JP4955336B2 - 作業車両の走行変速装置 - Google Patents

作業車両の走行変速装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4955336B2
JP4955336B2 JP2006215021A JP2006215021A JP4955336B2 JP 4955336 B2 JP4955336 B2 JP 4955336B2 JP 2006215021 A JP2006215021 A JP 2006215021A JP 2006215021 A JP2006215021 A JP 2006215021A JP 4955336 B2 JP4955336 B2 JP 4955336B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
work
transmission
range
lever
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006215021A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008039087A (ja
Inventor
均 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Co Ltd filed Critical Yanmar Co Ltd
Priority to JP2006215021A priority Critical patent/JP4955336B2/ja
Publication of JP2008039087A publication Critical patent/JP2008039087A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4955336B2 publication Critical patent/JP4955336B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は、主変速レバーの操作範囲内において、作業の種類に合わせた更に狭い範囲の最適速度範囲で変速できるようにする作業車両の走行変速装置に関する。
従来、油圧式無段変速装置(以下、「HST」という)を備える作業車両において、該HSTを操作する為に車両に備えられる変速レバー機構には、変速レバーをデテント装置によって複数の係止位置に係止し得るように構成されるもの(例えば、特許文献1)が知られている。また、その他にデテント装置によって、HSTを所望の出力状態に対応した操作レバーの操作位置を任意に設定しうる構成のもの等が知られている(例えば、特許文献2)。
特開2002−160545号公報 特開2006−62652号公報
上述した特許文献2に開示された構成では、変速レバーを任意の操作位置に設定でき、作業車両速度を任意に設定しうる。しかし、作業走行中に作業条件に合う所望の速度に設定する場合、変速レバーを回動して走行速度を設定するが、変速レバーの回動範囲は、全種類の作業に適応できるように設定されているため、各作業に合わせた速度にぴったりと合わせることは難しい。例えば、ある作業で2速の位置に設定しても、1速と2速、または2速と3速の間の速度範囲で更に細かく設定することは困難である。また、上述の特許文献1に開示された構成では、変速レバーは予め設定された所定変速段にデテント機構により保持されるため、速度の再現性が良い。しかし、作業を行うときに土地条件等の作業状態に応じた目標速度を達成するように、細かく速度設定することが困難であるという問題がある。よって、本発明が解決しようとする課題は、走行速度を細かく設定することが容易、かつ、速度の再現性が良い作業車両の走行変速装置を提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、アクチュエータ(56)により変速可能な油圧式無段変速装置(50)と、前記アクチュエータ(56)を操作する主変速レバー(17)と、これらを制御する制御手段と、を備える作業車両であって、油圧式無段変速装置(50)による変速範囲内で、複数の作業速度操作範囲を設定し、該作業速度操作範囲を作業選択ダイヤル(117)により選択可能とし、前記主変速レバー(17)により前記アクチュエータ(56)を作動させて変速可能とし、該作業選択ダイヤル(117)により設定する複数の作業速度操作範囲には、「全範囲・設定値0」を含む「低速・設定値1」から「高速・設定値3」に至る複数の段階に設定可能とし、該「全範囲・設定値0」は走行速度として、路上走行やローダ作業等において設定され、速度比の最小と最大の間で変速され、前記主変速レバー(17)の回動角と速度は略比例するように設定し、前記「低速・設定値1」から「高速・設定値3」の設定作業速度の場合には、中立位置から最低作業速度までは急速に変速されるが、その後は主変速レバー(17)の回動に比例して速度が徐々に高められる変速速度に設定したものである。
請求項2においては、請求項1に記載の走行変速装置において、前記設定作業速度範囲においては、各中心速度を、ダイヤル等で構成した調節手段(116)を用いて任意に変更可能に構成したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、アクチュエータ(56)により変速可能な油圧式無段変速装置(50)と、前記アクチュエータ(56)を操作する主変速レバー(17)と、これらを制御する制御手段と、を備える作業車両であって、油圧式無段変速装置(50)による変速範囲内で、複数の作業速度操作範囲を設定し、該作業速度操作範囲を作業選択ダイヤル(117)により選択可能とし、前記主変速レバー(17)により前記アクチュエータ(56)を作動させて変速可能とし、該作業選択ダイヤル(117)により設定する複数の作業速度操作範囲には、「全範囲・設定値0」を含む「低速・設定値1」から「高速・設定値3」に至る複数の段階に設定可能とし、該「全範囲・設定値0」は走行速度として、路上走行やローダ作業等において設定され、速度比の最小と最大の間で変速され、前記主変速レバー(17)の回動角と速度は略比例するように設定し、前記「低速・設定値1」から「高速・設定値3」の設定作業速度の場合には、中立位置から最低作業速度までは急速に変速されるが、その後は主変速レバー(17)の回動に比例して速度が徐々に高められる変速速度に設定したので、有段式の主変速レバー(変速操作具)を用いることによって、速度の再現性が向上すると同時に、作業速度設定手段を設けることによって、作業条件に合わせて最適な速度近辺で細かい速度設定が可能となり作業性が向上する。
請求項2の如く構成したので、請求項1に記載の走行変速装置において、前記設定作業速度範囲においては、各中心速度を、ダイヤル等で構成した調節手段(116)を用いて任意に変更可能に構成したので、請求項1の効果に加え、中心速度は作業や作業者の好みで変更することができ、この中心速度から上下に走行速度を変更することができ、更に精度の高い速度設定が可能となるのである。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係るトラクタの概略構成を示した側面図、図2は動力伝達構成を示すスケルトン図、図3は同じく側面図一部断面図である。図4は主変速レバーの構成を示した平面図である。図5は走行変速装置の制御に係るマップ、図6は制御ブロック図である。本実施例に係る走行変速装置は、トラクタ、ローダー等の農作業用の作業車両に用いることができる。
まず、本発明の一実施例に係る油圧式無段変速装置を採用した走行車両をトラクタとして、その概略構成について説明する。
図1に示すように、機体フレーム2の前下部にはフロントアクスルが揺動自在に配設され、該フロントアクスルに軸支された前車軸3の両端に前輪4が取り付けられている。また、機体フレーム2の後部にはミッションケース5が固設され、該ミッションケース5の後部の左右両側面にリアクスルケースが取り付けられて、該リアクスルケースに軸支された後車軸6の両端に後輪7が取り付けられている。
機体フレーム2の前後中途部上にはエンジン8が載置されている。該エンジン8の前方にはラジエータ9やバッテリ10が配置され、これらがボンネット11により覆われている。ボンネット11の後部内には燃料タンク12が配設され、該燃料タンク12の後方にダッシュボード13が配設されている。ダッシュボード13内にはハンドルコラムが配設され、ハンドルコラムに支持されたハンドル軸の上端にハンドル14が設けられている。そして、ハンドル14の後方に座席15が配置され、該座席15とダッシュボート13との間の下方にステップ16が配置されて、運転部が構成されている。
エンジン8の後部にクラッチハウジングが配置され、該クラッチハウジングの後部に前記ミッションケース5が配設されている。そして、エンジン8からの駆動力がクラッチハウジングに備えられた主クラッチ23やミッションケース5に備えられた主変速装置50、副変速装置80などからなる変速装置を経て後輪7に伝達されると同時に、四輪駆動・前輪増速駆動切換機構100を介して前輪4に伝達されるように構成されている。また、前記エンジン8の駆動力は、ミッションケース5後端から突出したPTO軸48にも伝達されるように構成されており、該PTO軸48からユニバーサルジョイントや伝動軸などを介して車両後端の作業機装着装置に装着した作業機49に駆動力が伝達可能とされている。
