JP4958223B2 - エアバッグ装置のカバー体の製造方法、エアバッグ装置のカバー体、及びエアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置のカバー体の製造方法、エアバッグ装置のカバー体、及びエアバッグ装置 Download PDF

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本発明は、収納されたエアバッグを覆うエアバッグ装置のカバー体の製造方法、エアバッグ装置のカバー体、及びエアバッグ装置に関する。
従来、自動車のインストルメントパネルに配置される助手席乗員用のエアバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置は、箱状をなすケース体を備え、このケース体の内側に、折り畳まれたエアバッグと、このエアバッグを膨出させるガスを噴射するインフレータとを収納しているとともに、ケース体の上側の開口部は、インストルメントパネルに沿って取り付けられるカバー体により覆われている。そして、このカバー体には、平面略H字状や平面略C字状などの破断可能なテアラインが形成され、このテアラインに囲まれた部分が扉予定部として区画形成されている。そして、自動車の衝突時には、インフレータからガスを噴射してエアバッグを膨出させ、このエアバッグの膨出の圧力によりテアラインを破断して扉部を形成するとともに、テアラインを形成していない部分をヒンジとして扉部を展開させて突出口を形成し、この突出口からエアバッグを膨出させ、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている。
そして、このようなエアバッグ装置のカバー体について、比較的硬質なポリプロピレンなどの樹脂製のインナ体を予め形成し、このインナ体を金型に装着した状態で、インナ体の表面に樹脂を射出して、比較的軟質の表皮層を一体的に形成し、外観及び触感を向上した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この構成では、予めテアラインを形成したインナ体を金型に装着し、樹脂を射出して表皮層を形成すると、射出時の圧力によりテアラインに沿ってインナ体に撓みが生じ、さらに、固化後の脱型時の戻り変形により表面側に突条が生じ、外観が悪化する場合がある。そこで、射出時の圧力によりインナ体が撓まないように、金型やインナ体の精度を向上する必要があり、製造コストの低減が容易ではない問題を有している。
一方、このようなカバー体について、テアラインを形成していない状態でカバー体を形成し最終工程でカバー体の裏面側にテアラインを切削して形成する構成が考えられる。しかしながら、カバー体の裏面側には凹凸があり、突部の近傍では切削装置による切削加工が容易でない問題を有している。また、テアラインについては、小さい半径で湾曲する形状について、精度の高い切削加工が容易でない問題を有している。
特開2005−104307号公報 (図2−図3)
上記従来のように、インナ体の表面に表皮層を一体的に形成するカバー体について外観が良好で製造コストを低減できる構成が求められている。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、外観が良好で製造コストを低減できるエアバッグ装置のカバー体の製造方法、エアバッグ装置のカバー体、及びエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグ装置のカバー体の製造方法は、収納されたエアバッグの膨出側を覆うとともに、このエアバッグの膨出時に破断する溝状の破断部を備えたエアバッグ装置のカバー体の製造方法であって、前記破断部の一部を構成する第1の破断部を形成した基材層を有するインナ体を金型に装着し、この金型内の前記基材層の前記膨出側に樹脂材料を導入して固化させ、前記基材層に一体的に表皮層を形成し、前記膨出側の反対側から前記基材層を加工し、前記第1の破断部に連続して前記破断部を構成する連続した溝状の第2の破断部を形成するものである。
そして、この構成では、インナ体の基材層に一体的に表皮層を形成することにより、外観が良好なカバー体が容易に提供される。表皮層を形成する際には、インナ体の基材層に弱部となる連続した溝状の第2の破断部を形成しておかないことにより、変形が抑制され、外観が向上する。後加工により破断部を形成することが困難な部分については、予め第1の破断部を形成しておくことにより、製造コストの低減が容易になる。
