンを備えなくても、イオンによる効果を得ることができる。
このようにすることにより、効率よくイオンを発生させることが可能であって、容易に作製することが可能なイオン発生素子1を提供することができる。
また、イオン発生素子1においては、イオン発生電極20は、金属酸化物を含む。
従来のイオン発生素子では、イオンの発生や、イオンが電極に衝突することによるスパッタリング現象によって、イオン発生電極が消耗するという問題がある。金属酸化物は耐熱性やイオンの衝撃に対する耐久性が高いので、イオン発生電極が金属酸化物を含むことにより、イオン発生による消耗が少なく、長寿命のイオン発生電極を形成することができる。
また、イオン発生素子1においては、金属酸化物は、酸化ルテニウムを含む。
酸化ルテニウムは、イオンの衝撃に対する耐久性が高く、イオン発生による消耗が少ないので、イオン発生電極20が酸化ルテニウムを含むことによって、長寿命のイオン発生素子1を形成することができる。また、一般に、金属酸化物は電気伝導度が低く、電気抵抗が高いため、電流が流れる際に発熱して電力ロスが生じるという欠点があるが、酸化ルテニウムの電気抵抗は比較的低いため、イオン発生電極20の材料として特に適している。このようにすることにより、電力ロスの少ないイオン発生電極20を形成することができる。
(第2実施形態)
図2は、この発明の第2実施形態として、イオン発生素子と電源の全体を示す正面図(A)と、(A)に示すイオン発生素子を右方向から見たときの側面図(B)である。
図2に示すように、イオン発生素子2は、コの字形状の基板11と、基板11上に印刷法によって形成されたイオン発生電極20と、基板11上に印刷法によって形成された2つの誘導電極30とから構成されている。イオン発生電極20は、尖端22を有する放電部21と、リード線接続端子24とを含む。イオン発生素子2においては、基板11のコの字の開いている側を前方とする。2つの誘導電極30は、放電部21の尖端22よりも前方側において、尖端22の左前方側と右前方側に、一定の間隔を開けて平行に配置されている。誘導電極30には、リード線接続端子31が接続されている。
基板11は、96%アルミナ基板である。イオン発生電極20の放電部21は、金属酸化物として酸化ルテニウム(RuO)材料(DuPont製、品番:QS871)を用いて、基板11上に厚膜印刷し、850℃で10分間焼成する厚膜印刷・焼成法によって形成されている。放電部21の尖端22の先端角度は、23.5°の鋭角に形成されている。放電部21の膜厚は、7〜11μmである。リード線接続端子24と誘導電極30は、銀パラジウム(AgPd)導体(DuPont製、品番:#5164N)を用いて、基板11上に印刷・焼成することによって形成されている。放電部21は、予め印刷・焼成されたリード線接続端子24の一部に重なるオーバーラップ部23を形成するようにして印刷された後、焼成される。放電部21の尖端22から基板11の端面12までの距離Aは、0.6mm以下とする。
イオン発生素子2の放電部21には、高圧電源装置40によって高電圧が印加される。高電圧が印加されることによって、放電部21で放電が発生し、放電部21周辺の空気中の分子が解離してイオンが発生する。また、誘導電極30は、リード線接続によって接地されている。誘導電極30を接地することによって、イオン発生素子2周辺の物体からの帯電の影響を受けにくくなる。また、イオン発生電極20と誘導電極30とが同一の基板11上に形成されている。そのため、イオン発生電極20と誘導電極30との相対位置がずれることがないので、イオン発生電極20と誘導電極30の固定位置のずれによるイオン発生素子2の特性のばらつきを抑えることができる。
以上のように、イオン発生素子2は、基板11と、膜状の導電体によって基板11上に形成され、高電圧を印加してイオンを発生させるためのイオン発生電極20とを備え、イオン発生電極20は、尖端22を有する放電部21を含み、放電部21の尖端22は、基板11上において基板11の端面12からの距離が0.6mm以下の位置に配置されている。
膜状の導電体で構成されるイオン発生電極20は、例えば、スクリーン印刷やエッチング等の技術を用いることによって、膜厚が20μm以下の薄い膜で鋭角なパターンに形成される。このような薄い膜状の導電体によって、先端径が小さなイオン発生電極20を容易に形成することができるので、イオン発生電極20を低コストで作製することができる。
また、基板11上に複数のイオン発生電極20を並べて形成することも容易であるため、効率よく、低コストでイオン発生素子2を作製することができる。
また、イオン発生電極20の放電部21の尖端22は、基板11上において基板11の端面12からの距離が0.6mm以下の位置に配置されていることによって、効果的にイオンを発生させ、例えば、送風ファンを備えなくても、イオンによる効果を得ることができる。
このようにすることにより、効率よくイオンを発生させることが可能であって、容易に作製することが可能なイオン発生素子2を提供することができる。
また、イオン発生素子2は、膜状の導電体によって基板11上に形成される誘導電極30を備える。
このようにすることにより、イオン発生電極20と誘導電極30の位置関係の精度を高くすることができる。例えば、イオンを電界によって送り出す方式においては、イオン発生電極20と誘導電極30との相対位置が、イオン発生素子2から送出されるイオン量に大きく影響を及ぼす。そこで、このようにイオン発生電極20と誘導電極30の位置関係の精度を高くすることによって、イオン発生素子2のイオン送出量特性のばらつきを低減することができる。
また、イオン発生素子2においては、イオン発生電極20は、金属酸化物を含む。
従来のイオン発生素子では、イオンの発生や、イオンが電極に衝突することによるスパッタリング現象によって、イオン発生電極が消耗するという問題がある。金属酸化物は耐熱性やイオンの衝撃に対する耐久性が高いので、イオン発生電極が金属酸化物を含むことにより、イオン発生による消耗が少なく、長寿命のイオン発生電極を形成することができる。
また、イオン発生素子2においては、金属酸化物は、酸化ルテニウムを含む。
酸化ルテニウムは、イオンの衝撃に対する耐久性が高く、イオン発生による消耗が少ないので、イオン発生電極20が酸化ルテニウムを含むことによって、長寿命のイオン発生素子2を形成することができる。また、一般に、金属酸化物は電気伝導度が低く、電気抵抗が高いため、電流が流れる際に発熱して電力ロスが生じるという欠点があるが、酸化ルテニウムの電気抵抗は比較的低いため、イオン発生電極20の材料として特に適している。このようにすることにより、電力ロスの少ないイオン発生電極20を形成することができる。
この発明のイオン発生素子の一つの効果として、イオン発生量について調べるために、イオン発生素子から30cm離れた距離におけるイオン量の測定を行った。
第1実施形態のイオン発生素子について、放電部の尖端から基板の端面までの距離を0.0mmとした実施形態1Aと、放電部の尖端から基板の端面までの距離を0.6mmとした実施形態1Bと、放電部の尖端から基板の端面までの距離を0.8mmとした比較形態1のイオン発生素子を用いて、イオン量の測定を行った。
実施形態1A、実施形態1B、比較形態1のリード線接続端子に高圧電源の出力端子を接続し、DC−2.8kVの電圧を印加した。イオン発生電極の放電部の尖端から30cm離れたところにイオンカウンター(旭システム製、型番:MY1210II)を設置し、イオン量を測定した。測定の結果を表1に示す。
Figure 0005001863
表1に示すように、実施形態1Aと実施形態1Bでは、それぞれ32万個/cm、25万個/cmのイオン量が測定されている。一方、比較形態1では、測定されたイオン量は0万個/cmであった。このことから、イオン発生電極の放電部の尖端は、基板上において基板の端面からの距離が0.6mm以下の位置に配置されていることによって、効果的にイオンを発生させることができることがわかった。イオン発生素子から30cm離れた位置において、25〜32万個/cmのイオン量が得られていることから、イオンによる効果、すなわち、除電を行ったり、細菌やウイルスの不活性化処理を行ったり、あるいは、イオンによって快適性を増加させたり、空気中のイオンを移動させることによって空気の流れを発生させたりする効果を期待することができる。