次に、本実施例に係る駆動力伝達構成について、図2及び図3を用いて以下に説明する。前記エンジン8から出力軸21が機体後方に突出され、主クラッチ22を介して無段変速装置に入力される。本実施例では無段変速装置として油圧式無段変速装置(HST)が適用されるが、ベルト式やカムローラ式等限定するものではない。エンジン8からの動力はHST50の油圧ポンプ51のポンプ入力軸23に動力が伝達される。また、前記出力軸21近傍に前記エンジン8の回転数を検知する手段となる回転数センサ112が配置されており、該回転数センサ112はコントローラ110と接続されている。
図2に示すように、HST50において、可変容積型に構成した油圧ポンプ51及び、固定容積型に構成した油圧モータ52をHSTハウジング50aに内包する。前記油圧ポンプ51の吐出量及び吐出方向を変更する可動斜板55は、後述するアクチュエータとなる油圧シリンダ56の作動により傾倒角度を制御され、該油圧シリンダ56は主変速レバー(HSTレバー)17等の操作で駆動されるように構成している。
前記油圧モータ52のモータ出力軸54の後方には伝達軸70が連結され、モータ出力軸54の動力が該伝達軸70に伝達される。該伝達軸70上には伝達歯車71・72・73が固設または形設されて、該伝達歯車73は副変速軸84に遊嵌された副変速三速歯車83に噛合されている。
前記ポンプ入力軸23は、前記油圧ポンプ51を貫通して機体後方に延出されて、油圧ポンプ51を駆動している。さらに後方にPTOクラッチ軸35が延設されており、該PTOクラッチ軸35は該ポンプ入力軸23と同心軸上に配設されている。
前記ポンプ入力軸23の後端上には伝達歯車33が配設され、前記PTOクラッチ軸35上にはPTO一速歯車31、PTO二速歯車32、PTO逆転歯車34が遊嵌されている。これらの歯車31・32・33・34のうちPTO変速歯車31・32と伝動歯車33が、中間歯車45上に固設或いは形設された伝達歯車41・42・43にそれぞれ噛合され、PTO逆転歯車34がカウンタ歯車36を介して伝達歯車44に噛合されている。
前記PTOクラッチ軸35には、PTO一速歯車31とPTO二速歯車32との間において、スライダ38が軸方向摺動自在にスプライン嵌合され、PTO逆転歯車34と伝動歯車33との間において、スプラインカラーを介してスライダ39が軸方向摺動自在にスプライン嵌合されている。スライダ38・39は適宜のリンク機構を介して、運転部に配設されたPTO変速レバーに連動連結されている。
また、前記PTO一速歯車31、PTO二速歯車32、PTO逆転歯車34、伝動歯車33にはそれぞれスライダ38・39にスプライン嵌合可能なスプライン部が形成され、PTO変速レバーの操作によりスライダ38・39が軸方向に摺動して、PTO一速歯車31、PTO二速歯車32、PTO逆転歯車34、伝動歯車33のうち、いずれか一つの歯車のスプライン部とスプライン嵌合するように構成されている。こうして、PTO変速装置30が構成され、出力軸22の駆動力が該出力軸22上の伝動歯車33から、又はPTOクラッチ軸35上の歯車31・32・33のうちのいずれか一つの歯車からPTOクラッチ軸35に出力されるようになっている。なお、PTO変速レバーがニュートラル位置の場合には、PTOクラッチ軸35に駆動力は伝達されない。
PTOクラッチ軸35の後端には歯車46が固設され、該歯車46にPTO軸48の前端に固設された歯車47が噛合されている。そして、該PTO軸48の後端がミッションケース5から後方に突出され、ユニバーサルジョイントや伝動軸を介して機体後端に接続された作業機49の入力軸に連結されている。
前記伝達軸70には前記歯車71・72・73が固設、または形設されており、該歯車73に副変速軸84に遊嵌された副変速三速歯車83が噛合されている。また、副変速軸84上には副変速一速歯車81が遊嵌されている。さらに、副変速シフタ82が軸方向摺動自在にスプライン嵌合され、副変速シフタ82に副変速レバーが適宜のリンク機構を介して連動連結されている。
前記副変速シフタ82においては、その前部内周に、前記副変速三速歯車83の後部に形成されたスプライン部とスプライン嵌合可能なスプライン部が形成される。一方、その後部外周に前記伝達軸70上の歯車72と噛合可能な副変速二速歯車82aが設けられ、副変速レバーの操作により副変速シフタ82が軸方向に摺動して、スプライン部が副変速三速歯車83、又は副変速一速歯車81のスプライン部とスプライン嵌合する、或いは、副変速二速歯車82aが歯車72と噛合するように構成されている。こうして、三段変速の副変速装置80が構成され、伝達軸70の駆動力が副変速軸84上の歯車81・82a・83のいずれか一つの歯車に出力されて、該歯車より伝達軸70の変速後の駆動力が副変速軸84に出力される。
さらに、前記副変速軸84には歯車85・86・87が固設され、これらの歯車85・86・87のうち、副変速軸84後端に配置された歯車87には後輪7側のデフ装置91の歯車92が噛合されている。デフ装置91の出力軸93には歯車94・95を介して後車軸6が連結されるとともに、ブレーキ装置96が配設されている。こうして、副変速軸83の駆動力がデフ装置91に入力され、その出力軸93から出力される駆動力により後輪7が駆動されるように構成されている。
また、前記歯車85・86・87のうち、歯車85・86は前輪駆動出力軸103に遊嵌された歯車101・102にそれぞれ噛合され、四輪駆動・前輪増速駆動切換機構100によって、副変速軸83の駆動力が歯車101・102のうちのいずれか一方の歯車を介して前輪駆動出力軸103に入力される。そして、該前輪駆動出力軸103からの駆動力が、前輪伝達軸104やユニバーサルジョイントなどを介して前輪側のデフ装置106に入力されて、その出力軸から出力される駆動力により前輪4が駆動されるように構成されている。
前記副変速軸84には、車両の走行速度を検出する手段となる速度センサ114が配置されており、該速度センサ114はコントローラ110と接続されている。なお、車両の速度を検出する手段として、後輪7を固定する車軸の回転数を検知する回転数センサを設けて、コントローラ110に出力することで車両速度を検出することも可能であるし、デフ装置91の出力軸93に速度センサを設けて、コントローラ110に出力することも可能である。
前記主クラッチ22は、クラッチペダル等の操作によって「入」「切」を切り換えられるように構成されている。また、該主クラッチ22の「入」「切」の切り換えを検出する手段となる、クラッチセンサ115が配置されており、該クラッチセンサ115はコントローラ110と接続されている。
油圧ポンプ51の可動斜板55は、適宜のリンク機構を介して、アクチュエータとなる油圧シリンダ56と連結連動される。該リンク機構の一部に可動斜板55の回動角を検出する角度センサ113を配置し、可動斜板55の回動角を検知する。すなわち、油圧ポンプ51の変速位置を検知し、コントローラ110に出力している。
本発明はHST50による変速範囲内で、複数の作業速度操作範囲を設定してマップとしてコントローラ110の記憶部に記憶させて、該作業速度操作範囲を作業速度設定手段となる作業選択ダイヤル117により選択可能とし、主変速レバー17によりアクチュエータとなる油圧シリンダ56を作動させて、前記作業選択ダイヤル117で設定した作業速度操作範囲内で変速可能に構成している。即ち、前記HST50は、可動斜板55を傾倒させることにより、その傾倒角度に設定された回転数が出力され、停止、或いは前進または、後進させることができる。すなわち、該可動斜板55が中立位置の場合はモータ出力軸54には駆動力は出力されず、可動斜板55が前進位置または後進位置に回動されている場合は、モータ出力軸54に夫々前進回転または後進回転が出力される。本実施例では、主変速レバー17の回動操作によって、前記可動斜板55が回動されるが、その回動は後述する作業選択ダイヤル117の切換によって、異なるパターンで回動されるように構成している。
前記主変速レバー17は座席15側部のフェンダー上やハンドルコラム等に配設することが可能であり、本実施例ではハンドルコラムに設けている。図4に示すように、主変速レバー17の操作範囲に長孔状に形成したレバーガイド19には変速段の位置に合わせて孔内方向に複数のノッチ19a・19a・・・が突出して設けられて、各変速段で保持可能としている。例えば、ニュートラル(中立位置)及び、前進1速から8速まで8段の設定を可能とし、また、後進も同様に4速まで変速可能としている。こうして無段変速装置を用いながら有段変速操作を可能としている。また、レバーガイド19の上方には変速位置を示す銘盤が設けられている。なお、主変速レバー17を変速段で保持する機構はノッチ式のものに限らず、デテント機構を用いたもの等を採用することも可能であり、各変速位置に保持可能な構成として変速位置の再現性が担保されるものであれば良い。また、中立から高速側に変速できるレバーとすることも可能であり、この場合、前後進切換手段を設けて、レバー等の操作で切り換えられるように構成する。
また、主変速レバー17の回動基部近傍には角度センサ111が配設され、コントローラ110と接続している。こうして、主変速レバー17の回動角を検出し、中立位置から前進位置または後進位置のどの位置に回動されているかを角度センサにより検知し、その回動位置に相当する速度となるように、アクチュエータとなる油圧シリンダ56を作動させて可動斜板55を傾倒する。
また、作業選択手段として作業選択ダイヤル117が座席15またはハンドル近傍に配置されている。該作業選択ダイヤル117はロータリスイッチなどより構成して、コントローラ110と接続している。さらに、前記作業選択ダイヤル117が切り換えられると、その切換位置に対応して予めコントローラ110の記憶部に記憶したマップから変速パターンが読み込まれて、主変速レバー17の回動位置を検出するレバーセンサ111からの出力に対応した速度となるように、電磁制御バルブ118に制御信号を送り制御する。なお、前記作業選択ダイヤル117は、本実施例でダイヤル式のスイッチを採用したが、これに限らずボタン式のスイッチ等でも適用可能である。
前記作業選択ダイヤル117は、作業や走行の種類に合わせた主変速装置(HST)の変速パターンを設定するものであり、各種作業時や走行時においては、最適な変速範囲が存在するので、各種作業に合わせた変速ができるようにしている。具体的には、HST50の可動斜板55の中立位置から最大傾斜角までの回動範囲、つまり、HST50の変速範囲において、複数(本実施例では4つ)の作業速度操作範囲が設定されている。一つの作業速度操作範囲は、最低作業速度から最大作業速度までの変速範囲であり、例えば、1段から8段の範囲としている。この変速範囲はHST50の全変速範囲に比べて十分小さく約1/3〜1/5程度としている。言い換えれば、この作業速度操作範囲は、ある作業に最適な速度を中心として、上下数〜数十パーセントの範囲に最低作業速度と最大作業速度を設定して、その範囲で主変速レバー17により変速できるようにしている。但し、作業の種類によっては、変速比の増加割合が大きい場合もあるので、前記の作業範囲を越えたり、重複したりする設定であってもよく、コントローラ110の記憶部に設けたマップを変更することにより容易に対応できるようにしている。
こうして、作業選択ダイヤル117で作業を選択するだけで、所定の作業速度に変速され、実際の走行速度が所望の速度と異なる場合には、主変速レバー17を操作することにより容易に所望の速度に変速できるようにしている。この場合、主変速レバー17を回動して変速する範囲は、可動斜板55を回動して変速する範囲の一部であるため、主変速レバー17の操作に対して変速の割合が小さく微妙な変速操作が可能となり、最適作業速度が容易に得られるようになっている。例えば、本実施例では、図5に示すように、作業選択ダイヤル117には4つの設定範囲が設けられ、低速・中速・高速の3段階の範囲と、全範囲とに設定することを可能としている。
設定値0は走行範囲として、路上走行やローダ作業等において設定され、速度比の最小と最大の変化が大きく主変速レバー17の回動角と速度は略比例するように設定している。設定値1は低速作業範囲として、移植作業や播種作業等において設定され、作業速度が遅く精密な作業等に向いている。この場合、中立位置から最低作業速度(1速)までは急速に変速されるが、その後は主変速レバー17の回動に比例して速度が徐々に高められ、低速の範囲内で変速され、最適な速度が得られるようにしている。設定値2は中速作業範囲として、耕耘や中耕や施肥作業や防除作業等において設定され、作業速度は中程度とし、主変速レバー17をニュートラルから最低作業速度(1速、低速作業範囲の最大速)までは変速比が大きく、その後の最大変速域までは主変速レバー17の回動に比例して中速の範囲で細かく設定できるようにしている。設定値3は高速範囲として、牽引作業や草刈り作業等比較的高速で行う作業に向いており、主変速レバー17をニュートラルから最低作業速度(1速、中速作業範囲の最大速)までは変速比が大きく、その後の最大変速域までは主変速レバー17の回動に比例して高速の範囲で細かく設定できるようにしている。また、この各範囲(設定0〜3)の各中心速度(4速または5速)はダイヤル等で構成した調節手段116を用いて任意に変更可能に構成することもできる。このように構成することにより、中心速度は作業や作業者の好みで変更することができ、この中心速度から上下に走行速度を変更することができ、更に精度の高い速度設定が可能となる。
以上のように、オペレータは作業選択ダイヤル117の回動操作によって、これから行う作業に最適な速度域を含む設定値を選択し、主変速レバー17を回動操作し、走行速度を調節することで、容易に作業条件に最適な速度を得ることができる。また、確認容易な作業選択ダイヤル117(本実施例ではダイヤル式)を用いることで、回行や中断や移動や停止等の後に再度作業を行う場合に、その前と略同じ速度を得ることが容易であり、速度の再現性にも優れている。
なお、作業者の好みや作業の種類や装着する作業機等により最適な速度や変速範囲が異なるため、速度域の設定は本実施例の設定に限定するものではない。例えば、変速範囲は速度が主変速レバーに比例の関係に限定せず、高速側で更に変化を小さくする等折れ線状や曲線状の変速パターンとすることも可能であり、これらをマップに記憶させることで、更に多くの種類のパターンに設定可能とすることもできる。また、この変速パターンや変速範囲や作業の種類等をハンドル近傍に設けた表示装置に表示するように構成することもできる。このように構成することで、作業者はどのパターンでどの範囲で作業をしているかが容易に認識できる。
次に、本実施例に係る制御構成について図6の制御ブロック図を用いて説明する。コントローラ110には、主変速レバーの回動位置(変速位置)を検知するレバーセンサ111と、エンジン8の回転数を検知する回転数センサ112と、可動斜板55の回動角を検知する角度センサ113と、走行出力軸(本実施例では副変速軸84)に設けられた、車両の走行速度を検知する速度センサ114と、主クラッチ22の「入」「切」検知手段となるクラッチセンサ115と、作業選択ダイヤル117と、がそれぞれ接続されている。そして、コントローラ110に電磁制御バルブ118が接続され、該電磁制御バルブ118は油圧ポンプ51からの圧油の送油方向を切り換えるようにしている。こうして、コントローラ110からの制御信号により、該電磁制御バルブ118を切り換えて、油圧シリンダ56を伸縮駆動して、可動斜板55の角度を調節できるようにしている。なお、コントローラ110には、他のセンサ、例えば副変速レバーセンサ、PTO変速センサ、エンジン油圧センサ等も接続されている。
以上のような構成において、例えば耕耘作業を行う場合には、副変速レバーやPTO変速レバーを操作した後に、作業選択ダイヤル117を設定2の位置に回動し、主変速レバー17を所望の位置まで回動する(但し、クラッチを「入」とした後に主変速レバーをニュートラルから変速させてもよい)。そして、アクセルレバーを回動して作業回転数に設定し、クラッチを「入」として作業を開始する。この作業速度が好ましく無い場合には主変速レバー17を回動して走行速度を変更する。このとき、主変速レバー17の回動はレバーセンサ111により検知され、その回動位置から電磁制御バルブ118を切り換えて、油圧シリンダ56を伸縮させて可動斜板55を回動し、油圧モータの出力回転を変更して所望の走行速度となるように変速する。
以上のように、アクチュエータにより変速可能な油圧式無段変速装置と、前記アクチュエータを操作する有段式変速操作具と、これらを制御する制御手段と、を備える作業車両であって、油圧式無段変速装置による変速範囲内で、複数の作業速度操作範囲を設定し、該作業速度操作範囲を作業速度設定手段により選択可能とし、主変速レバーにより前記アクチュエータを作動させて、前記作業速度設定手段で設定した作業速度操作範囲内で変速可能に構成したので、作業速度設定手段を設けることによって、作業条件に合わせて最適な速度周辺で細かい速度設定が可能となり、作業性が向上すると同時に、有段式の主変速レバー(変速操作具)を用いることによって、速度の再現性が向上する。
また、上記に加え、前記主変速レバーのレバーガイドにノッチを設けて変速段を形成したので、操作が簡単、かつ、操作確認も容易にできることにより、操作性が向上すると同時に、走行の安定性も担保される。
本発明の一実施例に係るトラクタの概略構成を示した側面図。 動力伝達構成を示すスケルトン図。 同じく側面図一部断面図。 主変速レバーの構成を示した平面図。 走行変速装置の制御に係るマップ。 制御ブロック図。
8 エンジン
17 主変速レバー
18 前後進切換レバー
50 油圧式無段変速装置(HST)
55 可動斜板
56 油圧シリンダ
110 コントローラ
116 設定値の中心速度調節手段
117 作業選択ダイヤル

Claims (2)

  1. アクチュエータ(56)により変速可能な油圧式無段変速装置(50)と、前記アクチュエータ(56)を操作する主変速レバー(17)と、これらを制御する制御手段と、を備える作業車両であって、油圧式無段変速装置(50)による変速範囲内で、複数の作業速度操作範囲を設定し、該作業速度操作範囲を作業選択ダイヤル(117)により選択可能とし、前記主変速レバー(17)により前記アクチュエータ(56)を作動させて変速可能とし、該作業選択ダイヤル(117)により設定する複数の作業速度操作範囲には、「全範囲・設定値0」を含む「低速・設定値1」から「高速・設定値3」に至る複数の段階に設定可能とし、該「全範囲・設定値0」は走行速度として、路上走行やローダ作業等において設定され、速度比の最小と最大の間で変速され、前記主変速レバー(17)の回動角と速度は略比例するように設定し、前記「低速・設定値1」から「高速・設定値3」の設定作業速度の場合には、中立位置から最低作業速度までは急速に変速されるが、その後は主変速レバー(17)の回動に比例して速度が徐々に高められる変速速度に設定したことを特徴とする作業車両の走行変速装置。
  2. 請求項1に記載の走行変速装置において、前記設定作業速度範囲においては、各中心速度を、ダイヤル等で構成した調節手段(116)を用いて任意に変更可能に構成したことを特徴とする作業車両の走行変速装置。
JP2006215021A 2006-08-07 2006-08-07 作業車両の走行変速装置 Expired - Fee Related JP4955336B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006215021A JP4955336B2 (ja) 2006-08-07 2006-08-07 作業車両の走行変速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006215021A JP4955336B2 (ja) 2006-08-07 2006-08-07 作業車両の走行変速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008039087A JP2008039087A (ja) 2008-02-21
JP4955336B2 true JP4955336B2 (ja) 2012-06-20

Family

ID=39174338

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006215021A Expired - Fee Related JP4955336B2 (ja) 2006-08-07 2006-08-07 作業車両の走行変速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4955336B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6994239B2 (ja) * 2017-11-15 2022-01-14 株式会社 神崎高級工機製作所 作業車輌

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5843523U (ja) * 1981-09-18 1983-03-23 ヤンマー農機株式会社 農作業車の走行用油圧装置
JPH08300967A (ja) * 1995-05-02 1996-11-19 Mitsubishi Agricult Mach Co Ltd 作業用走行車の変速装置
JPH08324278A (ja) * 1995-06-02 1996-12-10 Kubota Corp 作業車の走行用変速操作装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008039087A (ja) 2008-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5330353B2 (ja) 作業車両
JP2012091541A5 (ja)
JP4955336B2 (ja) 作業車両の走行変速装置
JP2005343187A (ja) 多目的作業車
JP5186191B2 (ja) 走行車両
JP2018071676A (ja) 作業車両
JP6323918B2 (ja) 作業車両
JP2003343712A (ja) 作業車の走行変速構造
JP2010029192A (ja) 農業用トラクタ
JP2018127214A (ja) 作業車両
JP7234900B2 (ja) 作業車両
JP2013014150A (ja) 作業車両
JP4923466B2 (ja) 無段変速機の変速操作装置
JP2010019401A (ja) 作業車両の変速装置
JP5083387B2 (ja) トラクタ
JP5251337B2 (ja) 作業車の動力伝達装置
JP2008298099A (ja) 作業車両
JP2003042288A (ja) 車両の変速制御装置
JP4993078B2 (ja) 作業車両の走行制御装置
JP5997242B2 (ja) 作業車両
JP2002331956A (ja) 作業車両の自動変速機構
JP2019011766A (ja) 作業車両
JP4061076B2 (ja) 作業車両の変速装置
JP4304583B2 (ja) 走行車両の変速制御装置
JP5762482B2 (ja) 作業車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090603

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120313

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees