JP4978350B2 - 駆動力配分装置 - Google Patents

駆動力配分装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4978350B2
JP4978350B2 JP2007180970A JP2007180970A JP4978350B2 JP 4978350 B2 JP4978350 B2 JP 4978350B2 JP 2007180970 A JP2007180970 A JP 2007180970A JP 2007180970 A JP2007180970 A JP 2007180970A JP 4978350 B2 JP4978350 B2 JP 4978350B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
driving force
wheel
width direction
steering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007180970A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009019657A (ja
Inventor
稔 鬼武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2007180970A priority Critical patent/JP4978350B2/ja
Publication of JP2009019657A publication Critical patent/JP2009019657A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4978350B2 publication Critical patent/JP4978350B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)

Description

本発明は、駆動源から入力された駆動力の第1及び第2の出力軸への配分比率を制御可能な駆動力配分装置に関するものである。
従来、雨水の排水などのために車両の車幅方向(直進方向に対して左右方向)に沿って傾斜した路面がある。このような傾斜路面を直進している場合、ステアリングホイール中立位置(車輪の舵角が変更されない位置)で保持していても、車両は路面の傾斜に沿って低い方に流されてしまうため、ステアリングホイールを路面の傾斜度合い(勾配)に応じて操舵した状態で保持しなければならず、運転者の負担となっていた。
そこで、特許文献1に記載の車両用操舵装置では、路面の車幅方向の傾斜角を検出し、運転者がステアリングホイールを中立に保持した状態で車両が直進するように傾斜角に応じて自動的に車輪の舵角を調整し、運転者の負担を低減している。
特開2003−267250号公報
ところで、上記特許文献1に記載の車両用操舵装置では、車両の進行方向に対して前輪が傾いた状態で走行するため、前輪に摩耗が発生しやすいという問題がある。また、車両の車幅方向に沿って傾斜した路面を直進しているときに障害物の回避やカーブ路に差し掛かる等して運転者がステアリングホイールを操舵する場合、車輪の舵角が切り込まれた状態から操舵することになるため、運転者が違和感を感じる可能性がある。さらに、路面の車幅方向の傾斜角は必ずしも常に一定ではなく、車両が走行するにつれて変動するが、この傾斜角の変動に応じて転舵角及び操舵アクチュエータの出力が変化し、これに連れて反力アクチュエータの出力も変化して、運転者がこの変化を感じ取り、違和感を感じる可能性がある。このような違和感は、車輪の舵角を変更する場合のように操舵系に対してアシスト力を付与する場合には避け難く、その他の手段によって車幅方向に沿って傾斜した路面を走行する際の運転者の違和感を低減することが求められていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、操舵フィーリングが良く、車幅方向に沿って傾斜した路面を走行する際の運転者の負担を低減できる駆動力配分装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両の左輪及び右輪への駆動力配分を制御可能な駆動力配分装置であって、前記車両が該車両の車幅方向に沿って傾斜した路面を直進しているか否かを判定する車両状態判定手段と、前記車両状態判定手段により前記車両が該車両の車幅方向に沿って傾斜した路面を直進していると判定された場合に、前記左輪と前記右輪との内の傾斜の低い方に位置する車輪に対して、傾斜の高い方に位置する車輪よりも傾斜角に応じた大きな駆動力を配分する制御手段とを備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、車両が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進している場合、左右の車輪の内の傾斜の低い方に位置する車輪に対して傾斜の高い方に位置する車輪よりも傾斜角に応じた大きな駆動力が配分されるため、車両が車幅方向において傾斜の低い方から高い方に旋回しようとする、即ち車両が傾斜方向に沿って上方に向かおうとする。