次に、誘導電極を備えるイオン発生素子のイオン発生量を調べた。第2実施形態のイオン発生素子において、放電部の尖端を基板の端面から0.0mmの距離に配置した実施形態2Aのイオン発生素子を用いて、実施例1と同様に、イオン発生電極の尖端から30cm離れたところでイオン発生量を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 0005001863
表2に示すように、誘導電極を備えることによって、実施形態2Aのイオン発生素子では、尖端が基板の端面から0.0mmの位置に配置されている実施形態1Aのイオン発生素子と比較して、測定されたイオン量が3万個/cm増加して35万個/cmとなった。
第2実施形態のイオン発生素子のように、誘導電極を接地することによって、イオン発生素子周辺の物体からの帯電の影響を受けにくくなる。また、イオン発生電極と誘導電極とが同一の基板上に形成されているため、イオン発生電極と誘導電極との相対位置がずれることがないので、放電電極と誘導電極の固定位置のずれによるイオン発生素子の特性のばらつきを抑えることができる。
この発明のイオン発生素子別の効果として、イオン発生電極の耐久性を調べるために、初期と3000時間後のイオン発生量を測定した。測定方法は、実施例1と同様であった。
一般的な厚膜導電体材料である銀パラジウム(AgPD)(DuPont製、品番:#5164)を用いて放電部を形成し、放電部の尖端から基板の端面までの距離を0.0mmとした実施形態3Aのイオン発生素子と、一般的な厚膜導電体材料である金(Au)(田中貴金属工業製、品番:TR−1534)を用いて放電部を形成し、放電部の尖端から基板の端面までの距離を0.0mmとした実施形態3Bのイオン発生素子と、実施例1で用いた実施形態1Aのイオン発生素子について、初期のイオン発生量と、3000時間後のイオン発生量を測定した。実施形態1A、実施形態3A、実施形態3Bのそれぞれのイオン発生素子は、放電部の材質が異なるが、他の構成は同じである。測定結果を表3に示す。
Figure 0005001863
表3に示すように、初期のイオン発生量は、実施形態1A、実施形態3A、実施形態3Bのいずれでも、32万個/cmであった。しかしながら、3000時間経過後には、放電部を酸化ルテニウムによって形成した実施形態1Aのイオン発生素子では18万個/cmのイオンが発生したが、放電部を銀パラジウムで形成した実施形態3Aのイオン発生素子と、放電部を金で形成した実施形態3Bのイオン発生素子では、測定されたイオン量は0万個/cmであった。
このように、放電部が酸化ルテニウムを含むことによって、耐久性の優れたイオン発生素子を得ることができることがわかった。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
この発明の第1実施形態として、イオン発生素子と電源の全体を示す正面図(A)と、(A)に示すイオン発生素子を右方向から見たときの側面図(B)である。 この発明の第2実施形態として、イオン発生素子と電源の全体を示す正面図(A)と、(A)に示すイオン発生素子を右方向から見たときの側面図(B)である。
符号の説明
1,2:イオン発生素子、10,11:基板、12:端面、20:イオン発生電極、21:放電部、22:尖端、30:誘導電極。

Claims (3)

  1. 基板と、
    膜状の導電体によって前記基板上に形成される二つの誘導電極と、
    膜状の導電体によって前記基板上に形成され、高電圧を印加してイオンを発生させるためのイオン発生電極とを備え、
    前記イオン発生電極は、尖端を有する放電部を含み、
    前記放電部の尖端は、前記基板上において前記基板の端面からの距離が0.6mm以下の位置に配置され
    前記二つの誘導電極は、前記放電部の尖端の左右方向の一方側と他方側に互いに間隔を開けて、尖端が指す方向に離れて配置されている、イオン発生素子。
  2. 前記イオン発生電極は、金属酸化物を含む、請求項1に記載のイオン発生素子。
  3. 前記イオン発生電極の前記放電部は、酸化ルテニウムを含む金属酸化物によって形成されている、請求項1に記載のイオン発生素子。
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