請求項2記載のエアバッグ装置のカバー体は、収納されたエアバッグの膨出側を覆うとともに、このエアバッグの膨出時に破断する溝状の破断部を備えたエアバッグ装置のカバー体であって、前記破断部の一部を構成する第1の破断部を形成した基材層を有するインナ体と、前記第1の破断部が形成された前記基材層の前記膨出側に導入された樹脂材料が固化されて前記基材層に一体的に形成された表皮層と、前記表皮層が形成された状態で前記膨出側の反対側から前記基材層が加工され、前記第1の破断部に連続して前記破断部を構成する連続した溝状の第2の破断部とを具備するものである。
そして、この構成では、インナ体の基材層に一体的に表皮層を形成することにより、外観が良好なカバー体が容易に提供される。表皮層を形成する際には、インナ体の基材層に弱部となる連続した溝状の第2の破断部を形成しておかないことにより、変形が抑制され、外観が向上する。後加工により破断部を形成することが困難な部分については、予め第1の破断部を形成しておくことにより、製造コストの低減が容易になる。
請求項3記載のエアバッグ装置のカバー体は、請求項2記載のエアバッグ装置のカバー体において、インナ体は、破断部が形成される基板部と、この基板部から突設された突設部とを備え、第1の破断部は、突設部に近接して形成されたものである。
そして、この構成では、突設部に近接した部分は、他の部分に対して剛性が大きいため、予め第1の破断部を形成しても、変形は抑制され、他の部分に第1の破断部を形成する構成に比べ、外観が向上する。また、突設部に近接した部分は、後加工により精度の高い加工を行い第2の破断部を形成することが容易でないため、予め第1の破断部を形成することにより、製造コストの低減が容易になる。
請求項4記載のエアバッグ装置のカバー体は、請求項3記載のエアバッグ装置のカバー体において、突設部は、板状をなして突設され、他の部材に取り付けられる取付片部であり、第1の破断部は、前記取付片部に沿って形成されたものである。
そして、この構成では、剛性が大きく変形しにくい取付片部に沿って予め第1の破断部を形成しても、変形は抑制され、他の部分に第1の破断部を形成する構成に比べ、外観が向上する。取付片部に沿った部分は、後加工が煩雑となる場合があるが、予め第1の破断部を形成することにより、製造コストの低減が可能になる。
請求項5記載のエアバッグ装置のカバー体は、請求項2ないし4いずれか一記載のエアバッグ装置のカバー体において、第2の破断部は、直線状に形成されたものである。
そして、この構成では、加工が容易な直線状の部分を第2の破断部とすることにより、製造コストが低減される。
請求項6記載のエアバッグ装置は、ガスが導入されて膨張展開する袋状のエアバッグと、このエアバッグが折り畳んで収納されるケース体と、折り畳んで収納されたエアバッグの膨出側を覆う請求項2ないし5いずれか一記載のカバー体とを具備するものである。
そして、この構成では、請求項2ないし5いずれか一記載のカバー体を備えたため、外観が良好で製造コストの低減が可能なカバー体が提供される。
本発明によれば、外観が良好で製造コストを低減できるエアバッグ装置のカバー体を提供できる。
以下、本発明のエアバッグ装置のカバー体の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図3において、1はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置1は、助手席用エアバッグモジュールとも呼び得るもので、車両である自動車のインストルメントパネル部2に備えられる助手席乗員用のエアバッグ装置1を構成するものである。そして、インストルメントパネル部2は、車室の前部に車幅方向の略全長にわたり設けられ、このインストルメントパネル部2の上方には、フロントウィンドウガラスが位置している。そして、このインストルメントパネル部2の内部には、助手席の乗員に対向して、エアバッグ装置1が設置されている。そして、このエアバッグ装置1は、他の部材であり被取付部材であるケース体4と、このケース体4の下部に収納された図示しないインフレータと、ケース体4の上部に折り畳んで収納された袋状のエアバッグ6と、このケース体4の上部の開口部を覆うカバー体11とを備えている。そして、このエアバッグ装置1は、ケース体4を図示しないブラケットを介して車体側の部材に固定して、車体に取り付けられている。また、ケース体4の上側部と下側部との間は、上下に連通するガス噴出口を設けた図示しないミッドリテーナで区画され、このミッドリテーナの上側にエアバッグ6が収納され、ミッドリテーナの下側に、シリンダー状のインフレータが収納されている。さらに、ケース体4の上部の前面及び後面には、被取付部として断面略C字状などのフックが取り付けられている。なお、インフレータは、各種の形状及び方式を採りうるもので、例えば、シリンダー状の他、円盤状としても良く、また、燃焼タイプ(パイロタイプ)、ガスを圧縮して貯留するストアードタイプ、あるいはこれらを組み合わせたハイブリッドタイプなど各種のインフレータが用いられる。また、ミッドリテーナを用いずに、ケース体4の底部にインフレータを取り付けることもできる。
そして、このエアバッグ装置1を備えた自動車が衝突などして衝撃を受けると、インフレータから供給されるガスによりエアバッグ6が膨出し、この膨出する圧力により、カバー体11を破断して突出口を形成し、膨出側である所定方向としての上方Aに向かってエアバッグ6が突出し、乗員の前方に膨張展開する。なお、以下、エアバッグ6の膨出側である所定方向を上方Aあるいは表面側とし、膨出側の反対側を下方あるいは裏面側として説明する。また、このエアバッグ装置1を自動車に取り付けた状態における前後方向及び車幅方向である両側方向を、前後方向及び両側方向として説明し、フロントガラス(ウインドシールド)側を前側(図1(a)に示す矢印F方向)、乗員側を後方(図1(a)に示す矢印B方向)とするが、この構成に限られず、エアバッグ装置1は、例えば、膨出側が後側上方あるいは後方に向かう状態で車体に取り付けることもできる。
そして、カバー体11は、エアバッグカバー体、あるいはリッドなどとも呼ばれるもので、図2及び図3に示すように、主としてインストルメントパネルを構成するアウタ体21と、このアウタ体21に嵌め込みなどして取り付けられたインナ体22とを備え、さらに、これらアウタ体21とインナ体22との表面側に一体的に表皮層23を被せるように形成し、加飾すなわちオーバーモールドした加飾品となっている。
また、これらアウタ体21、インナ体22、及び表皮層23は、それぞれ樹脂にて形成され、例えば、アウタ体21は、比較的硬質な樹脂である熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレンに添加剤を加えた樹脂であるPPC樹脂の射出成形で形成され、インナ体22は、アウタ体21を構成する材料よりも軟質のエラストマー系の樹脂、例えば、TPO樹脂(サーモプラスチックオレフィン)の射出成形で形成され、表皮層23は、スキン層とも呼ばれるもので、無発泡のウレタン表皮として形成されている。
そして、アウタ体21は、車室の前部に車幅方向の略全長にわたり所定の厚さ寸法の略板状に設けられ、図示しないクリップやねじなどの取付具を用いて車体に取り付けられている。そして、このアウタ体21には、インナ体取付部25が形成されている。このインナ体取付部25は、両側方向を長手方向とする四角形状の孔部25aと、この孔部25aを囲み表面側が四角形状に凹設された凹設部25bとを備えている。
一方、インナ体22は、図2ないし図4に示すように、四角形板状の基材層を構成する基板部31と、この基板部31の裏面すなわち反膨出側である下面から裏面側に突設された四角筒状の突設部としての取付片部32とが一体に形成されている。そして、基板部31は、取付片部32の内側に位置するインナ扉予定部34と、このインナ扉予定部34の外周に位置する非展開部であるインナ外郭部35を備えている。そして、インナ扉予定部34は、通常時に折り畳んで収納されたエアバッグ6の膨出側を覆うもので、このインナ扉予定部34には、平面略H字状の破断部としての連続した溝状のテアライン36が形成され、前後一対の扉予定部37,37が区画形成されている。そして、このテアライン36は、扉予定線部、テア溝、あるいは開裂予定線などとも呼び得るもので、基板部31が裏面側から凹設されて、インナ体22の他の部分より厚さ寸法が小さく形成され、すなわち他の部分より強度が小さくエアバッグ6の展開時にこのエアバッグ6の展開の圧力により全部あるいは一部が破断する破断可能及び変形容易な弱部であり、前後方向の中央部を両側方向に延びる直線状に形成された第2の破断部を構成する中央テアライン41と、この中央テアライン41の両端部から取付片部32の近傍に沿って前後方向に延びる両側一対の直線状に形成された第2の破断部を構成する側部テアライン42と、これら側部テアライン42の前後の端部に連続する合計4カ所のインナ体22の四隅の部分に曲線状に形成された第1の破断部を構成する端末テアライン43とを備えている。そして、各端末テアライン43は、側部テアライン42の端部から内側に向かって半円の円弧状に湾曲し、いわば三日月状に形成されている。なお、後述するように、中央テアライン41及び側部テアライン42は、切削加工により形成され、端末テアライン43は、金型により形成されている。また、各端末テアライン43は、例えば半径20ミリ以下の小さな円で形成されている。
また、テアライン36が形成されていないインナ扉予定部34の前後の部分、すなわち、各端末テアライン43同士の間の部分は、扉予定部37,37をインナ外郭部35に連結するヒンジ部45となっている。そして、図3に示すように、これらヒンジ部45の部分は、テアライン36の部分を除きインナ扉予定部34の他の部分よりも厚さ寸法が小さく容易に変形可能となっている。
また、インナ外郭部35には、図2及び図4に示すように、取付片部32の前方及び後方に離間して位置し、弾性的に変形可能な爪状の係合片部47が複数形成されている。
さらに、取付片部32には、図2に示すように、長手となる前側の片部及び後側の片部に位置し、四角孔状の取付孔48が複数形成され、これら取付孔48にケース体4のフックがそれぞれ係止され、カバー体11とケース体4とが連結されている。
そして、このように構成されたインナ体22は、取付片部32をアウタ体21の孔部25aに上側から挿入し、インナ外郭部35を凹設部25bに嵌め合わせて接着などするとともに、各係合片部47をアウタ体21の下面に係合して、アウタ体21のインナ体取付部25に取り付けられている。
そして、このようにインナ体22とアウタ体21とを組み合わせた状態で、これらインナ体22とアウタ体21との表面側は、一体的に表皮層23が形成されて覆われ、カバー体11を含むインストルメントパネルが形成されている。
次に、このカバー体11の製造工程を説明する。なお、以下の説明において、理解を容易にするため、カバー体11の上下方向は、使用状態に対応して図示している。
まず、アウタ体21及びインナ体22を、それぞれ金型に樹脂材料を射出して形成する。そして、インナ体22のテアライン36については、図1に示すように、金型で形成した際には、取付片部32に近接し曲線状をなす端末テアライン43のみが金型の形状に応じて厚さ寸法が小さく形成され、破線で位置を示した中央テアライン41及び側部テアライン42は形成されていない。
次いで、これらアウタ体21及びインナ体22を組み合わせ、図5に示すように、射出成形型である金型50に装着する。この金型50は、アウタ体21及びインナ体22を保持する第1の金型(コア面)51と、この第1の金型51に相対的に接離される第2の金型(キャビ面)52とを備えている。そして、第2の金型52を第1の金型51から離間させ、すなわち、型開きした状態で、第1の金型51にアウタ体21及びインナ体22を装着し、第2の金型52を第1の金型51に接近させる。この状態で、図5に示すように、アウタ体21及びインナ体22の表面側に、僅かな厚さ寸法の空間であるキャビティ54が形成される。
次いで、ウレタン成形工程として、このキャビティ54に、樹脂材料として、無発泡ウレタンを注入する。すると、この無発泡ウレタンは、アウタ体21及びインナ体22の表面側を一体に覆い、いわゆるオーバーモールドして、無発泡のウレタン表皮である表皮層23が形成される。
そして、表皮層23が冷却され、固化した状態で、型開きし、アウタ体21、インナ体22、及び表皮層23が一体的に組み合わされたカバー体11の半製品を取り出す。すなわち、このカバー体11の半製品は、図1及び図6に示すように、中央テアライン41及び側部テアライン42は形成されていない。
ついで、このウレタン成形終了品であるカバー体11の半製品を加工機械に装着する。そして、図7に示すように、自動機である加工機械のロボット61の先端に持たせたエンドミル62により、後加工としてのエンドミル切削加工(テア溝機械切削加工)を行い、中央テアライン41及び側部テアライン42を形成し、予め形成された端末テアライン43と連続させることにより、テアライン36が形成され、図2及び図3に示すように、カバー体11が形成される。
なお、取付片部32に近接したテアライン36の部分である側部テアライン42については、図8に示すように、エンドミル62は所定の角度θ、ここでは15度だけ傾斜させて加工する。
そして、このカバー体11を備えたエアバッグ装置1が作動し、すなわち、図3に示す状態から、エアバッグ6にガスを供給すると、エアバッグ6はケース体4内で膨張展開すなわち膨出し、その膨出の圧力により、インナ体22の前後の扉予定部37,37を押圧して変形させる。そして、この力により、表皮層23とともにテアライン36が破断し、ヒンジ部45を支点して、扉予定部37,37が扉部として回動すなわち展開し、エアバッグ6が膨出する突出口を形成する。なお、このテアライン36の破断は、通常、中央テアライン41から開始し、側部テアライン42に進み、端末テアライン43で止まる。そして、通常、中央テアライン41は全長にわたり破断するが、側部テアライン42は全長にわたって破断する場合のほか、温度条件などによっては、破断が端末テアライン43に到達しない場合もある。
そして、本実施の形態によれば、折り畳んで収納されたエアバッグ6の膨出側を覆うとともに、このエアバッグ6の膨出時に破断するテアライン36を備えたエアバッグ装置1のカバー体11について、アウタ体21及びインナ体22の基板部31を覆って一体的に表皮層23を形成したため、外観が良好なカバー体11を容易に提供できる。
そして、このカバー体11のテアライン36について、一部すなわち曲線状で取付片部32に近い位置の端末テアライン43は表皮層23の形成前に予め形成し、他の部分すなわち直線状の中央テアライン41及び側部テアライン42は表皮層23を形成した後の後加工で裏面に形成したため、外観が良好なカバー体11を容易に提供できる。
すなわち、図9に比較例を示すように、仮に、中央テアライン41を予め形成したインナ体22を金型50に装着して、表皮層23の樹脂材料である無発泡ウレタンEをキャビティ54に射出すると、図9(a)に示すように、無発泡ウレタンEの注入の圧力が中央テアライン41の部分に加わった際に、中央テアライン41の部分は支えがないため、インナ体22の成形精度などによっては、2点鎖線Gに示すように、中央テアライン41が広がるとともにインナ体22の基板部31の表面側が裏面側に押圧されるようにたわむ変形が生じる可能性がある。そして、このようなたわみが生じた場合、無発泡ウレタンEの冷却が終了して、脱型すると、図9(b)に示すように、中央テアライン41の部分が成形変形すなわち復帰変形して、2点鎖線Hに示す所望の形状に対して、表皮層23の厚さ寸法が大きくなった突条56が発生し、表面外観が劣る可能性がある。
これに対して本実施の形態では、表皮層23の形成の際に、オーバーモールド時すなわち表皮層23の射出形成時の圧力で変形しやすい位置のテアライン36である中央テアライン41及び側部テアライン42、特に中央テアライン41を形成せずに後加工としたため、インナ体22の基板部31は確実に金型50に支えられて変形せず、表皮層23の厚さ寸法は一定となり、外観の良好なカバー体11を構成できる。そして、中央テアライン41及び側部テアライン42は、直線状であり、ロボット61のエンドミル62により容易に形成でき、製造コストの低減が容易になる。なお、取付片部32に沿った側部テアライン42についても、図8に示すように、エンドミル62を傾斜させることにより容易に形成できる。
一方、インナ体22の四隅に位置する三日月形状の端末テアライン43については、半径の小さい曲線状であり、エンドミル62による加工は困難となる。特に、エンドミル62を傾斜させる取付片部32に近接した部分では、半径の小さい曲線状の加工は困難で、例えば半径20ミリ以下ではエンドミル62の先端部の軌跡を安定させることは困難で、滑らかな曲線状の加工は困難となり、テアライン36が破断する特性の調整が容易でなくなる。また、基板部31から突設された取付片部32に近接した部分は、他の部分に対して剛性が大きく変形しにくいため、予めテアライン36を形成しても、ウレタン成形中の圧力を受けても変形による外観の劣化を抑制できる。さらに、短く一部分のみにテアライン36を形成しても変形による外観の劣化は抑制できる。
そこで、後加工により破断部を形成することが困難な部分である端末テアライン43の部分のみについては、表皮層23の形成前に予め射出成形型で形成しておくことにより、良好な外観を確保しつつ、エアバッグ6の展開特性を容易に向上できるとともに、製造コストを容易に低減できる。
すなわち、後加工により精度の高い加工を行うことが容易でない曲線状の部分を第1の破断部とし、加工が容易な直線状の部分を第2の破断部とすることにより、精度の高い加工を行いつつ製造コストが低減される。
そして、このように、良好な外観を確保しつつ、エアバッグ6の展開特性を容易に向上できるとともに、製造コストを容易に低減できるカバー体11を用いることにより、良好な外観を確保しつつ、エアバッグ6の展開特性を容易に向上できるとともに、製造コストを容易に低減できるエアバッグ装置1を提供できる。
なお、上記の実施の形態では、端末テアライン43を予め形成し、中央テアライン41及び側部テアライン42を後加工で切削形成したが、この構成に限られず、例えば、他の部分に対して剛性が大きく変形しにくい部分である取付片部32の近傍に沿った側部テアライン42は、予め金型で形成し、中央テアライン41のみを後加工で切削形成することもできる。すなわち、剛性が大きく変形しにくい取付片部32に沿って予め金型で側部テアライン42を形成しても、変形を抑制でき、他の部分に第1の破断部を形成する構成に比べ、外観を向上できる。一方、取付片部32に沿った部分は、取付片部32の形状などにより、後加工が煩雑となる場合があるが、予め側部テアライン42を形成することにより、製造コストを低減できる。
また、第2の破断部を構成する中央テアライン41及び側部テアライン42と、第1の破断部を構成する端末テアライン43とは連続して形成されるが、ここで、連続とは、実質的に連続すれば良く、すなわち、破断が連続して伝わる形状であれば良い。例えば、側部テアライン42が端末テアライン43に連続する部分は、溝部の次第に深さ寸法が小さくなる構成として、加工を容易にすることができる。さらに、側部テアライン42と端末テアライン43との間は、僅かな間隔を介して対向する構成とすることもできる。
また、テアライン36の平面形状は、上記の平面略H字状の構成に限られず、平面略C字状など適宜の構成を採ることができる。
た、上記の構成では、インストルメントパネル部2の助手席乗員用のエアバッグ装置1のカバー体11について説明したが、自動車の内装パネルとして他の場所に設置されるエアバッグ装置のカバー体に適用することもできる。
また、カバー体11は、インストルメントパネル部2の一部を構成するものとし、あるいは、インストルメントパネル部2の全長に一体に形成し、あるいはインストルメントパネル部2の他の部分とは別体に形成される構成とすることもできる。
本発明は、例えば、自動車の助手席乗員用のエアバッグ装置のカバー体に適用できる。
本発明のエアバッグ装置のカバー体の一実施の形態を示す製造工程の説明図であり、(a)は底面図、(b)は一部を拡大した底面図である。 同上カバー体の一部の斜視図である。 同上エアバッグ装置の図4のI−I相当位置の断面図である。 同上カバー体の一部の底面図である。 同上カバー体の製造工程の説明図である。 同上カバー体の製造工程の説明図である。 同上カバー体の製造工程の説明図である。 同上カバー体の製造工程の説明図である。 同上カバー体の比較例を示す説明図である。
1 エアバッグ装置
4 ケース体
6 エアバッグ
11 カバー体
22 インナ体
23 表皮層
31 基材層を構成する基板部
32 突設部としての取付片部
36 破断部としてのテアライン
41 第2の破断部を構成する中央テアライン
42 第2の破断部を構成する側部テアライン
43 第1の破断部を構成する端末テアライン
50 金型
A 膨出側としての上方

Claims (6)

  1. 収納されたエアバッグの膨出側を覆うとともに、このエアバッグの膨出時に破断する溝状の破断部を備えたエアバッグ装置のカバー体の製造方法であって、
    前記破断部の一部を構成する第1の破断部を形成した基材層を有するインナ体を金型に装着し、
    この金型内の前記基材層の前記膨出側に樹脂材料を導入して固化させ、前記基材層に一体的に表皮層を形成し、
    前記膨出側の反対側から前記基材層を加工し、前記第1の破断部に連続して前記破断部を構成する連続した溝状の第2の破断部を形成する
    ことを特徴とするエアバッグ装置のカバー体の製造方法。
  2. 収納されたエアバッグの膨出側を覆うとともに、このエアバッグの膨出時に破断する溝状の破断部を備えたエアバッグ装置のカバー体であって、
    前記破断部の一部を構成する第1の破断部を形成した基材層を有するインナ体と、
    前記第1の破断部が形成された前記基材層の前記膨出側に導入された樹脂材料が固化されて前記基材層に一体的に形成された表皮層と、
    前記表皮層が形成された状態で前記膨出側の反対側から前記基材層が加工され、前記第1の破断部に連続して前記破断部を構成する連続した溝状の第2の破断部とを具備する
    ことを特徴とするエアバッグ装置のカバー体。
  3. インナ体は、破断部が形成される基板部と、この基板部から突設された突設部とを備え、
    第1の破断部は、突設部に近接して形成された
    ことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ装置のカバー体。
  4. 突設部は、板状をなして突設され、他の部材に取り付けられる取付片部であり、
    第1の破断部は、前記取付片部に沿って形成された
    ことを特徴とする請求項3記載のエアバッグ装置のカバー体。
  5. 第2の破断部は、直線状に形成された
    ことを特徴とする請求項2ないし4いずれか一記載のエアバッグ装置のカバー体。
  6. ガスが導入されて膨張展開する袋状のエアバッグと、
    このエアバッグが折り畳んで収納されるケース体と、
    折り畳んで収納されたエアバッグの膨出側を覆う請求項2ないし5いずれか一記載のカバー体と
    を具備することを特徴とするエアバッグ装置。
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