そして、車両が傾斜方向に沿って上方に向かう力と、車両が自重によって傾斜方向下方に向かう力とが釣り合うことで、運転者がステアリング操作をすることなく車両が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進することが可能になり運転者の負担が低減される。このように、車両の直進方向に対して前輪が傾いた状態で走行しないため、前輪に摩耗が発生しやすくなることが回避される。また、上記従来のように、路面の傾斜角に基づいて操舵系にアシスト力を付与する場合と異なり、左右の車輪間の駆動力配分を変更しているため、運転者が違和感を感じることが抑制される。さらに、車幅方向において傾斜の低い方に位置する車輪に傾斜角に応じた大きな駆動力を配分するように配分比率を変更するため、路面の傾斜角に基づいて最適な駆動力が配分され、車幅方向に沿って傾斜した路面を走行する際の直進安定性が向上される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駆動力配分装置において、前記車両の車幅方向の傾斜角を検出する傾斜角検出手段と、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、を備え、前記車両状態判定手段は、前記傾斜角に基づいて前記車両が車幅方向に傾斜しているか否かを判定し、前記操舵角に基づいて前記車両が直進しているか否かを判定することを要旨とする。
上記構成によれば、車両の車幅方向の傾斜角及びステアリングホイールの操舵角を検出することで、精度よく車両が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進しているか否かが判定される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の駆動力配分装置において、入力される駆動力を前記車両の前記左輪及び前記右輪にそれぞれ連結された第1の出力軸及び第2の出力軸に伝達するとともに、前記第1の出力軸と前記第2の出力軸との相互の差動を許容する差動機構と、前記第1の出力軸と前記第2の出力軸とを相対回転させるモータと、を備え、前記制御手段は、前記モータの回転方向及びモータトルクを制御することにより前記第1の出力軸及び前記第2の出力軸間の駆動力配分を制御することを要旨とする。
上記構成によれば、モータの回転方向及びモータトルクを制御することで左輪及び右輪への駆動力配分が変更され、簡素な構成にて駆動力配分装置が製造される。
本発明によれば、操舵フィーリングが良く、車幅方向に沿って傾斜した路面を走行する際の運転者の負担を低減することが可能な駆動力配分装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、前輪駆動車をベースとする四輪駆動車であり、エンジン2の傍らに組み付けられたトランスアクスル3には、一対のフロントアクスル4L,4Rが連結されており、エンジン2の駆動力は、これらフロントアクスル4L,4Rを介して前輪5L,5Rに伝達される。また、トランスアクスル3には、上記各フロントアクスル4L,4Rとともにプロペラシャフト6が連結されており、同プロペラシャフト6は、トルクカップリング7及びリヤディファレンシャル8を介して一対のリヤアクスル9L,9Rと連結されている。そして、これらプロペラシャフト6、トルクカップリング7、リヤディファレンシャル8、及びリヤアクスル9L,9Rを介して、後輪10L,10Rにも駆動力が伝達されるようになっている。なお、トルクカップリング7の作動を制御することにより、前輪5L,5Rと後輪10L,10Rとの間の駆動力配分が制御されるようになっている。また、ステアリングホイール11を操舵することで前輪5L,5Rの舵角が変更され、車両1の進行方向が変更されるようになっている。
図2に示すように、リヤディファレンシャル8は遊星歯車式の差動機構21を備え、同差動機構21は、外歯ギヤ22と一体に形成されたリングギヤ23を有するとともに、同リングギヤ23の内側にはサンギヤ24が同軸に配置されている。また、これらリングギヤ23及びサンギヤ24の間には、第1プラネタリギヤ25a及び第2プラネタリギヤ25bからなる複数のプラネタリギヤ対25が介在されている。各第1プラネタリギヤ25aはリングギヤ23に噛合されるとともに、各第2プラネタリギヤ25bはサンギヤ24に噛合されている。そして、これら各プラネタリギヤ対25を構成する第1プラネタリギヤ25a及び第2プラネタリギヤ25bは、互いに噛合された状態で、プラネタリキャリヤ26によりそれぞれ自転可能且つ公転可能に支持されている。
トルクカップリング7を介してプロペラシャフト6に連結された入力軸27の先端には、ドライブピニオン28が設けられている。そして、ドライブピニオン28が差動機構21の外歯ギヤ22と噛合されることにより、同外歯ギヤ22の内周に形成されたリングギヤ23が同ドライブピニオン28と駆動連結されている。サンギヤ24は、左のリヤアクスル9Lの軸端に固定されるとともに、プラネタリキャリヤ26は、右のリヤアクスル9Rの軸端に固定されることにより、対応する各リヤアクスル9L,9Rとともに一体回転可能に設けられている。
