JP4898700B2 - 位相変調装置および無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、PLL(Phase Locked Loop :位相同期ループ)を用いて変調を行うことで、入力ディジタルベースバンド変調信号によってキャリア周波数信号を変調する位相変調装置、及びその位相変調装置を用いた無線通信装置に関する。
従来、ベースバンドの変調信号によりキャリア信号を変調して送信信号を形成する(すなわち、ベースバンド変調信号を無線周波数にアップコンバートする)にあたって、PLLを用いた位相変調装置が広く用いられている。この種の位相変調装置においては、一般的に、低コスト、低消費電力、良好なノイズ特性、並びに高い送信特性、例えば変調精度が求められている。このPLLを用いた位相変調装置の構成としては、分周器に変調信号を入力する構成や、VCOに変調信号を入力する構成などさまざまな構成がある。また、位相変調方式の1つとして、PLL帯域内の変調とPLL帯域外の変調を異なる2箇所(VCOと分周器)で行う2点変調方式なども提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案された2点変調方式を採用する広帯域変調PLLを用いた位相変調装置の構成を図22に示す。同図に示すように、この位相変調装置は、基準発振1、リミッタ2、基準分周器3、位相周波数検知器4、チャージポンプ5、ループフィルタ6、電圧制御発振器(VCO)8、分周器9、及び加算器7を含むPLLと、変調器10と、デルタシグマ変調器13と、チャージポンプスケーリング16と、変調スケーリング17と、加算器11、14と、定数F12と、定数P15とを備えている。
PLLの電圧制御発振器8は、RF変調信号を出力する。このRF変調信号の発振周波数は、VCO8の制御電圧端子Vtに入力される電圧に応じて変化する。分周器9は、電圧制御発振器8から出力されたRF変調信号の周波数を分周する。
位相周波数検知器4は、分周器9から出力された信号の位相と、基準発振1からの基準信号の位相とを比較し、両信号の位相差に応じた信号(電流)を出力する。チャージポンプ5は、位相周波数検知器4の電流出力を電圧に変換し、ループフィルタ6へ出力する。チャージポンプスケーリング16によってチャージポンプ5が制御されることにより、位相ロックループ内の残余変調の制御が実現され、その結果、より正確な2点変調が可能となる。そして、ループフィルタ6は、チャージポンプ5の出力信号を平均化する。
変調スケーリング17は、変調データ(Ka)に基づき、変調信号をスケーリング、すなわち変調信号の振幅スケールを可変制御している。この変調スケーリング17におけるスケーリングは、製造バラツキや温度変動に起因してVCOの感度変動(図23の傾きが変わること)が生じても、変動前後でVCOの出力の振幅スケールが一定に保たれるように行われ、これにより変調精度の劣化が防止される。
以上のように2点変調方式を用いて狭帯域から広帯域のマルチモード位相変調が実現されている。
また、特許文献2に示される従来技術においても、製造バラツキや温度変動によるVCOの感度変動を一定に保つように電圧利得ステージが設けられており、エラー信号から周波数偏差を引き出し、位相の振幅量を制御する構成をとっており、VCOの感度変動による変調精度の劣化を防いでいる。
特表2003−510899号公報 特開2004−7704号公報
ところで、図23に示すようにVCOには入力電圧と出力周波数との間に非線形特性を示す領域が存在する。図23Aに示すように線形特性を示す領域でPLLがロックした場合には、変調精度が劣化することはない。しかし、図23Bに示すように非線形領域又は非線形領域の近傍でPLLがロックした場合には、入力電圧が非線形領域に掛かってしまうため、送信特性、例えば変調精度の劣化が生じる問題がある。
特に、上記従来技術のようにVCO感度に応じて変調スケーリングを行う場合、VCO感度が低下したときに振幅スケールが大きくなるようなスケーリングが行われるが、そうするとVCOの入力電圧が非線形領域に掛かってしまう可能性が更に高くなってしまう。このような変調スケーリングによっては、VCOの入力電圧が非線形領域に掛かってしまうことに起因する送信特性、例えば変調精度の劣化を防止できない。
また、通常、VCOの入力信号はアナログ信号であるため、D/A変換器(上記従来のようにVCO感度変動に応じて変調スケーリングを行う場合には、変調スケールの後段に設けられる)を必要とする。このD/A変換器は、入力ビット列に応じた振幅のアナログ信号を出力する。このアナログ信号には大きなピークが現れることがある。この場合に位相変調の精度を高くしようとすると、上記ピーク部分にD/A変換器の入力ビット列のビット数を合わせる必要があるため、ビット数を多くする必要がある。ビット数が増えると回路規模と電力消費が増大するという問題が生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、送信特性、例えば変調精度を維持すると共に、回路規模を縮小して低消費電力化を実現する位相変調装置および無線通信装置を提供することを目的とする。
本発明の位相変調装置は、PLL回路の分周器の分周比を入力ディジタルベースバンド変調信号に基づいて設定すると共に、前記PLL回路の電圧制御発振器の制御電圧端子に前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ変換した信号に応じた電圧を加えて供給することにより、前記入力ディジタルベースバンド変調信号によってキャリア周波数信号を変調する位相変調装置であって、前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と、前記D/A変換器の出力信号と前記PLL回路のループフィルタの出力とを加算し、当該加算信号を前記電圧制御発振器の制御電圧端子へ出力する加算手段と、前記D/A変換器の前段に設けられ、前記入力ディジタルベースバンド信号に現れるピーク部分の平準化を行うピーク制御手段と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、変調精度を維持すると共に、回路規模を縮小して低消費電力化を実現する位相変調装置および無線通信装置を提供することができる。
位相変調装置に入力される変調信号は、図1に示すようなI、Qのコンスタレーション(例えばHPSK)を振幅信号と位相信号とに分離して得られる位相信号である。VCOは積分回路により構成されるので、VCOに入力する位相信号は、微分された位相差の信号である必要がある。この位相差の時間変動(すなわち、位相変動速度の時間変動)を図2Bに示す。同図にも表れているように、本発明者は位相差の時間変動に大きなピークが現れ、このピークはI、Qコンスタレーションの原点付近を通過する時間に発生することを見いだした。つまり、VCOの入力電圧の時間変動を示す図2Aにも現れているように、I、Qコンスタレーションの原点付近を通過するときに大きなピークが現れることを見いだした。
そして、本発明者は、I、Qコンスタレーションの原点付近は変調信号において意味のあまりない領域であることに着目し、その領域に対応する時間帯に現れるピークを上手く取り扱うことで変調精度を維持すると共に、回路規模を縮小して低消費電力化を実現する本発明に至った。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
(実施の形態1)
図3に示すように実施の形態1の位相変調装置100は、位相変調部101とピーク制御部140とを備えている。位相変調部101は、図4に示すように電圧制御発振器(VCO)105、加算器110、分周器115、位相比較器125、基準信号発生部130及びループフィルタ135を有するPLLと、分周比生成部120と、D/A変換器150とを備えている。
PLLの電圧制御発振器105は、加算器110からの出力信号を入力する制御電圧端子Vtを有し、制御電力端子Vtへの入力の電圧に応じた周波数を持つRF変調信号を出力する
分周器115は、電圧制御発振器105から出力されたRF変調信号を入力し、当該RF変調信号の周波数を分周比生成部120にて生成される分周比に基づいて分周する。この分周後の信号は、PLL帯域内の周波数を持っている。
位相比較器125は、分周器115から出力された分周後の信号の位相と、基準信号発生部130からの基準信号の位相とを比較し、両信号の位相差に応じた信号を出力する。
ループフィルタ135は、位相比較器125からの出力信号を平均化する。
分周比設定手段としての分周比生成部120は、入力するディジタルベースバンド信号(位相変調データ)S1及び搬送波信号(キャリア周波数データ)に基づいて分周比を設定し、当該分周比を分周器115に出力する。上述のとおり、この分周比の値は、分周器115からの出力である、分周後の信号の周波数がPLL帯域内に入るように設定される。
ピーク制御部140は、ディジタルベースバンド信号S2を入力し、上述のように位相変調データであるディジタルベースバンド信号S2に出現するピーク(図5A参照)を平準化することにより、ピークを制御する。この「ピークの平準化」は、ピーク部分の所定の閾値を超える部分を、閾値未満の部分に移すことにより行われる(図5B参照)。例えば、ピーク部分の所定の閾値を超える部分を順次持ち越して、閾値を超えない部分に、閾値に達することを限度として分配することにより行われる。ここで、ディジタルベースバンド信号S2は、コンスタレーション上における各単位時間の位相変動量、すなわち位相変動速度を量子化した量子化ビット列である。
具体的には、ピーク制御部140は、図6に示すように閾値判定部142と、遅延部144と、加算部146とから構成される。
閾値判定部142は、各サンプルタイミングの入力量子化ビット列の表す位相変動速度(Vin)を所定の閾値(Vth)で閾値判定し、入力量子化ビット列の位相変動速度(Vin)が所定の閾値(Vth)を超える場合には、入力量子化ビット列の表す位相変動速度(Vin)の所定の閾値(Vth)を超える部分、すなわち位相変動速度(Vin)と所定の閾値(Vth)との差分(Vin−Vth=Vdiff)を量子化した差分量子化ビット列を遅延部144に出力するとともに、上記所定の閾値(Vth)に相当する位相変動速度を量子化した量子化ビット列をD/A変換器150に出力する。また、判定の結果、入力量子化ビット列の表す位相変動速度(Vin)が所定の閾値(Vth)以下の場合には、閾値判定部142は、入力量子化ビット列をそのままD/A変換器150に出力する。
なお、図23Bに示したように非線形領域にVCOの入力信号が入ると変調特性が劣化するため、そのような領域ではPLLをロックして使用することはできない。ピーク制御によりVCOの入力信号の振幅を小さくすれば、PLLがロックして使用できる範囲は広がる。一方で閾値を小さくしすぎると、すなわち抑圧するピークの抑圧量を多くしすぎると送信特性が劣化する。従ってPLLがロックできる範囲と送信特性の兼ね合いで閾値は決定する。また、D/A変換器の回路規模、電力消費、送信特性の兼ね合いで閾値を決定することもできる。また、PLLがロックできる範囲、D/A変換器の回路規模、電力消費、送信特性の兼ね合いで決定しても良い。
遅延部144は、閾値判定部142からの差分量子化ビット列を所定の遅延時間だけ遅延させて加算部146に出力する。この遅延時間は、上記サンプルタイミングの間隔に相
当する。
加算部146は、ディジタルベースバンド信号S2と、サンプルタイミング間隔で遅延部144から出力される差分量子化ビット列とを入力し、ディジタルベースバンド信号S2と差分量子化ビット列とを「加算」して加算量子化ビット列を上記入力量子化ビット列として閾値判定部142に出力する。なお、ここでの「加算」は、量子化ビット列であるディジタルベースバンド信号S2が表す位相変動速度と、差分量子化ビット列が表す位相変動速度とを加算した加算速度に相当する量子化ビット列を生成することを意味する。
こうしてピーク制御部140において、上記所定の閾値を超える、位相変動速度のピーク部分が、ピーク出現時以降の上記所定の閾値未満のサンプル点に移されることにより、ピーク制御部140から出力される量子化ビット列は、「ピークの平準化」がなされたものとなる。
D/A変換器150は、ピーク制御部140にてピーク制御された量子化ビット列を入力し、ディジタルアナログ変換を施して、加算器110に出力する。このディジタルアナログ変換後の信号は、PLL帯域外の周波数も含んでいる。
加算器110は、ループフィルタからの出力信号に、D/A変換器150からの出力信号を加算し、両信号の加算信号を電圧制御発振器105に出力する。この加算信号には、上述のとおりループフィルタ135からのPLL帯域内の信号と、D/A変換器150からのPLL帯域外の周波数も含む信号とが含まれているので、この加算信号を電圧制御発振器105に入力することにより、広帯域変調を実現することができる。
次に、ピーク制御部140の機能の詳細について、図7を参照して説明する。なお、図7Aは、ピーク制御部140に入力される量子化ビット列の示す位相変動速度を時間軸に対してプロットした図である。また、図7Bは、ピーク制御部140から出力される、ピーク平準化後の量子化ビット列の示す位相変動速度を時間軸に対してプロットした図である。両図ともに縦軸には、位相変動速度と、位相変動速度に対応する量子化ビット列の16進数表示とを示している。また、プロットされた各点の時間間隔は、上記サンプルタイミング間隔に相当する。
量子化ビット列が図7Aに示すように順次ピーク制御部140に入力される場合、時間t1〜t3における量子化ビット列が閾値を超えている。なお、ここではプラスの閾値を1.15[rad/sec](2FF[HEX])、マイナスの閾値を−1.15[rad/sec](D01[HEX])としている。
ピーク制御部140は、閾値を超える部分、すなわち同図ではt1の差分量子化ビット列(37E-2FF)、t2の差分量子化ビット列(4FB-2FF)、t3の差分量子化ビット列(3FD-2FF)を、それらのタイミング以降における閾値未満のサンプルタイミングへ、各サンプルタイミングの加算量子化ビット列が閾値を超えることのないように、分配している。つまり、ピークの平準化前後である図7Aと図7Bとでは、各サンプルタイミングにおける位相変動速度の積分値(すなわち、位相変動値)に変化が生じない。
なお、閾値を超える部分はI、Qコンスタレーション上の原点付近であるため、次に到達するI、Qコンスタレーション上のシンボル点までの間に分配するのが好ましい。変調精度はシンボル点で判定されるので、その時点までに分配が完了していれば変調精度を劣化させることがないためである。なお、シンボル点と次のシンボル点の間には複数のサンプリング点がある。例えばシンボル間隔に10点程度のサンプリング点があればよい。
しかしながら、ピーク制御が行われた後、次に到達するI、Qコンスタレーション上のシンボル点までに分配が完了せず、更に次のシンボル点までの間に分配したとしても、変調精度を大きく劣化させるものではない。変調精度は複数のシンボル点からの誤差量の平均で算出されるためである。
こうしてピーク制御部140は、図7Bに示すように、上記閾値の間(D01〜2FF)にある量子化ビット列のみを出力することとなる。すなわち、ピーク制御部140から出力される量子化ビット列は、少ないビット数で表現することができる。この結果、ビット数の少ない量子化ビット列をD/A変換器150は受け取ることができるので、D/A変換回路規模を縮小できる。
また、ピーク部分を取り除けばD/A変換器150へビット数の少ない量子化ビット列を入力することができるが、これだけではVCO105における位相変動速度の積算値に誤差が生じてしまう。しかしながら、上述のとおりピーク制御部140におけるピークの平準化は、変調信号として余り意味のない原点付近を通るときに発生するピーク付近のタイミングで行われ、さらにピーク平準化の前後で位相変動速度の積分値である位相変動値に変化を生じないことから、変調信号として意味のあるI、Qコンスタレーション上のシンボル付近での位相変動値はピークの平準化前後であまり変化を生じない。また、「ピークの平準化」を行うことにより、VCO105に入力される信号の電圧の振れ幅が小さくなるので、VCO105から出力される信号の周波数が非線形領域に掛かる可能性が小さくなる。そのため、ピークの平準化を行うことで、変調精度を維持しつつ、回路規模を縮小することができる。
このように実施の形態1によれば、PLL回路の分周器115の分周比を入力ディジタルベースバンド変調信号に基づいて設定すると共に、前記PLL回路の電圧制御発振器105の制御電圧端子に前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ変換した信号に応じた電圧を加えて供給することにより、前記入力ディジタルベースバンド変調信号によってキャリア周波数信号を変調する位相変調装置100に、前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ信号に変換するD/A変換器150と、前記D/A変換器150の出力信号と前記PLL回路のループフィルタ135の出力とを加算し、当該加算信号を前記電圧制御発振器105の制御電圧端子へ出力する加算器110と、前記D/A変換器150の前段に設けられ、前記入力ディジタルベースバンド信号に現れるピーク部分の平準化を行うピーク制御部140と、を設けた。例えば、ピーク制御部140は、前記ピーク部分のうち所定の閾値を超える部分を、前記ピーク部分の出現後における前記所定の閾値未満の部分に移すことにより、前記ピーク部分の平準化を行う。
こうすることにより、前記入力ディジタルベースバンド信号に現れるピーク部分の平準化を行うので、ピーク制御部140から出力される信号すなわちD/A変換器150への入力信号は少ないビット数で表現することができるため、D/A変換器150における回路規模を縮小することができる。また、ピーク制御部140はピーク部分をカットするのではなく平準化を行うので、ピーク平準化の前後で電圧制御発振器105の入力信号の積分値(位相変動値)に変化を生じないことから、変調信号として意味のあるI、Qコンスタレーション上のシンボル付近での位相変動値はピークの平準化前後であまり変化を生じないため、変調精度も維持することができる。
ピーク制御部140は、サンプルタイミングごとに前記入力ディジタルベースバンド信号の表す位相変動速度信号と位相変動差分信号とを加算する加算部146と、加算部146からの加算信号の示す位相変動速度を前記閾値により閾値判定する閾値判定部142と、閾値判定部142からの前記位相変動差分信号に前記サンプルタイミング間隔に相当する遅延を施す遅延部144と、を具備し、閾値判定部142は、前記加算信号の示す位相
変動速度が前記閾値を超える場合には、前記閾値を超える部分を前記位相変動差分信号として出力する共に前記閾値に相当する位相変動速度信号をD/A変換器150に出力し、前記加算信号の示す位相変動速度が閾値以下のときには、前記加算信号をそのままD/A変換器150に出力する。
こうすることにより、ピーク部分に近いサンプルを用いてピークの平準化がなされるので、I、Qコンスタレーション上のシンボル付近での位相変動値に及ぼす影響を最小限にすることができるので、変調精度を維持することができる。
なお、図3におけるピーク制御部140の位置は必ずしもこの位置でなくてもよい。図8では、位相変調データをピーク制御部140に入力した後に分岐し位相変調部101に入力している。2点変調型の位相変調装置では、S1’の変調信号成分に対しては等価的に低域通過特性でフィルタリングされると考えてよい。ピークは周波数成分が高いので、S1’に対してピーク制御を行わなくても実質的には変わらない。従って、ピーク制御部の位置は図8に示した位置でも同様な効果が得られる。
また、位相変調部101は2点変調型に限定されるものではない。
図9に位相変調装置の別の構成例を示す。位相変調データはピーク制御部140を通った後、位相変調部102に入力される。位相変調部102の構成例を図10に示す。ピーク制御部140の出力信号は分周比生成部120に入力されず、D/A変換器150のみに入力される。この構成においても上記と同様な効果が得られる。
更に位相変調部102の別の例を図11に示す。ピーク制御部140の出力信号は分周比生成部120に入力され、それに基づきRF変調信号は出力される。この場合、変調信号の周波数帯域幅よりもPLLの帯域幅を広くしないと送信特性が劣化してしまう。しかし、PLLの帯域幅を広くしすぎると雑音特性が劣化してしまうという別の問題を招く。ピークを抑圧することは変調信号の周波数帯域幅を狭くすることと等価であるため、その分、PLLの帯域幅を狭くすることができる。すなわち、送信特性や雑音特性を大きく劣化させることなく1点で変調をかけることができるというメリットがある。
また、上記構成では分周比を変化させて変調しているが、基準信号を変化させて変調しても同様に実施可能である。
(実施の形態2)
実施の形態2における特徴は、ピーク制御部にて「ピークの平準化」に利用される所定の閾値を、VCOの入力信号の電圧平均値(PLLのロックした周波数に相当)に応じて変更することである。
図12に示すように実施の形態2の位相変調装置200は、ピーク制御部210と、A/D変換器220とを有する。
A/D変換器220は、加算器110の出力信号(すなわち、電圧制御発振器105への入力信号)を入力し、アナログ信号からディジタル信号に変換する。
ピーク制御部210は、実施の形態1のピーク制御部140と同様に、ディジタルベースバンド信号S2を入力し、位相変調データであるディジタルベースバンド信号S2に出現するピークを平準化することにより、ピークを制御する。この「ピークの平準化」は、ピーク部分の所定の閾値を超える部分を、閾値未満の部分に移すことにより行われる。ただし、ピーク制御部210は、電圧制御発振器105の入力信号である電圧の平均値(す
なわち、PLLのロックした周波数に相当)に相当するディジタル信号をA/D変換器220から入力し、このディジタル信号に基づいて「ピークの平準化」に利用する閾値を変更する。
具体的には、ピーク制御部210は、図13に示すように閾値変更部212と、閾値判定部214とを有する。
閾値変更部212は、電圧制御発振器105の入力信号である電圧の平均値(以下、「VCO入力電圧平均値」と呼ぶことがある)に応じて、「ピークの平準化」に利用する閾値を変更する。具体的には、閾値変更部212は、VCO入力電圧平均値に基づいて、閾値がVCO感度の非線形領域に掛かっているか否かを判断し、判断結果に応じて「ピークの平準化」に利用する閾値を変更する。
すなわち、閾値変更部212は、「閾値初期値」とVCO入力電圧平均値との離間電圧が、VCO感度の線形領域および非線形領域との境界電圧とVCO入力電圧平均値との離間電圧よりも大きいときには、「閾値初期値」が非線形領域に掛かると判断し、上記境界電圧とVCO入力電圧平均値との離間電圧以下に閾値を変更する。また、閾値変更部212は、「閾値初期値」とVCO入力電圧平均値との離間電圧が、VCO感度の線形領域および非線形領域との境界電圧とVCO入力電圧平均値との離間電圧以下のときには、「閾値初期値」が非線形領域に掛からない、つまり線形領域内にあると判断し、閾値を「閾値初期値」にする。なお、「閾値初期値」は、閾値のとりうる最大値であり、回路規模との兼ね合いでD/A変換器150の入力である量子化ビット列に許されるビット数に応じたものである。また、閾値変更部212はテーブルやデコーダで構成し、テーブルに関してはソフトによる変更も可能である。
閾値判定部214は、閾値変更部212からの変更後の閾値を入力し、その閾値を用いて実施の形態1の閾値判定部142と同様の動作を行う。
次に、ピーク制御部210の機能の詳細について、図14を参照して説明する。なお、図14Aは、ピーク制御部210への入力信号、出力信号、およびVCOの出力信号の様子を示した図である。また、図14Bは、図14Aに示すピーク制御部210の出力信号に対応する位相変動速度の時間変動を示す図である。
図14Aに示す閾値がTh1000およびTh1100に設定され、且つ、「VCO入力電圧平均値」が同図に示すように線形領域と非線形領域との境界電圧付近である場合、Th1000およびTh1100を用いて「ピークの平準化」を行っても、ピーク制御部210の出力信号のVCOにおける入力電圧が非線形領域に掛かってしまう、つまり、VCOの出力信号の周波数が非線形領域に掛かってしまう。これに起因して、変調精度が低下する結果となる。
そこで、非線形領域に掛かってしまう閾値(同図においては、Th1000)を、境界電圧とVCO入力電圧平均値との離間電圧に応じた閾値(同図においては、Th1200)に変更する。
この変更後の閾値(同図においては、Th1200)に対応する閾値を用いて「ピークの平準化」が行われた後のピーク制御部210の出力信号である位相変動速度を図14Bに示す。同図に示すように、VCOの出力信号の周波数が非線形領域に掛からないようにTh1200に対応する閾値Th1300(-0.8Rad)に変更されている。因みに、閾値Th1100は線形領域内にあるので、この閾値Th1100に対応する閾値Th1400は初期値(1Rad)のままである。
こうして、「VCO入力電圧平均値」に応じて、「ピークの平準化」に用いられる閾値を適応的に変更することにより、VCOの出力信号の周波数が非線形領域に掛かることを防止し、変調精度を向上しつつ、回路規模を縮小することができる。
このように実施の形態2によれば、PLL回路の分周器115の分周比を入力ディジタルベースバンド変調信号に基づいて設定すると共に、前記PLL回路の電圧制御発振器105の制御電圧端子に前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ変換した信号に応じた電圧を加えて供給することにより、前記入力ディジタルベースバンド変調信号によってキャリア周波数信号を変調する位相変調装置200に、前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ信号に変換するD/A変換器150と、前記D/A変換器150の出力信号と前記PLL回路のループフィルタ135の出力とを加算し、当該加算信号を前記電圧制御発振器105の制御電圧端子へ出力する加算器110と、前記D/A変換器150の前段に設けられ、前記入力ディジタルベースバンド信号に現れるピーク部分の平準化を行うピーク制御部210と、を設けた。例えば、ピーク制御部210は、前記ピーク部分のうち所定の閾値を超える部分を、前記ピーク部分の出現後における前記所定の閾値未満の部分に移すことにより、前記ピーク部分の平準化を行う。
さらに、位相変調装置200に、前記閾値を前記制御電圧端子への供給平均電圧(VCO入力電圧平均値)に応じて変更する閾値変更部212を設け、ピーク制御部210は、前記変更後の閾値を用いて前記ピーク部分の平準化を行う。
こうすることにより、電圧制御発振器105の非線形領域および線形領域の境界電圧がおよそ分かっていることから、制御電圧端子への供給平均電圧(VCO入力電圧平均値)から電圧制御発振器105の非線形領域および線形領域の境界電圧までの距離がおよそ分かり、この距離は電圧制御発振器105の出力信号の非線形領域への掛かり易さを示す指標となりうるので、前記制御電圧端子への供給平均電圧(VCO入力電圧平均値)に応じて閾値を変更することにより、電圧制御発振器105の出力信号の周波数が非線形領域に掛かることを防止し、変調精度を向上することができる。
閾値変更部212は、前記供給平均電圧と前記閾値と前記非線形領域および線形領域の境界電圧とに基づいて当該閾値が前記電圧制御発振器の非線形領域に入るか否かを判断し、前記非線形領域に入るときには、前記境界電圧と前記供給平均電圧との離間電圧以下に、前記閾値を変更する。
こうすることにより、閾値が非線形領域に入る(すなわち、電圧制御発振器105の出力信号の周波数が非線形領域に掛かる)と判断した場合には、閾値が境界電圧と供給平均電圧との離間電圧以下に変更されるので、電圧制御発振器105の出力信号の周波数が非線形領域に掛かることを確実に防止し、変調精度を向上することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3における特徴は、ピーク制御部にて「ピークの平準化」に利用される所定の閾値を温度変動に応じて変更することである。
図15に示すように実施の形態3の位相変調装置300は、ピーク制御部310を有する。このピーク制御部310は、温度情報を入力し、温度変動に応じて上記所定の閾値を変更した上で、「ピークの平準化」を行う。
具体的には、ピーク制御部310は、図16に示すように閾値変更部312と、閾値判定部314とを有している。この閾値変更部312は、温度(例えば、気温、VCO10
5の温度)と、閾値との対応関係を保持しており、入力する温度情報に対応する閾値を出力する。なお、閾値変更部312は、テーブルやデコーダで構成し、テーブルに関してはソフトによる変更も可能である。
閾値判定部314は、閾値変更部312からの変更後の閾値を入力し、その閾値を用いて実施の形態1の閾値判定部142と同様の動作を行う。
次に、ピーク制御部310の機能について、説明する。
温度変動が生じると、VCO105の入力と出力の関係に変化が生じる。具体的には、図2に示すVCO105の入力と出力との関係曲線の線形部分の傾きが変動する。また、線形領域と非線形領域との境界点(境界電圧)にも変化が生じる。
そこで、ピーク制御部310は、温度毎にVCO105の出力信号の周波数が非線形領域にできるだけ掛からないような閾値との対応関係を予め保持しておき、入力情報が示す温度に適した閾値を用いて「ピークの平準化」を行う。こうして、VCO105の出力信号の周波数が非線形領域に掛かることを防止し、変調精度を向上しつつ、回路規模を縮小することができる。
このように実施の形態3によれば、PLL回路の分周器115の分周比を入力ディジタルベースバンド変調信号に基づいて設定すると共に、前記PLL回路の電圧制御発振器105の制御電圧端子に前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ変換した信号に応じた電圧を加えて供給することにより、前記入力ディジタルベースバンド変調信号によってキャリア周波数信号を変調する位相変調装置300に、前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ信号に変換するD/A変換器150と、前記D/A変換器150の出力信号と前記PLL回路のループフィルタ135の出力とを加算し、当該加算信号を前記電圧制御発振器105の制御電圧端子へ出力する加算器110と、前記D/A変換器150の前段に設けられ、前記入力ディジタルベースバンド信号に現れるピーク部分の平準化を行うピーク制御部310と、を設けた。例えば、ピーク制御部310は、前記ピーク部分のうち所定の閾値を超える部分を、前記ピーク部分の出現後における前記所定の閾値未満の部分に移すことにより、前記ピーク部分の平準化を行う。
さらに、位相変調装置300に、前記閾値を温度情報に応じて変更する閾値変更部312を設け、ピーク制御部310は、前記変更後の閾値を用いて前記ピーク部分の平準化を行う。
こうすることにより、温度変動により電圧制御発振器105の感度が変動する場合であっても、温度に適した閾値に変更することができるので、VCO105の出力信号の周波数が非線形領域に掛かることを防止し、変調精度を向上することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4における特徴は、ピーク制御部にて「ピークの平準化」に利用される所定の閾値を、VCOの入力信号の電圧平均値(PLLのロックした周波数に相当)および温度変動に応じて変更することである。
図17に示すように実施の形態4の位相変調装置400は、ピーク制御部410を有する。ピーク制御部410は、実施の形態2のピーク制御部210と同様に、ディジタルベースバンド信号S2を入力し、位相変調データであるディジタルベースバンド信号S2に出現するピークを平準化することにより、ピークを制御する。ただし、ピーク制御部410は、電圧制御発振器105の入力信号である電圧の平均値(すなわち、PLLのロック
した周波数に相当)に相当するディジタル信号をA/D変換器220から入力し、さらに温度情報を入力し、このディジタル信号および温度情報に基づいて「ピークの平準化」に利用する閾値を変更する。
具体的には、ピーク制御部410は、図18に示すように閾値変更部412と、閾値判定部414とを有する。
閾値変更部412は、VCO入力電圧平均値および温度情報に応じて、「ピークの平準化」に利用する閾値を変更する。具体的には、閾値変更部412は、温度情報が示す温度に応じて線形領域と非線形領域との境界電圧を変更し、変更した境界電圧とVCO入力電圧平均値とを用いて実施の形態2の閾値変更部212と同様の動きをする。
例えば、閾値変更部412は、「閾値初期値」とVCO入力電圧平均値との離間電圧が、温度情報に応じた「変更後の境界電圧」とVCO入力電圧平均値との離間電圧よりも大きいときには、「閾値初期値」が非線形領域に掛かると判断し、上記「変更後の境界電圧」とVCO入力電圧平均値との離間電圧に応じた閾値に変更する。
このように実施の形態4によれば、PLL回路の分周器115の分周比を入力ディジタルベースバンド変調信号に基づいて設定すると共に、前記PLL回路の電圧制御発振器105の制御電圧端子に前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ変換した信号に応じた電圧を加えて供給することにより、前記入力ディジタルベースバンド変調信号によってキャリア周波数信号を変調する位相変調装置400に、前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ信号に変換するD/A変換器150と、前記D/A変換器150の出力信号と前記PLL回路のループフィルタ135の出力とを加算し、当該加算信号を前記電圧制御発振器105の制御電圧端子へ出力する加算器110と、前記D/A変換器150の前段に設けられ、前記入力ディジタルベースバンド信号に現れるピーク部分の平準化を行うピーク制御部410と、を設けた。例えば、ピーク制御部410は、前記ピーク部分のうち所定の閾値を超える部分を、前記ピーク部分の出現後における前記所定の閾値未満の部分に移すことにより、前記ピーク部分の平準化を行う。
さらに、位相変調装置400に、前記閾値を前記制御電圧端子への供給平均電圧(VCO入力電圧平均値)に応じて変更する閾値変更部412を設け、ピーク制御部410は、前記変更後の閾値を用いて前記ピーク部分の平準化を行う。
そして閾値変更部412は、温度情報に応じて前記非線形領域および線形領域の境界電圧を変更し、前記供給平均電圧と前記閾値と変更後の前記境界電圧とに基づいて当該閾値が前記電圧制御発振器の非線形領域に入るか否かを判断し、前記閾値が前記非線形領域に入るときには、変更後の前記境界電圧と前記供給平均電圧との離間電圧以下に、前記閾値を変更する。
こうすることにより、温度および制御電圧端子への供給平均電圧(VCO入力電圧平均値)に適した閾値に変更することができるので、VCO105の出力信号の周波数が非線形領域に掛かることを確実に防止し、変調精度を向上することができる。
(実施の形態5)
実施の形態1乃至4においては、ピーク出現時以降のサンプル点を用いて「ピークの平準化」を行った。これに対して、実施の形態5の特徴は、ピーク出現時前のサンプル点を用いて「ピークの平準化」を行うことである。ここでは、上記特徴を実施の形態1に適用した場合について説明する。
図19に示すように、実施の形態5の位相変調装置500は、ピーク制御部510を有する。
ピーク制御部510は、実施の形態1のピーク制御部140と同様に、ディジタルベースバンド信号S2を入力し、上述のように位相変調データであるディジタルベースバンド信号S2に出現するピークを平準化することにより、ピークを制御する。ただし、ピーク制御部510は、ピーク部分の所定の閾値を超える部分を、ピーク出現前の時間帯における閾値未満の部分に、閾値に達することを限度として分配することにより行われる。
具体的には、ピーク制御部510は、図20に示すように閾値判定部512と、遅延部514と、加算部516とから構成される。
閾値判定部512は、各サンプルタイミングの入力量子化ビット列の表す位相変動速度(Vin)を所定の閾値(Vth)で閾値判定し、入力量子化ビット列の位相変動速度(Vin)が所定の閾値(Vth)を超える場合には、入力量子化ビット列の表す位相変動速度(Vin)の所定の閾値(Vth)を超える部分、すなわち位相変動速度(Vin)と所定の閾値(Vth)との差分(Vin−Vth=Vdiff)を量子化した差分量子化ビット列を加算部516に出力するとともに、上記所定の閾値(Vth)に相当する位相変動速度を量子化した量子化ビット列を遅延部514に出力する。また、判定の結果、入力量子化ビット列の表す位相変動速度(Vin)が所定の閾値(Vth)以下の場合には、閾値判定部512は、入力量子化ビット列をそのまま遅延部514に出力する。
遅延部514は、閾値判定部512からの出力ビット列(Vout)を所定の遅延時間だけ遅延させて加算部516に出力する。この遅延時間は、いくつ前のサンプルタイミングにおけるサンプルを用いてピークの平準化を行うかに応じた時間であり、サンプルタイミング間隔の整数倍となる。
加算部516は、閾値判定部512の出力ビット列(Vout)が所定時間だけ遅延された信号と、閾値判定部512からの差分量子化ビット列とを入力し、両ビット列を「加算」して加算量子化ビット列を上記入力量子化ビット列としてD/A変換器150に出力する。なお、ここでの「加算」は、出力ビット列(Vout)が表す位相変動速度と、差分量子化ビット列が表す位相変動速度とを加算した加算速度に相当する量子化ビット列を生成することを意味する。
こうしてピーク制御部510において、上記所定の閾値を超える、位相変動速度のピーク部分が、ピーク出現時以前の上記所定の閾値未満のサンプル点に移されることにより、ピーク制御部から出力される量子化ビット列は、「ピークの平準化」がなされたものとなる。その結果、実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態の特徴は、実施の形態2乃至実施の形態4にも適用可能である。
このように実施の形態5によれば、PLL回路の分周器115の分周比を入力ディジタルベースバンド変調信号に基づいて設定すると共に、前記PLL回路の電圧制御発振器105の制御電圧端子に前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ変換した信号に応じた電圧を加えて供給することにより、前記入力ディジタルベースバンド変調信号によってキャリア周波数信号を変調する位相変調装置500に、前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ信号に変換するD/A変換器150と、前記D/A変換器150の出力信号と前記PLL回路のループフィルタ135の出力とを加算し、当該加算信号を前記電圧制御発振器105の制御電圧端子へ出力する加算器110と、前記D/A変換器150の前段に設けられ、前記入力ディジタルベースバンド信号に現れるピーク部分の平準化を
行うピーク制御部510と、を設けた。例えば、ピーク制御部510は、前記ピーク部分のうち所定の閾値を超える部分を、前記ピーク部分の出現前における前記所定の閾値未満の部分に移すことにより、前記ピーク部分の平準化を行う。
(実施の形態6)
図21に、本発明の位相変調装置を用いたポーラ変調送信装置1000の構成を示す。振幅位相分離部1010は、I(同相)成分及びQ(直交)成分からなるベースバンド変調信号S101を入力する。そして、振幅位相分離部1010は、ベースバンド変調信号S101の振幅成分(すなわち、√(I+Q))を振幅変調信号S102として振幅変調信号増幅器1020に出力するとともに、ベースバンド変調信号S101の位相成分(例えば、変調シンボルとI軸のなす角度)をベースバンド位相変調信号S103として位相変調装置100(200、300、400、500)に送出する。
位相変調装置100においては、ベースバンド位相変調信号S103から変換されたディジタルベースバンド信号S1(S2)が入力される。
ポーラ変調送信装置1000は、実施の形態1乃至5の変調装置100(200、300、400、500)によって搬送波信号(キャリア周波数データ)をベースバンド位相変調信号(ディジタルベースバンド信号S1(S2))で変調し、これにより得たRF位相変調信号(高周波位相変調信号)を高周波電力増幅器1030に出力する。
高周波電力増幅器1030は非線形増幅器で構成され、電源電圧値が振幅変調信号増幅器1020により増幅された振幅変調信号に応じて設定される。これにより、電源電圧値に位相変調装置100(200、300、400、500)から出力されたRF位相変調信号を掛け合わされた信号が高周波電力増幅器1030の利得分だけ増幅された送信信号が出力される。この送信信号はアンテナから送信される。こうしてポーラ変調送信装置1000においては、高周波電力増幅器1030に入力されるRF変調信号を、振幅方向の変動成分をもたない定包絡線信号とすることができるので、高周波電力増幅器1030として高効率の非線形増幅器を使用することができる。
このようにポーラ変調送信装置1000においては、「ピークの平準化」を行うことで変調精度を維持しつつ回路規模を縮小できる、実施の形態1乃至5の位相変調装置100(200、300、400、500)を用いたことにより、低消費電力化を実現できる。この結果、例えば携帯端末に搭載した場合には、長時間の使用が可能な小型の携帯端末を実現できるようになる。
本明細書は、2005年11月10日出願の米国仮出願60/735,173に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
本発明の位相変調装置および無線通信装置は、変調精度を維持すると共に、回路規模を縮小して低消費電力化を実現するものであり、例えば携帯電話機等の携帯端末やその基地局等の無線機器に広く適用可能である。
HPSKのIQコンスタレーションを示す図 VCOに入力する位相信号およびVCOの入力電圧の時間変動の説明に供する図 本発明の実施の形態1に係る位相変調装置の構成を示すブロック図 図3の位相変調部の構成を示すブロック図 図3のピーク制御部の入力信号および出力信号の状況を示す図 図3のピーク制御部の構成を示すブロック図 図3のピーク制御部の機能の説明に供する図 本発明の実施の形態1に係る位相変調装置の他の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る位相変調装置の別の構成を示すブロック図 図9の位相変調部の構成を示すブロック図 図9の位相変調部の他の構成を示すブロック図 実施の形態2に係る位相変調装置の構成を示すブロック図 図12のピーク制御部の構成を示すブロック図 図12のピーク制御部の機能の説明に供する図 実施の形態3に係る位相変調装置の構成を示すブロック図 図15のピーク制御部の構成を示すブロック図 実施の形態4に係る位相変調装置の構成を示すブロック図 図17のピーク制御部の構成を示すブロック図 実施の形態5に係る位相変調装置の構成を示すブロック図 図19のピーク制御部の構成を示すブロック図 実施の形態6に係るポーラ変調送信装置の構成を示すブロック図 従来の2点変調方式を採用する広帯域変調PLLを用いた位相変調装置の構成を示すブロック図 電圧制御発振器の特性の説明に供する図

Claims (11)

  1. PLL回路の分周器の分周比を入力ディジタルベースバンド変調信号に基づいて設定すると共に、前記PLL回路の電圧制御発振器の制御電圧端子に前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ変換した信号に応じた電圧を加えて供給することにより、前記入力ディジタルベースバンド変調信号によってキャリア周波数信号を変調する2点変調型の位相変調装置であって、
    前記入力ディジタルベースバンド信号をアナログ信号に変換するD/A変換器と、
    前記D/A変換器の出力信号と前記PLL回路のループフィルタの出力とを加算し、当該加算信号を前記電圧制御発振器の制御電圧端子へ出力する加算手段と、
    前記D/A変換器の前段に設けられ、前記入力ディジタルベースバンド信号に現れるピーク部分の平準化を行うピーク制御手段と、
    を具備する2点変調型位相変調装置。
  2. 前記ピーク制御手段は、前記ピーク部分のうち所定の閾値を超える部分を、前記ピーク部分の出現後における前記所定の閾値未満の部分に移すことにより、前記ピーク部分の平準化を行う請求項1記載の2点変調型位相変調装置。
  3. 前記ピーク制御手段は、サンプルタイミングごとに前記入力ディジタルベースバンド信号の表す位相変動速度信号と位相変動差分信号とを加算する加算手段と、
    前記加算手段からの加算信号の示す位相変動速度を前記閾値により閾値判定する判定手段と、
    前記判定手段からの前記位相変動差分信号に前記サンプルタイミング間隔に相当する遅延を施す遅延手段と、
    を具備し、
    前記判定手段は、前記加算信号の示す位相変動速度が前記閾値を超える場合には、前記閾値を超える部分を前記位相変動差分信号として出力すると共に前記閾値に相当する位相変動速度信号を前記D/A変換器に出力し、前記加算信号の示す位相変動速度が閾値以下のときには、前記加算信号をそのまま前記D/A変換器に出力する請求項2記載の2点変調型位相変調装置。
  4. 前記閾値を前記制御電圧端子への供給平均電圧に応じて変更する閾値変更手段を有し、
    前記ピーク制御手段は、前記変更後の閾値を用いて前記ピーク部分の平準化を行う請求項2記載の2点変調型位相変調装置。
  5. 前記閾値変更手段は、前記供給平均電圧と前記閾値と前記非線形領域および線形領域の境界電圧とに基づいて当該閾値が前記電圧制御発振器の非線形領域に入るか否かを判断し、前記非線形領域に入るときには、前記境界電圧と前記供給平均電圧との離間電圧以下に、前記閾値を変更する請求項4記載の2点変調型位相変調装置。
  6. 前記閾値を温度情報に応じて変更する閾値変更手段を有し、
    前記ピーク制御手段は、前記変更後の閾値を用いて前記ピーク部分の平準化を行う請求項2記載の2点変調型位相変調装置。
  7. 前記閾値変更手段は、温度情報に応じて前記境界電圧を変更し、前記閾値が前記非線形領域に入るときには、変更後の前記境界電圧と前記供給平均電圧との離間電圧以下に、前記閾値を変更する請求項5記載の2点変調型位相変調装置。
  8. 前記ピーク制御手段は、前記ピーク部分のうち所定の閾値を超える部分を、前記ピーク部分の出現前における前記所定の閾値未満の部分に移すことにより、前記ピーク部分の平
    準化を行う請求項1記載の2点変調型位相変調装置。
  9. 前記ピーク制御手段は、前記入力ディジタルベースバンド信号の表す位相変動速度信号を前記閾値により閾値判定する判定手段と、
    前記判定手段の出力信号に前記サンプルタイミング間隔の整数倍の遅延を施す遅延手段と、
    前記判定手段からの位相変動差分信号と前記遅延手段からの出力信号とを加算して前記D/A変換器に出力する加算手段と、
    を具備し、
    前記判定手段は、前記入力ディジタルベースバンド信号の表す位相変動速度が前記閾値を超える場合には、前記閾値を超える部分を前記位相変動差分信号として出力する共に前記閾値に相当する位相変動速度信号を前記遅延手段に出力し、前記入力ディジタルベースバンド信号の表す位相変動速度が閾値以下のときには、入力ディジタルベースバンド信号をそのまま前記遅延手段に出力する請求項8記載の2点変調型位相変調装置。
  10. 前記ピーク制御手段は、前記ピーク部分のうち所定の閾値を超える部分を、前記ピーク部分の出現前および出現後における前記所定の閾値未満の部分に移すことにより、前記ピーク部分の平準化を行う請求項1記載の2点変調型位相変調装置。
  11. ベースバンド変調信号に基づいて、ベースバンドの位相変調信号と振幅変調信号とを形成する振幅位相分離部と、
    前記ベースバンドの位相変調信号を入力ディジタルベースバンド変調信号として入力し、RF位相変調信号を出力する請求項1から請求項10のいずれかに記載の2点変調型位相変調装置と、
    前記2点変調型位相変調装置から出力される前記RF位相変調信号の振幅を、前記振幅変調信号に応じて変動させる高周波電力増幅器と、
    を具備する無線通信装置。
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