従って、プロペラシャフト6に伝達された駆動力は、トルクカップリング7及び入力軸27からドライブピニオン28を介してリングギヤ23へと伝達され、同リングギヤ23とともにサンギヤ24及びプラネタリキャリヤ26が一体的に回転することにより、その駆動力が両リヤアクスル9L,9Rから左右の後輪10L,10Rへと伝達される。そして、車両旋回時等、左右の後輪10L,10Rに生ずる回転差は、各第1プラネタリギヤ25a及び各第2プラネタリギヤ25bのそれぞれが、自転しつつサンギヤ24の周りを公転することにより許容されるようになっている。
また、リヤディファレンシャル8は、エンジン2で発生した駆動力の左右の後輪10L,10Rへの配分比率を制御可能な駆動力配分装置30としての機能を有している。
詳述すると、駆動力配分装置30の第1及び第2の出力軸を構成する両リヤアクスル9L,9R間には、遊星歯車機構31が介在されるとともに、同遊星歯車機構31には、モータ32が駆動連結されている。そして、このモータ32の作動を制御手段としてのECU33により制御し、そのモータトルクに基づき両リヤアクスル9L,9R間に相対回転を生じさせることにより、プロペラシャフト6からドライブピニオン28を介して入力される駆動力の両リヤアクスル9L,9Rへの配分比率を制御可能に構成されている。
遊星歯車機構31は、左のリヤアクスル9Lと同軸に並置された第1及び第2のサンギヤ34,35と、同第1及び第2のサンギヤ34,35に噛合する複数の二連ピニオン36と、これら各二連ピニオン36を自転可能且つ公転可能に支持するプラネタリキャリヤ37とから構成されている。第1及び第2のサンギヤ34,35には互い異なる歯数が設定されるとともに、これら第1及び第2のサンギヤ34,35に噛合する二連ピニオン36の第1及び第2ピニオン36a,36bにも互い異なる歯数が設定されている。そして、プラネタリキャリヤ37を固定した状態で第1及び第2のサンギヤ34,35を回転させた場合に、第1のサンギヤ34よりも第2のサンギヤ35の方が早く回転する、即ちプラネタリキャリヤ37を固定した場合に、第1のサンギヤ34が減速側ギヤ、第2のサンギヤ35が増速側ギヤとなるように構成されている。
第1のサンギヤ34は、差動機構21のプラネタリキャリヤ26と一体回転可能に連結、即ち差動機構21を介して右のリヤアクスル9Rと連結されている。また、第2のサンギヤ35は、変速機構41を介して左のリヤアクスル9Lに連結されている。そして、モータ32は、各二連ピニオン36を支承するプラネタリキャリヤ37と駆動連結されている。
従って、遊星歯車機構31は、モータ32の発生するモータトルクを制御トルクとしてプラネタリキャリヤ37に入力することにより、第1のサンギヤ34側から第2のサンギヤ35側へ、又は第2のサンギヤ35側から第1のサンギヤ34側へとトルクを伝達するように構成されている。そして、ECU33は、その制御トルクとして入力するモータ32の回転方向及びモータトルクを制御することにより、第1及び第2のサンギヤ34,35がそれぞれ連結された両リヤアクスル9L,9R間における駆動力配分を制御する。
なお、変速機構41は、遊星歯車機構31に設定された変速比に基づくプラネタリキャリヤ37の回転を抑制すべく当該遊星歯車機構31の変速比を補正するために設けられたものである。そして、変速機構41は、遊星歯車機構31と同一構成を有する遊星歯車を、その減速側の第1のサンギヤ44と増速側の第2のサンギヤ45との配置を反転させて遊星歯車機構31の傍らに同軸配置し、同遊星歯車機構31と左のリヤアクスル9Lと間に介在している。つまり、変速機構41における増速側の第2のサンギヤ45は、遊星歯車機構31における増速側の第2のサンギヤ35に連結されるとともに、その減速側の第1のサンギヤ44は、左側のリヤアクスル9Lに連結されている。そして、プラネタリギヤ46を支持するプラネタリキャリヤ47を非回転部位であるケーシング(図示略)に固定することにより、遊星歯車機構31に設定された変速比を相殺して、モータ32に駆動連結されたプラネタリキャリヤ37の非モータ駆動時における回転を抑制可能に構成されている。
次に、駆動力配分装置30の電気的構成について説明する。
図1及び図2に示すように、ECU33には、操舵角検出手段としてのステアリングセンサ50により検出されたステアリングホイール11の操舵角θs及び傾斜角検出手段としての傾斜角センサ51により検出された車両1の車幅方向(直進方向に対する左右方向、図1参照)の傾斜角αが入力される。なお、本実施形態では、ステアリングセンサ50には、ステアリングホイール11の回転に応じて出力レベルが変化する三相(A相,B相,Z相)のパルス信号を出力するロータリーエンコーダを用い、傾斜角センサ51には、封入された液体の傾斜に伴う静電容量の変化によって傾斜角を検出する液封入容量式の傾斜角センサを用いている。また、傾斜角αは、車両1が車幅方向に沿って傾斜していない場合を0とし、車両1が右上がりに傾斜している場合に正の値となり、車両1が左上がりに傾斜している場合に負の値となるものとする。
ECU33は、ステアリングセンサ50により検出された操舵角θs及び傾斜角センサ51により検出された車両1の傾斜角αに基づいて、車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進しているか否かを判定する。そして、ECU33は、車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進している場合には、左の後輪10Lと右の後輪10Rとの内の傾斜の低い方に位置する車輪に対して、傾斜の高い方に位置する車輪よりも傾斜角αに応じた大きな駆動力を配分する直進補助制御を実行する。詳しくは、ECU33は、操舵角θsが所定操舵角θth(例えば、操舵輪の舵角が変更しない角度)以下であり、傾斜角αが所定傾斜角αth(操舵角θsが所定操舵角θth以下である場合に車両1が傾斜方向の下方に流される角度)以上である状態が所定時間以上継続した場合に、車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進していると判定する。そして、ECU33は、車両1が右上がり、即ち傾斜角αが正の値である場合には、左の後輪10Lが車幅方向において傾斜の低い方に位置すると判定し、左の後輪10Lに右の後輪10Rよりも大きな駆動力が配分されるようにモータ32の作動を制御する。一方、ECU33は、車両1が左上がり、即ち傾斜角αが負の値である場合には、右の後輪10Rが車幅方向において傾斜の低い方に位置すると判定し、右の後輪10Rに左の後輪10Lよりも大きな駆動力が配分されるようにモータ32の作動を制御する。さらに、ECU33は、傾斜角αの絶対値が大きくなるほど、車幅方向において傾斜の低い方に位置する車輪に対して大きな駆動力を配分する。つまり、ECU33、ステアリングセンサ50及び傾斜角センサ51により車両状態判定手段が構成される。
以下、ECU33における直進補助制御の処理手順について説明する。
図3のフローチャートに示すように、ECU33は、上記各センサにより検出された状態量を取得し(ステップ101)、状態量(θs,α)に基づいて車両1が車幅方向に傾斜した路面を直進しているか否かを判定する(ステップ102〜ステップ104)。
即ち、ステアリングセンサ50により検出された操舵角θsが予め設定された所定操舵角θth以下であるか否かを判定し(ステップ102)、操舵角θsが所定操舵角θth以下である場合(ステップ102:YES)には、車両1の傾斜角αの絶対値が所定傾斜角αth以上であるか否かを判定する(ステップ103)。次に、ECU33は、傾斜角αの絶対値が所定傾斜角αth以上である場合(ステップ103:YES)には、カウンタnが所定カウンタnthよりも大きいか否かを判定(ステップ104)する。そして、ECU33は、カウンタnが所定カウンタnth大きい場合(ステップ104:YES)には、車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進していると判断し、傾斜の低い方に位置する車輪に傾斜角αに応じた大きな駆動力を配分する直進補助制御に移行する(ステップ105)。
一方、ECU33は、カウンタnが所定カウンタnth以下である場合(ステップ104:NO)には、カウンタnをインクリメントし(n=n+1、ステップ106)、操舵角θsに基づいて左右の後輪10L,10R間の駆動力配分を制御する通常制御を実行する(ステップ107)。具体的には、車両旋回時において旋回半径方向内側の車輪よりも外側の車輪の方の回転速度が速くなるため、ECU33は、左右の後輪10L,10Rのうち、外側の駆動輪となる方の駆動力配分が大となるようにモータ32の作動を制御する。また、ECU33は、操舵角θsが所定操舵角θthよりも大きい場合(ステップ102:NO)、及び傾斜角αが所定傾斜角αthよりも小さい場合(ステップ103:NO)には、車幅方向に沿って傾斜した路面を直進していないと判断し、カウンタnをクリアして(n=0、ステップ108)、通常制御を実行する。
次に、駆動力配分装置30の作用について説明する。
車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進している場合、ステアリングホイール11を中立位置、即ち操舵角θsを所定操舵角θth以下に保持していても、車両1が自重の影響により傾斜方向に沿って下方に流される。上記従来のように路面の傾斜角αに基づいて前輪5L,5Rの舵角を変更する場合には、操舵角θsが所定操舵角θth以下である状態で前輪の舵角が変更されている。そのため、障害物の回避やカーブ路に差し掛かる等して運転者がステアリング操作しようとする場合、前輪5L,5Rの舵角が切り込まれた状態から操舵することになり、運転者が違和感を感じる可能性がある。
この点、本実施形態によれば、車幅方向において傾斜の低い方に位置する車輪に対して傾斜の高い方に位置する車輪よりも傾斜角αに応じた大きな駆動力が配分されため、車両1が車幅方向において傾斜の低い方から高い方に旋回しようとする、即ち車両1が傾斜方向に沿って上方に向かおうとする。そして、車両1が傾斜方向に沿って上方に向かう力と、車両1が自重によって傾斜方向下方に向かう力とが釣り合うことで、運転者がステアリング操作をすることなく車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進することを可能にしている。このように、本実施形態では、車両1の直進方向に対して前輪5L,5Rの舵角が切り込まれた状態で走行しないため、前輪5L,5Rが摩耗しやすくなることが回避される。また、後輪10L,10R間の駆動力配分を変更しているため、操舵系にアシスト力が付与されていない。従って、直進補助制御中に、障害物の回避やカーブ路に差し掛かる等して運転者がステアリング操作をする場合や、路面の車幅方向の傾斜角αが車両1が走行するにつれて変動する場合に違和感を感じることが抑制される。
また、後輪10L,10R間の駆動力配分によって、車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進することを可能にしているため、操舵系にアシスト力を付与する場合に比べ、路面が車幅方向に大きく傾斜している場合であっても、運転者がステアリング操作することなく車両1を直進させることが可能となる。さらに、ECU33は、傾斜角αの絶対値が大きくなるほど、車幅方向において傾斜の低い方の車輪に大きな駆動力を配分するため、路面の傾斜度合いに基づいて最適な駆動力が配分され、車幅方向に沿って傾斜した路面を走行する際の直進安定性を向上できる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ECU33は、車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進している場合に、左の後輪10Lと右の後輪10Rとの内の傾斜の低い方に位置する車輪に対して、傾斜の高い方に位置する車輪よりも傾斜角αに応じた大きな駆動力を配分するようにした。そのため、車両1が車幅方向において傾斜の低い方から高い方に旋回しようとする、即ち車両1が傾斜方向に沿って上方に向かおうとする。そして、車両1が傾斜方向に沿って上方に向かう力と、車両1が自重によって傾斜方向下方に向かう力とが釣り合うことで、運転者がステアリング操作をすることなく車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進することが可能になり運転者の負担を低減できる。このように、車両1の直進方向に対して前輪5L,5Rの舵角を変更した状態で走行しないため、前輪5L,5Rが摩耗しやすくなることを回避できる。また、上記従来のように、路面の傾斜角αに基づいて操舵系にアシスト力を付与する場合と異なり、左右の後輪10L,10R間の駆動力配分を変更しているため、運転者が違和感を感じることが抑制できる。さらに、後輪10L,10R間の駆動力配分によって、車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進することを可能にしているため、操舵系にアシスト力を付与する場合に比べ、路面が車幅方向に大きく傾斜している場合であっても、運転者がステアリング操作することなく車両1の直進させることができる。
(2)ECU33は、傾斜角αの絶対値が大きくなるほど、車幅方向において傾斜の低い方の車輪に大きな駆動力を配分するため、路面の傾斜角に基づいて最適な駆動力が配分され、車幅方向に沿って傾斜した路面を走行する際の直進安定性を向上できる。
(3)上記構成によれば、直進している車両の車幅方向の傾斜を検出することにより、車両が車幅方向に傾斜した路面を直進しているか否かが判定される。そのため、例えばCCDカメラ等の撮像装置によって車両の前方の画像を撮像し、同画像に基づいて路面が車幅方向に傾斜しているか判定する場合に比べ、簡単な構成で車両が車幅方向に傾斜した路面を直進しているか否かが判定される。
(4)遊星歯車機構31に駆動連結されたモータ32の回転方向及びモータトルクを制御することにより左右の後輪10L,10R間の駆動力配分が変更されるため、少ない歯車の段数で大きな変速比が得られ、駆動力配分装置30の小型化を図ることができる。
なお、本実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・本実施形態では、傾斜角センサ51として、封入された液体の傾斜に伴う静電容量の変化によって傾斜角を検出する液封入容量式の傾斜角センサを用いたが、これに限らず、例えば左右の後輪10L,10Rに連結されるサスペンションにその変位量を検出する変位センサを設けて、車両1のαを検出してもよい。
・本実施形態では、操舵角θsに基づいて車両1が直進しているか否かを判定したが、これに限らず、例えば車両1にヨーレイトセンサを設け、同ヨーレイトセンサにより検出されるヨーレイトに基づいて車両1が直進しているか否かを判定してもよい。
・本実施形態では、車両1の操舵角θs及び車両1のαにより、路面が車幅方向に傾斜しているか否かを判定したが、これに限らず、例えばCCDカメラ等の撮像装置によって車両1の前方の画像を撮像し、同画像に基づいて路面が車幅方向に傾斜しているか否かを判定してもよい。
・本実施形態では、ステアリングセンサ50により検出される操舵角θs及び車両1の傾斜角αに基づいて、車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進しているか否かを判定したが、これに限らない。例えば、ステアリングホイール11の操舵トルクを検出するトルクセンサを車両1に設け、操舵角θsが所定操舵角θth以下であり、操舵トルクが所定値以上検出される状態が継続するか否かによって、車両1が車幅方向に沿って傾斜した路面を直進しているか否かを判定してもよい。
・本実施形態では、ECU33は、傾斜角αの絶対値が大きくなるほど、車幅方向において傾斜の低い方に位置する車輪に大きな駆動力を配分したが、これに限らず、所定の傾斜角α毎にステップ状に駆動力配分を大きくしてもよい。
・本実施形態では、遊星歯車式の差動機構21を用いたが、ベベルギヤ式の差動機構を用いてもよい。
・本実施形態では、一対の第1及び第2のサンギヤ34,35と、同第1及び第2のサンギヤ34,35に噛合する複数の二連ピニオン36と、各二連ピニオン36を自転可能且つ公転可能に支承するプラネタリキャリヤ37とを備えた遊星歯車機構31を採用し、そのプラネタリキャリヤ37をモータ32に駆動連結される入力要素とした。しかし、遊星歯車機構の構成は、これに限るものではなく、その入力要素もプラネタリキャリヤに限るものではない。
・本実施形態では、遊星歯車機構31と同一の構成を有する遊星歯車を、差動機構21を介して対称に連結することにより変速機構41を形成したが、変速機構の構成は、これに限るものではない。
・本実施形態では、モータ32をリヤアクスル9Lと同軸に配置したが、これに限らず、例えば、連結機構を介して遊星歯車機構31と駆動連結する構成であってもよい。
・本実施形態では、通常制御時には操舵角θsに基づいて左右の後輪10L,10R間の駆動力配分を制御するとしたが、これに限らず、左右の後輪10R,10Lへの駆動力配分を等し、配分比率を変更しないようにしてもよい。
・本実施形態では、遊星歯車機構31に駆動連結されたモータ32の回転方向及びモータトルクを制御することにより左右の後輪10L,10R間の駆動力配分が変更したが、これに限らない。例えば、油圧の供給方向によって左右のリヤアクスル9L,9Rを相対回転させるモータトルクを付与する油圧モータによって駆動力配分を変更してもよい。
・本実施形態では、モータ32のモータトルクにより両リヤアクスル9L,9R間に相対回転を生じさせ、左右の後輪10L,10Rへの駆動力配分を変更した。しかし、これに限らず、リヤディファレンシャル8と両リヤアクスル9L,9Rとの間にそれぞれトルクカップリングを設け、同トルクカップリングの作動を制御することで、左右の後輪10L,10Rへの駆動力配分を変更してもよい。
・本実施形態では、本発明を、後輪10L,10R側に伝達される駆動力を左右の車輪に配分する駆動力配分装置30に具体化したが、これに限らず、前輪5L,5R側に伝達される駆動力を左右の車輪に配分する駆動力配分装置に具体化したしてもよい。
車両の概略構成図。 リヤディファレンシャルの概略構成図。 ECUの直進補助制御の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…車両、2…エンジン、5L,5R…前輪、10L,10R…後輪、11…ステアリングホイール、21…差動機構、30…駆動力配分装置、32…モータ、50…ステアリングセンサ、51傾斜角センサ、θs…操舵角、α…傾斜角。

Claims (3)

  1. 車両の左輪及び右輪への駆動力配分を制御可能な駆動力配分装置であって、
    前記車両が該車両の車幅方向に沿って傾斜した路面を直進しているか否かを判定する車両状態判定手段と、
    前記車両状態判定手段により前記車両が該車両の車幅方向に沿って傾斜した路面を直進していると判定された場合に、前記左輪と前記右輪との内の傾斜の低い方に位置する車輪に対して、傾斜の高い方に位置する車輪よりも傾斜角に応じた大きな駆動力を配分する制御手段と
    を備えたことを特徴とする駆動力配分装置。
  2. 前記車両の車幅方向の傾斜角を検出する傾斜角検出手段と、
    ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、を備え、
    前記車両状態判定手段は、前記傾斜角に基づいて前記車両が車幅方向に傾斜しているか否かを判定し、前記操舵角に基づいて前記車両が直進しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の駆動力配分装置。
  3. 入力される駆動力を前記車両の前記左輪及び前記右輪にそれぞれ連結された第1の出力軸及び第2の出力軸に伝達するとともに、前記第1の出力軸と前記第2の出力軸との相互の差動を許容する差動機構と、
    前記第1の出力軸と前記第2の出力軸とを相対回転させるモータと、を備え、
    前記制御手段は、前記モータの回転方向及びモータトルクを制御することにより前記第1の出力軸及び前記第2の出力軸間の駆動力配分を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動力配分装置。
JP2007180970A 2007-07-10 2007-07-10 駆動力配分装置 Expired - Fee Related JP4978350B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007180970A JP4978350B2 (ja) 2007-07-10 2007-07-10 駆動力配分装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007180970A JP4978350B2 (ja) 2007-07-10 2007-07-10 駆動力配分装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009019657A JP2009019657A (ja) 2009-01-29
JP4978350B2 true JP4978350B2 (ja) 2012-07-18

Family

ID=40359487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007180970A Expired - Fee Related JP4978350B2 (ja) 2007-07-10 2007-07-10 駆動力配分装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4978350B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60135325A (ja) * 1983-12-24 1985-07-18 Kubota Ltd 走行車輌の自動デフロツク装置
JP2002145107A (ja) * 2000-11-13 2002-05-22 Iseki & Co Ltd 走行装置の伝動機構
JP4427964B2 (ja) * 2003-03-31 2010-03-10 株式会社アドヴィックス 車両の制御装置
JP4534653B2 (ja) * 2004-08-04 2010-09-01 株式会社ジェイテクト 差動装置
JP4513492B2 (ja) * 2004-10-13 2010-07-28 株式会社ジェイテクト 差動装置およびこれを用いた車両の駆動力伝達ユニット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009019657A (ja) 2009-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5430505B2 (ja) 車両の制御装置
JP4907390B2 (ja) 駆動力配分装置および車両制御装置
EP2386462B1 (en) Steering control system for vehicle
JPH0656048A (ja) 可変舵角比操舵装置
JP2008184004A (ja) 車両用操舵装置
JPH0577751A (ja) 車両用ステアリング制御装置
JP6898428B2 (ja) 車両
JP5481022B2 (ja) 車両の操舵装置
JP4635753B2 (ja) ステアリング装置
JP4978350B2 (ja) 駆動力配分装置
JP4910587B2 (ja) 駆動力配分装置
KR20230080553A (ko) Sbw 시스템의 조향 제어 장치
JP2009018756A (ja) 旋回挙動制御装置、自動車、及び旋回挙動制御方法
JPH0550867A (ja) 自動車用四輪駆動装置
JP2008179318A (ja) 車両用操舵制御装置
JP4604596B2 (ja) 差動装置
JPS62295729A (ja) 四輪駆動車
JPH0353150B2 (ja)
KR102620426B1 (ko) 조향 장치
JPH1081152A (ja) クローラ式走行装置の差動装置
JPH03125671A (ja) 車両の4輪操舵装置
JP2528460B2 (ja) 車両の4輪操舵装置
JP2008168840A (ja) 車両用ステアリング装置
WO2014203574A1 (ja) ステアリング装置
JP2009113510A (ja) 車両用操舵装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120321

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120403

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150427

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4978350

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees